商標取消審判
2021-301047
タッケンシドットコム、タクケンシドットコム、タッケンシ、タクケンシ、タッケン、タクケン
- 審判番号
- 2021-301047
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-155193
- 登録番号
- 6074611
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2024年07月31日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ネクサスエージェント
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 【被請求人】株式会社CROSS ASSET
- 【被請求人代理人】田中 孝之
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Y (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3項第4号、商標法第2条第3項第6号、商標法第50条、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項、商標法第2条第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6074611号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6074611号商標(以下「本件商標」という。)は、「宅建士ドットコム」の文字を標準文字で表してなり、平成29年11月24日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、同30年8月24日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和4年1月20日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成31年1月20日ないし令和4年1月19日の期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、令和4年3月30日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年7月28日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)及び同5年7月10日付け審判事件意見書(以下「意見書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。審決注:弁駁書と同時に追加提出された証拠は、「甲第1号証」ないし「甲第7号証」として提出されているが、甲第1号証及び甲第2号証は、審判請求書と同時に提出されているので、追加提出された「甲第1号証」ないし「甲第7号証」は、以下「甲第3号証」ないし「甲第9号証」と読み替える。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務(以下「本件審判請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、答弁書において、乙第1号証ないし乙第6号証を提出して、本件商標を用い不動産の賃貸、売買、管理等の営業活動や不動産管理事業を行っていたと主張する。
しかし、当該答弁書において、本件審判請求に係る指定役務について本件商標が使用された事実は一切証明されておらず、本件商標は取り消されるべきである。
(1)各証拠について
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、令和4年3月30日に取得した本件商標権者の履歴事項全部証明書であるが、本件商標の記載がなく、本件商標を使用していた証拠にはなり得ない。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、ホームページ作成ツール(Wix.com)への支払い明細書であるが、本号証には、発行先に「yuka ohataとの記載がある一方で、本件商標権者に対して発行されたことを裏付ける記載はない。
したがって、本件商標権者がWix.comに支払いをしたのか不明である。
また、乙第2号証からは、何者かがホームページ作成ツール(Wix.com)に支払いを行ったことが理解できるにとどまり、当該証拠をもってホームページが開設・公開され、さらには当該ホームページにおいて本件商標が使用されていたかは一切不明である。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、「編集履歴」や「すべての編集履歴」等の記載からすると、ホームページの編集画面であると推測されるが、本号証が作成されたのは2022年2月8日であり、本件審判の請求後のものであるから、本件審判の請求前に本件商標が使用されていたことの証拠とはなり得ない。
