特許拒絶査定不服審判
2024-004174
神経突起伸長改善用組成物
- 審判番号
- 2024-004174
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-545027
- 請求日
- 2024年03月08日
- 審決日
- 2025年09月25日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】森永乳業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人秀和特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 村守 宏文
- 審判官 安藤 倫世
- 審判官 光本 美奈子
- 分類
- P18 .113-Z (A23L) / P18 .121-Z (A23L) / P18 .57 -Z (A23L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第159条第1項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-545027「神経突起伸長改善用組成物」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月29日国際公開、WO2021/149806、令和 5年 3月22日国内公表、特表2023-511678〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月22日(優先権主張 2020年(令和2年)1月24日)を国際出願日とする出願であって、令和5年7月19日付けの拒絶理由の通知に対し、令和5年11月30日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和6年1月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和6年3月8日に審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和6年3月8日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年3月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1~4及び7の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】 下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経細胞分化促進用および/または神経突起伸長改善用の組成物:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum) NITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve) NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis) NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム(Bifidobacterium longum subsp. longum) NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸。
【請求項2】 下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸。
【請求項3】 前記組成物が、飲食品組成物である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】 前記組成物が、医薬組成物である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
・・・
【請求項7】 請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和5年11月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項の1~4及び7の記載は次のとおりである。
「【請求項1】 下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経細胞分化促進用および/または神経突起伸長改善用の組成物:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum) NITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve) BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis) NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム ・サブスピーシーズ・ロンガム(Bifidobacterium longum subsp. longum) NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌。
【請求項2】 下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌。
【請求項3】 前記組成物が、飲食品組成物である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】 前記組成物が、医薬組成物である、請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
・・・
【請求項7】 請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌。」
2 補正の適否
(1)本件補正は、本件補正前の請求項1及び2において、有効成分である成分(B)「ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」を、「ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸」に補正するものである。
すなわち、本件補正は、本件補正前の請求項1及び2並びにその引用形式等で記載される請求項3、4及び7において、有効成分である成分(B)について、本件補正前のインドール-3-乳酸生産細菌の選択肢からビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175を削除すると共に、「インドール-3-乳酸生産細菌」を「インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸」に補正するものである。
また、本件補正は、本件補正前の請求項7において、組成物の製造において使用される成分(B)「ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」を、「ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸」に補正するものである。
(2)請求項2の引用形式で記載される請求項7についての補正(以下「補正事項1」という。)について
前記(1)のとおり、補正事項1は、本件補正前の請求項2の引用形式で記載される請求項7の組成物において、当該組成物に有効成分として含有されることが特定されていた「(B)・・・インドール-3-乳酸生産細菌」、及び、当該組成物の製造において用いられることが特定されていた成分(B)である「・・・インドール-3-乳酸生産細菌」を、「・・・インドール-3-乳酸生産細菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸」と補正することにより、当該組成物の有効成分及び当該組成物の製造において用いられる成分から「・・・インドール-3-乳酸生産細菌」を削除するものである。
このように、補正事項1は、特許請求の範囲の範囲を拡張ないし変更するものであり、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明または請求項の削除のいずれも目的とするものではないことは明らかである。
よって、補正事項1を含む本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
(3)請求人は審判請求書において、「請求項・・・2・・・において、本願の当初明細書の段落0028、0048等に基づき、成分(B)を特定菌株のインドール-3-乳酸生産菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸に限定した」と主張していることから、仮に、本件補正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものとした場合、本件補正後の請求項7に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
