2021-390140
ぱちんこ遊技機
- 審判番号
- 2021-390140
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-073706外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6905170
- 請求日
- 2021年08月26日
- 審決日
- 2021年10月19日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6905170号(以下、「本件特許」という。)は、平成28年3月31日の出願(特願2016-73706号)であって、令和3年6月29日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年8月26日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6905170号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正(以下、「本件訂正」という。)することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
請求人が求める訂正の内容は、以下の訂正事項1ないし2のとおりである。
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「通常遊技状態の場合に、入球判定手段による検出結果に基づき、遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数と、」と記載されているのを、
「通常遊技状態の場合に、入球判定手段による検出結果に基づき、遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数と、」に訂正し、
同請求項1に、「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が特定数に満たない場合には、各項目を示唆する情報を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示するよう構成され、」と記載されているのを、
「前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が特定数に満たない場合には、各項目を示唆する情報を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示するよう構成され、」に訂正し、
同請求項1に、「入球状態情報は、前記発射された遊技球の数が所定値に達すると前記記憶領域に記憶され、前記発射された遊技球の数が前記所定値に達していないと前記記憶領域に記憶されないよう構成されているとともに、予め定められた複数回分の入球状態情報の記憶が可能であり、」と記載されているのを、
「入球状態情報は、前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が所定値に達すると前記記憶領域に記憶され、前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が前記所定値に達していないと前記記憶領域に記憶されないよう構成されているとともに、予め定められた複数回分の入球状態情報の記憶が可能であり、」に訂正し、
同請求項1に、「前記発射された遊技球の数が前記所定値に達した回数が前記予め定められた複数回を超えた場合には、前記記憶領域に記憶された複数回分の入球状態情報のうち、最も古い入球状態情報の代わりとなる新たな入球状態情報によって、前記記憶領域の入球状態情報を更新するように構成される」と記載されているのを、
「前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が前記所定値に達した回数が前記予め定められた複数回を超えた場合には、前記記憶領域に記憶された複数回分の入球状態情報のうち、最も古い入球状態情報の代わりとなる新たな入球状態情報によって、前記記憶領域の入球状態情報を更新するように構成される」に訂正する。
なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所及び訂正に関連する箇所等を表す。以下同様。
(2)訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0005】に、
「 本態様に係るぱちんこ遊技機は、遊技盤と、遊技球が入球可能であり、遊技球が入球することにより賞球が払い出される複数の入賞口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、一般入賞口P10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)と、遊技の進行を制御する、遊技機の背面側に設けられた主遊技部(例えば、主制御基板M)と、続きを表示(全17行)主遊技部(例えば、主制御基板M)に取り付けられた、情報を表示可能な情報表示部(例えば、入球状態表示装置J10)とを備え、主遊技部(例えば、主制御基板M)は、前記複数の入賞口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、一般入賞口P10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)への遊技球の入球を検出し得る入球判定手段(例えば、入球判定手段MJ10)を備え、通常遊技状態の場合に、入球判定手段(例えば、入球判定手段MJ10)による検出結果に基づき、遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数と、前記複数の入賞口への遊技球の通過により払い出された賞球数とに基づく入球状態情報を生成し、当該生成した入球状態情報に基づく表示を、表示内容が異なる複数の項目に分けて情報表示部(例えば、入球状態表示装置J10)にて表示し得るよう構成され、入球状態情報に基づく表示を情報表示部に表示する際は、所定期間毎に前記複数の項目に対応する入球状態情報に基づく表示を切り替えて表示するとともに、各項目を示唆する情報を入球状態情報に基づく表示と同時に表示するよう構成され、入球状態情報が所定値を超過している場合には、入球状態情報に基づく表示の表示態様を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示し、遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が特定数に満たない場合には、各項目を示唆する情報を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示するよう構成され、入球状態情報を記憶する記憶領域を有し、入球状態情報は、前記発射された遊技球の数が所定値に達すると前記記憶領域に記憶され、前記発射された遊技球の数が前記所定値に達していないと前記記憶領域に記憶されないよう構成されているとともに、予め定められた複数回分の入球状態情報の記憶が可能であり、前記発射された遊技球の数が前記所定値に達した回数が前記予め定められた複数回を超えた場合には、前記記憶領域に記憶された複数回分の入球状態情報のうち、最も古い入球状態情報の代わりとなる新たな入球状態情報によって、前記記憶領域の入球状態情報を更新するように構成されることを特徴とするぱちんこ遊技機である。」と記載されているのを、
