特許異議申立
2021-700515
薬液、薬液収容体、薬液の製造方法、及び、薬液収容体の製造方法
- 審判番号
- 2021-700515
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-541969
- 登録番号
- 6794462
- 請求日
- 2021年05月25日
- 審決日
- 2022年12月23日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】富士フイルム株式会社
- 【権利者代理人】伊東 秀明
- 【権利者代理人】三橋 史生
- 【異議申立人】星 正美
- 審判長/審判官
- 審判長 加々美 一恵
- 審判官 里村 利光
- 審判官 植前 充司
- 分類
- P1651.113-YAA(G03F) / P1651.121-YAA(G03F) / P1651.536-YAA(G03F) / P1651.537-YAA(G03F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第29条、特許法第36条、特許法第113条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6794462号発明「薬液、薬液収容体、薬液の製造方法、及び、薬液収容体の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6794462号の特許請求の範囲を、令和4年5月23日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9、13〕、〔10~12〕、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36について、訂正することを認める。
特許第6794462号の請求項1ないし36に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続等の経緯
特許第6794462号の請求項1~請求項16に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願(特願2018-541969号)は、2017年(平成29年)8月7日(先の出願に基づく優先権主張 平成28年9月28日)を国際出願日とする特許出願であって、令和2年11月13日に特許権の設定の登録がされたものである。
その後、本件特許について、令和2年12月2日に特許掲載公報が発行されたところ、発行の日から6月以内である令和3年5月25日に、本件特許のうち全請求項に係る特許に対して、特許異議申立人 星 正美(以下「特許異議申立人」という。)から、特許異議の申立てがされた。
その後の手続等の概要は、以下のとおりである。
令和3年 6月25日付け:取消理由通知書
令和3年 9月28日付け:訂正請求書
令和3年 9月28日付け:意見書(特許権者)
令和3年11月12日付け:意見書(特許異議申立人)
令和4年 3月 7日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和4年 5月23日付け:訂正請求書
令和4年 5月23日付け:意見書(特許権者)
令和4年 7月21日付け:意見書(特許異議申立人)
なお、令和3年9月28日付け訂正請求書による訂正の請求は、特許法120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
第2 本件訂正請求について
1 訂正請求の趣旨
令和4年5月23日付け訂正請求書による訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)の趣旨は、特許第6794462号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~36について訂正することを求める、というものである。
なお、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」、本件訂正前又は本件訂正後を、単に「訂正前」又は「訂正後」ということがある。
2 訂正の内容
(1)本件訂正の内容
本件訂正は、後述する各訂正事項からなるところ、訂正前の請求項2、4、7、9~16はそれぞれ訂正前の独立請求項1、3及び5のいずれか1項を引用するものであって、これらの請求項は、後記訂正事項1~3によって訂正される請求項1、3及び5に連動して訂正されるものである。また、訂正前の請求項7は訂正前の請求項1~6を引用し、訂正前の請求項9は訂正前の請求項1~8を引用するものである。
したがって、本件訂正請求は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である、訂正前の請求項1~16に対して請求されたものである。
また、本件訂正請求は、一群の請求項を構成する訂正前の請求項1~16に対して請求されたものであるところ、訂正後の請求項10~12及び訂正後の請求項14~36のそれぞれについての訂正は、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項を構成する他の請求項とは別の訂正単位とすることの求めがある。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液。」
と記載されているのを、
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。」
に訂正する。
(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2、4、7、9、13も同様に訂正する。)
以下では、便宜のため、上記下線部のうち「前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する」を「特定溶媒を含有する」といい、上記列挙されている溶媒の群から選択される少なくとも1種を含有する溶媒を「特定溶媒」という。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液。」
と記載されているのを、
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、特定溶媒を含有する、薬液。」
に訂正する。
(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4、7、9、13も同様に訂正する。)
以下では、便宜のため、訂正後の請求項3の発明特定事項のうち上記「有機溶媒と、Fe原子・・・0.1~50質量pptであり・・・100mV以下」を「請求項3構成」という。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptである、前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液。」
と記載されているのを、
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、特定溶媒を含有する、薬液。」
に訂正する。
(請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7、9、13も同様に訂正する。)
以下では、便宜のため、訂正後の請求項5の発明特定事項のうち上記「有機溶媒と、Fe原子・・・0.1~50質量pptであり・・・100mV以下」を「請求項5構成」という。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液。」
と記載されているのを、
「有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、特定溶媒を含有する、薬液。」
に訂正する。
(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7、9、13も同様に訂正する。)
以下では、便宜のため、訂正後の請求項6の発明特定事項のうち上記「有機溶媒と、Fe原子・・・100mV以下」を「請求項6構成」という。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項8に
「有機溶剤とFeイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液。」
と記載されているのを、
「有機溶剤とFeイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、特定溶媒を含有する、薬液。」
に訂正する。
(請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9、13も同様に訂正する。)
以下では、便宜のため、訂正後の請求項8の発明特定事項のうち上記「有機溶媒とFe原子イオンと・・・100mV以下」を「請求項8構成」という。
カ 訂正事項6-1(訂正後の請求項10)
特許請求の範囲の請求項10に
「光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改めるとともに、訂正前の(請求項1における)「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、」との記載を、
「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」
に訂正する。
(請求項10の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。)
キ 訂正事項6-2(訂正後の請求項17)
特許請求の範囲の請求項10に
「光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項3構成であり、光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。」
と記載し、新たに請求項17とする。
ク 訂正事項6-3(訂正後の請求項18)
特許請求の範囲の請求項10に
「光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項5構成であり、光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。」
と記載し、新たに請求項18とする。
ケ 訂正事項6-4(訂正後の請求項19)
特許請求の範囲の請求項10に
「光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項6構成であり、光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。」
と記載し、新たに請求項19とする。
コ 訂正事項6-5(訂正後の請求項20)
特許請求の範囲の請求項10に
「光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項8を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項8構成であり、光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。」
と記載し、新たに請求項20とする。
サ 訂正事項7-1(訂正後の請求項11)
特許請求の範囲の請求項11に
「更に、水を含有し、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改めるとともに、訂正前の(請求項1における)「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、」を、
「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」に訂正する。(請求項11の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。)
シ 訂正事項7-2(訂正後の請求項21)
特許請求の範囲の請求項11に
「更に、水を含有し、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項3構成であり、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。」
と記載し、新たに請求項21とする。
