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特許異議申立

2023-700692

シート処理装置及びこれを備える画像形成システム

審判番号
2023-700692
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-230533
登録番号
7202164
請求日
2023年07月05日
審決日
2024年06月12日
公報発行日
2024年09月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】キヤノンファインテックニスカ株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人近島国際特許事務所
  • 【異議申立人】宮崎 和幸
審判長/審判官
  • 審判長 殿川 雅也
  • 審判官 藤本 義仁
  • 審判官 嵯峨根 多美
分類
P1651.113-YAA(B65H) / P1651.121-YAA(B65H) / P1651.537-YAA(B65H) / P1651.55 -YAA(B65H) / P1651.851-YAA(B65H) / P1651.853-YAA(B65H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第3項、特許法第126条第4項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第131条の2、特許法第131条の2第1項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7202164号発明「シート処理装置及びこれを備える画像形成システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7202164号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-10〕について訂正することを認める。 特許第7202164号の請求項1、4、6ないし10に係る特許を維持する。 特許第7202164号の請求項2、3、5に係る特許についての特許異議申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7202164号の請求項1乃至10に係る特許についての出願は、平成30年12月10日に出願され、令和4年12月27日にその特許権の設定登録がされ、令和5年1月11日に特許掲載公報が発行された。 その後、令和5年7月5日付けで特許異議申立人 宮崎 和幸(以下「特許異議申立人」という。)より請求項1乃至10に対して特許異議の申立てがされ、同年10月18日付けで取消理由が通知され、同年12月22日に特許権者より意見書及び訂正請求書が提出され、令和6年2月16日に特許権者より訂正請求書についての手続補正書が提出され、同年5月16日に同年2月16日に提出した手続補正書についての手続補正書が提出されたものである。 なお、令和6年3月6日付けで特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知(以下「通知書」という。)を特許異議申立人に対して行ったところ、特許異議申立人から応答はなかった。 第2 本件訂正請求による訂正の適否について 1 令和6年5月16日に提出された手続補正書により補正された同年2月16日に提出された手続補正書による訂正請求書の補正(以下、令和6年5月16日に提出された手続補正書により補正された同年2月16日に提出された手続補正書を単に「手続補正書」といいう。)の適否について (1)要旨変更の有無について 特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項は、訂正請求書の補正は、その要旨を変更するものであってはならないものと規定しているが、同項第1号により、請求の理由についてされるときはこの限りでないと規定されているから、訂正請求書の「請求の趣旨」の補正について、要旨の変更が認められていないといえる。 そして、「請求の趣旨」の要旨を変更する補正とは、「請求の趣旨」の記載を変更することによって、補正前後で請求の基礎である「訂正を申し立てている事項」の同一性や範囲を変更することである。 ここで、「請求の趣旨」は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲を引用することにより、請求の内容を記載しているから、訂正特許請求の範囲の記載は、訂正請求における「請求の趣旨」と一体不可分のものであり、そうすると、訂正特許請求の範囲を補正することも、「請求の趣旨の補正」として扱われることとなる。 また、特許法第131条の2の趣旨は、審理対象の拡張変更による審理遅延を防止することにあると解されるところ、訂正事項の同一性に変更があっても、例えば、ある請求項の訂正事項を当該請求項の削除という訂正事項に変更する補正及びそれに整合させるための訂正明細書等についての訂正事項の補正、並びに請求項の削除という訂正事項を追加する補正及びそれに整合させるための訂正明細書等についての訂正事項の補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。 この点を踏まえて、手続補正書による補正について検討する。 (2)手続補正書による補正の内容 特許権者は、手続補正書において、訂正請求書を以下のとおり補正することを求める。 ア 補正事項1 「3 訂正請求に係る請求項の数」を「9」から「10」へと補正する。(以下「補正事項1」という。) イ 補正事項2 「6 請求の趣旨」の記載を「特許第7202164号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8、10について訂正することを求める。」から「特許第7202164号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~10について訂正することを求める。」へと補正する。(以下「補正事項2」という。) ウ 補正事項3 「7 請求の理由 (2)訂正事項 ア 訂正事項1」の記載の末尾に、「請求項1を引用する請求項4、6~10も同様に訂正する。」と追加する補正をする。(以下「補正事項3」という。) エ 補正事項4 「7 請求の理由 (2)訂正事項 エ 訂正事項4」の記載の末尾に、「請求項4を引用する請求項6~10も同様に訂正する。」と追加する補正をする。(以下「補正事項4」という。) オ 補正事項5 「7 請求の理由 (2)訂正事項 カ 訂正事項6」の記載の末尾に、「請求項6を引用する請求項7~10も同様に訂正する。」と追加する補正をする。(以下「補正事項5」という。) カ 補正事項6 「7 請求の理由 (2)訂正事項 キ 訂正事項7」の記載の末尾に、「請求項7を引用する請求項8~10も同様に訂正する。」と追加する補正をする。(以下「補正事項6」という。) キ 補正事項7 「7 請求の理由 (2)訂正事項 ク 訂正事項8」の記載の末尾に、「請求項8を引用する請求項9、10も同様に訂正する。」と追加する補正をする。(以下「補正事項7」という。) ク 補正事項8 「7 請求の理由 (3)訂正の理由 ア 一群の請求項についての説明」の「請求項」の記載の「請求項1~8及び10」、「請求項2~8及び10」、「請求項1~8及び10」、「請求項1~8及び10」を、それぞれ、「請求項1~10」、「請求項2~10」、「請求項1~10」、「請求項1~10」へと補正をする。 (3)補正の適否 ア 補正事項1について 訂正前の請求項9が「請求項1から6の何れか一項」を引用する「請求項8」を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項1乃至6が訂正されることに伴い、訂正前の請求項9も訂正されることになるのであるから、「3 訂正請求に係る請求項の数」「10」であることは明らかであるから、補正事項1により、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項1は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 イ 補正事項2 上記補正事項1と同様、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項1乃至6が訂正されることに伴い、訂正前の請求項9も訂正されることになるのであるから、「6 請求の趣旨」の「訂正することを求める」「請求項」を「1~8、10」から「1~10」へと補正することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項2は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 ウ 補正事項3について 訂正前の請求項4、6~10が、請求項1を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項1が訂正されることに伴い、訂正前の請求項4、6~10も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (2)訂正事項 ア 訂正事項1」の記載の末尾に、「請求項1を引用する請求項4、6~10も同様に訂正する。」と追加することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項3は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 エ 補正事項4について 訂正前の請求項6~10が、請求項4を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項4が訂正されることに伴い、訂正前の請求項6~10も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (2)訂正事項 エ 訂正事項4」の記載の末尾に、「請求項4を引用する請求項6~10も同様に訂正する。」と追加することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項4は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 オ 補正事項5について 訂正前の請求項7~10が、請求項6を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項6が訂正されることに伴い、訂正前の請求項7~10も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (2)訂正事項 カ 訂正事項6」の記載の末尾に、「請求項6を引用する請求項7~10も同様に訂正する。」と追加することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項5は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 カ 補正事項6について 訂正前の請求項8~10が、請求項7を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項7が訂正されることに伴い、訂正前の請求項8~10も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (2)訂正事項 キ 訂正事項7」の記載の末尾に、「請求項7を引用する請求項8~10も同様に訂正する。」と追加することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項6は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 キ 補正事項7について 訂正前の請求項9、10が、請求項8を引用していたところ、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項8が訂正されることに伴い、訂正前の請求項9、10も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (2)訂正事項 ク 訂正事項8」の記載の末尾に、「請求項8を引用する請求項9、10も同様に訂正する。」と追加することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項7は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 ク 補正事項8について 上記補正事項1と同様、令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正により、訂正前の請求項1乃至6が訂正されることに伴い、訂正前の請求項9も訂正されることは明らかであるから、「7 請求の理由 (3)訂正の理由 ア 一群の請求項についての説明」の「請求項」を「請求項1~8及び10」から「請求項1~10」へと、「請求項2~8及び10」から「請求項2~10」へと補正することにより、審理対象は何ら変わることにはならない。 してみると、補正事項8は、上記(1)に照らせば、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第131条の2第1項に規定される要旨の変更には該当しない。 (4)したがって、上記手続補正書による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第131条の2第1項の規定に適合するので、当該補正を認める。 2 訂正請求の趣旨 本件訂正請求は、その請求の趣旨を「特許第7202164号の明細書及び特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~10について訂正することを求める。」とするものである。 なお、本件特許の願書に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(特許掲載公報に記載されたものであって、本件訂正請求による訂正前のもの)について言及する際には、以下において、それぞれ、「本件特許明細書」、「本件特許請求の範囲」、「本件特許図面」といい、これらをまとめて「本件特許明細書等」という。 3 本件訂正請求の内容 手続補正書により補正された令和5年12月22日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。(注:下線部分は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の 「第1の折り目および第2の折り目が形成されたシートを所定の搬送方向に搬送する搬送手段により前記第2の折り目に対して前記第1の折り目が前記搬送方向において下流側に位置するように前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートを搬送するシート処理装置であって、 前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの複数層にシートが重なる積層部を保持する第1の保持部材と、 前記搬送方向において前記第1の保持部材よりも下流側に設けられ、前記積層部を保持する第2の保持部材と、 前記搬送方向において前記第1の保持部材よりも下流側であって前記第2の保持部材よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、 前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、前記第1の保持部材によって前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記第2の保持部材によって前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置。」(スペースは改行を意味する。以下同様。) との記載を 「シートに対して第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対であって、複数層にシートが重なる積層部を保持する折りローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラ対であって、前記積層部を保持する搬送ローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側であって前記搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、前記折りローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置。」 に訂正する。 請求項1を引用する請求項4、6乃至10も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4の 「前記折りローラは、前記シートの厚さ方向において、前記第1の折り目が前記押圧部材と面し、前記第2の折り目が前記対向部材と面するようにシートに対して折り処理を施す、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシート処理装置。」 との記載を 「前記折りローラ対は、前記シートの厚さ方向において、前記第1の折り目が前記押圧部材と面し、前記第2の折り目が前記対向部材と面するようにシートに対して折り処理を施す、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。」 に訂正する。 請求項4を引用する請求項6乃至10も同様に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6の 「前記移動機構は、前記第1の保持部材または前記第2の保持部材によって前記積層部が保持された状態において前記押圧部材を前記退避位置から前記押圧位置に移動させた後に前記幅方向に沿って前記押圧部材を移動させ、前記押圧部材を前記幅方向に移動させた後に前記押圧位置から前記退避位置へ前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。」 との記載を 「前記移動機構は、前記折りローラ対または前記搬送ローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記押圧部材を前記退避位置から前記押圧位置に移動させた後に前記幅方向に沿って前記押圧部材を移動させ、前記押圧部材を前記幅方向に移動させた後に前記押圧位置から前記退避位置へ前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項1または4に記載のシート処理装置。」 