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特許拒絶査定不服審判

2023-006404

複製されたタスク結果を使用してコンピュータクラスタを管理すること

審判番号
2023-006404
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-522052
請求日
2023年04月19日
審決日
2024年12月13日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アビニシオ テクノロジー エルエルシー
  • 【請求人代理人】廣田 雅紀
  • 【請求人代理人】廣田 鉄平
  • 【請求人代理人】東海 裕作
  • 【請求人代理人】堀内 真
  • 【請求人代理人】山内 正子
  • 【請求人代理人】園元 修一
  • 【請求人代理人】篠田 真希恵
  • 【請求人代理人】渡辺 仁
審判長/審判官
  • 審判長 須田 勝巳
  • 審判官 林 毅
  • 審判官 大塚 俊範
分類
P18 .561-WZ (G06F) / P18 .575-WZ (G06F) / P18 .574-WZ (G06F) / P18 .55 -WZ (G06F) / P18 .536-WZ (G06F) / P18 .537-WZ (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第2条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-522052「複製されたタスク結果を使用してコンピュータクラスタを管理すること」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月 9日国際公開、WO2019/089619、令和 3年 2月12日国内公表、特表2021-503640〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)10月30日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年10月31日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 7月29日付け:拒絶理由通知書 令和3年12月27日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 5月16日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和4年 8月23日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年12月 9日付け:令和4年8月23日の手続補正についての補 正の却下の決定、拒絶査定(原査定) 令和5年 4月19日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和5年11月 9日付け:拒絶理由(「当審拒絶理由2」)通知書 令和6年 4月12日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 4月23日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由;「当審拒絶理由 」)通知書 令和6年11月 6日 :意見書、手続補正書の提出 第2 令和6年11月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年11月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正により、本件補正前の特許請求の範囲の請求項5及び10が削除されたため、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし14の各々は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし4、6ないし9、11ないし16の各々に対応するものと認められる。 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1、10~14の記載は、次のとおりのものである。(なお、下線は、本件補正による補正箇所である。) ア 請求項1 「 データ処理システム(200、216)が、コールクラスタコンポーネント(110)と相互作用する第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(120)においてタスクを処理する方法であって、前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、前記方法が、 前記ノードを使用して、一組のタスクを処理する工程であって、その各々は対応する一組の結果を生成するよう構成され、 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 前記結果のそれぞれが、対応する結果生成時間と関連付けられ、 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間が、当該タスクが生成された時間を表し、及び、 結果と関連付けられた前記結果生成時間が、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表す、前記処理する工程を含み、 前記第1のノードにおいて、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持する工程を含み、 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 前記複製時間が、以下の(1)及び(2)の2つの条件 (1)特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製された;及び (2)前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製された; が満たされたと判断されたときに、特定時間(tb)にインクリメントされ、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果のうちの1つを受信する工程を含み、及び 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、エスクロー時間より遅くないと判断し、 前記結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程を含む、前記方法。」 イ 請求項10 「 コールクラスタコンポーネント(110)と相互作用する第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(120)においてタスクを処理するためのデータ処理システム(200、216)であって、前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、前記データ処理システムが、 前記ノードを使用して、それぞれが対応する一組の結果を生成するように構成された一組のタスクを処理する手段を備え、 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 前記結果のそれぞれが対応する結果生成時間と関連付けられ、 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間は、当該タスクが生成された時間を表し、かつ 結果と関連付けられた前記結果生成時間は、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表し、 前記第1のノードが、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持するよう構成され、 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時 間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 前記複製時間が、以下の(1)及び(2)の2つの条件 (1)特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製された;及び (2)前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製された; が満たされたと判断されたときに、特定時間(tb)にインクリメントされ、 前記結果のうちの1つを受信するための前記コールクラスタコンポーネントと、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、エスクロー時 間より遅くないと判断する手段と、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする手段とをさらに含む、前記データ処理システム。」 ウ 請求項11 「 前記一組のタスクを処理する工程は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用してデータユニットを処理する工程であって、前記データユニットは時間区間に関連付けられるデータユニットを有し、前記処理ノードは異なる永続性レベルを有する、前記データユニットを処理する工程;をさらに含み、 前記データユニットを処理する工程が、前記処理ノードの前記永続性レベルのそれぞれに、この時間区間に関連する全てのデータユニットがこの永続性レベルで格納されたということを示すために、関連指標を更新することを含み;及び、 前記一組のタスクを処理する工程は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用して要求を処理する工程であって、各要求は処理ノード(150a、150b、150c)において状態更新を引き起こすように構成され、各要求は対応する時間間隔に関連する、前記要求を処理する工程を含む、 請求項1に記載の方法。」 エ 請求項12 「 前記一組のタスクを処理するために前記ノードを使用するための手段は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用してデータユニットを処理する手段であって、前記データユニットは時間間隔に関連付けられるデータユニットを有し、前記処理ノードは異なる永続性レベルを有する、前記データユニットを処理する手段;をさらに備え、 前記データユニットを処理する手段が、この時間間隔に関連する全てのデータユニットがこの永続性レベルで格納されたということを示すために、関連指標を更新する手段を備え;及び、 前記一組のタスクを処理するために前記ノードを使用するための手段は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用して要求を処理する手段であって、各要求は処理ノード(150a、150b、150c)において状態更新を引き起こすように構成され、前記要求は対応する時間間隔に関連する、前記要求を処理する手段を備える、 請求項10に記載のデータ処理システム。」 オ 請求項13 「 前記一組のタスクを処理する工程は、 前記コールクラスタコンポーネント(110)において入力データを受信する工程と、 前記受信された入力データを前記分散データ処理システム(120)へ提供する工程と、 前記入力データに関連して前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用してタスクを処理する工程であって、前記結果は前記入力データに関連する結果データである、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用してタスクを処理する工程と を含み; 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果のうち一つを受信する工程は、前記入力データに関連する結果データを前記コールクラスタコンポーネントにおいて受信する工程であって、前記結果データは前記入力データのための結果生成時間を示すための、前記分散データ処理システムにより割り当てられた第1の指標を含む、前記コールクラスタコンポーネントにおいて受信する工程を含み; 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、前記エスクロー時間より遅くないと判断し、前記結果を前記コールクラスタコンポ-ネントからリリースする工程は、 前記複製時間を示す第2の指標を前記第1の処理ノードにおいて決定する工程と、 前記第2の指標と前記第1の指標とを前記コールクラスタコンポーネントにおいて比較し、前記第1及び前記第2の指標の比較に基づいて、前記複製時間が前記結果生成時間より早くないと判断し、前記コールクラスタコンポーネントから前記結果データをリリースする工程と を含み; 前記一組のタスクを処理する工程は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用して要求を処理する工程を含み、前記要求のそれぞれは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つにおいて状態更新を引き起こすように構成され、前記要求のそれぞれが時間区間に関連づけされ、前記要求のなかには、前記結果生成時間にも前記複製時間にも関連づけられない要求が存在する、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用して要求を処理する工程;を含む、前記請求項1に記載の方法。」 カ 請求項14 「 前記一組のタスクを処理するために前記ノードを使用する手段は、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて入力データを受信する手段と、 前記受信された入力データを前記分散データ処理システムへ提供する手段と、 前記入力データに関連して前記ノードを使用してタスクを処理する手段であって、前記結果は前記入力データに関連する結果データである、前記タスクを処理する手段と を備え、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果のうち一つを受信する手段は、前記入力データに関連する結果データを前記コールクラスタコンポーネントにおいて受信する手段であって、前記結果データは前記入力データのため結果生成時間を示すために、前記分散データ処理システムにより割り当てられた第1の指標を含む、前記コールクラスタコンポーネントにおいて受信する手段を備え、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、前記エスクロー時間より遅くないと判断する手段は、 前記複製時間を示す第2の指標を前記第1の処理ノードにおいて決定する手段と、 前記第2の指標と前記第1の指標とを前記コールクラスタコンポーネントにおいて比較する手段と、 前記第1及び第2の指標の比較に基づいて、前記複製時間が前記結果生成時間より早くないと判断する手段と を備え、 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果を前記コールクラスタコンポ-ネントからリリースする手段は、前記コールクラスタコンポーネントから前記結果データをリリースする手段を備え、 前記一組のタスクを処理するために前記ノードを使用する手段は、前記処理ノード(150a、150b、150c)を使用して要求を処理する手段を備え、 前記要求のそれぞれは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つにおいて状態更新を引き起こすように構成され、 前記要求のそれぞれが時間区間に関連づけされ、前記要求のなかには、前記結果生成時間にも前記複製時間にも関連づけられない要求が存在する、 請求項10に記載のデータ処理システム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和6年4月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、12~16の記載は次のとおりである。 