商標取消審判
2021-300301
ゼブラ
- 審判番号
- 2021-300301
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2006-014006
- 登録番号
- 5055101
- 請求日
- 2021年04月16日
- 審決日
- 2023年02月01日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ゼブラ テクノロジーズ コーポレイション
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】門田 尚也
- 【被請求人】株式会社 リクルート
- 【被請求人代理人】橘 哲男
- 【被請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T132 .1 -Y (Y3542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3項第7号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第4号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5055101号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5055101号商標(以下「本件商標」という。)は、「zebra」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年2月17日に登録出願、「広告」を含む第35類、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるコンピュータプログラムの提供」を含む第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同19年6月15日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は令和3年4月28日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年4月28日から令和3年4月27日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「広告,試供品の配布,商品の販売促進・役務の提供促進のためのクーポン券の発行及び管理,トレーディングスタンプの発行」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるコンピュータプログラムの提供,インターネットにおける検索エンジンの提供,インターネットの電子掲示板又はホームページの作成・更新,インターネットの電子掲示板又はホームページの作成に関する情報の提供,インターネットサーバーエリアの貸与,コンピュータデータベースヘのアクセスタイムの賃貸,コンピュータネットワークにおけるウェブサイトの作成・設計・保守,品質管理」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標の使用状況
(1)「ゼクシィ」及び「ゼクシィnet」について
被請求人は、1993年5月より現在に至るまで40年近くに渡って、婚礼会場及び婚礼関連情報を提供すべくブライダル専門情報誌「ゼクシィ」を継続的に発行、出版するものである。前記「ゼクシィ」は、日本全国の首都圏、関西、東海、北海道など地域ごとに展開し、これらの地域に存在するこれから結婚を控える男女に対して、結婚式場に関する情報のみならず、ドレス・指輪・引出物などの婚礼関連情報や先輩男女による体験談、披露宴などにかかる費用の相場等結婚準備に関する多面的な情報を提供するものである。
被請求人は、近時の情報技術の高度化・複雑化に伴い、インターネットが利用できるデバイスの多様化が加速する状況下において、コンピュータ、タブレット型情報端末、スマートフォンのいずれにも対応しつつ、これまで以上に結婚関連情報を提供すべく結婚準備の総合サイト「ゼクシィnet」(乙1)を管理運営するものである。
(2)使用役務について
本件商標は、前記「ゼクシィnet」に広告掲載を行う者又はこれを希望する者に対して提供する掲載情報管理、及び、予約対応管理を行うために結婚式場、ホテル等の顧客が利用する入稿システム「zebra」(以下「使用役務」とする。)の名称として現に使用されている。
当該使用役務は、これを利用し掲載情報を入稿あるいは更新することで前記「ゼクシイnet」とスマートフォン用サイトの両方をスピーディに入稿あるいは更新できる点や式場来場者の来館台帳機能、ウェディングプランナーのスケジュール管理機能など様々な機能、特徴を有するものであり、これにより婚礼事業の効率化、充実化を図ることが可能となるものである。
この点、被請求人は、被請求人が社内営業担当向けに利用する研修用資料を乙第2号証として提出する。当該研修用資料によれば、「zebraID」の発行を受けた顧客は、使用役務を利用することが可能となり、「掲載情報の登録各種設定」、「来館管理/お客様対応」、「お客様対応(資料請求データDL)」、「クチコミ対応」等の諸機能を利用することで婚礼事業の効率化、充実化を図ることができる。
この使用役務は、システム利用者に対して、コンピュータプログラムを提供し、あるいは、これを設計・作成又は保守するものであるから、本件商標に係る指定役務中の少なくとも第42類「電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるコンピュータプログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に該当するものである。
さらに、広告入稿・更新システムである「zebra」は、使用役務を利用して広告入稿・更新を行う顧客に対しては第35類「広告」の自他役務識別標識として機能するものであるから、本件商標に係る指定役務中の少なくとも第35類「広告」に該当するものである。
(3)乙第3号証について
乙第3号証の「zebra 新規ご参画クライアント様向けスタートアップマニュアル」は、新規に使用役務の利用を開始する婚礼会場等顧客向けのマニュアルであり、被請求人は、当該マニュアルを用いて顧客に対して使用役務の利用方法を説明するものである。
本マニュアル表紙の中央部には「zebra」の標章(以下、「使用標章1」とする。)が大書されているところ、当該使用標章1は本件商標と「zebra」の欧文字において共通し、さらに、「ゼブラ」の称呼においても共通するものであるから、使用標章1と本件商標とは少なくとも社会通念上同一の関係にあることは一見して明らかである。
また、本マニュアルは、使用役務のバージョンアップや仕様変更に伴い、随時更新されるものである。この点、乙第3号証中の表紙右下部にあるとおり、本マニュアルは「2020年12月」に更新されていることが確認できるところ、当該期間は本取消審判の請求登録前三年以内(以下「要証期間内」とする。)に該当する。
さらに、本マニュアルは、被請求人が、顧客に対して、使用役務の利用方法を説明するために用いる物であるから、被請求人の行為は「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第3号)及び「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第4号)に該当する。
このように、被請求人は、要証期間内に、本件指定役務について本件商標と社会通念上同一の商標(使用標章1)を使用(商標法第2条第3項第3号、同4号)するものである。
(4)乙第4号証について
乙第4号証は、使用役務に係る利用者の利用画面キャプチャであり、本利用画面キャプチャは、使用役務を利用している顧客側から閲覧することができる画面のキャプチャである。
