特許拒絶査定不服審判
2021-018128
肉厚なフリーズドライ畜肉の湯戻り性向上方法
- 審判番号
- 2021-018128
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-090424外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2023年05月29日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
- 【請求人代理人】松本 久紀
- 分類
- P18 .121-WYF(A23L) / P18 .57 -WYF(A23L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第5項特許法53条1項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017- 90424「肉厚なフリーズドライ畜肉の湯戻り性向上方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月29日出願公開、特開2018-186732、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年 4月28日の出願であって、令和 3年 2月26日付けで拒絶理由が通知され、同年 4月28日に意見書の提出及び手続補正がされたが、同年 9月17日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年12月27日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がされたものである。
第2 令和 3年12月27日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和 3年12月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の令和3年4月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
厚さ1.5~4.0cmにカットされた牛肉、豚肉、鶏肉のいずれかである畜肉を、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる1以上を用いてpH7.0~9.0に調整された水溶液で、冷蔵域(4~10℃)において20時間以上浸漬処理し、その後、凍結乾燥することを特徴とする、肉厚なフリーズドライ畜肉の湯戻り性向上方法。
【請求項2】
pH7.0~9.0に調整された水溶液で畜肉を浸漬処理した後、加熱処理を行ってから凍結乾燥することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱処理が、蒸煮処理及び/又は油調処理であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。
「【請求項1】
厚さ1.5~4.0cmにカットされた牛肉、豚肉、鶏肉のいずれかである畜肉を、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる1以上を用いてpH7.0~9.0に調整された水溶液で、冷蔵域(4~10℃)において20時間以上浸漬処理し、その後、凍結乾燥することを特徴とする、肉厚なフリーズドライ畜肉の湯戻り性向上方法。
【請求項2】
厚さ1.5~4.0cmにカットされた牛肉、豚肉、鶏肉のいずれかである畜肉を、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる1以上を用いてpH7.0~9.0に調整された水溶液で、冷蔵域(4~10℃)において20時間以上浸漬処理し、その後、凍結乾燥することを特徴とする、肉厚なフリーズドライ畜肉の1分後の湯戻り性向上方法。
【請求項3】
pH7.0~9.0に調整された水溶液で畜肉を浸漬処理した後、加熱処理を行ってから凍結乾燥することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
加熱処理が、蒸煮処理及び/又は油調処理であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。」
2 本件補正の適否
本件補正は、新たに請求項2を追加し、補正前の請求項2を、請求項1及び新たな請求項2を引用するものとして請求項3に繰り下げるとともに、補正前の請求項3を、請求項1及び新たな請求項2を引用するものとして請求項4に繰り下げるものである。
しかしながら、新たに請求項2を追加する本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同項第1号に掲げる請求項の削除、同項第3号に掲げる誤記の訂正及び同項第4号に掲げる拒絶の理由に示す事項についてする明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しないことは明らかである。
なお、請求人は本件補正について、審判請求書の[本願が特許されるべき理由」欄の「2.」及び「3.」において、追加した新請求項2の内容は、旧請求項1の発明特定事項と同じ事項を規定し、さらに、本願発明の効果である「・・・畜肉の湯戻り性向上方法」を「畜肉の1分後の湯戻り性向上方法」と限定し、それに伴い、旧請求項2及び3をそれぞれ新請求項3及び4として引用項関係を修正したものであって、本件補正は、いわゆる特許請求の範囲の限定的減縮(同法第17条の2第5項第2号)に該当するものである旨を主張している。
しかし、補正前の請求項1が補正されることなくそのまま残っていることから、本件補正は新たな請求項を追加したものであり、請求項数を増加する補正は、ア n項引用形式請求項をn-1以下の請求項に変更する補正、又は、イ 発明特定事項が択一的なものとして記載された一つの請求項について、その択一的な発明特定事項をそれぞれ限定して複数の請求項に変更する補正、という格別な事情のある場合を除き、特許請求の範囲を減縮する補正に該当しないというべきであるが、本件補正には、前記ア又はイに示すような事情は認められないから、特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当しない(知的財産高等裁判所平成17年10月11日判決(平成17年(行ケ)第10156号)参照)。
以上のとおりであるから、本件補正の目的は、特許法第17条の2第5項に掲げる事項のいずれにも該当しない。
3 むすび
上記2のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
上記第2のとおり、本件補正は却下されたから、本願の請求項1ないし3に係る発明は、令和 3年 4月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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