2021-700502
TVCMの効果を評価するための装置、方法及びそのためのプログラム
- 審判番号
- 2021-700502
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-240038外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6792694
- 請求日
- 2021年05月24日
- 審決日
- 2022年03月29日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ラクスル株式会社
- 【権利者代理人】大谷 寛
- 【異議申立人】株式会社 マニューバー
- 分類
- P1651.121-YAA(G06Q) / P1651.537-YAA(G06Q) / P1651.536-YAA(G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
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特許第6792694号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和元年12月30日に出願した特願2019-240037号の一部を令和元年12月30日に新たな特許出願としたものであって、令和2年11月10日にその特許権の設定登録がされ、令和2年11月25日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和3年5月24日に特許異議申立人株式会社マニューバー(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和3年9月2日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和3年11月5日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求によりなされる訂正を、以下、「本件訂正」という。)を行った。さらに、当審は、申立人に対して、令和4年1月6日付け(起案日)で、訂正があった旨の通知をしたところ、申立人は、指定期間内である令和4年2月10日に意見書を提出した。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下の(1)~(6)のとおりである。下線は、訂正箇所であり、特許権者(以下、「第2」においては、「訂正請求人」という。)が付与したものである。
なお、訂正前の特許請求の範囲請求項1~3(以下、それぞれ、「訂正前請求項1」、「訂正前請求項2」、「訂正前請求項3」といい、同様に、訂正前の特許請求項範囲請求項4~8を、「訂正前請求項4」、…、「訂正前請求項8」といい、さらに、訂正後の特許請求の範囲請求項1~8)を、それぞれ、「訂正後請求項1」、…、「訂正後請求項8」という。)について、請求項2及び3は、それぞれ請求項1を引用するものであって、後述の訂正事項1によって、記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前請求項1~3に対応する訂正後請求項1~3は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
(1)一群の請求項1~3に係る訂正について
ア 訂正請求人は、特許請求の範囲請求項1を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項1」という。)。
訂正前請求項1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記1若しくは複数の標準偏差又は前記1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値σと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
(下線は、訂正箇所。訂正請求人が付与した。この項において、以下同じ。)
イ 訂正請求人は、本件訂正により、特許請求の範囲請求項2を削除することを請求する(以下、「訂正事項2」という。)。
ウ 訂正請求人は、特許請求の範囲請求項3を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項3」という。)。
訂正前請求項3の「請求項1又は2に記載の方法。」とあるのを、本件訂正により、「請求項1に記載の方法。」とする。
(2)請求項4に係る訂正について
訂正請求人は、特許請求の範囲請求項4を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項4」という。)。
訂正前請求項4の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記1若しくは複数の標準偏差又は前記1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値σと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
(3)請求項5に係る訂正について
訂正請求人は、特許請求の範囲請求項5を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項5」という。)。
訂正前請求項5の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記1若しくは複数の標準偏差又は前記1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値σと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
(4)請求項6に係る訂正について
訂正請求人は、特許請求の範囲請求項6を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項6」という。)。
訂正前請求項6の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値又は前記しきい値を用いて定まる値εと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
(5)請求項7に係る訂正について
訂正請求人は、特許請求の範囲請求項7を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項7」という。)。
訂正前請求項7の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値又は前記しきい値を用いて定まる値εと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
(6)請求項8に係る訂正について
訂正請求人は、特許請求の範囲請求項8を、以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する(以下、「訂正事項8」という。)。
訂正前請求項8の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値又は前記しきい値を用いて定まる値εと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価」とする。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前請求項1に係る特許発明の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記1若しくは複数の標準偏差又は前記1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値σと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価」とすることで、明瞭でない記載を明確にするものである。
すなわち、訂正前請求項1では、Δと比較されるものを、「取得された前記1若しくは複数の標準偏差又は前記1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値σ」とあったことから、1つの標準偏差の値、複数の標準偏差の値、1つの標準偏差を用いて定まる値、及び、複数の標準偏差を用いて定まる値という、4つの値のいずれかであると解釈され、このうち、複数の標準偏差の値、及び、1つの標準偏差を用いて定まる値がどのような値であるか明確でないため、Δと比較ができるか明確ではなかった。そこで、本件訂正により、Δと比較されるものを「取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値」とすることで、明確にするものである。
このように、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項1は上記のとおりであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項1は上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合する。
(2)訂正事項2、3について
訂正事項2は、訂正前請求項2の記載を削除するものである。
したがって、訂正事項2は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項2は、訂正前請求項2の記載を削除するのみであるから、訂正前請求項2に記載された発明のカテゴリーを変更するものでもなく、かつ、訂正前請求項2に記載された発明の対象や目的を変更するものとはならず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないことから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合するものである。また、訂正事項2は、訂正前請求項2の記載を削除するのみであるから、特許法第120条の5条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
そして、訂正事項3は、訂正事項2の訂正に伴う訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合するものであり、さらに、特許法第120条の5条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(3)訂正事項4、5について
訂正事項4、5は、訂正事項1と同じ内容の訂正であるから、上記(1)のとおりである。
よって、訂正事項4、5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項4、5は上記のとおりであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項4、5は上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合する。
(4)訂正事項6について
訂正事項6は、訂正前請求項6に係る特許発明の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値又は前記しきい値を用いて定まる値εと比較して前記TVCMの効果を評価」とあるのを、本件訂正により、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価」とすることで、明瞭でない記載を明確にするものである。
すなわち、訂正前請求項6では、Δと比較されるものを「取得された前記しきい値又は前記しきい値を用いて定まる値ε」とあったことから、しきい値又はしきい値を用いて定まる値という、2つの値のいずれかであると解釈され、このうち、しきい値を用いて定まる値がどのような値であるか明確でないため、Δと比較ができるか明確ではなかった。そこで、本件訂正により、Δと比較されるものを、「取得された前記しきい値」とすることで、明確にするものである。
このように、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項6は上記のとおりであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項6は上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合する。
(5)訂正事項7、8について
訂正事項7、8は、訂正事項6と同じ内容の訂正であるから、上記(4)のとおりである。
よって、訂正事項7、8は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項7、8は上記のとおりであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項7、8は上記のとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法126条第5項に適合する。
(6)申立人の意見書(令和4年2月10日提出)による主張について
申立人は、訂正事項1、4、5における「σ」の削除は、特許請求の範囲を拡張するものであると主張する。
しかしながら、本件特許明細書【0031】には、「そして、装置100は、ウェブサイト110に対するアクセス増加数Δとウェブサイト110の1又は複数の標準偏差又は当該1又は複数の標準偏差を用いて定まる値σとを比較してTVCMの効果を評価する(S206)。一例として、Δ>1.5σで表されるように、アクセス増加数Δが標準偏差σに所定の係数を乗じた値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することが挙げられる。あるいは、Δ/σで表される比を算出して、当該比が所定の値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することが挙げられる。」(下線は、当審が付与した。)との記載を参照すると、Δと比較されるのは、1の標準偏差、複数の標準偏差、1の標準偏差を用いて定まる値及び複数の標準偏差を用いて定まる値であることは明らかであり、「Δ>1.5σ」との記載から、「σ」は、本件訂正前の1の標準偏差、複数の標準偏差、1の標準偏差を用いて定まる値及び複数の標準偏差を用いて定まる値を記号で表現したものであることは明らかである。そして、訂正前請求項1、4、5においても、同じ意味で用いられていたことも明らかであるものの、係り受けが明確でない恐れがあるため、訂正事項1、4、5で削除するものである。
このため、訂正事項1、4、5で「σ」を削除しても、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、申立人の上記主張を採用することはできない。
3 小括
したがって、上記の訂正請求による訂正事項1~8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は同第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
さらに、訂正前請求項2、3について、訂正前請求項2が削除されているので、訂正前請求項2、3に係る訂正事項2、3に関して、特許法第120条の5条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、4~8について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1~8に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」、「本件発明2」…「本件発明8」といい、これらをまとめて「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
[本件発明1]
コンピュータが、TVCMの効果を評価するための方法であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差を取得するステップと、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含み、
取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
[本件発明2]
(削除)
[本件発明3]
前記TVCMの放映地域を受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
[本件発明4]
コンピュータに、TVCMの効果を評価するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差を取得するステップと、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含み、
取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
[本件発明5]
TVCMの効果を評価するための装置であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信し、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差を取得し、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価し、
取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記装置が取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
[本件発明6]
