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商標無効審判

2022-890029

サンキンコーギョー、ミツカネコーギョー、ミツガネコーギョー、サンキン、ミツカネ、ミツガネ

審判番号
2022-890029
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2017-143326
登録番号
6074174
請求日
2022年04月28日
審決日
2025年01月21日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】デンツプライ シロナ インコーポレーテッド
  • 【請求人代理人】田中 克郎
  • 【請求人代理人】佐藤 俊司
  • 【請求人代理人】佐藤 力哉
  • 【請求人代理人】山口 現
  • 【請求人代理人】栗林 知広
  • 【請求人代理人】村瀬 純一
  • 【被請求人】株式会社 DentalBank
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T111 .261-ZC (W051040) / T111 .262-ZC (W051040) / T111 .263-ZC (W051040) / T111 .271-ZC (W051040)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第7号、商標法第46条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6074174号商標の商標登録無効審判事件についてされた令和5年3月27日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決の一部取消しの判決(令和5年(行ケ)第10087号、令和6年 7月8日判決言渡)があったので、更に審理の上、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6074174号の指定商品及び指定役務中、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,サプリメント」、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,医療用手袋」及び第40類「金属の加工,セラミックの加工,義歯の加工(「医療材料の加工」を含む。),金属加工機械器具の貸与,化学機械器具の貸与,3Dプリンターの貸与,材料処理情報の提供」についての登録を無効とする。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6074174号商標(以下「本件商標」という。)は、「三金工業」の文字を標準文字で表してなり、平成29年10月30日に登録出願、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),睡眠用耳栓,防音用耳栓,業務用美容マッサージ器,義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋」及び第40類「金属の加工,セラミックの加工,義肢又は義歯の加工(「医療材料の加工」を含む。),金属加工機械器具の貸与,化学機械器具の貸与,3Dプリンターの貸与,材料処理情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同30年7月18日に登録査定、同年8月24日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求について、本件商標の指定商品及び指定役務中、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,サプリメント」、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,医療用手袋」及び第40類「金属の加工,セラミックの加工,義歯の加工(「医療材料の加工」を含む。),金属加工機械器具の貸与,化学機械器具の貸与,3Dプリンターの貸与,材料処理情報の提供」以外について、すなわち、第5類「乳幼児用粉乳,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」、第10類「睡眠用耳栓,防音用耳栓,業務用美容マッサージ器,家庭用電気マッサージ器」及び第40類「義肢の加工(「医療材料の加工」を含む。)」についての本件審判の請求は成り立たない旨の審決が令和6年8月21日に確定し、その登録が同年12月4日されたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において引用する商標は、次の1及び2のとおりであり、以下、これらを合わせて「引用商標」という。 1 登録第3102237号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Sankin」及び「サンキン」の文字を上下2段に表してなり、平成4年12月10日に登録出願、第5類「消化器官用薬剤,外皮用薬剤,血液用剤,診断用薬剤,歯科用材料,衛生マスク,絆創膏」を指定商品として、同7年11月30日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 2 登録第4048984号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Sankin」及び「サンキン」の文字を上下2段に表してなり、平成4年12月10日に登録出願、第10類「医療用機械器具(診断用機械器具・治療用機械器具・歯科用機械器具・医療用X線装置を含む),医療用手袋」を指定商品として、同9年8月29日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証から甲第59号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号によってその登録は無効とされるべきである。 