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商標取消審判

2025-300119

イケゼン、チゼン

審判番号
2025-300119
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2020-156678
登録番号
6499385
請求日
2025年01月30日
審決日
2026年04月23日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 池善
  • 【請求人代理人】山田 威一郎
  • 【被請求人】井上 博之
  • 【被請求人代理人】西村 竜平
  • 【被請求人代理人】齊藤 真大
  • 【被請求人代理人】上村 喜永
  • 【被請求人代理人】中村 惇志
  • 【被請求人代理人】前田 治子
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 濱田 佐代子
  • 審判官 浜岸 愛
分類
T132 .1 -Y (W36)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第38条第5項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6499385号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6499385号商標(以下「本件商標」という。)は、「池善」の文字を標準文字により表してなり、令和2年12月18日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」及び第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同4年1月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録の日は、令和7年2月13日であり、その請求の登録前3年以内の同4年2月13日から同7年2月12日までの期間を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」(以下「請求に係る役務」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び令和7年4月18日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年6月9日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、証拠の表記にあたっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」と表す場合がある。)。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、請求に係る役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 被請求人は、本件商標に係る通常使用権者である株式会社リバティ池善(以下「リバティ社」という。)が、要証期間内に本件商標を同社のWEBサイト(以下「本WEBサイト」という。)で使用していたとの主張をし、本WEBサイトの画面印刷を乙第1号証から乙第6号証として提出しているが、本WEBサイトのトップページ(乙1~乙3)に掲載の商標は、「IKEZEN」の欧文字の商標にすぎず、本件商標「池善」と社会通念上同一の商標は使用されていない。 また、本WEBサイトの創業150周年特設ページ(乙6、以下「本件特設ページ」という。)には、特設ページのタイトル及びロゴマークの創作意図の説明の中で、「[池善]創業150周年特設ページ」、「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。」(合議体注:乙6に記載された「150週年」は「150周年」の誤記と思われる。以下同じ。)との記載があるが、これらの記載中の「池善」の文字は、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものではないから、本WEBサイトは、本件商標が要証期間中に「請求に係る役務」に使用されたことの証拠にはなり得ない。 (1)欧文字商標と本件商標の同一性の欠如 被請求人は、「本件商標「池善」と欧文字「IKEZEN」は、同一の称呼「イケゼン」が生じ、また相互に変更することで別異の観念が生ずるものではなく、社会通念上同一の商標である。」との主張をしている。 しかしながら、本件商標「池善」と欧文字商標「IKEZEN」は、「イケゼン」の称呼は共通するものの、外観に顕著な差異があり、観念も同一とはいえない商標であるため、両商標が社会通念上同一の商標であるとはいえない。 商標法第38条第5項は、「登録商標」との語に関する括弧書きの中で、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」との規定をしており、社会通念上同一の商標の例として、平仮名、片仮名、ローマ字を相互に変換する商標が挙げられているが、漢字とローマ字(欧文字)を相互変換した商標に関しては、明示的な記載がない。