ア 本件補正発明は、成分(A)であるインドール-3-乳酸と、成分(B)であるインドール-3-乳酸生産菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸とを、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物の製造において使用する態様を含むものである。
本願明細書の発明の詳細な説明には、成分(B)であるインドール-3-乳酸生産菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸に関する記載はなく、「インドール-3-乳酸」は化合物である以上、本願明細書の記載及び技術常識から、成分(A)であるインドール-3-乳酸と、成分(B)であるインドール-3-乳酸生産菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸が異なるものとはいえない。
したがって、同一化合物であるインドール-3-乳酸である成分(A)及び成分(B)の両者を、組成物の製造のために「使用」することを特定事項とする本件補正発明は、明確でない。
イ また、本件補正発明の組成物は、有効成分として、成分(A)であるインドール-3-乳酸と、成分(B)であるインドール-3-乳酸生産菌にまたはそれを含有する画分に含まれるインドール-3-乳酸を含む態様を包含するものであるから、前記アと同様の理由から、本件補正発明は、明確でない。
ウ このように、本願の請求項7に記載された発明は明確でないから、本願は、特許法第36条第6項第2号の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正は同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
(4) 補正の却下の決定のむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下されるべきものである。
第3 本願発明について
以下、下線は合議体による。
1 本願発明
令和6年3月8日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~11に係る発明は、令和5年11月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項2の引用形式で記載される請求項7に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものであり、独立形式にあらためた記載は以下のとおりである。
「下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌。」
また、請求項2の引用形式で記載される請求項4のさらなる引用形式で記載される請求項7に係る発明(以下「本願発明’」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものであり、独立形式にあらためた記載は以下のとおりである。
「下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の医薬組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項7に係る発明は、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献3に記載された発明であり、また、引用文献3に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法29条1項3号に該当し、また、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである、という理由を含むものである。
引用文献3:米国特許出願公開第2019/0083549号明細書
3 引用文献3に記載の事項及び引用文献3に記載された発明
(1)引用文献3に記載の事項
引用文献3は英語のため、合議体による訳を記載する。
「1 ビフィドバクテリウム・ブレーベ、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養物を有効成分として含む、脳機能改善剤。
2 ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (BCCM LMG23729)である、請求項1の脳機能改善剤。
・・・
5 請求項1に記載の剤を含む医薬。」(請求項1、2、5)
「[0005]アルツハイマー病は、認知症の50%から60%を占める神経変性疾患である。・・・」
「[0017] さらに、認知症、うつ病、統合失調症、せん妄など、1つまたは複数の脳機能の低下に起因する症状または疾患の予防、治療、および/または改善を目的として配合された、ビフィドバクテリウム・ブレーベを含む医薬品またはビフィドバクテリウム・ブレーベを含む培養物を含む医薬品の製造方法も提供される。さらに、ビフィドバクテリウム・ブレーベを含む食品または飲料製品、またはビフィドバクテリウム・ブレーベを含む培養物を含む食品または飲料製品を製造する方法も提供される。この製品は、認知症、うつ病、統合失調症、および/またはせん妄など、1つまたは複数の脳機能の低下に起因する症状または疾患の予防、治療、および/または改善を目的として配合されている。・・・」
「[0033]脳機能改善剤
[0034]脳機能の改善に用いられることができる剤または組成物が記載されており、その有効成分としてビフィドバクテリウム・ブレーベおよび/またはビフィドバクテリウム・ブレーベを含む培養物が用いられる。
・・・
[0039] 逆に、本研究では、成人腸内に存在する細菌ではなく、乳児期のビフィドバクテリウム菌に焦点を当てた。徹底的な研究の結果、驚くべきことに、乳児期のビフィドバクテリウム菌のうち、特にビフィドバクテリウム・ブレーベが脳機能の改善効果を示すことが判明した。
[0040]本明細書に記載の剤形または組成物において、有効成分がビフィドバクテリウム・ブレーベおよび/またはビフィドバクテリウム・ブレーベを含む培養物であるものは、長期にわたる継続的な投与でも極めて安全であり、副作用のリスクがないため、極めて有用である。また、他の薬剤との併用時にも極めて安全である。
[0041]「改善」とは、症状もしくは疾患のより良い状態への変化、症状もしくは疾患の悪化防止もしくは遅延、症状もしくは疾患の進行の逆転、防止もしくは遅延、または、症状もしくは疾患の治療を含むがこれらに限定されない。また、「改善」は予防を含む。「予防」とは、適用対象において症状もしくは疾患の発症を回避または遅延させること、または適用対象において症状もしくは疾患の発症リスクを低減させることなどを意味する。」
「[0047]以下の例示の結果を踏まえると、本明細書に記載の脳機能改善に用いられる薬剤または組成物は、上述の認知症の中でも特にアルツハイマー病において有用であると考えられる。
[0048]ビフィドバクテリウム・ブレーベ属の細菌には、例えばビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)およびビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V(BCCM LMG23729)が含まれる。」
「[0064] 本明細書に記載の医薬品は、本明細書に記載の薬剤または組成物を既知の医薬品に添加することにより製造することができる。または、本明細書に記載の薬剤または組成物を医薬品の原料と混合することにより、新規な医薬品を生成することができる。」
「[0114](2) 試験結果
[0115] この試験の結果は、以下の表1に示されている。
[図:0001429500000001.jpg]
表1
自発的行動交替の割合
投与群 平均 標準偏差
偽手術群 生理食塩水 64.4*1 6.2
マウス群
(PBS投与)
アルツハイマー病 生理食塩水 53.7 5.7
モデルマウス群 ビフィドバクテリウム・
ブレーベ MCC1274 62.4*2 10.9
(FERM BP-11175)
ビフィドバクテリウム・
ロンガム・サブスピーシーズ 57.0 7.8
インファントス ATCC15697
*1p 0.05 生理食塩水群と比較して
*2p 0.05 生理食塩水群と比較して」
「[0116]表1に示すように、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファントス ATCC15697の摂取はアルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能の改善をもたらさなかったが、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)の摂取はアルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能の改善をもたらした。」
(2)引用文献3に記載された発明
