特許異議申立
2021-700654
高炉セメントA種相当のコンクリートの製造方法、コンクリート構造物、及びコンクリート構造物の製造方法
- 審判番号
- 2021-700654
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-119825
- 登録番号
- 6812310
- 請求日
- 2021年07月09日
- 審決日
- 2022年05月31日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社長谷工コーポレーション
- 【権利者代理人】堀田 実
- 【権利者代理人】野村 俊博
- 【異議申立人】三▲崎▼ 岳郎
- 審判長/審判官
- 審判長 日比野 隆治
- 審判官 宮澤 尚之
- 審判官 後藤 政博
- 分類
- P1651.113-YAA(C04B) / P1651.121-YAA(C04B) / P1651.537-YAA(C04B) / P1651.851-YAA(C04B) / P1651.853-YAA(C04B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第3項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6812310号発明「高炉セメントA種相当のコンクリートの製造方法、コンクリート構造物、及びコンクリート構造物の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6812310号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3、4について訂正することを認める。
特許第6812310号の請求項1~4に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6812310号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成29年6月19日に出願され、令和2年12月18日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月13日に特許掲載公報が発行された。
その後、その請求項1~4に係る特許に対して、令和3年7月9日に特許異議申立人三▲崎▼岳郎(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年10月19日付けで取消理由が通知され、同年12月8日に特許権者により意見書の提出及び訂正の請求がされ、この訂正の請求に対して、令和4年2月15日に申立人により意見書の提出がされたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和3年12月8日にされた訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、特許法第120条の5第3項及び第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項1~2、及び、請求項3、請求項4を訂正の単位として訂正することを求めるものであり、その内容(訂正事項)は、次のとおりである。なお、訂正箇所に下線を付した。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「ポルトランドセメント」と記載されているのを、
「普通ポルトランドセメント」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「高炉スラグの質量割合は、0%~5%であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%である」と記載されているのを、
「高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に
「場合に、」と記載されているのを、
「場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2に
「請求項1に記載の製造方法により製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成されたコンクリート構造物。」と記載されているのを、
「請求項1に記載の製造方法により製造された高炉セメントA種相当のコンクリートからコンクリート構造物を形成する、コンクリート構造物の製造方法。」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3に
「ポルトランドセメント」と記載されているのを、
「普通ポルトランドセメント」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3に
「となるように製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成されたコンクリート構造物」と記載されているのを、
「となるように製造された高炉セメントA種相当のコンクリートからコンクリート構造物を形成するコンクリート構造物の製造方法」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項3に
「であり、」と記載されているのを、
「であって、
前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、80.0:20.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が8%~13%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、67.5:32.5にすることにより、高炉スラグの質量割合が13%~18%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、55.0:45.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が18%~23%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項3に
「該コンクリート構造物は、建物を建てる地盤の内部に設けられ該建物を支えるためのコンクリート杭である、コンクリート構造物。」と記載されているのを、
「製造した前記高炉スラグA種相当のコンクリートから前記コンクリート構造物を形成し、
該コンクリート構造物は、建物を建てる地盤の内部に設けられ該建物を支えるためのコンクリート杭である、コンクリート構造物の製造方法。」に訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項4に
「ポルトランドセメント」と記載されているのを、
「普通ポルトランドセメント」に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項4に
「コンクリート構造物の製造方法。」と記載されているのを、
「コンクリート構造物の製造方法であって、
前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、80.0:20.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が8%~13%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、67.5:32.5にすることにより、高炉スラグの質量割合が13%~18%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、55.0:45.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が18%~23%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
製造した前記高炉スラグA種相当のコンクリートから前記コンクリート杭を形成する、コンクリート構造物の製造方法。」に訂正する。
2 訂正要件(訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について)の判断
(1)訂正事項1、5、9について