これは、漢字とローマ字(欧文字)を相互変換した商標に関しては、原則として、社会通念上同一の商標として扱わないことを意図しているからであると考えられ、「池善」の漢字2文字からなる本件商標と、「IKEZEN」の欧文字からなる商標を社会通念上、同一の商標であると認めることはできない。 また、商標法第38条第5項括弧書きの規定では、平仮名、片仮名、ローマ字を相互に変換する商標に関しても、同一の称呼及び同一の観念が生じることが社会通念上同一の商標であると解釈するための要件とされているが、本件商標「池善」と欧文字商標「IKEZEN」は、いずれも特段の観念は生じない造語商標であるため、両商標は観念が同一であるとはいえない。 この点に関し、被請求人は、両商標から、別異の観念は生じないとの主張をしているが、別異の観念が生じない(両商標に観念がない)からといって、両商標の観念が同一であるといえないことは明らかである。 なお、特許庁の過去の審決では、漢字と欧文字を相互変換した商標に関しては、同一の観念が生じるとはいえないことを理由に、社会通念上同一の商標にはあたらないと判断されている事例(甲3)があり、本件に関しても、これと同様の判断を行うのが妥当である。 また、漢字とその読みを欧文字で表した商標に関しては、非類似と判断している審決(甲4-1~甲4-4)が多数存在しているところであり、類似にもなり得ない商標を社会通念上同一であると評価できないことは明らかである。 そして、本件商標は、「ikezen」の文字を要部とし、「イケゼン」と称呼される登録第5724487号(甲5)と非類似と判断されて、商標登録された経緯があるが、この先行商標との類否判断では、両商標の外観の差異が称呼の共通性よりも重視されたものであると考えられる。そうすると、本件商標「池善」と欧文字商標「IKEZEN」の同一性の判断においても、両商標の外観上の差異を看過することはできず、「イケゼン」との称呼の共通性を根拠に、両商標を社会通念上同一であると判断することは妥当でない。 以上の点に鑑みると、本件商標「池善」と欧文字「IKEZEN」が社会通念上同一の商標にあたらないことは明らかである。 よって、欧文字「IKEZEN」の使用証拠は、本件商標の使用証拠にはなり得ない。 (2)本件特設ページにおける使用態様 被請求人は、「本WEBサイトにおける創業150周年特設ページ(乙6)には、「[池善]創業150周年特設ページ」、「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。150週年を節目とし気持ち新たに出発点とし、情報・サービスを充実させると共に今まで以上に皆様のお役に立てる企業を目指す所存です。」と表記され、本件商標が付されている。」と主張している。 しかしながら、本件特設ページにおける「池善」の文字は、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものではなく、第36類の指定役務に関する本件商標の使用にはあたらない。 本件特設ページでは、リバティ社の150周年記念広告の上に、「[池善]創業150周年特設ページ」との記載がされているが、この記載は、広告のタイトルにすぎず、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものではない。 また、本件特設ページにおける広告の文章では、「テナント仲介・ビル管理はリバティ池善にお任せください。」、「株式会社リバティ池善はおかげさまで創業150周年」との表現しか使用されておらず、「池善」の商標は使用されていない。 本件特設ページでは、150周年記念ロゴマークの作成の意図に関し、「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。150週年を節目とし気持ち新たに出発点とし、情報・サービスを充実させると共に今まで以上に皆様のお役に立てる企業を目指す所存です。」と記載がされているが、かかる記載はロゴマークの作成意図の説明にすぎず、冒頭の「池善」の文字が、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものでないことは明らかである。 なお、本件特設ページにおいて、「リバティ池善創業150周年特設ページ」「リバティ池善創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。」との記載をせず、「[池善]創業150周年特設ページ」、「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。」と記載がなされている意図は、リバティ社が「池田屋」の事業を引き継ぐ会社のうちの1社にすぎず、リバティ社自身に150年の歴史があるわけではないためである。 本件特設ページで紹介されている150周年記念ロゴには「since1868」の記載があるが、リバティ社の設立は、平成元年であり、リバティ社自身に150年の歴史があるわけではない。 本件特設ページにも記載のとおり、慶応4年(1868年)頃に錢刀商の井上善兵衛が「池善」を名乗っていたことは事実であり、その後、子孫の井上家一族が化粧品店、不動産関係、電気工事業などの商売を営む際に、共通の屋号として「池善」を使用してきた経緯がある。 