コンピュータが、TVCMの効果を評価するための方法であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトのしきい値を取得するステップと、
記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含み、
取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの値について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
[本件発明7]
コンピュータに、TVCMの効果を評価するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトのしきい値を取得するステップと、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含み、
取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの値について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
[本件発明8]
TVCMの効果を評価するための装置であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信し、
前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトのしきい値を取得し、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された前記しきい値と比較して前記TVCMの効果を評価し、
取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの値について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記装置が取得可能に記憶されており、
前記第1及び第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表されることを特徴とする。
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1取消理由の概要
訂正前請求項1~8に係る特許に対して、当審が令和3年9月2日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)請求項1~8に係る特許は、発明の詳細な説明の記載に不備があるため、特許法第36条第4項第1号(委任省令違反)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(2)請求項1~8に係る特許は、発明の詳細な説明の記載に不備があるため、特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(3)請求項2~3に係る特許は、特許請求の範囲の記載に不備があるため、特許法第36条第6項第1号(サポート要件)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
2 当審の判断
(1)特許法第36条第4項第1号(委任省令違反)について
ア 訂正前請求項1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」を「1若しくは複数の標準偏差」と比較したり、「1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値」と比較したりすることについて、技術上の意義が不明であるとの点について、上記訂正事項1により、アクセス数の差Δと「取得された1の標準偏差の値」又は「取得された複数の標準偏差を用いて定まる値」と比較する構成とした。
イ 上記事項について、発明の詳細な説明には次の記載がある。
「【0023】図2に、本発明の一実施形態にかかるTVCMの効果を評価するための方法の流れを示す。まず、装置100は、データベース104から、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間におけるウェブサイト110に対するアクセス数及び当該複数の時点の以前又は前の第2の期間におけるウェブサイト110に対するアクセス数を取得し、各時点tiにおいて、第1の期間におけるアクセス数と第2の期間におけるアクセス数との差Δiを算出する(S201)。一例として、一分単位でアクセス数を表し、図3に示すような過去の各時点tiについて、各時点ti以後の3分間のアクセス数と当該時点tiの前の3分間のアクセス数との差Δiを算出する。アクセス数の差Δiは、各時点tiを基準としたアクセス増加数と言うことができる。」
「【0025】次に、装置100は、曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に基づいてN個の時点tiを区分して、区分ごとのアクセス増加数の分布の標準偏差を算出する(S202)。一例として、曜日及び一時間ごとに区分した場合の標準偏差σm、n(mは1以上7以下の整数であり、nは0以上23以下の整数である。)を図4に示す。ここで、mが1のときに日曜日に対応し、nが0のときに0時に対応する。標準偏差は、曜日の属性について、平日か休日かによって区分したり、時間帯の属性について、朝か昼か夜かによって区分したりしてもよい。装置100は、このように算出された標準偏差をデータベース104に記憶しておき、以後の効果測定においてこれを取得可能とすることができる。」
「【0029】一組のパラメータとして、図4に示すように曜日及び時間帯ごとに標準偏差が記憶されている場合、装置100は、受信した放映時刻tに対応する曜日及び時間帯の値を取得すればよい。また、装置100は、受信した放映時刻tが平日か休日かを判定して、平日であれば平日に該当する複数の曜日の値を取得して、これを用いて例えば平日の平均的な標準偏差を定めてもよい。また、装置100は、受信した放映時刻tが夜か否かを判定して、夜であれば夜に該当する複数の時間帯の値を取得して、これを用いて例えば夜の平均的な標準偏差を定めてもよい。あるいは、一組のパラメータとして、平日又は休日という曜日の属性に対応する区分と、朝、昼又は夜という時間帯の属性に対応する区分とによって区分した標準偏差が記憶されている場合には、装置100は、受信した放映時刻tの属性を判定して、対応する区分の値を取得することができる。また、標準偏差が地域ごとに記憶されている場合には、装置100は、放映時刻tに加えて放映地域を取得して、当該放映地域に対応する区分の標準偏差を取得することができる。」
「【0031】そして、装置100は、ウェブサイト110に対するアクセス増加数Δとウェブサイト110の1又は複数の標準偏差又は当該1又は複数の標準偏差を用いて定まる値σとを比較してTVCMの効果を評価する(S206)。一例として、Δ>1.5σで表されるように、アクセス増加数Δが標準偏差σに所定の係数を乗じた値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することが挙げられる。あるいは、Δ/σで表される比を算出して、当該比が所定の値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することが挙げられる。」
ウ 上記イから、次の事項が把握できる。
アクセス数の差Δiは、過去のN個の時点tiの以後又は後の第1の期間におけるアクセス数と、当該複数の時点の以前又は前の第2の期間におけるアクセス数との差であり、例えば、過去の各時点tiについて、各時点ti以後の3分間のアクセス数と当該時点tiの前の3分間のアクセス数との差である。1つの標準偏差の値は、曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に基づいてN個の時点tiを区分して、区分ごとのアクセス増加数の分布から算出される。複数の標準偏差を用いて定まる値は、曜日及び時間帯ごとに標準偏差が記憶されている場合、受信した放映時刻tを判定して、該当する平日や休日という属性や、朝、昼、夜等という時間帯に対応する区分の複数の標準偏差の値の平均的なものである。
そして、アクセス数の差Δiと、「1つの標準偏差の値」又は「複数の標準偏差を使用して定まる値」とを比較することで、アクセス増加数Δが標準偏差σに所定の係数を乗じた値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することができるものである。
そうすると、訂正後請求項1は、TVCMの効果を評価するための装置、方法及びそのためのプログラムにおいて、より細かな単位の評価や高い精度での評価を可能とするとの発明の解決しようとする課題を解決するための手段であると理解でき、発明の技術上の意義が明確になった。
以下同様に、訂正前請求項4、5についても、上記訂正事項4、5により、「1若しくは複数の標準偏差」と比較したり、「1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値」と比較したりすることを、アクセス数の差Δと「取得された1の標準偏差の値」又は「取得された複数の標準偏差を用いて定まる値」と比較する構成とした。これにより、訂正後請求項4、5は、発明の解決しようとする課題を解決するための手段であると理解でき、発明の技術上の意義が明確になった。
また、訂正前請求項6の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」を「しきい値を用いて定まる値」と比較することについて、技術上の意義が不明であるとの点について、訂正事項6により、「しきい値を用いて定まる値」と比較することを削除した。これにより、訂正後請求項6は、発明の解決しようとする課題を解決するための手段であると理解でき、発明の技術上の意義が明確になった。
同様に、訂正前請求項7、8についても、上記訂正事項7、8により、「しきい値を用いて定まる値」と比較することを削除した。これにより、訂正後請求項7、8は、発明の解決しようとする課題を解決するための手段であると理解でき、発明の技術上の意義が明確になった。
よって、当審で通知した特許法第36条第4項第1号(委任省令違反)の取消理由は存在しない。
(2)特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)について
訂正前請求項1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」を「1若しくは複数の標準偏差」と比較したり、「1若しくは複数の標準偏差を用いて定まる値」と比較することについて、具体的にどのように行うのか理解できないとの点について、上記訂正事項1により、「複数の標準偏差」と比較したり、「1の標準偏差を用いて定まる値」と比較したりすることを削除した。これにより、訂正後請求項1は、当業者が実施できるものになった。
同様に、訂正前請求項4、5についても、上記訂正事項4、5により、「複数の標準偏差」と比較したり、「1の標準偏差を用いて定まる値」と比較したりすることを削除した。これにより、訂正後請求項4、5は、当業者が実施できるものになった。
また、訂正前請求項6の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」を「しきい値を用いて定まる値」と比較することについて、具体的にどのように行うのか理解できないとの点について、訂正事項6により、「しきい値を用いて定まる値」と比較することを削除した。これにより、訂正後請求項6は、当業者が実施できるものになった。
同様に、訂正前請求項7、8についても、上記訂正事項7、8により、「しきい値を用いて定まる値」と比較することを削除した。これにより、訂正後請求項7、8は、当業者が実施できるものになった。
よって、当審で通知した特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)の取消理由は存在しない。
(3)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
訂正前請求項2の「Δ-σ>1.5σを満たすか否かの判定」については、明細書に記載されていないとの点について、上記訂正事項2のとおり、訂正前請求項2は削除された。
よって、当審で通知した訂正前請求項2に対する特許法第36条第6項第1号(サポート要件)の取消理由は存在しない。
3 申立人の意見書(令和4年2月10日提出)による主張について
(1)特許法第36条第4項第1号(委任省令違反)について
ア 申立人は、訂正後請求項1、3~5について、特許権者の意見書(令和3年11月5日提出)の5(6)での「十分な個数の測定値について平均的に0又は0に近い値となる」から、「差Δ」と「測定値である差Δと平均値との差分」とは「同義であり、又はそれを近似するもの」であるとの主張に対して、データ数が1(N=1)の場合「十分な個数の測定値」ではないことは明らかであり、「第1の期間」と「第2の期間との間の関係について何ら特定されておらず、仮に「第1の期間」と「第2の期間」が同じ長さであっても、「十分な個数の測定値について平均的に0又は0に近い値となる」とは限らない。すなわち、データ数(Nの値)、測定の期間(第1の期間及び第2の期間の長さ)、曜日、時間帯などによって、「平均値」は様々な値となること当業者には明らかであるから、訂正後請求項1、3~5の技術的な意義を理解することができない、旨主張する。
イ 申立人の主張について検討する。
データ数が少ないことについては、有意な結果が得られるか否かに関係するものであって、データ数が少ない場合を含むことを理由に技術的な意義を失わせるものではない。また、「第1の期間」と「第2の期間」は、本件特許明細書の上記【0023】のとおり、第1の期間は、過去のN個の時点tiの以後又は後の期間であり、第2の期間は、過去のN個の時点tiの以前又は前の期間であると定義されており、「各時点ti以後の3分間」、「当該時点tiの前の3分間」との例も示されており、このような記載に接した当業者であれば、第1の期間と第2の期間との間の関係を理解できることは明らかである。さらに、本件特許明細書【0025】の「区分ごとの『アクセス増加数の分布』の標準偏差」との記載から、本件における標準偏差の持つ技術的な意味を勘案すると、特許権者の主張には理由があり、上記2(1)のとおり、訂正後請求項1、3~5は、発明の解決しようとする課題を解決するための手段であると理解でき、発明の技術上の意義は明確であって、申立人の主張を採用することはできない。
(2)特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)について
ア 申立人は、訂正後請求項1、3~5について、本件特許明細書には、複数の標準偏差から「平均的な標準偏差」をどのように定めるのかは記載されていない旨主張する。
イ 申立人の主張について検討をする。
本件特許明細書の上記【0029】のとおり、例えば、「図4に示すように曜日及び時間帯ごとに標準偏差が記憶されている場合、装置100は、受信した放映時刻tに対応する曜日及び時間帯の値を取得すればよい。」とあり、下記図4を参照すると、放映時刻tに対応する曜日及び時間帯の値は複数存在することは明らかである。同様に、「装置100は、受信した放映時刻tが平日か休日かを判定して、平日であれば平日に該当する複数の曜日の値を取得して、これを用いて例えば平日の平均的な標準偏差を定めてもよい。」、「装置100は、受信した放映時刻tが夜か否かを判定して、夜であれば夜に該当する複数の時間帯の値を取得して、これを用いて例えば夜の平均的な標準偏差を定めてもよい。」と記載されており、図4を参照すると、複数の曜日の値、複数の時間帯の値が存在し、これらの複数の値はそれぞれ標準偏差を意味し、これらの複数の標準偏差に対して、平均的な標準偏差を定めることが記載されている。
[図:0001386120000001.jpg]
本件図面【図4】
そして、平均「的」とあることから、「平均」の性質を持ったものを算出すればよく、本件特許明細書の上記記載に接した当業者であれば、平均的な標準偏差を算出できることは明らかである。
よって、申立人の主張を採用することはできない。
3 小括
以上のとおりであるから、当審の取消理由で通知した取消理由はすべて解消した。
第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
以下の理由番号は、当審が付与した。
1 特許異議申立理由の概要
(1)理由A:特許法第36条第4項第1号(請求項1~8)
ア 理由A1
請求項1~5の「複数の標準偏差を用いて定まる値」について、Δとどのようにして比較するのか、また、技術的意義も、本件特許明細書に記載されていない。
イ 理由A2
請求項6~8の「しきい値を用いて定まる値」について、発明の詳細な説明には、これをどのように算出するのか記載されておらず、その値の技術的意義も記載されていない。
ウ 理由A3
請求項1、4~8の「ウェブサイトに対するアクセス数」について、どのような数値を意味するのか記載されていない。
(2)理由B:特許法第36条第6項第2号(請求項1~8)
ア 理由B1
請求項1~8の「前記第1及び第2の期間」の指し示すものが不明確である。
イ 理由B2
請求項1~5の「前記ウェブサイトに対するアクセス数との差△」と、「1」「の標準偏差」とを「比較して前記TVCMの効果を評価する」ことは、技術的意義がなんら示されていないから、単なる数値遊びにすぎず、不明確である。
(3)理由C:特許法第29条第2項(請求項1~8、甲第1号証~甲第3号証)
2 理由A及びBに対する当審の判断
(1)理由A1について
