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特許拒絶査定不服審判

2021-016058

壁材

審判番号
2021-016058
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-070515外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月24日
審決日
2023年05月26日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (E04F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017- 70515「壁材」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月 8日出願公開、特開2018-172890〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成29年3月31日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和3年 1月25日付け:拒絶理由通知書

同年 4月30日 :意見書、手続補正書の提出

同年 7月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(同年8月24日:原査定の謄本の送達)

同年11月24日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和4年 7月28日付け:拒絶理由通知書
同年10月20日 :意見書、手続補正書の提出
同年12月19日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月16日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明について

本願の請求項1~5に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本願発明1」などという。)は、令和5年3月16日に提出された手続補正書により補正された請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
複数の凸部と、第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第1目地と、
前記第2方向に延び、前記第1方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第2目地と、を備え、
前記第1目地は前記第1方向に向かって延び、
続きを表示(全17行)
少なくとも二つの前記第1目地は、前記第2方向の一端側または他端側が、前記第1方向に対して傾斜し、前記第1方向または前記第1方向とは反対の方向に沿って前記第2方向の幅が広がる特殊第1目地であり、
前記第2目地は前記第2方向に向かって延び、
前記第2目地の前記第1方向における一端側及び他端側は直線状かつ平行に形成され、
前記凸部は前記第1方向の幅よりも前記第2方向の幅が広いα型凸部と、
前記第2方向の幅よりも前記第1方向の幅が広いβ型凸部と、を有し、
前記β型凸部の前記第1方向の幅は、前記α型凸部の前記第1方向の幅の略2倍であり、
前記β型凸部の前記第2方向の幅は、前記α型凸部の前記第2方向の幅よりも狭く、
前記β型凸部は、他の前記β型凸部と隣接せず、
前記β型凸部は、前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記特殊第1目地を介して隣接し、
前記β型凸部と前記第2方向で隣接する前記2つの前記α型凸部との間に形成される前記特殊第1目地の前記β型凸部側の一端側は一直線状に形成され、
前記β型凸部と前記第2方向で隣接する前記2つの前記α型凸部との間に形成される前記特殊第1目地の前記2つの前記α型凸部側の他端側は、この前記2つの前記α型凸部間に形成される前記第2目地と前記特殊第1目地との交点において折れることのない直線状、または、前記交点において1回のみ折れる折れ線状に形成され、
前記β型凸部の少なくとも前記第2方向の一方側において、前記第1方向に並列する2列の前記α型凸部は、前記第2方向において一方の列が少なくとも3つの前記α型凸部で構成され、他方の列が1つの細長い前記α型凸部で構成されている
ことを特徴とする壁材。」

第3 当審が通知した拒絶の理由

当審が令和4年12月19日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願の請求項1に係る発明についての理由2の概要は、次のとおりである。

理由2(進歩性)

本願の令和4年10月20日付け手続補正により補正された請求項1に係る発明は、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

1.特開2003-321920号公報

2.特開2004-19214号公報

3.特開2001-227129号公報(周知技術を示す文献)

第4 当審の判断

当審は、以下に詳述するとおり、本願発明1は当業者が容易に発明をすることができたものであると判断した。

1 引用文献について

(1)引用文献1

ア 引用文献1の記載

当審拒絶理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある。(下線は、当審が付与した。以下同様。)

(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば外壁材として使用される建築板に関するものである。」
(イ)「【0006】
【発明の実施の形態】本発明を図1~図4に示す一実施例によって説明すれば、建築板(1)は例えば木片、木質パルプ、木質繊維等を木質補強材として混合したセメント板である木質セメント板からなり、エンボス加工によって表面には縦横凹溝部(3,4)を介して凸ブロック(5)の複数個を縦横に配したブロック調模様(2)が形成され、また一方の接合端縁部には上実部(6)が形成され、相対する他方の接合端縁部には下実部(7)が形成されている。該凸ブロック(5)の上面(5A)にはエンボス加工によって微細凹凸模様(8)が付されて天然石調あるいはれんが調の意匠となっており、更に凸ブロック(5)の4辺周縁面(5B)は斜面とされている。該周縁面(5B)の傾斜に緩急を持たせると意匠が多様化して面白味が増す。
【0007】該凸ブロック(5)は各種横巾、縦巾、形状のものがランダム状に配置され、意匠に不規則な面白味を与えている。」

(ウ)図1

「
[図:0001400958000001.jpg]
」

<楕円Cの拡大図>

「
[図:0001400958000002.jpg]
」

<円Bの拡大図>

「
[図:0001400958000003.jpg]
」

<円D及び円Eの拡大図>

「
[図:0001400958000004.jpg]
」

上記図1中の円、楕円、矢印及び記号(A~E)は、当審が付与した。

a 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、上記図1から下記の点が看取できる。

(a)建築板(1)が、複数の凸ブロック(5)、凸ブロック間に位置していて縦方向に向かって延びる凹溝部(3)、及び、凸ブロック間に位置していて横方向に向かって延びる凹溝部(4)を備えており、複数の縦方向に向かって延びる凹溝部(3)は、横方向の一端側または他端側が、縦方向に対して傾斜している点。