また、乙第3号証は、Wix.comの編集画面であるから、当該編集画面の内容で本件審判の請求前に実際にホームページが開設され、かつ公開されていたかは、不明である。
さらに、乙第3号証には本件商標権者を示す記載及び本件審判請求に係る指定役務に関する記載が全くないから、本件商標権者が本件審判の請求前に本件商標を本件審判請求に係る指定役務に使用していたかは不明である。
エ 乙第4号証について
乙第4号証は問い合わせフォームからの問い合わせメールであるが、当該メール内に本件商標権者を示す記載がなく、本件商標権者宛のメールであるのか不明である上に、本件商標が本件審判請求に係る指定役務との関係において使用されていたことを裏付ける記載が全くない。
さらに付言するに、通常の商慣習を踏まえると、コールバックの依頼をわざわざ問い合わせフォームからすることは考えられず、証拠としての信憑性が疑わしい。
オ 乙第5号証について
乙第5号証は、「連絡先:すべての連絡先13」、「連絡先リストを増やしましょう」という記載がなされ、「新規連絡先を作成」や「連絡先を検索」等の選択ボックスがあることから、墨消しされた行を含め全13行の連絡先がリスト状に並べられた連絡先リストであるにすぎない。
また、当該リストには、項目として、「名前」、「メール」などに加えて日付が記載されている箇所があるが、当該日付はその項目名として「最終更新日」と記載されているように、連絡先が更新された日付を示すものである(メールの受信日時を示すものとは認められない。)。
したがって、乙第5号証からは、そもそも乙第4号証に示すメールが受信されたことは一切不明である。
また、乙第5号証からは、乙第4号証のメールの受信先との関係を裏付ける記載や、乙第3号証のホームページ編集画面との関連については不明である。
そのため、本件商標が本件審判請求に係る指定役務について使用されたことの証拠にはなり得ない。
カ 乙第6号証について
乙第5号証は、鍵のシリンダー交換工事に関する発注書であるにすぎず、物件の管理委託契約等を示すものではない。
したがって、本件商標と本件審判請求に係る指定役務との関係は一切不明である。
また、納品・工事場所が墨消しされており、そもそも実際に物件として存在していたのかや、本件商標権者が管理していた物件であるのか事実関係が確認できず、証拠としての信憑性が疑わしい。
(2)被請求人の主張について
ア 本件審判請求に係る指定役務について
被請求人の主張する事業と本件審判請求に係る指定役務との関係が答弁書において何ら主張立証されていない。そのため、本件商標が本件審判請求に係る指定役務において使用されていた事実は認められない。
イ 本件商標権者が行っている事業について
被請求人は、不動産の専門資格者の委託請負を行うに際し、本件商標を使用して、「不動産の賃貸、売買、管理等の営業活動や不動産管理事業等」を行ったと主張しているが、甲第3号証ないし甲第9号証に示すとおり、本件商標権者がこれらの事業を実際に行っていたものとは認められない。
例えば、甲第3号証は、厚生労働省職業安定局によって提供されるデータベースであって、労働者派遣事業を提供する事業所が検索可能なシステムの検索結果を示す。しかし、当該システムにおいて、被請求人を示す結果は一切見当たらない。
その他、甲4号証ないし甲9号証についても、同様に被請求人を示す結果は一切見当たらない。
これらの証拠からすると、そもそも本件商標権者が不動産の専門資格者を雇用して委託請負を行っていたこととは認められず(甲8、甲9)、ましてや不動産の賃貸、売買、管理等の営業活動や不動産管理事業等を行っていたとは認められない(甲3~甲7)。
ウ 被請求人の主張する事業と各乙号証との関係について
(ア)ホームページについて
乙第2号証からはそもそも本件商標権者がWix.comに対して支払ったかが不明である。また、乙第3号証に記載された内容が令和元年10月31日の時点において、実際に開設され、公開されていたとは認められない。
さらに、乙第2号証及び乙第3号証のいずれにおいても、被請求人が主張するような「不動産の賃貸、売買、管理等の営業活動」を裏付ける記載は一切なく、万が一、乙第3号証に記載の編集画面が同時点で公開されていたとしても、被請求人の主張する事業を裏付ける証拠とはならない。
(イ)物件について問い合わせを受けたことについて
乙第4号証及び乙第5号証のいずれにも本件商標に係る「宅建士ドットコム」の記載はなく、乙第4号証に係る問い合わせが本件商標を使用したことによりなされたものとは認められない。
また、乙第4号証のメッセージのみからは被請求人が主張するような事業が提供されていたことが裏付けられているとはいえない。
さらに、乙第5号証は連絡先リストを示すにすぎず、乙第4号証のメールとの関連や、乙第3号証のホームページの編集画面との関連は一切不明であるから、乙第5号証は千葉県松戸市にある物件について問い合わせを受けたことを示す証拠とにはなり得ないし、ましてや本件商標を被請求人が主張する事業に使用していたとは認められない。