ス 訂正事項7-3(訂正後の請求項22)
特許請求の範囲の請求項11に
「更に、水を含有し、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項5構成であり、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。」
と記載し、新たに請求項22とする。
セ 訂正事項7-4(訂正後の請求項23)
特許請求の範囲の請求項11に
「更に、水を含有し、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項6構成であり、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。」
と記載し、新たに請求項23とする。
ソ 訂正事項7-5(訂正後の請求項24)
特許請求の範囲の請求項11に
「更に、水を含有し、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項8を引用するものについて、独立形式に改め、
「請求項8構成であり、前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。」
と記載し、新たに請求項24とする。
タ 訂正事項8(訂正後の請求項12)
特許請求の範囲の請求項12に
「請求項1~11のいずれか一項に記載の薬液。」
とあるうち、請求項10又は11を引用するものについて、
「請求項10又は11に記載の薬液。」
に訂正する。
チ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項13に
「容器と、前記容器に収容された請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液と、を備え、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種である、薬液収容体。」
とあるうち、請求項1~9を引用するものについて、
「容器と、前記容器に収容された請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液と、を備え、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種である、薬液収容体。」
に訂正する。
ツ 訂正事項10-1
特許請求の範囲の請求項14に
「前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満である、請求項13に記載の薬液収容体。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改めるとともに、訂正前の(請求項1における)「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、」を、
「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」
に訂正する。
テ 訂正事項10-2(訂正後の請求項25)
特許請求の範囲の請求項14に
「前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満である、請求項13に記載の薬液収容体。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、前記薬液が、請求項3構成である、薬液収容体。」
と記載し、新たに請求項25とする。
ト 訂正事項10-3(訂正後の請求項26)
特許請求の範囲の請求項14に
「前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満である、請求項13に記載の薬液収容体。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、前記薬液が、請求項5構成である、薬液収容体。」
と記載し、新たに請求項26とする。
ナ 訂正事項10-4(訂正後の請求項27)
特許請求の範囲の請求項14に
「前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満である、請求項13に記載の薬液収容体。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、前記薬液が、請求項6構成である、薬液収容体。」
と記載し、新たに請求項27とする。
ニ 訂正事項10-5(訂正後の請求項28)
特許請求の範囲の請求項14に
「前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満である、請求項13に記載の薬液収容体。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項8を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、前記薬液が、請求項8構成である、薬液収容体。」
と記載し、新たに請求項28とする。
ヌ 訂正事項11-1
特許請求の範囲の請求項15に
「請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改めるとともに、訂正前の(請求項1における)「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、」を、
「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」
に訂正する。
ネ 訂正事項11-2(訂正後の請求項29)
特許請求の範囲の請求項15に
「請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記薬液が、請求項3構成であり、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項29とする。
ノ 訂正事項11-3(訂正後の請求項30)
特許請求の範囲の請求項15に
「請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、
「薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記薬液が、請求項5構成であり、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項30とする。
ハ 訂正事項11-4(訂正後の請求項31)
特許請求の範囲の請求項15に
「請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、
「薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記薬液が、請求項6構成であり、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項31とする。
ヒ 訂正事項11-5(訂正後の請求項32)
特許請求の範囲の請求項15に
「請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、請求項8を引用するものについて、独立形式に改め、
「薬液を製造する、薬液の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、前記薬液が、請求項8構成であり、前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項32とする。
フ 訂正事項12-1
特許請求の範囲の請求項16に
「請求項13、又は、14に記載の薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項1を引用するものについて、独立形式に改めるともに、訂正前の(請求項1における)「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、」を、
「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」
に訂正する。
ヘ 訂正事項12-2(訂正後の請求項33)
特許請求の範囲の請求項16に
「請求項13、又は、14に記載の薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記薬液が、請求項3構成であり、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項33とする。
ホ 訂正事項12-3(訂正後の請求項34)
特許請求の範囲の請求項16に
「請求項13、又は、14に記載の薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記薬液が、請求項5構成であり、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項34とする。
マ 訂正事項12-4(訂正後の請求項35)
特許請求の範囲の請求項16に
「請求項13、又は、14に記載の薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記薬液が、請求項6構成であり、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項35とする。
ミ 訂正事項12-5(訂正後の請求項36)
特許請求の範囲の請求項16に
「請求項13、又は、14に記載の薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
とあるうち、引用する請求項13のうち請求項8を引用するものについて、独立形式に改め、
「容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記薬液が、請求項8構成であり、前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。(式1)前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5 (式2)前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5 なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
と記載し、新たに請求項36とする。
3 訂正の適否についての判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであって、訂正後の数値範囲の全範囲が訂正前の数値範囲に包含される関係にある。また、訂正事項1による訂正は、訂正前の「有機溶媒」の種類を特定溶媒に限定するものである。
