特許訂正審判
2021-390152
給紙装置、およびこれを備えた画像形成装置、画像読取装置
- 審判番号
- 2021-390152
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-033309
- 登録番号
- 5836295
- 請求日
- 2021年09月14日
- 審決日
- 2021年11月10日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京セラドキュメントソリューションズ 株式会社
- 【請求人代理人】小谷 昌崇
- 【請求人代理人】小谷 悦司
- 【請求人代理人】平田 晴洋
- 審判長/審判官
- 審判長 吉村 尚
- 審判官 藤本 義仁
- 審判官 佐々木 創太郎
- 分類
- P141 .841-Y (B65H) / P141 .851-Y (B65H) / P141 .853-Y (B65H) / P141 .854-Y (B65H) / P141 .856-Y (B65H) / P141 .857-Y (B65H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条1項4号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第5836295号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第5836295号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3、4、6-9〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件審判請求に係る特許第5836295号(以下、「本件特許」という、)は、平成25年2月22日に特願2013-33309号として特許出願されたものであって、平成27年11月13日にその特許権の設定登録がされ、同年12月24日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、令和3年9月14日に本件審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び訂正事項について
1 請求の趣旨
本件審判請求は、その請求の趣旨を「特許第5836295号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3、4、6~9について訂正することを認める、との審決を求める。」とするものであるところ、当該請求の趣旨によれば、本件審判請求は、請求項ごとに訂正を請求するものである。
そして、本件審判請求に係る請求項3は、請求項4、6~9が請求項3を直接的又は間接的に引用するものであるから一群の請求項を構成するものであって、本件審判請求は、一群の請求項ごとに訂正を求めるものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。
2 訂正事項
(1)請求項3に係る訂正(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項3に
「前記昇降板の前記端縁部において、前記ガイド壁に向かって突設され、前記シート幅方向に沿って複数配置された突片を備え、
前記ガイド壁は、前記突片が進入するように配置される複数の切欠き部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の給紙装置。」
と記載されているのを、
「シートが載置される載置面を備えたシートトレイと、
前記シートトレイから延設され、シートが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路と、
前記シートトレイの前記搬送方向下流側において、前記シートトレイの前記搬送方向と交差するシート幅方向の中央部に対向して配置され、回転駆動され、前記シートを前記シート搬送路に送り出す給紙ローラーと、
前記シートトレイの前記搬送方向下流側に配置され、上面において前記シートを支持し、上下移動可能とされ、前記シートを前記給紙ローラーに当接させる昇降板と、
前記昇降板に対して前記搬送方向下流側に所定の隙間をおいて配置され、前記給紙ローラーによって搬送された前記シートを、前記シート幅方向と交差する断面視において前記載置面と交差する案内方向に案内するガイド壁と、
を有し、
前記昇降板の前記ガイド壁と対向する端縁部において、前記給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する前記昇降板の前記シート幅方向の両端部が、前記昇降板の前記シート幅方向の中央部よりも前記ガイド壁の案内方向に突出しており、
前記昇降板の前記端縁部において、前記ガイド壁に向かって突設され、前記シート幅方向に沿って複数配置された突片を備え、
前記ガイド壁は、前記突片が進入するように配置される複数の切欠き部を備えることを特徴とする給紙装置。」
に訂正する。(下線は訂正箇所を表す。)
請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4、6~9も同様に訂正する。
(2)明細書に係る訂正(訂正事項2)
明細書の段落【0012】に
「上記の構成において、前記昇降板の前記端縁部において、前記ガイド壁に向かって突設され、前記シート幅方向に沿って複数配置された突片を備え、前記ガイド壁は、前記突片が進入するように配置される複数の切欠き部を備えることが望ましい。」
と記載されているのを、
「本発明の他の局面に係る給紙装置は、シートが載置される載置面を備えたシートトレイと、前記シートトレイから延設され、シートが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路と、前記シートトレイの前記搬送方向下流側において、前記シートトレイの前記搬送方向と交差するシート幅方向の中央部に対向して配置され、回転駆動され、前記シートを前記シート搬送路に送り出す給紙ローラーと、前記シートトレイの前記搬送方向下流側に配置され、上面において前記シートを支持し、上下移動可能とされ、前記シートを前記給紙ローラーに当接させる昇降板と、前記昇降板に対して前記搬送方向下流側に所定の隙間をおいて配置され、前記給紙ローラーによって搬送された前記シートを、前記シート幅方向と交差する断面視において前記載置面と交差する案内方向に案内するガイド壁と、を有し、前記昇降板の前記ガイド壁と対向する端縁部において、前記給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する前記昇降板の前記シート幅方向の両端部が、前記昇降板の前記シート幅方向の中央部よりも前記ガイド壁の案内方向に突出しており、前記昇降板の前記端縁部において、前記ガイド壁に向かって突設され、前記シート幅方向に沿って複数配置された突片を備え、前記ガイド壁は、前記突片が進入するように配置される複数の切欠き部を備えることを特徴とする。」
に訂正する。(下線は訂正箇所を表す。)
第3 当審の判断
1 請求項3に係る訂正(訂正事項1)について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1または2の記載を引用するもののうち、請求項2を引用しないものとした上で、請求項1の記載を引用するものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