訂正事項1、5及び9は、願書に添付された明細書の段落【0015】の記載に基づき、訂正前の請求項1、3及び4に記載された「ポルトランドセメント」を「普通ポルトランドセメント」に限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、願書に添付された明細書の段落【0024】の記載に基づき、訂正前の請求項1に記載された「高炉スラグの質量割合」について、「0%~5%である」ことを、「0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるのかの特定が困難であ」ることに、「40%~45%である」ことを「40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である」ことに、それぞれ限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、願書に添付された明細書の段落【0024】~【0026】の記載に基づき、訂正前の請求項1に記載された「高炉セメントA種相当のコンクリートの製造方法」について、「互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合」と、「製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合」との具体的な「対応関係」を定めることに限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否、新規事項の有無について
訂正事項4は、訂正前の請求項2が、「コンクリート構造物」という物の発明を対象としている一方で、「請求項1に記載の製造方法により製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成された」という製造方法による特定を含むため、明確性要件を欠くおそれがあるところ、願書に添付された明細書の段落【0031】の記載に基づき、「コンクリート構造物の製造方法」という物を生産する方法にすることで、発明を明確にしようとするものであるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
願書に添付された明細書の段落【0006】~【0008】、【0011】の記載から、訂正前の請求項2に係る発明及び訂正後の請求項2に係る発明の課題は、共に「高炉セメントA種に専用の製造ラインを構築しなくても、高炉セメントA種相当のコンクリートを容易に製造できる」ことであり、その解決手段は、ポルトランドセメントと高炉セメントB種とを特定の割合で混合することであるため、訂正前後において課題の変更はないし、課題解決手段の実質的な変更もないから、訂正後の請求項2に係る発明の技術的意義は、訂正前の請求項2に係る発明の技術的意義を実質上拡張又は変更するものではない。
また、訂正前の請求項2に係る発明は、「請求項1に記載の製造方法により製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成された」という製造方法(以下、「特定の製造方法」という。)により「コンクリート構造物」という物が限定された「物の発明」であるが、前記「特定の製造方法」により製造された「コンクリート構造物」だけでなく、前記「特定の製造方法」により製造された「コンクリート構造物」と同一の構造・特性を有する物も、当該発明の実施に含むものである。他方、訂正後の請求項2に係る発明は、前記「特定の製造方法」により「コンクリート構造物の製造方法」という方法が特定された「物を生産する方法の発明」であって、前記「特定の製造方法」により製造された「コンクリート構造物」のみを、当該発明の実施に含むものであるため、訂正後の請求項2に係る発明の「実施」に該当する行為は、訂正前の請求項2に係る発明の「実施」に該当する行為に全て含まれるので、第三者にとって不測の不利益が生じるおそれはないから、訂正後の請求項2に係る発明は、訂正前の請求項2に係る発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張又は変更するものとはいえない。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項6、8について
ア 訂正の目的の適否、新規事項の有無について
訂正事項6及び8は、訂正前の請求項3が、「コンクリート構造物」という物の発明を対象としている一方で、「ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となるように製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成された」という製造方法による特定を含むため、明確性要件を欠くおそれがあるところ、願書に添付された明細書の段落【0031】の記載に基づき、「コンクリート構造物の製造方法」という物を生産する方法にすることで、発明を明確にしようとするものであるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正後の請求項3に係る発明は、前記(4)イで検討したのと同様な理由により、訂正前の請求項3に係る発明の技術的意義及び実施に該当する行為を実質上拡張又は変更するものではないから、訂正事項6及び8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項7について
訂正事項7は、願書に添付された明細書の段落【0024】~【0026】の記載に基づき、訂正前の請求項3に記載された「ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となるように製造された高炉セメントA種相当のコンクリートから形成された」ことについて、「普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合」及び「高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合」を限定し、さらに、「互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合」と、「製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合」との具体的な「対応関係」を定め、当該対応関係に従って「高炉スラグA種相当のコンクリート」を製造することに限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項10について
訂正事項10は、願書に添付された明細書の段落【0024】~【0026】の記載に基づき、訂正前の請求項4に記載された「ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となる高炉セメントA種相当のコンクリートを製造」することについて、「普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合」及び「高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合」を限定し、さらに、「互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合」と、「製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合」との具体的な「対応関係」と定め、当該対応関係に従って「高炉スラグA種相当のコンクリート」を製造することに限定するとともに、訂正前の請求項4の記載に基づき、「高炉セメントA種相当のコンクリート」と「コンクリート構造物としてコンクリート杭」との関係を明らかにするものであるから、「特許請求の範囲の減縮」及び「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3、4について訂正することを認める。
第3 本件発明について
前記第2のとおり、本件訂正請求は適法にされたものであるから、本件特許請求の範囲の記載は、次のとおりである(以下、各請求項に係る発明を、項番号に合わせて「本件発明1」などという。)。
「【請求項1】
普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となる高炉セメントA種相当のコンクリートを製造する、高炉セメントA種相当のコンクリートの製造方法であって、
