商標取消審判
2021-300359
ウムラウト
- 審判番号
- 2021-300359
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2000-135008
- 登録番号
- 4545446
- 請求日
- 2021年05月12日
- 審決日
- 2023年03月30日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ウムラウト エスエー
- 【請求人代理人】大森 純一
- 【請求人代理人】高橋 満
- 【請求人代理人】中村 哲平
- 【被請求人】ウルシステムズ 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 森山 啓
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T131 .1 -Y (Z3542) / T131 .11 -Y (Z3542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4545446号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
本件登録第4545446号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「UMLaut」(「U」にはウムラウトが付されている。以下同じ。)の欧文字の構成よりなり、平成12年12月15日に登録出願、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として、同14年1月22日に登録査定、同年2月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和3年5月27日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年5月27日から令和3年5月26日までを以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、登録第4545446号商標の登録を取消す。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務(以下「請求に係る指定役務という。」)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人が平成30年11月6日に発行した「御見積書」であるところ、宛先は黒塗りされ不明であり、「見積書UL-18-Q-0345」の番号、品名・仕様「UMLautソフトウェアフレームワーク」、数量「1」の記載があるが、単価及び金額は黒塗りされ不明である。また「御見積書備考」欄には、「保守期間は2019年4月1日から2020年3月31日となります。」「お支払いは、2019年5月末日までに、当社の指定する銀行口座にお振込みをお願いいたします。」等の記載があるが、「ランタイムライセンス保守:●●(黒塗り)/式」×●(黒塗り)式」、「開発ライセンス(●●(黒塗り))保守:「●●(黒塗り)」/式×●(黒塗り)式」の部分は保守内容を示していると考えられるが黒塗りにより確認できない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人に対して平成31年3月22日に発行された「注文書」であるところ、発行元は黒塗りされ不明であり、品名「●(省略)●」、注文納期(引請納期)「●(省略)●」、検収予定日「●(省略)●」、契約開始日「●(省略)●」、契約終了日「●(省略)●」、摘要「●(省略)●」との記載があるが、注文単価、注文金額、納入先の情報はいずれも黒塗りされ確認できない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が平成31年4月1日に発行した「請求書」であるところ、宛先は黒塗りされ不明であり、請求No「UL-19-I-0005」の番号、品名「UMLautソフトウェアフレームワーク」、数量「1」、サービス期間「2019年4月1日~2020年3月31日」の記載があるが、単価及び請求金額は黒塗りされ不明である。
(4)乙第4号証について
乙第4号証は、平成31年3月31日を契約締結日とする契約書であるところ、日付の上部には「●(省略)●」の記載があり、「●(省略)●」のタイトルの下、「●(省略)●」の記載がある。
その下の「●(省略)●」の項目では、正担当者及び副担当者の氏名、Emai1、電話番号の欄は全て黒塗りされ確認できない。
その下の「●(省略)●」の項目では、担当部門名、電話番号、FAX番号、Emai1の欄は全て黒塗りされ確認できない。
その下の「●(省略)●」の項目には、「●(省略)●」との記載がある。
その下の「●(省略)●」の項目には、「●(省略)●」との記載がある。
その下の「●(省略)●」の項目には、「●(省略)●」との記載がある。