ア 請求項1 「 第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(200、216)においてタスクを処理する方法であって、前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、前記方法が、前記ノードを使用して、一組のタスクを処理する工程であって、その各々は対応する一組の結果を生成するよう構成され、 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 前記結果のそれぞれが、対応する結果生成時間と関連付けられ、 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間が、当該タスクが生成された時間を表し、及び 結果と関連付けられた前記結果生成時間が、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表す、前記処理する工程を含み、 前記方法が、 前記第1のノードにおいて、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持する工程をさらに含み、 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 前記複製時間が、以下の2つの条件 (1)前記複製時間より遅くないタスク生成時間と関連付けられた全てのタスクが、他のノードにおいて複製された;及び (2)前記複製時間より遅くない結果生成時間に対応する全ての結果が、前記第2のノードにおいて複製された; のうちの少なくとも1つが成立するようであり、 前記複製時間が、第1及び第2の条件が満たされたと判断されると、特定時間(tb)にインクリメントされ、 前記第1の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 前記第2の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 前記方法が、前記第1のノードから第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する工程、 前記分散データ処理システムのコールクラスタコンポーネント(110)において、前記結果(105)のうちの1つを受信する工程、及び 前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断し、当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程を含む、前記方法。」 イ 請求項12 「 第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システムにおいてタスクを処理するためのコンピュータシステム(200、216)であって、前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、前記コンピュータシステムが、 前記ノードを使用して、それぞれが対応する一組の結果を生成するように構成された一組のタスクを処理する手段を備え、 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 前記結果のそれぞれが対応する結果生成時間と関連付けられ、 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間は、当該タスクが生成された時間を表し、かつ 結果と関連付けられた前記結果生成時間は、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表し、 前記第1のノードが、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持するよう構成され、 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 前記複製時間が、以下の2つの条件 (1)前記複製時間より遅くないタスク生成時間と関連付けられた全てのタスクが、他のノードにおいて複製された;及び (2)前記複製時間より遅くない結果生成時間に対応する全ての結果が、前記第2のノードにおいて複製された; のうちの少なくとも1つが成立するようであり、 前記複製時間が、第1及び第2の条件が満たされたと判断されると、特定時間(tb)にインクリメントされ、 前記第1の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 前記第2の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 前記コンピュータシステムが、前記第1のノードから前記第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する手段と、 前記結果(105)のうちの1つを受信するためのコールクラスタコンポーネント(110)と、 前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断する手段と、 当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする手段とをさらに含む、 前記コンピュータシステム。」 ウ 請求項13 「 請求項1に記載の方法であって、 データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程と; 前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上の処理ノード(150a、150b、150c)を使用して前記タスクの処理の一環として複数の組のデータユニットを処理する工程であって、各組のデータユニットの各データユニットは複数の時間区間のうちの対応時間区間に関連付けられ、前記複数の組のデータユニットは前記複数の時間区間のうちの第1の時間区間に関連する第1組のデータユニットを含み、前記処理は、特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標を更新する工程を含む、前記処理する工程とをさらに含み; 前記一組のタスクを処理する工程は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上を使用して複数の組の要求を処理する工程であって、各組の要求の各要求は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、かつ前記複数の時間区間のうちの対応時間区間に関連付けられ、前記複数の組の要求は前記複数の時間区間のうちの第2の時間区間に関連する第1組の要求を含む、前記処理する工程を含む、前記方法。」 エ 請求項14 「 請求項12に記載のコンピュータシステムであって、前記分散データ処理システムは: 複数のデータストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する手段であって、前記複数のデータストレージ(160)の各データストレージは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの対応処理ノードに関連付けられ、複数の永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、前記複数の永続性レベルは第1の永続性レベルと前記第1の永続性レベルより比較的大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、前記保持する手段と; 前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上の処理ノード(150a、150b、150c)を使用して前記タスクの処理の一環として複数の組のデータユニットを処理する手段であって、各組のデータユニットの各データユニットは複数の時間区間のうちの対応する時間区間に関連付けられ、かつ前記複数の組のデータユニットは前記複数の時間区間のうちの前記第1の時間区間に関連する第1組のデータユニットを含み、前記処理は、特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標を更新することを含む、前記処理する手段と;をさらに含み、 前記一組のタスクを処理する手段が、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの前記2又は3以上を使用して複数の組の要求を処理する手段であって、各組の要求の各要求は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、かつ前記複数の時間区間のうちの対応する時間区間に関連付けられ、前記複数の組の要求は前記複数の時間区間のうちの第2の時間区間に関連する第1組の要求を含む、前記コンピュータシステム。」 オ 請求項15 「 請求項1に記載の方法であって、 前記分散データ処理システム(200、216)と通信する前記コールクラスタコンポーネント(110)において入力データを受信する工程と、 前記受信された入力データを前記分散データ処理システム(200、216)へ提供する工程であって、前記分散データ処理システム(200、216)は複数の時間区間のうちの第1の時間区間を示すための指標を前記入力データへ割り当てる、前記提供する工程と、 前記分散データ処理システム(200、216)からの前記入力データに関連する結果データを前記コールクラスタコンポーネント(110)において受信する工程であって、前記結果データは前記第1の時間区間を示すための指標を含む、前記受信する工程と、 前記複数の時間区間のうちの第2の時間区間を示すための指標を前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの前記第1の処理ノードにおいて決定する工程と、 前記第2の時間区間を示すための指標と前記結果データ内に含まれる前記第1の時間区間を示すための指標とを前記コールクラスタコンポーネント(110)において比較し、前記第2の時間区間を示すための指標が前記第1の時間区間と同一である又はそれより遅い時間区間に対応すれば、前記コールクラスタコンポーネント(110)から前記結果データをリリースする工程とをさらに含み、 前記一組のタスクを処理する工程は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上を使用して一組のタスクを処理する工程であって、各組の要求の各要求は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、かつ前記複数の時間区間のうちの対応時間区間に関連付けられ、前記複数の組の要求は前記複数の時間区間のうちの第3の時間区間に関連する第1組の要求を含む、前記処理する工程;を含む、前記方法。」 カ 請求項16 「 請求項12に記載のコンピュータシステムであって、 前記分散データ処理システム(200、216)と通信するコールクラスタコンポーネント(110)において入力データを受信する手段と、 前記受信された入力データを前記分散データ処理システム(200、216)へ提供する手段であって、前記分散データ処理システム(200、216)は複数の時間区間のうちの前記第1の時間区間を示すための指標を入力データへ割り当てる、前記提供する手段と、 前記分散データ処理システム(200、216)からの前記入力データに関連する結果データを前記コールクラスタコンポーネント(110)において受信する手段であって、前記結果データは前記第1の時間区間を示すための指標を含む、前記受信する手段と、 前記複数の時間区間のうちの第2の時間区間を示すための指標を前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの第1の処理ノードにおいて決定する手段と、 前記第2の時間区間を示すための指標と前記結果データ内に含まれる前記第1の時間区間を示すための指標とを前記コールクラスタコンポーネント(110)において比較する手段であって、前記第2の時間区間を示すための指標が前記第1の時間区間と同一である又はそれより遅い時間区間に対応すれば、前記コールクラスタコンポーネント(110)から前記結果データをリリースする、前記比較する手段とをさらに含み、 前記一組のタスクを処理する手段が、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上を使用して複数の組の要求を処理する手段であって、各組の要求の各要求は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、かつ前記複数の時間区間のうちの対応する時間区間に関連付けられ、前記複数の組の要求は前記複数の時間区間のうちの第3の時間区間に関連する第1組の要求を含む、前記処理する手段を含む、前記コンピュータシステム。」 (3)補正事項 本件補正は、少なくとも以下の補正事項を含む。 ア 補正事項1 本件補正前の請求項1に記載されていた「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(200、216)においてタスクを処理する方法」を、本件補正後の請求項1において「データ処理システム(200、216)が、コールクラスタコンポーネント(110)と相互作用する第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(120)においてタスクを処理する方法」とする補正。 イ 補正事項2 本件補正前の請求項1に記載されていた「前記方法が、前記第1のノードから第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する工程」を、本件補正後の請求項1において削除する補正。 ウ 補正事項3 本件補正前の請求項13に記載されていた「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」を、本件補正後の請求項11において削除する補正。 エ 補正事項4 本件補正前の請求項14に記載されていた「複数のデータストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する手段であって、前記複数のデータストレージ(160)の各データストレージは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの対応処理ノードに関連付けられ、複数の永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、前記複数の永続性レベルは第1の永続性レベルと前記第1の永続性レベルより比較的大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、前記保持する手段」を、本件補正後の請求項12において削除する補正。 2 補正の適否 (1)補正事項1について 補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載された、発明を特定するために必要な事項である「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム」を「本件補正後の請求項1において「コールクラスタコンポーネント(110)と相互作用する第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム」に限定するとともに、本件補正前の請求項1に記載された、発明を特定するために必要な事項である「タスクを処理する方法」の主体を「データ処理システム(200、216)」に限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が、同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 本件補正発明の「データ処理システム(200、216)が、コールクラスタコンポーネント(110)と相互作用する第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(120)においてタスクを処理する方法」によれば、本件補正発明は、「分散データ処理システム(120)」における「タスクを処理する方法」に関するものである。