商標取消審判
2023-300757
オールアウト
- 審判番号
- 2023-300757
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2020-002151
- 登録番号
- 6305233
- 請求日
- 2023年10月20日
- 審決日
- 2024年12月04日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】安達 友和
- 【被請求人】打越 一生
- 【被請求人代理人】西村 竜平
- 【被請求人代理人】齊藤 真大
- 【被請求人代理人】上村 喜永
- 【被請求人代理人】中村 惇志
- 【被請求人代理人】前田 治子
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6305233号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6305233号商標(以下「本件商標」という。)は、「ALLOUT」の文字を標準文字で表してなり、令和2年1月8日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同年10月19日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年11月16日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年11月16日~同5年11月15日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、令和6年4月3日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、「乙第1-1号証」を「乙1-1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。
1 答弁の理由
本件商標は、ネットショップにおいて使用されており、この使用事実に基づけば、本件商標を商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。
以下に、その根拠を詳述する。
(1)「ALLOUT」の来歴について
ア ブランドの立上げ
商標権者は、2017年頃にフィットネス関連のアパレルブランド「ALLOUT」を立ち上げた。
イ SNSによる宣伝広告
商標権者は、ブランド立上げ後、2018年9月から現在に至るまで、SNSであるinstagram(乙1)及びfacebook(乙2)を活用し、商品のラインナップが追加されるごとに記事を投稿し宣伝広告を行っている。
ウ ネットショップによる販売
商標権者は、販路を拡大すべく2018年末頃にネットショップ作成サービスである「BASE」においてネットショップ(以下「BASEネットショップ」ともいう。乙3-1)を開設し、現在に至るまで本件商標を使用して指定商品「被服」の販売を継続している。
また、2021年10月には、さらに販路を拡大すべく別のネットショップ作成サービスである「メルカリShops」で「ALLOUTshop」なるネットショップ(以下「メルカリネットショップ」ともいう。乙4-1)を開設し、本件商標を使用して商品「被服」の販売を継続している。
(2)本件商標が使用されている事実について
ア メルカリネットショップにおける使用
(ア)使用主体
メルカリネットショップの運営者は商標権者である。
この事実は、メルカリネットショップのショップ情報画面(乙4-2)に表示される代表者名及び住所が、商標権者の氏名及び住所と一致していることから分かる。
(イ)使用に係る商標及び商品
商標権者は、メルカリネットショップにおいて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「被服」に含まれる「Tシャツ」を示す商標として使用している。
詳述すると、乙第4-3号証に示す「Tシャツ」の商品購入ページには、「ALLOUT」の文字をゴシック体で書した商標(以下「使用商標1」ともいう。)が表示されている。
この使用商標1は、本件商標と書体にのみに変更を加えた同一の文字からなる商標に該当し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明らかである。
ちなみに、メルカリネットショップでは、「Tシャツ」以外にも「ジョガーパンツ」「パーカー」「タンクトップ」を販売しており、同様のことがいえる。
(ウ)使用期間
商標権者は、商品購入ページにおいて、少なくとも2021年11月4日から現在に至るまで使用商標1を使用し続けている。
この事実は、メルカリネットショップの商品管理データ出力(乙4-4)及び商品管理画面(乙4-5)から分かる。
なお、商品管理データ及び商品管理画面は、いずれも株式会社ソウゾウによって管理されており、運営者は、ID及びパスワードを使用してログインすることで取得できるものである。
ここで、商品管理データの見方を説明する。