(ウ)不動産管理事業を行う際に本件商標を使用していたかについて
乙第6号証は、そもそも警備会社との契約を示す契約書の類ではなく、単にシリンダー交換工事に関する発注書であるにすぎない。
また、当該発注書からは、当該場所のシリンダー交換工事の発注がなされたものと理解できるにとどまり、当該場所が本件商標権者の管理する物件であること、ましてや物件の管理業務に本件商標が用いられていたとは認められない。
なお、付言するに、乙第6号証は実際の物件名及び住所の欄が墨消しされており、単に本件商標権者自身が入居しているビルの発注書の可能性すらある。
3 意見書による主張
被請求人は、令和5年1月19日付け審尋(以下「審尋」という。)に対する同年2月22日付け審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、本件商標を用い不動産の賃貸、売買、管理等の営業活動や不動産管理事業を行っていたと再び主張している。
しかし、回答書において、本件審判請求に係る指定役務について本件商標が使用された事実は依然として一切証明されていない。
(1)各証拠について
ア 乙第7号証ないし乙第19号証
乙第7号証ないし乙第19号証は、それぞれWix.comのサービス紹介、本件商標権者とWix.comの取引の明細、サイトの画面である。
被請求人は、wixinboxのサービスを利用する前提として、サイトを公開しなければならないとの記載がある(乙14)ため、サイトを公開していたと主張しているが、それが直ちにサイトが公開されていた証拠とはいえず、さらに、被請求人の提出の乙第17号証ないし乙第19号証の画面が実際に公開されていたか、また、本件商標が使用されていたかは一切不明である。
イ 乙第17号証ないし乙第22号証
乙第17号証ないし乙第19号証に関し、「編集履歴」や「すべての編集履歴」等の記載からすると、ホームページの編集画面であると推測される。被請求人も2019年5月2日の編集時点でのサイトの写しとしているのみで、実際に公開されたページと一致しているとはいえず、これらの証拠は本件取消審判の請求前に公開していたという証拠にはならない。
したがって、ただの編集画面の写しである、乙第17号証ないし乙第19号証をもって本件取消審判の請求前に本件商標が使用されていたことの証拠とはなり得ない。
また、被請求人は、乙第20号証に示す賃貸物件に関し、乙第21号証にあるように賃借希望人とやりとりを行っていたとしているが、乙第20号証及び乙第21号証のいずれにも本件商標の記載はなく、また、乙第19号証に示すページに関連がある旨の記載はどこにもない。
加えて、乙第21号証中のメッセージ欄には、「・・・物件の件で大至急連絡を取りたい・・・」とあるのみで、メッセージの送信者である「一般紙|団法人Famiyコーポレーション」が賃借希望人であることも定かでなく、そもそも賃貸希望かどうか不明であり、被請求人が不動産賃貸の媒介ないし仲介行為を行っていたかは一切不明である。
ウ 乙第22号証
乙第22号証は、消防用設備等点検結果報告書であるが、本件商標権者は「防火管理者」「立会人」欄に記名押印しているだけで、本件商標権者が建物所有者より物件の管理そのものを委託されている事実は証拠上確認できない。
「防火管理者」とは、消防法に定める国家資格であり、その資格を有する者のうち防火対象物において防火上必要な業務を適切に遂行でき、従業員を管理・監督・統括できる地位にある者で、防火対象物の管理権原者から選任されて、その防火対象物の防火上の管理・予防・消防活動を行う者をいう。
よって、「防火管理者」は資格さえ持っていれば誰でもなることができ、物件の管理者であるとはいえないため、被請求人の主張は受け入れられない。
また、「立会人」とは点検に立ち会った者を指すため、物件の管理とは全く関係のないものである。
以上より、乙第22号証から本件商標権者が建物管理役務を提供しているとはいえない。
エ 乙第23号証
乙第23号証は、賃貸依頼申込書であり、本件商標権者が記名押印しているが、ただ代理人として記名押印しているのみで、物件を管理委託されている証拠とはならない。
オ 被請求人の審尋への回答について
合議体の暫定的な見解として指摘された、本件商標権者が開設したとするホームページにおいて情報が公開されていた時期が不明であることに関し、追加で提出された証拠をもってしても情報が公開されていた時期が客観的でなく、依然として不明である。
(2)小括
上記アないしオのとおり、乙第7号証ないし乙第24号証においては、いずれも、本件商標権者が本件取消審判の請求前に本件商標を使用していたかは依然一切不明であり、使用していた事実を認められない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び回答書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第24号証を提出した。
1 答弁の理由