また、「コールクラスタコンポーネント(110)」は、「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(120)」と「相互作用」するものであるところ、「分散データ処理システム(120)」には含まれていない。 このことは、以下の、本願図2の構成によってもサポートされている。 (本願の図2) 「 [図:0001422836000001.jpg] 」 一方、本件補正発明は、以下の構成を含む。 「前記方法が、 …(中略)… 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果のうちの1つを受信する工程を含み、及び 前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、エスクロー時間より遅くないと判断し、 前記結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程を含む」 そうすると、「分散データ処理システム(120)」における「タスクを処理する方法」である本件補正発明において、「分散データ処理システム(120)」には含まれない「コールクラスタコンポーネント」による処理が特定されているといえるが、当該処理により、「分散データ処理システム(120)」における「タスクを処理する方法」をどのように特定しようとしているのか不明である。ここで、当該処理のうち、「前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記結果のうちの1つを受信する工程」は、「分散データ処理システム(120)」における「タスクを処理」した結果が、「分散データ処理システム(120)」から「コールクラスタコンポーネント」に送信されることを間接的に特定するものと認められる。他方、前記処理のうち、「前記コールクラスタコンポーネントにおいて、前記特定時間(tb)が、エスクロー時間より遅くないと判断し、前記結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程」は、「分散データ処理システム(120)」が「タスクを処理」した結果を「コールクラスタコンポーネント」に送信した後の処理を特定するものであるところ、当該後の処理によって、「分散データ処理システム(120)」における「タスクを処理する方法」をどのように特定するものであるのか、本願明細書及び図面の記載並びに本願優先日前における技術常識を考慮しても、文理上、不明といわざるを得ない。 よって、本件補正発明は、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術的常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である。 よって、本件補正後の請求項1に係る発明は、明確ではないから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。 (2)補正事項2について 補正事項2は、本件補正前の請求項1に記載されていた「前記方法が、前記第1のノードから第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する工程」という発明特定事項を削除するものであるから、特許法第17条の2第5項第1号の「請求項の削除」又は同法同条第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。また、上記発明特定事項は、誤記であったとはいえないため、補正事項2は、同法同条第3号の「誤記の訂正」を目的とするものでもない。 また、令和6年6月23日付けで通知した拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)には、上記発明特定事項が明りょうではない旨の指摘はなされていなかったため、上記発明特定事項を削除する補正事項2は、特許法第17条の2第5項第4号の「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものでもない。 請求人は、令和6年11月6日に提出した意見書において、補正事項2について、以下のように主張する。 (21~22ページ) 「なお、これらの補正は、出願当初の明細書等に記載された事項の範囲内でなされた補正であり、本出願に新規事項を導入するものではなく、また、発明の特別な技術的特徴を変更する補正でもありません。そして、特許法第17条の2第5条各号に掲げる目的とする補正であると思料致します。」 (22ページ) 「(1-1)理由1(1)について 1)審判長殿のご認定 審判長殿は、旧請求項1の構成要件1A及び構成要件1Eに係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえず、また、旧請求項12の構成要件12A及び構成要件12Eに係る本件補正についても同様であるから、補正による旧請求項1、12の当該構成の記載は新規事項の追加であるとご認定されています。 2)出願人の意見 今般の補正により、旧請求項1、12の上記構成要素1Eを削除し、新請求項1、10と致しました。 したがいまして、新請求項1、10及びこれらを引用する請求項については、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしているものです。 これにより、ここでの拒絶理由は解消されたものと思料致します。」 (当審注:構成要件1Eは、上記発明特定事項に相当する。) 請求人は、上記発明特定事項を削除する補正事項2が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的としたものであるのかを具体的に主張しておらず、むしろ、特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的としている旨主張している。しかしながら、特許法第17条の2第5項には、特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的としたものは含まれていない。 さらにいうと、特許法第17条の2第5項第4号は、「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」とされており、ここで「明りょうでない記載」とは、それ自体意味の明らかでない記載など、記載上不備が生じている記載であって、特に特許請求の範囲について「明りょうでない記載」とは、請求項の記載そのものが、文理上意味が不明りょうである場合、請求項自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じている場合、又は請求項自体の記載は明りょうであるが請求項に記載した発明が技術的に正確に特定されず不明りょうである場合等をいい、その「釈明」とは、記載の不明りょうさを正してその記載本来の意味内容を明らかにすることをいうものと解される。そして、括弧書きの「拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。」は、拒絶理由通知で指摘していなかった事項について「明りょうでない記載の釈明」を名目に補正がされることによって、既に審査・審理した部分が補正されて、新たな拒絶理由が生じることを防止するために、最後の拒絶理由通知で指摘された拒絶の理由に示す事項についてするものに限定されるという趣旨と解される。これらを参酌すれば、特許法第17条の2第5項第4号の「明りょうでない記載の釈明」を目的とする補正は、審査官・審判官が拒絶の理由で特許請求の範囲が明りょうでない旨を指摘した事項についてその記載を明りょうにする補正を行う場合に限られるというべきである。 しかるに、特許請求の範囲の記載が明りょうではないことを指摘するものではない特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的とする補正事項2は、特許法第17条の2第5項第4号には該当しない。 加えて、当審拒絶理由の理由1(1)において、「翻訳文明細書には、「作業カウンタ」に対応する「現在の作業時間T1」の値及び「複製カウンタ」に対応する「複製時間T2」の値(を含むメッセージ)を、「ルート140」が「ワーカー150a~150c」へ分配(提供)することは記載されている」を考慮して、本件補正後の請求項1の記載において、「分散データ処理システム」に「ルート140」が含まれるように限定し、「第1ノード」としての「ルート140」から他のノードに「メッセージ」を提供する構成とするように補正することにより、翻訳文等に記載した事項の範囲内で、特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とした補正とすることも可能であったことを参酌しても、上記発明特定事項を削除する補正事項2は、特許法第17条の2第5項各号の目的に則してなされたものとはいえない。 以上より、補正事項2は、特許法第17条の2第5項各号のいずれの目的にも適合しない。 (3)補正事項3について 補正事項3は、本件補正前の請求項13に記載されていた「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」という発明特定事項及び請求項14に記載されていた「複数のデータストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する手段であって、前記複数のデータストレージ(160)の各データストレージは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの対応処理ノードに関連付けられ、複数の永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、前記複数の永続性レベルは第1の永続性レベルと前記第1の永続性レベルより比較的大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、前記保持する手段」という発明特定事項を削除するものであるから、特許法第17条の2第5項第1号の「請求項の削除」又は同法同条第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。また、上記発明特定事項は、誤記であったとはいえないため、補正事項3は、同法同条第3号の「誤記の訂正」を目的とするものでもない。 また、令和6年6月23日付けで通知した拒絶の理由において、上記発明特定事項について、以下の指摘をしていた。 「●理由2(明確性要件)について …(中略)… 「(3) 前記(2)に関連して、請求項13に記載の「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」において、「対応するノード」と、請求項13が引用する請求項1に記載の「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」との関係が明確ではない。(よって、請求項13に係る発明は、「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」とは異なる「対応するノード」にのみ「データストレージ」が関連付けられる、という、明細書及び図面に記載のない態様を含むことに留意されたい。)」 上記拒絶の理由は、本件補正前の請求項13に記載された「対応するノード」と、本件補正前の請求項1に記載された「ノード」との関係が明確ではないこと、すなわち、上記発明特定事項の一部の文言についての不備を指摘したにすぎず、当該発明特定事項(特に、「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程」自体)については何ら指摘していない。加えて、上記発明特定事項を削除することにより、本件補正前の請求項13に記載された「対応するノード」と、本件補正前の請求項1に記載された「ノード」との関係が明確になったということもできない。 よって、上記発明特定事項を削除する補正事項3は、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る、との限度を超えてなした補正であるから、特許法第17条の2第5項第3号の「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものでもない。 請求人は、令和6年11月6日に提出した意見書において、補正事項3について、以下のように主張する。 (21~22ページ) 「なお、これらの補正は、出願当初の明細書等に記載された事項の範囲内でなされた補正であり、本出願に新規事項を導入するものではなく、また、発明の特別な技術的特徴を変更する補正でもありません。そして、特許法第17条の2第5条各号に掲げる目的とする補正であると思料致します。」 (26~27ページ) (2-3)理由2(3)について 1)審判長殿のご認定 審判長殿は、前記理由2(2)に関連して、旧請求項13に記載の「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」において、「対応するノード」と、旧請求項13が引用する旧請求項1に記載の「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」との関係が明確ではないから、旧請求項13に係る発明は明確性の要件を満たしていないとご認定されています。 2)出願人の意見 今般の補正により、旧請求項13に記載の「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」との記載は削除しました。 これにより、ここでの拒絶理由は解消されたものと思料致します。」 請求人は、上記発明特定事項を削除する補正事項3が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的としたものであるのか具体的に主張していない。 また、請求人は、上記意見書において、「また、各ノード(150a~150c)のそれぞれは、本願の明細書の段落[0058]-[0071]及び図2の記載によれば、要求113と応答115をそれぞれ格納する揮発性メモリ155と156を有し、また、応答115を格納する持続性ストレージ160を有します。つまり、各ノードは、データストレージとして、第1の永続性レベルを有する揮発性メモリ155、156と第2の永続性レベルを有する持続性ストレージ160とを有します。」(26ページ)と主張していることを参酌すれば、本件補正後の請求項11において、「データストレージ(160)」のみならず「揮発性メモリ155、156」を保持し、「データストレージ(160)」が「第1の永続性レベル」に関連付けられ、「揮発性メモリ155、156」が「第2の永続性レベル」に関連付けられる構成とする補正をすることにより、翻訳文等に記載した事項の範囲内で、特許法第17条の2第5項第1号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とした補正とすることも可能であったことを参酌しても、上記発明特定事項を削除する補正事項3は、特許法第17条の2第5項各号の目的に則してなされたものとはいえない。 以上より、補正事項3は、特許法第17条の2第5項各号のいずれの目的にも適合しない。 (4)補正事項4について 補正事項4は、本件補正前の請求項14に記載されていた「複数のデータストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する手段であって、前記複数のデータストレージ(160)の各データストレージは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの対応処理ノードに関連付けられ、複数の永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、前記複数の永続性レベルは第1の永続性レベルと前記第1の永続性レベルより比較的大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、前記保持する手段」という発明特定事項を削除するものであるから、特許法第17条の2第5項第1号の「請求項の削除」又は同法同条第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。また、上記発明特定事項は、誤記であったとはいえないため、補正事項4は、同法同条第3号の「誤記の訂正」を目的とするものでもない。 また、当審拒絶理由においては、上記発明特定事項が明りょうではない旨の指摘はなされていなかったため、上記発明特定事項を削除する補正事項4は、特許法第17条の2第5項第4号の「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものでもない。 請求人は、上記意見書において、補正事項4について、以下のように主張する。 (21~22ページ) 「なお、これらの補正は、出願当初の明細書等に記載された事項の範囲内でなされた補正であり、本出願に新規事項を導入するものではなく、また、発明の特別な技術的特徴を変更する補正でもありません。そして、特許法第17条の2第5条各号に掲げる目的とする補正であると思料致します。」 (24ページ) 「(1-6)理由1(6)について 1)審判長殿のご認定 審判長殿は、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの、すなわち、複数の処理ノードの一部である「対応処理ノード」のみに「データストレージ」が関連付けられること、及び、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)(の一部である「対応処理ノード」)には、「第2の永続性レベル」より小さなレベルの「第1の永続性レベル」が関連付けられることについては、翻訳文等には記載も示唆もなく、すなわち、翻訳文等には、「主要ワーカ150a」及び「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有する「持続性ストレージ160」がいかなる「持続性レベル」を有するのかについて何ら記載がなく、また、「主要ワーカ150a」及び「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有する「持続性ストレージ160」が、「第2の永続性レベル」よりもレベルが低い「第1の永続性レベル」を有すべきことが自明ともいえず、そのことが本願優先日前における技術常識とも認められないから、旧請求項14に係る補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない、とご認定されています。 2)出願人の意見 今般の補正により、新請求項10においては、データストレージの記載は削除致しました。 これにより、ここでの拒絶理由は解消されたものと思料致します。」 請求人は、上記発明特定事項を削除する補正事項4が、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的としたものであるのかを具体的に主張しておらず、むしろ、特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的としている旨主張している。しかしながら、特許法第17条の2第5項には、特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的としたものは含まれていない。 また、上記(2)で述べたことと同様の理由により、特許請求の範囲の記載が明りょうではないことを指摘するものではない特許法第17条の2第3項に係る拒絶の理由を解消することを目的とする補正事項4は、特許法第17条の2第5項第4号には該当しない。 また、上記(3)で述べたことと同様の理由により、翻訳文等に記載した事項の範囲内で、特許法第17条の2第5項第1号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とした補正とすることも可能であったことを参酌しても、上記発明特定事項を削除する補正事項3は、特許法第17条の2第5項各号の目的に則してなされたものとはいえない。 以上より、補正事項4は、特許法第17条の2第5項各号のいずれの目的にも適合しない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しない補正、及び、特許法第17条の2第5項各号のいずれの目的にも適合しない補正を含むため、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年11月6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和6年4月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1、12、13ないし16に係る発明は、その請求項1、12、13ないし16に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 「1 (新規事項)令和6年4月12日付け手続補正書でした補正は、下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)。 2 (明確性要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 3 (サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 4 (実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ●本件補正後の特許請求の範囲の記載 令和6年4月12日付け手続補正書でした補正(以下、「本件補正」という。)後の特許請求の範囲のうち、独立形式の請求項である請求項1及び請求項12は、次のとおりのものである。 なお、記号1A、1B、…は、当審が便宜的に付与した分説記号であり、記号1A、1B、…が付された各分説を、構成要件1A、構成要件1B、…などということとする。 【請求項1】 1A 第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システム(200、216)においてタスクを処理する方法であって、 1B 前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、 1C 前記方法が、前記ノードを使用して、一組のタスクを処理する工程であって、その各々は対応する一組の結果を生成するよう構成され、 1C1 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 1C2 前記結果のそれぞれが、対応する結果生成時間と関連付けられ、 1C3 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間が、当該タスクが生成された時間を表し、及び 1C4 結果と関連付けられた前記結果生成時間が、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表す、 1C’ 前記処理する工程を含み、 1A’ 前記方法が、 1D 前記第1のノードにおいて、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持する工程をさらに含み、 1D1 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 1D2 前記複製時間が、以下の2つの条件 1D21 (1)前記複製時間より遅くないタスク生成時間と関連付けられた全てのタスクが、他のノードにおいて複製された;及び 1D22 (2)前記複製時間より遅くない結果生成時間に対応する全ての結果が、前記第2のノードにおいて複製された; 1D2’ のうちの少なくとも1つが成立するようであり、 1D3 前記複製時間が、第1及び第2の条件が満たされたと判断されると、特定時間(tb)にインクリメントされ、 1D31 前記第1の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 1D32 前記第2の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 1E 前記方法が、前記第1のノードから第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する工程、 1F 前記分散データ処理システムのコールクラスタコンポーネント(110)において、前記結果(105)のうちの1つを受信する工程、及び 1G 前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断し、当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程を含む、 1A”前記方法。 【請求項12】 12A 第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システムにおいてタスクを処理するためのコンピュータシステム(200、216)であって、 12B 前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、 12A’ 前記コンピュータシステムが、 12C 前記ノードを使用して、それぞれが対応する一組の結果を生成するように構成された一組のタスクを処理する手段を備え、 12C1 前記タスクのそれぞれが、対応するタスク生成時間と関連付けられ、 12C2 前記結果のそれぞれが対応する結果生成時間と関連付けられ、 12C3 タスクと関連付けられた前記タスク生成時間は、当該タスクが生成された時間を表し、かつ 12C4 結果と関連付けられた前記結果生成時間は、前記対応するタスクを行った前記結果が生成された時間を表し、 12D 前記第1のノードが、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を保持するよう構成され、 12D1 前記作業カウンタが、現在の時間(144)を示し、前記複製カウンタが前記現在の時間に遅れる複製時間(145)を示し、前記現在の時間と前記複製時間との両方が時間区間であり、 12D2 前記複製時間が、以下の2つの条件 12D21 (1)前記複製時間より遅くないタスク生成時間と関連付けられた全てのタスクが、他のノードにおいて複製された;及び 12D22 (2)前記複製時間より遅くない結果生成時間に対応する全ての結果が、前記第2のノードにおいて複製された; 12D2’ のうちの少なくとも1つが成立するようであり、 12D3 前記複製時間が、第1及び第2の条件が満たされたと判断されると、 特定時間(tb)にインクリメントされ、 12D31 前記第1の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 12D32 前記第2の条件は、前記特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、前記第2のノードにおいて複製されたということであり、 12E 前記コンピュータシステムが、前記第1のノードから前記第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する手段と、 12F 前記結果(105)のうちの1つを受信するためのコールクラスタコンポーネント(110)と、 12G1 前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断する手段と、 12G2 当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする手段とをさらに含む、 12A” 前記コンピュータシステム。 ●理由1(新規事項)について ・請求項1ないし16 ・備考 (1) 構成要件1Aの「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」の下線を付した箇所は、本件補正により追加されたものであることに鑑みれば、構成要件1Aに係る本件補正は、本件補正後の請求項1に係る「ノード」(「第1のノード」及び「第2のノード」を含む。)を、翻訳文等に記載された「ワーカー150a~150c」(国際特許出願の明細書の翻訳文(以下、「翻訳文明細書」という。)の【0058】、【0062】等参照。)に限定する意図をもってなしたものと認められる。仮に、そのような意図をもって補正していないとしても、本件補正後の請求項2及び8においては、「第1のノード」が「主要ノード」であり、「第2のノード」が「バックアップノード」であることを具体的に特定しており、請求項2及び8は、請求項1を引用している以上、本件補正後の請求項1に係る「第1のノード」は「主要ノード」(ワーカー150a)であり、「第2のノード」は「バックアップノード」(ワーカー150b、c)である態様を含むことが明らかである。 よって、構成要件1Eの「前記方法が、前記第1のノードから第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する工程」は、「ワーカー」(主要ノード)である「第1のノード」から、同じく「ワーカー」(バックアップノード)である「第2のノード」に「作業カウンタ」及び「複製カウンタ」を含むメッセージを提供する工程であると理解される。 他方、「作業カウンタ」及び「複製カウンタ」の送信に関して、翻訳文明細書には、次の記載がある。(下線は、強調のため、当審が付与した。) 「【0058】 図2では、ルートコンポーネント140(「ルート」と呼ばれる)は、以下に十分説明されるいくつかの同期機能を行うが、処理対象データの流れ又は計算に直接的に関与しない。多くのワーカーコンポーネント150a~150c(以下では「ワーカー」と呼ばれる)はコールクラスタコンポーネント110からの要求113を処理する。…(以下省略)」 「 【0061】 ルート140は、時間(間隔)値を保持しそして他のコンポーネントへ分配し、そして時間値のいくつかをコールクラスタコンポーネント110へ分配することにより同期機能を行う。図3を参照すると、ルート140のクロック142は3つの時間を保持する。時間T1は、例えば整数値として表される現在の作業時間又は時間間隔であり、繰り返し更新され、例えば毎秒1だけインクリメントされる。 【0062】 要求113がコールクラスタコンポーネント110からクラスタ120により受信され、応答115がクラスタにより生成(又は送信)されると、それぞれは、それぞれ受信されそして生成(又は送信)された作業(T1)時間(又は、等価的に、時間T1が同じ値を有する時間区間(すなわち、T1の増分同士間))に関連付けられる。ルートは、時間T1に遅れる第2の時間T2を保持し配布する。以下にかなり詳細に説明されるように、時間T2は、エラーを処理するための操作のロールバックの場合に再送信される必要が無いように、クラスタ120のコンポーネント150a~150c間で送信された時間に又はそれ以前に生成されたすべての要求及び/又は応答が複数のコンポーネント150a~150cにおいて(例えば揮発性メモリ内に)複製されているような時間(間隔)を表す。…(以下省略)」 「 【0063】 複製(T2)時間又は持続(T3)時間をいつインクリメントすべきかを判定するためのルート140の機構は、時間(T1~T3)の値をワーカー150a~150cへ分配するための機構と同様に本明細書の後で説明される。」 「 【0149】 4.