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商標取消審判

2021-300024

サンキン

審判番号
2021-300024
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1992-321564
登録番号
4048984
請求日
2021年01月14日
審決日
2022年03月02日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】三金工業 株式会社
  • 【請求人代理人】簗田 真也
  • 【請求人代理人】渡辺 翔
  • 【被請求人】デンツプライシロナ 株式会社
  • 【被請求人代理人】田中 克郎
  • 【被請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【被請求人代理人】佐藤 俊司
  • 【被請求人代理人】山口 現
  • 【被請求人代理人】村瀬 純一
  • 【被請求人代理人】佐藤 力哉
  • 【被請求人代理人】栗林 知広
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 森山 啓
  • 審判官 板谷 玲子
分類
T131 .1 -Y (010)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4048984号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4048984号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年12月10日に登録出願、第10類「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む),医療用手袋」を指定商品として、同9年7月10日に登録査定、同年8月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 なお、本件審判の請求の登録は、令和3年(2021年)2月4日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年(2018年)2月4日から令和3年(2021年)2月3日までを以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、登録第4048984号商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)概要 被請求人は,本件商標を要証期間内に「医療用機械器具」に対し使用していない。 (2)納品書(乙2、乙3)について ア 通常、納品書には、その発行日が記載されるものであるが、被請求人が提出した納品書(乙2、乙3)にはいずれも発行日の記載がない。 また、被請求人は、納品書記載の取引が事実であれば、納品書に記載された商品の納入を受注したものと考えられるところ、被請求人が有している納品書は控えであると考えられ、通常、書類の控えにはその旨記載されるものである。しかし、被請求人が提出した納品書にはいずれも控えである旨の記載がない。 したがって、乙第2号証及び乙第3号証は、実際に存在した取引における商品の納品書(の控え)ではないと推認される。 イ また、商品の納入後であれば、注者(審決注:「発注者」の誤記と認められる。)から受領書等、商品の納入が完了した旨の書面を交付され又は、電子メール等でその旨通知され、その原本や電子メール等を一定期間保管するものであるところ、被請求人は,受領書等の証拠を提出していない。 加えて、被請求人において、金銭を受領した後に領収書を交付するはずである。そして、交付した領収書の控えも一定期間保管されるはずであるが、被請求人は、領収書を提出してもいない。 したがって、被請求人は、受領書を有しておらず、本件では、日付等の記載がない「納品書」と題する書面(乙2、乙3)が存するのみである。 このことは、乙第2号証及び乙第3号証が実際の取引を反映したものではないことを推認させるものである。 そればかりか、取引の実態がない商品の納品書の提出がなされていることからすれば、本件使用商品a(「N11860300043」)及び本件使用商品b(「N11860700009」)の各商品の存在も証明されていないといえる。 ウ 以上から、被請求人は、そもそも、乙第2号証及び乙第3号証に基づく本件使用商品a及び本件使用商品bに関する取引の存在自体証明しておらず、「サンキン」及び「SANKIN」の商標を付した商品を譲渡していたことを証明してはいない。 (3)本件カタログについて ア 本件使用商品a及び本件使用商品bについて 前記のとおり、本件使用商品a(「N11860300043」)及び本件使用商品b(「N11860700009」)の各商品の存在が証明されていないことから、本件カタログに「N11860300043」製品番号の商品として「サンキン KT チンキャップ」なる商品の記載及び「N11860700009」の製品番号の商品として「サンキン プロトラクター 反対咬合牽引矯正装置」なる商品の記載は存在しない可能性がある商品に関する記載である。 したがって、被請求人は「サンキン」及び「SANKIN」を被請求人の製造及び販売する商品の包装及びその広告に付して使用していたとはいえない。 イ 本件使用商品cについて 本件カタログ(乙1)の49頁に「サンキンリトラクター/整形用牽引装置」(本件使用商品c)の記載が存する。 一方で、被請求人は、本件使用商品cに関する請求書、納品書、領収書等を証拠として提出しておらず、かかる商品が要証期間内に、製造、販売されていないことが推認される。 したがって,本件使用商品c自体が存在していないと考えられるから、本件カタログ中の「サンキンリトラクター/整形用牽引装置」との記載は存在しない可能性がある商品に関する記載であり、「サンキン」を被請求人の製造及び販売する商品の広告に付して使用していたとはいえない。 ウ したがって、被請求人が「サンキン」及び「SANKIN」を被請求人の製造及び販売する商品の包装及びその広告に付して使用していたとはいえない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。 1 はじめに 本件商標は、以下に述べるとおり、要証期間内に、被請求人によって、日本国内において、請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」について使用されている。 2 被請求人による本件商標の使用について 被請求人は、要証期間において、被請求人の製造及び販売する歯列矯正用チンキャップ及び歯列矯正用ヘッドギアについて、「サンキン」及び「SANKIN」の商標を、その商品カタログ及び商品の包装に付して使用し、また、かかる商品を第三者に譲渡していた。 すなわち、被請求人は、被請求人の商品カタログである「Orthodontic Products 2019 歯科矯正材料総合カタログ」(以下「本件カタログ」という。)において、商品名をそれぞれ「サンキン KT チンキャップ」とする歯列矯正用チンキャップ(以下「本件使用商品a」という。)、「サンキン プロトラクター 反対咬合矯正用牽引装置」(以下「本件使用商品b」という。)とする歯列矯正用ヘッドギア、及び、「サンキンリトラクター/整形用牽引装置」とする歯列矯正用ヘッドギア(以下「本件使用商品c」という。)を掲載し、これら商品の宣伝広告をしていた(乙1)。本件カタログ中の頁番号48及び49において、上記各商品の商品名に「サンキン」の商標が使用され、また、本件使用商品a及びbの商品写真中の各商品の包装においても、「サンキン」及び「SANKIN」の各商標が付されている。また、本件カタログは、その最終頁の右下に発行元である被請求人の名称と住所が表示されており、また、カタログタイトル中の「2019」の記載、本件カタログ内に複数記載された「希望小売価格は、2019年8月現在の価格です。」との注意書き及び本件カタログ最終頁の右下に記載された「201909」数字が示すように、被請求人が2019年9月に発行していたものである。したがって、被請求人は、要証期間において、「サンキン」及び「SANKIN」を、請求人の製造及び販売する商品の包装及びその広告に付して使用していた(商標法第2条第3項第1号及び第8号)。 また、被請求人は、本件使用商品a及びbを第三者に販売していた。すなわち、被請求人作成に係る納品書に示されるとおり、被請求人は、愛知県の取引先に対して、2020年6月頃に本件使用商品bを、大阪市の取引先に対して、2020年11月頃に本件使用商品aをそれぞれ販売した(乙2、乙3)。この点、納品書自体の作成日は明らかではないが、上記取引のうち前者の納品書には、関連する伝票が2020年5月27日及び2020年6月12日に作成されたことが記載され、後者の納品書には同じく2020年11月6日及び11月23日に作成されたこと及び「9月30日ご注文分」との記載があり、上記の時期に取引が行われたことが示されている。また、納品書に記載の各品目番号は、本件カタログに記載されている製品番号に対応するものであり、たとえば、乙第2号証には、納品した商品の品目番号として「N11860300043」と記載されているところ、これは本件カタログの本件使用商品aのサイズSの製造番号に対応するものである。つまり、納品書の製品番号と本件カタログの製造番号とを照合することにより、本件カタログに掲載されている商品写真中の商品と同一の商品が、乙第2号証及び乙第3号証の納品書に対応する取引によって、被請求人から取引先に販売されたということが確認できるところ、本件カタログの写真から明らかなとおり、本件使用商品a及び本件使用商品bの包装には、「サンキン」及び「SANKIN」の商標が付されていた。