商標取消審判
2021-300108
パルサンロクゼロ、パルサンビャクロクジュー、パル、ピイエイエル
- 審判番号
- 2021-300108
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1998-049007
- 登録番号
- 4654749
- 請求日
- 2021年02月17日
- 審決日
- 2021年10月27日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 アタゴ
- 【請求人代理人】石原 幸典
- 【請求人代理人】石原 昌典
- 【被請求人】立山科学 株式会社
- 【被請求人代理人】特許業務法人宮田特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 榎本 政実
- 審判官 大山 健
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T132 .1 -Z (Z09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4654749号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4654749号商標の指定商品中、第9類「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4654749号商標(以下「本件商標」という。)は、「PAL360」の文字を標準文字で表してなり、平成10年6月9日に登録出願、第9類「光学機械器具,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」を指定商品として、同15年3月20日に設定登録がなされ、同25年1月8日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年3月11日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和3年4月28日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月28日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の要旨
本件商標は、その指定商品中、第9類「光学機械器具、写真機械器具、映両機械器具、測定機械器具」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 弁駁書による主張の要旨
(1)乙第2号証における表記
乙第2号証の表紙の左上には、「PAL360」の文字と同書体、同大、同色で「度全周囲撮影システム」の文字が一連一体に表記されている。
(2)「PAL360度全周囲撮影システム」の解釈
乙第2号証の表紙の左上に「PAL360度全周囲撮影システム」(以下「使用商標」という場合がある。)と表記されているところ、「全周囲」の日本語の意味、乙第2号証の表紙の下方の「周囲360°」の記載及び乙第2号証の2頁目の下方の「パノラマ360度」の記載を鑑みれば「360」と「度」とは当然に切り離すことができないものであり、「360度全周囲撮影システム」の部分をもって「360度に亘って全周囲を撮影するシステム」と当該商品の機能を記述的に表記していると解釈するのが相当である。
また、仮に「PAL360」の部分をもって当該商品の標識として使用されていると解釈すると、使用商標から「PAL360」を除いた「度全周囲撮影システム」は日本語としての意味をなさない。すなわち、「PAL360」の部分が当該商品の標識として使用されていると解釈するには、「度」が除かれた「PAL360全周囲撮影システム」、もしくは「360」が加えられた「PAL360 360度全周囲撮影システム」と表記されていなければ道理に合わない。
したがって、乙第2号証は、「PAL」と「360度全周囲撮影システム」とで区切って「PAL」の部分が当該商品の標識として使用されていることを示すというのであればともかく、本件商標が当該商品の標識として使用されていることを示すものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について要証期間において使用実績があるとの主張は、理由がない。
第3 被請求人の答弁書による主張の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)答弁理由
本件商標については、要証期間に日本国内において、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)によって、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしている。
(2)本件商標権者は、主に各種ソフトウェア、FAシステム、制御システム、等の設計・開発・販売電子部品、電子機器、産業用生産装置、精密部品、等の製造・販売を事業内容としている会社(乙1)であり、特に、産業用生産装置の製品を多く取り扱っている。
そして、本件商標である「PAL360」を付した商品は「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具」であり、本件商標権者が実際に製造販売している当該商品のパンフレットを乙第2号証として提示する。
また、乙第2号証では、表紙の左上に本件商標と対象商品が表記されており、上記商品の標識として使用されている。
さらに、当該パンフレットの末尾には「2020年10月版」と明記してあり、製品発売元として「立山科学工業株式会社」(現在では「立山科学株式会社」)と記載されている(乙3)。
(3)乙第1号証及び乙第4号証は、本件商標権者の現名称は「立山科学株式会社」であるが、令和3年2月15日付で登録名義人の表示変更登録申請書を提出しており、旧名称の「立山科学工業株式会社」から変更された事実を示す証拠を添付する。