その下の「●(省略)●」の項目では、「●(省略)●」の欄は黒塗りされて確認できず、「●(省略)●」の欄には「●(省略)●」との記載があるが、当該記載の下の部分は黒塗りされて確認できない。その下の「●(省略)●」の欄には「●(省略)●」との記載がある。
その下には「●(省略)●」との記載がある。
末尾の甲及び乙に関する欄には、乙については、被請求人の住所、名称及び代表者氏名の記載及び捺印があるものの、甲については黒塗りされ確認できない。
(5)以上の記載事項を総合して判断すると、本件商標権者であるウルシステムズ株式会社は、乙第4号証における契約先「甲」に対して「●(省略)●」なる商品(ソフトウェア)の保守サービスについて平成30年11月6日に見積書を提示し、平成31年3月22日に「甲」から注文書の発行を受け、平成31年4月1日に「甲」に請求書を発行したこと、及び「甲」と平成31年3月31日に「●(省略)●」を作成し、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、上記商品(ソフトウェア)を対象とする、保守契約を交わしたことが推認でき、その保守サービスの手法は、「●(省略)●」「●(省略)●」により、「●(省略)●」することであることがうかがえる。
しかしながら、契約先である甲がいかなる者であるか確認できないことに加え、当該サポートを行う乙の担当者やサポート費用に関する詳細は不明である。
また被請求人は乙第4号証について、「●(省略)●」と説明しているが、平成16年2月1日に保守サービスの名称として「●(省略)●」の記載を用いた契約が締結された事実及び当該契約が更新された事実すら、乙第1号証ないし乙第4号証によっては何ら明らかにされていない。
そして被請求人は、保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称としての本件商標を要証期間に使用した事実及び証拠を一切示していない。
すなわち、乙第1号証ないし乙第4号証には、サポート契約の対象ソフトウェアの商品名として「●(省略)●」と記載されているところ、当該文字の冒頭の「U」は、本件商標の冒頭の「U」と比べて上部に付される横並びの2点「¨」(ウムラウト記号)を欠いていることから、本件商標と同一の商標ではない。
また仮に上記記載の「●(省略)●」が本件商標と社会通念上同一であるとしても、当該文字は、単に、上記保守サービス契約の対象となるソフトウェア商品を特定するための商品名として表示されているにすぎず、当該ソフトウェア商品とは独立した保守サービスを識別するための商標として使用されているわけではないから、これらの記載から、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を、役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用した事実は確認することはできない(甲2)。
したがって、被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第4号証によっては、要証期間に本件商標権者が、請求に係る指定役務について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことは証明されていない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
被請求人は、日本国内で、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、UMLautの製品機能等に関してメールでの回答及びマイナーバージョンアップの保守サービスを取引先A社に対して提供するに際し、下記に挙げる取引書類において記載する方法により、もって「UMLaut」の商標を使用した。
1 乙第1号証「見積書」
平成30年11月6日に、取引先A社に対し発行した乙第1号証で示される見積書において、保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称として品名(サービス名称)に「UMLaut」の記載を用いた。
2 乙第2号証「注文書」
平成31年3月22日に、乙第1号証に基づき、取引先A社が発行した乙第2号証で示される注文書において、保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称として品名(サービス名称)に「●(省略)●」の記載が用いられた。
3 乙第3号証「請求書」
平成31年4月1日に、取引先A社に対し発行した乙第3号証で示される請求書において、保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称として品名(サービス名称)に「UMLaut」の記載を用いた。
4 乙第4号証「UMLautSoftwareFrameworkサポート・サービス要綱」