「商品ID」は、商品ごとに定められ、商品購入ページのアドレスの一部に紐づけられており、具体的には、「Tシャツ」の商品IDは「mboLUWo4eLXBEA5reiBqgn」であり、前記商品購入ページのアドレスの一部に紐づけられている。
また、「商品登録日時」は、商品購入ページの作成日時であり、「最終更新日時」は、商品購入ページの最終更新日時である。
そして、商品IDが「mboLUWo4eLXBEA5reiBqgn」である「Tシャツ」の「最終更新日時」は「2021/11/04 13:56:34」になっている。
したがって、商標権者は、「Tシャツ」の商品購入ページを2021年11月4日以降編集しておらず、このことから、少なくとも2021年11月4日から現在に至るまで使用商標1を使用し続けていることが分かる。
なお、2021年11月4日は、およそ2年前であるが、商品管理画面に記載された商品購入ページの最終更新後の期間を示す「2年前」なる記載とも一致する。
(エ)使用地域
メルカリネットショップは、日本国内で開示されており、したがって、本件商標は、日本国内において使用されている。
イ BASEネットショップにおける使用
(ア)使用主体
BASEネットショップの運営者は商標権者である。
この事実は、BASEネットショップの運営者情報画面(乙3-2)に表示される氏名及び住所が、商標権者の氏名及び住所と一致していることから分かる。
(イ)使用に係る商標及び商品
商標権者は、BASEネットショップにおいても、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、指定商品「被服」に含まれる「Tシャツ」を示す商標として使用している。
詳述すると、乙第3-3号証に示す「Tシャツ」の商品購入ページには、「ALLOUT」の文字をゴシック体で書した商標(以下「使用商標2」ともいう。)が表示されている。
この使用商標2は、本件商標と書体にのみに変更を加えた同一の文字からなる商標に該当し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることは明らかである。
ちなみに、BASEネットショップでは、「Tシャツ」以外にも「タンクトップ」を販売しており、同様のことがいえる。
(ウ)使用期間
商標権者は、2018年末頃にBASEネットショップを開設し、商品購入ページにおいて、開設後現在に至るまで使用商標2を使用し続けている。
2018年末頃に開設した事実は、2018年11月21日付けにて「BASE」を運営するBASE株式会社から商標権者宛に、ショップ開設に関するメール(乙3-4)が届いていることから分かる。
また、その開設以降継続して使用している事実は、BASEネットショップのデータ(乙3-5)が2019年から残っていることから分かる。
(エ)使用地域
BASEネットショップは、日本国内で開示されており、したがって、本件商標は、日本国内において使用されている。
ウ 小括
以上に述べたことから明らかなように、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標1及び使用商標2を指定商品「被服」に使用している。
2 まとめ
よって、本件商標を商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第4-1号証
乙第4-1号証は、被請求人が、メルカリネットショップの画面と主張するものであり、上部に、「メルカリShopsでおトクなお買い物。」の記載、その下に「mercari」の記載、その左下に、「ALLOUT Shop」の記載があり、その下に、「すべての商品」として4種類の被服の写真が、価格表示とともに並べて提示され、このうち、末尾に提示された写真の商品の価格表示は「¥4,980」である。
イ 乙第4-2号証
乙第4-2号証は、被請求人が、メルカリネットショップのショップ情報画面と主張するものであり、1葉目ないし3葉目に、パソコン等で表示したと思われるブラウザの表示画面(スクリーンショット)が都合5つ示されており、以下、これらを順に「第1画面」ないし「第5画面」という。
そして、第1画面ないし第5画面の全てに共通して、左上に「設定」の記載があり、第1画面においては、「ショップ名/第三者の商標(会社名、ブランド名、キャラクター名等)をショップ名の一部又は全部に使用することはできません」に対応する枠内に「ALLOUT Shop」の記載がある。
また、第3画面において、「代表者名」に対応する2つの枠内に、それぞれ商標権者の氏名における姓、名に一致する記載、さらに、第4画面において、「都道府県」、「市区町村」、「番地」のそれぞれに対応する3つの枠内に、それぞれ商標権者の住所における県、市、番地に一致する記載がある。
ウ 乙第4-3号証
乙第4-3号証は、被請求人が、メルカリネットショップの商品購入ページと主張するものであり、上記イと同様のブラウザの表示画面(スクリーンショット)が1つ示されており、その中に、「mboLUWo4eLXBEA5reiBqgn」の文字列を含むURLの表示があり、その下に、乙第4-1号証の末尾に提示された写真と同一の被服(以下「使用商品」という。)の写真が掲載され、その右に、「【ALLOUT】 Tシャツ」の記載(以下「使用商標」という。なお、このうちの「ALLOUT」の部分は被請求人の主張における「使用商標1」である。)、その下に、「¥4,980」の記載があり、その下に、「購入手続きへ」の記載がある。