そうしてみると、訂正事項1による訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項1による訂正は、「イオンの含有量」に係る訂正については、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を、「特定溶媒」に係る訂正ついては、【0017】の記載を根拠とするものであって、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2による訂正は、その訂正内容からみて、訂正事項1による訂正と同様であることから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項2による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項2による訂正は、その訂正内容からみて、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を、「特定溶媒」に係る訂正ついては、【0017】の記載を根拠とするものであって、訂正事項2による訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項2による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項2による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3による訂正は、その訂正内容からみて、訂正事項1による訂正と同様であることから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項3による訂正は、その訂正内容からみて、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものである。した、「特定溶媒」に係る訂正ついては、【0017】の記載を根拠とするものであって、訂正事項3による訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項4による訂正は、訂正前の「有機溶媒」の種類を特定溶媒に限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項4による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項4による訂正は、願書に添付した明細書の【0017】の記載を根拠とするものであって、訂正事項4による訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項4による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項4による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項5による訂正は、訂正前の「有機溶媒」の種類を特定溶媒に限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項5による訂正は、願書に添付した明細書の【0017】の記載を根拠とするものであって、訂正事項5による訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(6)訂正事項6-1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6-1による訂正は、訂正前の請求項10が訂正前の請求項1~9のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項1を引用するものについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項10における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項6-1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項6-1による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項6-1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項6-1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項6-1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(7)訂正事項6-2~6-3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6-2~6-3による訂正は、訂正前の請求項10が訂正前の請求項1~9のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項3及び5を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項10における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項6-2~6-3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項6-2~6-3による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項6-2~6-3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項6-2~6-3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項6-2~6-3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(8)訂正事項6-4~6-5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6-4~6-5による訂正は、訂正前の請求項10が訂正前の請求項1~9のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項6及び8を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項6-4~6-5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項6-4~6-5による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項6-4~6-5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項6-4~6-5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項6-4~6-5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(9)訂正事項7-1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項7-1による訂正は、訂正前の請求項11が訂正前の請求項1~10のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項1を引用するものについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項11における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項7-1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項7-1による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項7-1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項7-1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項7-1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(10)訂正事項7-2~7-3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項7-2~7-3による訂正は、訂正前の請求項11が訂正前の請求項1~10のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項3及び5を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項10における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項7-2~7-3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項7-2~7-3による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項7-2~7-3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項7-2~7-3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項7-2~7-3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(11)訂正事項7-4~7-5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項7-4~7-5による訂正は、訂正前の請求項11が訂正前の請求項1~10のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項6及び8を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項7-4~7-5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項7-4~7-5による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項7-4~7-5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項7-4~7-5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項7-4~7-5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(12)訂正事項8について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項8による訂正は、訂正前の請求項12が請求項1~11のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項1~9を引用しないものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正に該当する。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項8による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項8による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項8による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項8による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(13)訂正事項9について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項9による訂正は、訂正前の請求項13が請求項1~12のいずれか一項を引用していたもののうち、請求項10~12を引用しないものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正に該当する。