上記「第4」の3(2)イのとおり、複数の標準偏差を用いて定める値は、本件特許明細書で当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されており、そして、アクセス数の差Δiと複数の標準偏差を用いて定まる値の意味は、上記「第4」の2(1)ウのとおりであり、その比較は、本件特許明細書の上記【0031】の「一例として、Δ>1.5σで表されるように、アクセス増加数Δが標準偏差σに所定の係数を乗じた値よりも大きければ効果があり、それ以下であれば効果がなかったと評価することが挙げられる。」と記載されていることから、当業者であればΔと複数の標準偏差を用いて定める値との比較を実施することができることは明らかである。
よって、請求項1、3~5に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるとする、申立人の上記主張を採用することはできない。
(2)理由A2について
上記訂正事項6~8により、「しきい値を用いて定まる値」は削除されたことから、当該理由は解消した。
(3)理由A3について
本件特許明細書では、「アクセス数」について、「上述の説明において「アクセス数」とは、ウェブサイト110に対してなされたアクセスの数を意味し、閲覧されたページ数をカウントするページビュー、複数のページが閲覧されても同一の端末による閲覧であれば1とカウントするセッション数等、さまざまなカウントの方式が可能である。」(【0032】)と記載されており、この記載に基づくことで、「ウェブサイトに対するアクセス数」も、当業者が理解できることは明らかである。
なお、申立人は、特許異議申立書29ページで、甲第4号証を提示して、「ウェブサイトに対するアクセス数」は、本件特許の出願時において、ユニークユーザ数(UU数)、セッション数、ページビュー数(PV数)などの多くの数値を意味することは技術常識であるものの、本件特許明細書には「ウェブサイトに対するアクセス数」がどのような数値を意味するのか記載されていない旨主張するが、上述したとおり、本件特許明細書【0032】の記載に基づくことで、「ウェブサイトに対するアクセス数」も、当業者が理解できることは明らかである。
よって、請求項1、3~8に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるとする、申立人の上記主張を採用することはできない。
(3)理由B1について
上記「第4」の3(1)イのとおり、第1の期間は、過去のN個の時点tiの以後又は後の期間であり、第2の期間は、過去のN個の時点tiの以前又は前の期間であると定義されており、「各時点ti以後の3分間」、「当該時点tiの前の3分間」との例も示されており、このような記載に接した当業者であれば、第1の期間と第2の期間の各々及び両者の関係を理解できることは明らかである。
よって、請求項1、3~8に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるとする、申立人の上記主張を採用することはできない。
(4)理由B2について
申立人の主張は、特許法第36条第6項第2号の要件に反するとの理由にはならず、特許法第36条第4項第1号の委任省令要件に反するとの理由である。そして、委任省令要件については、上記「第4」の2(1)で検討したとおりであり、技術的意義も明らかである。
よって、請求項1、3~5に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるとする、申立人の上記主張を採用することはできない。
3 理由Cに対する当審の判断
(1)甲第1号証~甲第3号証について
ア 甲第1号証記載事項、甲第1号証に記載された発明
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(ア) 申立人が引用する、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証(米国特許8762201号明細書、2014年(平成26年)6月24日公開)には、次の事項が記載されている。
(a)「 It should be noted that any of the foregoing devices in the present network architecture 100, as well as any other unillustrated hardware and/or software, may be equipped with the capability of gauging an effect of an advertisement. More information regarding such capability will be set forth hereinafter in greater detail during reference to subsequent figures.(当審訳)本ネットワーク構成100における前述の装置のいずれかは、他のいずれかの図示されていないハードウェア及び/又はソフトウェアと同様に、広告の効果を測定する能力を有していてもよいことに留意されたい。その能力についての更なる情報は、以降の図を参照してさらに詳しく以下に記載される。」(第1欄65行~第2欄4行)
(b)「 FIG. 3 shows a method 300 for gauging an effect of an advertisement, in accordance with one embodiment. As an option, the method 300 may be implemented in the context of the details of FIGS. 1 and/or 2. Of course, however, the method 300 may be carried out in any desired environment. Further, the aforementioned definitions may equally apply to the description below.(当審訳)図3は、一実施形態による、広告の効果を測定するための方法300を示す図である。オプションとして、方法300は、図1及び/又は図2の詳細のコンテキストで実施されてもよい。もちろん、しかし、方法300は、任意の所望の環境において実施されてもよい。さらに、前述の定義は、以下の説明にも同様に適用され得る。」(第2欄30~36行)
(c)「 As shown, in operation 302, first information is identified which is associated with an advertisement presented utilizing a first medium. For example, the advertisement may be presented to at least one user (e.g. viewer, etc.). In the context of the present description, the term advertisement may refer to a survey, questionnaire, promotional content, and/or anything that is designed to attract the attention of the user in regards to a good and/or service.(当審訳)示されるように、動作302において、第1の媒体を利用して提示される広告に関連する第1の情報が特定される。例えば、広告は、少なくとも1人のユーザ(例えば、ビューアなど)に提示されてもよい。本明細書の文脈では、広告という用語は、調査、アンケート、宣伝コンテンツ、及び/又は、商品及び/又はサービスに関してユーザの注意を引くように設計されたものを指す場合がある。」(第2欄37~44行)
(d)「 In various embodiments, the first information may include a time at which the advertisement was presented, a duration of the advertisement, a price of the advertisement, a number of users to which the advertisement was presented and/or any other information capable of being associated with a presented advertisement. Furthermore, in some embodiments, the first medium may include a television medium, a website medium, and/or a mobile device medium. Of course, it should be noted the first medium may include any one or more mediums capable of presenting an advertisement.(当審訳)様々な実施形態において、第1の情報は、広告が提示された時間、広告の持続時間、広告の価格、広告が提示されたユーザの数、及び/又は提示された広告に関連付けられることが可能な他の任意の情報を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の媒体は、テレビジョン媒体、ウェブサイト媒体、及び/又はモバイルデバイス媒体を含んでもよい。もちろん、第1の媒体は、広告を提示することができる任意の1つ又は複数の媒体を含んでもよいことに留意されたい。」(第2欄45~54行)
(e)「 Next, in operation 304, second information is received which is associated with user activity involving a second medium. In one embodiment, the second information may be received automatically. As another option, the second information may be requested and thus received in response to a request, in the context of a more manual embodiment. Of course, the second information may be received in any desired manner. Just by way of example, the second information may be received from an advertiser associated with the advertisement. It should be noted, however, that the second information may be received from any entity capable of providing information associated with user activity involving the second medium.(当審訳)次に、動作304において、第2の媒体を含むユーザ活動に関連する第2の情報が受信される。一実施形態では、第2の情報は、自動的に受信されてもよい。別のオプションとして、第2の情報は、より手動的な実施形態の文脈で、要求され、したがって、要求に応答して受信されてもよい。もちろん、第2の情報は、任意の所望の方法で受信されてもよい。ほんの一例であるが、第2の情報は、広告に関連する広告主から受信されてもよい。しかしながら、第2の情報は、第2の媒体を含むユーザ活動に関連する情報を提供することができる任意の実体から受信されてもよいことに留意されたい。」(第2欄55~67行)
(f)「 In some embodiments, the user activity may include visiting a web site associated with the advertisement, purchasing a good and/or service associated with the advertisement, communicating with a representative associated with the advertisement (e.g. by telephone, email, short message service (SMS), etc.), and/or any other actions capable of being taken by the user utilizing the second medium. To this end, in various embodiments, the second information may include a number of visits to a site of the advertiser, a number of electronic mail registrations, a number of search queries, a number of search engine marketing queries, a number of purchases of good and/or services, a number of communications between consumers and representatives associated with the advertisement, and/or any other information capable of being associated with user activity involving the second medium.(当審訳)いくつかの実施形態では、ユーザ活動は、広告に関連付けられたウェブサイトを訪問すること、広告に関連付けられた商品及び/又はサービスを購入すること、広告に関連付けられた代表者と通信すること(例えば、電話、電子メール、ショートメッセージサービス(SMS)などによる)、及び/又はユーザが第2の媒体を利用して取ることができる他の任意のアクションを含むことができる。このため、様々な実施形態において、第2の情報は、広告主のサイトへの訪問数、電子メール登録数、検索クエリー数、検索エンジンマーケティングクエリー数、商品及び/又はサービスの購入数、消費者と広告に関連する代表者との間の通信数、及び/又は第2の媒体を含むユーザ活動と関連付けられることができる任意の他の情報を含んでもよい。」(第3欄1~16行)
(g)「 Still yet, in the context of the present description, the second medium may include a television medium, a web site medium, a mobile device medium, a search engine medium, an electronic mail medium and/or any other one or more mediums capable of being associated with user activity. In one embodiment, the second information may also be associated with user activity involving a plurality of different second mediums. For instance, the plurality of different second mediums may include any of the mediums described above. In different embodiments, the first medium and the second medium may or may not be of a different type.(当審訳)なお、本明細書の文脈では、第2の媒体は、テレビジョン媒体、ウェブサイト媒体、モバイルデバイス媒体、検索エンジン媒体、電子メール媒体、及び/又はユーザ活動に関連付けることができる他の任意の1つ又は複数の媒体を含むことができる。一実施形態では、第2の情報は、複数の異なる第2の媒体を含むユーザ活動にも関連付けられ得る。例えば、複数の異なる第2の媒体は、上述した媒体のいずれかを含んでもよい。異なる実施形態では、第1の媒体と第2の媒体は、異なるタイプであってもよいし、そうでなくてもよい。」(第3欄17~27行)
(h)「 To this end, the first information and the second information may be correlated to gauge an effect of the advertisement on the user activity. See operation 306. In particular, the correlating may, in one embodiment, include identifying the second information that is associated with user activity that took place during a time period relevant to a time at which the advertisement was presented. For example, the time period may include a predefined time period (e.g. 5 minutes, etc.) after the advertisement was presented. Of course, it should be noted that the correlating may be performed in any desired manner.(当審訳)この目的のために、第1の情報及び第2の情報は、ユーザ活動に対する広告の効果を測定するために相関されてもよい。操作306を参照されたい。特に、相関させることは、一実施形態では、広告が提示された時間に関連する時間期間に行われたユーザ活動に関連する第2の情報を識別することを含んでもよい。例えば、時間期間は、広告が提示された後の予め定められた時間期間(例えば、5分など)を含んでもよい。もちろん、相関付けは、任意の所望の方法で実行されてもよいことに留意されたい。」(第3欄28~38行)