したがって、被請求人は、要証期間において、取引先に対し、乙第2号証及び乙第3号証の納品書に対応する取引に基づき、その包装に「サンキン」及び「SANKIN」の商標を付した商品を譲渡していた(商標法第2条第3項第2号)。 そして、歯列矯正用チンキャップ及び歯列矯正用ヘッドギアは、歯科用矯正機械器具であって、請求に係る第10類「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」中の「歯科用機械器具」の範ちゅうに含まれることは明らかである。 以上より、被請求人は、要証期間内に、指定商品中の「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」について、「サンキン」及び「SANKIN」を使用していた。 3 商標の同一性について 上記2のとおり、被請求人は、要証期間において、「SANKIN」及び「サンキン」の商標を指定商品中の「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」について使用していたものであるところ、これらの商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。 まず、本件商標は「SANKIN」と「サンキン」とを二段に構成してなる商標であるところ、その構成中「SANKIN」の欧文字は、辞書類に載録されている既存の語ではなく、特定の意味合いを生ずることのない一種の造語であり、「サンキン」の片仮名は、欧文字部分から生ずる自然な読みに従って振り仮名を表記したものと理解、認識されるから、本件商標は、その全体から「サンキン」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。一方、「SANKIN」は、本件商標の欧文字部分とその綴りを同一とし、片仮名部分とは片仮名とローマ字を相互に変換するもので、共に「サンキン」の称呼を生じ、観念における相違はないものである。また、「サンキン」については、本件商標と片仮名部分の綴りを同一とし、欧文字部分とは片仮名とローマ字を相互に変換するもので、共に「サンキン」の称呼を生じ、観念の相違はないものである。したがって、「SANKIN」及び「サンキン」はいずれも、本件商標と社会通念上同一の商標である。 本件のように、登録商標が欧文字及び片仮名の二段書きからなる商標であって、使用商標がその欧文字部分あるいは片仮名文字部分のいずれかである場合において、登録商標と使用商標が社会通念上同一であると判断した事例は多数存在し、たとえば、登録商標「PRTIMES/ピーアールタイムズ」と使用商標「ピーアールタイムズ」又は「PRTIMES」の社会通念上の同一性が争われた知的財産高等裁判所判決平成29年10月26日(平成29年〔行ケ〕10118号)において、裁判所は、登録商標と使用商標とは、それぞれ欧文字部分又は片仮名部分を同一にするから、社会通念上同一の商標であると判断している。 4 結語 以上より、本件商標は、要証期間内に、商標権者である被請求人によって、指定商品中の「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」について使用されているから、本件審判の請求は成り立たない。 第4 審尋 当審より被請求人に対し、令和3年7月21日付け審尋において、以下1ないし3の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した令和3年6月3日付けの審判事件弁駁書に対する意見を求めた。 1 「Orthodontic Products 2019/歯科矯正材料総合カタログ」(乙1)からは、48頁及び49頁に本件商標と社会通念上同一と認められる商標「サンキン KT チンキャップ」、「SANKIN KT CHIN CAP」等の表示及び本件審判の請求に係る指定商品中「歯科用機械器具」の範ちゅうに含まれる「歯列矯正用チンキャップ」、「歯列矯正用ヘッドギア」等の表示とその商品写真、裏表紙に本件商標の商標権者の名称「デンツプライシロナ株式会社」の表示が確認できる。 しかしながら、提出された証拠からは、当該カタログが、要証期間に国内で頒布されたことが確認できない。 2 納品書(乙2及び乙3)からは、カタログ(乙1)の48頁及び49頁掲載の商品と認められる品目番号「N11860300043」及び品目名称「*KTチンキャップS 1個入」並びに品目番号「N11860700009」及び品目名称「*プロトラクターセット」の表示、本件商標の商標権者の名称「デンツプライシロナ株式会社」の表示が確認できる。 