本件審判請求は成り立たない。
理由は以下のとおりである。
(1)本件商標権者は、平成27年5月に設立され(乙1)、不動産の賃貸、売買、管理等、不動産の専門資格者(宅建士)の委託請負、民泊物件の許認可手続き代行、委託を受けた不動産の管理を行っているほか、外国語通訳翻訳対応リモート人材業務委託を業務としている株式会社である。
本件商標権者は、本件商標を商標登録することにより、不動産の専門資格者の委託請負を行うに際し、宅建士ドットコムという「資格名+ドットコム」という広く知られかつ顧客誘引力を有する名称を使用し、不動産の賃貸、売買、管理等の各種業務展開を行った。
(2)遅くとも令和元年10月31日より、本件商標権者はホームページを開設し(乙2)、同ホームページ上には、宅建士ドットコムと記載した上で(乙3)、不動産の賃貸(民泊事業を含む)、売買、管理等の営業活動を行っていた。
このように、本件商標を使用することにより、例えば、令和元年11月10日には、一般社団法人から、千葉県松戸市にある物件について本件商標権者は問い合わせを受けている(乙4、乙5)。
(3)また、その他本件商標権者は、不動産管理事業を行う際にも、宅建士ドットコムの商標を使用していた。
例えば、令和2年2月6日に、本件商標権者が管理する横浜市中区の物件(被請求人が建物所有者より管理を委託されている物件)に関し、本件商標権者名義で警備会社と契約する際、本件商標を記載していた(乙6)。
2 回答書による主張
(1)審尋に対する回答について
ア 本件商標権者が役務に関する広告を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法による提供していたこと
(ア)本件商標権者が電磁的方法による提供を行っていたこと
本件商標権者は、役務に関する広告を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法による提供していたが、これはWix.comのホームページ作成サービス(乙7)を利用して作成したものである。
なお、Wix.comのホームページ作成サービスは世界的に著名であり、全世界でも2億人近くに使用されている(乙8)。
そして、乙第2号証にはサイトの欄に「cross-solutions」と記載がされていること、また本件商標権者の代表者が、乙第2号証の支払い済と記載の明細書の名宛人と一致すること(なお、乙第2号証の2019年のものだけでなく、同様に支払済みと記載の2020年の支払い済と記載の明細書(乙9、乙10)も存在する。)から、本件商標権者(なお、令和3年4月まで本件商標権者の商号は株式会社CROSS SOLUTIONSである(乙1)。)がWix.comを利用しており、当該ホームページに関する支払いを行っていたものであることは明らかであるといえる。
そして、Wix.comにおいて作成されたホームページについては、編集履歴ごとに過去のホームページ掲載情報が再現可能となっている(乙11)。
さらに、本件商標権者がcross solutions infoのサイトを公開していたことは、被請求人がwixinboxというサービスを利用していたが(乙12、乙13)、このサービスを利用する前提として、サイトを公開しなければならない(乙14)とされていること、及び、2019年1月29日には、本件商標権者の代表者がWix.comより、ドメイン(cross-solitions.info)先の連絡先情報確認の連絡を受け(乙15)、また同じく本件商標権者の代表者がWix.comより、2020年10月1日にはドメイン(cross-solitions.info)について自動更新の連絡を受けていた(乙16)。
以上から、被請求人の提出する画面(乙17~乙19)は、いずれも2019年5月2日時点において、本件商標権者の自社ホームページに掲載されていた内容であることは明らかである。
(イ)電磁的方法による提供が本件審判請求に係る指定役務に関するものであること
本件商標権者は、2019年5月2日午前10時22分編集時点の自社ホームページの「SERVICE」の項目において、「不動産会社様やマンションオーナー様、民泊事業者様よりご依頼ご要望の多い、不動産書類作成や契約事務、民泊認可代行、書類翻訳代行、IT内覧代行、IT重要事項説明を業務委託します。宅建士による契約事務を不動産業務のプロフェッショナルである有資格リモートワーカーが行います」と記載していた(乙17)。
また、本件商標権者は、2019年5月2日午前10時22分編集時点の自社ホームページの「ABOUT US」の項目において、「わたしたちは、不動産業にかかわるすべてのサポートを提供します。住まいをさがす、借りる、貸す、売る、管理する、など専門的な知識を持つ宅建士をはじめ不動産鑑定士や金融ローンの知識を持った人材、行政書士や司法書士など多数の厳選された人材に業務を委託します」と記載していた(乙18)。
そして、これらはいずれも、不動産賃貸の媒介代理、売買媒介代理に関する業務を本件商標権者が行い、これらの業務について広告を行っているものであるから、本件の指定役務(第36類)に関するものである。