本件特設ページにおいては、このような経緯に鑑みて、意図的に「[池善]」との表記がされているが、リバティ社が不動産業に関して使用している商標はあくまで「リバティ池善」であり、この特設ページに記載の「[池善]」の表示が、不動産関連の役務に関する出所識別標識として機能するとはいえない。 以上の点に鑑みると、本件特設ページにおける「池善」の文字が、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものでないことは明らかである。 よって、本件特設ページにおける「池善」の文字の使用は、本件商標の使用証拠にはなり得ない。 (3)結論 以上のとおり、本WEBサイトは、本件商標が要証期間中に請求に係る役務に使用されたことの証拠にはなり得ない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証から乙第8号証を提出した。 1 本件商標が使用されている事実 (1)使用の主体 本WEBサイトの各ページのフッター部分に発行主体を示す「株式会社リバティ池善」との文字が記載されていること(乙1~乙6)、本WEBサイトにおける会社案内ページ(乙4)に、会社名として「株式会社リバティ池善」と記載されていることから、本WEBサイトの運営事業はリバティ社が行っていることは明らかである。 リバティ社は、本WEBサイトのトップページ(乙1~乙3)、会社案内ページ(乙4)、事業紹介ページ(乙5)に記載されているように、「テナント賃貸事業」、「不動産管理事業」、「不動産売買事業」等を業として行う会社である。 そして、リバティ社は、「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」の役務において、被請求人から本件商標の通常使用権を許諾された通常使用権者である(乙8)。 したがって、本WEBサイトにおける本件商標の使用の主体は、通常使用権者である。 (2)使用の行為 本WEBサイトは、トップページにおいて、「テナントのIKEZEN」、「管理のIKEZEN」、「売買のIKEZEN」と表記してその事業内容をキャッチーに表示したり、おすすめ物件情報を価格とともに掲載したりしていることから(乙1~乙3)、事業内容について広告的な効果を狙っているものであることは明らかである。 そして本WEBサイトのトップページには、上記のように「テナントのIKEZEN」、「管理のIKEZEN」、「売買のIKEZEN」といった表記や、「IKEZEN物件検索システム」、「IKEZEN来店予約システム」といった表記をして本件商標が付されており、本WEBサイトの各ページのヘッダ一部分には企業ロゴとして「IKEZEN」が表記されている。なお、本件商標「池善」と欧文字「IKEZEN」は、同一の称呼「イケゼン」が生じ、また相互に変更することで別異の観念が生ずるものではなく、社会通念上同一の商標である。 また、本WEBサイトにおける創業150周年特設ページ(乙6)には、「[池善]創業150周年特設ページ」、「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。150週年を節目とし気持ち新たに出発点とし、情報・サービスを充実させると共に今まで以上に皆様のお役に立てる企業を目指す所存です。」と表記され、本件商標が付されている。 これらの各行為は、商標法第2条第3項第8号に規定されている「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。 したがって、本件商標は、その指定役務である「建物の管理」、「建物の貸借の代理又は媒介」、「建物の売買の代理又は媒介」、「建物又は土地の情報の提供」について使用されている。 (3)使用期間 Wayback Machineで確認できる過去のWEBページからも分かるように、本WEBサイトのトップページにおいては、少なくとも2024年6月15日から現在に至るまで本件商標が使用されている(乙7)。 また、乙第6号証は、本WEBサイトの創業150周年特設ページを2024年9月12日に印刷(出力)したものであり、この乙6のヘッダ一部分に記載された印刷日(出力日)から分かるように、当該創業150周年特設ページにおいては、少なくとも2024年9月12日から現在に至るまで本件商標が使用されている。 したがって、本件商標は、要証期間に使用されている。 (4)使用地域 本WEBサイト及び本WEBページは、日本国内で開示されている。 したがって、本件商標は日本国内において使用されている。 (5)小括 以上に述べたことから明らかなように、本件商標は、その指定役務である「建物の管理」「建物の貸借の代理又は媒介」「建物の売買の代理又は媒介」「建物又は土地の情報の提供」について、通常使用権者によって、要証期間内に日本国内において使用されている。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の証拠の内容 (1)乙第1号証から乙第3号証 乙第1号証から乙第3号証は、リバティ社のウェブサイトのトップページとされるものであり、そのアドレスは「https://ikezen.net」である。