2021-390021
ゲームプログラム及びゲームシステム
- 審判番号
- 2021-390021
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-005056外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月21日
- 審決日
- 2021年03月09日
- 公報発行日
- 2021年07月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 カプコン
- 【請求人代理人】特許業務法人 有古特許事務所
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .854-Y (A63F) / P141 .855-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本件審判請求に係る特許第6619032号(以下、「本件特許」という、)は、平成30年1月16日に特願2018-5056号として特許出願されたものであって、令和1年11月22日にその特許権の設定登録がされ、同年12月11日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、令和3年1月21日に本件審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び訂正事項について
本件審判請求は、その請求の趣旨を「特許第6619032号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4、6について訂正することを認める、との審決を求める。」とするものであるところ、当該請求の趣旨によれば、本件審判請求は、請求項ごとに訂正を請求するものである。
そして、本件審判請求に係る請求項4及び6は、請求項6が請求項4を引用するものであるから一群の請求項を構成するものであって、本件審判請求は、一群の請求項ごとに訂正を求めるものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項
特許請求の範囲の請求項4に「前記所定の条件が成立していない場合には、前記クエスト達成時における前記先行ユーザに対して付与される報酬を決定するための前記希少アイテムの抽選確率より低い抽選確率により前記途中参加ユーザに付与する報酬を決定する、ゲームプログラム。」と記載されているのを、「前記所定の条件が成立していない場合には、前記クエスト達成時における前記先行ユーザに対して付与される報酬を決定するための前記希少アイテムの抽選確率より低い抽選確率により前記途中参加ユーザに付与する報酬を決定し、前記判定手段は、前記先行ユーザによりクエストが開始された以後の所定の時点から、前記途中参加ユーザが当該クエストに途中参加した時点までの経過時間を取得すると共に、前記所定の条件として前記経過時間が設定時間以内であるという条件が成立したか否かを判定し、前記コンピュータを、前記途中参加ユーザによる操作入力に応じて、前記ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段、として機能させる、ゲームプログラム。」に訂正する。
請求項4の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。
2 本件審判請求に係る訂正事項は、上記1において説示したとおりであるところ、上記訂正事項を検討の便宜上、つぎの訂正事項にわけて検討することとする。
(1)訂正事項1
請求項4に「前記判定手段は、前記先行ユーザによりクエストが開始された以後の所定の時点から、前記途中参加ユーザが当該クエストに途中参加した時点までの経過時間を取得すると共に、前記所定の条件として前記経過時間が設定時間以内であるという条件が成立したか否かを判定し」を追加する訂正事項
(2)訂正事項2
請求項4に「前記コンピュータを、前記途中参加ユーザによる操作入力に応じて、前記ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段、として機能させ」るを追加する訂正事項
(3)訂正事項3
請求項4を引用する請求項6について、請求項4の訂正により同様に訂正する訂正事項
第3 当審の判断
1 訂正の目的
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項4において「ゲームプログラム」が「途中参加ユーザにより操作入力が行われるコンピュータ」を機能させる手段として特定されていた「前記途中参加ユーザが当該クエストに途中参加したときに、所定の条件が成立したか否かを判定する判定手段」に関して、当該判定手段が「前記先行ユーザによりクエストが開始された以後の所定の時点から、前記途中参加ユーザが当該クエストに途中参加した時点までの経過時間を取得する」ものであること、「所定の条件として、前記経過時間が設定時間内であるという条件が成立したか否かを判定する」ものであることに限定するものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項4の「ゲームプログラム」が「途中参加ユーザにより操作入力が行われるコンピュータ」を「前記途中参加ユーザによる操作入力に応じて、前記ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段として機能させ」ることを特定して限定するものであるから、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項4を引用する請求項6について、請求項4の訂正により同様に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
(1)訂正事項1について
訂正事項1に関して、願書に添付した明細書の段落【0009】には、「上記のゲームプログラムは、前記判定手段は、前記先行ユーザによりクエストが開始された以後の所定の時点から、前記途中参加ユーザが当該クエストに途中参加した時点までの経過時間を取得すると共に、前記所定の条件として、前記経過時間が設定時間以内であるという条件が成立したか否かを判定してもよい。」と記載され、同段落【0054】に「判定手段58は、ユーザがクエストに途中参加したときに、所定の条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、判定手段58は、紹介ムービーが終了した時点から当該クエストに途中参加した時点までのクエスト経過時間を取得し、取得したクエスト経過時間が予め設定した時間(例えば10分)以内であるか否かを判定する。」と記載されている。
