商標取消審判
2021-300358
ウムラウト
- 審判番号
- 2021-300358
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2000-135007
- 登録番号
- 4541285
- 請求日
- 2021年05月12日
- 審決日
- 2022年03月30日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ウムラウト エスエー
- 【請求人代理人】大森 純一
- 【請求人代理人】高橋 満
- 【請求人代理人】中村 哲平
- 【被請求人】ウルシステムズ 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 榎本 政実
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T131 .1 -Z (Z09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4541285号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4541285号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4541285号商標(以下「本件商標」という。)は、「UMLaut」(「U」の上にウムラウトがある。以下同じ。)の文字を横書きしてなり、平成12年12月15日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同14年2月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年5月26日である。
また、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成30年5月26日から令和3年5月25日までの期間を、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)被請求人は、平成16年2月1日に保守サービス及び保守サービスの対象となるソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)の名称として「UMLaut」の記載を用いた契約が締結されており、当該保守サービスを更新した。被請求人と取引先A社間で平成31年3月31日に締結した乙第1号証で示される契約書において、ソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)の名称として、乙第1号証の「3.サポート対象となるUMLaut(「UMLaut」)」及び「4.UMLautに関する甲乙間の使用等許諾契約」に「UMLaut」の記載を用いたと主張するが、当該契約書において「1.サポート対象となる甲の部門(「甲のサポート対象部門」)」の項目では、(正)担当者及び(副)担当者の氏名、E-mail、電話番号の欄は全て黒塗りされ、確認できない。
また、「2.乙のサポート担当部門(乙の担当部門)」の項目では、当社担当部門名、電話番号、FAX番号、E-mailの欄は全て黒塗りされ、確認できない。
さらに、「6.技術サポートサービス」の項目では、「サービス料金」の欄は黒塗りされ、「サービス内容」の欄の下の部分は、黒塗りされて確認できない。
加えて、末尾の甲及び乙に関する欄には、甲の情報は全て黒塗りされ、確認できない。
(2)以上の事実から、商標権者であるウルシステムズ株式会社(以下「ウルシステムズ社」という。)は契約先「甲」と「UMLaut Software Frameworkサポートサービス要綱」(以下「本件要綱」という。)を作成し、2019年(令和元年)4月1日から2020年(令和2年)3月31日までの期間、「UMLaut Software Framework」という商品(ソフトウェア)を対象とする、サポート契約を交わしたことが推認でき、その内容は、「甲の連絡窓口からのUMLautの瑕疵(バグ)に関するメールによる技術上の質問に対して、」、「電話、ファックス、またはメールによる回答」により、「助言を提供」することであることがうかがえる。
しかしながら、契約先である甲がいかなる者であるか確認できないことに加え、当該サポートを行う乙の担当者やサポート費用に関する詳細は不明である。
また、被請求人は上記(1)のとおり説明しているが、平成16年2月1日に保守サービス及び保守サービスの対象となるソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)の名称として「UMLaut」の記載を用いた契約が締結された事実及び当該契約が更新された事実すら、乙第1号証によっては何ら明らかにされていない。
そして、被請求人は、ソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)としての本件商標を販売した事実、つまり、本件商標が電子計算機用プログラムについて、要証期間に使用された事実及び証拠を一切示していない。
すなわち、本件要綱なる契約書には、サポート契約の対象ソフトウェアの商品名として「UMLaut」と記載されているところ、当該文字の冒頭の「U」は、本件商標の冒頭の「U」と比べて上部に付される横並びの2点「¨」(ウムラウト記号)を欠いていることから、本件商標と同一の商標ではない。
また、仮に上記記載の「UMLaut」が本件商標と社会通念上同一であるとしても、当該文字は、単に、上記サポート契約の対象ソフトウェアを特定するための商品名として表示されているものであり、これらの記載から、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を、商品「電子応用機械器具及びその部品」に使用した事実は確認することはできない(甲2)。
したがって、被請求人が提出した乙第1号証によっては、要証期間に商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことは証明されていない。
(3)まとめ
以上のことから、被請求人は、本件審判の要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていた事実を証明していない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書及び回答書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、日本国内で、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、「UMLaut」の製品機能等に関してメールでの回答及びマイナーバージョンアップの保守サービスを取引先A社に対して提供するに際し、取引書類(乙1)において記載する方法により「UMLaut」の商標を使用した。
乙第1号証は、平成16年2月1日に保守サービス及び保守サービスの対象となるソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)の名称として「UMLaut」の記載を用いた契約が締結されており、当該保守サービスを更新した、被請求人と、取引先A社間で平成31年3月31日に締結した乙第1号証で示される契約書において、ソフトウェア製品(電子応用機械器具及びその部品)の名称として、乙第1号証の「3.サポート対象となるUMLaut(「UMLaut」)」及び「4.UMLautに関する甲乙間の使用等許諾契約」に「UMLaut」の記載を用いた。
2 回答書
