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商標取消審判

2021-300273

スマッシュ

審判番号
2021-300273
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1992-166830
登録番号
3141529
請求日
2021年04月08日
審決日
2025年07月01日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】SHOWROOM 株式会社
  • 【請求人代理人】田中 伸一郎
  • 【請求人代理人】中村 稔
  • 【請求人代理人】松尾 和子
  • 【請求人代理人】井滝 裕敬
  • 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【請求人代理人】藤倉 大作
  • 【請求人代理人】相良 由里子
  • 【請求人代理人】篠森 恵
  • 【被請求人】積水化学工業 株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 小林 正和
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T132 .1 -Z (042)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3号商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第3141529号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第3141529号商標の指定役務中、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ―プその他の周辺機器を含む。)の貸与」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第3141529号商標(以下「本件商標」という。)は、「SMASH」の欧文字を横書きしてなり、平成4年8月28日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリ―ン印刷,石版印刷,凸版印刷,求人情報の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,施設の警備,身辺の警備,医業,健康診断,調剤,植木の貸与,計測器の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ―プその他の周辺機器を含む。)の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として、同8年4月30日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録は、令和3年4月21日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(平成30年4月21日~令和3年4月20日)を、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 1 請求の趣旨 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和3年6月16日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年8月3日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、甲第○号証を「甲○」のように、乙第○号証を「乙○」のように省略して記載する場合がある。 2 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ―プその他の周辺機器を含む。)の貸与」(以下「本件審判請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。 3 答弁書に対する弁駁 (1)乙第1号証について 被請求人は、株式会社セキスイ・システム・センター(以下「セキスイ・システム・センター社」という。)は本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)の通常使用権者として、本件商標権者の住宅事業関連会社約40社に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務を「SMASH」という名称で提供したと主張する。 乙第1号証は、当該役務提供に関する契約として、東京セキスイ工業株式会社(以下「東京セキスイ工業社」という。)とセキスイ・システム・センター社の間で交わされた契約書であるが、乙第1号証の契約書(以下「乙1契約書」という。)は、本件商標が「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務に使用されたことを何ら証明するものではない。すなわち、乙1契約書は、「ソフトウェア・プロダクト使用許諾契約書」というタイトルのもと、冒頭に、「甲と乙は、乙が日本における使用許諾権を有するソフトウェア・プロダクトの使用に関して次のように契約する」と契約の目的が記載されていることからも分かるとおり、東京セキスイ工業社がソフトウェアを使用するための許諾契約書であって、東京セキスイ工業社はセキスイ・システム・センター社の許諾のもとソフトウェアを使用することができ、対価として、セキスイ・システム・センター社に対しソフトウェアの使用許諾料を支払うものとされている(乙1)。 また、乙1契約書では、「乙はソフトウェアを動作可能な状態に維持するためメンテナンス作業を甲に提供する。」ことが「保守の内容」として定められている。さらに、「メンテナンス作業」の定義として、「ソフトウェアの使用に関する質問等に対しての回答及びソフトウェアの使用に関する指導」及び「質問発生時における原因調査および解決方法等の助言」と規定され、「ソフトウェアのインストールや設定変更に伴う障害復旧作業は含まない」ことが明記されている(乙1)。