商標拒絶査定不服審判
2021-018001
カトラリーハサミ、カトラリー
- 審判番号
- 2021-018001
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-140425
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2022年07月27日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】貝印株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人栄光特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W08)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-140425拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「カトラリーハサミ」の片仮名を標準文字で表してなり、第8類「はさみ類」を指定商品として、令和2年11月13日に登録出願されたものである。
原審では、令和3年4月13日付けで拒絶理由の通知、同年5月31日付けで意見書の提出、同年9月29日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年12月27日付けで本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「カトラリーハサミ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「カトラリー」の文字部分は、「洋食に用いる食卓用のナイフ・フォーク・スプーン類の総称。」を表す語であり、「ハサミ」の文字部分は、「2枚の刃で挟むようにして物を切る道具。」等である「はさみ」を片仮名表記したものだから、全体として「洋食に用いる食卓用のはさみ」程の意味合いが認識される。
そして、本願商標の構成中「ハサミ」の文字は、その指定商品の普通名称を表示するものであるところ、その指定商品を取り扱う業界において、食卓用の商品が取り扱われていることを考慮すると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、当該商品が「食卓用の商品」であると認識するにとどまる。
そうすると、本願商標は、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に掲げる事実を発見したため、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知し、意見を求めた。
4 証拠調べ通知に対する請求人からの意見
(1)別掲の事例は、実質的にわずか3社における商標の使用状況にすぎないから、取引上普通に使用されていることを示すには不十分であり、むしろ、それら事例しかないことは、「カトラリーハサミ」の語が一般的に用いられているものではないことを示している。
(2)別掲の事例の記述によれば、食卓で用いられるはさみという商品がそもそも認知されていない状況がうかがえるため、そのような商品を意味するものとして「カトラリーハサミ」の語が一般化しているとはいえない。
(3)食卓で用いられるはさみは、「食事ハサミ」、「離乳食用ハサミ」等と称するのが一般的である。
(4)「カトラリー」の語は本来、専らナイフ、フォーク、スプーン等を示す語であるから、その意味合いとは異なる「ハサミ」を結合させてなる本願商標は一種の造語である。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性
ア 本願商標は、「カトラリーハサミ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中「カトラリー」の文字は「洋食に用いる食卓用のナイフ・フォーク・スプーン類の総称。」の意味を、「ハサミ」の文字は「2枚の刃で挟むようにして物を切る道具。」の意味を有する語(「広辞苑 第7版」岩波書店)である。
イ そして、別掲のとおり、本願商標の指定商品と関連して、カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)と同様に食卓で用いる、料理を食べやすい大きさに切るためのハサミが流通しており、それを「カトラリーハサミ」(カトラリーバサミ、カトラリーはさみ)と称している取引の実情がある。
ウ そうすると、本願商標は、その指定商品について使用するときは、それに接する需要者、取引者をして、「食卓用のはさみ」程度の意味合いを想起させるというべきで、単に商品の品質(種別)、用途を表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商品の品質(種別)、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は「カトラリー」と「ハサミ」の語を結合してなるところ、それに接する取引者、需要者は、それらが結合してなる点に意外性や斬新さを感じるはずで、具体的にどのような商品を示すのか漠然とした認識しか得られないから、一種の造語として認識する旨を主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)と同様に食卓で用いる、料理を食べやすい大きさに切るためのハサミが流通している取引の実情に加えて、それを「カトラリーハサミ」等と称している実情を踏まえると、本願商標は、その指定商品に係る需要者、取引者をして、「食卓用のはさみ」程度の意味合いを想起させるもので、単に商品の品質(種別)、用途を表示するものというべきである。
イ 請求人は、別掲の事例は、実質的にわずか3社における商標の使用状況を示すにすぎず、また、食卓で用いられるはさみは認知されておらず、それは他の名称(食事ハサミ、離乳食用ハサミなど)で称するのが一般的であるから、「カトラリーハサミ」の語が取引上普通に使用されていることを示すには不十分である旨を主張する。
しかしながら、別掲の事例のとおり、様々な店舗において「カトラリーハサミ」などと称する食卓用のはさみが販売されている実情に加えて、インターネット上の雑誌記事情報(MonoMax Web、オレンジページnet)において「カトラリーハサミ」と称する食卓用のハサミが紹介されている実情もあることを踏まえると、本願商標「カトラリーハサミ」は、その指定商品に係る取引業界においては、商品の品質(種別)、用途を表示するものとして認識、理解されるというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するため、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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