平成16年2月1日に保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称として品名(サービス名称)に「●(省略)●」の記載を用いた契約が締結されており、当該保守サービスを更新した、被請求人と取引先A社間で平成31年3月31日に締結した乙第4号証で示される契約書において、保守サービス(第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守)の名称として、乙第4号証の「●(省略)●」及び「●(省略)●」に「●(省略)●」の記載を用いた。
第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和4年3月17日付け審尋において、被請求人の主張及び提出された証拠からは、商標権者が、要証期間に、日本国内において、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した令和3年10月18日付けの弁駁書に対する意見を求めた。
第5 審尋に対する回答
被請求人は、令和4年4月22日付けの回答書において、審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第5号証ないし乙第11号証を提出した。
1 見積書(乙1)における「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス(●●)保守」の具体的説明
見積書(乙1)の【御見積書備考】の欄において、「ランタイムライセンス保守:●●/式」×●式」及び「開発ライセンス(●●)保守:「●●」/式×●式」との記載がある。
このうち、ランタイムライセンスとは、当業界における一般的な用語として用いられており、「アプリケーションの実行環境を提供するソフトウェア」ライセンスを意味する(乙8)。具体的には、ランタイムライセンスは、アプリケーションソフトウェアを、アプリケーションソフトウェアの実行環境、すなわち、コンピュータ上で実行できるように、コンピュータを整備するためのライセンスを意味する。被請求人は、本件商標を用いて、クライアントとランタイムライセンス保守について契約することにより、クライアントがアプリケーションソフトウェアを実行できるようにUMLautの瑕疵(バグ)に関するメールによる技術上の質問に対して、助言を提供する、すなわち、ソフトウェアを保守することの義務を果たす。
また、開発ライセンスとは、当業界における一般的な用語として用いられており、アプリケーションソフトウェアの開発及びテストを行う開発ツールを提供するソフトウェアライセンスを意味する。具体的には、開発ライセンスは、アプリケーションソフトウェアの開発及びテストを行う開発ツール、すなわち、アプリケーションソフトウェアの開発及びテストを行うためのコンピュータ及びそのシステムソフトウェア(以下「コンピュータ等」という。)を提供するライセンスを意味する。被請求人は、本件商標を用いて、クライアントと開発ライセンス保守について契約することにより、クライアントが提供されたコンピュータ等によりアプリケーションソフトウェアの開発及びテストを正常に実行できるようにUMLautの瑕疵(バグ)に関するメールによる技術上の質問に対して、助言を提供する、すなわち、ソフトウェアを保守することの義務を果たす。
2 本件商標の「ソフトウェアの保守サービス」への使用に係る客観的な証拠
上記1に記載したとおり、見積書(乙1)に記載のある「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス(●●)保守」は、アプリケーションソフトウェアの実行環境及び開発環境につき、アプリケーションソフトウェアの開発、テスト及び実行ができるようにアプリケーションソフトウェアを保守する義務に関する。
したがって、見積書(乙1)に記載のある「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス(●●)保守」は「ソフトウェアの保守サービス」に相当する。
そうすると、本件商標の「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス(●●)保守」を記載した見積書(乙1)への使用は、本件商標が「ソフトウェアの保守サービス」へ使用されたことを証明する客観的な証拠となり得るものである。同様に、見積書(乙1)に基づいて発注されたことを証する注文書(乙5)、注文書(乙5)に対して請求されたことを証する請求書(乙6)もまた、本件商標が「ソフトウェアの保守サービス」へ使用されたことを証明する客観的な証拠となり得るものである。
3 合議体の暫定的見解に対する意見
被請求人は、日本国内で、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、業として、本件商標を、ソフトウェアの保守サービスを通じて、本件商標の指定商品「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用した。
具体的には、本件商標「UMLaut」は、ビジネス構築のための包括的フレームワークをベースに、アプリケーションソフトウェアの開発、テスト及び実行に係るソフトウェアの保守サービスを含む、クライアント企業のビジネスの策定からITによる武装化までを一貫して支援するサービスの名称である。