しかしながら、当該納品書に対応する発注書等の取引書類が確認できない。 3 上記1又は2が確認できないため、被請求人は、要証期間に、商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用したことを証明したものと認めることができない。 第5 審尋に対する回答 被請求人は、令和3年10月15日付けの回答書において、審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第4号証ないし乙第9号証を提出した。 1 納品書(乙2、乙3)は実際の取引に関する書類であること 請求人は、ア)納品書(乙2、乙3)に、それが控えである旨の記載がないこと、イ)注文者からの受領書や領収書等が証拠として提出されていないことを根拠に、納品書(乙2、乙3)は、実際の取引を反映したものではない、したがって、納品書(乙2、乙3)に記載の本件使用商品a及びbの存在も証明されていない等と論難する。しかしながら、これらの請求人の主張はいずれも全く理由がない。 まず、ア)について、被請求人は、取引先との受発注をEDI(ElectronicDataInterchange)のシステム(以下「本受発注システム」という。)を通じて行っている。本受発注システムを通じた受発注のプロセスは、概要、次のとおりである。まず、取引先は、本受発注システムに対し、取引先のインターフェースに、商品名、個数等の必要な情報を入力して発注する。かかる取引先からの発注は、自動的に、被請求人のインターフェースに、取引先からの注文として自動的に反映される。被請求人は、受発注システムを通じて受領した取引先からの注文に応じて、商品を取引先に納品し、本受発注システムを通じて電磁的に納品書を発行する。以上のとおり、商品の発注から納品まで、取引先及び被請求人間のやりとりは、原則として本受発注システムを通じて行われるため、紙媒体や電子メールでのやりとりは発生しない。したがって、請求人が述べるような「控え」の表記がなされることなどなく、かかる記載がないことをもって、納品書(乙2、乙3)に対応した取引が存在しないなどということはできない。 続いて、イ)について、被請求人は、令和3年7月21日付け審尋における指示に従い、乙第2号証の納品書に対応する注文書(乙4)を証拠として提出する。同注文書右上に、同注文書を発行した取引先固有の番号である「お問合せ番号」として「OHC002130963」と記載されているが、これは乙第2号証の納品書の中央下部「お届け先OHC002130963」に対応するものである。 また、同注文書右上には、注文日として「2020年9月30日」と記載されているが、乙第2号証の納品書の中央下部には「9/30ご注文分」と記載されている。これらの事情から、乙第4号証が乙第2号証の納品書に対応する注文書であると確認可能である。なお、上記のとおり、本受発注システムを通じた受発注の取引において、取引先が作成する紙媒体の注文書は不要であるが、本受発注システムを適切に使用することができず、紙媒体の注文書を送る取引先も中には存在し、乙第4号証もそのような取引先からファックスで送信されたものである。 このように、乙第2号証の納品書に対応する、取引先が作成した注文書が現に存在するのであるから、本件使用商品abの存在が証明されていない等という請求人の主張には全く理由がない。 2 本件カタログについて 請求人は、本件カタログに記載された本件使用商品aないしcは実在しない商品に関する記載であるなどと論難するが、全く根拠のない主張である。 まず、本件カタログは、主に被請求人のウェブサイトを通じて公開されていたものである(本件カタログが請求人のウェブサイトにおいてどのように公開されていたのかという点に関する参考として、請求人のウェブページを証拠として提出する(乙5、乙6)。)。 また、本件カタログは、紙媒体で(乙9)又は電子データの形態で、一部の取引先に対して提供されている。請求人は、審尋における指示に従い、かかる取引先のリストを証拠として提出する(乙7)。 更に、本件カタログが実際に作成されていたことの証拠として、審尋における指示に従い、外部のデザイン会社との本件カタログのデザインの修正等の業務に関する請求書を証拠として提出する(乙8)。 以上からすれば、本件カタログが要証期間内に実際に頒布されていたことは明らかである。 3 結語 以上より、本件商標は、要証期間内に、商標権者である被請求人によって、指定商品中の「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」について使用されていることは明らかである。 第6 当審の判断 1 事実認定 被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下の事実を認めることができる。 (1)「Orthodontic Products 2019/歯科矯正材料総合カタログ(以下「カタログ」という。乙1、乙9)には、「顎外固定装置」の項目に、商品「サンキン KT チンキャプ」が、当該商品の写真、「■用途:下顎前突矯正用」及び「■包装:1個又は10個」等の記載、「製品番号」、「サイズ」(L、S)、「色調」、「包装単位」及び「希望小売価格」の項目からなる一覧表、「一般医療機器(クラスI) 歯列矯正用チンキャップ」、「医療機器届出番号」等が記載されている。 上記一覧表中、「製品番号:N11860300043」は、「サイズ:S」、「色調:(アルミ色)」、「包装単位:1個」と記載されている。 また、当該商品の写真中、商品の包装箱には「SANKIN KT CHIN CAP」、「サンキン KT チンキャップ」、「SIZE S」、「Dentsply Sirona」の表示がされている。 さらに、表紙の裏側には「●希望小売価格は、2019年8月現在の価格です。」、裏表紙には「デンツプライシロナ株式会社」及び「東京都港区麻布台1-8-10 麻布偕成ビル」並びに「201909」が記載されている。 (2)納品書(乙2)には、「デンツプライシロナ株式会社」及び「東京都港区麻布台1-8-10 麻布偕成ビル」の記載、納品先に「大阪市・・・」の記載、「年月日」として「2020/11/06」及び「2020/11/23」の記載、また、「品目番号」として「N11860300043」、「品目名称」として「*KTチンキャップS1個入り」、「数量」として「4」の記載、さらに、「OHC002130963」及び「9/30ご注文分」の記載がなされている。 (3)注文書(乙4(2葉目))には、「デンツプライシロナ(株)御中」及び「東京都港区麻布台1-8-10 偕成ビル」の記載、「発注元」に「大阪市・・・」の記載、「注文日:2020年9月30日」「お問い合わせ番号:OHC002130963」の記載、8番目の「商品名、規格」に「KTチンキャップ 1個 S」の記載、同「希望納期」に「2020/10/1」の記載、同「パラ数」に「4」の記載がなされている。 (4)上記の(1)ないし(3)を勘案すると、商標権者は、カタログ(乙1、乙9)48頁掲載の「サンキン KT チンキャップ」の製品番号「N11860300043」(サイズS、1箱1個入り)4箱の注文(希望納期10月1日)を「2020年(令和2年)9月30日」に受け、同年11月頃までには大阪市の取引先に納品したものと推認される。 (5)カタログ送付先リスト(2017~2020年)(乙7)は、「送付先郵便番号」「送付先姓名」、「送付先電話番号」、「備考」、「受注明細:商品名」、「明細:個」及び「配送日」等の項目からなる一覧表である。「受注明細:商品名」には「歯科矯正用材料カタログ」と表示され、「明細:個」には送付したカタログの個数が記載されている。また、「配送日」には「2017/8/21」から「2020/12/1」にかけての日付が表示されていることから、2017年(平成29年)8月21日から2020年(令和2年)12月1日の間にかけてカタログが被請求人(本件商標権者)の取引先に送付されたものと認められる。 (6)請求書(乙8)には、「デンツプライシロナ株式会社 御中」及び「東京都港区麻布台1-8-10 麻布偕成ビル」の記載、「令和元年9月30日締切分」の記載、「株式会社ガム・コーポレーション」の記載、「納品日」として「9月24日」の記載、「品名」として「歯科矯正材料総合カタログ 修正」の記載、「数量」及び「単位」として「一式」の記載がなされている。 2 判断 上記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)カタログにおける使用について ア 使用商標 カタログ(乙1、乙9)48頁の「顎外固定装置」の項目中「サンキン KT チンキャップ」の商品の写真における包装箱に表示されている「SANKIN KT CHIN CAP」及び「サンキン KT チンキャップ」の文字(以下「使用商標」という場合がある。)中、「CHIN CAP」及び「チンキャップ」の文字部分は、商品「歯列矯正用チンキャップ」との関係では一般的な名称であり、「KT」の文字部分は、ローマ字2文字からなる商品の記号、符号等と理解するのが自然であるから、使用商標の要部は「SANKIN」及び「サンキン」の文字部分にあると認められる。 そして、本件商標は、別掲のとおり、「Sankin」の欧文字と「サンキン」の片仮名を二段に書してなるものである。 してみれば、使用商標の要部である「SANKIN」及び「サンキン」と、本件商標の上段「Sankin」及び下段「サンキン」とは、その一部にローマ字の大文字と小文字の差異はあるものの、構成文字や称呼を共通にすることから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 イ 使用商品 カタログ(乙1、乙9)の「顎外固定装置」の項目中、使用商標が付されている「歯列矯正用チンキャップ」(カタログ48頁、以下「使用商品」という。)