してみると、願書に添付した明細書には、「判定手段」が「先行ユーザによりクエストが開始された以後の所定の時点から、途中参加ユーザが当該クエストに途中参加した時点までの経過時間を取得する」ものであることや「所定の条件として、前記経過時間が設定時間内であるという条件が成立したか否かを判定する」ものであることが記載されていたのであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でしたものであって、特許法第126条第5項に規定する要件に適合する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2に関して、願書に添付した明細書の段落【0011】には、「上記のゲームプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記途中参加ユーザによる操作入力に応じて、前記ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段、として機能させてもよい。これにより、例えば既に開始されたクエストに対して途中参加したいが報酬の期待値を下げたくないユーザが、経過時間が設定時間以内であるクエスト、経過時間と設定時間の間に十分に時間の余裕があるクエストなどを簡単に見つけ出すことができる。」と記載され、同段落【0048】に「クエストリスト要求手段55は、検索条件設定手段55aを含む。検索条件設定手段55aは、コントローラ24に対するユーザの操作により、サーバ装置3に記憶された救難信号クエストを絞り込むための検索条件を設定する。具体的には、検索条件設定手段55aは、図5に示すような検索条件設定画面D3をディスプレイ19に表示する。検索条件設定画面D3は、サーバ装置3に記憶された救難信号クエストを絞り込むための検索条件を入力可能な画面である。検索条件設定画面D3は、例えば図2に示すゲーム画面D1上で第2クエスト参加ボタンB3が選択されたときに、検索条件設定手段55aによりディスプレイ19に表示される。図5に示すように、検索条件設定画面D3には、複数(ここでは3つ)の検索条件入力ウィンドウB4~B6が表示される。検索条件入力ウィンドウB4~B6は、それぞれユーザの操作入力により検索条件を入力又は選択可能なウィンドウである。このゲームでは、検索条件入力ウィンドウB4に、検索条件としてのクエストの種別(敵キャラクタNとの戦闘、アイテム採取、など)を入力可能であり、また、検索条件入力ウィンドウB5に、検索条件としてのクエストの難易度を入力可能である。また、検索条件入力ウィンドウB6には、検索条件としてクエスト経過時間の範囲を入力可能である。」と記載されている。
してみると、願書に添付した明細書には、「途中参加ユーザにより操作入力が行われるコンピュータ」を「前記途中参加ユーザによる操作入力に応じて、前記ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段として機能させ」る「ゲームプログラム」が記載されていたのであるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でしたものであって、特許法第126条第5項に規定する要件に適合する。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項4を引用する請求項6について、請求項4の訂正により同様に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項4において特定されていた「判定手段」を限定するものであり、発明を特定するための事項の入替えや発明の対象の変更、発明のカテゴリーの変更を行うものでもない。
よって、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に規定する要件に適合する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項4において特定されていた「ゲームプログラム」が「途中参加ユーザにより操作入力が行われるコンピュータ」を「検索条件設定手段」として機能させることを特定して限定するものであり、発明を特定するための事項の入替えや発明の対象の変更、発明のカテゴリーの変更を行うものでもない。
よって、訂正事項2による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に規定する要件に適合する。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項4を引用する請求項6について、請求項4の訂正により同様に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
4 訂正後の請求項に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであること。
(1)本件訂正後の請求項4及び6に係る発明について
本件訂正後の請求項4及び6に係る発明は、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項4及び6に記載されたとおりのものである。
(2)本件訂正後の請求項4及び6に係る発明は、「コンピュータを途中参加ユーザによる操作入力に応じて、ゲームに参加する他の複数のユーザにより開始された複数のクエストを、クエストが開始された以後の所定の時点からの経過時間を用いて絞り込むための検索条件を設定する検索条件設定手段として機能させる」ことが特定されているところ、当該特定事項については、本件特許に係る特許出願の審査において、引用された各先行技術には記載されておらず、その他、当該特定事項を含む本件訂正後の請求項4及び6に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
(3)以上のとおりであるから、本件訂正事項1ないし3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし3は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであり、かつ同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合する。
よって、上記結論のとおり審決する。
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