そのことは、乙第9号証として提出する平成16年4月9日付け「●(省略)●」からもわかる。すなわち、●(省略)●において、「●(省略)●」とは、「●(省略)●」であること、「●(省略)●」とは、「●(省略)●」をいうと記載されている。また、●(省略)●において「●(省略)●」し、●(省略)●において「●(省略)●」と記載されている。
これらの乙第9号証の記載からは、「●(省略)●」は、被請求人の保有する「ソフトウェアフレームワーク」の名称であることには変わりはないが、ソフトウェアフレームワークのためのプログラムに限らず、「●(省略)●」を含むものである。
そして、被請求人は、他社に、「●(省略)●」に係る「●(省略)●」●(省略)●
このように、「●(省略)●」は、ソフトウェアプログラムのみを指すのではなく、それに付随するモノ及びサービスを包含する。そして、そのサービスの1つとして、上記2に記載したとおり、見積書(乙1)に記載のある「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス(●●)保守」といった「ソフトウェアの保守サービス」が含まれるのである。
また、平成31年3月31日に被請求人と取引先A社間で締結した乙第7号証で示される契約書において、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」(ソフトウェアの保守サービス)の名称として、乙第7号証の「●(省略)●」に「●(省略)●」の記載及び「●(省略)●」に「●(省略)●」の記載を用いた。
なお、乙第7号証は「●(省略)●」(乙10)に基づき、「●(省略)●」にて「●(省略)●」に関する具体的な内容を示したサービス要綱であり、被請求人は、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間、「●(省略)●」の記載に基づき、ソフトウェアの保守サポートサービスを提供した。
乙第7号証前文に記載される被請求人と取引先A社間のUMLautサポートサービスに関する乙第10号証は、●(省略)●に対する「●(省略)●」に関する契約書であり、●(省略)●の定めに基づき、平成16年2月1日に被請求人と取引先A社間で締結し、現在に至るまで有効に存続しており、乙第10号証において「●(省略)●」(ソフトウェアの保守サービス)の名称として「●(省略)●」に「●(省略)●」の記載を用いた。
なお、乙第10号証●(省略)●に記載のとおり、サポートサービスとは、「●(省略)●」、技術サポートサービスとは乙第10号証●(省略)●に記載のとおり、「●(省略)●」をいう。技術サポートサービスの詳細はサービス要綱、すなわち乙第10号証●(省略)●に記載のとおり、「●(省略)●」に定められ、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの期間においては乙第7号証の「●(省略)●」に記載されるものであり、乙第10号証を契約条件として引用する乙第7号証において「●(省略)●」(ソフトウェアの保守サービス)の名称として「●(省略)●」と「●(省略)●」の記載を用いた。
したがって、「●(省略)●」がサポート対象のソフトウェア(プログラム)の名称のみを指し、「●(省略)●」の商標として使用していない旨の審判官合議体の見解には誤りがある。
なお、本件商標と同一の登録商標について、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」(ソフトウェア製品)との関係でなされた取消2021-300358の審決(乙11)において、同様の判断がなされたことを付言する。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」については、UMLaut(ソフトウェア)の保守サービスに関する取引書類に本件商標「UMLaut」を付して、顧客企業に対して提供した(乙1~乙7、乙9、乙10)。この行為は、商標法第2条第3項第8号における、「電子計算機のプログラムの保守」に関する取引書類に本件商標を付して展示し、若しくは頒布し、又は当該取引書類を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供する行為に相当する。
したがって、上記のとおり、被請求人は、日本国内において、要証期間に、乙第1号証ないし乙第7号証、乙第9号証及び乙第10号証において記載する方法により、商標法第2条第3項第8号に該当する行為として本件商標「UMLaut」を使用した。
第6 当審の判断
1 事実認定
被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証は、ウルシステムズ株式会社(東京都中央区晴海1-8-10 トリトンスクエアX14F)による2018年(平成30年)11月6日付けの見積書である。同見積書の右上には見積書の番号として「UL18-Q-0345」と表示されており、見積有効期間には「2019年5月31日」、品名・仕様欄には「UMLautソフトウェアフレームワーク」、数量欄には「1」、単位欄には「式」と表示されている。また、同見積書の備考において、内訳として「・ランタイムライセンス保守」、「・開発ライセンス(●●(審決注:黒塗り))保守」と表示されており、「保守期間は、2019年4月1日~2020年3月31日」及び「お支払いは、2019年5月末日までに、当社の指定する銀行口座にお振込みをお願いいたします。」と表示されている。