前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、80.0:20.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が8%~13%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、67.5:32.5にすることにより、高炉スラグの質量割合が13%~18%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、55.0:45.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が18%~23%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造する、
高炉セメントA種相当のコンクリートの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法により製造された高炉セメントA種相当のコンクリートからコンクリート構造物を形成する、コンクリート構造物の製造方法。
【請求項3】
普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となるように製造された高炉セメントA種相当のコンクリートからコンクリート構造物を形成するコンクリート構造物の製造方法であって、
前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、80.0:20.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が8%~13%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、67.5:32.5にすることにより、高炉スラグの質量割合が13%~18%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、55.0:45.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が18%~23%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
製造した前記高炉スラグA種相当のコンクリートから前記コンクリート構造物を形成し、
該コンクリート構造物は、建物を建てる地盤の内部に設けられ該建物を支えるためのコンクリート杭である、コンクリート構造物の製造方法。
【請求項4】
普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種と水と骨材を混合することにより、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を合わせたものに対する高炉スラグの質量割合が5%を越え30%以下となる高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
該高炉セメントA種相当のコンクリートからコンクリート構造物としてコンクリート杭を形成する、コンクリート構造物の製造方法であって、
前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である場合に、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており、
定められた前記対応関係に従って、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、80.0:20.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が8%~13%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、67.5:32.5にすることにより、高炉スラグの質量割合が13%~18%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合を、55.0:45.0にすることにより、高炉スラグの質量割合が18%~23%の高炉セメントA種相当のコンクリートを製造し、
製造した前記高炉スラグA種相当のコンクリートから前記コンクリート杭を形成する、コンクリート構造物の製造方法。」
第4 特許異議の申立てについて
1 特許異議の申立ての理由の概要
特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由は、概略、次のとおりである。
ここで、申立人が提出した証拠方法は、次のものである。
甲第1号証:新見龍男他、“高炉セメントB種と早強ポルトランドセメン
トを混合したセメントの諸性状および舗装用コンクリートへ
の適用性検討”、コンクリート工学年次論文集、2015年
6月15日、第37巻、第1号、第1873~1878頁
甲第2号証:林瑞紀他、“高炉セメントコンクリートの中性化評価に関す
る実験的研究”、コンクリート工学年次論文集、2014年
6月15日、第36巻、第1号、第856~861頁
甲第3号証:JIS ポルトランドセメント JIS R 5210:2
009、財団法人日本規格協会、平成21年11月20日
甲第4号証:JIS 高炉セメント JIS R 5211:2009、
財団法人日本規格協会、平成21年11月20日
甲第5号証:前田悦孝、“高炉スラグ微粉末の特性を活かした高炉セメン
ト関連製品”、新日鉄住金技報、2014年9月24日、第
399号、第115~120頁
甲第6号証:新見龍男他、“高炉セメントB種に早強ポルトランドセメン
トを混合したセメントの諸性状およびCO2排出量”、土
木学会年次学術講演会講演概要集、2015年8月1日、第
70巻、第475~476頁
甲第7号証:伊藤孝明他、“レディーミクストコンクリート工場における
コンクリート用混和材の有効利用の現状と今後の課題・展
望”、コンクリート工学、2014年5月1日、第52巻、
第5号、第484~487頁
甲第8号証:特開2016-23105号公報
甲第9号証:特許第4468102号公報
(1)申立理由1(新規性欠如)
申立理由1は、要するに、設定登録時の請求項2に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であり、また、設定登録時の請求項3に係る発明は、甲第8号証に記載された発明であって、それぞれ特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項2及び3に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである、というものである。
(2)申立理由2(進歩性欠如)
申立理由2は、要するに、設定登録時の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証~甲第7号証に記載された発明に基いて、また、設定登録時の請求項3及び4に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、甲第8号証及び甲第9号証に記載された発明に基いて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである、というものである。
(3)申立理由3(明確性要件違反)
申立理由3は、要するに、設定登録時の請求項2及び3に係る発明は、いわゆるプロダクトバイプロセスクレームであって、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能又は実際的でないという事情の存在は見いだせないため、当該発明が明確であるといえないから、請求項2及び3に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである、というものである。
2 取消理由通知書に記載した取消理由の概要
設定登録時の請求項1~4に係る特許に対して、令和3年10月19日付けで特許権者に通知した取消理由は、概略、次のとおりである。
(1)取消理由1(新規性欠如)