また、本件商標権者は、2019年5月2日午前10時22分編集時点の自社ホームページの「BUSINESS FLOW」の項目において、「不動産の宅建士業務を依頼したい」、「IT重要事項説明や契約事務を依頼したい」、「内覧の代行を依頼したい」と記載していた(乙19)。
そして、これらはいずれも、不動産賃貸の媒介代理、売買媒介代理に関する業務を本件商標権者が行い、これらの業務について広告を行っているものであるから、本件の指定役務(第36類)に関するものである。
また、2019年5月2日午前10時22分編集時点の本件商標権者のホームページには「BUSINESS FLOW」の項目「民泊の認可を取りたい」、「民泊許可物件を探したい」との記載(乙19)があるが、これは本件商標権者が、DKハウス松戸という賃貸物件(乙20)について、賃借希望である人間とやりとりを行っていた(乙21)ことからも明らかなように、本件商標権者自身が不動産賃貸の媒介ないし仲介行為を行っていたものである。
なお、上記不動産賃貸の媒介、仲介行為は、本件商標権者が主たる業務である、宅建士や不動産専門職のリモートワークサービスについてのテストマーケティングとして不動産賃貸物件の仲介媒介を行っていたものである。
したがって、本件商標権者は、本件商標について、本件の指定役務に関し、役務に関する広告を内容とする情報に商標を付して電磁的方法により提供していたものであるから、本件商標を使用していたものである。
イ 物件管理行為について
本件商標権者は不動産賃貸物件の管理を行い、管理行為に際して本件商標を使用していた。
(ア)消防用設備等点検結果報告書における本件商標使用
令和2年12月、本件商標権者は、建物管理の委託を受けていた建物において、消防用設備等(特殊消防用設備等)点検報告書に防火管理者、立会者として、商標を付して記名押印を行っていた(乙22)。
そして、消防用設備等点検結果報告書は、点検を受けた建物が消防法上定められた点検を行っていたことを所轄消防署に報告することは、建物管理の役務提供の対象者である建物所有者の利用に供するものであり、また、建物防火管理者として点検報告書に記名押印することは建物管理の役務提供行為といえ、また点検報告書自身が建物管理役務提供に係るものといえるため、それぞれ「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第3号)、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第4号)、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第6号)に当たることから、本件商標権者は本件商標を使用していたことは明らかといえる。
(イ)賃貸依頼申込書における本件商標使用
令和2年12月5日、本件商標権者は、管理委託された物件について委託者(所有者)を代理して不動産会社に対して、賃貸依頼申込書を作成提出し、その際当該商標を使用していた(乙23)。
管理請負契約書は、令和2年12月5日に、日本国内において、本件商標権者が、建物管理についての役務提供に際して、本件商標を付して、役務(不動産管理)に関する取引書類である管理請負契約書を展示したものといえる(商標法第2条第3項第8号)。
また、賃貸依頼申込書は、その性質上、建物所有者に対して、これを供するものであり(ビル管理を委託されているものを当然ビル所有者に賃貸状況を報告しているため)、当該管理請負契約書に本件商標を記載することは、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第3号)、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第4号)、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第6号)に当たる。
(2)弁駁書に対する反論
請求人は、弁駁書を提出しているが、請求人の主張には何ら理由はない。
ア 被請求人提出の証拠についての請求人の評価は全くの的外れであること
請求人は、被請求人が提出した証拠について、るる主張を行うが、これらの主張は全くの的外れなものと言わざるを得ない。
(ア)乙第1号証について
請求人は、令和4年3月30日に取得した本件商標権者の履歴事項全部証明書について、本件商標の記載がなく、本件商標を使用していた証拠にはなり得ないなどと主張する。
しかしながら、登記簿の設立目的はある程度抽象的に記載がされるのが一般的であり、一方で被請求人の登記簿の目的事項には「1 不動産の管理、賃貸、売買及び不動産に関するコンサルティング」、「2 各種コンサルティング」、「10 前各号に付帯する一切の業務」との記載があるのであるから、本件審判請求に係る指定役務について本件商標権者が目的事項としてこれを記載していたことを示すのであって、請求人の上記主張は当を得ないことは明らかである。