2 具体的な理由 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 引用商標の周知著名性について 請求人は、その前身である「三金電化研究所」の1920年代の創業に始まり、1948年(昭和23年)に「三金工業株式会社」として設立、2002年(平成14年)に「デンツプライ三金株式会社」に商号変更し、さらに2017年(平成29年)に現在の名称「デンツプライシロナ株式会社」(以下「デンツプライシロナ社」という。)に商号変更したが(甲5~甲7)、この間、100年近くにわたり会社名には「三金」が使用されてきた。 また、請求人は、歯科材料・歯科用医療機器の製造販売に従事し(甲8の1~甲8の4)、日本経済新聞、日経産業新聞、北海道新聞において紹介されているとおり、請求人は、日本における歯科用材料の総合大手三社となるに至るなどして、歯科材料・歯科器材における大手企業として認知されている(甲10~甲12の1)。 請求人が、現在の名称に変更する直前の2016年の1年間だけでも「日歯広報」「日本歯科新聞」「デンタルタイムズ21」等の歯科業界紙中心に65の媒体に広告を出稿し(甲8の5)、これまで請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器の名称においても、「三金」、その片仮名表記「サンキン」、欧文字表記「Sankin」が多数使用されている結果(甲8の1~甲8の4、甲9)、「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の表示はいずれも、請求人の販売する歯科用材料・歯科用医療機器等を示すものとして、また、これらを製造販売する請求人の名称を示すものとして、日本国内において周知著名となっている。 よって、引用商標は、遅くとも、本件商標の出願時までには、日本国内において周知著名な標章となっていたといえる。 イ 本件商標と引用商標の類似性 (ア)結合商標の類否判断 本件においては、「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の文字が、需要者の間に広く認識されており、著名性を獲得しているから、本件商標と引用商標の類否判断の際には、「三金」、「サンキン」及び「Sankin」が有するこの著名性を考慮すべきである。 (イ)本件商標について 本件商標の構成文字中、「三金」の文字は、請求人の販売する歯科用材料・歯科用医療機器等を示すものとして、また、これらを製造販売する請求人の名称を示すものとして、日本国内において周知著名な「三金」の文字と同一である一方で、本件商標の構成中「工業」なる語は、商号を構成する文字中において、業種を示すものとして一般に使用されているところであり、自他商品を識別するための機能を有するものではないと考えられるので、「三金」の部分と比して自他商品等識別力が極めて弱いものといわざるを得ない。そして、簡易迅速を旨とする取引の実際において、取引者・需要者は、著名な略称「三金」の部分に強く印象付けられることから、本件商標中「三金」の部分を適宜抽出し、「三金」の文字部分のみを捉えて取引されることも十分に想定される。 したがって、本件商標の要部は「三金」の部分であるといえる。 (ウ)引用商標について 引用商標は、いずれも横書きした「Sankin」の欧文字及び「サンキン」の片仮名を上下2段で併記した構成からなる商標であり、本件商標の出願前に出願され、それぞれ商標権として設定登録された。引用商標は、いずれも請求人の商標権として現在も有効に存続している(甲2、甲3)。 (エ)本件商標と引用商標との類否について 本件商標の要部は「三金」の漢字で構成され、「サンキン」の称呼が生じる。引用商標の片仮名部分「サンキン」は、欧文字部分「Sankin」のローマ字読みを表したものであるので、引用商標からは「サンキン」の称呼が生じるといえる。よって、本件商標と引用商標は称呼上同一であるといえる。 本件商標の要部「三金」及び引用商標を構成する「Sankin」又は「サンキン」については、請求人が、1920年代に創業し、創業以降、社名に使用してきた「三金」の漢字表記、欧文字表記又は片仮名表記であり、請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器の名称においても、「三金」、その片仮名表記「サンキン」、欧文字表記「Sankin」が多数使用されているので、「三金」、「Sankin」又は「サンキン」からは、請求人の販売する歯科用材料・歯科用医療機器等を示すものとして、また、これらを製造販売する請求人の名称を示すものとして、日本国内において周知著名となっている「三金」の観念が生じるので、本件商標及び引用商標は、観念上同一であるといえる。 以上より、本件商標は、引用商標とは、称呼及び観念が同一であるから、本件商標は引用商標と類似するといえる。 また、本件商標に係る一部の指定商品は、引用商標に係る一部の指定商品と同一又は類似である。 ウ 商標法第4条第1項第11号該当性について 上述のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標である。 