そして、これらには、左上部に「2025/04/16」及び「IKEZEN」の表示があり、街並み等の写真とともに「テナントのIKEZEN テナント・店舗・事務所をお探しの方はこちらから」(乙1)、「管理のIKEZEN マンションビル管理・入居者募集・設備管理はこちらから」(乙2)及び「売買のIKEZEN ご所有の不動産の売却・不動産の購入はこちらから」(乙3)の文字が表示され、それらの下部には「おすすめ物件」の見出しの下、複数の物件写真及び価格が掲載されている。 (2)乙第4号証 乙第4号証は、リバティ社のウェブサイト「会社案内」のページであり、これには、左上部に「2025/04/16」及び「IKEZEN」の表示があり、「事業内容」には「宅地建物取引業(賃貸・売買)」「不動産の賃貸・管理(事業用・住居用)」等の記載がある。 (3)乙第5号証 乙第5号証は、リバティ社のウェブサイトの「事業紹介」のページであり、これには、左上部に「2025/04/16」及び「IKEZEN」の表示があり、「事業紹介」の見出しの下、「テナント賃貸事業 京都市内を中心にテナント(店舗・事務所)マッチングを行い、店舗出店のお手伝いを致します。」、「不動産管理事業 ビル、マンション、戸建て等の不動産の建物及び入居者の管理業務を致します。」及び「不動産売買事業 お客様の大切な不動産の査定・売却及び購入のお手伝いをさせていただきます。」等の記載がある。 (4)乙第6号証 乙第6号証は、リバティ社のウェブサイトの「[池善]創業150周年特設ページ」(本件特設ページ)であるところ、左上部に「2024/09/12」及び「IKEZEN」の表示があり、また、上部中央の「[池善]創業150周年特設ページ」の見出しの下、街並みの写真の中央部に「テナント仲介・ビル管理はリバティ池善にお任せください。」の記載がある。 そして、乙第6号証の下部中央には、「弊社は創業150週年を迎えました。皆様には、永年のご愛顧に感謝すると共に改めて御礼申し上げます。」の記載とともに「150周年ロゴについて」の表示の下、「おかげさまで」「創業」「150」「周年」「IKEZEN」及び「since 1868」の文字と図形を組み合わせてなるロゴマーク並びに「[池善]創業150週年を記念しロゴマークを作成致しました。」等の記載がある。 また、本件特設ページのフッターには、文章の一部が欠けているものの、「京都四条河原町・烏丸のテナント・店舗・事務所とビル・マンション管理はリバティ池善まで」の記載がある。 (5)乙第7号証 乙第7号証は、過去のウェブサイトを検索・閲覧できる「Wayback Machine」を用いたウェブサイトであるところ、当該サイトは、乙第1号証から乙第3号証のURL(https://ikezen.net)と同一である。また、当該ウェブサイトは、2024年6月15日時点におけるウェブサイトであって、街並みの写真とともに「テナントのIKEZEN テナント・店舗・事務所をお探しの方はこちらから」の文字が表示され、その下部には「おすすめ物件」の記載の下、複数の物件写真及び価格が掲載されている。 (6)乙第8号証 乙第8号証は、表題が「商標使用許諾契約書」であり、「A(商標権者)(以下「甲」という。)と株式会社リバティ池善(以下「乙」という。)とは、甲の所有する商標の使用許諾に関し、次のとおり契約を締結する。」の記載の下、第1条から第12条までの条項が記載されている。 「第1条(定義)」には「(1)「本商標」とは、甲の所有する次の商標をいう。」として、「登録番号:第6499385号」の記載がある。 「第2条(使用許諾)」には、「甲は、乙に対し、本契約有効期間中、本地域において、次の役務において、本商標を使用する通常使用権を許諾する。」の記載の下、「・建物の管理」「・建物の貸借の代理又は媒介」「・建物の貸与」「・建物の売買」「・建物の売買の代理又は媒介」「・建物又は土地の情報の提供」等の記載がある。 「第11条(契約期間)」には、「本契約の有効期間は、本契約締結の日から1年間とする。契約期間終了の30日前までに、甲又は乙のいずれからも書面による解約通知がない場合、本契約は同一条件でさらに1年間自動的に更新されるものとする。」の記載がある。 末尾には、「令和6年4月1日」の記載とともに、甲の住所及び氏名並びに乙の住所、名称及び代表取締役の氏名の記載がある。 2 認定事実 (1)商標権者とリバティ社は、令和6年4月1日に、契約の有効期間を同日から1年間(令和7年3月末日まで。以降、1年ごとに自動更新)として、「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」等の役務において、商標権者の所有する本件商標(登録第6499385号商標)を使用する通常使用権に関する契約を締結した(乙8)。 (2)リバティ社は、「宅地建物取引業(賃貸・売買)、不動産の賃貸・管理(事業用・住居用)」を事業内容としているところ(乙1~乙6)、同人の2024年6月15日のウェブサイト(乙7)及び2025年4月16日のウェブサイト(乙1~乙3)のURLは同一であり、両ウェブサイトは、「テナントのIKEZEN」「テナント・店舗・事務所お探しの方はこちらから」等の表示及び物件を紹介する複数の写真が掲載されているといった構成を同じくするものである。 (3)リバティ社は、2024年9月12日に出力された本件特設ページにおいて、「[池善]創業150周年特設ページ」の見出しの下、「弊社は創業150週年を迎えました。