このことからすれば、乙1契約書において定められた「保守」とは、ソフトウェアの使用者にその使い方に関する指導や助言を提供するサポートサービスを指すものと理解され、このようなサービスが「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に該当しないことは明らかである。また、乙1契約書に定められた「保守」の解釈に関わらず、本件商標権者が、要証期間内に、実際に本件商標を指定役務に使用した事実は、乙第1号証からは確認できない。 以上のとおり、乙1契約書は、2000年7月1日付けで締結されたソフトウェアの使用に関する許諾契約書であって、ソフトウェアの設計や開発、それに伴う保守に関するサービス提供が合意された契約書ではなく、セキスイ・システム・センター社が東京セキスイ工業社に対しソフトウェアの使用を許諾し、それに伴う付随的なサービスとしてソフトウェアの使用に関する指導・助言を提供することが合意されたという20年以上前の事実を確認することができるのみである。 また、乙1契約書は、その証拠中に「SMASH」という文字の記載は確認できるが、これが一体どのような商品・役務の名称を表すものなのか不明確である。少なくとも、乙1契約書からは、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に関連する役務を表す名称として「SMASH」が存在した事実は確認できないし、ましてやこれが要証期間内に実際に使用されたことを確認することはできない。なお、仮に、本件商標「SMASH」がソフトウェアの名称として使用された場合であっても、ソフトウェアの名称としての使用が「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務に関する使用とならないことは明らかである。念のために付言すれば、過去の審決でも、「ソフトウェアの出所を識別する標識として商品「コンピュータプログラム」についての商標の使用といい得るとしても、使用主張役務である「コンピュータプログラムの保守・・・」についての商標の使用ということはできない。」と判断されている(甲2)。 以上のとおり、乙1契約書は、本件商標が要証期間中に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用されたことを証明するものではない。 (2)乙第2号証について 被請求人は、乙第2号証の契約書(以下「乙2契約書」という。)の締結によって乙第1号証の契約が失効となったことから、2018年10月24日までは乙1契約書が有効に存続していたと述べるが、乙1契約書が本件要証期間内である2018年10月24日時点で存続していたことは、同時点において本件商標が実際に使用されたことを証するものではない。 したがって、乙第1号証及び乙第2号証の各契約書によって、本件商標が要証期間中に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用されたということを証明することはできない。 (3)乙第5号証及び乙第6号証について 被請求人は、乙1契約書に規定されるソフトウェアは、本件商標権者がセキスイ・システム・センター社に委託して開発したものであり、同社は通常使用権者として「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を提供しているとのことである。しかしながら、乙第5号証の「システム開発業務委託契約書」及び乙第6号証の「ソフトウェア・プロダクト使用権許諾基本契約書」の契約締結日は、ともに2005年9月30日であり、乙第1号証の契約書の契約締結日(2000年7月1日)より後の日付である。そうとすると、乙第1号証に規定されるソフトウェアが、乙第5号証の契約に基づいて開発されたものであるという被請求人の説明には、矛盾がある。よって、乙第1号証と乙第5号証及び乙第6号証の関係性も不明であるし、そもそも、2005年9月30日時点で、本件商標権者がセキスイ・システム・センター社にシステム開発を委託し、開発したソフトウェアの使用を許諾したという事実があったとしても、指定役務に関する本件商標の使用を証するものではない。 (4)乙第7号証ないし乙第9号証について 被請求人は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ(以下「エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社」という。)は「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務の対価として約40社から収納代行しており、これに基づき本件商標権者に支払いを行っているとのことである。しかし、乙第7号証ないし乙第9号証には、「ソフトウェア使用権許諾料」や「ソフト利用料」と記載されており、また被請求人が答弁書において「『PremiumSmash』のソフトウェア使用権許諾料」と説明しているように、これらは「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の対価としての支払いを証するものではない。 また、乙第7号証には本件商標は付されておらず、乙第8号証及び乙第9号証に表された「PremiumSmash」の文字は本件商標と社会通念上同ーとはいえない。 したがって、乙第7号証ないし乙第9号証によって、本件商標が要証期間中に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用されたということを証明することはできない。 (5)乙第10号証について 被請求人は、乙第10号証は操作マニュアルの一部であるとのことである。 しかし、乙第10号証のマニュアル内に「SMASH」という文字は確認できるが、これが一体どのような商品・役務の名称を表すものなのか不明確であり、また、「SMASH」が要証期間内に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用されていることが推認されるような記載も一切見当たらない。 