また、訂正事項1は、前記のとおり、独立形式の請求項に改めるた上で、請求項1の「前記昇降板の前記ガイド壁と対向する端縁部において、前記昇降板の前記シート幅方向の端部が、前記昇降板の前記シート幅方向の中央部よりも前記ガイド壁の案内方向に突出して」との記載を「前記昇降板の前記ガイド壁と対向する端縁部において、前記給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する前記昇降板の前記シート幅方向の両端部が、前記昇降板の前記シート幅方向の中央部よりも前記ガイド壁の案内方向に突出しており、」と訂正することは、「昇降板のシート幅方向の『端部』」を具体的に「両端部」と限定し、「昇降板」の「両端部」が「給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する」ものであることを具体的に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
同様に、請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する訂正後の請求項4、6~9では、訂正後の請求項3の記載を引用することにより、訂正後の請求項4、6~9に係る発明において、昇降板のシート幅方向の「端部」を具体的に「両端部」と限定し、「昇降板」の「両端部」が「給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する」ものであることを具体的に限定するものであるから、訂正後の請求項4,6~9に係る発明における訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記(1)のとおり、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、訂正前の請求項3、4、6~9に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること(下線は当審決で付した。)
訂正事項1のうち、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1または2の記載を引用するもののうち、請求項1の記載を引用するものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正は、願書に添付した明細書等に記載された範囲内でするものであることは明らかである。
また、訂正事項1のうち、昇降板のシート幅方向の「両端部」に関して、願書に添付した明細書の段落【0042】には、「外側案内片712は、内側案内片711のシート幅方向の外側において、換言すれば、昇降板71の両端部において、シート搬送方向に向かって突設される一対の突片である」ことが記載されている。
また、訂正事項1のうち、「昇降板」の「両端部」が「給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する」ものであることに関して、願書に添付した明細書の段落【0060】には、「昇降板71の案内部100と対向する端縁部において、昇降板71のシート幅方向の端部が、昇降板71のシート幅方向の中央部よりも案内部100の案内方向に突出することで形成される。」と記載されて、同段落【0063】には、「給紙ローラーによってシートが搬送された場合、シートのシート幅方向の中央部は、前記給紙ローラーによって確実に案内部100Zに向かって搬送される。一方、シートのシート幅方向の両端部は給紙ローラーに当接していないため、シートが拘束されず、シートの両端部が下方に垂れ下がりやすい。」と記載され、同段落【0064】には、「本実施形態に係る手差し給紙部46では、図11に示すように、シートの拘束力が低下しやすいシート幅方向の端部には、端部ガイド71Aが配置される。したがって、シートの端部は、端部ガイド71Aによって案内部100に近づくように案内される。換言すれば、シートの端部が隙間Gから遠ざかるように上方に案内される。」と記載されている。
してみると、願書に添付した明細書には、「昇降板」の「両端部」が「給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する」ものであることが記載されている。
以上のとおりであるから、請求項3に係る訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でしたものであって、特許法第126条第5項に規定する要件に適合する。
同様に、請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する訂正後の請求項4、6~9では、訂正後の請求項3の記載を引用することにより、訂正後の請求項4、6~9に係る発明において、昇降板のシート幅方向の「端部」を具体的に「両端部」と限定し、「昇降板」の「両端部」が「給紙ローラで搬送されるシートの前記シート幅方向の両端部に対応する」ものであることを具体的に限定するものであるから、訂正後の請求項4,6~9に係る発明における訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でしたものであって、特許法第126条第5項に規定する要件に適合する。
(4)訂正後の請求項に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであること。
ア 本件訂正後の請求項3、4、6~9に係る発明は、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項3、4及び6~9に記載されたとおりのものである。
イ 本件訂正後の請求項3、4、6~9に係る発明は、「昇降板の前記端縁部において、前記ガイド壁に向かって突設され、前記シート幅方向に沿って複数配置された突片を備え、前記ガイド壁は、前記突片が進入するように配置される複数の切欠き部を備えること」ことが特定されているところ、当該特定事項については、本件特許に係る特許出願の審査において、引用された各先行技術には記載されておらず、その他、当該特定事項を含む本件訂正後の請求項3、4、6~9に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
ウ 以上のとおりであるから、本件訂正事項1ないし3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 明細書に係る訂正(訂正事項2)について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って、訂正後の特許請求の範囲の請求項3の記載と明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】の記載との整合を図るものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、上記(1)のとおり、訂正事項1に係る訂正に伴って、訂正後の特許請求の範囲の請求項3の記載と明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】の記載との整合を図るものであるから、訂正前の請求項3、4、6~9に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1に係る訂正に伴って、訂正後の特許請求の範囲の請求項3の記載と明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】の記載との整合を図るものであるから、願書に添付した明細書等に記載された範囲内でするものであることは明らかである。
よって、明細書に係る訂正事項2による訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でしたものであって、特許法第126条第5項に規定する要件に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号、第3号及び第4号に掲げる目的とするものに該当するものであり、かつ同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合する。
よって、上記結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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