2021-016158
積層体およびそれを備える包装製品
- 審判番号
- 2021-016158
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-187119外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年11月25日
- 審決日
- 2022年12月27日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B32B) / P18 .55 -Z (B32B) / P18 .575-Z (B32B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成28年9月26日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
(令和 3年 9月 3日 :原査定の謄本の送達)
第2 令和3年11月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年11月25日に提出された手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「少なくとも、基材層、印刷層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された積層体であって、前記基材層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステルを含むか、あるいは、前記シーラント層が、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含み、前記印刷層が、着色剤と、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物とを含み、前記ポリオールがバイオマス由来成分を含み、前記イソシアネート化合物が化石燃料由来成分を含み、前記印刷層のバイオマス度が5%以上25%以下である、積層体(但し、下記の(A)の積層体を除き、且つ、下記の(B)の積層体を除き、且つ、下記の(C)の積層体を除く)。(A)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるシーラントフィルム、を備える積層体(B)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルムであり、且つ、該シーラントフィルム全体に対する該ポリエチレン系樹脂組成物の配合量は、40質量%以上であるシーラントフィルム、を備える積層体(C)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物と、任意の樹脂とを、それぞれ溶融混練した樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルム、を備える積層体」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和3年5月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「少なくとも、基材層、印刷層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された積層体であって、前記基材層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステルを含むか、あるいは、前記シーラント層が、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含み、前記印刷層が、着色剤と、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物とを含み、前記ポリオールがバイオマス由来成分を含み、前記イソシアネートが化石燃料由来成分を含み、前記印刷層のバイオマス度が5%以上25%以下である、積層体(但し、(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるシーラントフィルム、を備える積層体を除く。)。」
2 補正の適否
(1)補正事項
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された「前記イソシアネートが」を「前記イソシアネート化合物が」に補正し(以下「補正事項1」という。)、本件補正前の請求項1の「積層体」について「(B)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルムであり、且つ、該シーラントフィルム全体に対する該ポリエチレン系樹脂組成物の配合量は、40質量%以上であるシーラントフィルム、を備える積層体」を除き、且つ、「(C)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物と、任意の樹脂とを、それぞれ溶融混練した樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルム、を備える積層体」を除く(以下「補正事項2」という。)ものである。
(2)補正事項1について
補正事項1は、本件補正前の請求項1における「前記イソシアネートが」の記載について、「前記イソシアネート」の記載より前に「イソシアネート」の記載がなかったところ、願書に最初に添付した明細書の【0045】、【0093】、【0095】、【0099】の記載からして「前記イソシアネート化合物」と記載すべきところの誤記であることが明らかであるから、補正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(3)補正事項2について
補正事項2に係る「シーラントフィルム」に関して、当初明細書等には、「シーラント層は、バイオマス由来成分を含む材料により形成する場合、下記のバイオマスポリオレフィンを用いて形成することができる。また、シーラント層は、バイオマス由来成分を含まない材料により形成する場合、従来公知の化石燃料由来の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。シーラント層は、積層体において最内層となる層である。」(【0063】)の記載がある。
すなわち、当初明細書等には、シーラント層を、「バイオマス由来成分を含む材料により形成する」ことが記載されているものの、「多層共押出フィルム」とすることの記載はないし、示唆する記載もない。
したがって、補正事項2に係る「多層共押出フィルム」である「シーラントフィルム」は、当初明細書等に記載されていないし、記載されたに等しい事項であるともいえない。