(i)「 Further, the gauging may include calculating a score representative of the effect of the advertisement on the user activity involving the second medium. As an option, such weighting may be user-configured. As another option, the score may be calculated by weighting various mediums associated with the user activity differently. Thus, weights associated with particular types of mediums may be greater than weights associated with other types of mediums.(当審訳)さらに、計測は、第2の媒体を含むユーザ活動に対する広告の効果を代表するスコアを計算することを含んでもよい。オプションとして、そのような重み付けは、ユーザが設定することができる。別のオプションとして、スコアは、ユーザ活動に関連する様々な媒体を異なるように重み付けすることによって計算されてもよい。したがって、特定の種類の媒体に関連する重みは、他の種類の媒体に関連する重みよりも大きくてもよい。」(第3欄39行~第3欄46行)
(j)「 FIG. 4 shows a system 400 for gauging an effect of an advertisement, in accordance with another embodiment. As an option, the system 400 may be implemented in the context of the details of FIGS. 1-3. Of course, however, the system 400 may be carried out in any desired environment. Further, the aforementioned definitions may equally apply to the description below.(当審訳)図4は、別の実施形態による、広告の効果を測定するためのシステム400を示す図である。オプションとして、システム400は、図1~3の詳細の文脈で実施されてもよい。もちろん、しかし、システム400は、任意の所望の環境において実施されてもよい。さらに、前述の定義は、以下の説明にも同様に適用され得る。」
(k)「 As shown, included is a plurality of advertisers 404, a plurality of media providers 406, a plurality of users (e.g. consumers 408 or at least potential consumers, etc.) and a media optimizer 402. In use, the media optimizer 402 receives a plurality of advertising opportunities (e.g. slots, etc.) from the media providers 406. Such opportunities may be identified by channel, advertisement type, etc. and may further relate to a plurality of different mediums.(当審訳)図示されるように、含まれるものは、複数の広告主404、複数のメディアプロバイダ406、複数のユーザ(例えば、消費者408または少なくとも潜在的消費者など)、及びメディアオプティマイザ402である。使用中、メディアオプティマイザ402は、メディアプロバイダ406から複数の広告機会(例えばスロットなど)を受信する。そのような機会は、チャネル、広告タイプなどによって識別されてもよく、さらに、複数の異なる媒体に関連していてもよい。」(第4欄1~8行)
(l)「 Given such advertising opportunities, the media optimizer 402 aggregates the same for presentation to the advertisers 404. FIGS. 4A-4C illustrate exemplary interfaces with which this may be accomplished, and will be described in further detail below. Of course, such interfaces are set forth for illustrative purposes only.(当審訳)このような広告の機会が与えられると、メディアオプティマイザ402は、広告主404に提示するために同じものを集約する。図4A~4Cは、これが達成され得る例示的なインターフェースを示しており、以下でさらに詳細に説明される。もちろん、そのようなインターフェースは、例示の目的だけのために規定されている。」(第4欄9~14行)
(m)「 The media optimizer 402 then receives selections of the advertising opportunities from the advertisers 404, and then forwards the same to the appropriate media providers 406. Of course, in other embodiments, the advertisement selections may be communicated directly between the advertisers 404 and the media providers 406 (with the media optimizer 402 simply being made aware of the same). In any case, the media optimizer 402 stores first information associated with such selections (e.g. timeframe, pricing, reach, etc.), for reasons that will soon become apparent.(当審訳)メディアオプティマイザ402は、次に、広告主404から広告機会の選択を受信し、次に、適切なメディアプロバイダ406に同じものを転送する。もちろん、他の実施形態では、広告の選択は、広告主404とメディアプロバイダ406との間で直接通信されてもよい(メディアオプティマイザ402は単に同じことを知らされるだけである)。いずれにしても、メディアオプティマイザ402は、すぐに明らかになる理由から、そのような選択に関連する第1の情報(例えば、時間枠、価格設定、リーチなど)を記憶する。」(第4欄15~24行)
(n)「 To this end, the advertisements may be presented (e.g. run, displayed, broadcasted, etc.) by the media providers 406, such that the consumers 408 are presented the same. In response to such advertisements, the consumers 408 may interact with the advertisers 404 in a variety of ways (e.g. visiting a website, communicating with a representative associated with the advertisement by e-mail, etc.). Just by way of example, such interaction may be initiated by a consumer selection of an advertisement.(当審訳)この目的のために、広告は、消費者408が同じものを提示されるように、メディアプロバイダ406によって提示(例えば、実行、表示、放送など)され得る。そのような広告に応答して、消費者408は、様々な方法で広告主404と相互作用してもよい(例えば、ウェブサイトを訪問する、電子メールで広告に関連する代表者と通信する、など)。ほんの一例であるが、このような相互作用は、消費者が広告を選択することによって開始されてもよい。」(第4欄25~33行)
(o)「 So that an effectiveness of the advertisements in influencing such consumer activity may be gauged, along with estimating financial returns on investments, the media optimizer 402 receives second information describing the aforementioned consumer activity. While such information may be received in any desired way, it may, in one embodiment, be received utilizing an XML feed from the advertisers 404. The media optimizer 402 may then correlate the first and second information so that such correlation may be presented to the advertisers 404.(当審訳)そのような消費者活動に影響を与える広告の有効性が、投資に対する財務リターンを推定することとともに、評価され得るように、メディアオプティマイザ402は、前述の消費者活動を記述する第2の情報を受信する。そのような情報は、任意の所望の方法で受信されてもよいが、一実施形態では、広告主404からXMLフィードを利用して受信されてもよい。メディアオプティマイザ402は、次に、そのような相関関係が広告主404に提示され得るように、第1及び第2の情報を相関させてもよい。」(第4欄34~43行)
(p)「 To this end, the system 400 allows the advertisers 404 to quantify the effectiveness a specific (e.g. TV, Internet, etc.) advertisement had on motivating consumers 408 that viewed the advertisement to complete desired targeted actions across various types of media. Such targeted actions may include, for example, online activities and/or consumer purchases across multiple types of media. Of course, such targeted actions may include any type of actions capable of being performed in response to the presentation of the advertisement.(当審訳)この目的のために、システム400は、広告主404が、様々な種類のメディアにわたって所望の標的行動を完了するために広告を見た消費者408を動機付ける上で持っていた特定の(例えば、テレビ、インターネットなどの)広告の有効性を定量化することを可能にする。そのような標的行動は、例えば、複数の種類のメディアにわたるオンライン活動及び/又は消費者の購入を含んでもよい。もちろん、そのような標的化された行動は、広告の提示に応答して実行されることが可能な任意のタイプの行動を含んでもよい。」(第4欄44~53行)
(q)「 The system 400 allows advertisers 404 to index performance of an advertisement against estimates or empirical data. Further, the system 400 also allows for each desired consumer action to be weighted by the advertisers 404. Such weighting may allow advertisers 404 to more precisely predict the effect the advertisement had on the associated advertiser's overall website (e.g. offline and/or wireless). Just by way of example, weights may be applied to specific types of consumer interactions as well as telephone and/or retail purchases.(当審訳)システム400は、広告主404が、推定値または経験的データに対して広告のパフォーマンスをインデックス化することを可能にする。さらに、システム400は、広告主404によって、各所望の消費者アクションを重み付けすることも可能にする。このような重み付けは、広告主404が、広告が関連する広告主のウェブサイト全体(例えば、オフライン及び/又は無線)に及ぼした影響をより正確に予測することを可能にし得る。ちょうど例として、重みは、電話及び/又は小売購入と同様に、消費者相互作用の特定のタイプに適用されてもよい。」(第4欄54~63行)
(r)「 In this way, the effectiveness of advertisements of a first media type may be determined based on consumer actions performed in response to such advertisements utilizing any number of various media types. For example, the effectiveness of television advertisements may be determined based on consumer actions taken in response to such television advertisements. Specifically, such consumer actions may include signing up for emails and/or promotions, purchasing goods and/or services utilizing the Internet, contacting an representative of an advertiser associated with one of the television advertisements via telephone, etc.(当審訳)このようにして、第1のメディアタイプの広告の有効性は、任意の数の様々なメディアタイプを利用する当該広告に応答して実行される消費者行動に基づいて決定され得る。例えば、テレビ広告の有効性は、そのようなテレビ広告に応答して実行される消費者行動に基づいて決定されてもよい。具体的には、そのような消費者行動は、電子メール及び/又はプロモーションへのサインアップ、インターネットを利用した商品及び/又はサービスの購入、テレビ広告の1つに関連する広告主の代表者に電話で連絡すること、等を含んでもよい。」(第4欄64行~第5欄7行)
(s)「 Furthermore, the effectiveness of an advertisement may be determined for entities with an interest in the advertisement (e.g. a creative services provider, a sales and research department, the advertiser, etc.). Thus, the system 400 allows an advertiser 404 to correlate an advertisement shown on specific networks, times, and geographies and the effect such advertisement had on desired actions within other media types (e.g. online, phone, retail). Still yet, estimated returns on investments associated with such actions may also be determined.(当審訳)さらに、広告の効果は、その広告に利害関係を有するエンティティ(例えば、クリエイティブサービスプロバイダー、販売および調査部門、広告主など)に対して決定され得る。したがって、システム400は、広告主404が、特定のネットワーク、時間、及び地理に示された広告と、そのような広告が他のメディアタイプ(例えば、オンライン、電話、小売)内の所望のアクションに与えた効果とを関連させることを可能にする。まだ、そのようなアクションに関連する投資に対する推定リターンも決定され得る。」(第5欄8~17行)