したがって、乙第10号証によって、本件商標が要証期間中に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用されたということを証明することはできない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。 被請求人は、本件商標を、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務について、審判の予告登録日前3年以内の期間において、日本国内で使用をしている。 具体的には、要証期間に我が国において、本件商標権者は、セキスイ・システム・センター社(2000年当時、被請求人の100%子会社。)を介し、本件商標権者の住宅事業関係会社約40社へ「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務を「SMASH」という名称で提供している。この役務の提供に関して、セキスイ・システム・センター社と本件商標権者の住宅事業関係会社約40社は契約を締結していた。それらの契約書のうちの一通として、東京セキスイ工業社とセキスイ・システム・センター社の契約書を示す(乙1)。 また、乙第1号証の契約書をもってしてなされた契約は、契約終了の申し込みをしない限り、更新されるものとなっており、ソフトウェアの再構築を行い新たな契約を再締結(乙2)するまで、乙第1号証の契約は継続していた。 乙第2号証の契約書の第15条における1点目の契約は、乙第1号証の契約書となっており(契約No007-SE-044936)、この契約締結をもって乙第1号証の契約を失効させることが明記されている。また、契約書の別表どおり、「サービス開始日」は2018年10月25日となっており、2018年10月24日までは甲第1号証の契約が有効に存続していた(セキスイ・システム・センター社の現在の社名は、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社となり、2005年1月5日発足、2005年以降は、本件商標権者の出資比率は40%となる(乙3)。また、東京セキスイ工業社の現在の社名は、セキスイハイム工業株式会社(以下「セキスイハイム工業社」という。)となる(乙4)。)。 なお、本ソフトウェアは、本件商標権者がセキスイ・システム・センター社に委託して開発したものであり(乙6)、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社は契約に基づき通常使用権者として(乙6)、本件商標権者の住宅事業関係会社約40社へ「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」のサービスを提供していた。 さらにエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社は本件商標権者に代わってサービスの使用対価の収納代行を行う業務を行っていた。エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社は「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の対価として約40社から収納代行し集金した対価総額について本件商標権者へ報告し(乙7)、本件商標権者は、それに基づきエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社に費用請求をした(乙8)。請求内容は、「SMASH」の一機能である「PremiumSmash」のソフトウェア使用権許諾料、となっている。さらに、請求書(乙8)を受け取ったエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が本件商標権者へ支払いを行った証跡となる、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社の支払い社内決裁書(支払依頼申請書)を示す(乙9)。 前記のとおり、2018年10月25日以降、契約上は「SMASH」名称の使用は順次なくなっており、2021年の現在は、確認できたところでは、操作マニュアルの一部に「SMASH」の名称があるのみとなるが(乙10)、要証期間に「SMASH」商標を使用していた事実がある。 以上のとおり、本件商標は、要証期間に我が国において本件通常使用権者により指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、使用している。 第4 当審における審尋及びそれに対する被請求人の対応 当審において、令和4年5月26日付けで通知した審尋により、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人又は通常使用権者が、商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実証明したものとは認めることができない旨の見解を示し、被請求人に意見を求めた。 しかしながら、被請求人は、上記審尋に対し、何ら応答していない。 第5 当審の判断 1 不使用取消審判について 商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消しの審判が請求された場合には、同条第2項において、その審判の請求の登録前3年以内(要証期間)に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。 2 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。 (1)乙第1号証について 乙第1号証は、2000年当時に、本権商標権者の100%子会社であったセキスイ・システム・センター社が、本件商標権者の住宅事業関係会社約40社と契約を締結したと主張するうちの1社である東京セキスイ工業社とセキスイ・システム・センター社との「ソフトウェア・プロダクト使用権許諾契約書」と題する契約書(契約日:2000年7月1日。