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項9による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項9による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項9による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項9による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(14)訂正事項10-1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項10-1による訂正は、訂正前の請求項14が引用する訂正前の請求項13のうち訂正前の請求項1を引用していたものについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項14における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項10-1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項10-1による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項10-1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項10-1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項10-1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(15)訂正事項10-2~10-3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項10-2~10-3による訂正は、訂正前の請求項14が引用する訂正前の請求項13のうち、請求項3及び5を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項14における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項10-2~10-3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項10-2~10-3による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項10-2~10-3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項10-2~10-3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項10-2~10-3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(16)訂正事項10-4~10-5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項10-4~10-5による訂正は、訂正前の請求項14が引用する訂正前の請求項13のうち、請求項6及び8を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項10-4~10-5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項10-4~10-5による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項10-4~10-5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項10-4~10-5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項10-4~10-5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(17)訂正事項11-1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項11-1による訂正は、訂正前の請求項15が引用する訂正前の請求項1~12のいずれか一項のうち訂正前の請求項1を引用するものについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項15における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項11-1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項11-1による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項11-1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項11-1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項11-1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(18)訂正事項11-2~11-3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項11-2~11-3による訂正は、訂正前の請求項15が引用する訂正前の請求項1~12のうち、請求項3及び5を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項15における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項11-2~11-3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項11-2~11-3による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項11-2~11-3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項11-2~11-3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項11-2~11-3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(19)訂正事項11-4~11-5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項11-4~11-5による訂正は、訂正前の請求項15が引用する訂正前の請求項1~12のうち、請求項6及び8を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項11-4~11-5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項11-4~11-5による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項11-4~11-5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項11-4~11-5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項11-4~11-5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(20)訂正事項12-1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項12-1による訂正は、訂正前の請求項16が引用する訂正前の請求項13のうち訂正前の請求項1を引用していたものについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項16における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項12-1による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項12-1による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項12-1による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項12-1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項12-1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(21)訂正事項12-2~12-3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項12-2~12-3による訂正は、訂正前の請求項16が引用する訂正前の請求項13のうち、請求項3及び5を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項16における「イオンの含有量」を、「0.1~100質量ppt」から「0.1~50質量ppt」へと限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号(特許請求の範囲の減縮)及び同4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項12-2~12-3による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項12-2~12-3による訂正は、願書に添付した明細書の【0021】及び【0022】の記載を根拠とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項12-2~12-3による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項12-2~12-3による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項12-2~12-3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(22)訂正事項12-4~12-5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項12-4~12-5による訂正は、訂正前の請求項16が引用する訂正前の請求項13のうち、請求項6及び8を引用するものそれぞれについて引用関係を解消するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書4号(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること)を目的とする訂正に該当する。
また、訂正事項12-4~12-5による訂正によって連動して訂正される請求項についても同様である。
イ 新規事項、拡張又は変更の存否
訂正事項12-4~12-5による訂正は、その訂正内容からみて、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
また、訂正事項12-4~12-5による訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされたものが訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかであるから、訂正事項12-4~12-5による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。
したがって、訂正事項12-4~12-5による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
4 本件訂正請求についてのまとめ
上記2によれば、本件訂正請求による訂正は、特許法120条の5第2項ただし書、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。
よって、結論に記載のとおり、特許第6794462号の特許請求の範囲を、令和4年5月23日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9、13〕、〔10~12〕、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36について、訂正することを認める。
第3 本件特許発明
上記「第2」のとおり、本件訂正請求による訂正は認められた。
そうしてみると、特許異議の申立ての対象となっている、請求項1~請求項16に係る発明は、本件訂正請求による訂正後の特許請求の範囲の請求項1~請求項36に記載された事項によって特定されるとおりの、以下のものである。
なお、各請求項に係る訂正後の特許発明をその請求項の番号に基づいて、「本件特許発明1」などといい、全ての請求項に係る特許発明を総称して、「本件特許発明」ということがある。
「 【請求項1】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。
【請求項2】
更に、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子を含有し、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptである、請求項1に記載の薬液。
【請求項3】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。
【請求項4】