ルートノード 次にルート140の動作に移ると、上に紹介したように、ルートは現在の作業時間(間隔)T1 144を定期的にインクリメントする。一般的に、作業時間を更新する際、ルートは一組の時間(T1,T2,T3)144~146をすべてのワーカーへ分配(例えば同報通信)する。それに応じて、ワーカーは、それに基づきT2及び/又はT3時間を更新し得る情報をルートへ提供する。」 以上より、翻訳文明細書には、「作業カウンタ」に対応する「現在の作業時間T1」の値及び「複製カウンタ」に対応する「複製時間T2」の値(を含むメッセージ)を、「ルート140」が「ワーカー150a~150c」へ分配(提供)することは記載されているが、翻訳文等の他の箇所を参酌しても、翻訳文等には、「ワーカー」である「第1のノード」から、同じく「ワーカー」である「第2のノード」に「作業カウンタ」及び「複製カウンタ」を含むメッセージを提供することは、記載も示唆もない。また、翻訳文明細書の【0058】に「ルートコンポーネント140(「ルート」と呼ばれる)は、以下に十分説明されるいくつかの同期機能を行うが、処理対象データの流れ又は計算に直接的に関与しない。」、翻訳文明細書の【0062】に、「ルートは、当該時間に又はそれ以前に生成されたすべての要求及び/又は応答がクラスタ120内のコンポーネントの故障を処理するための操作のロールバックの場合には再送信又は再計算される必要が無いように、当該データ165が格納されるワーカー150a~150cのうちの少なくとも1つにおいて又はさらにはそのすべてにおいて持続性メモリ内に格納され、恒久的なものにされるような時間を表す第3の時間(間隔)T3(時間T1及びT2に遅れる)を保持し配布する。」と記載されていることからすると、翻訳文明細書には、「ワーカー150a~150c」が「故障」し得ることを前提として、「ワーカー150a~150c」が「故障」している場合には、処理対象データの流れ又は計算に関与しない「ルート」が、ロールバックを制御することが記載されていると認められる。当該記載に鑑みれば、翻訳文等において、「ルート」による機能(同期機能)を、「ワーカー」である「第1のノード」が代替することを想定していないと認められる。また、そのような態様が、本願優先日前における技術常識とも認められない。 したがって、請求項1の構成要件1A及び構成要件1Eに係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 請求項12の構成要件12A及び構成要件12Eに係る本件補正についても同様である。 (2) 構成要件1Gは、「前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断し、当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする工程」を特定するものである。 他方、「結果」を「コールクラスタコンポーネント」から「リリース」することに関して、翻訳文明細書には、次の記載がある。 「 【0071】 時間tb及びそれより早い時間に関連するすべての要求及び応答がすべての適切なワーカーにおいて複製されたということをルート140が判定した時点で、T2はtbに達する又はtbまでインクリメントする。時間T2=tbがルート140から主要及びバックアップワーカー150へ配布された後、これらのワーカーは応答を持続性ストレージ160内で恒久的なものにする。時間tbを介した更新のジャーナルが持続性メモリへ未だ書き込まれていなければ、それらは当該時間に書き込まれる。より一般的には、時間tbを介したジャーナルは、T2がtbに達する又はそれまでインクリメントする時間までにワーカーにより持続性ストレージ160へ書き込まれた。この時間においてなされなければならないことは、「持続性ジャーナル内で時間tbを介した更新が恒久的ものとして処理される」という指標を記録することにより更新を恒久的なものにするタスクを完了することだけである。主要ワーカーがジャーナルを恒久的なものにする恐らく短い時間中、ジャーナルは状態Dにある。主要ワーカーが持続性ストレージにおいて図4に示す要求の応答をすると、主要ワーカーは状態Eに入る。同様に、バックアップワーカーが応答を恒久的なものにする間、バックアップワーカーは状態Hにあり、バックアップワーカーが応答を持続性メモリ内で恒久的なものにすると、バックアップワーカーは状態Iに入る。時間tb(及びそれ以前の時間)に関連付けられたすべての応答が持続性メモリ内で恒久的である(すなわち、すべて状態E又はIにある)ということをルートワーカーが判定すると、ルートワーカーは持続時間T3をtbへインクリメントする。上に紹介したように、エスクロー時間がコールクラスタコンポーネントにおける要求に対するものであり、持続時間T3である状況に関して、ルート140は、エスクロー時間がtb以上となったということをコールクラスタコンポーネント110に通知し、コールクラスタコンポーネント110は当該要求113の対応する結果105をリリースし、応答115をアプリケーション(例えばグラフ)内の1つ又は複数の他のコンポーネントへリリースする。」 以上の記載によれば、翻訳文等には、ルート140が、「時間tb」に関連付けられたすべての「応答」(「要求」に対応するもの)が持続性メモリ内で恒久的であるということを判定すると、「持続時間T3」を「tb」へインクリメントし、かつ、ルート140が、「要求」に対応する「エスクロー時間」が「持続時間T3」である「tb」以上となったことを判定すると、「コールクラスタコンポーネント110」が前記「応答」に対応する「結果」をリリースすることが記載されているが、「前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くない」と判断して「当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする」ことは、上記摘記した記載以外の箇所を参酌しても、翻訳文等に記載されているとはいえず、記載されていることが、本願優先日前における技術常識から自明とも認められない。 したがって、請求項1の構成要件1Gに係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 請求項12の構成要件12G1及び12G2に係る本件補正についても同様である。 (3) 本件補正後の請求項13及び14には、「前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの2又は3以上の処理ノード(150a、150b、150c)を使用して前記タスクの処理の一環として複数の組のデータユニットを処理する(工程/手段)」と記載されている。 他方、「データユニット」に関して、翻訳文明細書には、次のように記載されている。 「 【0020】 一般的態様では、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理する方法は多くのデータストレージを本システム内に保持する工程を含み、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む。本方法はまた、多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理する工程を含み、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられる。多くの組のデータユニットは、多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含む。」 「 【0025】 多くのカウンタはさらに、多くの時間間隔のうちの1つの時間間隔を示す持続性カウンタであって当該時間間隔に関連するすべての要求が多くの処理ノードのうちの少なくとも1つの処理ノードに関連する持続性ストレージ内に格納される持続性カウンタを含み得る。本方法は、第1組のデータユニットのデータユニット毎に、多くの処理ノードのそれぞれの処理ノードに関連する多くのデータストレージのうちのいくつかのデータストレージ内にデータユニットを格納する工程であって、第1のレベルの永続性に関連する多くのデータストレージのうちのいくつかのデータストレージ内にデータユニットを格納する工程と第2のレベルの永続性に関連する多くのデータストレージのうちの1つ又は複数のデータストレージ内にデータユニットを格納する工程とを含む工程を含む。」 上記の他、翻訳文明細書の【0026】、【0030】、【0033】、【0035】ないし【0037】、【0043】、【0059】、【0064】にも「データユニット」について記載されているものの、その前後の記載及び翻訳文等の他の記載を参酌しても、「タスクの処理の一環として複数の組のデータユニットを処理する」ことは、記載されておらず、また、「タスク」及び「データユニット」の技術的な内容が具体的に特定されていない以上、「データユニット」が「タスク」の一環として処理されることが翻訳文等の記載から自明とはいえない。 また、「データユニット」が、「タスク」の一環として処理されることは、本願優先日前の技術常識であるとも認められない。 なお、請求人は、令和6年4月12日に提出された意見書において、「本願の明細書の段落[0020]-[0022]、[0025]、[0026]、[0030]、[0033]、[0035]-[0037]、[0043]、[0044]、[0059]、[0064]等に「多く(複数)の組のデータユニット」が複数の「ノード」のタスクで処理されていることが記載されています。」と主張しているが、請求人が挙げる翻訳文明細書の段落には、「データユニット」が「ノード」で処理されていることまでは記載されているといえても、「データユニット」が「タスクで(タスクの一環として)」処理されることが記載されているとはいえないことは、上述したとおりである。 したがって、請求項13及び14に係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 (4) 本件補正後の請求項12、14及び16に係る「コンピュータシステム(200、216)」は、「コールクラスタコンポーネント(110)」と複数の「手段」からなるものであり、また、構成要件12Eの「前記第1のノードから前記第2のノードに、前記作業カウンタ及び前記複製カウンタを含むメッセージを提供する手段」は、上記(1)で述べたように、翻訳文等の記載においては、「ルート140」が備えたものである。 そして、符号「200」、「216」が付されたもの及び「コールクラスタコンポーネント(110)」を含むシステムについて、翻訳文等には、次の記載がある。 「 【0050】 図1は、コンピュータクラスタ管理技術が使用され得るデータ処理システム200の例を示す。…(以下、省略)」 「 【0054】 換言すれば、データ処理システム200は: データストレージ216へ接続された任意選択的開発環境218であって、…(中略)… 【0055】 1.コンピュータクラスタ ごく一般的には、実行モジュール212を使用してデータを処理するためのいくつかのコンピュータプログラム(本明細書では「アプリケーション」とも呼ばれる)は、コンピュータクラスタへアクセスするためにアプリケーションが使用するコールクラスタコンポーネントを含む。例えば、図2を参照すると、パイプラインデータ処理に対する手法では、コールクラスタコンポーネント110は、その一部分であるアプリケーション(例えばデータフローグラフ又は他の形式のグラフベースプログラム仕様)内のコンポーネントからコールクラスタコンポーネント110において受信された記録103を処理するためにコンピュータクラスタ120のコンポーネントと相互作用し、対応結果105をその一部分であるアプリケーションの1つ又は複数の他のコンポーネントへ送信する。入力レコード103毎に、コールクラスタコンポーネント110は、要求113(例えばデータ処理タスクを実行するための要求)をクラスタ120へ送信し、しばらくして、当該要求113に対する応答115をクラスタ120から受信する。応答115の受信後しばらくして、コールクラスタコンポーネント110は、通常は要求を処理した結果がクラスタ120内で適切に持続性があると知られた後、応答115に対応する結果105を送信する。」 「【図1】 [図:0001422836000002.jpg] 」 「【図2】 [図:0001422836000003.jpg] 」 以上の記載によれば、「コンピュータシステム(200、216)」は、翻訳文等に記載の、「データストレージ216」が接続された「データ処理システム200」に対応するものと認められるが、翻訳文等には、当該「データ処理システム200」が、「ルート140」を含む複数の「手段」と、「コールクラスタコンポーネント(110)」とを備えることは、記載も示唆もない。 また、翻訳文等において、「ルート140」は、「コンピュータクラスタ120」に含まれ、「コールクラスタコンポーネント(110)」は、「コンピュータクラスタ120」と相互作用する別体のコンピュータ(ノード)として特定されているところ、「ルート140」と「コールクラスタコンポーネント(110)」とが同一の「データ処理システム200」に含まれることが自明とはいえない。 したがって、請求項12、14及び16に係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 (5) 構成要件1Aの「分散データ処理システム(200、216)」は、翻訳文等に記載されていないことが明らかである。 仮に、構成要件1Aの「分散データ処理システム(200、216)」が「データ処理システム(200、216)」の誤記であるとしても、前記(4)と同様の理由により、構成要件1Aの「(分散)データ処理システム(200、216)においてタスクを処理する方法」に係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 (6) 本件補正後の請求項14に記載の「前記複数のデータストレージ(160)の各データストレージは、前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの対応処理ノードに関連付けられ、複数の永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、前記複数の永続性レベルは第1の永続性レベルと前記第1の永続性レベルより比較的大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む」は、 ア 前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)のうちの、すなわち、複数の処理ノードの一部である「対応処理ノード」のみに「データストレージ」が関連付けられること、及び、 イ 前記複数の処理ノード(150a、150b、150c)(の一部である「対応処理ノード」)には、「第2の永続性レベル」より小さなレベルの「第1の永続性レベル」が関連付けられること、 を含むものである。 しかしながら、上記ア及びイの両者とも、翻訳文等には記載も示唆もなく、すなわち、翻訳文等には、「主要ワーカ150a」及び「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有する「持続性ストレージ160」がいかなる「持続性レベル」を有するのかについて何ら記載がなく、また、「主要ワーカ150a」及び「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有する「持続性ストレージ160」が、「第2の永続性レベル」よりもレベルが低い「第1の永続性レベル」を有すべきことが自明ともいえず、そのことが本願優先日前における技術常識とも認められない。 したがって、請求項14に係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 (7) 以下の理由2(13)に関連して、請求人は、令和6年4月12日提出の意見書において、 「 今般の補正により、補正前の請求項15及び18と請求項19及び22に記載の「関連する指標」との記載を、「示すための指標」と補正し、補正後の請求項13-15とし、記載を明確に致しました。