前記(1)から、引用文献3には、「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を有効成分として含む、脳機能改善剤。」の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。
また、前記(1)から、引用文献3には、「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を有効成分として含む、脳機能改善剤を含む医薬の製造。」の発明(以下「引用発明3’」という。)が記載されている。
4 対比・判断
(1)本願明細書の記載
本願明細書には、以下の記載がなされている、
「【0016】また、有効成分を利用することにより、具体的には有効成分を対象に投与することにより、神経細胞分化の促進および/または神経突起伸長の改善に基づく効果が提供されてよい。神経細胞分化の促進および/または神経突起伸長の改善により、例えば、神経機能が保護および/または改善されてよい。すなわち、神経細胞分化の促進および/または神経突起伸長の改善により、例えば、神経障害(nerve disorder)に関連する症状が予防、改善、および/または治療されてよい。すなわち、神経細胞分化の促進および/または神経突起伸長の改善に基づく効果としては、神経機能を保護する効果、神経機能を改善する効果、神経障害に関連する症状を予防、改善、および/または治療する効果が挙げられる。神経障害に関連する症状は、疾病であってもよく、そうでなくてもよい。言い換えると、神経障害に関連する症状は、疾病に起因するものであってもよく、そうでなくてもよい。神経障害に関連する症状としては、神経変性疾患(neurodegenerative disease)が挙げられ、言い換えると、神経変性疾患に起因する症状が挙げられる。神経変性疾患としては、神経細胞分化の障害または神経突起伸長の障害を伴う疾患が挙げられる。神経変性疾患として、具体的には、アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)、認知症(dementia)(レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)等)、前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FTLD)、進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy;PSP)、大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration;CBD)、ハンチントン病(Huntington's disease)、ジストニア(dystonia)、伝達性海綿状脳症(transmissible spongiform encephalopathy;TSE)、有棘赤血球舞踏病(chorea-acanthocytosis;ChAc)、副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy;ALD)、多系統萎縮症(multiple system atrophy;MSA)、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration;SCD)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)、原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis;PLS)、球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy;SBMA)、脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA)、シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease;CMT)、バッテン病(Batten disease)が挙げられる。
・・・
【0018】上記の文脈において、また、添付の例示的な実施例に照らして、本発明は、神経変性疾患等の神経障害の予防、改善、および/または治療におけるインドール-3-乳酸および/またはインドール-3-乳酸生産細菌の使用にも関する。これらの疾患は、とりわけ、以下のものを含んでいてよい:アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)、認知症(dementia)(レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)等)、前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FTLD)、進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy;PSP)、大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration;CBD)、ハンチントン病(Huntington's disease)、ジストニア(dystonia)、伝達性海綿状脳症(transmissible spongiform encephalopathy;TSE)、有棘赤血球舞踏病(chorea-acanthocytosis;ChAc)、副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy;ALD)、多系統萎縮症(multiple system atrophy;MSA)、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration;SCD)、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)、原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis;PLS)、球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy;SBMA)、脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA)、シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease;CMT)、バッテン病(Batten disease)。・・・」
(2) 引用発明3との対比・判断
ア 本願発明と引用発明3を対比する。
引用文献3には、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)がインドール-3-乳酸を生産することは記載されていないが、同一菌株が同一物質を生産することは明らかであるから、「インドール-3-乳酸生産細菌」との記載をもって、引用発明3の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)」が本願発明の「ビフィドバクテリウム・ブレーベBP-11175」と異なるものとはいえない(なお、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)がインドール-3-乳酸を生産することは、参考文献9(Microorganisms 2019, 7, 340; doi: 10.3390/microorganisms7090340)の[表1]からも明らかである。)。
そうすると、引用発明3の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を有効成分として含む」は、本願発明の「成分(B)を有効成分として含有する、・・・(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」に相当し、両者は、
「下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、」「組成物:(A)インドール-3-乳酸;(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」に関する発明である点で一致し、本願発明は、組成物が「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物」であるのに対し、引用発明3は「脳機能改善剤」である点(以下「相違点1」という。)、及び、本願発明は、前記「組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用」に係る発明であるのに対し、引用発明は当該組成物そのものに係る発明である点(以下「相違点2」という。)で、相違するものである。
イ 上記相違点について検討する。
(ア) 相違点1について
前記(1)の本願明細書の記載から、本願発明の「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物」とは、アルツハイマー病等の神経変性疾患等の神経障害の予防、改善、および/または治療用の組成物を包含するものと認められる。