そうすると、補正事項2は、当初明細書等に開示のない引用文献の課題解決手段である「多層共押出フィルム」である「シーラントフィルム」を新たに追加して記載することを前提にして、それを除くとするものであるから、補正事項2は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
3 本件補正についてのむすび
上記2(3)のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
4 予備的検討
本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するが、仮に、同規定を満たし、補正事項2が、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとして、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、予備的に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1に記載された技術事項及び引用発明の認定
(ア)引用文献1に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に発行された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2013-176951号公報(平成25年9月9日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】少なくとも基材フィルムとシーラントフィルムとからなる積層フィルムであって、該基材フィルムは、植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリ乳酸フィルムであり、該シーラントフィルムは、(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルムであることを特徴とする、上記積層フィルム。」
「【発明が解決しようとする課題】【0004】本発明は、上記の問題点を解決し、優れた手切れ性及び耐衝撃性を示し、且つ、フィルム全体として少なくとも20%の高いバイオマス度を示すことから環境への負荷が低減された積層フィルムを提供することを目的とする。」
「【0026】<VI>シーラントフィルムの製造方法本発明の樹脂組成物は、上記の(a)植物由来のLLDPE20~70質量%、(b)石油由来のLDPE15~65質量%、(c)石油由来のLLDPE15~65質量%、及び(d)添加剤0~20質量%を含み、ここで、(a)~(d)の合計が100質量%である。・・・」(「・・・」は、文の省略を意味する。以下、同様である。)
「【0029】<VII>基材フィルム本発明において、シーラントフィルムは、植物由来または非植物由来の任意の基材フィルムと積層することができる。特に、一層高いバイオマス度を達成するために、基材フィルムとして、植物由来の原料からなるPETフィルム、または、植物由来のPLAからなるPLAフィルムを使用することが好ましい。・・・続きを表示(全11行)【0030】PETフィルム本発明において、植物由来原料からなるPETフィルムは、15~100%のバイオマス度を示すことが好ましい。このようなPETフィルムは、原料となるモノエチレングリコール(MEG)及びテレフタル酸(PTA)の一部または全部を、植物由来のものと置換することにより製造することができる。・・・【0031】・・・植物由来または非植物由来のMEG約15~30質量%を、植物由来または非植物由来のPTA55~85質量%と、場合により任意の添加成分やコモノマー0~15質量%と共に、慣用の触媒の存在下で重縮合反応させる。得られたPETを製膜し、さらに、所望に応じて、寸法安定性及び耐熱性を高めるために2軸方向に延伸することにより、本発明において好適に使用されるPETフィルムを製造することができる。」
「【0037】<IX>積層前記シーラントフィルムと、前記基材フィルムとを積層することにより、本発明の積層フィルムを得ることができる。フィルム間の接着は、接着剤を介して、ドライラミネート法で貼り合わせることができる。これにより、優れた接着強度及び引き裂き性が得られる。使用する接着剤としては、例えば、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。」
「【0039】・・・本発明の更なる態様において、基材フィルム上またはシーラントフィルムと基材フィルムとの間の任意の位置に、文字、図形、記号、絵柄等の印刷層を設けてもよい。上記で使用する接着剤や印刷インキとして、植物由来樹脂を含むものを使用することにより、バイオマス度をさらに高めることもできる。・・・」
「【0053】[比較例1]本発明の樹脂組成物の代わりに、石油由来のLDPE(宇部丸善ポリエチレン(株)製UBEポリエチレン(R)F120N)50質量%及び石油由来のLLDPE(三井化学(株)製エボリュー(R)SP2020)50質量%からなる樹脂組成物を用いてシーラントフィルムを製造した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム及びスタンディングパウチを製造した。積層フィルムのバイオマス度は17%であった。」
「【0059】【表1】表1[図:0001394648000001.jpg]」
(イ)引用発明の認定
上記(ア)から、【請求項1】、【0029】~【0031】、【0037】、【0039】の記載に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「少なくとも基材フィルムとシーラントフィルムとからなる積層フィルムであって、前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間を、接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせ、前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間の任意の位置に、植物由来樹脂を含む印刷インキを使用して印刷層を設け、該基材フィルムは、植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、続きを表示(全12行)植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムは、植物由来または非植物由来のモノエチレングリコール(MEG)約15~30質量%を、植物由来または非植物由来のテレフタル酸(PTA)55~85質量%と、場合により任意の添加成分やコモノマー0~15質量%と共に、慣用の触媒の存在下で重縮合反応させて得られたポリエチレンテレフタレートを製膜して製造したものであり、該シーラントフィルムは、(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルムである、上記積層フィルム。」