前記薬液が、Cr原子を含有する粒子、Zn原子を含有する粒子、Al原子を含有する粒子、及び、Pb原子を含有する粒子を含有し、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~20質量pptである、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬液。
【請求項5】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。
【請求項6】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。
【請求項7】
前記薬液が、Feイオン、Crイオン、Niイオン、及び、Pbイオンを含有し、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して、0.1~10質量pptである、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬液。
【請求項8】
有機溶剤と
Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、
を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、薬液。
【請求項9】
更に、有機不純物を含有し、
前記薬液中における有機不純物の合計含有量が、1~5000質量ppmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬液。
【請求項10】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。
【請求項11】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Zn原子を含有する粒子と、
水と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。
【請求項12】
前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項10又は11に記載の薬液。
【請求項13】
容器と、前記容器に収容された請求項1~9のいずれか一項に記載の薬液と、を備え、前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種である、薬液収容体。
【請求項14】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液収容体。
【請求項15】
薬液を製造する、薬液の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、
前記薬液が、前記有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。
条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。
条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項16】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、
前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Zn原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。
条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。
条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
(式2) 前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項17】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。
【請求項18】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。
【請求項19】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。
【請求項20】
有機溶剤と、
Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、
を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
光散乱式液中粒子計数器によって計数される、0.1μm以上のサイズの被計数体の数が、1~100個/mLである、薬液。
【請求項21】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、
水と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。
【請求項22】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、
水と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。
【請求項23】
有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、
水と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。
【請求項24】
有機溶剤と、
Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、
水と、
を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記薬液中における水の含有量が、0.01~1質量%である、薬液。
【請求項25】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液収容体。
【請求項26】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液収容体。
【請求項27】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液収容体。
【請求項28】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体であって、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記金属材料中における、前記Fe原子の含有量に対する、前記Cr原子の含有量の含有質量比が、0.5を超え、3.5未満であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下である、薬液収容体。
【請求項29】
薬液を製造する、薬液の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。
条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。
条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項30】
薬液を製造する、薬液の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。
条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。
条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項31】
薬液を製造する、薬液の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。
条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。
条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項32】
薬液を製造する、薬液の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、を含有し、
前記薬液が、有機溶剤と、Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程が、以下の条件1及び条件2を満たす、薬液の製造方法。
条件1:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が23℃未満である。
条件2:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の、前記被精製物の温度が下記の式1を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1中、前記被精製物の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項33】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、
前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子、Zn原子、Al原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液が1種の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液が2種以上の前記粒子を含有する場合、前記薬液中における前記粒子の合計含有量が、前記薬液の全質量に対して100質量ppt以下であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。
条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。
条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
(式2) 前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項34】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、
前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、Cr原子を含有する粒子と、Zn原子を含有する粒子と、Al原子を含有する粒子と、Pb原子を含有する粒子と、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記Cr原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~30質量pptであり、
前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Al原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記Pb原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~20質量pptであり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。
条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。
条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
(式2) 前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項35】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、
前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであって、
前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~100質量pptであり、且つ、
Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであるか、又は、Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。