補正後の請求項13及び14の「特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標」及び、補正後の請求項15の「第1の時間区間を示すための指標」と「第2の時間区間を示すための指標」については、どのような「指標」であるかを説明する語句であり、「~を示すための」との語は「指標」を修飾する記載であります。例えば、本願の明細書の段落[0071]や[0062]の記載であれば、「特定の永続性レベルで格納されることを示すための指標」は「持続性ジャーナル内で時間tbを介して更新が恒久的なものと処理される」という指標であり、「第1の時間区間を示すための指標」がT1、「第1の時間区間を示すための指標」がT2であり、ここでの「指標」が上位概念的に時間区間を示すからといって「時間区間を示すための時間区間」という解釈は一般的になし得ないと思料致します。」 と主張している。(なお、上記主張のうち「補正後の請求項13-15」は「補正後の請求項13-16」の誤記と認められる。) ここで、上記主張において、「第1の時間区間」を示すと主張するT1は、翻訳文明細書の【0061】等の記載を参酌すれば、「現在の作業時間」のことであり、上記主張において、「第2の時間区間」を示すと主張するT2は、翻訳文明細書の【0062】等の記載を参酌すれば、「複製時間」のことである。 他方、翻訳文等には、「現在の作業時間」である「第1の時間区間」及び「複製時間」である「第2の時間区間」を前提として、「特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標を更新する」(本件補正後の請求項13、14)、「前記複数の組の要求は前記複数の時間区間のうちの第2の時間区間に関連する第1組の要求を含む」(本件補正後の請求項13、14)、「前記結果データは前記第1の時間区間を示すための指標を含む」(本件補正後の請求項15、16)は、記載も示唆もなく、そのことが本願優先日前における技術常識から自明ともいえない。(実際、「永続性レベル」と「時間区間」(時間間隔)について記載された翻訳文明細書の【0020】、【0021】、【0026】、【0029】、【0030】、【0033】、【0036】、【0037】、【0043】、【0044】には、「第1の時間区間(間隔)」ないし「第2の時間区間(間隔)」の定義はなく、これらが「T1」又は「T2」に対応したものであることが自明ともいえない。 よって、請求項13ないし16に係る本件補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。(なお、当該補正に係る上記主張が誤りであるとしても、以下の理由2(13)に述べるように、請求項13ないし16に係る発明は明確ではない。) よって、上記において明示した請求項を引用する請求項を含め、請求項1ないし16に係る本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 ●理由2(明確性要件)について ・請求項1ないし16 ・備考 (1) ●理由1(5)に関連して、仮に、構成要件1Aの「分散データ処理システム(200、216)」が、「分散データ処理システム」の誤記であるとしても、請求項1に記載の各工程が、「分散データ処理システム」に含まれる「第1のノード」、「第2のノード」又はそれ以外の手段のいずれによってなされるのか明確ではない。加えて、構成要件1Gは、「コールクラスタコンポーネント」による処理と認められるが、当該「コールクラスタコンポーネント」は、「分散データ処理システム」に含まれるのか否かが明確ではない。 (2) 構成要件1Bの「前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノード」における「前記ノード」は、構成要件1Aの「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」を指すものと認められる。 よって、構成要件1Bは、ノード150a、150b、150cの各々が、異なる永続性レベルを有する態様を含んでいる。 ここで、「永続性レベル」が、どのようなものであるのかについて、請求項1には何ら具体的に特定しておらず、請求項1の文言だけでは「永続性レベル」の意味を理解することができないので、明細書及び図面の記載を参酌することとする。 そして、「永続性レベル」について、明細書及び図面には次の記載がある。 「 【0026】 別の一般的態様では、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理するためのソフトウェアがコンピュータ可読媒体上に非一時的形式で格納される。上記ソフトウェアは、コンピュータシステムに多くのデータストレージを上記システム内に保持させるための指示を含み、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む。上記指示はまた、コンピュータシステムに多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用することにより多くの組のデータユニットを処理させ、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第1の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む。」 「 【0070】 主要又はバックアップワーカーが新たに生成された応答115を有すると直ちに、主要又はバックアップワーカーは、当該応答をディスクベース又は不揮発性メモリベースデータベース又はファイルシステムなどの持続性ストレージ160へ保存する処理を自由に開始することができる(状態D及びHを参照)。持続性メモリに対する更新が最初に揮発性メモリベースジャーナル内でジャーナル化されるジャーナルベース手法が使用され得、当該ジャーナルの一部分は持続性ストレージ160へ折々に書き込まれる。「更新のこのジャーナルの一部分が持続性ストレージ160へ書き込まれる場合ですら、それらの更新は、恒久的であると考えられる更新の程度に関する明示的指標が持続性ストレージへ書き込まれるまで恒久的な(すなわち、「コミットされた」)ものにされない」ということに留意されたい。」 「 【0082】 図9を参照すると、応答115が主要ワーカー150a及びバックアップワーカー150bの一方又は両方の揮発性メモリ156内に格納されると、主要ワーカー150a及びバックアップワーカー150bは、応答115がそれぞれの揮発性メモリ155、156内にも格納されたまま応答115をそれぞれの持続性ストレージ160へ格納し始める。 【0083】 図10を参照すると、応答115が主要ワーカーにおいて格納され、そしてバックアップワーカー150bにおいて複製された後、持続時間(T3)はtbへ設定される。主要ワーカー150a及びバックアップワーカー150bは持続性ストレージ160内の応答115の恒久的格納を終了する。主要ワーカーにおいて格納された要求113は状態Dにあり、バックアップワーカー150bにおいて格納された要求113は、要求113及び応答115が揮発性メモリ155、156内に依然としてそれぞれ格納された状態Hにある。」 「 【0115】 図25を参照すると、主要ワーカー150aは応答115を生成するためにオリジナル要求113を実行し、応答115はその持続性ストレージ160内に保持される。この結果、オリジナル要求113は主要ワーカー150aにおいて状態Dにある。新しい要求113’は主要ワーカー150aにおいて実行を未だ開始していなく、したがって状態Aにある。 【0116】 応答115はまた、バックアップワーカー150b及びコールクラスタコンポーネント110へ提供された。バックアップワーカー150bは、応答115をその揮発性メモリ156内に格納し、この応答をその持続性ストレージ160に対し保持した。したがって、オリジナル要求113はバックアップワーカーにおいて状態Hにある。コールクラスタコンポーネント110は応答115をそのエスクローバッファ114内に格納した。コールクラスタコンポーネントの再生バッファ112内の要求113は状態Bにある。」 「 【0125】 図29を参照すると、主要ワーカー150aはオリジナル要求113を実行し、応答115を生成した。応答115はその持続性ストレージ160内に保持される。この結果、オリジナル要求113は主要ワーカー150aにおいて状態Dにある。新しい要求113’は主要ワーカー150aにおいて実行を未だ開始していなく、したがって状態Aにある。 【0126】 応答115はまた、バックアップワーカー150b及びコールクラスタコンポーネント110へ複製された。バックアップワーカー150bは、応答115をその揮発性メモリ156内に格納し、この応答をその持続性ストレージ160に対し保持した。したがって、オリジナル要求113はバックアップワーカーにおいて状態Hにある。コールクラスタコンポーネント110は応答115をそのエスクローバッファ114内に格納し、コールクラスタコンポーネントの再生バッファ112内の要求113’は状態Bにある。」 以上の記載によれば、明細書には、「データストレージ」の「永続性レベル」として、永続性レベルの小さい「第1の永続性レベル」又は永続性レベルの大きい「第2の永続性レベル」のいずれかが対応づけられていること、並びに、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」はいずれも「持続性ストレージ160」を有していることが記載されているが、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有している「持続性ストレージ160」が、「第1の永続性レベル」又は「第2の永続性レベル」のいずれに対応づけられているのかについて、明細書にはまったく記載がない。 また、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」のそれぞれが有している「持続性ストレージ160」が、「第1の永続性レベル」又は「第2の永続性レベル」のいずれに対応づけられているのか、及び、そのことによる作用効果は、本願優先日前における技術常識とも認められない。 したがって、構成要件1Bの技術的意義が不明であるため、請求項1に係る発明は、明確ではない。 構成要件12Bについても同様であるから、請求項12に係る発明は、明確ではない。 (なお、すべてのコンピュータが何らかの「永続性レベル」を有していることは自明であるから、仮に、すべての「ワーカー」が同じ「永続性レベル」を有しているのであれば、技術的に無意味な「永続性レベル」に関する記載を削除することについて検討されたい。) (2-1) 請求項1及び12において、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」(のそれぞれの「持続性ストレージ160」)がそれぞれ対応する「永続性レベル」を有していることを前提とした場合、請求項1又は12を引用する請求項13及び14に記載の「特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納される」とはどのような意味であるのか、日本語としても技術的にも不明である。 (すべての「データユニット」が、それぞれの性質(?)に応じて、複数の「永続性レベル」の各々に対応づけられた複数の「持続性ストレージ160」に振り分けて記憶される、という意味か? あるいは、すべての「データユニット」が1つの「永続性レベル」に対応づけられた1つの「持続性ストレージ160」に集中して記憶される、という意味か? もっとも、これらいずれの態様も、明細書及び図面には記載も示唆もない。) したがって、請求項13及び14に記載の「特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標」も、いかなる指標であるのか明確ではない。 よって、請求項13及び14に係る発明は、明確ではない。 (3) 前記(2)に関連して、請求項13に記載の「データストレージ(160)を前記システム(200、216)内に保持する工程であって、前記データストレージの各々は、対応するノード及び第1の永続性レベルに関連付けられ、前記第1の永続性レベルは第2の永続性レベルと異なる永続性を有する、前記保持する工程」において、「対応するノード」と、請求項13が引用する請求項1に記載の「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」との関係が明確ではない。(よって、請求項13に係る発明は、「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」とは異なる「対応するノード」にのみ「データストレージ」が関連付けられる、という、明細書及び図面に記載のない態様を含むことに留意されたい。) (4) 構成要件1D21の「他のノード」は、「第1のノード」から見て「他の」「ノード」であると認められるところ、構成要件1Aにおいて、「分散データ処理システム」が、「第1のノード」と「第2のノード」を含む「ノード(150a、150b、150c)」以外にどのようなノードを含むのか具体的に特定していないため、構成要件1D21の「他のノード」がどのようなノードであるのか明確ではない。(なお、「他のノード」には、明細書及び図面に記載の「ルート140」を含み得るところ、明細書及び図面には、「ルート」に「タスク」が「複製」されることは記載も示唆もないことに留意されたい。) 構成要件12D21の「他のノード」についても同様である。 (5) 構成要件1D2、1D2’は、「前記複製時間が、以下の2つの条件」「のうちの少なくとも1つが成立するようであり」というものであるが、「条件」が「成立するようであり」とは、どのような意味であるのか、日本語として不明確である。 構成要件12D2、12D2’についても同様である。 (6) 構成要件1D2、1D2’は、構成要件1D21の(1)の条件と、構成要件1D22の(2)の条件のいずれか一方が成立する場合を含む。 そして、構成要件1D21の(1)の条件は、構成要件1D31特定される「第1の条件」に、また、構成要件1D22の(2)の条件は、構成要件1D32に特定される「第2の条件」にそれぞれ対応していると認められるが、構成要件1D3では「前記複製時間が、第1及び第2の条件が満たされた」とあるところ、「第1の条件」と「第2の条件」の両方が成立することを想定している。 よって、構成要件1D2~1D2’と、構成要件1D3~1D32とは、矛盾している。 (なお、構成要件1D2~1D2’と、構成要件1D3~1D32とが両立すると主張する場合には、具体例を挙げて説明されたい。) (7) 構成要件1C2の「前記結果のそれぞれが、対応する結果生成時間と関連付けられ」によると、1つの「結果」に対して、1つの「結果生成時間」が関連付けられていると理解できる。 一方、構成要件1Gの「前記結果のうちの1つの結果生成時間」は、1つの「結果」が複数の「結果生成時間」を含むという関係にあると理解できる。 よって、構成要件1C2と、構成要件1Gとは、「結果」と「結果生成時間」との関係において、整合していないため、請求項1に係る発明は、明確ではない。 請求項12の構成要件12C2と構成要件12Gについても同様である。 (8) 構成要件1F及び構成要件12Fの「前記結果(105)」は、前記されていない。 あるいは、構成要件1C又は構成要件12Cの「結果」との関係が明確ではない。 (参照記号を付すのであれば、中途半端に付すのではなく、一貫して付されたい。) (9) 構成要件1Gの「判断」をする主体が明確ではない。 (請求項1ないし11に係る発明において、「分散データ処理システム…においてタスクを処理する方法」は、「分散データ処理システム」を処理がなされる場所として特定しているにすぎないことに留意されたい。 また、「判断」をする主体が人間である場合には、特許法第2条に規定する「発明」に該当しないことに留意されたい。) (10) 構成要件1D22及び構成要件1D31及び1D32によれば、請求項1の記載において、「タスク」及び「結果」が「第1のノード」から「第2のノード」に「複製」されることを前提としている。 