と表示されている商品は、請求に係る指定商品中、「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」の範ちゅうに含まれる「歯科用機械器具」に該当する商品と認められる。 ウ 使用者 カタログ(乙1、乙9)の裏表紙には、「デンツプライシロナ株式会社」の文字が住所とともに表示されているところ、いずれも本件商標権者の名称及び住所と一致することから、使用者は商標権者である。 エ 使用時期 カタログ(乙1、乙9)の表紙の裏側において「●希望小売価格は、2019年8月現在の価格です。」、裏表紙において「201909」の表示がなされていること、当該カタログの修正等の業務を外部の企業(株式会社ガム・コーポレーション)に依頼し、令和元年(2019年)9月24日に納品されていること、当該カタログ(修正前のものを含む。)が、2017年(平成29年)8月21日から2020年(令和2年)12月1日にかけて被請求人(本件商標権者)の取引先に送付されていることからすれば、カタログ(乙1、乙9)は、要証期間内である2019年(令和元年)9月以降、少なくとも2020年12月にかけて、被請求人(本件商標権者)の取引先に送付(頒布)されていたものと認められる。 オ 使用行為 使用商品に関する広告に使用商標を付したカタログ(乙1、乙9)を頒布する行為は、「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)が行われていたものと認められる。 カ 小括 上記アないしオで判断したとおり、本件商標の商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中、第10類「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」の範ちゅうに含まれる商品「歯科用機械器具」に関する広告(カタログ)に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して、頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)をしていたことが認められる。 (2)商品の包装における使用について ア 使用商標 カタログ(乙1、乙9)48頁の「顎外固定装置」の項目中「サンキン KT チンキャップ」の商品の写真における包装箱に表示されている「SANKIN KT CHIN CAP」及び「サンキン KT チンキャップ」の文字中、「CHIN CAP」及び「チンキャップ」の文字部分は、商品「歯列矯正用チンキャップ」との関係では一般的な名称であり、「KT」の文字部分は、ローマ字2文字からなる商品の記号、符号等と理解するのが自然であるから、使用商標の要部は「SANKIN」及び「サンキン」の文字部分にあると認められる。 そして、本件商標は、別掲のとおり、「Sankin」の欧文字と「サンキン」の片仮名を二段に書してなるものである。 してみれば、使用商標の要部である「SANKIN」及び「サンキン」と、本件商標の上段「Sankin」及び下段「サンキン」とは、その一部にローマ字の大文字と小文字の差異はあるものの、構成文字や称呼を共通にすることから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 イ 使用商品 カタログ(乙1、乙9)の「顎外固定装置」の項目中、使用商標が付されている「歯列矯正用チンキャップ」(カタログ48頁)と表示されている商品は、請求に係る指定商品中、「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」の範ちゅうに含まれる「歯科用機械器具」に該当する商品と認められる。 ウ 使用者 カタログ(乙1、乙9)の裏表紙、納品書(乙2)及び注文書(乙3)には、「デンツプライシロナ株式会社」の文字が住所とともに表示されているところ、いずれも本件商標権者の名称及び住所と一致することから、使用者は商標権者である。 エ 使用時期 注文書(乙4)には、「注文日:2020年9月30日」の記載、「希望納期」に「2020/10/1」の記載がなされていること、納品書(乙2)には、「年月日」として「2020/11/06」及び「2020/11/23」の記載、「9/30ご注文分」の記載がなされていることを勘案すれば、商標権者は、カタログ(乙1、乙9)48頁掲載の「サンキン KT チンキャップ」の製品番号「N11860300043」(サイズS、1箱1個入り)4箱の注文(希望納期10月1日)を、要証期間内の「2020年(令和2年)9月30日」に受け、同年11月頃までには大阪市の取引先に納品したものと推認される。 