エ 乙第4-4号証
乙第4-4号証は、被請求人が、メルカリネットショップの商品管理データと主張するものであり、全体が1葉に収まるように複数個に分割したと思われる、1行目に「商品ID」、「スナップショットID」等の項目名が記載された表が提示されている。
そして、この表の5行目において、「商品ID」欄に「mboLUWo4eLXBEA5reiBqgn」、「商品名」欄に「【ALLOUT】 Tシャツ」、「販売価格」欄に「4980」、「商品登録日時」欄に「2021/10/18 22:15:58」、「最終更新日時」欄に「2021/11/04 13:56:34」の各記載がある。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 乙第4-1号証における「ALLOUT Shop」の記載はショップの名称を示すものと理解できるところ、当該名称は、乙第4-2号証の第1画面における「ショップ名」の記載と一致している。
また、乙第4-2号証の第3画面及び第4画面には、商標権者の氏名及び住所と一致する記載がある。
よって、商標権者は、「ALLOUT Shop」(以下「本件ショップ」という。)の開設者であると認められる。
イ 乙第4-3号証における使用商品の写真は乙第4-1号証における写真と同一であり、乙第4-3号証における「¥4,980」の記載についても乙第4-1号証の価格表示と一致している。
よって、乙第4-3号証は、本件ショップにおける使用商品の購入ページであると認められる。
ウ 乙第4-3号証において表示されているURLに含まれる「mboLUWo4eLXBEA5reiBqgn」の文字列は、乙第4-4号証の表の5行目における「商品ID」欄の記載と一致しており、乙第4-3号証における使用商標の記載、使用商品の価格の記載についても、同表の5行目におけるそれぞれ「商品名」欄、「販売価格」欄の記載と一致している。
よって、本件ショップにおける使用商品についての商品購入ページは、少なくとも、上記表の5行目における「最終更新日時」欄の記載が示す2021年11月4日に公開され、その際、乙第4-3号証が示すとおり、使用商品についての情報の記載とともに、使用商標が付されていたものと認められる。
また、使用商標において、「Tシャツ」の部分は、商品の種類を表すものと理解できるから、使用商品は、「Tシャツ」であると認められる。この点は、上記ページに掲載された写真における被服の外観からも明らかである。
エ 以上から、商標権者は、自身が開設した本件ショップにおいて、商品購入ページとして、使用商品「Tシャツ」についての情報が記載され、使用商標が表示された広告を、少なくとも令和3年(2021年)11月4日にインターネット上で公開したことが認められる。
2 判断
上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)使用者、使用時期及び使用行為について
商標権者が、使用商品「Tシャツ」についての情報が記載され、使用商標が表示された広告を、令和3年(2021年)11月4日にインターネット上で公開した行為について、使用商標の使用者は商標権者であり、使用時期は要証期間である。
また、上記行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。
(2)使用商品について
使用商品は、「Tシャツ」であるから、本件商標の指定商品「被服」の範ちゅうに属する商品である。
(3)本件商標と使用商標との同一性について
上記1(2)ウで述べたように、使用商標において、「Tシャツ」の部分は商品の種類を表すものと理解できるから、「【ALLOUT】」、すなわち墨括弧で括られた「ALLOUT」の部分は、「Tシャツ」の部分と不可分に結合したものではなく、当該部分から分離、独立して認識し得るものといえる。
一方、本件商標は、上記第1のとおり、「ALLOUT」の文字を標準文字で表してなるものであり、使用商標の「ALLOUT」のつづりと同一である。
よって、使用商標において、本件商標と同一の商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)の使用が認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によると、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品「被服」の範ちゅうに属する商品に関する広告を内容とする情報に、本件商標と同一の商標を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件商標の指定商品「被服」の範ちゅうに属する商品について、本件商標と同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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