(t)「 Specifically, in one optional embodiment, if a television advertisement is produced and presented on a specific network or channel to motivate viewers to go online to an advertiser's web site and sign up for a promotion, the difference in the number of online and integrated promotion sign-ups after 5 minutes of presenting the advertisement, or any predefined time period, resulting from that advertisement may be measured, quantified, and reported. As an option, the measuring, quantifying and reporting may be performed by the advertiser and/or the advertiser's vendors and may be reported to the system 400 utilizing XML. Of course, any desired method of reporting such data may be utilized.(当審訳)具体的には、1つの任意の実施形態において、もしテレビ広告が、視聴者がオンラインで広告主のウェブサイトに行き、プロモーションにサインアップするように動機付けるために、特定のネットワーク又はチャネルで制作及び提示されるなら、その広告の提示の5分後又は任意の予め定められた時間期間後の、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差が、測定、数値化及び報告されてもよい。オプションとして、測定、定量化及び報告は、広告主及び/又は広告主のベンダーによって実行されてもよく、XMLを利用してシステム400に報告されてもよい。もちろん、そのようなデータを報告する任意の所望の方法が利用されてもよい。」(第5欄18~29行)
(u)「 Based on the report, spikes of consumer activity may then be identified and assigned an index. Of course, the index may be calculated by the advertiser based on performance spikes that occurred a previous time the advertisement, or even a different advertisement associated with the advertiser, was presented on the same media (e.g. channel, time, etc.).(当審訳)報告に基づいて、消費者活動のスパイク(急伸)がこのとき識別され、インデックスが割り当てられ得る。もちろん、インデックスは、同じメディア(例えば、チャネル、時間など)上で提示された、以前の時間の広告で発生したパフォーマンススパイクに基づいて、又は、広告主に関連する別の広告に基づいて計算されてもよい。」(第5欄30~35行)
(v)「 Moreover, the system 400 may include a score calculator. The score calculator may optionally allow sales representatives in the field, researchers, marketers, media planners, etc. associated with an advertisement to integrate and optimize purchase options across multiple media types for consumers in real time. In this way, an average revenue per sales call may be increased.(当審訳)さらに、システム400は、スコア計算機を含んでもよい。スコア計算機は、任意選択で、広告に関連する現場の営業担当者、研究者、マーケティング担当者、メディアプランナーなどが、消費者のために複数のメディアタイプにわたる購入オプションをリアルタイムで統合し、最適化することを可能にしてもよい。このようにして、セールスコール1回あたりの平均収益を増加させることができる。」(第5欄45~51行)
(w)「 In particular, the score may optionally allow for trending data associated with advertisements that have been presented on specific channels with effects of such advertisements on online/offline usage and actions by consumers. Table 1 shows exemplary factors that may be included in calculating the score. Of course, it should be noted that such factors are just by way of example only, and are not to be construed as limiting in any manner.(当審訳)特に、スコアは、消費者によるオンライン/オフラインの使用および行動に対するそのような広告の効果で特定のチャネル上で提示された広告に関連するトレンドデータを任意に可能にし得る。表1は、スコアを計算する際に含まれ得る例示的な因子を示す。もちろん、そのような因子はあくまで例示であり、いかなる方法でも限定的に解釈されるものではないことに留意されたい。」(第5欄52~59行)
(x)「[図:0001386120000002.jpg](当審訳)表11) 実際のスパイク2) インデックススパイク3) ライフタイムバリュー(LTV)の増加分および/または推定値LTVの増分 投資収益率(ROI)」(第5欄)
(y)「 In one embodiment, the score may be the difference between the last incremental LTV and the current score. Of course, the score may be calculated in any desired manner. To this end, the optimizer 402 is a tool that allows an advertiser to define an expected level of success. The expected level of success may therefore represent a 100% index.(当審訳)一実施形態では、スコアは、最後の増分LTVと現在のスコアとの間の差であってもよい。もちろん、スコアは、任意の所望の方法で計算されてもよい。この目的のために、オプティマイザ402は、広告主が成功の期待レベルを定義することを可能にするツールである。したがって、成功の期待レベルは、100%の指数を表すことができる。」(第6欄1~6行)
(z)「 The advertiser may also report on the spikes in consumer actions and assign a weight to each consumer action based on an importance to an associated advertisement campaign and subsequent consumer actions. The advertiser may further calculate an incremental LTV index based on the spikes after the advertisement was presented and then may weight the index. The index may be utilized to compare results across the online and/or offline consumer actions. The score may then be calculated as the difference between the current score and at least one previous score. Furthermore, the score may be multiplied by 100. In one embodiment, a score of 100 may be a perfect score.(当審訳)広告主はまた、消費者行動のスパイクを報告し、関連する広告キャンペーン及びその後の消費者行動に対する重要性に基づいて、各消費者行動に重みを割り当ててもよい。広告主は、広告が提示された後のスパイクに基づいて増分LTV指数をさらに計算してもよく、次にその指数を重み付けしてもよい。指数は、オンライン及び/又はオフラインの消費者行動にわたって結果を比較するために利用されてもよい。次に、スコアは、現在のスコアと少なくとも1つの以前のスコアとの間の差として計算されてもよい。さらに、スコアは、100を乗じてよい。一実施形態では、スコアが100は、満点であってもよい。」(第6欄7~18行)
(aa)「 FIGS. 5A-5D show a dashboard 500 for distributing content, in accordance with another embodiment. As an option, the dashboard 500 may be implemented in the context of the details of FIGS. 1-4. Of course, however, the dashboard 500 may be carried out in any desired environment. Again, the aforementioned definitions may equally apply to the description below.
(当審訳)
図5A~5Dは、別の実施形態による、コンテンツを配信するためのダッシュボード500を示す図である。オプションとして、ダッシュボード500は、図1~4の詳細のコンテキストで実装されてもよい。もちろん、しかし、ダッシュボード500は、任意の所望の環境において実施されてもよい。繰り返しになるが、前述の定義は、以下の説明にも同様に適用され得る。」(第7欄19~25行)
(ab)「 Further, column F displays a time period for which the data populating the dashboard has been collected. The time period may be predefined or customized. As shown under column F, each category of data (i.e. column) may be displayed in various formats. For example, an index of the data may be displayed, where such index represents an average number of current data for a particular category over an average number of previous data for the same particular category.
(当審訳)
さらに、F列には、ダッシュボードに表示されるデータが収集された時間期間が表示される。この時間期間は、事前に定義されていてもよいし、カスタマイズされていてもよい。列Fの下に示されるように、データの各カテゴリー(すなわち列)は、様々なフォーマットで表示されてもよい。例えば、データのインデックスが表示されてもよく、かかるインデックスは、特定のカテゴリーに関する現在のデータの、同じ特定のカテゴリーに関する以前のデータの平均数に対する平均数を表す。」(第7欄52~59行)
(ac)「 Thus, for instance with respect to a category of data involving a number of viewers of a media type different than the media type associated with the presented advertisement, where the viewers viewed the different media type based on the presented advertisement, the index may represent an average number of viewers of the different media type within the predefined time period over a previous number of viewers within the same time period for a previous presentation of the same or different advertisement. As an option, the same time period may include a same amount of time and/or a similar time of day.
(当審訳)
したがって、例えば、提示された広告に関連するメディアタイプとは異なるメディアタイプの視聴者の数を含むデータのカテゴリーに関して、視聴者が提示された広告に基づいて異なるメディアタイプを閲覧した場合、インデックスは、同じまたは異なる広告の以前の提示に対する同じ時間期間内の視聴者の以前の数に対する予め定められた時間期間内の異なるメディアタイプの視聴者の平均数を表すことができる。オプションとして、同じ時間期間は、同じ時間期間及び/又は一日の同様の時間期間を含んでもよい。」(第7欄60行~第8欄3行)
(ad)「 Table 2 illustrates on exemplary algorithm for calculating an index. It should be noted that such algorithm is just by way of example only, and that any desired algorithm may be utilized to calculate an index of advertisements across a particular media type.
(当審訳)
表2は、インデックスを計算するための例示的なアルゴリズムを示している。このようなアルゴリズムは、あくまで例示であり、特定のメディアタイプにわたる広告のインデックスを計算するために、任意の所望のアルゴリズムが利用され得ることに留意されたい。」(第8欄4~8行)
(ae)「
[図:0001386120000003.jpg]
(当審訳)
表1
インデックス=(現在の視聴者数/前回の視聴者数)×100」(第8欄)
(af)「 Thus, in the particular example shown in column G, the index for the number of views of a web site may be (10,524/5,262)*100; this may be calculated as (X2-X1)/X1. Of course, however, any level of success (e.g. 100 as shown in Table 2) may be utilized by an advertiser for calculating the index. As an option, the index may also be calculated based on averages associated with a single advertisement viewed across multiple media types. As yet another option, the index may further be based on averages calculated across different time periods.