(b)横方向に延びる凹溝部(4)において、縦方向の一端側及び他端側が、直線状かつ平行に形成されている点。

(c)複数の凸ブロック(5)には、縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック(以下、このような凸部ロックを「タイプAの凸ブロック」という。)と、横方向の幅よりも縦方向の幅が広い凸ブロック(建築板1の右下に位置している凸ブロック)が含まれている点。

b 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、上記楕円Cで囲んだ部位から下記の点が看取できる。

(a)縦方向と横方向の寸法がほぼ同じ長さの略台形の凸ブロック(以下、「略台形状の凸ブロックC」という。)が、当該「略台形状の凸ブロックC」の左側及び右側のそれぞれにおいて、縦方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」と、縦方向に向かって延びる凹溝部(3)を介して隣接していて、

当該「略台形状の凸ブロックC」の右側において、縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」は、横方向において上方の列が横方向に並列する2つの「タイプAの凸ブロック」で構成され、下方の列が、一つの細長い「タイプAの凸ブロック」で構成されている点。

(b)「略台形状の凸ブロックC」と横方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」との間に形成される縦方向に向かって延びる凹溝部3の、「前記略台形状の凸ブロックC」側が、一直線状に形成されている点。

(c)「略台形状の凸ブロックC」の横幅は、左側及び右側下方に位置している「タイプAの凸ブロック」の横幅よりも狭い点。

(d)「略台形状の凸ブロックC」は、他の「略台形状の凸ブロック」とは、隣接していない点。

(e)横方向の長さが互いに異なる「タイプAの凸ブロック」が設けられている点。

(f)「略台形状の凸ブロックC」の縦方向の幅は、その右側または左側に位置する「タイプAの凸ブロック」の縦方向の幅の略2倍である点。

c 上記(ア)、(イ)及び(ウ)aを踏まえると、上記図1の円B、円D及び円Eで囲んだ部位から、下記の点が看取できる。

建築板(1)は、縦方向に向かって延び、横方向の一端側及び他端側が、縦方向に対して傾斜し、縦方向に沿って幅が広がっている3つの凹溝部(3)有し、

前記凹溝部(3)は、「略台形状の凸ブロック」と横方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」との間において縦方向に向かって延びており、前記凹溝部(3)の前記「略台形状の凸ブロックC」側が、一直線状に形成されるとともに、2つの「タイプAの凸ブロック」側が、当該2つの「タイプAの凸ブロック」間に形成され、横方向に向かって延びる凹溝部(4)との交点において折れることのない直線状に形成されている点。

d 上記(ア)、(イ)及び(ウ)aを踏まえると、上記図1の円Aで囲んだ部位から、下記の点が看取できる。

建築板(1)は、縦方向に向かって延び、横方向の一端側及び他端側が、縦方向に対して傾斜し、縦方向に沿って幅が広がっている凹溝部(3)有し、

前記凹溝部(3)は、「略台形状の凸ブロック」と横方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」との間において縦方向に向かって延びており、前記凹溝部(3)の前記「略台形状の凸ブロック」側が、一直線状に形成されるとともに、2つの「タイプAの凸ブロック」側が、当該2つの「タイプAの凸ブロック」間に形成され、横方向に向かって延びる凹溝部(4)との交点において1回のみ折れる折れ線状に形成されている点。

イ 引用文献1に記載された発明及び引用文献1に記載された事項

(ア)上記アの(ア)、(イ)、(ウ)a及びbを踏まえると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という)が記載されていると認められる。

(引用発明)

「外壁材として使用される建築板(1)であって、
縦横凹溝部(3,4)を介して凸ブロック(5)の複数個を縦横に配したブロック調模様(2)が形成されており、
該凸ブロック(5)は各種横巾、縦巾、形状のものがランダム状に配置され、
複数の凸ブロック(5)間に位置していて縦方向に向かって延びる凹溝部(3)、及び、凸ブロック間に位置していて横方向に向かって延びる凹溝部(4)を備えており、複数の縦方向に向かって延びる凹溝部(3)は、横方向の一端側または他端側が、縦方向に対して傾斜しており、
続きを表示(全13行)
横方向に向かって延びる凹溝部(4)において、縦方向の一端側及び他端側が、直線状かつ平行に形成されており、
複数の凸ブロック(5)には、縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック(楕円Cで囲った中の右側。以下このような凸部ロックを「タイプAの凸ブロック」という。)が含まれており、横方向の長さが互いに異なる「タイプAの凸ブロック」が設けられており、
縦方向と横方向の寸法がほぼ同じ長さの略台形状の凸ブロック(以下、「略台形状の凸ブロックC」という。)が、当該「略台形状の凸ブロックC」の左側及び右側のそれぞれにおいて、縦方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」と、縦方向に向かって延びる凹溝部(3)を介して隣接しており、
当該「略台形状の凸ブロックC」の右側において、縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」は、横方向において上方の列が横方向に並列する2つの「タイプAの凸ブロック」で構成され、下方の列が、一つの細長い「タイプAの凸ブロック」で構成されており、
「略台形状の凸ブロックC」と横方向で隣接する2つのタイプAの凸ブロックとの間に形成される縦方向に向かって延びる凹溝部(3)の、前記「略台形状の凸ブロックC」側が、一直線状に形成されていて、
「略台形状の凸ブロックC」の縦方向の幅は、その右側または左側に位置する「タイプAの凸ブロック」の縦方向の幅の略2倍であり、
「略台形状の凸ブロックC」の横幅は、タイプAの凸ブロックの横幅よりも狭く、
「略台形状の凸ブロックC」は、他の「略台形状の凸ブロック」とは、隣接していない、
建築板。」

