商標取消審判
2023-300506
サイマティクス
- 審判番号
- 2023-300506
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1996-092556
- 登録番号
- 4152574
- 請求日
- 2023年07月19日
- 審決日
- 2024年04月26日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジ エレクトロスピニング カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】中村 稔
- 【請求人代理人】井滝 裕敬
- 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【請求人代理人】藤倉 大作
- 【請求人代理人】相良 由里子
- 【請求人代理人】角谷 健郎
- 【被請求人】株式会社 サイマティックリサーチ
- 【被請求人代理人】國分 孝悦
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T132 .1 -Y (010)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4152574号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4152574号商標(以下「本件商標」という。)は、「CYMATICS」の欧文字を上段に、「サイマティクス」の片仮名を下段に書してなり、平成8年8月19日に登録出願、第10類「CDによる音響波動を利用したマッサージ装置,医療用機械器具,その他の家庭用電気マッサージ器」を指定商品として、同10年6月5日に設定登録され、同20年6月17日及び同30年5月15日に存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和5年7月31日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)7月31日ないし同5年(2023年)7月30日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第10類「CDによる音響波動を利用したマッサージ装置,医療用機械器具」(以下「取消請求商品」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
被請求人は、本件商標を、取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、本件商標の商標登録原簿(甲1)に示すとおり、本件商標の指定商品についての専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
よって、本件商標の指定商品中、取消請求商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の使用の事実
本件商標は、その指定商品中、「CDによる音響波動を利用したマッサージ装置,医療用機械器具」につき、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されている。
乙第1号証は、商標権者が販売している、「CDによる音響波動を利用したマッサージ装置,医療用機械器具」である「サイマドクター」の広告物として頒布しているパンフレットである。パンフレット(乙1)の表紙に、「サイマドクター」の写真が掲載され、右肩部分に「CYMATICS」の商標が使用されている。
乙第2号証は、「サイマドクター」のCD(コンパクトディスク)の盤面の写真である。盤面に「CYMATICS」の商標が表示されている。
乙第4号証は、パンフレット(乙1)に掲載されている「サイマドクター」を、波佐見病院(長崎県東彼杵郡・・・)に販売及び納品した際の納品書であり、要証期間である令和4年2月14日及び同月20日において、「サイマドクター」を販売及び納品したことが示されている。
なお、パンフレット(乙1)に印字されている「名古屋市千種区・・・」の住所は、商標権者の名古屋の営業拠点の住所であり、ゴム印の「福岡県古賀市・・・」は福岡の営業拠点の住所である。サイマドクターが波佐見病院に販売された令和4年2月14日及び同月20日時点で商標権者が乙第1号証、乙第4号証に表示された「福岡県古賀市・・・」に営業拠点を有していたことは、乙第6号証及び乙第7号証からも明らかである。
乙第6号証は、令和3年11月13日にウェイバックマシーン(Wayback Machine)に保存された、商標権者のウェブサイトであり、同年8月10日に商標権者が、「福岡県古賀市・・・」に営業拠点を有していたことを証明するものである。
乙第3号証は、パンフレット(乙1)を郵送した相手(鍼灸接骨院「まごのて」S氏(愛知県名古屋市・・・))からの受信メールを出力したものであり、パンフレットが要証期間である令和4年7月19日に相手に送達されたことを示すものである。
乙第5号証は、令和3年4月29日に、「サイマドクター」のCDの購入者が、その画像をアップロードしたSNS投稿の写しであり、「サイマドクター」のCDについて、「CYMATICS」の文字が要証期間に付されていたことを示すものである。
パンフレット(乙1)に掲載されている「サイマドクター」は、CDに記録された、肩凝り、腰痛、人口透析疼痛等の適応症に合わせて、互いに異なる周波数の可聴域の複数の音(振動)をそれぞれ一定レベルで合成した信号(調和信号)を再生するプレーヤー、スピーカー、及び再生された調和信号を機械的な振動に変換するバイブレーターを有する装置である。調和信号は適応症に合わせて合成されるものであり、適応症に合わせた調和信号を記録した複数のCDが用いられる。
「サイマドクター」では、適応症に合った調和信号を再生することで、スピーカーから放出される調和音を体に受けさせ、または調和信号が振動に変換されたバイブレーターを体に当てて作用させることによりマッサージ効果を得る。これにより、患部の肉体組織を、その組織本来の波動に共鳴させ、適応症の改善を図ることができる。
よって、「サイマドクター」は、不眠、肩凝り、腰痛、膝痛の改善を目的として医療機関でも使用される医療用機械器具である。乙第8号証は、「サイマドクター」を実際に使用している病院のウェブサイトを出力したものであり、「サイマドクター」が、人の機能又は状態の改善を目的として病院で使用されていることが示されている。
本件商標は、「CYMATICS/サイマティクス」の欧文字及び片仮名の二段書きからなる商標であるところ、乙第1号証及び乙第2号証で使用されている商標は、欧文字の「CYMATICS」のみで使用されているが、このような変更使用は、商取引の実際において通常行われるところのものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用である(平成29年(行ケ)第10118号知財高裁平成29年10月26日判決)。