「ランタイム」は「アプリケーションの実行環境を提供するソフトウェア」(乙8)であり、「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス保守」は、アプリケーションソフトウェアの開発、テスト及び実行ができるようにライセンスしたソフトウェアを保守することと認められる。
(2)乙第5号証(乙2と同一の証拠と認められる。)は、ウルシステムズ株式会社宛ての2019年(平成31年)3月22日発行の注文書である。同注文書の注文番号欄には「●(省略)●」、品名欄には「●(省略)●」、摘要欄には「●(省略)●」、契約開始日欄には「●(省略)●」、契約終了日欄には「●(省略)●」と表示されている。
(3)乙第6号証(乙3と同一の証拠と認められる。)は、ウルシステムズ株式会社による請求書である。請求年月日欄には「●(省略)●」、支払期日欄には「●(省略)●」、品名欄には「●(省略)●」、サービス期間には「●(省略)●」、ご注文No.欄には「●(省略)●」と表示されている。
(4)乙第7号証(乙4と同一の証拠と認められる。)は、ウルシステムズ株式会社(乙)と甲との間の、2019年(平成31年)3月31日締結の要綱である。
ア 同要綱の1葉目のタイトルには「●(省略)●」及び「●(省略)●」の文字が二段に表示されており、同1葉目の右上には「●(省略)●」と表示されている。
イ 同要綱のタイトルの下には、「●(省略)●」と表示されている。
ウ 「●(省略)●」として「●(省略)●」と表示されている。
エ 「●(省略)●」として「●(省略)●」と表示されている。
オ 「●(省略)●」として「●(省略)●」は「●(省略)●」と表示されている。
(5)乙第10号証は、ウルシステムズ株式会社(乙)と甲との間の、平成16年(2004年)2月1日締結の契約書である。
ア 同契約書の1葉目のタイトルには「●(省略)●」の文字が表示され、その右上には「●(省略)●」と表示されている。
イ ●(省略)●には、「●(省略)●」と表示されている。
ウ ●(省略)●には、「●(省略)●」と表示されている。
エ ●(省略)●には、「●(省略)●」と表示されている。
オ ●(省略)●には、「●(省略)●」と表示されている。
(6)上記(1)ないし(5)によれば、本件商標権者(ウルシステムズ株式会社)は、乙第7号証及び乙第10号証における契約先「甲」(以下「取引先A」という。)との間で、ソフトウェアフレームワーク「UMLaut」の保守サービスについて、2018年(平成30年)11月6日に見積書(乙1)を提示し、2019年(平成31年)3月22日に注文書(乙5)を受け、同年4月1日に請求書(乙6)を発行したこと、及び同年3月31日に「UMLaut Software Framework サポートサービス要綱」(乙7)を締結し、同年4月1日から2020年(令和2年)3月31日までの期間、上記商品(ソフトウェアフレームワーク「UMLaut」)を対象とする保守契約を交わしたことが認められ、また、当該保守サービスの内容は、甲の連絡窓口からのUMLautの瑕疵(バグ)に関するメールによる技術上の質問に対して、電話、ファックス又はメールによる回答により、助言を提供することであると認められる。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標
ア 上記1(1)ないし(3)のとおり、乙第1号証の品名・仕様欄及び●(省略)●には、「UMLautソフトウェアフレームワーク」(以下「使用商標1」という。)の文字が表示されているところ、構成中後半の「ソフトウェアフレームワーク」の文字部分は、IT業界では、ソフトウェア開発の基盤となるソフトウェアを意味する一般的な用語であるから、請求に係る指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」との関係においては、自他役務の識別機能を有しないのに対し、構成中前半の「UMLaut」の文字部分は、直ちに特定の意味合いを看取し得ない造語と認められるから、冒頭の「UMLaut」の文字部分が、使用商標1において自他役務の識別機能を有する要部といえる。
そして、使用商標1の構成中、要部である「UMLaut」と本件商標とは、「U」にウムラウトが付されているか否かの違いはあるものの、いずれも「UMLaut」の欧文字からなり外観が類似すること、また、「ウムラウト」の称呼も共通にすることから、両者は社会通念上同一の商標と認められる。
したがって、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