また、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料」、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,医療用手袋」は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似である。 さらに、引用商標は、本件商標の出願日前に出願されているので、本件商標は引用商標の後願に係る商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 出所混同の生ずるおそれについて 本件商標に接した取引者、需要者は、本件商標の要部「三金」から請求人の「三金」「Sankin」「サンキン」ブランド商品を想起、連想し、本件商標を使用した商品が、あたかも請求人の業務に係る商品であるかのように認識して取引に当たり、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 イ 本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標は、引用商標とは、称呼及び観念が同一であるから、本件商標は引用商標と類似する。 ウ 請求人の「三金」「Sankin」「サンキン」ブランドの周知著名性 請求人は、100年近くにわたり会社名に「三金」の文字を使用してきており、また、請求人は、歯科材料・歯科用医療機の製造販売に従事し、同分野における大手企業として認知されており、これまで請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器の名称においても、「三金」、その片仮名表記「サンキン」、欧文字表記「Sankin」が多数使用されている結果(甲8、甲9)、「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の表示はいずれも、請求人の販売する歯科用材料・歯科用医療機器等を示すものとして、また、これらを製造販売する請求人の名称を示すものとして、日本国内において周知著名となっている(甲10~甲12)。 よって、「Sankin」及び「サンキン」の構成からなる引用商標は、本件商標の出願日の時点で、請求人の商標として、日本国内において周知著名となっていたといえる。 エ 引用商標の独創性の程度 引用商標の独創性の程度について、「三金」、「サンキン」及び「Sankin」は、辞書に掲載されている語ではなく、造語の一種であり、請求人の前身を含めて1920年代の創業以降、2017年に現在の社名に変更するまで、社名に含まれていた「三金」の文字の欧文字及び片仮名表記であり、請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器の名称に使用されているものである。 したがって、引用商標は、独創性を有するものである。 オ 本件商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との関連性の程度、取引者、需要者の共通性等 引用商標が周知著名性を獲得した商品は、歯科用材料及び歯科用医療機器であるのに対し、本件商標の指定商品及び指定役務は、歯科用材料及び歯科用医療機器又は医療用品との関連性が極めて強い商品である。 また、歯科用材料及び歯科用医療機器と本件商標の指定商品及び指定役務は、いずれも歯科医療従事者及び歯科医療患者、又は医療従事者及び医療患者という需要者層を共通にするものである。 カ その他考慮すべき特別な事情 被請求人は、令和2年12月28日に設立され、登記された目的によると、歯科用材料及び歯科用医療機器の製造・販売をその目的に含む会社であるが(甲12の4)、引用商標の全国的な周知著名性に鑑みると歯科用材料及び歯科用医療機器メーカーである被請求人が引用商標を知らないということは全くあり得ないものである。 そして、被請求人は、請求人の1948年の設立時の周知著名な略称そのものである本件商標「三金工業」について、2017年10月30日に出願し登録を受けた以外にも、請求人の周知著名な表示「SANKIN」に「DENTAL」を付した「SANKINDENTAL」についても、2020年11月30日に出願し登録を受け(甲12の2)、請求人の周知著名な表示「三金」に「デンタル」を付した「三金デンタル」についても、2020年11月12日に出願し登録を受けている(甲12の3)。 さらに、被請求人(甲12の4)は、株式会社ギコウ(甲12の5)の親会社であり(甲12の6)、両社とも代表取締役が同一であり、福岡県に本店所在地を置く歯科技工業を目的とする会社であるところ、株式会社ギコウは、請求人の歯科矯正製品等の製造工場(那須工場)の事業買収について入札に参加し、2020年11月27日付けで入札に参加する意向を表明する「indicative offer」に係る書面(甲12の6)を請求人に提出したという経緯がある。 当該書面の「4)NARATIVES TO INVEST」の項において、株式会社ギコウの親会社は被請求人であることを述べており、さらに、「デンツプライシロナ社の矯正歯科用製品については、パートナーが行った目隠し調査を通じて、一部の矯正歯科医から非常に高い評価を得ており、ほとんどの矯正歯科医が「三金」製品として認知しています。」及び「そのため、デンタルバンクの子会社として、新たに「三金デンタル株式会社」を設立し、同社を那須事業の買収主体としています。」と述べている。 以上の状況を考慮すると、被請求人は、請求人の「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の周知著名性を承知の上で、2017年10月に本件商標について出願し、登録を受け、さらに、関連会社の株式会社ギコウが歯科矯正製品等の製造工場(那須工場)の事業買収への入札に参加した2020年11月に「SANKINDENTAL」及び「三金デンタル」について出願し、それぞれ登録を受けたものであり、引用商標の周知著名性へのただ乗り(いわゆるフリーライド)や希釈化(いわゆるダイリューション)を意図したものであることは疑いの余地はない。 