オ 使用行為 使用商品の包装に使用商標を付したものを販売する行為は、「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」(商標法第2条第3項第2号)が行われていたものと認められる。 カ 小括 上記アないしオで判断したとおり、本件商標の商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中、第10類「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む)」の範ちゅうに含まれる商品「歯科用機械器具」の包装に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して、譲渡する行為(商標法第2条第3項第2号)をしていたことが認められる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件商標権者が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したと認められる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りではない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-300024

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決2件(デンツプライシロナ 株式会社、三金工業 株式会社)
  • 2021-300023取消審判 / 2022-03-31 / 請求不成立サンキン
    同じ当事者: デンツプライシロナ 株式会社、三金工業 株式会社
  • 2022-900025異議申立 / 2023-02-13 / 維持アブソルートサンキン
    同じ当事者: 三金工業 株式会社
同じ根拠条文の審決1,451件(50条)
  • 2023-300506取消審判 / 2024-04-26 / 請求不成立サイマティクス
    共通の条文: 50条
  • 2020-300303取消審判 / 2021-02-24 / 請求不成立アクセス
    共通の条文: 50条
  • 2020-300304取消審判 / 2021-02-24 / 請求不成立アクセス
    共通の条文: 50条
  • 2025-300396取消審判 / 2026-06-16 / 請求不成立エルビイエス
    共通の条文: 50条
  • 2025-300576取消審判 / 2026-06-15 / 請求成立(取消)アイプラス、プラス
    共通の条文: 50条
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同じ論点・分野の審決(審決分類)17件(1・010)
  • 2026-300002取消審判 / 2026-05-08 / 請求成立(取消)ニューマ、ヌーマ
    共通の審決分類: 1・010
  • 2024-300446取消審判 / 2025-09-18 / 請求成立(取消)ビオマルク、バイオマーク、ビオ、バイオ
    共通の審決分類: 1・010
  • 2024-300760取消審判 / 2025-05-08 / 請求成立(取消)マリナー、マリンアアル
    共通の審決分類: 1・010
  • 2024-300759取消審判 / 2025-04-24 / 請求成立(取消)アアルエフマリナー、マリナー、マリンアアル
    共通の審決分類: 1・010
  • 2024-300586取消審判 / 2025-02-17 / 請求成立(取消)セーフジェクト
    共通の審決分類: 1・010
同じ・似た商標の審決22件(サンキン)
  • 2021-300023取消審判 / 2022-03-31 / 請求不成立サンキン
    同じ商標: サンキン
  • 2022-890029無効審判 / 2025-01-21 / 請求成立(無効)サンキンコーギョー、ミツカネコーギョー、ミツガネコーギョー、サンキン、ミツカネ、…
    同じ商標: サンキン
  • 2021-900460異議申立 / 2022-11-16 / 維持サンキンデンタル、サンキン、ミカネ
    同じ商標: サンキン
  • 2021-900461異議申立 / 2022-11-16 / 維持サンキンデンタル、サンキン
    同じ商標: サンキン
  • 2025-300885取消審判 / 2026-05-21 / 請求不成立サンキ
    似た商標: サンキ(サンキン との近さ 0.75)

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