に訂正する。 請求項6を引用する請求項7乃至10も同様に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7の 「前記移動機構は、前記第1の保持部材によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における第1方向に前記押圧部材を移動させ、前記第2の保持部材によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における前記第1の方向と逆方向の第2の方向に前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。」 との記載を 「前記移動機構は、前記折りローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における第1の方向に前記押圧部材を移動させ、前記搬送ローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における前記第1の方向と逆方向の第2の方向に前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。」 に訂正する。 請求項7を引用する請求項8乃至10も同様に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8の 「前記押圧部材は、前記搬送方向に沿って延びる回転軸線周りに回転して前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する回転体を有する、ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載のシート処理装置。」 との記載を 「前記押圧部材は、前記搬送方向に沿って延びる回転軸線周りに回転して前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する回転体を有する、ことを特徴とする請求項1、4、6の何れか一項に記載のシート処理装置。」 に訂正する。 請求項8を引用する請求項9及び10も同様に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項10の 「シート上に画像を形成し、画像形成されたシートを搬出する画像形成装置と、 前記画像形成装置から搬出されるシートに折り処理を施す請求項1から請求項9の何れか一項に記載のシート処理装置と、 を備えることを特徴とした画像形成システム。」 との記載を 「シート上に画像を形成し、画像形成されたシートを搬出する画像形成装置と、 前記画像形成装置から搬出されるシートに折り処理を施す請求項1、4、6乃至9の何れか一項に記載のシート処理装置と、 を備えることを特徴とした画像形成システム。」 に訂正する。 (10)訂正事項10 願書に添付した明細書の段落【0009】の 「上記目的に鑑み、本発明は、所定の搬送方向に第1の折り目および第2の折り目が形成されたシートを搬送する搬送手段により前記第2の折り目に対して前記第1の折り目が前記搬送方向において下流側に位置するように前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートを搬送するシート処理装置であって、前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの複数層にシートが重なる積層部を保持する第1の保持部材と、前記搬送方向において前記第1の保持部材よりも下流側に設けられ、前記積層部を保持する第2の保持部材と、前記搬送方向において前記第1の保持部材よりも下流側であって前記第2の保持部材よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差するシートの幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、前記第1の保持部材によって前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記第2の保持部材によって前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置を提供する。」 との記載を 「上記目的に鑑み、本発明は、シートに対して第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対であって、複数層にシートが重なる積層部を保持する折りローラ対と、前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラ対であって、前記積層部を保持する搬送ローラ対と、前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側であって前記搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、前記折りローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置を提供する。」 に訂正する。 (11)訂正事項11 願書に添付した明細書の段落【0016】の 「本発明によれば、第1の保持部材または第2の保持部材によって複数層にシートが重なる積層部を保持した状態のシートに対して押圧部材によって折り処理されたシートの折り目に増し折り処理を施すので、シートに形成された折り目の位置がずれることなく正確にシートの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。また、押圧部材を対向部材に対して搬送方向とシートの厚さ方向とに交差するシートの幅方向に移動させることによって折り目の増し折り処理を行うので、シートの搬送方向における押圧部材の幅を狭くすることができ、装置の小型化が可能になる。さらに、押圧部材及び対向部材と第1の保持部材を短い間隔で配置したので、一対の保持部材を設けることによる装置の大型化を抑制することが可能になる。」 との記載を 「本発明によれば、折りローラ対または搬送ローラ対によって複数層にシートが重なる積層部を保持した状態のシートに対して押圧部材によって折り処理されたシートの折り目に増し折り処理を施すので、シートに形成された折り目の位置がずれることなく正確にシートの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。また、押圧部材を対向部材に対して搬送方向とシートの厚さ方向とに交差するシートの幅方向に移動させることによって折り目の増し折り処理を行うので、シートの搬送方向における押圧部材の幅を狭くすることができ、装置の小型化が可能になる。さらに、押圧部材及び対向部材と、折りローラ対および搬送ローラ対を短い間隔で配置したので、装置の大型化を抑制することが可能になる。」 に訂正する。 3 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び新規事項の有無について (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について (ア)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「第1の保持部材」について、「シートに対して第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する」と機能を特定するとともに、当該機能が明示的に理解できるよう「折りローラ対」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「第2の保持部材」について、「シートを搬送する」と機能を特定するとともに、当該機能が明示的に理解できるよう「搬送ローラ対」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (ウ)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「移動機構」について、「前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる」及び「前記折りローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる」と移動機構の移動範囲と移動のタイミングを特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (エ)そして、上記(ア)及び(イ)のとおり、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「第1の折り目および第2の折り目が形成されたシートを所定の搬送方向に搬送する搬送手段により前記第2の折り目に対して前記第1の折り目が前記搬送方向において下流側に位置するように前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートを搬送するシート処理装置」における「第1の折り目および第2の折り目が形成されたシートを所定の搬送方向に搬送する」機能及び「第2の折り目に対して前記第1の折り目が前記搬送方向において下流側に位置するように前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートを搬送する」機能が、「折りローラ対」及び「搬送ローラ対」が備える機能として明確化された。 (オ)同様に、訂正後の請求項4、6乃至10は、訂正後の請求項1を引用することにより、訂正後の請求項4、6乃至9の「シート処理装置」及び請求項10の「画像形成システム」の機能を具体的に特定するとともに、当該機能を明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項1は、上記アのとおり、訂正後の請求項1、4、6乃至9の「シート処理装置」及び請求項10の「画像形成システム」の機能を減縮し、かつ、機能を明確化することを目的とする訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1について、明細書等には、段落【0037】に「突き板107は、図示されていない突き板駆動装置と制御部とによって水平移動されるようになっている。また、突き板107は、搬送経路101に沿ってシートSを搬送ローラ対102によって折りローラ対105まで搬送するとき、下側搬送ガイド109と下側折りガイド111との間の空間を埋めるように配置されており、搬送されるシートSの先端を下側折りガイド111まで導くようになっている。制御部は、シートSの先端が折りローラ対105にニップされたことを認識すると、折り曲げ部を形成するために、突き板107を水平方向に下側搬送ガイド109の下方の退避位置へ移動させて、下側搬送ガイド109と下側折りガイド111との間にループ作成用の空間を形成させる。ループ作成用の空間が形成された後、シートSの先端が折りローラ対105にニップされた状態でシートSを所定量だけ搬送すると、シートSの中間部がループ作成用の空間で下方に撓んでループ部を作成する。この状態で、突き板107を退避位置から折りローラ対105へ向かって水平方向に移動させて折り曲げ部を形成し、突き板107が折りローラ対105の手前まで到達した後に、折りローラ対105を駆動させてシートSを搬送させることによって、第1の折り目132が形成され、さらに、突き板107を退避位置へ移動させた後に折りローラ対105によってシートSを搬送させてループ部をニップすることによって第2の折り目133が形成されて、Z折りが施されたシートSが下流側に搬送される。」、段落【0040】に「また、第1の移動機構116は、複数の増し折りコロ114を支持する支持部材112を下側折りガイド111に対して接近離反する方向に移動させる。これにより、複数の増し折りコロ114を下側折りガイド111に対して接近離反させ、各増し折りコロ114と下側折りガイド111との間に配置されたシートSの折り目を各増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって押圧する押圧位置とシートSから離れる方向に押圧位置から複数の増し折りコロ114を移動させた退避位置との間で移動できるようになっている。また、第2の移動機構117は、押圧位置で支持部材112を水平方向(図3における左右方向)に移動させることによって複数の増し折りコロ114をシートSの折り目に沿って移動できるようになっている。なお、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111とは、押圧位置においてシートSがそれらの間に介在していなければ、直接接触するようになっている。押圧部材配置領域の長さ(すなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の距離)は、退避位置から押圧位置に移動されたときに一方の極端位置に隣り合って配置される二つの増し折りコロ114の間にシートSの折り目の一方の端部(増し折りコロ114の移動方向上流側の端部)が配置され且つ他方の極端位置に配置される増し折りコロ114が折り目上に配置されるように定められている。好ましくは、図示されている実施形態のように、押圧部材配置領域の長さすなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の長さが、増し折りユニット104に搬入されるシートSの折り目の長さよりも複数の増し折りコロ114の配列の1ピッチ分(隣り合って配置される二つの増し折りコロの1間隔分)だけ短くなっている。この場合、必要となる増し折りコロ114の数を減らすことができ、増し折りコロ114のコストを減少させることができる。また、支持部材112に支持される増し折りコロ114の数が減少するので、同じ力を支持部材112に付与するときにシートSに対する一つの増し折りコロ114当たりの押圧力が大きくなって、増し折りの効果が高くなり、より小さい力で効率的な増し折りが可能となる。」、段落【0051】に「折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段(図示せず)によってシートSの位置を検出して、図7(a)に示されているように、折りローラ対105から搬入口119に搬入されたシートSの搬入方向先端側の第1の折り目132が増し折りコロ114の下方に到達したことを認識すると、シートSの搬送を停止させ、増し折り駆動モータ128を駆動することによって、プーリ126と一体的に回転するピニオンとラック127とを介してスライダ124と共に支持部材112を水平方向に移動させる。これによって、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第1の底部水平部分から第1の傾斜部分へ移動し、これに伴って支持部材112が下側折りガイド111へ向けて下降して、図5(b)及び図7(b)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111との間にシートSの第1の折り目132を挟み込んで押圧する押圧位置へ移動する。このとき、シートSの第1の折り目132の一方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が一方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ他方の極端位置に配置される増し押しコロ114がシートSの第1の折り目132の上に載った状態となってシートSの第1の折り目132の他方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図5(b)参照)。図5(b)及び図7(b)では、シートSの第1の折り目132の一方の端部が、極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の中間位置に配置されるように示されているが、上述した「極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間」には、極端位置に配置される増し折りコロ114の押圧点がシートSの第1の折り目132の一方の端部と一致する位置も含まれる。また、増し折りコロ114が取り付けられている補助部材113はバネ121によって下側折りガイド111へ向けて付勢されているので、支持部材112が下降し、増し折りコロ114がシートSを介して下側折りガイド111に当接した後も、支持部材112はさらに下降することができる。これに伴って、規制部材115もさらに下降して、増し折りコロ114の下方に位置するシートSの第1の折り目132を押圧し、予め定められた厚さ以下にシートSの第1の折り目132の厚さを規制する。なお、本明細書における搬入方向とは、シートSが折りローラ対105から搬入口119を経て増し折りユニット104内に搬入される方向を意味する。」、段落【0052】に「図5(b)及び図7(b)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに水平方向に移動させると、図5(c)及び図7(c)に示されているように、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第1の傾斜部分から頂部水平部分に移動する。すると、支持部材112に取り付けられている規制部材115がシートSの第1の折り目132の厚さを予め定められた厚さ(距離d1に相当)以下に規制しつつ、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧位置で下側折りガイド111に対してシートSの第1の折り目132に沿って複数の増し折りコロ114の1ピッチ分以上の距離だけ移動して、移動方向の先頭の増し折りコロ114がシートSの第1の折り目132の他方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)を越えるまで移動する。詳細には、シートSの第1の折り目132の他方の端部が他方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ一方の極端位置に配置される増し折りコロ114がシートSの第1の折り目の上に載った状態となってシートSの第1の折り目132の一方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図5(c)参照)。図5(c)及び図7(c)では、シートSの第1の折り目132の他方の端部を、極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の中間位置に配置されるように示されているが、上述した「極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間」には、極端位置に配置される増し折りコロ114の押圧点がシートSの第1の折り目132の他方の端部と一致する位置も含まれる。