取消理由1は、要するに、設定登録時の請求項2に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証又は甲第8号証に記載された発明あり、また、設定登録時の請求項3に係る発明は、甲第8号証に記載された発明であって、それぞれ特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項2及び3に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである、というものである。
(2)取消理由2(進歩性欠如)
取消理由2は、要するに、設定登録時の請求項1に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基いて、設定登録時の請求項2に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証又は甲第8号証に記載された発明に基いて、設定登録時の請求項3に係る発明は、甲第2号証及び甲第8号証に記載された発明に基いて、また、設定登録時の請求項4に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第8号証に記載された発明に基いて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである、というものである。
(3)取消理由3(明確性要件違反)
取消理由3は、要するに、設定登録時の請求項2及び3に係る発明は、「コンクリート構造物」という物の発明であって、その物の製造方法による特定事項を含むところ、当該特定事項によって、「コンクリート構造物」がどの様な特徴を有しているのか理解できないし、また、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能又は実際的でないという事情の存在は見いだせないため、当該発明が明確であるといえないから、請求項2及び3に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである、というものである。
3 当審の判断
事案に鑑みて、取消理由及び特許異議の申立ての理由を纏めて検討する。
(1)取消理由1(新規性欠如)、取消理由2(進歩性欠如)、申立理由1(新規性欠如)及び申立理由2(進歩性欠如)について
本件発明1~4は、前記第3のとおりの発明であって、いずれも、
「互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合と、製造される前記高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との対応関係を定め、
定められた前記対応関係において、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である80.0:20.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である8%~13%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である67.5:32.5と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である13%~18%とが対応付けられており、且つ、
互いに混合する前記普通ポルトランドセメントと前記高炉セメントB種との質量割合である55.0:45.0と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合である18%~23%とが対応付けられており」
という、混合する普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種との質量割合と、製造される高炉セメントA種相当のコンクリートにおける高炉スラグの質量割合との具体的な対応関係(以下、「本件特許の対応関係」という。)を定めることを特定事項として含むものである。
これに対して、甲第1号証~甲第9号証には、高炉セメント、ポルトランドセメント、又は、コンクリート構造物に関する事項が記載されているものの、前記「本件特許の対応関係」を定めることについては記載も示唆もされていない。
そうしてみると、本件発明2及び3は、甲第1号証、甲第2号証又は甲第8号証に記載された発明に対して、少なくとも前記「本件特許の特定関係」を定める点で実質的に相違するため、本件発明2及び3は、甲第1号証、甲第2号証又は甲第8号証に記載された発明であるといえない。
また、本件発明1~4の前記「本件特許の特定関係」を定めることは、当業者にとって、甲第1号証~甲第9号証の記載から容易想到な事項といえないため、本件発明1~4は、甲第1号証~甲第9号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
したがって、取消理由1、取消理由2、申立理由1及び申立理由2は、いずれも理由がない。
(2)取消理由3(明確性要件違反)及び申立理由3(明確性要件違反)について
取消理由3及び申立理由3は、いわゆるプロダクトバイプロセスクレームに対する明確性要件違反を理由とするものであるところ、前記第3のとおり、本件発明2及び3は、「コンクリート構造物の製造方法」に訂正されたため、当該理由は解消した。
したがって、取消理由3及び申立理由3は、いずれも理由がない。
(3)申立人の主張について
申立人は、(i)本件発明1~4における「0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり」及び「40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である」との特定事項は一義的に定まらない事項であること、及び、(ii)本件発明1~4の前記「本件特許の対応関係」を定めるとの特定事項の意義が不明確であることを論拠にして、本件発明1~4は不明確である旨を主張している(令和4年2月15日提出の意見書の「1)発明の明確性(特許法36条6項2号)について」参照)。
そこで、上記(i)について検討すると、本件発明1~4における「前記普通ポルトランドセメントの全質量に対する該普通ポルトランドセメントの高炉スラグの質量割合は、0%~5%であるが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、前記高炉セメントB種の全質量に対する該高炉セメントB種の高炉スラグの質量割合は、40%~45%であるが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難である」との特定事項は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の「流通しているポルトランドセメントにおける高炉スラグの質量割合は、0%~5%以下である。また、流通している多くの高炉セメントB種における高炉スラグの質量割合は、40%~45%以下である。・・・これに対応して、実施例では、ステップS3で用いるポルトランドセメントにおける高炉スラグの質量割合が、0%~5%であることは分かっているが、0%~5%のいずれの値であるかの特定が困難であり、ステップS3で用いる高炉セメントB種における高炉スラグの質量割合が、40%~45%であることは分かっているが、40%~45%のいずれの値であるかの特定が困難であることを前提とする。」(段落【0023】~【0024】)との記載をふまえると、市場に流通している、高炉スラグの質量割合が0%~5%である旨が表示又は公表されているが、0%~5%のいずれの値であるかが特定されていない普通ポルトランドセメント、及び、高炉スラグの質量割合が40%~45%である旨が表示又は公表されているが、40%~45%のいずれの値であるかが特定されていない高炉セメントB種を意味していることは明らかである。
また、上記(ii)について検討すると、本件発明1~4の前記「本件特許の対応関係」を定めるとの特定事項は、「定められた前記対応関係に従って」、高炉セメントA種相当のコンクリートを製造していることからして、高炉セメントA種相当のコンクリートを製造する前に、前記「本件特許の対応関係」を予め定めることを意味していると理解できるから、当該特定事項の意義は明らかである。
そうしてみると、申立人の上記主張は採用できない。
第5 むすび
以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由によっては、本件請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-700654