(イ)乙第2号証について
乙第2号証について、請求人は、発行先の人物名の記載がある一方で、本件商標権者に対して発行されたものを裏付ける記載はない、また乙第2号証からは何者かがホームページ作成ツール(Wix.com)に支払いを行ったことが理解できるにとどまり、当該証拠をもってホームページが開設・公開され、さらに当該ホームページにおいて本件商標が使用されていたかは一切不明であるなどと請求人は主張する。
しかしながら、Wix.comは、ホームページ管理サイトとして一般的なツールであることは広く知られており(乙7、乙8)、また、乙第2号証にはサイトの欄に「cross-solutions」と記載がされていること、また本件商標権者の代表者(乙1)が乙第2号証の名宛人と一致することから、本件商標権者のホームページに関する支払いであることは明らかであり、この点についての請求人の指摘も当を得ないことは明らかである。
(ウ)乙第3号証について
乙第3号証について、被請求人は、乙第3号証が作成されたのは2022年2月8日であり、本件審判請求の日付であるから、乙第3号証をもって本件審判請前に本件商標である「宅建士ドットコム」が使用されていたことの証拠とはなり得ないと主張する。
しかしながら、乙第3号証には「すべての編集履歴」との記載があり、最終の編集履歴は2020年12月17日午前1時21分と記載がされているのであるから、本件審判の請求前に本件商標権者がホームページ上で宅建士ドットコムの商標を使用していたことは明らかである。
また、請求人は乙第3号証について、上記のとおり、Wix.comの編集画面であり、当該編集画面の内容で本件審判の請求前に実際にホームページが開設され、かつ公開されていたかは、一切不明であるなどと主張する。
しかしながら、本件商標権者が2020年12月16日に至るまでWix.comと契約していたことは明らかであり(乙24)、またWix.comで作成したホームページを公開していたことは上記(1)のように明らかであるから被請求人の主張は当を得ないことは明らかである。
さらに、請求人は、乙第3号証には本件商標権者を示す記載及び本件審判請求に係る指定役務に関する記載が全くないと主張する。
しかしながら、下記のとおり、本件商標権者はホームページにおいて、本件審判請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことは上記(1)のとおりである。
(エ)乙第4号証について
請求人は、乙第4号証のメール内には、本件商標権者を示す記載はなく、本件商標権者宛のメールであるか不明である上に、本件商標が本件審判請求に係る指定役務との関係において使用されていたことを裏付ける記載が全くないなどと主張する。
しかし、乙第4号証は、「サイト訪問者がお問い合わせフォームを送信しました」との記載があり、当該サイトについてURLの記載もあることから、本件商標権者のホームページのお問い合わせフォームから問い合わせがあったことは明らかであって、請求人の主張は当を得ないことは明らかである。
なお、請求人はさらに、メッセージの送信内容として電話を受領したことに対するコールバックを求める内容が記載されているが、通常の商慣習を踏まえると、このようなコールバックの依頼をわざわざお問い合わせフォームからすることはありえず証拠の信ぴょう性は疑わしいなどと主張するが、本件商標権者の相手方が本件商標権者の電話番号は知っているがメールアドレスはわからないという場合にお問い合わせフォームから連絡するというのは不思議ではないものといえ、上記請求人の主張は請求人独自の商慣習観に基づくものである。
(オ)乙第5号証について
請求人は、乙第5号証について、当該リストには、項目として、「名前」、「メール」などに加えて日付が記載されている箇所があるが、当該日付はその項目名として「最終更新日」と記載されているように、連絡先が更新された日付を示すものとは認められない(決してメールの受信日時を示すものとは認められない)など主張する。
しかし、請求人は証拠について個々の証拠単体のみで評価し、複数の証拠を 総合的に評価はしないという通常あり得ない証拠の評価方法をとっていることから上記のような不合理な主張を行っているだけの話である。
すなわち、乙第4号証は、上記のとおり、2019年11月10日に●●ハウス松戸の物件について問い合わせが本件商標権者にあったことを示している(なお、乙第20号証、乙第19号証記載のとおり「DKハウス松戸」という物件に関するものである。)。
そして、乙第5号証の最終更新日も乙第4号証と同一日の記載であること、問い合わせ先ないしメールの相手が「一般紙団法人」と「一般社団法人」の誤記と思われる記載があり、このような誤記が同一日全く偶然に別個に生じ、その証拠を本件商標権者が双方とも所持しているなどということはあり得ないのであって、乙第4号証、乙第5号証はともに、2019年11月10日に本件商標権者がWix.comによって作成したホームページのお問い合わせフォームから本件商標権者に対し不動産物件の問い合わせがあったことを示すものであることは、明白といえる。