こうして、増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって第1の折り目132を全域にわたって押圧して第1の折り目132の強化すなわち増し折りが行われる。」、段落【0053】に「図5(c)及び図7(c)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに水平方向に移動させると、接触子130がカム溝131と係合する箇所が頂部水平部分から第2の傾斜部分を経て第2の底部水平部分に移動する。これによって、図5(d)及び図7(d)に示されているように、支持部材112が規制部材115と共に下側折りガイド111から離れる方向に上昇し、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧を終了した位置に近接して上方に位置する第1の退避位置へ移動して、第1の増し折り処理が完了する。第1の退避位置は、ホーム位置である受け入れ位置と異なる位置となっている。」、段落【0054】に「第1の増し折り処理が完了して図5(d)及び図7(d)に示されている状態になると、搬入方向上流側に位置する搬送ローラ対102及び折りローラ対105によってシートSを搬送することが可能となる。図5(d)及び図7(d)に示されている状態から搬送ローラ対102及び折りローラ対105によってシートSを搬送し、折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段によってシートSの位置を検出して、図8(e)に示されているように、第1の折り目132よりも搬入方向後端側に位置する第2の折り目133が増し折りコロ114の下方に到達したことを認識すると、シートSの搬送を停止させる。」、段落【0055】に「図8(e)に示されているように、シートSの第2の折り目133が増し折りコロ114の下方で停止されると、増し折り駆動モータ128を往路とは逆方向に回転するように駆動することによって、プーリ126と一体的に回転するピニオンとラック127とを介してスライダ124と共に支持部材112を往路のときとは逆向きに水平方向に移動させる。これによって、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第2の底部水平部分から第2の傾斜部分へ移動し、これに伴って支持部材112が下側折りガイド111へ向けて下降して、図6(f)及び図8(f)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111との間にシートSの第2の折り目133を挟み込んで押圧する押圧位置へ移動する。このときの複数の増し折りコロ114の位置すなわち復路の始点の位置は往路の終点の位置と同じ位置である。さらに、このとき、シートSの第2の折り目133の一方の端部(復路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が一方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ他方の極端位置に配置される増し折りコロ114がシートの第2の折り目133の上に載った状態となってシートSの第2の折り目133の他方の端部(復路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図6(f)参照)。また、増し折りコロ114が取り付けられている補助部材113はバネ121によって下側折りガイド111へ向けて付勢されているので、支持部材112が下降し、増し折りローラ114がシートSを介して下側折りガイド111に当接した後も、支持部材112はさらに下降することができる。これに伴って、規制部材115もさらに下降して、増し折りコロ114の下方に位置するシートSのシート部分及び第2の折り目133を押圧し、予め定められた厚さ以下にシートSの第2の折り目133の厚さを規制する。」、段落【0066】に「折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、折りローラ対105と複数の増し折りコロ114とが配置されるようにする。これによって、3層に折り重ねられたシート部分を折りローラ対105の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第1の折り目132に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、折りローラ対105は、第1の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第1の折り目132を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。」、段落【0068】に「さらに、第2の折り目に増し折りを施す際に、積層するシート部分の位置ずれが生じることを抑制するために、図9に示されているように、増し折りユニット104のシート搬送方向の下流側に、増し折り処理を施されたシートSをさらに下流側に搬送するための搬送ローラ対134(搬送ローラ134a及び搬送ローラ134b)を設けるようにしてもよい。搬送ローラ対134は、複数の増し折りコロ114に対して、シートSの第2の折り目133が複数の増し折りコロ114の下方に到達したときに、Z折りが施されて3層に折り重ねられたシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に保持されるような位置関係、すなわち3層のシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に挟持される位置関係で配置されている。折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、複数の増し折りコロ114と搬送ローラ対134が配置されるようにすることによって、3層に折り重ねられたシート部分を搬送ローラ対134の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第2の折り目133に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、一対の搬送ローラ対134は第2の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、より確実に、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第2の折り目133を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。一対の搬送ローラ対134は、シート折り処理装置Bの一部として設けられてもよく、後続の後処理装置Cの一部として設けられてもよい。」と記載されているから、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものである。 そうすると、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3を削除するものである。 そうすると、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3は、訂正前の請求項3を削除するものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について (ア)訂正前の請求項4が引用する請求項2及び3の「折りローラ」が、「第1の保持部材」であったところ、訂正事項1により「第1の保持部材」が「折りローラ対」と訂正されたことに伴い、「折りローラ」を「折りローラ対」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)訂正事項4は、訂正前の請求項4が請求項2または請求項3を引用していたところ、上記訂正事項2及び3に伴い、引用する請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項4は、上記訂正事項1に伴い機能を明確化すること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)ウの通り、訂正事項1は、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものであるところ、訂正事項1に伴い、「折りローラ対」と訂正する訂正事項4は、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものであるといえる。 また、「請求項1」と訂正する訂正事項4は、上記訂正事項2及び3に係る訂正に伴うものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的について 訂正事項5は、訂正前の請求項5を削除するものである。 そうすると、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項5は、訂正前の請求項5を削除するものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的について (ア)訂正前の請求項6が請求項1を間接的に引用していたところ、上記訂正事項1に伴い、「第1の保持部材」を「折りローラ対」と訂正し、「第2の保持部材」を「搬送ローラ対」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)訂正前の請求項6が請求項5を引用していたところ、上記訂正事項2、3及び5に伴い、引用する請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項6は、上記訂正事項1に伴い機能を明確化すること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項6について、明細書等には、段落【0066】に「折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、折りローラ対105と複数の増し折りコロ114とが配置されるようにする。これによって、3層に折り重ねられたシート部分を折りローラ対105の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第1の折り目132に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、折りローラ対105は、第1の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第1の折り目132を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。」、段落【0068】に「さらに、第2の折り目に増し折りを施す際に、積層するシート部分の位置ずれが生じることを抑制するために、図9に示されているように、増し折りユニット104のシート搬送方向の下流側に、増し折り処理を施されたシートSをさらに下流側に搬送するための搬送ローラ対134(搬送ローラ134a及び搬送ローラ134b)を設けるようにしてもよい。搬送ローラ対134は、複数の増し折りコロ114に対して、シートSの第2の折り目133が複数の増し折りコロ114の下方に到達したときに、Z折りが施されて3層に折り重ねられたシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に保持されるような位置関係、すなわち3層のシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に挟持される位置関係で配置されている。折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、複数の増し折りコロ114と搬送ローラ対134が配置されるようにすることによって、3層に折り重ねられたシート部分を搬送ローラ対134の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第2の折り目133に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、一対の搬送ローラ対134は第2の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、より確実に、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第2の折り目133を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。一対の搬送ローラ対134は、シート折り処理装置Bの一部として設けられてもよく、後続の後処理装置Cの一部として設けられてもよい。」と記載されており、また、上記訂正事項2、3及び5に係る訂正に伴うものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的について (ア)訂正前の請求項7が請求項1を間接的に引用していたところ、上記訂正事項1に伴い、「第1の保持部材」を「折りローラ対」と訂正し、「第2の保持部材」を「搬送ローラ対」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (イ)訂正前の請求項7に「幅方向における第1方向」と「前記幅方向における前記第1の方向」との記載が混在し、幅方向における方向は、第1と、その逆方向の第2の方向しかないことからすると、両者が同じものを指すことは明らかである。 してみると、「第1方向」を「第1の方向」に合わせて記載を統一する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項7は、上記訂正事項1に伴い機能を明確化し、当該請求項7における記載を統一することを目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項7について、明細書等には、段落【0066】に「折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、折りローラ対105と複数の増し折りコロ114とが配置されるようにする。これによって、3層に折り重ねられたシート部分を折りローラ対105の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第1の折り目132に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、折りローラ対105は、第1の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第1の折り目132を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。」、段落【0068】に「さらに、第2の折り目に増し折りを施す際に、積層するシート部分の位置ずれが生じることを抑制するために、図9に示されているように、増し折りユニット104のシート搬送方向の下流側に、増し折り処理を施されたシートSをさらに下流側に搬送するための搬送ローラ対134(搬送ローラ134a及び搬送ローラ134b)を設けるようにしてもよい。搬送ローラ対134は、複数の増し折りコロ114に対して、シートSの第2の折り目133が複数の増し折りコロ114の下方に到達したときに、Z折りが施されて3層に折り重ねられたシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に保持されるような位置関係、すなわち3層のシート部分の一部が搬送ローラ対134の間に挟持される位置関係で配置されている。折り処理機構103で折り処理可能な第1の折り目132と第2の折り目133との間の搬入方向最小の距離よりも短い間隔の範囲内に、複数の増し折りコロ114と搬送ローラ対134が配置されるようにすることによって、3層に折り重ねられたシート部分を搬送ローラ対134の間に保持したまま、複数の増し折りコロ114が第2の折り目133に増し折り処理を施すことが可能となる。すなわち、一対の搬送ローラ対134は第2の折り目132に増し折りを施す際に、折り重ねられたシート部分を保持する一対の保持部材として機能する。このような構成により、より確実に、3層に折り重ねられたシート部分が相対位置のずれを生じることなく、折りローラ対105で形成された第2の折り目133を複数の増し折りコロ114で押圧でき、折り目がずれることなく正確にシートSの折り目の増し折り処理を行うことが可能となる。一対の搬送ローラ対134は、シート折り処理装置Bの一部として設けられてもよく、後続の後処理装置Cの一部として設けられてもよい。」と記載されており、また、訂正事項6は、上記訂正事項2、3及び5に伴い、訂正前の請求項6が引用する請求項を整理するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項8が請求項1から請求項6の何れか一項を引用していたところ、上記訂正事項2、3及び5に伴い、引用する請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項8は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項8は、上記訂正事項2、3及び5に係る訂正に伴うものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (9)訂正事項9について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項10が請求項1から請求項9の何れか一項を引用していたところ、上記訂正事項2、3及び5に伴い、引用する請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記アのとおり、訂正事項9は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項9は、上記訂正事項2、3及び5に係る訂正に伴うものであるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。 