イ 引用文献5及び引用文献6に記載された事項並びに周知技術1の認定
(ア)引用文献5に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に発行された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2014-193985号公報(平成26年10月9日出願公開。以下「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【請求項8】ジカルボン酸成分とバイオマス資源由来物質から発酵法により直接製造されたジオールとを原料とするポリエステルポリオールの製造方法であって、該ジオール中の炭素原子数5又は6の環状カルボニル化合物の含有量が100質量ppm以下であるポリエステルポリオールの製造方法。・・・【請求項15】請求項8~請求項14のいずれか1項に記載のポリエステルポリオールの製造方法で製造されたポリエステルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させるポリウレタンの製造方法。」
「【0239】[ポリウレタンの製造]次に、本発明によるポリウレタンの製造方法について説明する。本発明においては、炭素原子数5又は6の環状カルボニル化合物の含有量を制御して前述のポリエステルポリオールを製造し、このポリエステルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタンを製造する。この際、必要に応じて鎖延長剤を用いてもよい。」
「【0283】(8)ポリウレタン成形体・用途本発明のポリウレタン及びそのポリウレタン溶液は、多様な特性を発現させることができ、フォーム、エラストマー、塗料、繊維、接着剤、床材、シーラント、医用材料、人工皮革等に広く用いることができる。以下、その用途[1]~[11]を挙げるが、本発明のポリウレタン及びポリウレタン溶液の用途は何ら以下のものに限定されるものではない。・・・【0291】[8]バインダーとして、磁気記録媒体、インキ、鋳物、焼成煉瓦、グラフト材、マイクロカプセル、粒状肥料、粒状農薬、ポリマーセメントモルタル、レジンモルタル、ゴムチップバインダー、再生フォーム及びガラス繊維サイジングなど。」
(イ)引用文献6に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に発行された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2011-225851号公報(平成23年11月10日出願公開。以下「引用文献6」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】ジカルボン酸および脂肪族ジオールを反応させポリエステルポリオールを製造する工程と、該ポリエステルポリオールおよびポリイソシアネート化合物を反応させる工程とを少なくとも含むポリウレタンの製造方法であって、該ジカルボン酸がバイオマス資源から誘導された少なくとも一つの成分を含み、該ジカルボン酸中の有機酸の含有量がジカルボン酸に対して0ppm超1000ppm以下であり、該有機酸の25℃におけるpKa値が3.7以下であることを特徴とする、バイオマス資源由来ポリウレタンの製造方法。」
「【0438】<ポリウレタン成形体・用途>本発明で製造されるポリウレタンおよびそのウレタンプレポリマー溶液は、多様な特性を発現させることができ、フォーム、エラストマー、塗料、繊維、接着剤、床材、シーラント、医用材料、人工皮革等に広く用いることができる。・・・【0447】本発明で製造されるポリウレタンおよびそのウレタンプレポリマー溶液は、バインダーとして、磁気記録媒体、インキ、鋳物、焼成煉瓦、グラフト材、マイクロカプセル、粒状肥料、粒状農薬、ポリマーセメントモルタル、レジンモルタル、ゴムチップバインダー、再生フォームおよびガラス繊維サイジングなどに使用可能である。」
(ウ)周知技術1の認定
上記(ア)、(イ)において、イソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物についてはバイオマス資源由来であることは記載されていないから、一般的な由来である化石燃料由来であることが理解できる。
そうすると、上記(ア)、(イ)から、次の事項は、周知技術(以下「周知技術1」という。)であると認められる。
「インキが含む植物由来樹脂のバインダーとして、バイオマス由来成分を含むポリオールと、化石燃料由来成分であるイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタンを用いること」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
引用発明の「基材フィルム」は本件補正発明「基材層」に相当し、以下同様に、「シーラントフィルム」は「シーラント層」に、「印刷層」は「印刷層」に相当する。
引用発明において、「前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間を、接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせ」たことにより、シーラントフィルムと基材フィルムとの間に接着剤層が積層されたものといえ、当該接着剤層は、本件補正発明の「接着剤層」に相当する。
引用発明における「少なくとも基材フィルムとシーラントフィルムとからな」り、「前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間を、接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせ、前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間の任意の位置に、植物由来樹脂を含む印刷インキを使用して印刷層を設け」たことと、本件補正発明における「少なくとも、基材層、印刷層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された」こととは、少なくとも、基材層とシーラント層が積層され、基材層とシーラント層の間に印刷層及び接着剤層が積層された限りで一致する。