なお、株式会社ギコウは、上記入札に参加したのみで落札には至っておらず、被請求人及び株式会社ギコウは、請求人と何ら資本関係、事業提携その他一切の関係性がなく、本件商標の使用について許諾を得た者でもない。 キ 過去の異議決定、審判決例 過去の異議決定、審判決例(甲14~甲54)においても、周知著名な商標をその構成中に含む商標については、商標法第4条第1項第15号に該当するとの判断が定着している。 ク 小括 以上のとおり、引用商標は、請求人が使用してきた名称及び業務に係る「三金」「Sankin」「サンキン」ブランド商品を表すものとして全国的に周知著名な商標であること、本件商標は、引用商標と類似する「三金」の文字を要部とする商標として、引用商標と高い類似性を有すること、「三金」「Sankin」「サンキン」が独創性の高い商標であること、本件商標の指定商品は、引用商標が周知著名性を獲得した商品と関連性が高いものであり、需要者の範囲も一致するものであることから、本件商標は取引者、需要者にとって引用商標と極めて強い関連性を持って認識されること、さらには、被請求人が、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、請求人の「三金」「Sankin」「サンキン」ブランド商品を想起、連想し、あたかも請求人が取り扱う業務に係る商品であるかのように認識して取引に当たると考えられるため、その出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について ア 被請求人の「不正の目的」 商標法第4条第1項第19号にいう「不正の目的」とは、競争関係とは無関係に、公正な取引秩序に違反するような目的をいい、必ずしも取引を巡る対立構造を前提とするものではないと解される。 この点、本件商標の指定商品及び指定役務が、歯科用材料及び歯科用医療機器、又は医療用品との関連性が強い商品及び役務であることは、顕著な事実である。 また、「Sankin(サンキン)」が、請求人が使用してきた名称及び業務に係るSankin(サンキン)ブランド商品を表すものとして日本において周知著名であることからすれば、指定商品及び指定役務について使用するものとして本件商標を出願した被請求人が、「三金」の語からなる本件商標を、請求人の業務に係る「Sankin(サンキン)」と無関係に偶然採用したとは到底考えられない。そして、被請求人は、請求人の周知著名な表示「SANKIN」を含む「SANKINDENTAL」(甲12の2)及び請求人の周知著名な表示「三金」を含む「三金デンタル」(甲12の3)についても出願、登録しているばかりでなく、被請求人はその関連会社において、請求人が歯科矯正製品等を製造している那須工場の事業買収の入札に参加しているのであって(甲12の6)、被請求人は、請求人の「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の周知著名性を知らないはずはなく、請求人の業務に係る「Sankin(サンキン)」の周知著名性に便乗する意思をもって採択したであろうことは、容易に想像されるところである。 そうとすれば、被請求人は、日本において周知著名な「Sankin(サンキン)」を自己の商標として出願、使用する目的をもって出願したものといえ、本件商標は、被請求人の不正の目的によって出願されたものである。 イ 過去の審決 特許庁においても、他人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていた商標と同一又は類似性の高い商標を、不正の利益を得る目的及び高い名声、信用、評判にフリーライドする目的で出願し登録を受けた商標は、不正の目的に基づくものであると多くの審決(甲55~甲59)が認定している。 ウ 小括 以上のとおり、「三金」「Sankin」「サンキン」は、本件商標の出願時及び登録査定時において、請求人の使用してきた社名及び請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器として日本において周知著名な商標となっており、本件商標は、引用商標に代表される商標「Sankin(サンキン)」と同一又は類似するものであって、被請求人が、「三金」「Sankin」「サンキン」の周知著名性に便乗し、「三金」の文字を含む本件商標の独占排他的使用を得ようとする不正の目的に基づいて出願し登録されたものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第7号該当性について 請求人は、その前身である「三金電化研究所」の1920年代の創業に始まり、三金研究所、三金歯科金属合名会社と変遷を経て、1948年に「三金工業株式会社」として設立、2001年に「デンツプライ三金株式会社」に商号変更し、さらに2017年に現在の名称に商号変更するまで、100年近くにわたり会社名に「三金」を使用し、これまで請求人が製造販売してきた歯科用材料又は歯科用医療機器の名称においても、「三金」、その片仮名表記「サンキン」、欧文字表記「Sankin」が多数使用されているので、引用商標は、請求人の販売する歯科用材料又は歯科用医療機器等を示すものとして、また、これらを製造販売する請求人の名称を示すものとして、日本国内において周知著名となっている。 よって、引用商標は、遅くとも本件商標の出願日の時点で、請求人の商標として、日本国内において周知著名となっていたといえる。 本件商標は、引用商標とは、称呼及び観念が同一であるから、本件商標は引用商標と類似するといえる。 