したがって、当該訂正事項9は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (10)訂正事項10について ア 訂正の目的について 訂正事項10は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲と明細書の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項10は、上記訂正事項1に係る訂正と同様に、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項10は、上記訂正事項1に係る訂正と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (11)訂正事項11について ア 訂正の目的について 訂正事項11は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲と明細書の記載を整合させる訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項11は、上記訂正事項1に係る訂正と同様に、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項11は、上記訂正事項1に係る訂正と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (12)一群の請求項についての説明 訂正前の請求項1乃至10について、請求項2乃至10は請求項1を直接的または間接的に引用するものであって、請求項1の訂正に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1乃至10に対応する訂正後の請求項1、4、6乃至10は特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (13)明細書又は図面の訂正と関係する請求項についての説明 ア 訂正事項10について 明細薔の段落【0009】には、訂正前の請求項1に係る課題を解決するための手段が記載されており、請求項1の記載は請求項4、6乃至10によって引用されている。 したがって、訂正事項10による明細書の訂正の対象となる請求項は、請求項1を含む一群の請求項である請求項1、4、6乃至10である。 したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。 イ 訂正事項11について 明細薔の段落【0016】には、訂正前の請求項1に係る発明の効果が記載されており、請求項1の記載は請求項4、6乃至10によって引用されている。 したがって、訂正事項11による明細書の訂正の対象となる請求項は、請求項1を含む一群の請求項である請求項1、4、6乃至10である。 したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。 4 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議の申立てがされているので、訂正後の請求項1乃至10に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 5 まとめ 上記のとおり、手続補正書により補正された令和5年12月22日に特許権者が行った本件訂正における本件訂正前の請求項1乃至10に係る訂正事項1乃至11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するので、本件訂正後の請求項1、4、6乃至10について、訂正を認める。 第3 訂正後の本件訂正特許発明 上記第2で検討したとおり、請求項1、4、6乃至10に係る訂正を認めることができるから、請求項1、4、6乃至10に係る特許についての発明は、手続補正書により補正された本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1、4、6乃至10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(以下、それぞれ「本件訂正特許発明1」、「本件訂正特許発明4」、「本件訂正特許発明6」乃至「本件訂正特許発明10」といい、総称して「本件訂正特許発明」という。) 「【請求項1】 シートに対して第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対であって、複数層にシートが重なる積層部を保持する折りローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラ対であって、前記積層部を保持する搬送ローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側であって前記搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、前記折りローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置。 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】 前記折りローラ対は、前記シートの厚さ方向において、前記第1の折り目が前記押圧部材と面し、前記第2の折り目が前記対向部材と面するようにシートに対して折り処理を施す、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。 【請求項5】(削除) 【請求項6】 前記移動機構は、前記折りローラ対または前記搬送ローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記押圧部材を前記退避位置から前記押圧位置に移動させた後に前記幅方向に沿って前記押圧部材を移動させ、前記押圧部材を前記幅方向に移動させた後に前記押圧位置から前記退避位置へ前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項1または4に記載のシート処理装置。 【請求項7】 前記移動機構は、前記折りローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における第1の方向に前記押圧部材を移動させ、前記搬送ローラ対によって前記積層部が保持された状態において前記幅方向における前記第1の方向と逆方向の第2の方向に前記押圧部材を移動させる、ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。 【請求項8】 前記押圧部材は、前記搬送方向に沿って延びる回転軸線周りに回転して前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する回転体を有する、ことを特徴とする請求項1、4、6の何れか一項に記載のシート処理装置。 【請求項9】 前記押圧部材は、前記幅方向における前記押圧部材の移動方向において前記回転体よりも上流側に設けられ、前記搬送方向に沿って延びる回転軸線周りに回転して前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する他の回転体を有する、ことを特徴とする請求項8に記載のシート処理装置。 【請求項10】 シート上に画像を形成し、画像形成されたシートを搬出する画像形成装置と、 前記画像形成装置から搬出されるシートに折り処理を施す請求項1、4、6乃至9の何れか一項に記載のシート処理装置と、 を備えることを特徴とした画像形成システム。 第4 令和5年10月18日付けの取消理由通知の概要 取消理由1 (サポート要件)請求項1乃至4、及び8乃至10に係る特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 取消理由2 (新規性)請求項1、5乃至8、及び10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、5乃至8、及び10に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 取消理由3 (進歩性)請求項1、5乃至8、及び10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、5乃至8、及び10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 取消理由1(サポート要件)について ・請求項 1 (1)本件特許発明1において、「対向部材」と「押厚部材」との配置位置関係について、 ア 「前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材」 イ 「前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構」 と特定されている。(下線は、合議体が付した。以下、同様。) (2)上記(1)の特定からすると、押圧部材と対向部材とが、押圧位置と退避位置との間で相対移動するものと解せるところ、前記相対移動方向の構成に、 ア 押圧部材と対向部材とが、シートの厚み方向について、押圧位置と退避位置との間で相対移動する構成、 及び、 イ 押圧部材と対向部材とが、シートの幅方向について、押圧位置と退避位置との間で相対移動する構成、 の両方の構成が包含される。 (3)一方、本件特許明細書の発明の詳細な説明及び本件特許図面には、以下のとおり記載されている。 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上述した特許文献1に開示されるシート折り装置では、先行するシートをスタックするための搬送経路やスペースを設ける必要があるため、装置が大型化すると共にコストが増加するという問題がある。 【0007】 また、上述した特許文献2に開示される用紙折り処理装置では、増し折り処理の際の押圧部による加圧力が分散することを回避するために、押圧部の押圧ローラには、用紙幅方向中央位置を基準として幅方向の両端部にそれぞれ向かうように略螺旋状の凸部が略線対称に形成されている。このため、増し折り処理のための押圧ローラの直径を大きくする必要があり、装置全体が大型化してしまう可能性があった。また、増し折り処理のための押圧ローラの大型化に伴って、折り処理装置主部で折り処理を行う折りローラと増し折り処理のための押圧ローラとが接触しないように離して配置する必要が生じ、Z折りされたシートのように、近接した複数の箇所に折り部を形成する場合、増し折り処理を施す際にZ折りによって重なったシート部分を折りローラでは保持できなくなる可能性がある。この結果、重なったシート部分同士の位置ずれが生じて折りローラで形成した折り部と異なる位置に増し折り処理が施されるおそれがある。 【0008】 よって、本発明の目的は、従来技術に存する課題を解決するために、装置の大型化を抑え、且つ、より正確な増し折りを行うことを可能とさせるシート処理装置を提供することにある。」 「【0040】 また、第1の移動機構116は、複数の増し折りコロ114を支持する支持部材112を下側折りガイド111に対して接近離反する方向に移動させる。これにより、複数の増し折りコロ114を下側折りガイド111に対して接近離反させ、各増し折りコロ114と下側折りガイド111との間に配置されたシートSの折り目を各増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって押圧する押圧位置とシートSから離れる方向に押圧位置から複数の増し折りコロ114を移動させた退避位置との間で移動できるようになっている。また、第2の移動機構117は、押圧位置で支持部材112を水平方向(図3における左右方向)に移動させることによって複数の増し折りコロ114をシートSの折り目に沿って移動できるようになっている。なお、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111とは、押圧位置においてシートSがそれらの間に介在していなければ、直接接触するようになっている。押圧部材配置領域の長さ(すなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の距離)は、退避位置から押圧位置に移動されたときに一方の極端位置に隣り合って配置される二つの増し折りコロ114の間にシートSの折り目の一方の端部(増し折りコロ114の移動方向上流側の端部)が配置され且つ他方の極端位置に配置される増し折りコロ114が折り目上に配置されるように定められている。好ましくは、図示されている実施形態のように、押圧部材配置領域の長さすなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の長さが、増し折りユニット104に搬入されるシートSの折り目の長さよりも複数の増し折りコロ114の配列の1ピッチ分(隣り合って配置される二つの増し折りコロの1間隔分)だけ短くなっている。この場合、必要となる増し折りコロ114の数を減らすことができ、増し折りコロ114のコストを減少させることができる。また、支持部材112に支持される増し折りコロ114の数が減少するので、同じ力を支持部材112に付与するときにシートSに対する一つの増し折りコロ114当たりの押圧力が大きくなって、増し折りの効果が高くなり、より小さい力で効率的な増し折りが可能となる。」 「【0059】 押圧部材配置領域がシートSの折り目全体を覆うようになっている場合、折り目に沿った増し折りコロ114の移動方向の上流側で、少なくとも移動方向におけるシートSの折り目の外側に配置される押圧部材配置領域の分だけシートSの折り目の側方にスペースを確保する必要があると共に、移動方向の下流側で、移動方向におけるシートSの折り目の外側に配置される押圧部材配置領域に加えて少なくとも押圧のための折り目に沿った移動分だけシートの折り目の側方に支持部材112の移動を許容するためのスペースを確保する必要が生じる。しかしながら、図示されるシート折り処理装置Bにおける増し折りユニット104では、移動方向先端の増し折りコロ114は、折り目方向への移動の初期位置では、シートSの折り目上に位置するので、押圧部材配置領域は移動方向におけるシートSの折り目の外側に配置されない。したがって、折り目に沿った移動の初期位置で移動方向におけるシートSの折り目の外側に配置されている押圧部材配置領域がない分だけ、増し折りユニット104の小型化が可能となる。」 「【0069】 以上、図示されている実施形態を参照して、本発明のシート押圧装置及びこれを備える画像形成システムを説明したが、本発明は図示される実施形態に限定されるものではない。例えば、図示されている実施形態では、第1の移動機構116がガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の第1の傾斜部分及び第2の傾斜部分によって構成されると共に、第2の移動機構117がガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の頂部水平部分によって構成されているが、支持部材112を下側折りガイド111に接近離反させると共に、支持部材112をシートSの折り目に沿って移動させることができれば、第1の移動機構116及び第2の移動機構117の構成は限定されるものではなく、例えば第1の移動機構116及び第2の移動機構117として直動機構を採用してもよい。また、図示されている実施形態では、増し折りコロ114を移動させることによって、下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を移動させているが、下側折りガイド111を移動させることによって、下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を移動させてもよい。もちろん、増し折りコロ114と下側折りガイド111の両方を移動させるようにしてもよい。下側折りガイド111を移動させる場合、下側折りガイド111に昇降機構を設ければよい。また、増し折りコロ114に代えて、下側折りガイド111を増し折りコロ114へ向けてバネで付勢するようにしてもよい。さらに、図示されている実施形態では、折りローラ対105が一対の保持部材として機能しているが、折りローラ対105と別に、一対の保持部材を設けるようにしてもよい。」 「 [図:0001414168000001.jpg] 」 「 [図:0001414168000002.jpg] 」 (4)上記本件特許明細書の発明の詳細な説明及び本件特許図面には、第1の移動機構116(移動機構)が、増し折りコロ114(押圧部材)を、下側折りガイド111(対向部材)に対して、シートの厚み方向について接近離反させる構成、すなわち、上記(2)アの構成が記載されている。 (5)一方、上記本件特許明細書の発明の詳細な説明及び本件特許図面には、上記(2)イの構成は記載されていないし、示唆もされていない。 (6)ここで、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載からすると、本件特許発明が解決しようとする課題は、 「装置の大型化を抑え、且つ、より正確な増し折りを行うことを可能とさせるシート処理装置を提供すること」であると認められる。 (7)そして、上記(2)イの構成を実現しようとすれば、下側折りガイド111の幅方向の側方に、増し折りユニット104の退避位置を確保しなければならず、シート処理装置は、退避位置のスペースの分、シート幅方向に大型になる。 (8)ましてや、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているような、幅方向に長尺な増し折りユニット104であれば、より大きな退避スペースを確保しなければならず、シート処理装置は、より大型になることは明らかである。 (9)そうすると、上記(2)イの構成を実現しようとすれば、シート処理装置が大型化することは避けられないのであるから、「装置の大型化を抑え」るという上記本件特許発明が解決しようとする課題を解決できないことは明らかである。 (10)また、上記段落【0059】に記載されているように、増し折りコロ114の移動に関して「シートSの折り目の側方にスペースを確保」しないことによって、増し折りユニット104が小型化する旨が記載されていることからすると、装置の大型化を抑えることを課題とする本件特許発明において、上記(2)イの構成は、発明の詳細な説明から意識的に除外されているといえる。 (11)そうすると、上記(2)イの構成は、本件特許発明が解決しようとする課題を解決できないところ、上記(2)イの構成を包含する本件特許発明は、本件特許発明の課題を解決できるものとは認識できない。 (12)また、本件特許発明1を引用する本件特許発明2乃至4、及び8乃至10にも、同様の理由がある。 (13)よって、請求項1乃至4、及び8乃至10に係る特許は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 第5 取消理由についての当審の判断 1 取消理由1(サポート要件)について (1)請求項1について ア 本件訂正請求の訂正事項1により、特許請求の範囲の請求項1は、「移動機構」について「前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって」と訂正された。 