引用発明における「植物由来樹脂を含む印刷インキを使用して印刷層を設け」たことと、本件補正発明における「前記印刷層が、着色剤と、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物とを含み、前記ポリオールがバイオマス由来成分を含み、前記イソシアネート化合物が化石燃料由来成分を含み、前記印刷層のバイオマス度が5%以上25%以下である」こととは、印刷層が、バイオマス由来成分を含む限りで一致する。
引用発明における「シーラントフィルム」は、「(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルム」であって、「多層共押出フィルム」ではないから、引用発明における「積層フィルム」は本件補正発明における「(B)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルムであり、且つ、該シーラントフィルム全体に対する該ポリエチレン系樹脂組成物の配合量は、40質量%以上であるシーラントフィルム、を備える積層体」を除き、且つ、「(C)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物と、任意の樹脂とを、それぞれ溶融混練した樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルム、を備える積層体」を除く「積層体」に相当する。
以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「少なくとも、基材層とシーラント層が積層され、基材層とシーラント層の間に印刷層及び接着剤層が積層された積層体であって、前記印刷層が、バイオマス由来成分を含む、積層体(但し、下記の(B)の積層体を除き、且つ、下記の(C)の積層体を除く)。(B)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物よりなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルムであり、且つ、該シーラントフィルム全体に対する該ポリエチレン系樹脂組成物の配合量は、40質量%以上であるシーラントフィルム、を備える積層体(C)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%であるポリエチレン系樹脂組成物と、任意の樹脂とを、それぞれ溶融混練した樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層共押出フィルムであるシーラントフィルム、を備える積層体」
[相違点1]
少なくとも、基材層とシーラント層が積層され、基材層とシーラント層の間に印刷層及び接着剤層が積層されたことに関して、本件補正発明は「少なくとも、基材層、印刷層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された」のに対して、引用発明は「少なくとも基材フィルムとシーラントフィルムとからな」り、「前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間を、接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせ、前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間の任意の位置に、植物由来樹脂を含む印刷インキを使用して印刷層を設け」た点。
[相違点2]
本件補正発明は「前記基材層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステルを含むか、あるいは、前記シーラント層が、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含」むのに対して、引用発明は「該基材フィルムは、植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムは、植物由来または非植物由来のモノエチレングリコール(MEG)約15~30質量%を、植物由来または非植物由来のテレフタル酸(PTA)55~85質量%と、場合により任意の添加成分やコモノマー0~15質量%と共に、慣用の触媒の存在下で重縮合反応させて得られたポリエチレンテレフタレートを製膜して製造したものであり、該シーラントフィルムは、(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルムである」点。
[相違点3]
印刷層が、バイオマス由来成分を含むことに関して、本件補正発明は「前記印刷層が、着色剤と、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物とを含み、前記ポリオールがバイオマス由来成分を含み、前記イソシアネート化合物が化石燃料由来成分を含み、前記印刷層のバイオマス度が5%以上25%以下である」のに対して、引用発明は「植物由来樹脂を含む印刷インキを使用して印刷層を設け」た点。
[相違点4]
本件補正発明は「積層体」が「(A)(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるシーラントフィルム、を備える積層体」を除くのに対して、引用発明は「積層フィルム」を構成する「シーラントフィルム」が「(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルム」である点。
(4)判断
ア 相違点1について
引用発明における「印刷層」は「前記シーラントフィルムと前記基材フィルムとの間の任意の位置」に設けられたものであること、また、基材層、印刷層、接着層、およびシーラント層が順に積層された積層体は例示するまでもなく周知であることから、引用発明において、「基材フィルム」、「印刷層」、「接着層」及び「シーラントフィルム」とが順に積層されたものとすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
イ 相違点2について
(ア)本件補正発明の「基材層」が「バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステルを含む」場合について