(4)以上の各証拠から、本件商標は、指定商品「光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具」について要証期間において使用実績があることは明らかである。
第4 当審における審尋及び被請求人の回答
1 当審における審尋について
審判長は、令和3年7月7日付け審尋において、被請求に対し、被請求人が提出した乙各号証によっては、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを被請求人が証明しているとものとはいえいない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した弁駁書に対する回答を求め、相当の期間を指定した。
2 被請求人の回答
被請求人からは、上記1の審尋に対し何らの応答もなかった。
第5 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、立山科学株式会社(以下「立山科学社」という。)の事業内容を示すホームページの写しであり、1葉目に、「会社情報」の項の下に、「会社名」として「立山科学株式会社(グループ代表会社)」の記載、「グループ事業内容」として「各種ソフトウェア、FAシステム、制御システム,等の設計・開発・販売」及び「電子部品、電子機器、産業用生産装置、精密部品、等の製造・販売」の記載がある。
また、1葉目及び2葉目の左下に、「https://www.tateyama.jp/company/about/」のURLが記載され、上部に「2021/4/21」及び「会社概要|立山科学グループ」の記載があるが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の記載はない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証のパンフレットの写しには、その表面の左上に「PAL360度全周囲撮影システム」の文字、その下に、「PALNONネットワークカメラ」の記載、当該「PALNONネットワークカメラ」と思しき商品の画像及び当該商品で撮影されたと推察される写真が掲載され、さらにその下に、「特徴」の見出しの下に「レンズ一体型で簡単に周囲360°パノラマ撮影や180度の超広角撮影が可能。」の記載がある。
また、裏面の上段には、「仕様・機能」の見出しの下、「撮像素子:500万画素 CMOS カラーセンサー 2592×1944ピクセル」及び「画像出力 出力方式:Motion-JPEG」の記載、その中段には、「付属ビューワーソフトフェア」の見出しの下、黒枠内に、「カメラ1~2台の小規模システム」と題して、2台の使用商品がPoEハブを介してノートブックパソコン(付属ビューワーソフト)に連結されて使用されることが図示されている。
また、その下部には、「製造販売元」、「立山科学工業株式会社(以下「立山科学工業社」という。)」、「富山市月岡町3丁目30番地」及び「2020年10月版」の記載がある。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、立山科学社の「お問い合わせ」のホームページの写しであり、「フォームからのお問い合わせ(入力)」及び「お電話でのお問い合わせ」の項目があるが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の記載はない。
(4)乙第4号証について
乙第4号証は、令和3年2月15日付けの「登録名義人の表示変更登録申請書」の写しであり、本件商標権者から特許庁長官宛てに提出されたもので、本件商標を含む5件の商標の登録名義人の表示変更登録申請書である。
また、職権調査によれば、本件商標の商標登録原簿によれば、令和3年2月16日受付で「登録名義人の表示の変更」があり、権利者を「立山科学株式会社」に変更されたものである。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
本件商標権者は、要証期間である2020年(令和2年)10月頃発行のパンフレットにおいて、「PAL360度全周囲撮影システム」というレンズ一体型で簡単に周囲360°パノラマ撮影や180度の超広角撮影が可能なネットワークカメラ(以下「使用商品」という。)を製造販売していることが認められる。
しかしながら、被請求人が提出した全証拠をみても、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていると認められる証拠は確認できなかった。
また、使用商品は、「ネットワークカメラ」であり、この仕様及び機能は、「撮像素子:500万画素 CMOS カラーセンサー 2592×1944ピクセル」及び「画像出力 出力方式:Motion-JPEG」であり、ネットワークによりコンピュータに接続されたカメラであることから「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品と認めるものであり、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品とは認められないものである。
さらに、被請求人は、答弁書において、乙第2号証の証拠に基づく商標の使用を主張しているものの、商標法第2条第3項各号のいずれに基づく使用であるか明らかにしていない。
上記のとおり、被請求人が、要証期間に本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判請求に係る指定商品に使用した事実を確認できないことから、商標法第2条第3項各号における本件商標の使用の行為を認めることができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「結論掲記の商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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