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特許拒絶査定不服審判

2021-016724

装置

審判番号
2021-016724
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-126157外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年12月04日
審決日
2022年08月08日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .56 -Z (F03D) / P18 .55 -Z (F03D) / P18 .537-Z (F03D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法17条の2第3項特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第36条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-126157「装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 2月 8日出願公開、特開2022- 23312〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年7月27日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 令和 2年10月 2日付け 拒絶理由通知書 令和 2年11月28日 意見書、手続補正書の提出 令和 3年 1月 6日付け 拒絶理由通知書(最後の拒絶理由) 令和 3年 3月 5日 意見書、手続補正書の提出 令和 3年 3月30日付け 拒絶理由通知書 令和 3年 4月24日 意見書、手続補正書の提出 令和 3年 6月 7日付け 拒絶理由通知書(最後の拒絶理由) 令和 3年 7月10日 意見書、手続補正書の提出 令和 3年 9月 9日付け 令和3年7月10日にした手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 令和 3年12月 4日 審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和3年12月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和3年12月4日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の記載は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所である。) 「複数の駆動用スプロケットと、当スプロケット間に巻き掛けられた駆動索と、駆動索に取り付けられた複数枚の翼(ブレード) から成りブレードが無限軌道運動を行う以下の構成から成る装置を搭載したことを特徴とする航空機 1.駆動索(前者)、あるいはスプロケット(後者)、あるいは前者・後者共に連続長繊維強化プラスチック複合材で作られていること 2.任意方向へ空気の流れを偏向させることを可能とする装置(ルーバー)を備えていること 」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和3年4月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。 「複数の駆動用スプロケットと、当スプロケット間に巻き掛けられた駆動索と、駆動索に取り付けられた複数枚の翼(ブレード) 、から成りブレードが無限軌道運動行う以下の特徴を有する装置を搭載した航空機 1.駆動索(前者)、あるいはスプロケット(後者)、あるいは前者・後者共に連続長繊維強化プラスチック複合材で作られていること 2.当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流させることを可能とするルーバーを備えていること 3.当該装置を搭載した航空機において、航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっていることを特徴とする航空機」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1における「2.当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流させることを可能とするルーバーを備えていること」という発明特定事項を、本件補正後の請求項1において「2.任意方向へ空気の流れを偏向させることを可能とする装置(ルーバー)を備えていること」に変更する補正事項(以下、「補正事項A」という。)、及び、本件補正前の請求項1における「3.当該装置を搭載した航空機において、航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっている」という発明特定事項を削除する補正事項(以下、「補正事項B」という。)を含むものである。 本件補正が、特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに該当するかについて検討する。 (1)補正事項Aについて 特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮は、特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限られる。 補正事項Aは、対象とする流れについて「当該装置の発生する」流れから、「空気の」流れに変更する補正を含むものであって、流れの発生源に関する限定を削除している。 また、空気の流れの方向について、「1方向ないし複数方向」から「任意方向」へ変更する補正を含むが、上位概念から下位概念への変更とはいえず、流れの方向を限定するものではない。 さらに、ルーバーの機能について、「当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流」させることを可能とすることから、「任意方向へ空気の流れを偏向」させることを可能とすることに変更する補正を含むが、本件補正前の「分流」とは、「本流から下流に向かってわかれること、また、そのわかれた流れ」(岩波書店 広辞苑)を意味しており、本件補正後の「偏向」とは、「かたよっていること、かたよった傾向」(岩波書店 広辞苑)を意味しているから、「分流」を「偏向」に変更することは上位概念から下位概念への変更とはいえず、ルーバーの機能を限定するものではない。 これらの結果、補正前の「当該装置の発生する流れを1方向ないし複数方向へ分流させること」と、補正後の「任意方向へ空気の流れを偏向させること」とは、全体として技術的な概念として全く異なるものとなっているから、補正事項Aは、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものである、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当しない。 また、本件補正前の請求項1に記載した発明は、補正事項Aによって釈明しようとする明りょうでない記載は存しないから、補正事項Aは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当しない。 さらに、補正事項Aが、請求項の削除及び誤記の訂正を目的とするものにも該当しないことは明らかである。 (2)補正事項Bについて 補正事項Bは、航空機本体の形状について、「航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっている」との発明を特定するために必要な事項を削除しているから、直列的に記載された発明を特定するための事項の一部を削除する補正であって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しないことは明らかである。 次に、本件補正前の請求項1に記載した「航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっている」とは、どのような形状のことを意味しているのかその構成が技術的に不明りょうであり、補正事項Bによって釈明しようとする明りょうでない記載は存在していた。そして、明りょうでない記載の釈明とは、発明の構成が技術的に不明りょうとなっている記載等を正し、その記載内容を明確にすること、その記載の本来の意を明らかにすることである。しかし、航空機本体の形状に関する記載を削除する補正事項Bによって、航空機本体の形状が明らかになったとはいえず、その記載の本来の意は明らかにされていないから、補正事項Bは明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当しない。 さらに、補正事項Bが、請求項の削除及び誤記の訂正を目的とするものにも該当しないことは明らかである。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和3年12月4日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年4月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、令和3年4月24日にされた手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない、また、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、という理由を含むものである。 3 新規事項について 令和3年4月24日にされた手続補正によって、図3の3行目に新たな図が追加された。この追加された図は、当初明細書等に記載されておらず、また、当初明細書等の記載から自明の事項であるともいえないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえない。 したがって、令和3年4月24日にされた手続補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 4 明確性について 請求項1には「3.当該装置を搭載した航空機において、航空機本体が飛行中に揚力を出す形状となっていることを特徴とする航空機」と記載されているが、「航空機本体が飛行中に揚力を出す形状」とは、どのような形状を意味しているのか不明であって、明細書等の記載を参酌しても航空機本体の形状を特定することができない。 よって、請求項1に係る発明は明確でない。 5 請求人は、審判請求書において、図3の補正に関し、「【0007】で、『PBCRを航空機等に設置すれば、推進プロペラや、ヘリコプターローターと同様に機能させることができる。』と記載されている。指摘の図3への追加図は、正にこの記載の一例であり、当初明細書等に記載した事項の範囲外の新たな技術的事項を導入していないことは明らかである。しかしながら、追加の目的は本願説明の補足であり、追加しなくても支障はないので図3への追加図は削除する。」と主張している。 しかし、当初明細書の【0007】には、PBCRを航空機等に設置すれば、推進プロペラや、ヘリコプターローターと同様に機能することが記載されているのであって、図3の3行目に追加された新たな図のような形状のものについては記載されていないし、当初明細書等の記載から図3の3行目に追加された新たな図に示されている事項が自明であるともいえない。そして、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえないから、請求人の上記主張を採用することはできない。 第4 むすび 以上のとおり、令和3年4月24日にされた手続補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、また、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-016724

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