条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。
条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
(式2) 前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。
【請求項36】
容器と、前記容器に収容された薬液と、を備える薬液収容体の製造方法であって、
有機溶剤を準備する、有機溶剤準備工程と、
前記有機溶剤を含有する被精製物をフィルタに通過させ、薬液を得る、ろ過工程と、
前記薬液を、前記容器に収容して、薬液収容体を得る、収容工程と、を含有し、
前記容器内の前記薬液と接触する接液部がCr原子、及び、Fe原子を含有する金属材料から形成され、
前記金属材料が、ステンレス鋼、及び、電解研磨されたステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記薬液が、有機溶剤と、Feイオンと、Crイオンと、Niイオンと、Pbイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記Feイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Crイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Niイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記Pbイオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~10質量pptであり、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり、
前記薬液の帯電電位が100mV以下であり、
前記ろ過工程、及び、前記収容工程が、以下の条件3、及び、条件4を満たす、薬液収容体の製造方法。
条件3:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が23℃未満であり、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、薬液の温度が23℃未満である。
条件4:前記被精製物が前記フィルタを通過する際の前記被精製物の温度が下記の式1を満たし、かつ、前記薬液を前記容器に収容する際の、前記薬液の温度が下記の式2を満たす。
(式1) 前記被精製物の温度<前記有機溶剤の引火点-5
(式2) 前記薬液の温度<前記有機溶剤の引火点-5
なお、式1、及び、式2中、前記被精製物の温度、前記薬液の温度、及び、前記有機溶剤の引火点の単位は℃である。」
第4 特許異議申立人による申立ての理由の概要及び証拠方法
1 申立ての理由の概要
(1)申立理由1(甲3に基づく新規性・進歩性)
本件特許発明1~9及び13は、甲3に記載された発明であるか、または、甲3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条1項3号に該当するか、または、同法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、それらの特許は、同法113条2号に該当し、取り消すべきものである。
(2)申立理由2(甲4に基づく新規性・進歩性)
本件特許発明1~5及び9は、甲4に記載された発明であるか、または、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条1項3号に該当するか、または、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、それらの特許は、同法113条2号に該当し、取り消すべきものである。
(3)申立理由3(明確性要件)
本件特許発明1~16は、帯電電位の測定条件が明確でなく、特許を受けようとする発明が明確でない。
したがって、それらの特許は、同法113条4号に該当し、取り消すべきものである。
(4)申立理由4(実施可能要件)
本件特許発明1~16は、本件特許の明細書の発明の詳細な説明の記載が、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が、本件特許発明1~16の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということができないから、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、それらの特許は、同様113条4号に該当し、取り消すべきものである。
上記理由(1)~(4)のほか、令和3年11月12日付け及び令和4年7月21日付け意見書に記載した申立ての理由は次のとおりである。
(5)申立理由5(甲6に基づく新規性・進歩性)
本件特許発明1~9及び13は、甲6に記載された発明であるか、または、甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条1項3号に該当するか、または、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、それらの特許は、同法113条2号に該当し、取り消すべきものである。
(6)申立理由6(明確性要件)
本件特許発明1~16は、粒子性メタルの含有量の測定方法が明確でなく、特許を受けようとする発明が明確でない。
したがって、それらの特許は、同法113条4号に該当し、取り消すべきものである。
(7)申立理由7(甲3または甲4及び甲7に基づく新規性・進歩性)
訂正後の請求項10、17、18、19、20は、訂正前の請求項10に記載の発明特定事項を組み入れたものであるところ、これらの本件特許発明は、甲3または甲4に記載された発明及び甲7に記載された技術事項から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、それらの特許は、同法113条2号に該当し、取り消すべきものである。
2 証拠方法
甲1:可燃性液体の帯電と災害対策、森田豊、安全工学、1981年, Vol.20, No.6, 314頁~319頁
甲2:可燃性液体の帯電防止、北川徹三、高分子、1961年, Vol.10, 358頁~362頁
甲3:特開平11-236660号公報
甲4:特開2012-62300号公報
甲5:WO2017/169832号
甲6:“Determination of Impurities in Organic Solvents used in the Semiconductor Industry with the NexION 300S/350S ICP-MS",[online],2012年~2014年, PerkinElmer社技術資料Application Note ICP-Mass Spectrometry,インターネット<URL:https://resources.perkinelmer.com/lab-solutions/resources/docs/APP_010279_01NexION300S-ImpuritiesSemiconIPAPGMEA.pdf>
甲7:特表平11-506431号公報
参考資料1:腐食・防食ハンドブック(社)腐食防食協会編、2001年9月
参考資料2:水溶液中の電気化学的平衡の図表集(Atlas of Electrochemical Equilibria in Aqueous Solutions)、Marcel Pourblax, 第1英語版、1966年、pp.333, pp.409, pp.489
第5 当合議体が通知した取消しの理由
令和4年3月7日付け取消理由通知書(決定の予告)により通知した取消しの理由は、以下のとおりである。
●理由1及び理由2(甲3または甲6に基づく新規性、進歩性)
本件特許の請求項1~9及び13に係る発明は、その優先権主張の基礎とされた先の出願(以下「先の出願」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項1~9及び13に係る発明は、先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、先の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件特許の請求項1~9及び13に係る特許は、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
●理由3:(実施可能要件)本件特許は、発明の詳細な説明の記載が、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本件特許の請求項1~16に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということができないから、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本件特許は特許法113条4号に該当し、取り消されるべきものである。
●理由4:(明確性要件)本件特許の特許請求の範囲の記載は,特許を受けようとする発明が,明確であるということができないから、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本件特許は特許法113条4号に該当し、取り消されるべきものである。
第6 当合議体の判断(●理由1及び●理由2(新規性・進歩性)について)
1 甲3を主引用例とした場合
(1)甲3の記載及び甲3に記載された発明
ア 甲3の記載
甲3は、先の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物であるところ、そこには、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属不純物の混入を極端に嫌う、半導体製造、液晶製造等の電子産業用に使用される高純度のイソプロピルアルコール(IPA)を収納保持する収納容器に関する。詳しくは、長期保存した場合における、高純度IPAに対する全金属溶出量を10pg/ml(ppt)以下に抑えることが可能な収納容器である。
・・・中略・・・
【0003】ところで、電子産業、特に半導体産業では形式パターン寸法の微細化、基板の大口径化の急激な技術革新に伴って、使用する薬品の量が増大するのみでなく益々高純度の品質が要求され、IPAも例外ではない。電子産業ではIPAは各種基板の洗浄、乾燥用途に高純度のものが大量に使用されている。ここでは、通常ステンレス鋼に代表される金属容器に充填され、供給され、容器から適宜導出されて使用される。従って、極めて純度の高いIPAを長期に亘って金属不純物の溶出のない状態で維持収納できる容器が望まれている。」
(イ)「【0004】特に、最近デバイスの微細化に伴って、金属不純物(ミストや粉体を含む)の混入に対する条件が厳しく、要求される半導体を製造するIPAでは、長期保存した場合、高純度IPAに対する全金属溶出量が10pg/ml(ppt)以下の収納容器が要求されている。
【0005】従来、このような金属不純物の溶出を防止するために、ステンレス鋼の表面を研磨して専ら平滑にする方法、例えば、バフ研磨や電解研磨が開示されている。
・・・中略・・・
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステンレス鋼の研磨処理(バフ研磨、電解研磨)したものは金属溶出量がppmからppbのレベルであり本発明の目標とするレベルを満たすものではない。
・・・中略・・・
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的は、長期保存しても高純度IPAの純度が低下しない高純度IPA収納容器を提供することにある。
【0010】かかる目的は、金属製容器の少なくとも内面がニッケル層により構成され、且つ該ニッケル層の表層部を酸化処理することにより達成することができる。
【0011】即ち、本発明は、少なくとも内面がニッケルにより構成され、且つ該内面を構成するニッケルの少なくとも表層が酸化処理された金属製容器よりなることを特徴とする高純度イソプロピルアルコール収納容器(以下、単にIPA収納容器という)である。
・・・中略・・・