(当審訳)
このように、列Gに示す特定の例では、ウェブサイトの閲覧数のインデックスは、(10,524/5,262)*100であってもよく、これは、(X2-X1)/X1として計算することができる。もちろん、しかし、成功の任意のレベル(例えば、表2に示すように100)は、インデックスを計算するために広告主によって利用されるかもしれない。オプションとして、インデックスは、複数のメディアタイプにわたって閲覧された単一の広告に関連する平均値に基づいて計算されることもできる。さらに別のオプションとして、インデックスは、異なる時間期間にわたって計算された平均値に基づいてさらに計算されてもよい。」(第8欄14~23行)
(ag)「 As another option, the advertiser may define the algorithm that calculates the index. For example, a 25% increase in email newsletter registrations might be considered a top measure of success for a particular advertiser. Thus, the advertiser can assign an index of 200 to the 25% increase. In this example, every single percentage point above and below the 25% real incremental level may index above or below the 200 benchmark set by the advertiser. In this way, a specific creative effect on other media consumption and transactions may be tested. Conversely, a 125 index can be defined by the user as an actual spike of 25% versus the empirical norm for that media type (e.g. creative, network, demographic, time slot, etc.).
(当審訳)
また、別のオプションとして、広告主がインデックスを計算するアルゴリズムを定義することもできる。例えば、ある広告主にとって、メールマガジン登録数が25%増加したことは、成功の最高のインデックスとみなされるかもしれない。したがって、広告主は、25%の増加に対して200の指数を割り当てることができる。この例では、25%の実質的な増加レベルの上下のすべてのパーセンテージポイントは、広告主によって設定された200ベンチマークを上回るか、または下回るインデックスがある。このようにして、他のメディア消費及び取引に対する特定のクリエイティブ効果がテストされ得る。逆に、125のインデックスは、そのメディアタイプ(例えば、クリエイティブ、ネットワーク、人口統計、時間スロットなど)の経験的規範に対する25%の実際のスパイクとしてユーザが定義することができる。」(第8欄24~36行)
(ah)「 As shown in column G, the dashboard 500 may display data regarding the number of views of a web site in association with an advertisement. In particular, column G may display the difference between the total number of web site visits and the number of web site visits both before and after the advertisement was presented. As an option, the web site visit data may be based on web site activity information received from the advertiser in an XML format and/or third-party vendors utilized by the advertiser (e.g. MSN, Yahoo, Google, etc.).
(当審訳)
列Gに示すように、ダッシュボード500は、広告に関連するWebサイトの閲覧数に関するデータを表示してもよい。特に、列Gは、広告が提示される前と後の両方における、ウェブサイトの閲覧数の合計とウェブサイトの閲覧数との間の差を表示してもよい。オプションとして、ウェブサイト訪問データは、XML形式で広告主から受信したウェブサイト活動情報及び/又は広告主が利用する第三者ベンダー(MSN、Yahoo、Googleなど)に基づくものであってよい。」(第9欄38~47行)
(イ)上記(ア)から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
広告の効果を測定するための方法300であって((b))、
第1の媒体を利用して提示される広告に関連する第1の情報が特定され、第1の情報は、広告が提示された時間を含み、第1の媒体は、テレビジョン媒体を含み((c)、(d))、
第2の媒体を含むユーザ活動に関連する第2の情報が受信され、ユーザ活動は、広告に関連付けられたウェブサイトを訪問すること、広告に関連付けられた商品及び/又はサービスを購入すること、広告に関連付けられた代表者と通信することを含み、第2の情報は、広告主のサイトへの訪問数を含み、第2の媒体は、ウェブサイト媒体を含み((e)~(g))、
第1の情報及び第2の情報は、ユーザ活動に対する広告の効果を測定するために相関されてもよく、広告が提示された時間に関連する時間期間中に行われたユーザ活動に関連する第2の情報を識別することを含んでもよく、時間期間は、広告が提示された後の予め定められた時間期間(例えば、5分など)を含んでもよく((h))、
計測は、第2の媒体を含むユーザ活動に対する広告の効果を代表するスコアを計算することを含んでもよく、((i))、
当該広告の効果を測定するためのシステム400は、複数の広告主404、複数のメディアプロバイダ406、複数のユーザ、及びメディアオプティマイザ402を含み、((j)、(k))
広告の機会が与えられると、メディアオプティマイザ402は、広告主404に提示するために同じものを集約し、広告主404から広告機会の選択を受信し、適切なメディアプロバイダ406に同じものを転送し、第1の情報(例えば、時間枠)を記憶し、((l)、(m))、
広告は、メディアプロバイダ406によって放送され((n))、
メディアオプティマイザ402は、消費者活動を記述する第2の情報を受信し((o))、
システム400は、広告を見た消費者408を動機付ける上で持っていた特定のテレビ広告の有効性を定量化することを可能にし、広告主404が、推定値または経験的データに対して広告のパフォーマンスをインデックス化することを可能にし((p)、(q))、
このようにして、第1のメディアタイプの広告の有効性は、任意の数の様々なメディアタイプを利用する当該広告に応答して実行される消費者行動に基づいて決定され、テレビ広告の有効性は、そのようなテレビ広告に応答して実行される消費者行動に基づいて決定されてもよく、そのような消費者行動は、インターネットを利用した商品及び/又はサービスの購入を含んでもよく((r))、
テレビ広告が、視聴者がオンラインで広告主のウェブサイトに行き、プロモーションにサインアップするように動機付けるために、特定のネットワーク又はチャネルで制作及び提示されるなら、その広告の提示の5分後又は任意の予め定められた時間期間後の、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差が、測定、数値化及び報告され((t))、
報告に基づいて、消費者活動のスパイク(急伸)がこのとき識別され、インデックスが割り当てられ、((u))、
オプティマイザ402は、広告主が成功の期待レベルを定義することを可能にするツールであり、成功の期待レベルは、100%の指数を表すことができ((y))、
コンテンツを配信するためのダッシュボード500の列Gには、ウェブサイトの閲覧数のインデックスは、インデックス=(現在の視聴者数/前回の視聴者数)×100であり、これは(X2-X1)/X1として計算することができ、成功の任意のレベル(例えば、表2に示すように100)は、インデックスを計算するために広告主によって利用でき、広告が提示される前と後の両方における、ウェブサイトの閲覧数の合計とウェブサイトの閲覧数との間の差を表示してもよい((aa)、(ad)~(af)、(ah))、
方法。
イ 甲第2号証記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
申立人が引用する、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証(特開2010-176342号公報、平成22年8月12日出願公開)には、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、ネットワーク上のウェブサイトにおける需要予測を行うとともに、実績情報に伴う予測補正を行うシステムに関する。【背景技術】【0002】オンライン書店などのネットワーク上で商品の販売を行う電子商店、オンラインバンキング、その他多数のサービスがインターネット上で提供されている。このようなインターネット上で提供されるサービスにおける利用拡大を図るために、サービス提供者により割引キャンペーン、新サービスの発表、テレビCMや新聞広告などに代表されるメディアへの宣伝広告などの「イベント」が企画される。【0003】「イベント」とは、該当するウェブサイトへの突発的なアクセス増につながるものを総称することとし、ウェブサイトのワークロードに通常時とは異なる影響を与える全ての事象を「イベント」として取り扱うものとする。」
「【発明が解決しようとする課題】【0016】前述したように、季節変動、周期変動、傾向変動、イベント前後のレベルシフトからなるベース変動を予測し、イベントの実施による変動予測と合成して、予測と実績の比較までを行う公知例が存在する。特に、特許文献4に記載されたシステムでは、需要のベース変動を、季節・イベント性の変動モデルで補正して予測し、ベース変動の予測と実績が異なる場合に、モデルを修正し、予測をシフトさせる機能を有している。しかしながら、このような従来のシステムは、単純に実績値からイベントによる変化を差し引いたデータから、ベース変動の予測を生成しているため、変動が突発的なイベントによる変化であるのか、ベース変動が大きく変化したものであるのかを特定することができない。したがって、予測と実績の間に大きな乖離が存在する場合に、イベントによる変動が予測と異なるケースであるのか、ベース変動が予測と異なるケースであるのかを特定できない。このため、これ以降の予測を適切に修正することができないという問題がある。【0017】前述したような公知例では、月単位の需要変動を対象としていることから、1時間単位、10分単位というような短時間で変動するウェブサイトへのアクセス数変動に対して、ベース変動自体の変化とイベント実施による想定外の変動とを区別することはできない。【0018】本発明では、イベント実施による一時的な需要変動と、時間要因やイベント実施に基づくレベルシフトなどのベース変動とを区別することができ、適切な予測修正を行うことが可能な解析方法のプログラム、解析装置及び解析方法を提供する。」
「【0078】ステップS84において、平常行動分析部203は、主成分分析により抽出された日内行動パターンと1または複数の時間的要因とを回帰分析を適用して関係付けた利用者行動モデルを生成する。時間的要因は、季節、週間、曜日、祝日、その他の周期的な時間種と呼ばれる時間的変動要因である。このような時間的要因と日内行動パターンとを関係付けた利用者行動モデルを抽出し、これを利用者行動モデル保存部212に格納する。【0079】<平常需要予測>続きを表示(全17行)図9は、平常需要予測部206による平常需要予測処理のフローチャートである。【0080】ステップS91では、平常需要予測部206は、予測対象日の時間種情報を読み込む。ここで、時間種情報は、前述したように、季節、週間、曜日、祝日、その他の周期的な時間的変動要因である。【0081】ステップS92では、平常需要予測部206は、平常行動分析部203において抽出され利用者行動モデル保存部212に保存された利用者行動モデルに基づいて、読み込んだ時間種に対する主成分の重みを算出する。【0082】ステップS93では、平常需要予測部206は、時間種に対して算出した主成分の重みに基づいて、各主成分及び平均的なアクセス変動を加算して、日内のベース変動の予測を生成する。【0083】たとえば、1日のアクセス数をN=144個に分割したアクセス履歴情報に対して、主成分分析を行った結果、3つの特徴的な行動パターンに分解したしたものを、図10に示す。【0084】図10に示される行動パターンでは、時間帯によるアクセス数の分布により3つの行動パターンに特徴付けられている。【0085】これら行動パターンのそれぞれに対して、時間的要因(時間種)による回帰分析を行い、時間的要因の重み付けにより各パターンと時間的要因の関係を算出する。たとえば、第1パターンに対して、春分は+11998、冬は+7860、祝日は-4119、第2パターンに対して、火曜+水曜+木曜は+873、平日は+559、土曜は-4163、大雪+冬至は-1625、第3パターンに対して、平日+土曜は+2413、大夏+立秋は-2473などの重み付けを行う。」