イ 上記第4 (3)【0040】の通り、「離れる方向」とは、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間にシートSを移動できるようにする、すなわち、シートSを移動させる空間を形成するための方向を意味するから、シートSの厚み方向であることが、理解できる。 ウ そうすると、本件訂正特許発明1は、取消理由1で指摘する「イ 押圧部材と対向部材とが、シートの幅方向について、押圧位置と退避位置との間で相対移動する構成」を除外するものであるから、取消理由1は解消されたといえる。 (2)請求項2乃至4、及び8乃至10について 請求項2乃至4、及び8乃至10も、同様の理由で取消理由1は解消されたといえる。 (3)よって、本件訂正特許発明1乃至4、及び8乃至10は、いずれも本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものといえることから、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1乃至4、及び8乃至10の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさないとはいえないから、上記取消理由1により、本件特許請求の範囲の請求項1乃至4、及び8乃至10に係る特許を取り消すことはできない。 2 甲第1号証 本件特許の出願日前の平成24年9月10日に頒布された特開2012-171727号公報(甲第1号証)には、以下の記載がある。 (1)「【技術分野】 【0001】 本発明は、画像形成装置あるいは、画像形成装置などに併設され当該装置から排出された画像形成後の用紙を受け入れて、中折り、Z折り、三つ折りなどの所定の紙折りを行うシート折り装置および画像形成装置に関する。」 (2)「【0016】 (実施の形態) 図1は、この実施の形態にかかるシート折り装置を連結したシステム構成を示す説明図である。本システムは図示するように、大きくは、複写機などの画像形成装置100と、シート折り装置200(図2参照と、用紙に対しステイプルなどの後処理を行うシート後処理装置(以下、フィニッシャー300と記述する。図3参照)と、を備えている。これらの各装置の構成については以下に詳述する。 【0017】 図2は、図1におけるシート折り装置200の構成を示す説明図である。図2において、符号101は用紙折りを行わないときの用紙搬送経路となる水平搬送路、符号102は第1ストッパ搬送路、符号103は第1中継搬送路、符号104は第2ストッパ搬送路、符号105は第2中継搬送路、符号106は第3ストッパ搬送路、符号107はスタッカー排紙搬送路である。 【0018】 また、符号111は入口搬送ローラ、符号112は排紙搬送ローラ、符号113はスタッカー排紙搬送ローラ、符号201は第1折りローラ、符号202は第2折りローラ、符号203は第3折りローラ、符号204は第4折りローラ、符号205は第5折りローラ、符号206は第6折りローラ、符号301は第1ストッパ、符号302は第2ストッパ、符号303は第3ストッパ、符号400は入口切替爪、符号401は第1撓み補助部材、符号402は第2撓み補助部材、符号403は第3撓み補助部材、符号500はスタッカー部、符号501a、bは昇降トレイ、符号600は後述する用紙増し折り部である。この図2の動作については後述する。」 (3)「【0027】 つぎに、前述した図2および図3に示すように構成されたシート折り装置200の動作について説明する。このように構成されたシート折り装置200において、Z折り、二つ折り、外三つ折り、内三つ折りの各折り動作が可能となる。このシート折り装置200の動作について、Z折り、二つ折り、内三つ折りを例にとり用紙の流れを、各折り動作別に説明する。」 (4)「【0032】 <外三つ、内三つ> 図7-1、図7-2は、外三つ、内三つ折り動作の流れを示す説明図である。なお、この図7-1、2における各部の符号については図2と同様であり、省略している。画像形成装置100より受け入れた用紙は、入口切替爪400と第1撓み補助部材401によって、第1ストッパ搬送路102へは進入せずに、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって形成される第1ニップを通過し、第1中継搬送路103を通って第2ストッパ搬送路104へ案内される。 【0033】 第2ストッパ搬送路104内の第2ストッパ302に用紙先端を突き当てて撓ませ、第3折りローラ203と第4折りローラ204によって形成される第2ニップで1回目の折りを行い、第2中継搬送路105にて1回目の折り完了となる。1回目の折り完了後、第3ストッパ搬送路106へ搬送され、第3ストッパ搬送路106内の第3ストッパ303に用紙先端を突き当てて撓ませ、第5折りローラ205と第6折りローラ206によって形成される第3ニップで2回目の折りを行い、スタッカー排紙搬送路107にて内三つ折り、外三つ折り完了となる。 【0034】 図8-1、図8-2は、この実施の形態にかかる用紙増し折り部の構成およびその動作を示す説明図である。この図8-1、図8-2では、図2、図4の用紙増し折り部600の具体的な要部構成を示している。また、これらの図において(A)~(F)で折り紙に対する用紙増し折り部の動作の流れについて示している。以下、この(A)~(F)に示す流れに沿って説明する。 【0035】 折り加工された用紙は、第5折りローラ205および第6折りローラ206により搬送され、さらに切替爪601によって多段に設けられた搬送経路に各方向へ案内され各搬送経路へと搬送される。二つに分岐された第1、第2の搬送経路602a、bにはそれぞれ搬送ローラ603、604が設けられている。第1の搬送経路602aにはストッパ605が設けられ、ソレノイド631(図4参照)によって第1の搬送路602aに突出した位置と退避した位置とに移動される。第2の搬送経路602bには増し折り部センサ606が設けられており、用紙の先端位置を検出する。分岐された搬送路602a、bは下流で再び合流している。 【0036】 合流した搬送経路607には搬送ローラ608、609が設けられ、その下流に再加圧ローラ611が設けられている。折り加工された用紙1枚目は切替爪601によって第1の搬送経路602aに案内され、ストッパ605によって一時搬送を止める。このとき搬送ローラ603も停止する。 … 【0038】 用紙増し折り部600には搬送ローラ608が備わっており、その下流には用紙の搬送方向に交わる方向(交差方向)に移動して用紙の折り目を再加圧して増し折りする再加圧ローラ611が備わっている。搬送ローラ608で用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると、搬送ローラ608は停止し、再加圧ローラ611が手前から奥に加圧しながら移動する。この動作により折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する。 【0039】 さらに搬送方向後端にも折り目がある場合には、再加圧ローラ611はいったん折り紙から退き、搬送ローラ608(当審注:【図8-2】からすると、搬送ローラ609の誤記と認める。)で用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送し、停止する。再加圧ローラ611は再び用紙を加圧し、奥から手前に移動しながら折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する。その後、再加圧ローラ611は折り紙から退き、増し折りが完了となる。増し折りが完了した折り紙は搬送ローラ609にて搬送され、スタッカー排紙搬送ローラ113によってスタッカー部500へ収納される。」 (5)「【図2】 [図:0001414168000003.jpg] 」 (6)「【図8-1】 [図:0001414168000004.jpg] 」 (7)「【図8-2】 [図:0001414168000005.jpg] 」 (8)上記(2)及び(5)より、「シート折り装置200」は、「第3折りローラ203」、「第4折りローラ204」、「第5折りローラ205」、「第6折りローラ206」、「用紙増し折り部600」を備えるものと認める。 (9)上記(4)より、「第5折りローラ205および第6折りローラ206により搬送される」「折り加工された用紙」は、「内三つ折り、外三つ折り」された用紙であると認める。 (10)上記(4)、(6)、(7)より、「第5折りローラ205」および「第6折りローラ206」により搬送された用紙は、「用紙増し折り部600」の「搬送経路607」に搬送されるものと認められる。 (11)上記(6)及び(7)より、搬送経路607には、搬送方向上流より、搬送ローラ608、再加圧ローラ611、搬送ローラ609の順に設けられていると認められる。 上記記載事項(1)乃至(7)、及び認定事項(8)乃至(11)より、甲第1号証には、 「第3折りローラ203、第4折りローラ204、第5折りローラ205、第6折りローラ206、用紙増し折り部600を備えるシート折り装置200であって、 用紙増し折り部600の搬送経路607には、搬送ローラ608が設けられ、その下流には、用紙の搬送方向に交わる方向(交差方向)に移動して用紙の折り目を再加圧して増し折りする再加圧ローラ611が設けられ、その下流には、搬送ローラ609が設けられ、 第3折りローラ203と第4折りローラ204によって形成される第2ニップで1回目の折りを行い、第5折りローラ205および第6折りローラ206によって形成されるニップで2回目の折りを行い、搬送される内三つ折り、外三つ折り用紙は、用紙増し折り部600の搬送経路607に搬送され、 搬送ローラ608で用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると、搬送ローラ608は停止し、再加圧ローラ611が手前から奥に加圧しながら移動し、この動作により折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成し、 搬送方向後端にも折り目がある場合には、再加圧ローラ611はいったん折り紙から退き、搬送ローラ609で用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送し、停止し、再加圧ローラ611は再び用紙を加圧し、奥から手前に移動しながら折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する、 シート折り装置200。」 なる発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 3 理由2(新規性)について (1)請求項1に係る発明について ア 対比 本件訂正特許発明1と、甲1発明とを対比する。 (ア)後者の「用紙」、「搬送方向先端の折り目」、「搬送方向後端の折り目」、「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』、『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」、「『搬送ローラ608』、『搬送ローラ609』」、「再加圧ローラ611」及び「シート折り装置200」は、それぞれ、前者の「シート」、「第1の折り目」、「第2の折り目」、「折りローラ対」、「搬送ローラ対」、「押圧部材」及び「シート処理装置」に相当する。 (イ)後者の「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』」及び「『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」は、それぞれ、ニップを形成して折りを行うものであるから、後者の「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』」及び「『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」と前者の「折りローラ対」とは、「用紙の搬送方向先端の折り目が用紙の搬送方向後端の折り目に対して搬送方向下流側に位置するように用紙を搬送する」ものとの概念で一致する。 (ウ)後者の「搬送ローラ608」及び「搬送ローラ609」は、2回目の折りを行った用紙が搬送される用紙増し折り部600の搬送経路607に設けられているから、前者の「搬送ローラ対」と後者の「『搬送ローラ608』、『搬送ローラ609』」とは、「搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ」ているとの概念で一致する。 (エ)後者の「搬送ローラ608」は、用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると、停止し、また、後者の「搬送ローラ609」は、用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送されると、停止するものであって、停止した状態においては、内三つ折り、外三つ折り用紙を保持しているといえるから、前者の「搬送ローラ対」と後者の「『搬送ローラ608』、『搬送ローラ609』」とは、「積層部を保持する」ものとの概念で一致する。 (オ)後者の「再加圧ローラ611」は、用紙増し折り部600の搬送経路607に設けられ、下流には、搬送ローラ609が設けられ、搬送方向先端の折り目及び搬送方向後端の折り目の折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成するものであるから、前者の「押圧部材」と後者の「再加圧ローラ611」とは、「搬送方向において折りローラ対よりも下流側であって下流側の搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、第1の折り目および第2の折り目を押圧する」ものとの概念で一致する。 (カ)後者の「シート折り装置200」は、「搬送ローラ608で用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると、搬送ローラ608は停止し、再加圧ローラ611が手前から奥に加圧しながら移動し、この動作により折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成し、 搬送方向後端にも折り目がある場合には、再加圧ローラ611はいったん折り紙から退き、搬送ローラ609で用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送し、停止し、再加圧ローラ611は再び用紙を加圧し、奥から手前に移動しながら折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する」ものであるところ、「再加圧ローラ611」は、「手前から奥」、「折り紙から退き」、「奥から手前」と移動するものであるから、「再加圧ローラ611」を「折り目を押圧する押圧位置」、「シートの厚さ方向において押圧位置に対して離れる方向に移動した退避位置」、「押圧部材が押圧位置に位置している状態において搬送方向と厚さ方向とに交差する幅方向」に移動させる機構を備えていることは明らかである。 そして、後者の「再加圧ローラ611」は、「用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると」、「手前から奥に加圧しながら移動し、この動作により折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成し」、「用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送し、停止し」、「奥から手前に移動しながら折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する」ものであるから、後者の「シート折り装置200」が、押圧部材を幅方向に移動させて第1の折り目を押圧し、搬送ローラ対によるシートの搬送を停止してシートに対して押圧部材を幅方向に移動させて第2の折り目を押圧させる移動機構を備えているといえる。 そうすると、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 [一致点] 「シートに対して第1の折り目、第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラ対であって、前記積層部を保持する搬送ローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側であって前記搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる移動機構であって、シートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止してシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる移動機構と、を備えることを特徴とするシート処理装置」 [相違点1] 本件訂正特許発明1の「折りローラ対」が、「第1の折り目および第2の折り目を形成」し、「複数層にシートが重なる積層部を保持」し、「押圧部材を幅方向に移動させて第1の折り目を押圧」する際に「シートの搬送を停止して積層部」を「保持」し、「押圧部材を幅方向に移動させて第2の折り目を押圧させる」際に「積層部」を「保持」するものであるのに対し、甲1発明の「第3折りローラ203と第4折りローラ204」が1回目の折りを行い、「第5折りローラ205および第6折りローラ206」が2回目の折りを行うものの、再加圧ローラ611で再加圧する際に、内三つ折り、外三つ折り用紙を保持していない点。 [相違点2] 本件訂正特許発明1が「第1の折り目および第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において押圧部材と対向して配置される対向部材」を備えているのに対し、甲1発明は、再加圧ローラ611の対向部材を備えているのか否か明記がない点。 イ 判断 以上のとおり、本件訂正特許発明1と甲1発明とは、少なくとも相違点1において相違するものであって、本件訂正特許発明1は、甲第1号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。 (2)請求項5乃至8、及び10に係る発明について ア 本件訂正により、請求項5は削除された。 イ これにより、取消理由2のうち請求項5に係るものは、対象となる請求項が存在しないものとなった。 ウ また、本件訂正特許発明6乃至8、及び10は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明6乃至8、及び10と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1において相違するものである。 