(カ)乙第6号証について
納品、工事場所が墨消しされており、実際に物件として存在していたかや、本件商標権者が管理していた物件であるかは確認できないとするが、乙第6号証の本件商標権者の相手方は綜合警備保障株式会社であり、綜合警備保障株式会社は我が国屈指の規模の警備会社であり、そのような会社が架空の物件についての契約をしたり、管理権限のない者と警備に関する契約を行ったりすることがあり得ないことは自明であり、この点でも請求人の指摘は全くの的外れと言わざるを得ない。
イ 被請求人が行っている事業についてとの請求人の主張について
請求人は、甲第3号証ないし甲第9号証を提出し、本件商標権者が本件商標を使用して各種営業活動を行っていないとの主張を行う。
しかし、甲第3号証ないし甲第9号証は、いずれも単に請求人が各種データベースを検索した結果にすぎないのであり、実際の本件商標権者が本件商標を使用した営業活動を行っていたかについて具体的な関連性を有しない。
例えば、請求人は、国土交通省によって提供される賃貸住宅管理業者の検索結果上、本件商標権者が検索できないなどと被請求人を論難する。
しかしながら、そもそも賃貸住宅管理業者の登録は業者の任意に委ねられているのであるから、賃貸住宅管理業者の検索によって本件商標権者が検索できるかどうかという点は本件において何ら意味を有しないものといえる。
また、その他請求人は、るる主張しているが、被請求人が本件商標を本件審判請求に係る指定役務について使用していたことは、答弁書及び回答書における被請求人の主張並びに被請求人の提出証拠により明らかであり、請求人の上記主張は具体的な事実から離れた抽象論の域を出ないものである。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定役務のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 事実認定
被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証は、本件商標権者の令和4年3月30日付けの履歴事項全部証明書であり、「商号」欄に「株式会社CROSS SOLUTIONS」及び「株式会社CROSS ASSET」の記載、「会社設立の年月日」欄に「平成27年5月1日」の記載、「役員に関する事項」欄に「取締役」及びその氏名の記載がある。
ここで、「株式会社CROSS SOLUTIONS」は本件商標権者の旧商号であるものと認められる。
(2)乙第2号証は、被請求人が、本件商標権者が「Wix.com」のホームページ作成サービスを利用していたことを示すと主張するものであり、左上に「Wix.com」の記載、右上に「発行先:」の記載、その下に、欧文字の人物名の記載、その左下の「明細書」の一覧における「サイト」の欄に「cross-solutions」の記載、同「利用期間」の欄に「年額 2019年10月31日-2020年10月31日」の記載がある。
ここで、「cross-solutions」は、本件商標権者の旧商号である上記(1)の「株式会社CROSS SOLUTIONS」と符合しており、上記人物名は、上記(1)の「取締役」の氏名を欧文字で表記したものと解されることから、本件商標権者は、少なくとも令和元年10月31日ないし同2年10月31日の期間中、「Wix.com」の利用者であったものと認められる。
(3)乙第11号証には、1葉目の左上に、「Wixヘルプセンター」の記載、その下に、「サイト編集履歴を管理する」の記載があることから、本号証は、「Wix.com」を利用してウェブサイトを編集する際の当該サービスの利用方法を示すものと解される。
そして、本号証の1葉目には、上記に引き続き、「サイト編集履歴には、サイトの異なるバージョンがいつ保存され公開されたかが表示されます。保存されたバージョンごとに、日付、時刻、アクションを実行したユーザーを確認することができます。以前に保存されたバージョンのサイトは、必要に応じて復元することができます。」の記載がある。
また、本号証の2葉目の下部に、「サイトのバージョンを復元する方法: 1.サイト編集履歴にアクセスします。 2.該当するバージョン横の「矢印」アイコン(>)(審決注:「(>)」は丸囲みの「>」)をクリックします。 3.バージョンを見直して、復元したい内容であることを確認します。 4.「復元」をクリックします。」の記載がある。
(4)乙第17号証は、被請求人が、本件商標権者が2019年5月2日午前10時22分編集時点の自身のホームページで記載していた内容であると主張するものであり、パソコン等の表示画面を撮影したと思われる写真が示されている。