一方、請求項1を間接的に引用する請求項5及び10の記載「前記主要ノードと前記バックアップノードとの両方において複製された既存のデータが存在し、」における「複製された既存のデータ」と、請求項1の記載において「複製」の対象となる「タスク」又は「結果」との関係が明確ではない。 また、請求項5及び10の記載によれば、「既存のデータ」は、「バックアッ プノード」(第2のノード)のみならず「主要ノード」(第1のノード)にも「 複製」されたものとして特定しているが、「主要ノード」に対する「複製」は、どこからなされるのか、明細書及び図面の記載並びに本願優先日前の技術常識を参酌しても不明である。 よって、請求項5及び10に係る発明は、明確ではない。 (11) …(中略)… (12) 請求項12、14及び16に係る発明は、請求項12の記載によれば、 「 第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散データ処理システムにおいてタスクを処理するためのコンピュータシステム(200、216)であって、前記ノードのそれぞれが対応する永続性レベルを有する処理ノードであり、前記コンピュータシステムが、 …処理する手段を備え、 …提供する手段と、 …コールクラスタコンポーネント(110)と、 …判断する手段と、 …リリースする手段とを更に含む、前記コンピュータシステム。」 という構成を備えているところ、 「コンピュータシステム」は、「分散データ処理システム」とは別のものであるのか、「分散データ処理システム」に含まれるのか不明であり、明細書及び図面の記載を参酌しても、いかなる「システム」であるのか明確とはいえない。 よって、請求項12、14及び16に係る発明は、明確ではない。 (13) 請求項13ないし16に記載の「複数の時間区間」、「第1の時間区間(を示すための指標)」、「第2の時間区間(を示すための指標)」、「第3の時間区間」、「対応時間区間」と、これらの請求項が引用する請求項1又は12に記載の「タスク生成時間」、「結果生成時間」、「現在の時間(144)(を保持する作業カウンタ(151))」、「複製時間(145)(を保持する複製カウンタ(152))」、「特定時間(tb)」との関係が不明であるため、請求項13ないし16に係る発明において、時系列的にどのような順序でどのような処理を行うのか明確ではない。(特に、請求項15及び16に記載の「第3の時間区間」は、明細書及び図面の記載を参酌してもどのような時間区間であるのか不明である。) (14) 前記(13)に関連し、請求項1の構成要件1Gの「前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断し、当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする」と、請求項1を引用する請求項15に記載の「前記第2の時間区間を示すための指標が前記第1の時間区間と同一である又はそれより遅い時間区間に対応すれば、前記コールクラスタコンポーネント(110)から前記結果データをリリースする工程とをさらに含み」との関係が明確ではない。 同様に、請求項12の構成要件12G1及び12G2の「前記結果のうちの1つの結果生成時間が、前記複製時間より遅くないと判断する手段」及び「当該結果を前記コールクラスタコンポーネントからリリースする手段」と、請求項12を引用する請求項16に記載の「前記第2の時間区間を示すための指標が前記第1の時間区間と同一である又はそれより遅い時間区間に対応すれば、前記コールクラスタコンポーネント(110)から前記結果データをリリースする」との関係が明確ではない。 すなわち、請求項1及び12に記載の「リリース」のための条件と、請求項15及び16に記載の「リリース」のための条件とは、同じものであるのか異なるものであるのか、明確ではない。 したがって、上記において明示した請求項を引用する請求項を含め、請求項1ないし16に係る発明は、願書に添付した明細書及び図面の記載を考慮し、また、当業者の本願優先日前における技術的常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるから、発明が明確であるとはいえない。 ●理由3(サポート要件)について ・請求項1ないし16 ・備考 (1) 上記理由1(新規事項)について指摘した(1)ないし(7)に係る特許請求の範囲に記載した事項は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 (2)…(中略)… ●理由4(実施可能要件)について ・請求項13、14 ・備考 理由2(2-1)に関連して、請求項13及び14に係る発明は、引用する請求項1又は12において、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」(のそれぞれの「持続性ストレージ160」)がそれぞれ対応する「永続性レベル」を有していることを前提とした場合に、「特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標」を「更新」するものである。 当該「指標」とその「更新」について、明細書には次の記載しかない。 「 【0021】 この処理工程は、特定の永続性レベル毎に、第1の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む。この処理工程はまた、多くの処理ノードのうちの2つ以上を使用して多くの組の要求を処理する工程を含み、各組の要求の各要求は、多くの処理ノードのうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組の要求は多くの時間間隔のうちの第2の時間間隔に関連する第1組の要求を含む。この処理工程はまた、多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて多くのカウンタを保持する工程を含む。」 「 【0026】 別の一般的態様では、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理するためのソフトウェアがコンピュータ可読媒体上に非一時的形式で格納される。上記ソフトウェアは、コンピュータシステムに多くのデータストレージを上記システム内に保持させるための指示を含み、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む。上記指示はまた、コンピュータシステムに多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用することにより多くの組のデータユニットを処理させ、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第1の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む。」 「 【0030】 本装置はまた、多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理するように構成され、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第1の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む。」 「 【0033】 別の一般的態様では、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理する方法は、分散データ処理システムと通信する分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて入力データを受信する工程と、受信された入力データを分散データ処理システムへ提供する工程であって、分散データ処理システムは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する指標を入力データへ割り当てる、工程と、分散データ処理システムからの入力データに関連する結果データを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて受信する工程であって、結果データは第1の時間間隔に関連する指標を含む、工程と、多くの時間間隔のうちの第2の時間間隔に関連する指標を多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて決定する工程と、第2の時間間隔に関連する指標と結果データ内に含まれる第1の時間間隔に関連する指標とを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて比較し、第2の時間間隔に関連する指標が第1の時間間隔と同一である又はそれより遅い時間間隔に対応すれば、分散データ処理システムインターフェースコンポーネントから結果データをリリースする工程と、多くのデータストレージを本システム内に保持する工程であって、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、工程と、多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理する工程であって、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第3の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第3の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む、工程とを含む。」 「 【0036】 別の一般的態様では、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理するためのソフトウェアがコンピュータ可読媒体上に非一時的形式で格納される。上記ソフトウェアは、コンピュータシステムに以下のことを実行させるための命令を含む:分散データ処理システムと通信する分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて入力データを受信することと;受信された入力データを分散データ処理システムへ提供することであって、分散データ処理システムは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する指標を入力データへ割り当てる、提供することと;分散データ処理システムからの入力データに関連する結果データを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて受信することであって、結果データは第1の時間間隔に関連する指標を含む、受信することと;多くの時間間隔のうちの第2の時間間隔に関連する指標を多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて決定することと;第2の時間間隔に関連する指標と結果データ内に含まれる第1の時間間隔に関連する指標とを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて比較し、第2の時間間隔に関連する指標が第1の時間間隔と同一である又はそれより遅い時間間隔に対応すれば、分散データ処理システムインターフェースコンポーネントから結果データをリリース判定することと;多くのデータストレージを本システム内に保持することであって、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、保持することと;多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理することであって、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第3の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第3の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含む、処理すること。」 「 【0037】 別の一般的態様では、装置は、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを含み、各処理ノードは、少なくとも1つのプロセッサと、多くの処理ノードの処理ノード間で情報を送受信するための多くの処理ノードを接続する通信媒体とを含む。分散データ処理システムは、以下のように構成される:分散データ処理システムと通信する分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて入力データを受信し、受信された入力データを分散データ処理システムへ提供し、分散データ処理システムは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する指標を入力データへ割り当て、分散データ処理システムからの入力データに関連する結果データを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて受信し、結果データは第1の時間間隔に関連する指標を含み、多くの時間間隔のうちの第2の時間間隔に関連する指標を多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて決定し、第2の時間間隔に関連する指標と結果データ内に含まれる第1の時間間隔に関連する指標とを分散データ処理システムインターフェースコンポーネントにおいて比較し、第2の時間間隔に関連する指標が第1の時間間隔と同一である又はそれより遅い時間間隔に対応すれば、分散データ処理システムインターフェースコンポーネントから結果データをリリースし、多くのデータストレージを上記システム内に保持し、多くのデータストレージの各データストレージは、多くの処理ノードのうちの対応処理ノードに関連付けられ、多くの永続性レベルのうちの1つの永続性レベルに関連付けられ、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含み、多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理し、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第3の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、特定の永続性レベル毎に、第3の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新することを含む。」 「 【0043】 別の態様では、一般的に、多くの処理ノードを含む分散データ処理システムを管理する工程は、以下の工程を含む:入力データを分散データ処理システムへ提供する工程であって、分散データ処理システムは多くの時間間隔のうちの第1の時間間隔に関連する指標を入力データへ割り当てる、工程と、分散データ処理システムからの入力データに関連する結果データを受信する工程であって、結果データは第1の時間間隔に関連する指標を含む、工程と、多くの時間間隔のうちの第2の時間間隔に関連する指標を多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて決定する工程と、第2の時間間隔に関連する指標と結果データ内に含まれる第1の時間間隔に関連する指標とを比較し、第2の時間間隔に関連する指標が第1の時間間隔と同一である又はそれより遅い時間間隔に対応すれば、結果データをリリースする工程と、多くの処理ノードのうちの2つ以上の処理ノードを使用して多くの組のデータユニットを処理する工程であって、各組のデータユニットの各データユニットは多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられ、多くの組のデータユニットは多くの時間間隔のうちの第3の時間間隔に関連する第1組のデータユニットを含み、上記処理は、多くの特定の永続性レベルうちの特定の永続性レベル毎に、第3の時間間隔に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すために関連指標を更新する工程を含み、多くの永続性レベルは第1の永続性レベルと第1の永続性レベルと比較して大きなレベルの永続性を有する第2の永続性レベルとを含む、工程と、多くの処理ノードのうちの2つ以上を使用して多くの組の要求を処理する工程であって、各組の要求の各要求は、多くの処理ノードのうちの1つの処理ノードにおいて状態更新を引き起こすように構成され、多くの時間間隔のうちの対応時間間隔に関連付けられる、工程と、多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードにおいて、多くの時間間隔のうちの1つの時間間隔を示す複製カウンタであって当該時間間隔に関連するすべての要求が多くの処理ノードの複数の処理ノードにおいて複製される複製カウンタを保持する工程と、また、複製カウンタの値を含む第1のメッセージを多くの処理ノードのうちの第1の処理ノードから他の処理ノードへ提供する工程。」 