イ 上記1(4)のとおり、乙第7号証のタイトルには、「●(省略)●」(以下「使用商標2」という。)の文字が表示されているところ、構成中後半の「●(省略)●」の文字部分は、IT業界では、ソフトウェア開発の基盤となるソフトウェアを意味する一般的な用語であるから、請求に係る指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」との関係においては、自他役務の識別機能を有しないのに対し、構成中前半の「●(省略)●」の文字部分は、直ちに特定の意味合いを看取し得ない造語と認められるから、冒頭の「●(省略)●」の文字部分が、使用商標2において自他役務の識別機能を有する要部といえる。
そして、使用商標2の構成中、要部である「●(省略)●」と本件商標とは、「U」にウムラウトが付されているか否かの違いはあるものの、いずれも「UMLaut」の欧文字からなり外観が類似すること、また、「ウムラウト」の称呼も共通にすることから、両者は社会通念上同一の商標と認められる。
したがって、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
(2)使用役務
本件商標の使用に係る役務は、「ランタイムライセンス保守」及び「開発ライセンス保守」(以下「使用役務」という。)(乙1)であるところ、その内容は、●(省略)●である(乙7)。
そうすると使用役務は、「電子計算機のプログラムの保守」と認められるから、請求に係る指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の範ちゅうに含まれるものである。
(3)使用時期
見積書(乙1)の発行日「2018年(平成30年)11月6日」、請求書(乙6)の請求日「●(省略)●」及び要綱(契約書)(乙7)の締結日「●(省略)●」はいずれも要証期間内であり、サービス期間(保守期間)も「●(省略)●」と要証期間内であることから、見積書(乙1)、請求書(乙6)及び契約書(乙7)は、要証期間内に、商標権者から取引先Aに提供されたものと認められる。
(4)使用者
使用役務を提供したのは「ウルシステムズ株式会社」であるから、商標権者が使用商標の使用者である(乙1、乙5~乙7、乙10)。
(5)使用行為
商標権者が、使用商標が表示された使用役務に係る取引書類(乙1、乙6、乙7)を取引先Aに提供する行為は、「役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)が行われたものと認められる。
(6)小括
上記(1)ないし(5)で判断したとおり、本件商標の商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の範ちゅうに含まれる「電子計算機のプログラムの保守」に関する取引書類に本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)をしていたことが認められる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、乙第1号証等には、サポート契約の対象ソフトウェアの商品名として「UMLaut」と記載されているところ、当該文字の冒頭の「U」は、本件商標の冒頭の「U」と比べて上部に付される横並びの2点「¨」(ウムラウト記号)を欠いていることから、本件商標と同一の商標ではない旨主張している。
しかしながら、上記2(1)のとおり、使用商標1及び使用商標2の構成中、要部である「UMLaut」と本件商標とは、「U」にウムラウトが付されているか否かの違いはあるものの、いずれも「UMLaut」の欧文字からなり外観が類似すること、また、「ウムラウト」の称呼も共通にすることから、両者は社会通念上同一の商標と認められる。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(2)請求人は、仮に乙第1号証等に記載の「UMLaut」が本件商標と社会通念上同一であるとしても、当該文字は、単に、保守サービス契約の対象となるソフトウェア商品を特定するための商品名として表示されているにすぎず、当該ソフトウェア商品とは独立した保守サービスを識別するための商標として使用されているわけではないから、これらの記載から、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用した事実を確認することはできない旨主張している。
しかしながら、たとえ「UMLaut」が、保守サービス契約の対象となるソフトウェアの名称であるとしても、ソフトウェアの保守サービスに係る取引書類(乙1●(省略)●)の品名・仕様欄、品名欄及びタイトルにおいて表示されている以上、当該保守サービスの商標として使用されていることを妨げるものということはできない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件商標の商標権者が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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