契約書No.0007-SE-044936。)であり、セキスイ・システム・センター社が使用許諾権を有するソフトウェアの使用を東京セキスイ工業社に対して許諾し(同契約書第1条)、当該ソフトウェアを記録した媒体及び参照マニュアルを東京セキスイ工業社に引き渡す(同契約書第3条)ことを契約したことが認められる。 また、当該契約書において、「SMASHホスト通信ソフト」(契約書第9条、第11条)、「SMASHホストハード利用料」(契約書第10条)、及び、当該契約書の別表に「1.ソフトウェア・プロダクト SMASHホスト通信ソフト 一式・・・7.SMASHホスト通信ソフト利用料(使用権許諾料)の支払・・・8.SMASHホストハード利用料の支払・・・9.SMASHホスト通信ソフト保守料の支払」の語が記載されているとしても、これは、契約書上の記載にすぎず、当該取引書類に「SMASH」の文字を使用していること、及び、当該ソフトウェアの商標として「SMASH」の文字を使用していたことは、確認することができない。 (2)乙第2号証について 乙第2号証は、セキスイハイム工業社とエヌ・ティ・ティ・データセキスイシステムズ社との間で締結された「データ通信サービスおよびサポート契約書」であり、その第15条には、「甲および乙は、以下の契約(・・・)を本契約締結をもって失効させることを確認する。」との記載、及び、契約者名として「甲:セキスイハイム工業株式会社」、「乙:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ」、締結日として2019年1月23日、契約書名として「データ通信サービスおよびサポート契約書」(契約No.18-02163)との記載、並びに、その別表には「1.対象システム S-core データ通信サービス・・・2.サービス開始日 2018年10月25日」との記載がある。 (3)乙第3号証について 乙第3号証は、2005年1月5日付けの「「株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ」の設立について」と題する書面であり、「積水化学の100%子会社である株式会社セキスイ・システム・センター」及び「本日1月5日、「株式会社NTTデータセキスイシステムズ」を設立しました。」の記載がある。 (4)乙第4号証について 乙第4号証は、2017年3月27日付け本件商標権者の「三大都市圏の住宅生産体制について ―広域生産会社として運営を一体化―」と題する書面であり、「2.統合会社の概要」として「統合会社名 セキスイハイム工業株式会社」、「資本金 5億円(積水化学工業(株)100%出資)」の記載がある。 (5)乙第5号証について 乙第5号証は、2005年9月30日付けで、本件商標権者の取締役住宅カンパニープレジデント室長とエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社の代表取締役社長との間で締結された「システム開発業務委託契約書」であり、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が権利を有するソフトウェア「SMASHシステム」について、ハードウェア統合化を目的としたシステム開発について業務委託を行うことを契約したものである。 その別表には、「1.本業務委託の範囲および納期」の項目下に、「設計」の欄に「・SMASH機能改善設計(専用帳票廃止対応)」の、「設計/プログラム開発/システムテスト」の欄に「・SCOPE/SMASHの共通化設計」の記載がある。 (6)乙第6号証について 乙第6号証は、2005年9月30日付けの、本件商標権者住宅カンパニーを「許諾者(甲)」と、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社を「使用者(乙)」とする、両者の間で締結された「ソフトウェア・プロダクト使用権許諾基本契約書」であり、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が本件商標権者住宅カンパニーの依頼を受けて開発したソフトウェアを、本件商標権者住宅カンパニーの住宅事業関係会社に対し、使用の許諾を行うことを契約したものである。 (7)乙第7号証ないし乙第9号証について 乙第7号証は、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が、本件商標権者に代わって、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の対価として、約40社から収納代行し集金した対価総額についての、本件商標権者への報告書と主張するもので、1葉目の上部には「2018年第2四半期 電子発注機能利用実績、及び、使用権許諾料 2018/9/21」及び「1.利用実績」の表中には、「請求名称」として「電子発注システムソフト利用料(固定)」、「電子発注システムソフト利用料(従量)」及び「電子発注システムサーバ利用料」のいずれかの記載があり、2葉目には「2.使用許諾料」の項目の末尾に「25,877,804円(税込金額)」の記載がある。 乙第8号証は、当該報告書に基づき、本件商標権者がエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社に請求した請求書である。当該請求書には、2018年9月28日の日付、「(株)NTTデータセキスイシステムズ住宅ソリューション事業部 御中」の記載、「積水化学工業株式会社 住宅カンパニー経営管理部 情報システムグループ」の記載並びに同社住宅カンパニーの社判とおぼしき押印及び担当者のものとおぼしき押印があり、さらに、「御請求書」の表題の下、記として、「御請求内容 2018年9月25日付貴信「PremiumSmash電子発注機能利用実績のご報告(2018年第2四半期)」に基づくソフトウエア使用権許諾料」、「御請求金額 1)許諾料、2)上記の消費税等 御請求金額合計」として各金額の数字(御請求金額合計には25,877,804円とある。)、さらには、お振込み期日及びお振り込み口座の各記載がある。 