【0023】本発明において容器内面を構成するニッケル層の表層部に酸化処理層を形成する方法は、従来の酸化方法が何ら制限なく採用できる。例えば、酸化雰囲気での熱酸化法、電解反応を利用した陽極酸化法、酸化剤を使用した化学的酸化法等が挙げられる、そのうち、熱酸化法、陽極酸化法が、形成する酸化膜層の耐久性、緻密性、酸化膜厚の容器内での均一性等の面で好ましい。上記熱酸化処理する場合、例えば、大気中で温度200~400℃、処理時間、1~4時間が一般的である。また、陽極酸化法の場合、例えば、アルカリ溶液系、電流密度5~20A/dm2、処理時間5~30分が一般的である。
・・・中略・・・
【0026】本発明のIPA収納容器は、これに供給、保管される高純度IPAの品質が極めて高いものに対して有効である。一般に、充填直前のIPA純度はフォーナイン以上、水分濃度50ppm以下のものに対して効果が顕著である。
・・・中略・・・
【0032】
【発明の効果】以上の説明により理解されるように、本発明の収納容器は、少なくとも内面がニッケルの酸化処理層により構成されることにより、金属不純物のIPAへの溶出が極めて高度に抑えられ、該収納容器に高純度IPAを長期維持保管してもIPAの純度品質は良好に維持される。その結果、IPAの金属濃度の増加による半導体製造、液晶表示素子製造等におけるトラブルを回避でき、製品の歩留まり向上、さらには安定運転にも貢献できる。」
(ウ)「【0033】
【実施例】以下に本発明を詳細に説明するために実施例及び比較例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】なお、実施例及び比較例においての金属イオンは、ICP-MS(誘導結合高周波プラズマ発光分光質量分析計)で分析した値である。
【0035】実施例1
SUS304ステンレス鋼製の缶径250mm、長さ650mm、底部及び開口部の曲率125mmのIPA収納容器を製作し、電解研磨、ストライクニッケル処理後、硫酸ニッケルを主成分とするメッキ浴中で電解電流密度4A/dm2の条件で電解メッキし、厚みが20μmのメッキ層が表面に形成されたIPA収納容器を得た。尚、電解解研磨は燐酸-硫酸の混酸中で電流密度5A/dm2の条件で行った。ストライクニッケル処理は、塩化ニッケルと塩酸液中で電流密度10A/dm2の条件で行った。得られた高純度IPAIPA収納容器の内表面であるメッキ層を分析すると、ニッケル純度99.99%以上、鉄、クローム、銅の含有量は100ppm以下であった。次に大気中で400℃3時間加熱酸化処理を行い厚みが300オングストロームのニッケル酸化層を得た。ついで、抵抗率18MΩ・cm以上の超純水で精密洗浄、次に、抵抗率1000MΩ・cm以上の高純度IPAで精密洗浄を行った。ついで、このIPA収納容器に高純度IPA(純度99.99%以上)を満たし、温度50℃で6ヶ月間保持した後、IPA収納容器内のIPAに溶出した金属イオンを分析した。結果を表1に示した。」
(当合議体注:「高純度IPAIPA収納容器」は、「高純度IPA収納容器」の誤記である。)
(エ)「【0039】
【表1】
[図:0001395172000001.jpg]
」
イ 甲3に記載された発明
上記「ア」の(ア)~(ウ)によれば、甲3の【0035】には、実施例1として「IPA収納容器」が記載されている。このIPA収納容器は、甲3の【0001】、【0003】、【0034】及び【0035】等の記載によれば、「デバイスの微細化に伴って、金属不純物(ミストや粉体を含む)の混入に対する条件が厳しく、要求される半導体を製造する」「高純度IPA(純度99.99%以上)」を収容するための容器であって、前記「高純度IPA(純度99.99%以上)を満たし、温度50℃で6ヶ月間保持した後、IPA収納容器内のIPAに溶出した金属イオンをIPC-MSで分析した結果が、表1に示されるものである。
以上によれば、甲3には、次の高純度IPAの発明(以下「甲3発明」という。)が記載されている。
「半導体を製造する高純度IPA(純度99.99%以上)を、電解研磨後、硫酸ニッケルを主成分とするメッキ浴中で電解メッキし、厚みが20μmのメッキ層が表面に形成されたSUS304ステンレス鋼製のIPA収納容器に満たし、温度50℃で6ヶ月間保持した後の高純度IPAであって、溶出した金属イオンをIPC-MSで分析した結果が、表1に示される、高純度IPA。
ここで、表1は以下のものである
[図:0001395172000002.jpg]
」
また、甲3には、次の「IPA収納容器」の発明(以下「甲3容器発明」という。)も記載されている。
「SUS304ステンレス鋼製の缶径250mm、長さ650mm、底部及び開口部の曲率125mmのIPA収納容器を製作し、電解研磨、ストライクニッケル処理後、硫酸ニッケルを主成分とするメッキ浴中で電解電流密度4A/dm2の条件で電解メッキし、厚みが20μmのメッキ層を表面に形成し、メッキ層を分析すると、ニッケル純度99.99%以上、鉄、クローム、銅の含有量は100ppm以下であり、次に大気中で400℃3時間加熱酸化処理を行い厚みが300オングストロームのニッケル酸化層を得、
甲3発明の高純度IPAを保持した、
高純度IPA収納容器。」
(2)対比
本件特許発明1と甲3発明とを対比する。
ア 薬液の用途
甲3発明の「高純度IPA」は、「半導体を製造する高純度IPA(純度99.99%以上)であ」る。
そうしてみると、甲3発明の「高純度IPA」は、本件特許発明1の「半導体デバイス製造用の薬液」に相当する。
イ 有機溶剤
甲3発明の「高濃度IPA」は、技術的にみて、本件特許発明1の「有機溶媒」に相当する。
ウ 薬液の全体構成
甲3発明の「高濃度IPA」は、「IPA収納容器に満たし、温度50℃で6ヶ月間保持した後、溶出した金属イオンをIPC-MSで分析した結果が、表1に示される」ものである。(表1の再摘記は省略する。以下同様。)
上記表1によれば、甲3発明の「高純度IPA」は、Fe、Cr、Ni及びCuの金属イオン濃度が、それぞれ4、2、1及び1(ppt)である。前記表1は「IPC-MSで分析した結果」としての「金属イオン濃度」が記載されたものであるから、その値は、粒子性の金属濃度及びイオン性の金属濃度の和を意味することは技術常識である。
そうしてみると、甲3発明の「高純度IPA」と、本件特許発明1の「薬液」とは、少なくとも「Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する」という点において共通する。
また、甲3発明の「高純度IPA」は、「高純度IPA(純度99.99%以上)を」「IPA収納容器に満たし、温度50℃で6ヶ月間保持した後、溶出した金属イオンをIPC-MSで分析した結果が、表1に示される」ものである。
上記表1に記載された金属イオン濃度レベル(pptレベル)及びIPA収納容器に満たされる前の薬液純度(99.99%以上)によれば、甲3発明の「高濃度IPA」が、本件特許発明1の「有機溶剤と、」「を含有する」及び「前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり」との要件を満たすことは、技術的にみて明らかである。
(3)一致点及び相違点
本件特許発明1と甲3発明とは、以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
「有機溶剤と、
Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する、半導体デバイス製造用の薬液であって、
前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上である、
薬液。」
(相違点1)
「薬液」が、本件特許発明1は、「Zn原子を含有する粒子と、を含有」し、「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり、」「前記Zn原子を含有する粒子の含有量が、前記薬液の全質量に対して0.05~60質量pptであ」るのに対して、甲3発明では、「Zn原子を含有する粒子」の存否及び各イオンの含有量が明らかでない点。
(相違点2)
「薬液の帯電電位」が、本件特許発明1は、「100mV以下である」のに対して、甲3発明は、これが明らかでない点。
(相違点3)
「有機溶媒」が、本件特許発明1は「特定溶媒」であるのに対して、甲3発明は「IPA」である点。
(4)判断
ア 新規性について
本件特許発明1と甲3発明とは上記相違点を有するから、本件特許発明1は甲3に記載された発明ではない。
イ 進歩性について
事案に鑑み、相違点3について検討する。
本件特許発明1の「特定溶媒」は、「プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する溶媒」であって、列挙された溶媒の中にIPAは含まれていない。
そして、甲3の記載(例えば、【0001】及び【0009】等)からみて、甲3発明が「IPA」を前提とした発明である。したがって、甲3の上記記載及び記載全体に接した当業者は、甲3発明の「IPA」を、本件特許発明1の「特定溶媒」を前提とした発明に変更しようと動機付けられることはない。
(5)本件特許発明2~9及び13について
上記「第4 1 取消しの理由の概要」に示した理由1及び理由2の対象請求項2~9及び13は、それぞれ本件特許発明2~9及び13に対応する。そして、本件特許発明2~9及び13も特定溶媒を前提とした発明であるから、判断は上記(4)で示したとおりである。
(6)小括
本件特許発明1~9及び13は、甲3に記載された発明ではないし、また、たとえ当業者といえども、甲3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものでもない。
2 甲6を主引用例とした場合
(1)甲6の記載及び甲6に記載された発明
ア 甲6の記載
上記「第4」の「2」の甲6は、先の出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載されたものであるところ、そこには以下の記載がある。なお、下線は引用発明の認定及び判断等に活用した箇所を示す。
(ア)1頁
「
[図:0001395172000003.jpg]
」
(仮訳)「NexION 300S/350Sを用いた半導体産業で使用される有機溶剤中の測定
序文:
半導体産業において最も普通に用いられる二つの有機溶剤は、イソプロピルアルコール(IPA)およびプロピレングリコール・メチルエーテル・アセテート(PGMEA)である。IPAがシリコンウェーハの洗浄に頻繁に使用される一方、PGMEAは、フォトレジストの希釈剤または剥離剤として用いられる。汚染が存在するとメモリー・デバイスの信頼性に有害な効果をもたらす、痕跡量の金属の汚染をチェックするために、双方を分析しなければならない。SEMI標準C41-0705は、IPAの高い純度グレード4を、各元素について100 ppt未満の汚染限度を有するものと規定している。」
(イ)2頁左欄~右欄
「
[図:0001395172000004.jpg]
[図:0001395172000005.jpg]
[図:0001395172000006.jpg]
」
(仮訳)「実験条件
電子機器級のイソプロピルアルコールとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、シンガポールの半導体の顧客から提供された。サンプルは、前処理や希釈をせずに直接注入した。標準溶液は、10 mg / Lの多元素標準試料(PerkinElmer Pure、PerkinElmer、米国コネチカット州シェルトン)から作成した。この実験で使用された機器は、NexION 300S ICP-MS(PerkinElmer米国コネチカット州シェルトン)である。機器のパラメータとサンプル導入コンポーネントを表1に示す。
結果
IPAおよびPGMEAサンプルは、添加方法を使用して定量的に分析された。 Mg、Al、およびCrのIPAの検量線を図1?3に示す。これは、バンドパスと組み合わせて反応性NH3ガスによって除去されたすべての炭素関連の多原子干渉で可能な良好な直線性を示す。」
(ウ)4頁
「
[図:0001395172000007.jpg]
[図:0001395172000008.jpg]
」
(当合議体注:上記表2の枠囲い(一部ハイライトした箇所を含む。)は、当合議体にて付与したものであり、一部の行を省略した。)
(仮訳)
[図:0001395172000009.jpg]
」
イ 甲6発明
上記アによれば、甲6には、半導体産業において最も普通に用いられるイソプロピルアルコール(IPA)中の各種金属元素の不純物濃度を、NexION 300S/350Sを用いて測定した結果が記載されている。上記測定の条件及び結果は、甲6の上記「実験条件」及び表2のとおりである。