エ したがって、本件訂正特許発明6乃至8、及び10は、甲第1号証に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。 (3)小括 上記のとおり、本件訂正特許発明1、6乃至8、及び10は、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、上記取消理由2により、本件特許請求の範囲の請求項1、6乃至8、及び10に係る特許を取り消すことはできない。 4 理由3(進歩性)について (1)請求項1に係る発明について 上記3(1)ア 対比を参酌し、上記各[相違点]について検討する。 (ア)[相違点1]について 後記特許異議申立人が提出したいずれの甲号証にも、上記相違点1に係る発明特定事項は示されていない。 また、甲1発明において、「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』」もしくは「『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」に、1回目の折り及び2回目の折りの両折り機能を担わせようとすると、用紙を逆走させるための構成を設けなければならず、単に、設計的事項とすることができない。 さらに、甲1発明では、内三つ折り、外三つ折り用紙を、用紙増し折り部600の搬送経路607に搬送し、折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成するものであるから、再加圧の際に、「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』」もしくは「『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」で内三つ折り、外三つ折り用紙を保持しようとすると、「『第3折りローラ203』と『第4折りローラ204』」もしくは「『第5折りローラ205』と『第6折りローラ206』」を用紙増し折り部600の一部として組み込まなければならず、単に、設計的事項とすることができない。 してみると、上記相違点1を当業者が容易に想到し得るものということはできない。 よって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件訂正特許発明1は、甲1発明から、当業者が容易に想到し得たものではない。 (2)請求項5乃至8、及び10に係る発明について ア 本件訂正により、請求項5は削除された。 イ これにより、取消理由3のうち請求項5に係るものは、対象となる請求項が存在しないものとなった。 ウ また、本件訂正特許発明6乃至8、及び10は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明6乃至8、及び10と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1において相違するものである。 エ そして、上記(2)の通り、上記相違点1を当業者が容易に想到し得るものということはできないから、本件訂正特許発明6乃至8、及び10は、甲1発明から、当業者が容易に想到し得たものではない。 (3)小括 上記のとおり、本件訂正特許発明1、6乃至8、及び10は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、上記取消理由3により、本件特許請求の範囲の請求項1、6乃至8、及び10に係る特許を取り消すことはできない。 第6 令和5年10月18日付けの取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 1 申立理由1(新規事項追加) 本件特許に係る特許出願の出願手続において、令和4年9月5日付けの手続補正書による手続補正の内容は、下記の点で、当該特許出願の願書最初に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面に記載された事項の範囲内でしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 したがって、本件請求項1乃至10に係る特許は、同項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであって、特許法第113条第1号に該当し、取り消されるべきものである。 記 出願当初の請求項1では、第1の押圧部材に関して、「(第2の押圧部材と)第1の押圧部材と協働して前記折り目を押圧する」事項、及び、「前記第1の押圧部材を前記第2の押圧部材に対して接近させて前記第1の押圧部材と前記第2の押圧部材との間に配置された前記折り目を押圧する押圧位置と該押圧位置から前記シートから離れる方向に前記第2の押圧部材に対して前記第1の押圧部材を移動させた退避位置との間で移動させる」事項が特定されていたのに対し、前記の補正によって、押圧部材(第1の押圧部材に対応)が対向部材(第2の押圧部材に対応)に対して押圧位置と退避位置との間で相対移動する事項が削除され、本件特許発明1では、押圧部材に関して「前記搬送方向において前記第1の保持部材よりも下流側であって前記第2の保持部材よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する」と特定されているだけである。そうすると、本件特許発明1には、[い]押圧部材と対向部材とが、押圧位置と退避位置との間で相対移動する構成、及び、[ろ]押圧部材と対向部材とが、常時、押圧位置に位置する構成、の両方が含まれ得る。 当初明細書の発明の詳細な説明には、第1の移動機構116が、増し折りコロ114(押圧部材に対応)を、下側折りガイド111(対向部材に対応)に対して、シートの厚み方向について接近離反させる構成が記載され(当初明細書の段落0040)、増し折りコロ114が押圧位置から退避位置又は押圧位置よりも退避位置側へ離れた受け入れ位置へ移動することによって、増し折りユニット104内にシートSを受け入れることができる旨が記載されている(当初明細書の段落0041)。また、増し折りコロ114が下側折りガイド111に対して移動する代わりに、下側折りガイド111が移動すること、及び19、増し折りコロ114と下側折りガイド111との両方が移動することも可能である旨も記載されている(当初明細書の段落0069)。しかし、増し折りコロ114と下側折りガイド111とが、常時、押圧位置に位置する構成は当初明細書等には記載されていない。当初明細書の段落0039に記載の通り、増し折りコロ114がシートSの搬送方向に延びる回転軸線周りに回転可能であることにより、折り処理装置Bは小型化しており、その増し折りコロ114の向きからすれば、増し折りコロ114と下側折りガイド111とが接していると、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間にシートSを受け入れることが到底できない。このことを鑑みれば、[ろ]押圧部材と対向部材とが、常時、押圧位置に位置する構成は、発明の詳細な説明には記載されていないにもかかわらず、前記補正によって、[ろ]の構成が、本件特許発明1に含まれるようになったことは、当初明細書等に記載した事項との関係において、新たな技術的事項を導入したものである。手続補正書による請求項1の補正、及び、この補正に伴う請求項2ないし10の補正は、新規事項を追加する補正である。 2 申立理由2(明確性要件) 本件特許の請求項1乃至10に係る発明は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 したがって、本件請求項1乃至10に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 記 本件特許発明1の「対向部材」は、「前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される」と特定されている。本件特許発明1において、押圧部材とシートと対向部材との相互の位置関係について、押圧部材がシートを押圧する際に対向部材がシートに接しているのか、それとも接していないのか、換言すれば、対向部材は、押圧部材がシートを押圧するに際し押圧部材と協働するのか、それとも協働しないのかは、対向部材が押圧部材と対向して配置されていることだけでは不明である。 本件特許発明1において、対向部材が、シートの折り目の押圧の際に果たす働きや役割を理解することができないから、本件特許発明1、及び、これを引用する本件特許発明2ないし10は、明確でない。 尚、この点に関し、出願当初の請求項1においては、前述の通り、第2の押圧部材(対向部材に対応)が「第1の押圧部材と協働して前記折り目を押圧する」ことが特定されている。 3 申立理由3(進歩性) 本件特許の請求項1乃至8、及び10に係る発明は、甲2号証に記載された発明、並びに、甲第1及び第3号証に記載の事項に基づいて、または、甲第2号証に記載の発明、並びに、甲第1及び第3ないし第6号証に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件請求項1乃至8、及び10に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであって、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 第7 令和5年10月18日付けの取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についての当審の判断 1 申立理由1及び申立理由2について (1)上記第6 1及び2の申立理由の内容からすると、申立理由1及び2はいずれも、押圧部材と対向部材とが、常時、押圧位置に位置する構成が特許請求の範囲に包含されることが特許法第17条の2第3項及び同法第36条第6項第2号の規定に違反することを指摘するものである。 (2)ここで、申立理由1及び2で指摘する事項は、取消理由1の指摘事項と実質的に同じ指摘である。 (3)そして、上記の通り、請求項1乃至4、及び8乃至10に係る特許についての取消理由1は解消された。 (4)そうすると、請求項1乃至4、及び8乃至10に係る特許についての取消理由1及び2は解消された。 (5)また、請求項6及び7についての申立理由1及び2は、請求項1を引用することを理由にするものであるから、請求項6及び7についての申立理由1及び2も解消されたといえる。 (6)よって、本件訂正特許発明1乃至4、6乃至10は、いずれも、特許法第17条の2第3項及び同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たさないとはいえないから、上記申立理由1及び2により、本件特許請求の範囲の請求項1乃至4、6乃至10に係る特許を取り消すことはできない。 2 各甲号証 (1)甲第2号証 本件特許の出願日前の平成28年5月16日に頒布された特開2016-79015号公報(甲2第号証)には、以下の記載がある。 ア 「【0010】 まず、図1にて、画像形成装置の全体の構成・動作について説明する。 図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を用紙P(シート)に転写する転写部(画像形成部)、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12~14は転写紙等の用紙Pが収納された給紙部、17、18は転写部7に向けて用紙Pを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、20は用紙P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、30はオモテ面に画像が形成された後の用紙Pを反転して画像形成部に向けて搬送する両面搬送部、を示す。 また、40は画像形成装置本体1から排紙されて搬入された用紙Pに折り処理を施す用紙折り処理装置、50は用紙折り処理装置40における折り処理装置主部、70は用紙折り処理装置40における押圧部(増し折り処理部)、90は用紙折り処理装置40から排紙されて搬入された用紙Pに折り処理以外の後処理(綴じ処理、穿孔処理などである。)を施す後処理装置、92は後処理後の用紙P(又は、用紙束)が排出されて積載される排紙トレイ、を示す。用紙折り処理装置40や後処理装置90は、それぞれ、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置されている。」 イ 「【0020】 また、4つの搬送経路K3~K6が合流する部分には、第1折りローラ52、第2折りローラ53、第3折りローラ54、第4折りローラ55が設けられている。第1折りローラ52は、正逆転モータである第3モータ59によって正逆双方向に回転駆動されるように構成されている。第2折りローラ53(正逆転ローラ)は、第1搬送経路K3と第2搬送経路K4との合流部近傍で第1折りローラ52に圧接して、第1折りローラ52の正逆双方向の回転にともない従動回転して、第1折りローラ52と搬送ローラ対を構成している。第3折りローラ54は、4つの搬送経路K3~K6の合流部で第1折りローラ52に圧接して、第1折りローラ52の正逆双方向の回転にともない従動回転して、第1折りローラ52と搬送ローラ対を構成している。第4折りローラ55は、第3搬送経路K5と第4搬送経路K6との合流部近傍で第1折りローラ52に圧接して、第1折りローラ52の正逆双方向の回転にともない従動回転して、第1折りローラ52と搬送ローラ対を構成している。 第1折りローラ52と第3折りローラ54とは、用紙Pに対して折り処理を施す第1の折りローラ対として機能する。また、第1折りローラ52と第4折りローラ55とは、用紙Pに対して折り処理を施す第2の折りローラ対として機能するとともに、折り処理が施された用紙Pを押圧部70(増し折り処理部)に向けて搬送する上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)として機能する。 … 【0022】 一方、用紙Pに図6(A)に示すような「Z折り」を施す場合には、折り処理装置主部50は、図3(A)~(H)に示すように動作することになる。 まず、図3(A)、(B)に示すように、画像形成装置本体1から折り処理装置主部50(用紙折り処理装置40)に用紙Pが搬入されると、用紙Pの先端が第1紙検知センサ61によって検知されて、第1搬送ローラ対51の回転駆動が開始される。 そして、図3(C)に示すように、第1搬送ローラ対51によって用紙Pが搬送されて、さらに第1折りローラ52が反時計方向に回転駆動されて第1、第2折りローラ52、53によって用紙Pの先端部が第2搬送経路K4に搬送される。そして、用紙Pの先端部が第1、第2折りローラ52、53のニップから所定距離だけ突き出した状態で用紙Pの正方向(左方向)への搬送が停止される。具体的に、第2紙検知センサ62によって用紙Pの先端が検知されてから所定時間が経過した後に、第1折りローラ52の反時計方向の駆動が停止される。なお、このときの第1、第2折りローラ52、53のニップからの用紙Pの突出量は、用紙長さや折り処理の種類などによって最適な値に可変される。 【0023】 そして、図3(D)に示すように、第1搬送ローラ対51を回転駆動したまま、第1折りローラ52を時計方向に回転駆動(逆回転)する。これにより、合流部において用紙Pに撓みが形成される。そして、その用紙Pの撓みを第1、第3折りローラ52、54のニップに進入させて加圧することで、用紙Pに第1の折り部(後端側折り部Pbである。)を形成する。 その後、図3(E)に示すように、第1の折り部(折り目)が形成された用紙Pは、折り部側を先頭にして第3搬送経路K5に向けて搬送される。そして、図3(F)に示すように、用紙Pは、正方向に回転する第2搬送ローラ対56によって折り部側が第3搬送経路K5の奥側に進むように搬送される。 【0024】 そして、図3(G)に示すように、第2搬送ローラ対56のニップからの用紙Pの突出量が所定値になるように、第3紙検知センサ63によって折り部が検知されてから所定時間後に第2搬送ローラ対56の回転方向が逆転される。なお、このときの第2搬送ローラ対56のニップからの用紙Pの突出量は、用紙長さや折り処理の種類などによって最適な値に可変される。 そして、このような第2搬送ローラ対56の逆回転による用紙Pの折り部側の搬送と、第1搬送ローラ対51や第1、第3折りローラ52、54による用紙Pの搬送と、により、図3(G)に示すように、合流部において用紙Pに撓みが形成される。そして、その用紙Pの撓みを第1、第4折りローラ52、55のニップに進入させて加圧することで、用紙Pに第2の折り部(先端側折り部Paである。)を形成する。 その後、図3(H)に示すように、第1の折り部に加えて第2の折り部が形成された用紙P(Z折り処理がされた用紙Pである。)は、第2の折り部側を先頭にして第4搬送経路K6に向けて搬送される。そして、用紙Pは、押圧部70による2つの折り部への増し折り処理がされた後に、後処理装置90に向けて搬送されることになる。 【0025】 なお、用紙Pに図6(B)に示すような「内3つ折り」を施す場合には、折り処理装置主部50は、図4(A)~(H)に示すように動作することになる。 また、用紙Pに図6(C)に示すような「外3つ折り」を施す場合には、折り処理装置主部50は、図5(A)~(H)に示すように動作することになる。 図4、図5に示す折り処理装置主部50のいずれの動作も、図3に示す折り処理装置主部50の動作と基本的に変わらない。ただし、図4(C)、図5(C)に示す第1、第2折りローラ52、53のニップからの用紙Pの突出量や、図4(F)、図5(F)に示す第2搬送ローラ対56のニップからの用紙Pの突出量は、折り処理の種類によって可変されている。具体的に、図3に示すZ折り処理時、図4に示す内3つ折り処理時、図5に示す外3つ折り処理時では、それぞれ、第1折りローラ52の回転方向を逆転するタイミングと、第2搬送ローラ対56の回転方向を逆転するタイミングと、が異なることになる。 【0026】 以下、図7~図12等を用いて、本実施の形態において特徴的な、用紙折り処理装置40の構成・動作について詳述する。 先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における用紙折り処理装置40には、折り処理装置主部50に加えて、押圧部70(増し折り処理部)が設けられている。折り処理装置主部50は、所定の搬送方向に搬送される用紙Pに対して搬送方向の異なる位置にそれぞれ折り部Pa、Pb(折り目)を形成できるように構成されたものである。また、押圧部70は、折り処理装置主部50によって折り処理がされた後の用紙Pに形成された折り部Pa、Pbを押圧できるように形成されたものである。 … 【0028】 詳しくは、図7等を参照して、用紙折り処理装置40における押圧部70の近傍には、上流側搬送部材としての第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)、下流側搬送部材としての下流側搬送ローラ対75、用紙検知手段としての第4紙検知センサ64、などが設置されている。 上流側搬送部材としての第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)は、押圧部70に対して搬送方向上流側に配設されて、用紙Pを搬送可能に形成されている。第1、第4折りローラ52、55は、押圧部70に向けて折り処理後(増し折り処理前)の用紙Pを搬送するためのものであって、先に図2、図3等を用いて説明したように第2の折りローラ対としても機能するものである。第1、第4折りローラ52、55は、第3モータ59によって、第4搬送経路K6における搬送方向に沿った回転と回転停止とを任意のタイミングでおこなえるように構成されている。 下流側搬送ローラ対75(下流側搬送部材)は、押圧部70に対して搬送方向下流側に配設されて、用紙Pを搬送可能に形成されている。下流側搬送ローラ対75は、押圧部70によって増し折り処理がされた後の用紙Pを後処理装置90に向けて搬送するためのものである。下流側搬送ローラ対75は、不図示のモータ(第4モータ)によって、搬送方向に沿った回転と回転停止とを任意のタイミングでおこなえるように構成されている。 第4紙検知センサ64(用紙検知手段)は、押圧部70に対して搬送方向上流側であって第1、第4折りローラ52、55に対して搬送方向下流側に配設されたフォトセンサであって、その位置における用紙Pの有無を検知するためのものである。」 ウ 「【0031】 ここで、図7等を参照して、本実施の形態において、押圧部70は、押圧ローラ71、ガイド板72、圧縮スプリング73(付勢部材)、等で構成されている。 押圧ローラ71は、搬送される用紙Pの下方に対向するように配設されて、用紙Pの搬送方向に沿うように回転するローラ部材である。図8に示すように、押圧ローラ71は、軸部71a上にローラ部71bが形成されている。押圧ローラ71のローラ部71bには、搬送される用紙Pに対する幅方向中央位置71b2を基準として幅方向(図7の紙面垂直方向であって、押圧ローラ71の回転軸方向である。)の両端部にそれぞれ向かうように略螺旋状の凸部71b1が略線対称に巻装されている。図示は省略するが、押圧ローラ71は、一端側の軸部71aに駆動モータからの駆動力が伝達されるように構成されていて、他端側の軸部71bにホームポジションセンサ(HPセンサ、透過型フォトセンサ)によって回転位置(凸部71b1の位置)を検知するための検知板が設置されている。 ガイド板72は、搬送される用紙Pの上方であって押圧ローラ71に対向するように配設されている。また、ガイド板72の上方には圧縮スプリング73が設置されていて、ガイド板72が上方に変位又は変形しようとしたときにそれを抑えるようにガイド板72を付勢する。 そして、このように構成された押圧部70において、用紙Pが第4搬送経路K6においてガイド板72に沿うように搬送されて、押圧ローラ71の回転によって用紙Pの折り部Pa、Pbが凸部71b1とガイド板72との間に挟まれて加圧されることで、折り部Pa、Pbが増し折り処理されて、折り部Pa、Pbがさらに薄く見栄え良く折り処理されることになる。このとき、押圧ローラ71の凸部71b1は、上述したように中央位置基準で略線対称に螺旋状に形成されているため、押圧ローラ71の回転にともない折り部Pa、Pbが幅方向中央部から幅方向両端部にかけて順次加圧されて、加圧力が分散することなくバランスよく増し折り処理が施されることになる。 【0032】 以下、図9(A)~(D)、図10(A)~(D)にて、折り処理装置主部50にて「内3つ折り」された用紙P1、P2が連続的に押圧部70に搬送されるときの、押圧部70の動作について説明する。 図9(A)に示すように、まず、先行の用紙P1(内3つ折りされたものであって、連続通紙の1枚目の用紙P1である。)は、第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)によって搬送されて、その先端部(先端側折り部P1a)が第4紙検知センサ64によって検知される。 そして、図9(B)に示すように、第4紙検知センサ64の位置から先端側折り部P1aが所定距離X1だけ移動して、押圧位置M(押圧ローラ71とガイド板72とが対向する位置である。)に先端側折り部P1aが停止するように、第1、第4折りローラ52、55(第3モータ59)が駆動制御される。 そして、図9(C)に示すように、上述したホームポジションセンサ(HPセンサ)によって回転位置が制御された押圧ローラ71を回転駆動して、先行の用紙Pの先端側折り部P1aへの増し折り処理をおこなう。その後、図9(D)に示すように、押圧ローラ71がホームポジションまで回転されて停止されるとともに、第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)と下流側搬送ローラ対75とによって先行の用紙P1が搬送されて、その後端部(後端側折り部P1b)が第4紙検知センサ64によって検知される。そして、第4紙検知センサ64の位置から後端側折り部P1bが所定距離X2だけ移動して、押圧位置Mに後端側折り部P1bが停止するように、下流側搬送ローラ対75(第4モータ)が駆動制御される。 【0033】 そして、図10(A)に示すように、先行の用紙P1が待機(搬送停止)した状態で、後続の用紙P2(内3つ折りされたものであって、連続通紙の2枚目の用紙Pである。)は、第1、第4折りローラ52、55によって搬送されて、その先端部(先端側折り部P2a)が第4紙検知センサ64によって検知される。 そして、図10(B)に示すように、第4紙検知センサ64の位置から先端側折り部P2aが所定距離X1だけ移動して、押圧位置Mに先端側折り部P2aが停止するように、第1、第4折りローラ52、55(第3モータ59)が駆動制御される。このとき、押圧位置には、先行の用紙P1の後端側折り部P1bと、後続の用紙P2の先端側折り部P2aと、が若干の隙間をあけて並んだ状態になっている。 そして、図10(C)に示すように、ホームポジションにあった押圧ローラ71を回転駆動して、先行の用紙P1の後端側折り部P1bと、後続の用紙P2の先端側折り部P2aと、への増し折り処理をおこなう。その後、図10(D)に示すように、押圧ローラ71がホームポジションまで回転されて停止されるとともに、下流側搬送ローラ対75によって先行の用紙P1が後処理装置90に向けて搬送されて、第1、第4折りローラ52、55と下流側搬送ローラ対75とによって後続の用紙P2が搬送されて、その後端部(後端側折り部P2b)が第4紙検知センサ64によって検知される。そして、第4紙検知センサ64の位置から後端側折り部P2bが所定距離X2だけ移動して、押圧位置Mに後続の用紙P2の後端側折り部P2bが停止するように、下流側搬送ローラ対75(第4モータ)が駆動制御される。 その後、2枚目の用紙P2を先行の用紙として、さらに後続の用紙が搬送される場合には、以下、図9(D)以降の動作が同じように繰り返される。そして、連続通紙における最後の用紙に対して、図10(D)の状態の後に、後端側折り部への押圧ローラ71の回転による増し折り処理が施されたら、その後に下流側搬送ローラ対75によって最後の用紙が後処理装置90に向けて搬送される。 こうして、連続通紙時における、増し折り処理を含む一連の折り処理動作が完了することになる。 【0034】 図11は、図9、図10にて説明した制御を示すタイミングチャートであって、第4紙検知センサ64、第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)、下流側搬送ローラ対75、押圧ローラ71、ホームポジションセンサ、の制御タイミングを示すものである。 ここで、本実施の形態では、押圧ローラ71を1回転させる間に、増し折り処理される用紙Pの搬送を停止するように制御しているが、押圧ローラ71の凸部71b1が押圧位置に達しているときにのみ、増し折り処理される用紙Pの搬送を停止するように制御することもできる。その場合、連続通紙時における増し折り処理の生産性がさらに向上することになる。 また、図9、図10の例では、折り処理装置主部50にて「内3つ折り」された複数の用紙P1、P2が連続的に押圧部70に搬送されるときの押圧部70の動作について説明したが、折り処理装置主部50にて「外3つ折り」された複数の用紙が連続的に押圧部70に搬送される場合や、折り処理装置主部50にて「Z折り」された複数の用紙が連続的に押圧部70に搬送される場合や、折り処理装置主部50にて「内3つ折り」や「外3つ折り」や「Z折り」がランダムにされた複数の用紙が連続的に押圧部70に搬送される場合であっても、ほぼ同じように押圧部70を動作させて、先行の用紙P1の後端側折り部P1bと、後続の用紙P2の先端側折り部P2aと、への増し折り処理を同時におこなうことができる。」 エ 「 [図:0001414168000006.jpg] 」 オ 「 [図:0001414168000007.jpg] 」 上記記載事項ア乃至オより、甲第2号証には、 「画像形成装置本体1から排紙されて搬入された用紙Pに折り処理を施す用紙折り処理装置40であって、 第1折りローラ52、第2折りローラ53、第3折りローラ54、第4折りローラ55が設けられ、 第1折りローラ52と第4折りローラ55とは、用紙Pに対して折り処理を施す第2の折りローラ対として機能するとともに、折り処理が施された用紙Pを押圧部70(増し折り処理部)に向けて搬送する上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)として機能し、第1、第3折りローラ52、54のニップに進入させて加圧することで、用紙Pに第1の折り部(後端側折り部Pbである。)を形成し、第1、第4折りローラ52、55のニップに進入させて加圧することで、用紙Pに第2の折り部(先端側折り部Paである。)を形成し、 第1の折り部に加えて第2の折り部が形成された用紙P(Z折り処理がされた用紙Pである。)は、第2の折り部側を先頭にして搬送され、押圧部70による2つの折り部への増し折り処理がされ、 押圧部70は、押圧ローラ71、ガイド板72、圧縮スプリング73(付勢部材)、等で構成され、ことになり、 用紙P1は、第1、第4折りローラ52、55(上流側搬送ローラ対)によって搬送されて、押圧位置M(押圧ローラ71とガイド板72とが対向する位置である。)に先端側折り部P1aが停止するように、第1、第4折りローラ52、55(第3モータ59)が駆動制御され、押圧ローラ71を回転駆動して、用紙Pの先端側折り部P1aへの増し折り処理をおこない、 その後、押圧ローラ71がホームポジションまで回転されて停止されるとともに、『第1折りローラ52と第4折りローラ55』、『上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)』とによって先行の用紙P1が搬送されて、押圧位置Mに後端側折り部P1bが停止するように、下流側搬送ローラ対75(第4モータ)が駆動制御され、ホームポジションにあった押圧ローラ71を回転駆動して、用紙P1の後端側折り部P1bへの増し折り処理をおこなう用紙折り処理装置40。」 なる発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。 (2)甲第3号証 本件特許の出願日前の昭和59年12月25日に頒布された特開昭59-230965号公報(甲第3号証)には、以下の記載がある。 ア 「先ず、用紙9は、第2図(a)に示めされているように、第1と第2の折りロール1と2の間に入り、…曲り部が、第2図(b)に示されているように第2と第3の折りロール2,3の間にはさまれる。これによって、用紙の第1の折り部9bが形成され、この折り部9bは、矢印b方向へ進む。 第2図(b)の動作が進行し、…用紙9の先端9aは、該第3,第4の折りロール3,4によって、出口方向へ送られる。この時、用紙9は第3の折りロール3に沿って曲り、ついには、同図(d)に示されているように、第3,第4の折りロール3,4間にはさまれる。これによって、第2の折り部9Cが作られる。第2の折り部9Cは用紙9の先端9aと一緒に矢印c方向へ排出される。さらに動作が進むと、用紙9の第1の折り部9bが第3,第4の折りロール3,4間から抜け出し、最後に、用紙9の後端が該折りロール3,4間を通り過ぎる。 以上のようにして、第3図に示されているような、第1と第2の折り部9b,9cを有するZ折りされた用紙9が得られる。」(1ページ右下欄11行~2ページ右上欄5行) イ 「ベルト14,15によって送られてきたZ折りされた用紙は、第5図および第6図に示されているベース18上に運ばれる。ベース18と対向する位置には、ガイドバー19に摺動自在に支持されたサポートブロック20および該サポートブロック20に支持されたプレスロール21が設けられている。」(2ページ右下欄3~9行) ウ 「この第1のリミットスイッチは、プレスロール21が第1のプーリ23方向へ移動して前記z折りされた用紙の1つ目の折り目を押しつぶし終えた時、該プレスロール21によってオンにされる。…この第2のリミットスイッチは、プレスロール21が第2のプーリ24方向へ移動して前記z折りされた用紙の2つ目の折り目を押しつぶし終えた時、該プレスロール21によってオンにされる。」(2ページ右下欄17行~3ページ左上欄9行) エ 「ステップS3…該予定時間が経過すると、プーリ12a,13aの駆動が停止される。これによって、用紙の移動が停止する。 ステップS4…第1のプーリ23が駆動される。これによって、プレスロール21は、第2のプーリ24の近傍から第1のプーリ23に向って動かされ、用紙の1つ目の折り目を押しつぶす。 ステップS5…第1のリミットスイッチ31がオンになったかどうかの判断がなされる。該スイッチ31がオンになると、該1つ目の折り目の押しつぶしが終ったことになる。 ステップS6…第1のプーリ23の駆動を停止する。 ステップS7…プーリ12a,13aの駆動を行ない、用紙を送り出しロール25の方向へ送る。 ステップS8…2つ目の折り目がプレスロール21の軌跡の位置に来るのに要する時間(予定時間)が経過したか否かの判断がなされる。 ステップS9…該予定時間が来ると、プーリ12a,13aの駆動が停止され、用紙は停止する。 ステップS10…第2のプーリ24を駆動し、プレスロール21を第2のプーリ24に向って移動させる。これによって、プレスロール21は、用紙の2つ目の折り目を押しつぶす。」(3ページ左下欄5行~右下欄13行) オ 「 [図:0001414168000008.jpg] 」 カ 「 [図:0001414168000009.jpg] 」 上記記載事項ア乃至カより、甲第3号証には、 「プレスロールを移動させることにより、z折りされた用紙の折り目を押しつぶすこと。」 なる技術事項(以下「甲3記載の技術事項」という。)が記載されている。 (3)甲4第号証 本件特許の出願日前の平成16年2月26日に頒布された特開2004-59304号公報(甲第4号証)には、以下の記載がある。 ア 「【0079】 なお、この実施形態では、中折りについては用紙束を折ることを前提にしているが、この発明は1枚の用紙を折る場合でも適用できる。この場合は、1枚だけで中綴じが不要なので、1枚排紙された時点で中折り処理トレイG側に送り込み、折りプレート74と折りローラとによって折り処理を実行して下トレイに排紙するようにする。【0080】 1.1.6 折り増しローラユニット 折り増しローラユニット400は、図1に示したように折りローラ81と排紙ローラ83との間の搬送路Hに設けられ、折りプレート74で折り込まれた用紙束を折りローラ83のニップに押し込んで折り目を付けた後、折り増しローラユニット400で折り目を強化するようにしている。 【0081】 折り増しローラユニット400は、図16の正面図、図17の側面図に示すように折り増しローラ409と折り増しローラ409の支持機構と折り増しローラ409の駆動機構とからなる。折り増しローラ409の駆動機構は、駆動側プーリ402と、従動側プーリ404と、両プーリ402,404との間に掛け渡されたタイミングベルト403と、このタイミングベルト403を回転駆動するパルスモータ401とから主に構成されている。折り増しローラ409の支持機構は、前記タイミングベルト403と結合され、一体的に移動する移動支持部材407と、移動支持部材407が摺動し、移動方向を規制するガイド部材405と、移動支持部材407の反折り増しローラ設置側まで延び、折り増しローラ407の傾きを規制するとともにガイド部材405の撓みを防止する上ガイド板415と、折り増しローラ407を用紙束折り方向(図では下方)に弾性付勢する弾性付勢手段としての弾性材(図ではコイルバネ)411とから主に構成されている。前記支持機構は用紙搬送方向に対して直交する方向に設置され、前記駆動機構は前記支持機構内で、当該支持機構の設置方向に折り増しローラ407を移動させる。」 イ 「【0130】 折りを施された用紙束は図41に示すように折り増しローラユニット400まで搬送され、一旦停止する。この停止位置は折り増しローラユニット400搭載された用紙束検知センサ414からのパルス制御で決定される。こうして用紙束先端が折り増しローラユニット400の所定位置に停止すると、図41に示す位置で折り増しローラ409が駆動され、折りが強化される。折り増し動作が完了すると、折りローラ81および下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、折り部通過センサ323が用紙束後端を検知すると、折りプレート74及び可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧も復帰し、次の用紙に備える。また、次のジョブが同用紙サイズ同枚数であれば、可動後端フェンス73はその位置で待機しても良い。 【0131】 図42に示すように折り増しローラ409によって用紙束先端を用紙搬送方向に直交する方向に押圧して折り目を強化する際には、折りローラ81で用紙束を挟持した状態で動作させるようにしている。折り増しローラ409によって用紙束を加圧する際、用紙束を押さえずに用紙束曲げ部上を折り増しローラ409で加圧してしまうと、図42に示すように加圧時に用紙束PBの先端部(曲げ部)に、用紙1枚々々が撓んでしまったことによる皺が発生してしまい、用紙束にきれいな折り目を付けることができない場合が多いからである。そこで、折りローラ81で図41に示すように挟持しておくと、用紙束曲げ部には皺が発生しないきれいな折り目を付けることができる。 【0132】 しかし、折りローラ81だけでは用紙束の挟持力が不足する場合がある。例えば腰の強い用紙では、皺がよらないように確実に挟持できるかどうか分からない。