以上の事実関係に照らせば、被請求人は、歯科用材料及び歯科用医療機器の製造、販売をその目的に含む会社であること(甲12の4)、既述した引用商標の全国的な周知著名性、被請求人が歯科用材料及び歯科用医療機器メーカーであることを考慮すると、被請求人が、「三金」の語を含む本件商標を、請求人の業務に係る「三金」「Sankin」「サンキン」と無関係に偶然採用したとは到底考えられない。そして、被請求人は、請求人の周知著名な表示「SANKIN」を含む「SANKINDENTAL」(甲12の2)及び請求人の周知著名な表示「三金」を含む「三金デンタル」(甲12の3)についても出願、登録しているばかりでなく、その関連会社において請求人が歯科矯正製品等を製造している那須工場の事業買収の入札に参加したという経緯があるのであって(甲12の6)、被請求人は、請求人の「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の周知著名性を知らないはずはなく、むしろ、その周知著名性に便乗する意思をもって採択したものであると考えられる。 よって、本件商標に接する取引者、需要者に引用商標を連想、想起せしめ、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択、出願し、登録を受けたことは明らかであり、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある。 そして、このような商標登録の維持を許せば、請求人の名称及び請求人の販売する歯科用材料及び歯科用医療機器の販売展開が、本件商標の存在によって不当に脅かされ商標法の予定する秩序に反するものとなる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、請求人の主張に対して、何ら答弁していない。 第5 当審の判断 1 「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標の周知著名性について (1)請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。 ア デンツプライシロナ社は、昭和2年(1927年)に「三金電化研究所」の名称で創業され、昭和23年10月29日に「三金工業株式会社」を商号とし、医療用具並びに医療用及び衛生用製品の製造、販売及び修理等を目的とする会社として設立された(甲5、甲6、甲7の1、甲8の5)。 イ デンツプライシロナ社は、平成14年(2002年)1月1日、デンツプライインターナショナルインク(米国)の資本参加によりデンツプライ・グループのメンバーとなり、商号を「デンツプライ三金株式会社」に変更し、平成29年1月1日、現在の商号である「デンツプライシロナ株式会社」に変更した(甲5、甲6、甲7の1、甲8の5)。 ウ デンツプライシロナ社は、商号変更前の「デンツプライ三金株式会社」のときに、歯科用根管充填固状材料(甲8の1)、アパタイト系根管充填材(甲8の2)及び義歯(甲8の3)についてのリーフレットを作成した。当該リーフレットには、「SANKIN」又は「サンキン」の文字からなる商標及び製造販売元として「デンツプライ三金株式会社」の文字が掲載されている。 エ デンツプライシロナ社の「歯科材料総合カタログ」(甲9の1)、歯科用ステンレス鋼線のオンラインカタログ(甲9の2)及び歯科用暫間被覆冠成形品のオンラインカタログ(甲9の3)には、「三金顎骨固定用歯牙結紮線」、「三金ネット」、「三金補強芯」、「サンキンポリカーボクラウン」、「サンキンアルミキャップ」及び「三金18-8鋼」のように、「三金」又は「サンキン」の文字を冠した商品名の商品が掲載されている。 オ デンツプライシロナ社は、商号変更前の「デンツプライ三金株式会社」であった平成28年(2016年)の1年間において、「デンツプライ三金株式会社」名義で、「日歯広報」、「日本歯科新聞」、「デンタルタイムズ21」等の歯科業界紙を中心に延べ65の媒体に広告を出稿した(甲8の5)。 カ 1983年(昭和58年)10月28日付け日本経済新聞(甲10)、1990年(平成2年)10月13日付け日経産業新聞(甲11)及び2002年(平成14年)2月5日付け北海道新聞(甲12の1)の記事において、「三金工業」又は「デンツプライ三金」が歯科材料又は歯科器材製造販売の大手である旨が記載されている。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、デンツプライシロナ社は、創業した昭和2年から会社設立まで「三金電化研究所」の名称を、昭和23年の会社設立から平成13年まで「三金工業株式会社」の商号を、平成14年から平成28年まで「デンツプライ三金株式会社」の商号をそれぞれ使用し、長年にわたり歯科用材料、歯科用医療機器等を製造販売しており、同社の歯科用材料のリーフレット、カタログ及びオンラインカタログには、「SANKIN」若しくは「サンキン」の文字からなる商標又は「三金」又は「サンキン」の文字を冠した商品名が使用されていることが認められる。 また、同社は、商号変更前の「デンツプライ三金株式会社」であった平成28年の1年間において、「デンツプライ三金株式会社」名義で、「日歯広報」、「日本歯科新聞」、「デンタルタイムズ21」等の歯科業界紙を中心に延べ65の媒体に広告を出稿しており、さらに昭和58年、平成2年及び平成14年の新聞記事において、「三金工業」又は「デンツプライ三金」が歯科材料又は歯科器材製造販売の大手である旨記載されていたことからすると、同社の広告は、平成28年のみならず、継続的に行われていたものと推認することができる。 