引用発明の「基材フィルム」は、「植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、植物由来原料からなるポリエチレンテレフタレートフィルムは、植物由来または非植物由来のモノエチレングリコール(MEG)約15~30質量%を、植物由来または非植物由来のテレフタル酸(PTA)55~85質量%と、場合により任意の添加成分やコモノマー0~15質量%と共に、慣用の触媒の存在下で重縮合反応させて得られたポリエチレンテレフタレートを製膜して製造したものであ」るところ、引用発明において、モノエチレングリコール(MEG)及びテレフタル酸(PTA)をそれぞれ植物由来と非植物由来のいずれとするかは、当業者が適宜決め得るものであり、前者を植物由来、後者を非植物由来として、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることに格別の困難性はない。
(イ)本件補正発明の「シーラント層」が「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンを含」む場合について
引用発明の「シーラントフィルム」は、「(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン20~70質量%、(b)密度0.920~0.933kg/m3及びMFR0.5~3.5g/10分の物性を有する、非植物由来の低密度ポリエチレン15~65質量%、(c)エチレンと炭素数6のα-オレフィンとの共重合にて得られ、且つ、密度0.914~0.937kg/m3及びMFR0.9~3.0g/10分の物性を有する、非植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン15~65質量%、並びに(d)添加剤0~20質量%、からなり、ここで、(a)~(d)の合計は100質量%である樹脂組成物からなるポリエチレンフィルムである」ところ、「(a)植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン」は、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリオレフィンといえるから、相違点2は実質的な相違点ではない。
ウ 相違点3について
印刷層に使用される植物由来樹脂を含む印刷インキとして、どのようなものを用いるかは当業者が適宜決め得る事項であり、一般的な着色剤をバインダーに分散させたものを採用し、当該バインダーとして周知技術1のポリウレタンを用いることに格別の困難性はない。その際、ポリオールに含まれるバイオマス由来成分の割合を適宜調整して、本件補正発明にて規定される範囲のバイオマス度のものとし、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
エ 相違点4について
引用発明は、「優れた手切れ性及び耐衝撃性を示し、且つ、フィルム全体として少なくとも20%の高いバイオマス度を示すことから環境への負荷が低減された積層フィルムを提供すること」(【0004】)を課題とするものであるところ、バイオマス度をどの程度とするかは、要求される環境への負荷の度合いやコスト等を総合的に判断して適宜決め得ることである。
また、引用文献1に記載された比較例1は、「石油由来のLDPE(宇部丸善ポリエチレン(株)製UBEポリエチレン(R)F120N)50質量%及び石油由来のLLDPE(三井化学(株)製エボリュー(R)SP2020)50質量%からなる樹脂組成物を用いたシーラントフィルム」(【0053】)であって、「手切れ性(パウチ開封性)」が「良好」で「耐衝撃性(破裂したパウチ数)」が「0」である(【0059】)。このことから、シーラントフィルムにおいて、構成する樹脂組成物のバイオマス度を下げる方向へ変更しても、手切れ性及び耐衝撃性において、良好な結果を得られるものと理解できる。
そうすると、引用発明の「シーラントフィルム」について、コスト等を下げるため、バイオマス度を下げ、シーラントフィルムを構成する樹脂組成物の植物由来原料の割合を20質量%より小さくし、相違点4に係る(A)ではないシーラントフィルムを備える積層体の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
オ 総合検討
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術1から予測される程度のものにすぎず、格別顕著な効果を認めることはできない。
カ 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)予備的検討のまとめ
以上のとおりであるので、本件補正が特許法第17条の2第3項の規定を満たし、補正事項2が、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると仮定しても、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたところ、令和3年5月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載における「前記イソシアネートが」は、本件特許の願書に最初に添付した明細書の【0045】、【0093】、【0095】、【0099】の記載からして「前記イソシアネート化合物が」と記載すべきところの明らかな誤記であるから、当該手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1の記載(上記第2[理由]1(2))において、「前記イソシアネートが」を「前記イソシアネート化合物が」と読み替えた事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1~3、5、6に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1 特開2013-176951号公報
引用文献2 世界オンリーワンのポリウレタン材料2製品を事業化、三井化学株式会社、2014年(平成26年)12月11日、インターネット
引用文献3 大牟田工場で新規ポリウレタン材料の新プラント建設が着工しました~特殊イソシアネート事業の拡大によるコーティング・機能材事業の強化~、三井化学株式会社、2015年(平成27年)4月20日、インターネット
引用文献5 特開2014-193985号公報
引用文献6 特開2011-225851号公報
3 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、5、6及びその記載事項は、前記第2の[理由]4(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]4で検討した本件補正発明から、「積層体」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]4(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-016158