「 本態様に係るぱちんこ遊技機は、遊技盤と、遊技球が入球可能であり、遊技球が入球することにより賞球が払い出される複数の入賞口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、一般入賞口P10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)と、遊技の進行を制御する、遊技機の背面側に設けられた主遊技部(例えば、主制御基板M)と、続きを表示(全17行)主遊技部(例えば、主制御基板M)に取り付けられた、情報を表示可能な情報表示部(例えば、入球状態表示装置J10)とを備え、主遊技部(例えば、主制御基板M)は、前記複数の入賞口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、一般入賞口P10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)への遊技球の入球を検出し得る入球判定手段(例えば、入球判定手段MJ10)を備え、通常遊技状態の場合に、入球判定手段(例えば、入球判定手段MJ10)による検出結果に基づき、遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数と、前記複数の入賞口への遊技球の通過により払い出された賞球数とに基づく入球状態情報を生成し、当該生成した入球状態情報に基づく表示を、表示内容が異なる複数の項目に分けて情報表示部(例えば、入球状態表示装置J10)にて表示し得るよう構成され、入球状態情報に基づく表示を情報表示部に表示する際は、所定期間毎に前記複数の項目に対応する入球状態情報に基づく表示を切り替えて表示するとともに、各項目を示唆する情報を入球状態情報に基づく表示と同時に表示するよう構成され、入球状態情報が所定値を超過している場合には、入球状態情報に基づく表示の表示態様を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示し、前記遊技盤に設けられる遊技領域に設けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が特定数に満たない場合には、各項目を示唆する情報を通常とは異なる表示態様にて情報表示部に表示するよう構成され、入球状態情報を記憶する記憶領域を有し、入球状態情報は、前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が所定値に達すると前記記憶領域に記憶され、前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が前記所定値に達していないと前記記憶領域に記憶されないよう構成されているとともに、予め定められた複数回分の入球状態情報の記憶が可能であり、前記遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数が前記所定値に達した回数が前記予め定められた複数回を超えた場合には、前記記憶領域に記憶された複数回分の入球状態情報のうち、最も古い入球状態情報の代わりとなる新たな入球状態情報によって、前記記憶領域の入球状態情報を更新するように構成されることを特徴とするぱちんこ遊技機である。」と訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的について
本件訂正前の請求項1には、「遊技領域」に関係する「遊技球」の数として、「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数」と、「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」の記載が存在している。
しかし、本件訂正前の請求項1には、「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数」と、「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」との関係が何ら特定されていなかったことから、「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数」により特定される構成と、「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」により特定される構成との関係が明瞭でなかった。
そして、訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の記載における「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数」及び「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」の双方を「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」と記載を揃えることにより、両者が同じ「遊技球の検出数」であることを明らかにするための訂正である。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(2) 新規事項の有無について
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の記載を参照すると、本件特許明細書等には、以下の記載がある。
「【0048】次に、同図下段の、遊技球の流路イメージ図を参照し、遊技に供される遊技球の流路について説明する。本実施形態における遊技機においては、遊技領域D30内に発射された遊技球は、各入球口{第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口P10、アウト口C80}のいずれかに入球し、各入球口に対応する入球センサを通過して遊技機内(遊技機枠D内)に誘導される。ここで、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球については、不正検出の為に設けられた第1主遊技始動口確認センサA11s2を通過する。その後、遊技機内に誘導されたすべての遊技球は、総排出確認センサC90sを通過して遊技機外に排出されることとなるのである。尚、本例では特に図示していないが、入球確認用のスイッチ{各入球口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口)に入球した遊技球が通過するスイッチであって、各入球口への入球を検出するためのスイッチとは異なる一又は複数のスイッチ}を有しているものとする。」
上記の記載より、遊技領域D30内に発射された遊技球は、遊技機内(遊技機枠D内)に誘導され、遊技機内に誘導されたすべての遊技球は、総排出確認センサC90sを通過して遊技機外に排出されることが導き出せる。
また、図6の下段には、遊技球の流路イメージ図として、以下の図面が示されている。
[図:0001382336000001.jpg]
上記の遊技球の流路イメージ図には、左端に示された「遊技領域D30内に発射」の欄において発射されたすべての遊技球が、結果的に右下に示された「総排出確認センサ」を経由し、「遊技機外に排出」の欄において遊技機外に排出されることが示されている。
したがって、上記の記載より、本件訂正前の請求項1の記載における「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された遊技球の数」及び「遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」は同じ数であり、ともに、「遊技盤に設けられる遊技領域に向けて発射された後に遊技盤に設けられる遊技領域から排出された遊技球の検出数」であることが導き出せる。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3) 特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1) 訂正の目的について
訂正事項2は、本件特許明細書等の段落【0005】の記載を、訂正事項1による訂正に伴い、整合性を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(2) 新規事項の有無について
訂正事項2は、訂正事項1による訂正に伴い、整合性を図るための訂正である。したがって、訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様の理由により、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3) 特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、本件特許明細書等の段落【0005】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものであるから、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 一群の請求項について
本件訂正審判は、特許権全体に対して請求されたものであり、請求項ごとに請求されたものではないから、一群の請求項に関する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かの検討を要しない。
4 特許法第126条第7項について
本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであるから、同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
第5 むすび
以上のことから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同法同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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