被請求人は、日本国内で、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、業として、本件商標をソフトウェアフレームワークのプログラムについて使用していた。ここで、ソフトウェアフレームワークのプログラムは、「電子通信機械器具」若しくは「電子応用機械器具」に相当し、又はこれらの機械器具の一部として備えられるものであることから、これらの「部品」に相当する。
具体的には、本件商標「UMLaut」を、ソフトウェアフレームワークのプログラム及びそのマイナーバージョンアップ版に関する取引書類に付して、顧客企業に対して提供した(乙1)。この行為は、商標法第2条第3項第8号における、「電子通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に関する取引書類に本件商標を付して展示し、若しくは頒布し、又は当該取引書類を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供する行為に相当する。
同様に、被請求人は、日本国内で、平成31年4月9日、令和2年4月9日及び令和3年4月9日に、業として、本件商標を、ソフトウェアフレームワークのプログラム及びそのバージョンアップ版に関する取引書類に付して、顧客企業に対して提供した(乙2)。
なお、当該取引書類に係る「UMLaut Software Framework使用等許諾契約書」は1年間ごとに更新している。この行為は、商標法第2条第3項第8号における、「電子通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に関する取引書類に本件商標を付して展示し、若しくは頒布し、又は電磁的方法により提供する行為に相当する。
したがって、上記のとおり、被請求人は、日本国内において、要証期間、乙第1号証及び乙第2号証において記載する方法により、商標法第2条第3項第8号に該当する行為として本件商標を使用した。
(1)乙第1号証
平成31年3月31日に、被請求人と取引先A社間で締結した乙第1号証で示される契約書において、提供されるサポートサービスは、乙第2号証で被請求人がUMLaut Software Frameworkに関する使用許諸契約に基づき取引先B社に使用を許諾した「UMLaut」に対して提供されるものであり、乙第1号証の「3.サポート対象となるUMLaut(「UMLaut」)」及び「4.UMLautに関する甲乙間の使用等許諾契約(「使用等許諾契約」)」に「電子通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」(ソフトウェア製品)の名称として「UMLaut」の記載を用いた。
特に、乙第1号証の「3.サポート対象となるUMLaut(「UMLaut」)」では、「UMLaut Software Framework Ver6及び使用等許諾契約に基づいて乙が提供するマイナーバージョンアップ版」ということが記載されている。
(2)乙第2号証
乙第1号証の「4.UMLautに関する甲乙間の使用等許諾契約(「使用等許諾契約」)」に定める被請求人と取引先B社間のUMLautに関する使用等許諾契約は、ソフトウェア製品であるUMLaut Software Frameworkに関する使用許諾契約(バージョンアップ版の提供を含む)であり、平成16年4月9日に、被請求人と取引先B社で締結し、乙第2号証の第14条(有効期間)の定めに基づき、平成31年4月9日、令和2年4月9日、令和3年4月9日にそれぞれ有効期間が新たに1年間更新されており、当該UMLaut Software Framework使用等許諾契約において「電子通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」(ソフトウェア製品)の名称として「UMLaut」の記載を用いた。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証について
本件商標権者は、2019年(令和元年)3月31日付けで本件要綱を甲(A社)と締結したところ、本件要綱は、「UMLautサポート・サービス契約書」に基づき、本件商標権者の甲に対するサービス提供の具体的な内容について締結されたものである。
サポート対象となる「UMLaut」とは、UMLaut Software Framework Ver6及び使用等許諾契約に基づいて乙が提供するマイナーバージョンアップ版であって、サービス期間は2019年(令和元年)4月1日から2020年(令和2年)3月31日までであり、技術サポートサービスの内容は、UMLautの瑕疵(バグ)に関するメールによる技術上の質問に対して、助言を提供することであり、サービスの方法は、電話、ファックス又はメールで回答することが記載されている。
(2)乙第2号証について
本件商標権者は、平成16年4月9日付けで「UMLaut Software Framework使用等許諾契約書」を、甲(B社)と締結した。
当該契約書の第1条(定義)において、「UMLaut」とは、「乙(本件商標権者)の保有するソフトウェアフレームワーク UMLaut Software Frameworkのプログラム、データ及びそれらに関連するドキュメント・資料その他の著作物」であること、「使用等」とは、「UMLaut・・・を閲覧・参照、複製、改変し、又は改変したものを対象システムに組み込んで利用すること」をいうと記載されている。また、第4条(引渡し)において「乙は甲に対し、・・・UMLautを、それを記録した媒体を交付するか、FTPサーバーからダウンロードさせるか、の方法により提供」し、第14条(有効期間、解約)において「本契約は、・・・3年間存続するものとします。・・・1年間自動的に更新されるものとし、その後も同様とします。」と記載されている。
2 上記1によれば、当審の判断は、以下のとおりである。
本件商標権者が、平成16年4月9日に他社と締結した使用許諾契約書によると、「UMLaut」とは、本件商標権者の保有する「ソフトウェアフレームワーク」の名称であって、本件商標権者は、他社に、当該「ソフトウェアフレームワーク」を複製や改変等をしてシステムに組み込んで利用させるものであり、それを引き渡す際には記録した媒体を交付するか、若しくはサーバーからダウンロードさせる方法で提供するものであることがうかがえる。
そして、本件商標権者が、令和元年3月31日に他社と締結した本件要綱によると、令和元年4月1日から同2年3月31日までの期間、本件商標権者は「UMLaut Software Framework」の瑕疵(バグ)に関する技術上の質問に対して、助言を提供するサービスについて契約をしたことがうかがえる。
そうすると、本件商標権者は、自身の保有するソフトウェアのフレームワークに「UMLaut」の文字を使用していること、要証期間である2019年(令和元年)4月1日から2020年(令和2年)3月31日において、サポートサービスを提供する契約をしたとはいい得るものの、当該「UMLaut」が本件商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品であって、要証期間に本件商標権者が取引したことを示す証拠の提出はない。
3 小活
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に本件商標権者が本件商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の商標法第2条第3項各号にいう使用があったことを認めるに足る事実を見いだせない。
その他、本件商標を本件商標の指定商品に使用したことを証明する証拠の提出はない。
4 まとめ
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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