本利用画面キャプチャ左上部には、赤字でデザインが施されてはいるものの「zebra」の欧文字によるロゴ(以下「使用標章2」とする。)が確認できるところ、「zebra」の欧文字及び称呼が共通するものであるため、使用標章2と本件商標とは少なくとも社会通念上同一の関係にある。
また、使用標章2、及びその下部に「zebra ID検索」、「zebra 個社TOP」、「zebra 営業用個社TOP」などの項目が確認できることから、本利用画面キャプチャは使用役務に関するものであることが理解、把握できる。
さらに、使用標章2は、ディスプレイ上で確認することができるものであるため、被請求人の行為は「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第7号)に該当する。また、本利用画面キャプチャの日付は、2頁目中段に「システムメンテナンスのお知らせ」として、その下部に「2019年/5/19(日)02:00-08:00はシステムメンテナンスのため、・・・」との表記が確認できることからすると、要証期間内である2019年5月前後であることが容易に推認できる。
このように、被請求人は、要証期間内に、請求に係る指定役務について本件商標と社会通念上同一の商標(使用標章2)を使用(商標法第2条第3項第7号)するものである。
(5)結語
以上に述べたように、被請求人の提出に係る乙各号証を勘案すれば、被請求人は、要証期間内において、本件使用役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用(商標法第2条第3項第3号、同4号、同7号)するものであることが容易に理解できる。そのため、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録を取り消されるべきものではなく、請求人による審判請求は理由がない。
第4 当審の判断
1 事実認定
被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)被請求人の主張によれば、商標権者は、結婚式場などに関する情報を提供する「ゼクシィnet」を管理運営するものであり(乙1)、前記「ゼクシィnet」に広告掲載を行う者又はこれを希望する者(ホテル等の顧客)が利用する入稿システム「zebra」を提供している(使用役務)(乙2~4)。
(2)zebra ID登録の画面(乙2、4葉目)には、「Zexy Bridal Real Assistance RECRUIT」の記載、「ゼクシィWEBサービス利用約款」として「ゼクシィWEBサービス利用約款(以下「本約款」といいます。)は、株式会社リクルート(以下「当社」といいます。)とゼクシィWEBサービス(次項の定義に従います。)の利用にかかる契約(以下「本契約」といいます。)を締結した事業者(以下「事業者」といいます。)に対して適用されるものとします。」の記載があり、当該入稿システムの提供が、商標権者によるものであることが認められる。
(3)当該入稿システムを利用するための作業手順を説明する「zebra新規ご参画クライアント様向けスタートアップマニュアル」(乙3)(以下「本件マニュアル」という。)の表紙には、「2020年12月更新」との記載があるから、本件マニュアルは、2020年12月時点で用いられていたことが推認できる。そして、本件マニュアルのタイトルには、ややデザイン化した「zebra」(以下「使用商標1」という。)が表示されており、使用商標1が本件マニュアルに使用されているといえる。
(4)zebra利用画面キャプチャ(乙4)(以下「本件画面キャプチャ」という。)の2葉目には、「貴社ご利用の基本パック内容」と表示されていることから、利用者が利用する際の当該入稿システムの画面であり、当該入稿システムの利用契約があったことがうかがえる。また、「2019/5/19(月)02:00~08:00はシステムメンテナンスのため、ゼクシィのすべてのサービスが一時的につながりにくくなります。」の記載があるから、2019年5月19日より少し前の時期に本件画面キャプチャが存在していたことが推認できる。そして、本件画面キャプチャ1葉目には、「zebra IDシステム管理者メニュー」「zebra ID検索」「zebra 個社TOP」「zebra 営業用個社TOP」などの記載があり、通常の書体の「zebra」(以下「使用商標2」という。)が表示されているから、使用商標2が当該入稿システムの画面に使用されているといえる。
2 判断
前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標
本件商標は、前記第1のとおり、「zebra」の文字を標準文字で表してなるものである。
これに対し、使用商標1は、「zebra」の文字をややデザイン化したものであり、使用商標2は「zebra」の文字をゴシック体様の文字で普通に表してなるものである。
そうすると、使用商標1及び2は、本件商標と同一の文字構成よりなるものであって、書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものである。
よって、使用商標1及び2は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用役務
使用役務は、前記1(1)のとおり、「ゼクシィnet」に広告掲載を行う者又はこれを希望する者(ホテル等の顧客)が利用する入稿システムの提供であるところ、これは、請求に係る指定役務に含まれる「電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるコンピュータプログラムの提供」の範ちゅうに属する役務と認められる。
(3)使用時期
前記1(3)及び(4)のとおり、本件マニュアルは、2020年12月時点で用いられていたことが推認でき、本件画面キャプチャから、2019年5月19日より少し前の時期には当該入稿システムの利用契約があったことが推認できることから、本件マニュアルに用いられた使用商標2及び当該利用画面に用いられた使用商標1は、いずれも要証期間内の使用といえる。
(4)使用者
前記1(2)のとおり、ゼクシィWEBサービス利用契約は、商標権者が事業者との間で契約するものであることから、使用者は、本件商標権者である。
(5)使用行為
ア 本件マニュアルは、当該入稿システムを利用するための作業手順を説明するものであり、使用役務の提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に該当する。そして、使用役務は前記1(4)のとおり、実際に提供されたことが認められるから、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務の範ちゅうの使用役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に使用商標を付したものを用いて役務を提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第4号の使用行為に該当する。
イ 本件画面キャプチャは、利用者が利用する際の当該入稿システムの画面(映像面)であり、使用役務は前記1(4)のとおり、実際に提供されたことが認められるから、本件商標権者は、要証期間内に、電磁的方法により行う映像面を介した使用役務の提供に当たりその映像面に使用商標を表示して役務を提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第7号の使用行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれる役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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