ウ 甲第3号証記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
申立人が引用する、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第3号証(特開2003-87827号公報、平成15年3月20日出願公開)には、次の事項が記載されている。
「【請求項1】情報配信装置が双方向ネットワークを介して顧客の使用する顧客側情報端末装置にリアルタイムに情報を配信するリアルタイム双方向情報システムであって、前記情報配信装置は、前記顧客の居住する地理的位置を含む顧客個人情報を取得する顧客個人情報取得手段と、前記取得した顧客個人情報を格納する顧客個人情報格納手段と、続きを表示(全15行)テレビ番組の予定表と前記テレビ番組に係る情報が掲載されたウェブページのURLを格納する番組タイムテーブル格納手段と、テレビ広告のタイムテーブルと前記テレビ広告に係る情報が掲載されたウェブページのURLを格納するCMタイムテーブル格納手段と、前記顧客毎に前記顧客を一意に特定する顧客用ウェブページを作成する顧客用ウェブページ作成手段と、前記顧客側情報端末装置からアクセスされた前記顧客用ウェブページに対応する顧客の居住する地理的位置及び前記顧客側情報端末装置からアクセスのあった時刻から所定時間過去までの時間に対応する番組及び広告に係るウェブページのURLを、前記番組タイムテーブル格納手段及びCMタイムテーブル格納手段から抽出し、該抽出されたURLを含んだ顧客用ウェブページを作成して、前記顧客側情報端末装置に送信する顧客用ウェブページ送信手段と、前記アクセスした顧客のユーザーID、前記要求のあった時刻、および前記ウェブページの内の顧客が選択したURLを少なくとも含むアクセスログを格納するアクセスログ格納手段とを備え、前記顧客側情報端末装置は、前記顧客用ウェブページのURLを記憶する記憶手段と、前記顧客用ウェブページの送信を希望する要求メッセージを送信するとともに前記顧客用ウェブページを受信するネットワークアクセス手段と、前記要求メッセージの送信指示を入力する指示入力手段と、前記受信した顧客用ウェブページを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするリアルタイム双方向情報システム。」
「【0009】本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、視聴者であるユーザーにとっては、テレビ番組やCMを見て、もっと情報を知りたいと思ったときに、インターネット上の目的とする情報を速やかに且つ簡易な操作で入手できるとともに、テレビ局やスポンサー企業にとっては、提供する番組あるいはCMについてどの様な人が興味を持ち、どの時間帯に多く視聴しているかを知ることができるリアルタイム双方向情報システム、情報配信装置、及び情報配信方法を提供するものである。【0010】【課題を解決するための手段】本発明のリアルタイム双方向情報システムは、情報配信装置が双方向ネットワークを介して顧客の使用する顧客側情報端末装置にリアルタイムに情報を配信するリアルタイム双方向情報システムであって、前記情報配信装置は、前記顧客の居住する地理的位置を含む顧客個人情報を取得する顧客個人情報取得手段と、前記取得した顧客個人情報を格納する顧客個人情報格納手段と、テレビ番組の予定表と前記テレビ番組に係る情報が掲載されたウェブページのURLを格納する番組タイムテーブル格納手段と、テレビ広告のタイムテーブルと前記テレビ広告に係る情報が掲載されたウェブページのURLを格納するCMタイムテーブル格納手段と、前記顧客毎に前記顧客を一意に特定する顧客用ウェブページを作成する顧客用ウェブページ作成手段と、前記顧客側情報端末装置からアクセスされた前記顧客用ウェブページに対応する顧客の居住する地理的位置及び前記顧客側情報端末装置からアクセスのあった時刻から所定時間過去までの時間に対応する番組及び広告に係るウェブページのURLを、前記番組タイムテーブル格納手段及びCMタイムテーブル格納手段から抽出し、該抽出されたURLを含んだ顧客用ウェブページを作成して、前記顧客側情報端末装置に送信する顧客用ウェブページ送信手段と、前記アクセスした顧客のユーザーID、前記要求のあった時刻、および前記ウェブページの内の顧客が選択したURLを少なくとも含むアクセスログを格納するアクセスログ格納手段とを備え、前記顧客側情報端末装置は、前記顧客用ウェブページのURLを記憶する記憶手段と、前記顧客用ウェブページの送信を希望する要求メッセージを送信するとともに前記顧客用ウェブページを受信するネットワークアクセス手段と、前記要求メッセージの送信指示を入力する指示入力手段と、前記受信した顧客用ウェブページを表示する表示手段とを備えたことを特徴とした構成を有している。」
「【0024】また、サーバー110は、放送局330及び広告代理店320とインターネットを介して接続され、放送局330及び広告代理店320からテレビ放送のタイムテーブルを取得して、ディスクドライブ120に記憶するようになっている。ここで、テレビ放送のタイムテーブルとは、何月何日の何時にどのテレビ番組が放送されるかを表す詳細な予定のことであり、放送局毎及び地域毎のタイムテーブルを取得するようになっている。」
「【0065】放送中のCM又は過去数分以内に放送されたCMに係る商品について詳細な情報を得ようとするユーザー230の携帯電話装置210は、上述したステップS7でブックマークに登録したリンク先である登録ユーザー毎に情報配信装置100が作成したウェブページにアクセスする(ステップS11)。【0066】携帯電話装置210からアクセスされた情報配信装置100は、携帯電話装置210のユーザーID及びアクセスがあった時刻を取得する(ステップS12)。ここで、登録ユーザー毎に作成されたウェブページの中でどのウェブページに携帯電話210がアクセスしてきたかによって、ユーザーIDは特定される。【0067】情報配信装置100は、ユーザーテーブル102から、ユーザーIDに対応する居住地域を抽出し、抽出された居住地域に対応する局IDを局所在地テーブルを参照してCMタイムテーブルから抽出する。また、ステップS12で取得したアクセス時刻に対応するCMをCMタイムテーブル106の開始時刻と時間を参照して抽出する。ここで、アクセス時刻に対応するCMは、アクセス時刻から5分前までに放送されたCMとする。このようにしてユーザーの居住地域とアクセス時刻の双方に合致するCMをCMタイムテーブルから抽出して、そのCMのCMURLを取得する(ステップS13)。また、番組の番組URLも同様に取得する。ここで、番組URLは番組のURLを表し、CMURLはCMのURLを表す。【0068】情報配信装置100は、ステップS13で取得した番組URL及びCMURLのリストを生成する(ステップ14)。このリストは、最新の番組又はCMの表示を過去の番組又はCMのものよりも大きな文字で表示したり、最新の番組又はCMの表示の色を過去の番組又はCMのものと異なるものにするなどして、最新の番組又はCMの表示が強調されるようになっており、ユーザー230は、アクセスした時刻の番組又はCMがどれであるかを即座に判別できるようになっている。また、リストは携帯電話210が受信及び表示可能な形式、例えばi-mode(登録商標)用のhtml形式であるchtml形式のウェブページとして生成される。【0069】また、リストにはURLの文字列そのものを表示するのではなく、番組タイムテーブル122の番組名の項目に格納された名称、又はCMタイムテーブル123のCM名の項目に格納された名称を表示することで、ユーザー230が目的のウェブページを即座に判別できるようになっている。なお、顧客側情報端末装置がi-mode(登録商標)対応の携帯電話以外のものであるときは、顧客側情報端末装置が受信及び表示可能な形式でウェブページを作成してもよい。【0070】情報配信装置100は、生成したリストを携帯電話装置210に送信し、これを受信した携帯電話装置210は表示部213にリストを表示する(ステップS15)。【0071】携帯電話装置210の表示部213に表示されたリストの中から所望の番組URL又はCMURLをユーザー230がクリック等の操作により選択すると(ステップS16)、携帯電話装置210は選択した番組又はCM情報サイトのウェブページを取得する。(ステップS19)。」
(2)本件発明1について
ア 甲1発明との対比
(ア)甲1発明の「オプティマイザ402」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「コンピュータ」に相当する。また、甲1発明では、「第1の媒体」に「テレビジョン媒体」が含まれることから、「第1の媒体を利用して提示される広告」は、本件発明1の「TVCM」に相当する。そうすると、甲1発明の「広告の効果を測定するための方法300」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「コンピュータが、TVCMの効果を評価するための方法」に相当する。
(イ)甲1発明の「第1の情報」は、広告が提示された時間を含むことから、本件発明1の「TVCMの放映時刻」に相当する。甲1発明の、オプティマイザ402が、「広告の機会が与えられると」、「広告主404から広告機会の選択を受信し」、「第1の情報(例えば、時間枠)を記憶」することは、本件発明1の「評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信する」ことに相当する。
(ウ)甲1発明は、「成功の任意のレベル(例えば、表2に示すように100)は、インデックスを計算するために広告主によって利用できる」の「成功の」「レベル」は、広告の評価を行うために設定されるものであるから、本件発明1の「前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差」とは、「前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの比較基準」である点で共通する。そして、甲1発明の、「オプティマイザ402」が、「広告主が成功の」「レベルを定義することを可能にする」ことと、本件発明1の「標準偏差を取得する」こととは「前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの比較基準を取得する」との点で共通する。
(エ)甲1発明の「第2の媒体」は、ウェブサイト媒体を含み、このウェブサイトは広告に関連付けられていることから、本件発明1の「前記TVCMに関連づけられたウェブサイト」に相当する。また、甲1発明の「広告が提示された後の予め定められた時間期間」は、本件発明1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間」に相当する。そして、甲1発明の、「第2の情報」は、「広告主のサイトへの訪問数」を含み、「第1の情報及び第2の情報は、ユーザ活動に対する広告の効果を測定するために相関されてもよく、広告が提示された時間に関連する時間期間中に行われたユーザ活動に関連する第2の情報を識別することを含んでもよく、時間期間は、広告が提示された後の予め定められた時間期間(例えば、5分など)を含んでもよ」いことから、本件発明1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数」に相当する。さらに、甲1発明は、「その広告の提示の5分後又は任意の予め定められた時間期間後の、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差が、測定、数値化及び報告」されることから、「差」は、広告の提示前のオンラインや統合プロモーションサインアップの数と「その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数」に基づき得られることは明らかである。そうすると、広告の提示前のオンラインや統合プロモーションサインアップの数は、本件発明1の「放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数」に相当し、甲1発明の「その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差」であって、「ウェブサイトの閲覧数のインデックスは、インデックス=(現在の視聴者数/前回の視聴者数)×100であり、これは(X2-X1)/X1として計算する」の「(X2-X1)」は、本件発明1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」に相当する。
(オ)甲1発明は、「広告の提示の5分後又は任意の予め定められた時間期間後の、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差が、測定、数値化及び報告され」、「報告に基づいて、消費者活動のスパイク(急伸)がこのとき識別され、インデックスが割り当てられ」、「インデックス=(現在の視聴者数/前回の視聴者数)×100であり、これは(X2-X1)/X1として計算することができ」、「成功の任意のレベル(例えば、表2に示すように100)は、インデックスを計算するために広告主によって利用できる」ことから、インデックスは、「その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差」である「X2-X1」を含み、このインデックスと広告主が定義した成功のレベルと比較をして評価するものである。