皆様には、永年のご愛顧に感謝しますと共に改めて御礼申し上げます。」の記載とともに、150周年を記念した「IKEZEN」の文字と他の文字及び図形を組み合わせたロゴマークを紹介した。そして、当該ページのフッターには、「京都四条河原町・烏丸のテナント・店舗・事務所とビル・マンション管理はリバティ池善まで」の記載がある(乙6)。 3 判断 上記2において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件特設ページに表示された「[池善]創業150周年特設ページ」の「創業150周年特設ページ」の部分は、事業が150年継続していることを示すための見出しであるが、「池善」の文字(以下「使用商標」という。)は、上部中央の当該見出しの前に配されていることに加え、[ ](かっこ)で強調されていることから、看者の注意を強く引くものといえ、使用商標は、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。 また、本件商標は、前記第1のとおり「池善」の文字からなり、使用商標も「池善」の文字からなるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。 (2)使用商標の使用時期について 使用商標が表示されている本件特設ページは、2024年9月12日付けであるところ、当該日付は要証期間である。 (3)使用商標の使用役務及び使用行為について 乙第1号証から乙第3号証とほぼ同内容のウェブサイトが2024年6月15日時点において公開されていたものと推認できることからすると、遅くとも2024年6月15日以降、要証期間において、リバティ社は、ビル、マンション、戸建て等の建物の管理や不動産売買事業等を行っていたと認めることができる。そして、リバティ社の提供する役務「ビル、マンション、戸建て等の建物の管理」(以下「使用役務」という。)は、請求に係る役務中の「建物の管理」に含まれるものである。 そして、本WEBサイトにおいては、使用役務及びそれに係る建物が紹介されていることからすれば、当該ウェブサイトはリバティ社の使用役務に関する広告を目的とするものであって、また、本件特設ページのフッターに「・・テナント・店舗・事務所とビル・マンション管理はリバティ池善まで」の記載があることからすれば、本件特設ページもリバティ社の使用役務に関する広告といい得るものである。 以上によれば、本件特設ページにおいて、リバティ社が使用役務に関する広告を内容とする情報に使用商標を付したということができ、役務に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為をしたものと認められ、これは、商標法第2条第3項第8号に規定する行為に該当する。 また、当該行為は、日本国内において行われたことが明らかである。 なお、請求人は、リバティ社が使用している商標は、「リバティ池善」であり、本件特設ページに記載の「池善」の表示は、リバティ社が提供している不動産関連業務の出所識別標識として使用されているものでなく、請求に係る役務に関する本件商標の使用にはあたらない旨主張している。 しかしながら、本件特設ページの「[池善]創業150周年特設ページ」の表示において、「池善」の文字が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえることは上記(1)のとおりであり、また、リバティ社が、本WEBサイトにおいて「IKEZEN」の文字を表示し、本件特設ページに「IKEZEN」及び当該文字を構成中に表示した創業150周年を記念するロゴマークを掲載していることも合わせみれば、本件特設ページにおける「池善」の表示は、リバティ社が使用役務に使用する商標とみるのが自然である。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (4)使用商標の使用者について 本件特設ページは、リバティ社に係るウェブサイトであるところ、同人は、商標権者と本件商標に関して、令和6年4月1日に有効期間を同日から1年間とする通常使用権の契約を締結しているから、本件特設ページにおいて使用商標を使用しているのは、通常使用権者である。 (5)小括 以上によれば、本件商標の通常使用権者であるリバティ社は、要証期間に日本国内において、本件審判請求に係る指定役務中、第36類「建物の管理」に含まれる使用役務に関する広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一の商標である使用商標を付して、電磁的方法(インターネット)により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)をしていたものと認められる。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件商標の指定役務について使用していたことを証明したものと認められる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。

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