特許訂正審判
2017-390026
綾巻きパッケージを製造する繊維機械の各作業部の吸込みノズル用のコームストリップ
- 審判番号
- 2017-390026
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-216594
- 登録番号
- 特許第6012374号(P6012374)
- 請求日
- 2017年03月31日
- 審決日
- 2017年05月15日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ザウラー ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】久野 琢也
- 審判長/審判官
- 審判長 黒瀬 雅一
- 審判官 森次 顕
- 審判官 畑井 順一
- 分類
- P141 .851-Y (B65H) / P141 .853-Y (B65H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6012374号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6012374号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許6012374号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成24年9月28日に特許出願され、平成28年9月30日に特許権の設定登録がされたものであって、平成29年3月31日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1ないし6のとおりである(下線部は訂正箇所を表す。)。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「綾巻きパッケージを製造する繊維機械の各作業部の吸込みノズル用のコームストリップであって、
吸込みノズルは、糸切れ又はコントロールされた糸切断のあとで綾巻きパッケージの表面に巻き付く糸端部を空気力式に受け取る吸込み開口を備え、吸込み開口の領域に配置されたコームストリップが、折曲げ部、並びに吸い込まれた糸端部を拘束するための歯列を備えるものにおいて、
コームストリップ(19)は、折曲げ部(31)の領域に、綾巻きパッケージ(5)の表面からの糸端部の解放を促進する表面を有している、少なくとも1つの構造化された面(32)を備える」
とあるのを、
「綾巻きパッケージを製造する繊維機械の各作業部の吸込みノズル用のコームストリップであって、
吸込みノズルは、糸切れ又はコントロールされた糸切断のあとで綾巻きパッケージの表面に巻き付く糸端部を空気力式に受け取る吸込み開口を備え、吸込み開口の領域に配置されたコームストリップが、折曲げ部、並びに吸い込まれた糸端部を拘束するための歯列を備えるものにおいて、
コームストリップ(19)は、折曲げ部(31)の領域に、綾巻きパッケージ(5)の表面からの糸端部の解放を促進する表面を有している、少なくとも1つの構造化された面(32)を備え、
折曲げ部(31)の領域に、2つの構造化された面(32A,32B)が設けられ、該2つの構造化された面(32A,32B)の間に平滑なコームストリップ領域(34)が形成されるように、該2つの構造化された面(32A,32B)が相互に間隔を置いて配置される」
に訂正する。
また、請求項1を引用する請求項3ないし5も同様に訂正する。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
3.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「請求項1又は2記載」
とあるのを、
「請求項1記載」
に訂正する。
4.訂正事項4
本件特許明細書の段落【0016】に
「この課題を解決するために、本発明によれば、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の各作業部の吸込みノズル用のコームストリップであって、吸込みノズルは、糸切れ又はコントロールされた糸切断のあとで綾巻きパッケージの表面に巻き付く糸端部を空気力式に受け取る吸込み開口を備え、吸込み開口の領域に配置されたコームストリップが、折曲げ部、並びに吸い込まれた糸端部を拘束するための歯列を備えるものにおいて、コームストリップは、折曲げ部の領域に、光化学エッチング法で製作された少なくとも1つの構造化された面、即ち凹凸を有する面を備える。」
とあるのを、
「この課題を解決するために、本発明によれば、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の各作業部の吸込みノズル用のコームストリップであって、吸込みノズルは、糸切れ又はコントロールされた糸切断のあとで綾巻きパッケージの表面に巻き付く糸端部を空気力式に受け取る吸込み開口を備え、吸込み開口の領域に配置されたコームストリップが、折曲げ部、並びに吸い込まれた糸端部を拘束するための歯列を備えるものにおいて、コームストリップは、折曲げ部の領域に、綾巻きパッケージの表面からの糸端部の解放を促進する表面を有している、光化学エッチング法で製作された少なくとも1つの構造化された面、即ち凹凸を有する面を備え、折曲げ部の領域に、2つの構造化された面が設けられ、該2つの構造化された面の間に平滑なコームストリップ領域が形成されるように、該2つの構造化された面が相互に間隔を置いて配置される。」
に訂正する。
5.訂正事項5
本件特許明細書の段落【0017】を削除する。
6.訂正事項6
本件特許明細書の段落【0021】に
「請求項2に記載されたように、好適な態様では、」
とあるのを、
「本発明では、」
に訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正の目的の適否について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に記載された発明特定事項である「コームストリップ(19)」の「折曲げ部(31)」について、「折曲げ部(31)の領域に、2つの構造化された面(32A,32B)が設けられ、該2つの構造化された面(32A,32B)の間に平滑なコームストリップ領域(34)が形成されるように、該2つの構造化された面(32A,32B)が相互に間隔を置いて配置される」ことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、請求項1を引用する請求項3ないし5についての訂正事項1に係る訂正も、同様に特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(3)訂正事項3
訂正事項3は、本件訂正前の請求項3が請求項1又は2を引用していたところ、上記訂正事項2に係る請求項2を削除する訂正に伴って、本件訂正後の請求項3が請求項2を引用しないことを明確にするものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(4)訂正事項4
訂正事項4は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の【0016】の記載を本件訂正後の請求項1の内容に合わせて訂正するものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(5)訂正事項5
訂正事項5は、上記訂正事項2に係る請求項2を削除する訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0016】を削除するものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(6)訂正事項6
訂正事項6は、上記訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0021】に記載した「請求項2に記載されたように、好適な態様では、」を「本発明では、」に訂正するものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2.新規事項の存否及び実質的拡張・変更の有無について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、願書に添付した特許請求の範囲における「【請求項2】 折曲げ部(31)の領域に、2つの構造化された面(32A,32B)が設けられ、該2つの構造化された面(32A,32B)の間に平滑なコームストリップ領域(34)が形成されるように、該2つの構造化された面(32A,32B)が相互に間隔を置いて配置される、請求項1記載のコームストリップ。」との記載に基づくものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内でしたものである。
また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を削除するものであるから、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3
訂正事項3は、本件訂正前の請求項2の削除に伴い、引用する請求項を減少するものであるから、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項3は、本件訂正前の請求項2の削除に伴い、引用する請求項を減少するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項4
訂正事項4は、願書に添付した明細書における「好適には、折曲げ部の領域に、2つの構造化された面が設けられ、2つの構造化された面の間に平滑なコームストリップ領域が形成されるように、2つの構造化された面が相互に間隔を置いて配置される。」(段落【0017】)及び「本発明による、吸込みノズルのコームストリップの製造及び構成の利点によれば、特に簡単で安価に、コームストリップの折曲げ部の領域に少なくとも1つの構造化された面を備えたコームストリップを形成することができ、その際、構造化された面は、綾巻きパッケージの表面からの糸端部の解放を促進する表面を有している。」(段落【0020】)との記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(5)訂正事項5
訂正事項5は、明細書の段落【0016】を削除するものであるから、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
(6)訂正事項6
訂正事項6は、上記訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲と明細書の記載の整合を図るものであるから、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
3.独立特許要件について
上記1.(1)及び(2)のとおり、訂正事項1及び2に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び3ないし5に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否かについて検討する。
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び3ないし5に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。
したがって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。
また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項3ないし6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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