そうすると、甲1発明の当該比較をして評価することと、本件発明1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較して前記TVCMの効果を評価する」とは、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δに基づく値を比較基準と比較して前記TVCMの効果を評価する」との点で共通する。
(カ)甲1発明の「広告が提示された時間に関連する時間期間中に行われたユーザ活動に関連する第2の情報」が、「時間期間(例えば、5分など)」で表されることは、本件発明1の「前記第1」「の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表される」ことに相当する。
(カ)そうすると、本件発明1と甲1発明の、一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
コンピュータが、TVCMの効果を評価するための方法であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの比較基準を取得するステップと、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δに基づく値を比較基準と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含む方法
<相違点>
(相違点1-1)
本件発明1は、「比較基準」が、「前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差」であって、「取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」るのに対し、甲1発明は、「比較基準」が、広告の評価を行うための、広告主が定義可能な「成功の」「レベル」であって、「放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について」ものであるか不明であり、広告主が定義可能な「成功の」「レベル」が、「取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」るものではない点。
(相違点1-2)
本件発明1は、TVCMの効果を具体的に評価する際に、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得された1の標準偏差の値又は取得された複数の標準偏差を用いて定まる値と比較」するのに対し、甲1発明は、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差(X2-X1)を含むインデックスを、広告主が定義した「成功の」「レベル」と比較する点。
(相違点1-3)
本件発明1は、「第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表される」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。
イ 相違点の判断
相違点1-1について検討をする。
甲第2号証には、該当するウェブサイトへの突発的なアクセス増につながるテレビCM等のイベントを実施する際の需要予測を行うものであって、季節、週間、曜日、祝日、その他の周期的な時間的変動要因を考慮するとの技術的事項が記載されている。
甲第3号証には、ユーザー登録しているユーザーが、ユーザーごとのウェブサイトにアクセスし、ユーザーの居住地域に対応するテレビ局の局所在テーブルを参照して抽出されたCMタイムテーブルに基づき、上記アクセス時刻から5分前までに放送されたCMのURLを、ウェブサイトに表示するとの技術的事項が記載されている。
このように、甲第2号証、甲第3号証には、取得される「前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの1又は複数の標準偏差」であり、「取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」ることは、記載も示唆もされていない。
このため、甲1発明に、甲第2号証に記載された技術的事項、及び、甲第3号証に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点1-1の構成にはならず、さらに、甲第2号証は、需要予測に関するもの、甲第3号証は、ユーザーにCMのURLを提示するものであるから、これらを甲1発明に適用しようとする動機もない。
そして、本件発明1は、上記相違点の構成を採用することで、「価対象のTVCMに関連づけられたウェブサイトに対する所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で記録されたアクセス数を用いて当該TVCMの効果を評価することによって、各TVCMの放映の効果を高い精度で評価することが可能となる。」(本件特許明細書【0015】参照。)という、格別な効果を奏するものである。
ウ 申立人の認定について
申立人は、特許異議申立書48ページで、本件発明1と甲1発明との相違点として、相違点1及び2を認定している。
申立人の認定する相違点1であれば、当審で認定した相違点1-1の「取得された前記1又は複数の標準偏差は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」る点も当然に相違点として認定する必要があり、相違点を看過するものである。
また、申立人は、特許異議申立書49ページの相違点2の判断で、「甲1発明では閲覧者数の増加数を、過去の閲覧者数の閲覧者数の平均増加数と比較して表示し、また、それらに基づいて指標値を算出して表示する。」との比較は、本件発明1の「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」自体に対応するものであって、当該差Δと標準偏差の比較に対応するものではない。
このため、申立人の甲第1号証に記載された発明の認定に誤りがあり、また、相違点を看過するものであるから、申立人の認定を採用することはできない。
エ 小括
以上のとおりであるから、相違点1-2及び1-3について検討をするまでもなく、本件発明1は、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて、当業者業が容易に発明をすることができたとすることはできない。
(3)本件発明3について
本件発明3は、本件発明1を引用する発明であるから、本件発明1と同じ相違点1-1の構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとすることはできない。
(4)本件発明4及び5について
プログラムの発明である本件発明4、及び、装置の発明である本件発明5は、方法の発明である本件発明1とカテゴリー表現が異なるのみであり、そして、本件発明4及び5は、本件発明1で検討をした相違点1-1の構成を有するものであるから、本件発明4及び5は、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとすることはできない。
(5)本件発明6について
ア 本件発明6は、本件発明1の「ウェブサイトの1又は複数の標準偏差」が、「ウェブサイトのしきい値」である点で異なり、これにより、本件発明1の「標準偏差」が、「差Δiの分布」について、「前記コンピュータが取得可能に記憶され」るのに対し、本件発明6では、「しきい値」が、「差Δiの値」について、「前記コンピュータが取得可能に記憶され」る点で、本件発明1と本件発明6は異なる。
このため、本件発明6と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
コンピュータが、TVCMの効果を評価するための方法であって、
評価の対象である前記TVCMの放映時刻を受信するステップと、
前記TVCMに関連づけられたウェブサイトの比較基準を取得するステップと、
前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δに基づく値を比較基準と比較して前記TVCMの効果を評価するステップと
を含む方法
<相違点>
(相違点6-1)
本件発明1は、「比較基準」が、「前記放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトのしきい値」であって、「取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの値について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」るのに対し、甲1発明は、「比較基準」が、広告の評価を行うための、広告主が定義可能な「成功の」「レベル」であって、「放映時刻から定まる放映の曜日又はその属性及び時間帯又はその属性の少なくとも一方に対応する1又は複数の区分について」ものであるか不明であり、広告主が定義可能な「成功の」「レベル」が、「取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの分布について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」る構成を有していない点。
(相違点6-2)
本件発明1は、TVCMの効果を具体的に評価する際に、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δを取得されたしきい値又は取得されたしきい値を用いて定まる値と比較」するのに対し、甲1発明は、その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差(X2-X1)を含むインデックスを、広告主が定義した「成功の」「レベル」と比較する点。
(相違点6-3)
本件発明1は、「第2の期間は所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で表される」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。
イ 相違点の判断
相違点6-1は、実質的に上記相違点1-1と同じ相違点であり、上記(2)イのとおりであるから、甲1発明に、甲第2号証に記載された技術的事項、及び、甲第3号証に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点6-1の構成にはならず、さらに、甲第2号証は、需要予測に関するもの、甲第3号証は、ユーザーにCMのURLを提示するものであるから、これらを甲1発明に適用しようとする動機もない。
そして、本件発明6は、上記相違点の構成を採用することで、「価対象のTVCMに関連づけられたウェブサイトに対する所定の分数の単位又は所定の秒数の単位で記録されたアクセス数を用いて当該TVCMの効果を評価することによって、各TVCMの放映の効果を高い精度で評価することが可能となる。」(本件特許明細書【0015】参照。)という、格別な効果を奏するものである。
ウ 申立人の認定について
申立人は、令和4年2月10日提出の意見書10~11ページで、本件発明6と甲1発明との相違点として、相違点1を認定している。
申立人の認定する相違点1であれば、当審で認定した相違点6-1の「取得された前記しきい値は、過去のN個の時点ti(Nは1以上の整数であり、iは1以上N以下の整数である。)の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記N個の時点tiの以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数とのそれぞれの差Δiの値について、前記N個の時点tiを区分した区分ごとに算出された値であって、前記コンピュータが取得可能に記憶され」る点も当然に相違点として認定する必要があり、相違点を看過するものである。
さらに、本件発明6は、「前記放映時刻の以後又は後の第1の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数と前記放映時刻の以前又は前の第2の期間における前記ウェブサイトに対するアクセス数との差Δ」と「しきい値又前記しきい値を用いて定まる値」とを比較するのに対し、甲6発明は、「その広告から生じるオンラインや統合プロモーションサインアップの数の差」である「X2-X1」を含むインデックスと広告主が定義した成功のレベルと比較をして評価するものであるから、上記相違点6-2も看過している。
このため、申立人の甲第1号証に記載された発明の認定に誤りがあり、また、相違点を看過するものであるから、申立人の認定を採用することはできない。
エ 小括
以上のとおりであるから、相違点6-2及び6-3について検討をするまでもなく、本件発明6は、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて、当業者業が容易に発明をすることができたとすることはできない。
(6)本件発明7及び8について
プログラムの発明である本件発明7、及び、装置の発明である本件発明8は、方法の発明である本件発明6とカテゴリー表現が異なるのみであり、そして、本件発明7及び8は、本件発明6で検討をした相違点6-1の構成を有するものであるから、本件発明7及び8は、本件発明6と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとすることはできない。
5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、3~8に係る特許を取り消すことはできない。
また、請求項2に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-700502