そこで、図43に示すように折りローラ81から搬送されてきた用紙束先端が折り増しローラ409の加圧範囲に到達し、用紙束の搬送を停止させてから折り増しローラ409が用紙束曲げ部の加圧を開始してから終了するまでの間、さらに用紙束曲げ部上流側を押さえる押さえ部材417を設けるようにしてもよい。押さえ部材417は図44に示すように互いに近接する方向に弾性材418で加圧されている。この押さえ部材417は自由に回転できるようにしてもパルスモータによって回転駆動できるように構成してもよい。」 ウ 「 [図:0001414168000010.jpg] 」 エ 「 [図:0001414168000011.jpg] 」 上記記載事項ア乃至エより、甲第4号証には、 「折り増しローラ409の支持機構を用紙搬送方向に対して直交する方向に移動させることにより、折り目を強化すること。」 なる技術事項(以下「甲4記載の技術事項」という。)が記載されている。 (4)甲5第号証 本件特許の出願日前の平成18年12月21日に頒布された特開2006-341991号公報(甲第5号証)には、以下の記載がある。 ア 「【0048】 第2折り搬送ローラ対812の下流には、折り目プレスユニット860が設けられている。この折り目プレスユニット860は、プレスローラ対861を支持したプレスホルダ862を有し、プレスローラ対861が折り目をニップした状態で、プレスホルダ862を折り目方向に移動させることで、折り目を強化するようになっている。すなわち、折り目を確実に付けるようになっている。折り目プレスユニット860の真下には、折り束積載トレイ850が設けられている。」 イ 「【0055】 プレスホルダ862は、フレーム840を有している。フレーム840には、スライド軸受け874,875がビス止めされている。プレスローラ対861a,861bは、それぞれローラ軸872a,872bに固着され、不図示の軸受けを介してプレスアーム873a,873bに回転自在に支持されている。また、プレスアーム873a,873b(図10)は、フレーム840に固定された揺動軸874a,874bに、軸受けを介して支持されている。」 ウ 「【0060】 中折りシート束は、プレスローラ対861によってシートの折り部に確実な折り目を付ける折り目処理をされるとき、処理されるシートサイズに拘わらず、中折りシート束の搬送方向の中央部分を中心にした対称な位置で、複数のローラ対によって、停止保持されるようになっている。つまり、中折りシート束には、その先端側において第2折り搬送ローラ対812のニップ圧F3が、その後端側において第1折り搬送ローラ対811のニップ圧F2が、及び中折りシート束のサイズ(搬送方向の長さ)によっては、折りローラ対810のニップ圧F1も同時に加わるようになっている。このため、各ローラ対は、プレスローラ対861が中折りシート束をニップするとき、中折りシート束に回転モーメントが生じても、その回転モーメントに抗して中折りシート束が動かないように押さえることができる。」 エ 「【0080】 また、図16に示すように、各ローラ対812,811,810による中折りシート束Pの搬送に先立ち、プレスホルダ862は、中折りシート束Pのサイズ(幅方向)に応じた待機位置(奥側)に待機している。中折りシート束Pの停止が完了して、中折りシート束Pの折り部がシートガイド871(鎖線)に挿入されると、モータM6が始動して、折り目プレスユニット860は、プレスローラ対861を回転させながら、手前側(矢印F方向、中折りシート束の幅方向)への移動を開始する。 【0081】 その後、プレスローラ対861は停止保持されている中折りシート束Pのシート搬送方向に沿った側端部Pbに当接する。プレスローラ対861a,861bは、ともに回転しており、中折りシート束Pの側端部Pbを受け入れて側端部に円滑に乗り上がって、折り部を挟持する(図17)。プレスローラ対861は、中折りシート束の厚みが増えても変わることなく、プレスホルダ862の移動に同期して、応答遅れすることなく中折りシート束をニップできるようになっている。このため、プレスローラ対861は、中折りシート束Pを破ったり、中折りシート束に皺を生じさせたり、ローラ跡を付けたりして損傷を与えることなく、中折りシート束Pの折り部に確実に折り目を付けることができる。 【0082】 また、プレスローラ対861が中折りシート束Pの側端部Pbに乗り上がるとき、プレスローラ対861は、中折りシート束Pを押すようにして側端部Pbに乗り上がるため、中折りシート束Pに回転モーメントが発生する。しかし、中折りシート束Pは、上述したように、長いスパンで保持手段としての第1、第2折り搬送ローラ対811,812で確実に挟持されているため(シートサイズによっては、ローラ対810も中折りシート束Pを挟持している)、回転モーメントに抗することができて、傾いたり、位置がずれたりすることがほとんどない。」 オ 「【0089】 折り部に乗り上がったプレスローラ対861は、折り部を押圧しながら移動を継続して、中折りシート束Pの手前位置で停止して(図18)、再び奥側(矢印C方向)へ戻る。折り部は、プレスローラ対861の往復動作により、確実に折り目付けされたことになる。プレスローラ対861の往復回数は、シートのサイズ、枚数、厚みや画像情報(シートに付着するトナー量)によって変えられるようになっている。つまり、折り目が付きにくいものについては往復回数を増やすことで、折り部に確実に折り目を付けることができる。往復回数は、実験結果に基づいて設定することができる。」 カ 「 [図:0001414168000012.jpg] 」 キ 「 [図:0001414168000013.jpg] 」 ク 「 [図:0001414168000014.jpg] 」 上記記載事項ア乃至クより、甲第5号証には、 「プレスローラ対861が折り目をニップした状態で、プレスホルダ862を折り目方向に移動させることで、折り目を強化すること。」 なる技術事項(以下「甲5記載の技術事項」という。)が記載されている。 (5)甲第6号証 本件特許の出願日前の平成16年6月17日に頒布された特開2004-168499号公報(甲第6号証)には、以下の記載がある。 ア 「【0018】 図2乃至図4において、上記増し折り手段4は、一対の折りローラ上3a1と上記折りローラ下3a2で折り目に折り処理を施されたシートの束(P)の折り部を回動自在に支持されて確実に処理をする増し折りローラ4aと、上記増し折りローラ4aを回動自在に支持する増し折りローラ支持部材4bと、上記増し折りローラ支持部材4bを一対の折りローラ3aで折り目に折り処理を施されたシートの束(P)の搬送方向と交わる方向に案内して移動する案内移動部材4cとからなるから、簡単な装置で確実に十分な折り処理が行われ後に裁断処理したシートの束(P)における、ページ捲り等の使い勝手が良く、シートの束(P)の折り部の折れが十分に行われて見栄えも更に良く、その装置もシートの束(P)の移送距離が短く、耐久性に優れ安全で小型である上記裁断装置0を提供することができるようになった。 上記増し折りローラ4aは、下ガイド板4a1上に搬送されて加圧されるシートの束(P)と接触する部分に摩擦部材4a2を有している。 即ち、増し折りローラ4aの少なくともシートの束(P)と接触する外周面に摩擦部材4a2を設けたので、シートの束(P)の厚みが厚い場合に、シートの束(P)の折り部の上面を増し折りローラ4aが加圧する時、シートの束(P)と上記増し折りローラ4aの接触点が沈んだ状態になって上記増し折りローラ4aが回転しにくい状態になっても、上記摩擦部材4a2によってシートの束(P)と上記増し折りローラ4aとの間には回転力に必要な摩擦力が存在するので、上記増し折りローラ4aがシートの束(P)の画像面上で滑って画像面をこすることにより生じるシートの束(P)の面の汚れがなくなった。 上記増し折りローラ支持部材4bは、上ガイド板4b1に当接して回動自在に保持されたローラ部材4b2を有して、撓みを防止するようになっている。 更に、上記増し折りローラ支持部材4bは、加圧手段4b3の加圧バネ部材4b31で上記増し折りローラ4aを上記下ガイド板4a1上に搬送されたシートの束(P)を加圧するようになっているから、上記増し折りローラ4aは上記増し折りローラ支持部材4bと一緒に、上記案内移動部材4cの断面形状が角柱形状部からなるガイド部材4c1の図示の矢印(C)方向のスラスト方向に移動することができ、その間、上記増し折りローラ4aは上記案内移動部材4cの上記ガイド部材4c1によって常に上記下ガイド板4a1に向かって加圧され、且つ、簡単な装置で容易に上下方向に移動可能な状態となっている。 上記案内移動部材4cの上記ガイド部材4c1の断面形状が円形でなく4角柱形状部になっている。 上記ガイド部材4c1の断面形状が、1つ以上の角のある形状であれば、上記ガイド部材4c1と嵌合している上記増し折りローラ支持部材4bの姿勢が斜めになることがないので、上記増し折りローラ支持部材4bが上記ガイド部材4c1の円周に沿って回ることのない角部が設けられていればよい。 これにより、上記増し折りローラ支持部材4b、上記増し折りローラ4aの姿勢が斜めになることを防止でき、シートの束(P)の折り部上を加圧する力が逃げることなく十分な折り部を形成することができるようになった。 【0019】 パルスモータ4c2の回転駆動は、プーリ4c3とプーリ4c4に張られているタイミングベルト4c5によって、上記タイミングベルト4c5と嵌合している増し折りローラ支持部材4bに伝わり、増し折りローラ支持部材4bはガイド部材4c1にガイドされてガイド部材4c1の図示の矢印(C)方向のスラスト方向に摺動しながら移動する。 又、上記ガイド部材4c1の図示の矢印(C)方向のスラスト方向には上記増し折りローラ支持部材4bの位置を検知する検知手段として位置検知センサ前4c6、及び、位置検知センサ後4c7が存在し、上記増し折りローラ支持部材4bが上記位置検知センサ前4c6、及び、上記位置検知センサ後4c7の位置に来たときには検知されるようになっている。 そして、上記増し折り手段4に搬送されてくるシートの束(P)は、シートの束検知センサ4c8によって検知される。 上記増し折りローラ4aは、上記位置検知センサ後4c7によりホームポジションが検出される(図4)。 上記増し折りローラ4aの増し折り動作は、シートの束(P)が所定位置に搬送され停止した後、上記増し折りローラ4aを上記位置検知センサ後4c7の位置から上記位置検知センサ前4c6により検知される位置まで移動することで実施される。 図5において、上記増し折りローラ4aのイニシャル動作は、上記位置検知センサ後4c7の検知状態を判断して(ステップ11)、上記位置検知センサ後4c7が検知状態であれば終了するが、上記位置検知センサ後4c7が検知状態でなければ、上記増し折りローラ4aを上記位置検知センサ後4c7の方向に移動して(ステップ12)、上記位置検知センサ後4c7の検知状態で(ステップ13)、上記増し折りローラ4aの移動を停止して(ステップ14)、終了する。」 イ 「 [図:0001414168000015.jpg] 」 ウ 「 [図:0001414168000016.jpg] 」 エ 「 [図:0001414168000017.jpg] 」 上記記載事項ア乃至エより、甲第6号証には、 「増し折りローラ4aを移動することで増し折り動作を実施すること。」 なる技術事項(以下「甲6記載の技術事項」という。)が記載されている。 3 申立理由3について (1)請求項1に係る発明について ア 対比 本件訂正特許発明1と、甲2発明とを対比する。 (ア)後者の「用紙P」、「第2の折り部(先端側折り部Pa)」、「第1の折り部(後端側折り部Pb)」、「『第1折りローラ52と第4折りローラ55』、『上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)』」、「下流側搬送ローラ対75」、「押圧ローラ71」、「ガイド板72」及び「用紙折り処理装置40」は、それぞれ、前者の「シート」、「第1の折り目」、「第2の折り目」、「折りローラ対」、「搬送ローラ対」、「押圧部材」、「対向部材」及び「シート処理装置」に相当する。 (イ)後者の「第1折りローラ52と第4折りローラ55」及び「上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)」は、用紙Pに第1の折り部(後端側折り部Pb)及び第2の折り部(先端側折り部Pa)を形成し、押圧位置M(押圧ローラ71とガイド板72とが対向する位置である。)に先端側折り部P1aが停止するように、駆動制御されるものであって、第2の折り部(先端側折り部Pa)は搬送方向下流側に位置するから、前者の「『第1折りローラ52と第4折りローラ55』及び『上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)』」と後者の「折りローラ対」とは、「第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対であって、複数層にシートが重なる積層部を保持する」ものとの概念で一致する。 (ウ)後者の「下流側搬送ローラ対75」が、搬送方向において「『第1折りローラ52と第4折りローラ55』、『上流側搬送ローラ対(上流側搬送部材)』」よりも下流側に設けられていることは表記からして明らかである。 (エ)後者の「押圧ローラ71」は、紙Pの先端側折り部P1aへの増し折り処理をおこなった後、用紙P1が搬送されて、押圧位置Mに後端側折り部P1bが停止して、用紙P1の後端側折り部P1bへの増し折り処理をおこなうものであるから、前者の「押圧部材」と後者の「押圧ローラ71」とは、「搬送方向において折りローラ対よりも下流側であって下流側の搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、第1の折り目および第2の折り目を押圧する」ものとの概念で一致する。 (オ)後者の「ガイド板72」は、押圧ローラ71との押圧位置Mに位置し、当該押圧位置Mで用紙Pの先端側折り部P1aへの増し折り処理及び用紙P1の後端側折り部P1bへの増し折り処理が行われるから、前者の「対向部材」と後者の「ガイド板72」とは、「第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される」ものとの概念で一致する。 そうすると、本件訂正特許発明1と甲2発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 [一致点] 「シートに対して第1の折り目および第2の折り目を形成し、前記第1の折り目が前記第2の折り目に対して搬送方向下流側に位置するようにシートを搬送する折りローラ対であって、複数層にシートが重なる積層部を保持する折りローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラ対であって、前記積層部を保持する搬送ローラ対と、 前記搬送方向において前記折りローラ対よりも下流側であって前記搬送ローラ対よりも上流側に設けられ、前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧部材と、 前記第1の折り目および前記第2の折り目が形成されたシートの厚さ方向において前記押圧部材と対向して配置される対向部材と、 を備えるシート処理装置。」 [相違点3] 本件訂正特許発明1の「移動機構」が、「前記第1の折り目および前記第2の折り目を押圧する押圧位置と、前記シートの厚さ方向において前記押圧位置に対して前記対向部材から離れる方向に移動した退避位置とに前記押圧部材を移動可能であって、前記押圧部材が前記押圧位置に位置している状態において前記対向部材に対して前記搬送方向と前記厚さ方向とに交差する幅方向に前記押圧部材を移動させる」、「前記折りローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第1の折り目を押圧し、前記搬送ローラ対によるシートの搬送を停止して前記積層部が保持された状態のシートに対して前記押圧部材を前記幅方向に移動させて前記第2の折り目を押圧させる」ものであるのに対し、甲2発明の「押圧ローラ71」は回転駆動するものである点。 イ 判断 甲1発明には、押圧位置と退避位置とに移動可能である再加圧ローラ611が示されているものの、甲2発明の「押圧ローラ71」のローラ部71bには、搬送される用紙Pに対する幅方向中央位置71b2を基準として幅方向の両端部にそれぞれ向かうように略螺旋状の凸部71b1が略線対称に巻装されており、押圧ローラ71の回転にともない折り部Pa、Pbが幅方向中央部から幅方向両端部にかけて順次加圧されて、加圧力が分散することなくバランスよく増し折り処理が施される回転して増し折り処理を行うもののであるから、移動させる動機付けがない。 甲3技術事項乃至甲6技術事項に示されているように、ローラ部材を移動させることで折り目の増し折りをすることは、周知の技術手段といえるものの、上述同様、移動させる動機付けがない。 そうすると、上記相違点3を当業者が容易に想到し得るものということはできない。 よって、本件訂正特許発明1は、甲2発明から、当業者が容易に想到し得たものではない。 (2)請求項2乃至8、及び10に係る発明について ア 本件訂正により、請求項2、3、5は削除された。 イ これにより、申立理由3のうち請求項2、3、5に係るものは、対象となる請求項が存在しないものとなった。 ウ また、本件訂正特許発明4、6乃至8、及び10は、本件訂正特許発明1を引用し、さらなる限定を付加したものであるから、本件訂正特許発明4、6乃至8、及び10と甲2発明とは、少なくとも上記相違点3において相違するものである。 エ そして、上記(1)の通り、上記相違点3を当業者が容易に想到し得るものということはできないから、本件訂正特許発明4、6乃至8、及び10は、甲2発明から、当業者が容易に想到し得たものではない。 (3)小括 上記のとおり、本件訂正特許発明1、4、6乃至8、及び10は、甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、上記申立理由3により、本件特許請求の範囲の請求項1、4、6乃至8、及び10に係る特許を取り消すことはできない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、4、6乃至10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、4、6乃至10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項2、3、5は、本件訂正請求により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議申立てについて、請求項2、3、5に係る申立ては、申立ての対象が存在しなくなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700692

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