商標取消審判
2021-301014
ダイワ、ヤマト
- 審判番号
- 2021-301014
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1992-114625
- 登録番号
- 3323180
- 請求日
- 2021年12月20日
- 審決日
- 2023年02月01日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 大和フーズ
- 【請求人代理人】鎌田 和弘
- 【被請求人】大和食品工業 株式会社
- 【被請求人代理人】山川 茂樹
- 【被請求人代理人】本山 泰
- 【被請求人代理人】小池 勇三
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T131 .1 -Z (042)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第5号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第3323180号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第3323180号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第3323180号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成4年5月21日に登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として同9年6月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和4年(2022年)1月14日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成31年(2019年)1月14日から令和4年(2022年)1月13日までを以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務、第42類「飲食物の提供」(以下「請求に係る指定役務」ということがある。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人による使用の日付や期間の主張は極めて客観性に欠けるものであり、何ら日付・期間が立証されていない。
乙第5号証ないし乙第7号証における令和4年2月の撮影日が仮に真実であるとしても、その時点(令和4年2月時点)で、このようなメニュー表示があると認められるのみであって、要証期間内に日本国内において使用した証明とは認められない。
(2)本件商標には、「だい」及び「わ」のふり仮名が各漢字毎に右横に付帯されて漢字二文字が横書きされているのに対し、乙第6号証と乙第7号証のメニュー文字には、ふり仮名はなく、かつ漢字の縦書きである。さらに、図案化された漢字「大」と「和」の書体・形状についても、本件商標のそれとは大きく異なる。さらに、乙号証のメニュー文字は、「だいわ」と称するような示唆や誘導はなく、「やまと」と称呼される場合がある。
したがって、メニュー表の「大和」は、本件商標と同一の出所を表示するものと理解・認識できるものではない。
(3)メニュー表示には「肉処 大和の牛肉を使用した○○」と表示されており、数多く存在するメニュー料理の中のわずか二品目についての料理の説明書きにすぎない。つまり、提供にかかる多数の料理品目中二品の料理の内容についての使用材料(特定の一材料たる肉の出所(入手先))の説明がなされているものであって、飲食物の提供者が何者であるのかの出所を表示しているものではない。
(4)また、被請求人の主張する標章の使用が、仮に商標的使用態様であるとしても、本件商標の請求に係る役務との関係において、役務の提供者(飲食物の提供者)が何者であるのかを識別する機能(自他役務等識別機能)を有しておらず、何らの役務提供者の出所表示機能も有していない。
(5)以上のとおり、被請求人により提出された各証拠は、本件登録商標の商標法第50条第2項の使用を証明するものではない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及ないし乙第7号証を提出した。
1 本件商標権者(被請求人)は、昭和32年に設立され、食肉製品製造販売業、食肉卸小売業の他、飲食店経営を事業内容として、現在に至るまで事業活動を継続している企業である(乙1)。
2 本件商標権者は、株式会社アトレと2021年1月22日付けで定期賃貸借契約を交わし(乙2)、東京都品川区大井1-2-1にある「アトレ大井町」6階において、「和食瑞花(みずか)」を展開している(乙3、乙4)。なお、乙第2号証の2021年の契約以前から同地において「和食瑞花」の営業を行っている。
3 本件商標権者は、上記「和食瑞花」の店頭に同店で提供する料理のサンプルを展示するサンプル棚を設け(乙5)、サンプルとともに「肉処 大和の牛肉を使用したステーキ丼御膳」、「肉処 大和の牛肉を使用したすき焼き御膳」といった表示を行っている(乙6)。また、同店の御品書き(メニュー)においても同様の表示を行っている(乙7)。これらの表示は、本件審判請求前より行っている。
4 上記表示における「大和」は本件商標と社会通念上同一の商標である。また、上記のサンプル及び御品書きは、本件商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、「役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。・・・)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」であるから、商標法第2条第3項第5号である。
5 上述のとおり、本件商標権者は、過去3年の間に本件商標を指定役務に対して使用していた事実があるので、商標法第50条第1項に規定される取消理由には該当しない。
第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和4年10月26日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者が、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した令和4年4月14日付けの弁駁書に対する回答を求めた。
第5 審尋に対する回答
前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。
第6 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下のとおりである。
(1)本件商標権者は、昭和32年に設立され、食肉製品製造販売業や飲食店経営を事業内容として、現在に至るまで事業活動を継続している(乙1)。
(2)本件商標権者は、株式会社アトレと2021年1月22日付けで定期賃貸借契約を交わし(乙2)、東京都品川区にある「アトレ大井町」6階において、「和食瑞花(みずか)」を展開している(乙3、乙4)。
なお、当該契約の終期は不明であるが、当該契約に係る営業料に関する覚書には、営業料の適用期間は2022年2月1日から同年7月31の間とする旨の記載がある(乙2)。
(3)「和食瑞花」の店頭には、同店で提供する料理のサンプルを展示するサンプル棚が設けられており(乙5)、当該サンプル棚には、提供する料理のサンプルとともに「肉処 大和の牛肉を使用したステーキ丼御膳」、「肉処 大和の牛肉を使用したすき焼き御膳」といった表示(乙6)がされており、また、同店の御品書き(メニュー)においても同様の表示(乙7)がされていることがうかがえるところ、当該書証に係る撮影日は、令和4年2月とされている。
2 上記1によれば、本件商標権者は、飲食店を経営しており、少なくとも2021年1月22日から2022年7月31日において、東京都品川区にある「アトレ大井町」6階において、「和食瑞花(みずか)」を営業していることが認められる。
しかしながら、当該店舗「和食瑞花」アトレ大井町店で提供されている料理のサンプル名及び料理のお品書きに「大和」の文字が表示されているとした写真(乙5~乙7)の撮影日は、令和4年2月であり、要証期間外である。
そして、他に、被請求人は、要証期間内に、請求に係る指定役務について本件商標を使用した事実を立証していない。
したがって、被請求人の提出した証拠からは、本件商標権者が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標を使用したことを認めることができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠からは、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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