上記記載によれば、明細書には、請求項13又は14と同程度の記載しかなく、かつ、明細書及び図面には、「主要ワーカー150a」と「バックアップワーカー150b」(のそれぞれの「持続性ストレージ160」)がそれぞれ対応する「永続性レベル」を有していることを前提とした場合に、「特定の永続性レベル毎に、前記第1の時間区間に関連するすべての組のデータユニットが当該特定の永続性レベルで格納されるということを示すための指標」がどのような「指標」であって、当該「指標」をどのように「更新」するのかについて何ら記載がなく、そのことが本願優先日前における技術常識であるとも認められない。 よって、明細書及び図面の記載並びに本願優先日前における技術常識に基づいて、請求項13及び14に係る発明を理解し、過度の試行錯誤を要することなく、請求項13に係る方法を使用し、及び、請求項14に係るコンピュータシステムを製造することができるとはいえない。 したがって、発明の詳細な説明は、当業者が請求項13及び14に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 [留意事項] 本件補正後の請求項1ないし16に係る発明は、補正により新規事項が追加されたものであるため、令和5年11月9日に当審が通知した拒絶理由が解消したか否かについての判断は保留する。」 3 令和5年11月9日付けで通知した拒絶理由の概要 令和5年11月9日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は、以下のとおりである。 「3 (サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 …(中略)… ●理由3(サポート要件)について ・請求項1ないし38 ・備考 (1)上記理由2で述べたように、明細書には、発明が解決しようとする課題が記載されていない以上、明細書に示唆され又は従来技術に潜在し得る任意の課題が、発明が解決しようとする課題であって、かつ、明細書及び図面に記載された具体的な実施形態のすべての事項が、当該課題を解決するための手段であると理解せざるを得ない。 このことを前提とすれば、明細書及び図面には、「コールクラスタコンポーネント110」と、「ルート140」、「主要ワーカー150a」及び「バックアップワーカー150b」からなる「クラスタ120」とからなるシステム(【図2】等)において、「エラーを処理するための操作のロールバックの場合に再送信される必要が無い」及び「当該時間に又はそれ以前に生成されたすべての要求及び/又は応答がクラスタ120内のコンポーネントの故障を処理するための操作のロールバックの場合には再送信又は再計算される必要が無い」(【0062】)ようにするという課題を解決するための手段として、「ルート140」が、現在の時間に対応する「作業時間T1」、「複製時間T2」及び「持続時間T3」を保持し、「作業時間T1」を定期的にインクリメントするとともに、そのたびに、「作業時間T1」、「複製時間T2」及び「持続時間T3」を各「ワーカー」へ通信し(【0149】、【0153】)、「主要ワーカー150a」は、「コールクラスタコンポーネント110」から要求を受信した現在の時間taを要求の要求識別子(rid)と関連付けて自身の「揮発性メモリ155」に記憶するとともに、当該要求(識別子)と時間taを「バックアップワーカー150b」に送信し、また、要求を実行して応答を生成した現在の時間tbを応答に対応する要求の要求識別子と関連付けて自身の「揮発性メモリ156」に記憶するとともに当該応答(要求識別子)と時間tbを「バックアップワーカー150b」及び「コールクラスタコンポーネント110」に送信し(【0077】ないし【0079】)、「コールクラスタコンポーネント110」は、送信した要求(識別子)と(どこかから)提供された時間taとを関連付けて自身の「再生バッファ112」に格納し(【0076】)、また、「主要ワーカー150a」から受信した応答(要求識別子)と時間tbを「エスクローバッファー114」に格納し(【0080】)、「バックアップワーカー150b」は、受信した要求(識別子)と時間taを自身の「揮発性メモリ155」に格納し、また、受信した応答(要求識別子)と時間tbを自身の「揮発性メモリ156」に格納し(【0080】)、応答が「主要ワーカー150a」及び「バックアップワーカー150b」の各々において、各々の「持続性ストレージ160」に格納されると、「持続時間T3」は時間tbに設定され(【0083】)、「エスクローバッファー114」に格納された時間tbが「持続時間T3」に一致すると、時間tbに関連付けて格納された応答が「エスクローバッファー114」からリリースされ(【0084】)、「主要ワーカー150a」は、要求時間tnを有する要求及び応答時間tnを有する応答を「バックアップワーカー150b」へ送信した数をカウントする「Sent(tn)」を有し、「バックアップワーカー150b」は、要求時間t1を有する要求及び応答時間tnを有する応答を「主要ワーカー150a」から受信した数をカウントする「Rec(tn)」を有し(【0150】)、各「ワーカー」は、「ルート」から前記通信を受信することに応答して、「複製時間T2」より大きいすべての時間に対応する「Sent(tn)」又は「Rec(tn)」を「ルート140」に送信し(【0151】)、「ルート140」は、「複製時間T2」より大きい各時間tnについて、「Sent(tn)」の合計と「Rec(tn)」の合計が一致した場合に、「複製時間T2」をtnより大きい値に更新することが記載されていると認められる。 しかしながら、請求項1ないし38の記載には、上記課題解決手段が反映されておらず、また、反映されていることが本願優先日前における技術常識から自明ということもできないため、請求項1ないし38に係る発明は、発明の詳細な説明の記載若しくは示唆又は本願優先日前の技術常識に照らし、当業者が課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められない。(前記理由2において述べたように、そもそも請求項1の記載には、請求人が主張する「請求項1の解決手段」(特に「同期して制御」するための仕組み、及び、(異なる永続性レベルの)「異なるメモリデバイス」)が反映されていない。なお、当該「請求項1の解決手段」が誤りであると主張する場合には、意見書において当該主張を撤回する旨を明記されたい。) したがって、請求項1ないし38に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。」 4 判断 (1)当審拒絶理由について 請求人は、上記意見書において、本件補正により当審拒絶理由は解消した旨主張するが、本件補正は、上記第2で示したように却下されたため、当該主張は、特許請求の範囲の記載に基づくものではないため、採用しない。 また、当審拒絶理由に対して有効な補正及び意見がなされていない以上、当審拒絶理由は妥当なものである。 よって、当審拒絶理由において指摘したとおり、 ア 令和6年4月12日付けの手続補正は、請求項1、12ないし16に記載した事項に関し、翻訳文等に記載した事項の範囲内でしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 イ 請求項1、12ないし16に係る発明は、明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 ウ 請求項1、12ないし16に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 エ 発明の詳細な説明は、当業者が請求項13及び14に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 (2)当審拒絶理由2について 当審拒絶理由2に関して、請求人は、令和6年4月12日に提出した意見書において、次のように主張している。 「(2)理由2(特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件)について 1)審判長殿のご認定 審判長殿は、明細書は、発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他のその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が請求項1ないし38に係る発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載したものではないから、本願は委任省令要件を満たしていないと認定されております。 2)出願人の意見 今般の補正により、独立項である補正前の請求項1、14を補正し、補正後の請求項1、12と致しました。この補正により、補正後の請求項1、12は、エラーを処理するための操作のロールバックの場合に再送信又は再送信される必要がないように、第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散処理データシステムにおいて、特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたこと、及び特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、第2のノードにおいて複製されたということの内、少なくとも1つが成立した場合に、第1のノードから第2のノードに、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を含むメッセージを提供し、分散データ処理システムのコールクラスタコンポーネント(110)において、結果(105)のうちの1つを受信し、及び結果(105)のうちの1つの結果生成時間が、複製時間(145)より遅くないと判断し、結果(105)をコールクラスタコンポーネント(110)からリリースする方法及びコンピュータシステムであります。そして、本発明は、主に本願の明細書の段落[0009]、[0055]-[0071]、[0149]-[0152]及び図1-12及び図36-37に図示された内容等に記載されています。したがいまして、本願は、委任省令要件を満たしており、ここでの拒絶理由は解消されたものと思料致します。 (3)理由3(サポート要件)について (3-1) 1)審判長殿のご認定 審判長殿は、上記理由2で述べたように、請求項1ないし38に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないから、サポート要件を満たしていないとご認定されております。 2)出願人の意見 上記2-2(2)で述べましたように、本発明は発明の詳細な説明に記載したものでありますから、補正後の請求項1ないし16に係る発明は、サポート要件を満たしているものです。これにより、ここでの拒絶理由は解消されたものと思料致します。」 上記主張によると、請求人は、本願が解決しようとする課題は、「エラーを処理するための操作のロールバックの場合に再送信又は再送信される必要がないよう」にすることであり、その課題解決手段は、「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)を含む分散処理データシステムにおいて、特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前であるタスク生成時間を有する全てのタスクが、前記第2のノードにおいて複製されたこと、及び特定時間(tb)と同等又はそれよりも以前である結果生成時間を有する全ての結果も、第2のノードにおいて複製されたということの内、少なくとも1つが成立した場合に、第1のノードから第2のノードに、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を含むメッセージを提供し、分散データ処理システムのコールクラスタコンポーネント(110)において、結果(105)のうちの1つを受信し、及び結果(105)のうちの1つの結果生成時間が、複製時間(145)より遅くないと判断し、結果(105)をコールクラスタコンポーネント(110)からリリースする方法及びコンピュータシステム」であると主張しているように読める。 しかしながら、当審拒絶理由の理由1(1)で指摘したように、「第1のノード及び第2のノードを含むノード(150a、150b、150c)」を前提として、「第1のノードから第2のノードに、作業カウンタ(151)及び複製カウンタ(152)を含むメッセージを提供」することは、翻訳文等に記載したものではない。また、当審拒絶理由2において、「「エラーを処理するための操作のロールバックの場合に再送信される必要が無い」及び「当該時間に又はそれ以前に生成されたすべての要求及び/又は応答がクラスタ120内のコンポーネントの故障を処理するための操作のロールバックの場合には再送信又は再計算される必要が無い」(【0062】)ようにするという課題を解決するための手段として、「ルート140」が、現在の時間に対応する「作業時間T1」、「複製時間T2」及び「持続時間T3」を保持し、「作業時間T1」を定期的にインクリメントするとともに、そのたびに、「作業時間T1」、「複製時間T2」及び「持続時間T3」を各「ワーカー」へ通信し」と指摘したように、本願の課題解決手段として「ルート(140)」は必須のものと認められるが、本件補正後の特許請求の範囲にも、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1、12ないし16にも「ルート(140)」は含まれておらず、上記各意見書においてそのことが妥当である理由は説明されていない。 よって、請求項1、12ないし16に係る発明は、発明の詳細な説明の記載若しくは示唆又は本願優先日前の技術常識に照らし、当業者が課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められない。 したがって、請求項1、12ないし16に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 第4 むすび 以上のとおり、令和6年4月12日付けの手続補正は、請求項1、12ないし16に記載した事項に関し、翻訳文等に記載した事項の範囲内でしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、請求項1、12ないし16に係る発明は、明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、請求項1、12ないし16に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、発明の詳細な説明は、当業者が請求項13及び14に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-006404

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