2 むすび
以上のように、本件商標は、商標権者により、要証期間に日本国内においてその指定商品中、「CDによる音響波動を利用したマッサージ装置,医療用機械器具」に使用されていたものである。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)「サイマドクター」について
ア パンフレット(乙1)
乙第1号証は、「サイマドクター」の製品パンフレットであり、その1葉目の右上には、「CYMATICS」の欧文字の表示があり、その下に、黒い箱状の筐体の中央に「Cyma Doctor」との表示のある装置の画像が掲載され、その下に、「Cyma Doctor/サイマドクター」、「量子医学の先端技術」の記載がある。
また、その2葉目には、「サイマティクス(量子医学の先端技術)/可聴域の音(振動)で心身のバランスを回復する身体にやさしい健康科学/●・・・サイマドクターサウンドの周波数は20Hz~20,000Hzで、複数周波数の調和音で構成されています。/●約600種類の音(振動)から選択し組合わせたサイマドクターサウンドを、音(周波数)の再現性の高い専用高性能スピーカーとバイブレーターにより、コンディションの乱れた身体に聞かせます。/●サイマティクスは心身の調和音振動の乱れを、共鳴の原理に基づいて調律することを目的に開発され、「サイマシリーズ」は既に多くの医療機関などに導入いただいています。」、「サイマドクター 収録ソフト一覧/・・・4.不眠の時・・・7.便秘の時 8.内臓下垂の時 9.肩凝りの時 10.腰痛の時 11.膝痛の時」の記載がある。さらに、その下に、「■販売代理店 株式会社サイマティック・リサーチ」、「■製造元 Cymatic Research Co.,Ltd.」、「音振健康補助機器 Cyma Doctor」、「サイマティック・リサーチの「サイマシリーズ」はサイマティクスの健康補助機器として日本国内の医療機関などで最も多く導入いただいている信頼のブランドです。」の記載がある。
イ CD(乙2)
乙第2号証は、「サイマドクター」のCD(コンパクトディスク)の盤面の画像であり、CDの盤面に、「CYMADOCTOR」、「CYMATICS」、「Made by Cymatic Research co.,ltd.」、「腎機能活性(人工透析疼痛緩和)/37音(76分)」の表示があることが看取できる。
(2)「サイマドクター」の販売について(乙4、乙7)
乙第4号証の1は、被請求人が、令和4年2月14日付けで、波佐見病院に宛てた納品書(控)を写した画像であり、納品書の「品名」「数量」「単価」「金額」を項目とする表に、「品名 サイマドクター」「数量 一式」「単価 1,650,000」「金額 1,650,000(税込み)」の記載がある。
また、乙第4号証の3は、被請求人が、令和4年2月20日付けで、波佐見病院に宛てた納品書(控)を写した画像であり、納品書の「品名」「数量」「単価」「金額」を項目とする表に、「品名 サイマドクター 一式」「数量 2台」「単価 1,650,000」「金額 3,300,000(税込み)」の記載がある。
さらに、乙第7号証は、被請求人の代表取締役による陳述書であるところ、被請求人が、パンフレット(乙1)を用いて営業活動を行っており、波佐見病院への「サイマドクター」の販売も、パンフレット(乙1)を用いて営業を行ったことに相違ない旨が陳述されている。
(3)被請求人が、要証期間である令和4年2月頃、波佐見病院に計3台の「サイマドクター」(以下「使用商品」という。)を販売したことは確認できる(乙4)ところ、上記(1)及び(2)から、その販売の直前に、被請求人が波佐見病院に対してパンフレット(乙1)を頒布して使用商品(「サイマドクター」)の営業活動(説明等)をしたことは推認できる(乙7)。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
被請求人が、使用商品(「サイマドクター」)を販売するために、その営業活動で使用したパンフレット(乙1)には、「CYMATICS」の欧文字(以下「使用商標」という。)が付されている。
他方、本件商標は、「CYMATICS」の欧文字を上段に、「サイマティクス」の片仮名を下段に書してなるものである(上記第1を参照。)。
そうすると、使用商標と本件商標の上段とは「CYMATICS」の文字構成が同一である上、本件商標の下段の「サイマティクス」の文字は「CYMATICS」の欧文字の片仮名表記であり、かつ、「CYMATICS」の構成文字から生じる称呼を表したものであって、「CYMATICS」と「サイマティクス」とで観念が異なるような事情も見当たらないから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一であると認められる。
(2)使用商品について
使用商品(「サイマドクター」)について、被請求人の主張によれば、不眠、肩凝り、腰痛、膝痛の改善を目的として医療機関でも使用される医療用機械器具であり、適応症に合った調和信号を再生することで、スピーカーから放出される調和音を体に受けさせ、又は調和信号が振動に変換されたバイブレーターを体に当てて作用させることによりマッサージ効果を得ることで、患部の肉体組織を、その組織本来の波動に共鳴させ、適応症の改善を図ることができるものである。そして、当該商品のパンフレットには「サイマドクター」による「サイマティクス」は量子医学の先端技術であり、肩凝りや、腰痛、膝痛などに効果がある旨記載され(乙1)、実際に日本国内の医療機関に導入されていること(乙1、乙4)からすれば、使用商品(「サイマドクター」)は「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品とみて差し支えない。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
被請求人が、要証期間である令和4年2月頃、波佐見病院に計3台の使用商品(「サイマドクター」)を販売しており、被請求人の代表取締役の陳述書の内容も合わせて考慮すれば、その販売の直前に、被請求人が波佐見病院にパンフレット(乙1)を頒布して使用商品の営業活動(説明等)をしたことが推認でき、商標権者が要証期間に、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中、「医療用機械器具」の範ちゅうに属する「サイマドクター」の販売に際して、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したパンフレットを頒布して使用商品を宣伝した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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