そして、当該表示画面において、左上に、「WIX」の記載、その下に、「編集履歴」の記載、その下に、「2019年5月2日 午前10:22」の記載及び周囲が青色で白抜きの「復元」の文字を含むアイコンの記載、その下に、「公開済み サイト所有者」の記載、その右に、上段に「宅建士と情報をリモートワークでつなぐ」及び下段に「宅建士ドットコム」の各文字の表示(以下「使用商標」という。)、その下に、「サービス(Service)」の記載、その下に、「民泊事業サポート」の記載、その下に、「不動産会社様やマンションオーナー様、民泊事業者様よりご依頼ご要望の多い、不動産書類作成や契約事務、民泊認可代行、書類翻訳代行、IT内覧代行、IT重要事項説明を業務委託します。」の記載がある。
これらの記載を上記(3)に照らすと、上記表示画面は、「Wix.com」の「編集履歴」の画面であり、「サイト所有者」が、使用商標を付したウェブページを編集し、令和元年5月2日におけるバージョンとして保存し、かつ公開したことを示すものであるといえる。
ここで、令和元年5月2日は、上記(2)の期間の開始日よりも数ヶ月前の日付であるものの、本件商標権者は、この日付において既に「Wix.com」の利用者すなわち「サイト所有者」であったものと推認でき、これを利用して使用商標を付した上記ウェブページを作成して公開したものと認められる。
(5)乙第23号証は、被請求人が、管理委託された物件について委託者(所有者)を代理して不動産会社に対して本件商標権者が作成提出した賃貸依頼申込書であると主張するものであり、左上に、「賃貸依頼申込書」の記載があり、その下に、「貸主」、「代理人」及び「賃貸物件」の各表が記載されている。
そして、「代理人」の表において、「代理人氏名」欄に「株式会社クロスソリューションズ 宅建士ドットコム」及び氏名の記載、「賃貸物件」の表において、「物件住所」欄に「〒231-0045横浜市中区」の記載がある。
また、本号証の右下に、不動産会社の社名の記載、その下に、「上記物件の賃貸募集を依頼します。」の記載、その下に、「2020年12月5日」の記載、その右下の「住所」欄に、住所の記載、その下の「氏名」欄に、「株式会社クロスソリューションズ 宅建士ドットコム(R) 代表取締役」(審決注:「(R)」は丸囲みの「R」であり、上付文字として記載されている。)の文字及びその氏名の記載がある。
ここで、上記「住所」欄の住所が本件商標権者の住所と一致しており、「代理人氏名」及び「氏名」の各欄に、「宅建士ドットコム」すなわち本件商標や、上記(1)の「取締役」の氏名と同じ氏名が記載されているから、本号証は、横浜市中区に存在する建物についての不動産会社への賃貸募集の依頼に係る賃貸依頼申込書であって、本件商標権者は、令和2年12月5日付けで、当該建物の貸主を代理して当該書類を作成したものと認められる。
3 判断
(1)使用者、使用商標、使用時期について
上記2(4)のとおり、本件商標権者は、使用商標を付したウェブページを令和元年5月2日に公開したものと認められるから、使用商標の使用者は本件商標権者である。
また、使用商標における「宅建士ドットコム」の部分は、自他商品役務の識別力を有する部分として、上段の「宅建士と情報をリモートワークでつなぐ」の文字部分から独立しているといえるから、使用商標は、実質的に本件商標の使用である。
さらに、上記ウェブページが公開された令和元年5月2日は、要証期間に含まれる。
(2)使用役務について
本件商標権者が上記2(5)の書類を作成したことは、特定の建物についての賃貸募集の依頼を代理する役務についてなされたものであって、当該役務は、本件審判請求に係る指定役務中の「建物の管理」の範ちゅうに属するものと認められる。
(3)使用行為について
上記2(4)のウェブサイトは、「不動産会社様やマンションオーナー様、民泊事業者様よりご依頼ご要望の多い、不動産書類作成や契約事務、民泊認可代行、書類翻訳代行、IT内覧代行、IT重要事項説明を業務委託します。」の記載や、当該ウェブページが公開された令和元年5月2日及び上記2(5)の書類に係る令和2年12月5日の日付の関係よりすれば、上記(2)の役務に関する広告であって、当該ウェブページを公開した行為は、商標法第2条第3号第8号における「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
4 請求人の主張について
請求人は、意見書において、乙第23号証は賃貸依頼申込書であり、本件商標権者が記名押印しているが、ただ代理人として記名押印しているのみで、物件を管理委託されている証拠とはならない旨主張している。
しかしながら、上記3(2)のとおり、本件商標権者が本号証に係る書類を作成したことは、本件審判請求に係る指定役務中の「建物の管理」の範ちゅうに属する役務についてなされたものと認められるから、請求人の上記主張は採用できない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、本件審判請求に係る指定役務の範ちゅうに属する役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたこと証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-301047