さらに、乙第9号証は、乙第8号証の請求書を受け取ったエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が本件商標権者へ支払いを行った証跡となる、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社の社内決裁書である支払依頼申請書であり、「件名」には「18年2Q PremiumSMASH電子発注機能利用許諾料」、「取引先」には「積水化学工業(株)住宅カンパニー企画管理部」、「支払方法」には「振込」、「支払日」には「2018/10/31」及び「支払金額(円)」には「25,877,804」の記載がある。 (8)乙第10号証について 乙第10号証は、被請求人が操作マニュアルの抜粋と主張するもので、1葉目は、その左上部には「2021/6/9」と、中央上部には「SMASH-進ストリーム マニュアル」の記載があり、また、「SMASH」、「SMASHとのデータ連携」など、「SMASH」の文字を確認することができる。 また、2葉目には、その左上部には「2021/6/9」と、中央上部には「SMASH HomePage」の記載があり、その下部には、「SMASH HomePageは、SMASH系システムのマニュアルや各種マスタ、申請書一覧が閲覧出来るページです」、「調べる」の右側表内には「新SMASH」、「P-smashII」及び「JSMASH」、並びに、「システムを使い始める」の右側には「SMASH端末ご利用前の設定」及び「Premium-SMASH」の文字を確認することができる。 3 判断 (1)2000年7月1日に、東京セキスイ工業社とセキスイ・システム・センター社との間で締結された「ソフトウェア・プロダクト使用権許諾契約書」(乙1)は、セキスイ・システム・センター社が所有するソフトウェア及び参照マニュアルを東京セキスイ工業社に引渡しを行い、これを使用させることを契約したものにすぎず、実際に、セキスイ・システム・センター社が、東京セキスイ工業社に対して「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務を提供していたことを証明したものと認めることはできない。 また、「ソフトウェア・プロダクト使用権許諾契約書」(乙1)において、「SMASHホスト通信ソフト」や「SMASHホストハード利用料」の語が記載されているとしても、これは、契約書上の記載にすぎず、当該取引書類に「SMASH」の文字を使用していること、又は当該ソフトウェアの商標として「SMASH」の文字を使用していたことは確認することができない。 さらに、被請求人は、2019年1月23日にセキスイハイム工業社とエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社との間で締結された「データ通信サービスおよびサポート契約書」(乙2)の契約によって、当該契約の締結日の前日若しくは乙2のサービス開始日の前日まで、乙1の契約が有効に存続していた旨主張するが、上記のとおり、当該取引書類に「SMASH」の文字を使用していること、又は当該ソフトウェアの商標として「SMASH」の文字を使用していたことは確認することができないから、乙2によっても、セキスイ・システム・センター社又はエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が、要証期間に本件商標又は本件商標と杜会通念上同一の商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務に使用したことを証明したものと認めることはできない。 (2)2005年9月30日に、本件商標権者とエヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社との間で締結された「システム開発業務委託契約書」(乙5)は、要証期間外である2005年9月30日に、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が権利を有する「SMASHシステム」の名称のソフトウェアのハードウェア統合化を目的としたシステム開発について業務委託を行ったにすぎず、実際に要証期間に、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務を提供したことを証明したものと認めることはできない。 (3)被請求人は、「エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社は積水化学工業社に代わってサービスの使用対価の収納代行を行う業務を行っていた。」旨を主張しているものの、エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ社が、本件商標権者に代わって行ったとする「サービスの使用対価の収納代行」は、本件審判請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれる役務とは認めることができない。 (4)その他、被請求人の提出した全証拠を参照しても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件審判請求に係る指定役務について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、その提出証拠によって、要証期間に日本国内において、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判請求に係る指定役務について、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。 また、被請求人は、本件審判請求に係る指定役務について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」については、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-300273

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