以上よりすると、「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、デンツプライシロナ社の業務に係る歯科用材料及び歯科用医療機器を表示するものとして、歯科医療関係者といった取引者、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当である。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「三金工業」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「三金」の文字と「工業」の文字からなると容易に認識されるものである。 そして、本件商標の構成中「工業」の文字部分は、産業分野等を表す一般に親しまれた語であるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じないものといえる。 他方、本件商標の構成中「三金」の文字部分は、前記1(2)のとおり、デンツプライシロナ社の業務に係る歯科用材料及び歯科用医療機器を表示するものとして、歯科医療関係者といった取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるから、当該文字部分は、取引者、需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 そうすると、本件商標は、その構成中「三金」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 してみると、本件商標は、その構成中「三金」の文字部分から「サンキン」の称呼を生じ、デンツプライシロナ社のブランドとしての観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「Sankin」及び「サンキン」の文字を上下2段に表してなるものであり、その構成文字に相応して「サンキン」の称呼を生じるものである。 また、前記1(2)のとおり、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標は、デンツプライシロナ社の業務に係る歯科用材料及び歯科用医療機器を表示するものとして、歯科医療関係者といった取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるから、引用商標からは、デンツプライシロナ社のブランドとしての観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標の構成中「三金」の文字部分と引用商標とを比較すると、その構成文字の違いから外観においては異なるものの、両者はいずれも「サンキン」の称呼及びデンツプライシロナ社のブランドとしての観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 そうすると、本件商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、全体的に考察すれば、たとえ外観において異なるとしても、称呼及び観念を共通にする両商標は、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。 (4)本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について ア 本件商標の指定商品及び指定役務中、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料」及び第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,医療用手袋」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。 イ 本件商標の指定商品及び指定役務中、第5類「サプリメント」は、体に欠乏しやすい特定の栄養素を錠剤やカプセルなどの形にしたものであり、ドラッグストアなどで販売されるものであるから、引用商標の指定商品とは、生産部門、販売部門、用途、需要者の範囲を共通にすることが多い類似する商品と判断するのが相当である。 ウ 本件商標の指定商品及び指定役務中、第40類「義歯の加工(「医療材料の加工」を含む。)」は、引用商標1の指定商品中「歯科用材料」及び引用商標2の指定商品中「歯科用機械器具」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われる可能性があり、商品と役務の用途、商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲が一致する可能性があるから、両者は類似するものと判断するのが相当である。 エ 本件商標の指定商品及び指定役務中、第40類「金属の加工,セラミックの加工,金属加工機械器具の貸与,化学機械器具の貸与,3Dプリンターの貸与,材料処理情報の提供」については、引用商標の指定商品とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われるとはいえず、商品と役務の用途、商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲が一致するともいえないから、両者は類似するものとは認められない。 オ 以上により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,サプリメント」、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),義歯,医療用マウスピース,医療用機械器具,医療用手袋」及び第40類「義歯の加工(「医療材料の加工」を含む。)」