前記3(1)のとおり引用文献3の[0047]には、「脳機能改善に用いられる薬剤または組成物は、上述の認知症の中でも特にアルツハイマー病において有用」と記載され、[0116]には、「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の摂取はアルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能の改善をもたらした」と記載されている。
そうしてみると、引用発明3の「脳機能改善剤」は、本願発明の「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物」に相当するから、相違点1は実質的な相違点ではない。
(イ) 相違点2について
引用発明3の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の活性成分、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を含む、脳機能改善剤」の製造において、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)が使用されていることは明らかであるから、相違点2は実質的な相違点とはいえず、仮に、相違点であるとしても、引用発明3の脳機能改善剤の製造において、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を使用することを特定することに格別の困難性は見いだせない。
前記3(1)のとおり、引用文献3には、アルツハイマー病モデルマウスにおけるビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の摂取による認知機能の改善が記載されている一方、本願明細書の発明の詳細な説明には、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を用いた実施例等の具体的な記載はなされておらず、本願発明の構成により、当業者が予測しえない顕著な効果が奏されたともいえない。
ウ 小括
以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献3に記載された発明であり、また、引用文献3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
(3)引用発明3’との対比・判断
ア 本願発明’と引用発明3’を対比する。
引用文献3には、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)がインドール-3-乳酸を生産することは記載されていないが、同一菌株が同一物質を生産することは明らかであるから、「インドール-3-乳酸生産細菌」との記載をもって、引用発明3’の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)」が本願発明の「ビフィドバクテリウム・ブレーベBP-11175」と異なるものとはいえない(なお、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)がインドール-3-乳酸を生産することは、参考文献9(Microorganisms 2019, 7, 340; doi: 10.3390/microorganisms7090340)の[表1]からも明らかである。)。
そうすると、引用発明3’の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を有効成分として含む」は、本願発明’の「成分(B)を有効成分として含有する、・・・(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」に相当する。
また、引用発明3’の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物を有効成分として含む、脳機能改善剤を含む医薬の製造」は、「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養物」を使用することは明らかであるから、本願発明’の「医薬組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」に相当する。
すると、両者は、
「下記成分(A)および(B)を有効成分として含有する、または成分(B)を有効成分として含有する、」「医薬組成物の製造における、下記成分(A)および(B)の、または成分(B)の、使用:
(A)インドール-3-乳酸;
(B)ビフィドバクテリウム・ビフィダムNITE BP-02429、ビフィドバクテリウム・ビフィダム NITE BP-02431、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベ NITE BP-02622、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス NITE BP-02623、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP-02621から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌」の点で一致し、医薬組成物が、本願発明’は、「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用」であるのに対し、引用発明3’は「脳機能改善剤を含む」ものである点(以下「相違点1’」という。)で、相違するものである。
イ 上記相違点について検討する。
(ウ) 相違点1’について
引用発明3’の「医薬」は脳機能改善剤を含むことから、「脳機能改善のための医薬」であると認められる。
ここで、前記(1)の本願明細書の記載から、本願発明の「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物」とは、アルツハイマー病等の神経変性疾患等の神経障害の予防、改善、および/または治療用の組成物を包含するものと認められる。
一方、前記3(1)のとおり引用文献3の[0047]には、「脳機能改善に用いられる薬剤または組成物は、上述の認知症の中でも特にアルツハイマー病において有用」と記載され、[0116]には、「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の摂取はアルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能の改善をもたらした」と記載されている。
そうしてみると、引用発明3’の「脳機能改善剤を含む医薬」は、本願発明’の「神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の医薬組成物」に相当するから、相違点1’は実質的な相違点ではない。
ウ 小括
以上のとおりであるから、本願発明’は、引用文献3に記載された発明である。
5 請求人の主張について
請求人は令和5年11月30日受付の意見書において、「引用文献3・・・には特定のビフィドバクテリウム属細菌、すなわちビフィドバクテリウム・ブレーベ(MCC1274、ATCC15700株)・・・を・・・神経変性疾患の治療や改善に用いることが開示されているにすぎず、その改善メカニズムは不明であり、ましてやインドール-3-乳酸が寄与しうるかをこれらの文献から把握することはできません。」と主張する。
しかしながら、「インドール-3-乳酸産生」との記載をもって、本願の請求項7に係る発明の「ビフィドバクテリウム・ブレーベBP-11175」が、引用発明の「ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274 (FERM BP-11175)」と異なるものとはいえない。また、本願の請求項7に係る発明は、神経障害に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ブレーベ BP-11175・・・から選択される、インドール-3-乳酸生産細菌の使用に係る発明である以上、引用文献3に、「ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)の摂取がアルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能の改善をもたらした」メカニズムやインドール-3-乳酸の寄与に関する記載がない点をもって、本願の請求項7に係る発明と引用発明との間に、相違点が生じるものではない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項7に係る発明は、特許法29条1項3号の規定に該当し、また同法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-004174