したがって、甲6には、次の「イソプロピルアルコール(IPA)」(以下「IPA」という。)の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されている。
「半導体産業において最も普通に用いられるIPAであって、
以下の実験条件で各種金属元素の不純物濃度が測定され、測定結果が表2のとおりである、
IPA。
実験条件:標準溶液は、10 mg / Lの多元素標準試料(PerkinElmer Pure、PerkinElmer、米国コネチカット州シェルトン)から作成し、実験で使用された機器は、NexION 300S ICP-MS(PerkinElmer米国コネチカット州シェルトン)であり、IPAサンプルは、添加方法を使用して定量的に分析された
測定結果:表2」
(当合議体注:「表2」は、上記「ア(ウ)」に記載のものである。)
(2)対比及び判断
本件特許発明1と甲6発明とを対比する。
ア 薬液の用途
甲6発明の「IPA」は、「半導体産業において最も普通に用いられるIPAであ」る。
そうしてみると、甲6発明の「IPA」は、本件特許発明1の「半導体デバイス製造用の薬液」といえる。
イ 有機溶剤
甲6発明の「IPA」は、技術的にみて、本件特許発明1の「有機溶媒」に相当する。
ウ 薬液の全体構成
甲6発明の「IPA」の「各種金属元素の不純物濃度」は、「表2」に示すとおりのものであって、そのAl、Cr、Fe、Ni、Zn及びPbのBECは、それぞれ5、9、11、31、検出限界以下、2及び0.2(ppt)である。ここで、甲6発明の表2の「BEC(ppt)欄」が「IPA」の金属イオン濃度(本件特許発明1の金属イオン濃度と金属粒子濃度の和)に相当することは、実験条件からみて当業者に自明である。
以上によれば、甲6発明の「IPA」は、本件特許発明1の「薬液」における、「Fe原子、Cr原子、Ni原子、及び、Pb原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子のイオンと、を含有する」、「前記薬液に1種の前記イオンが含有される場合、前記イオンの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであって、前記薬液に2種以上の前記イオンが含有される場合、前記イオンのそれぞれの含有量が、前記薬液の全質量に対して0.1~50質量pptであり」との要件を満たす。また、表2から理解される、全ての金属元素の不純物濃度の和から、甲6発明の「IPA」が、本件特許発明1の「有機溶剤と、」「を含有する」及び「前記有機溶剤の含有量が、前記薬液の全質量に対して98質量%以上であり」との要件を満たすことは明らかである。
さらに、表2(Znの値(2ppt))及びpptレベルの希薄溶液におけるイオン性金属不純物濃度と粒子性金属不純物濃度についての技術常識から、甲6発明の「IPA」におけるZn原子を含有する粒子の含有量は、本件特許発明1の「0.05~60ppt質量%」の範囲内にある蓋然性は高い。
(3)一致点及び相違点
本件特許発明1と甲6発明とは、上記「第5」の「1(3)」の相違点2及び相違点3において相違し、その余において一致する。
(4)判断
ア 新規性について
本件特許発明1と甲6発明とは相違点を有するから、本件特許発明1は甲6に記載された発明ではない。
イ 進歩性について
事案に鑑み、相違点3について検討する。
本件特許発明1の「特定溶媒」は、「プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジイソアミルエーテル、酢酸ブチル、及び、4-メチル-2-ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有する溶媒」であって、列挙された溶媒の中にIPAは含まれていない。
そして、特段の証拠がない限り、甲6発明の分析結果(表2)が、他の溶媒にそのまま適用できるとはいえないから、甲6発明に基づいて、当業者が相違点3に係る本件特許発明1の構成に想到することは容易ではない。
(5)本件特許発明2~9及び13について
本件特許発明2~9及び13も特定溶媒を前提とした発明であるから、判断は上記(4)で示したとおりである。
(6)小括
本件特許発明1~9及び13は、甲6に記載された発明ではないし、また、たとえ当業者といえども、甲6に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものでもない。
第7 当合議体の判断(●理由3(実施可能要件)について)
1 判断
本件特許の明細書の発明の詳細な説明(以下「本件明細書」という。)が、先の出願時において当業者が本件特許発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえるか(実施可能要件を充足するか)について検討するに、当合議体は充足すると判断する。その理由は以下のとおりである。
本件明細書には、本件特許の薬液中の粒子の含有量及びイオンの含有量を調整する(制御する)ことに関する記載(【0033】及び【0162】)がある。また、本件明細書には、上記記載のほか、【0157】~【0160】に、実施例1の「薬液1」の製造・精製に用いた、具体的な原料、タンク及び循環管路の接液部の材質、前記循環管路において使用された各フィルタ(第一イオン吸着フィルタ、粒子除去フィルタ、有機不純物吸着フィルタの材質及び入手先並びにそれらの使用条件(各フィルタによるフィルタリングの順番、循環回数及びフィルタリング温度等)が開示されている。
そして、これらフィルターを適宜組み合わせることで、本件特許発明における薬液の製造・生成ができることは、特許権者が提出した乙3(特表2015-521101号公報の請求項1及び【0056】(実施例2に記載された、IPAからのクロムの除去方法と除去効率))等の記載や、甲6等で示される、いわゆるSP-IPC-MS法により薬液を製造・調整し、分析できていたこととも合致するものといえる。
なお、特許異議申立人は、具体的な原料や製法と金属イオン濃度との関係などをあげつつ、実施可能要件を充足しない旨主張するが、上記で検討した本件明細書の開示内容や本件優先権主張時における技術常識に照らして、本件明細書に具体的な原料の詳細情報(入手先及び製造ロット等の情報)、フィルタリングの回数等の開示がないからといって、当業者が本件特許の薬液を作ることができないとまではいえない。
したがって、本件特許の発明の詳細な説明は、先の出願時において当業者が本件特許発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。
2 小括
本件特許は、発明の詳細な説明の記載が、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本件特許の請求項1~36に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえる。
第8 当合議体の判断(●理由4(明確性要件:含有量の測定方法)について)
当合議体が通知した明確性要件についての取消しの理由は、次のものである。
本件特許発明における、イオン性金属の含有量を求めるためには粒子性金属の含有量を求める必要があるところ、後者の含有量を算出するためには、粒子性金属がどのような存在形態(金属単体、酸化物又は水酸化物等)で薬液中に存在しているかについて予め仮定しておく必要があるにもかかわらず、当該仮定が本件明細書に記載がないから、本件特許発明は、特許を受けようとする発明が明確でない、というものである。
しかしながら、上記第7 1で検討したとおり、先の出願当時において、イオンの含有量及び粒子の含有量を質量pptレベルで測定する方法(SP-ICP-MS法)が既に存在していることに照らせば、本件特許発明に何ら不明確なところはない。
第9 取消理由通知書(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立ての理由について
1 申立理由2(特許異議申立書36頁最下行~39頁8行等)
(1)甲4発明
甲4の【0002】~【0003】、【0011】、【0025】~【0035】(特に、【0032】、【0033】及び【表2】)には、実施方式1(実施例1)として、超高純度電子級イソプロパノールの発明(以下「甲4発明」という。)が記載されている。
(2)対比
本件特許発明1と甲4発明とを対比すると、両者は少なくとも、上記「第5 1(3)」に記載された相違点3において相違する。
(3)判断
甲4の請求項1には、「下記の手順:
(1)室温の下で、工業級塩酸又はイソプロパノールに化学前処理を実施することによって、純度を向上する。濾過を実施して、濾過液を収集する。
(2)濾過液を精留する。精留のプロセスで、蒸気を更に加熱することによって、加熱蒸気を形成して、これから微小孔のある膜を通して過熱蒸気を濾過する。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中の顆粒数をコントロールして、超高純度電子級塩酸又はイソプロパノールを得る。
を含むことを特徴とする超高純度電子級化学試薬生産方法。」と、
甲4の【0001】には、
「本発明は、超高純度電子級化学試薬生産方法に係り、特に超高純度電子級塩酸と超高純度電子級イソプロパノールの生産方法に係る。」とそれぞれ記載されている。
上記各記載によれば、甲4発明は「イソプロパノール」を有機溶媒として含むことを前提とした発明といえる。
したがって、甲4を主引用例とした場合の判断は、甲3及び甲6を主引用例とした場合と同様となる。
(4)小括
本件特許発明1~5及び9は、甲4に記載された発明ではないし、また、たとえ当業者といえども、甲4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものでもない。
2 申立理由3(特許異議申立書31頁1行~32頁)
(1)申立ての理由の概要
本件特許発明は「薬液の帯電電位が100mV以下であり」との発明特定事項を含むところ、本件明細書には、帯電電位の測定にあたり、JIS規格が記録すべきことを求めてる事項(測定場所、測定時の温度、相対湿度等)が記載されていない。
また、帯電電位は時間の進行に伴い指数関数的に減衰するが(後記甲1及び甲2)、本件明細書には薬液を帯電せしめた後に帯電電位の測定までの時間に関する記載はない。
したがって、本件特許発明は、当業者といえども帯電電位を一義的に測定することはできない。
甲1:可燃性液体の帯電と災害対策、森田豊、安全工学、1981年, Vol.20, No.6, 314頁~319頁
甲2:可燃性液体の帯電防止、北川徹三、高分子、1961年, Vol.10, 358頁~362頁
(2)判断
本件特許発明は、特許請求の範囲において、「帯電電位」について何ら測定時期を特定していないのであるから、当該帯電電位は任意の時点における測定値と解するのが自然であって、この解釈を妨げるような記載は本件明細書にはない。また、上記以外の解釈が成り立つといえる他の証拠もない。
(3)小括
したがって、本件特許発明は明確である。
3 申立理由7(令和4年7月21日付け意見書1頁)
特許異議申立人は、甲7(特表平11-506431号公報)を新たに提出して、新たな申立ての理由(請求項10、17、18、19、20の進歩性違反について)を追加した。
しかしながら、本件特許発明10及び17~20は、それぞれ、実質的に訂正前の請求項10が引用する請求項3、5、6及び8を引用する部分に対応する発明であって、これらの発明に対しては、特許異議申立書において、進歩性欠如の理由は何ら申し立てられていなかったものである。そして、上記新たな取消しの理由は、本件訂正請求に起因して申立てることが必要となったものでもない。
また、一見して、甲3または甲4及び甲7に基づき、本件特許10、17、18、19、20を取り消せるものであるということもできない。
したがって、甲3または甲4及び甲7に基づく進歩性欠如の理由は採用しない。
第10 まとめ
本件特許1~36は、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消しの理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立ての理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件特許1~36を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-700515