(以下「本件薬剤等商品役務」という。)は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 (5)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品及び指定役務中、本件薬剤等商品役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件薬剤等商品役務について、商標商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 前記2(3)のとおり、本件商標と引用商標とは類似するものであるから、同様の理由により、本件商標と「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標とは類似するものであり、その類似性の程度は高いといえる。 また、前記1(2)のとおり、「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、デンツプライシロナ社の業務に係る歯科用材料及び歯科用医療機器を表示するものとして、歯科医療関係者といった取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるから、その周知著名性の程度は高いといえ、さらに、「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」はいずれも既存の語とは認められないから、その独創性の程度も高いといえる。 加えて、本件商標の指定商品及び指定役務中、第40類「金属の加工,セラミックの加工,金属加工機械器具の貸与,化学機械器具の貸与,3Dプリンターの貸与,材料処理情報の提供」(以下「本件金属加工等役務」という。)と、デンツプライシロナ社の業務に係る歯科用材料及び歯科用医療機器とは、材料及び機器とその加工等といった点において関連性を有すると認められ、取引者及び需要者も歯科医療関係者という共通性が認められる。 そうすると、本件商標は、これを商標権者が本件金属加工等役務に使用した場合、取引者及び需要者が「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなるデンツプライシロナ社の商標を連想又は想起し、その役務がデンツプライシロナ社又は同社と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じるおそれがあるものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件金属加工等役務について、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性について 請求人は、被請求人が「三金」の語からなる本件商標を請求人の業務に係る「Sankin(サンキン)」と無関係に偶然採用したとは到底考えられず、「SANKINDENTAL」及び「三金デンタル」についても出願、登録しているばかりでなく、被請求人の関連会社において、請求人が歯科矯正製品等を製造している那須工場の事業買収の入札に参加しているのであって、請求人の「三金」、「サンキン」及び「Sankin」の周知著名性を知らないはずはなく、「Sankin(サンキン)」の周知著名性に便乗する意思をもって採択したであろうことからすると、本件商標は、不正の目的によって出願されたもの、又は引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択、出願し、登録を受けたものであると主張する。 しかしながら、たとえ、「三金」、「サンキン」又は「SANKIN」の文字からなる商標が需要者の間に広く認識されており、被請求人が「SANKINDENTAL」及び「三金デンタル」の文字からなる商標について出願、登録し、被請求人の関連会社が請求人の工場の事業買収の入札に参加していたとしても、これらのことによって、直ちに本件商標が不正の目的をもって使用をするものということはできないし、また、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択、出願し、登録を受けたものということもできない。 他に、本件商標が不正の目的をもって使用をするものというべき事情は見いだせず、また、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、たとえ、デンツプライシロナ社の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であるとしても、不正の目的をもって使用をするものとはいえないから、商標法第4条第1項第19号に該当せず、また、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないから、同項第7号に該当しない。 5 まとめ 以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号には該当しないものの、その指定商品及び指定役務中、本件薬剤等商品役務について同項第11号に該当し、本件金属加工等役務について同項第15号に該当するものであるから、その登録は、同項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項により、その指定商品及び指定役務中、本件薬剤等商品役務及び本件金属加工等役務について無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-890029

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