商標拒絶査定不服審判
2023-010714
ドクターノセツゼー
- 審判番号
- 2023-010714
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-067443
- 請求日
- 2023年06月28日
- 審決日
- 2024年07月24日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ネクサスエージェント
- 【請求人代理人】古谷 栄男
- 【請求人代理人】松下 正
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W093642) / T18 .271-Z (W093642)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-67443拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ドクターの節税」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第36類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務(別掲1)を指定商品及び指定役務として、令和4年6月13日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年11月30日付けで拒絶理由の通知がされ、同5年1月16日付けで意見書が提出されたが、同年3月24日付けで拒絶査定され、これに対し、同年6月28日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、本願商標は「ドクターの節税」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「ドクター」の文字は「医者。医師。」の意味を、「節税」の文字は「各種の所得控除や非課税制度を活用して、税金の軽減をはかること。」の意味を有する、いずれも一般的に知られた平易な語であるから、全体として、「医者の節税」ほどの意味合いを容易に認識させ、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「医者の節税」ほどの意味合いで「ドクターの節税」の文字が使用されている実情及び節税のためのアプリの提供、不動産投資及び資産運用が行われている実情があるから、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば、「医者の節税のための電子計算機用プログラム」、「医者の節税のための不動産投資」、「医者の節税のための電子計算機用プログラムの提供」等、「医者の節税に関する商品及び役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質を表示したものとして認識するにとどまり、また、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるため、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ドクターの節税」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ドクター」の文字は「博士。医者。」(株式会社小学館発行「大辞泉 第二版」)等の意味を有する語であり、「節税」の文字は「所得控除や非課税制度を活用して税負担を軽減すること」(前掲書)の意味を有する語であり、本願商標はこれらの文字(語)を格助詞「の」で結合したものと認められる。
また、格助詞「の」は、「連体修飾格として諸種の関係を表す」ものであり、「~のための」等の意味を有するものと認められる(前掲書)。
そして、別掲2の情報からも裏付けられるように、広く一般に、節税に関する書籍や電子出版物が販売され(別掲2(1)~(5))、当該書籍や電子出版物が誰に向けたものであるかを端的に表示するために、節税を行う者を示す語とともに「○○の節税」(「○○」は、節税を行う者が入る。以下同じ。)と使用されている実情(別掲2(6)~(10))が認められる。
また、この際に、別掲3の情報にあるように、書籍について「医師・歯科医師の節税」や「ドクターのための節税」などの語が使用され、当該書籍の内容が医者向けの節税に関するものである実情もある。
以上のことからすると、本願商標は、構成全体として、「医者のための(医者向けの)節税」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物」に含まれる「医者のための(医者向けの)節税を内容とする電子出版物」に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品が医者のための(医者向けの)節税を内容とする電子出版物であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるといえることから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を「医者のための(医者向けの)節税を内容とする電子出版物」以外の「電子出版物」に使用するときは、あたかも、当該商品が、医者のための(医者向けの)節税を内容とする商品であるかのように、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、本願商標を一体としてみた場合には、その文字に応じて、医者や博士に関連のある節税という程度の抽象的な概念が生じるものの、当該文字が直ちに特定の商品の品質・役務の質を具体的に表示するものではない旨及び「ドクターの節税」の文字が使用されている例として列挙された事実のうち、「ドクターの節税」が使用されている例は2例にすぎず、「ドクターの節税」だけでは抽象的であって通常の用法ではなく、直ちに商品の品質や役務の質を表すものとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、節税に関する書籍や電子出版物において、「○○の節税」と使用されている実情がある上、医者を対象とする節税に関する書籍について、「医師・歯科医師の節税」や「ドクターのための節税」などの語が使用され、当該書籍の内容が医者向けの節税に関するものも販売されていることから、本願商標からは「医者のための(医者向けの)節税」ほどの意味合いを容易に理解させるものといえ、これに接する取引者、需要者は、抽象的な概念に止まらず、商品の品質を表示したものと理解すると判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書において、過去の登録例や審判例を挙げ、本願商標も同様の判断をすべき旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他商品識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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