(イ)上記アの(ア)、(イ)、(ウ)cを踏まえると、引用文献1には次の技術事項(以下「引用文献1に記載された技術事項1」という。)が記載されていると認められる。

(引用文献1に記載された技術事項1)

「建築板(1)は、縦方向に向かって延び、横方向の一端側及び他端側が、縦方向に対して傾斜し、縦方向に沿って幅が広がっている凹溝部(3)有し、
前記凹溝部(3)は、「略台形状の凸ブロック」と横方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」との間において縦方向に向かって延びており、前記凹溝部(3)の前記「略台形状の凸ブロックC」側が、一直線状に形成されるとともに、2つの「タイプAの凸ブロック」側が、当該2つの「タイプAの凸ブロック」間に形成され、横方向に向かって延びる凹溝部(4)との交点において折れることのない直線状に形成されている点。」

(ウ)上記アの(ア)、(イ)、(ウ)dを踏まえると、引用文献1には次の技術事項(以下「引用文献1に記載された技術事項2」という)が記載されていると認められる。

(引用文献1に記載された技術事項2)

「建築板(1)は、縦方向に向かって延び、横方向の一端側及び他端側が、縦方向に対して傾斜し、縦方向に沿って幅が広がっている凹溝部(3)有し、
前記凹溝部(3)は、「略台形状の凸ブロック」と横方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」との間において縦方向に向かって延びており、前記凹溝部(3)の前記「略台形状の凸ブロック」側が、一直線状に形成されるとともに、2つの「タイプAの凸ブロック」側が、当該2つの「タイプAの凸ブロック」間に形成され、横方向に向かって延びる凹溝部(4)との交点において1回のみ折れる折れ線状に形成されている点。」

(2)引用文献2について

ア 引用文献2の記載

当審拒絶理由に引用された引用文献2には、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は例えば建築物の外壁材として使用される建築板に関するものである。」
(イ)「【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を図1~図5に示す一実施例によって説明すれば、建築板(1)の表面には複数条の縦目地溝(2)と横目地溝(3)とによって複数個の凸ブロック(4)が画定したブロック調模様が付されている。そして各ブロック(4)の表面には微細凹凸模様が付されている。
上記ブロック調模様にあっては、図2に示されるように縦横目地溝(2,3)の巾は大部分で同一ではなく異なるようにされ、また縦目地溝(2)の最大巾は10mm以下に設定されている。また横目地溝(3)は略水平に形成されているが、縦目地溝(2)はいくつかのものを残して大部分のものは右または左に傾斜し、更に縦目地溝(2)はいくつかのものを残して大部分のものは巾を段階的および/または連続的に変化せしめられている。図2において縦目地溝(2A)は巾が変化せず一定であるが、縦目地溝(2B)は縦2ブロックにまたがり上段または下段の凸ブロック(4)が縦目地溝(2B)内に若干突出して段階的および連続的に巾が変化しており、縦目地溝(2C)は下方に向かって連続的に巾が縮小している。
続きを表示(全11行)
【0009】
更に横目地溝(3)も2ブロック以上にまたがるものは所定の凸ブロック(4)の横配列をずらして横目地溝(3)内に若干突出させることにより、巾が若干変化せしめられている。また更に横目地溝(3)のうち横二列(3A,3A)は板(1)全長にわたって連続貫通状態にされている。
更に該建築板(1)にあっては相対する辺の一方(下辺)には上実(5)が設けられており、他方(上辺)には下実(6)が設けられている。そして該板(1)の下実(6)側端縁部上面には全長にわたって横目地代(3’)が設けられている。
【0010】
上記建築板(1)にあっては表面のブロック調模様において、縦目地溝(2)と横目地溝(3)との巾が異なっており、しかも縦目地溝(2)はいくつかのものを残して大部分は右または左に傾斜し、更に縦目地溝(2)はいくつかのものを残して大部分のものは巾を段階的および/または連続的に変化している。また横目地溝(3)にあっても凸ブロック(4)の横配列をずらすことにより巾が若干変化しており、このような巾、傾斜等の変化により、該建築板(1)のブロック調模様は適度なランダム性があり、自然感を有し天然石調の面白味のある意匠となる。また縦目地溝(2)の傾斜は光の当る方向によって種々に陰陽を変化させ、更に意匠には変化が付され面白味のあるものとなる。
【0011】
しかし一方では横二列の横目地溝(3A,3A)が板(1)全長にわたって連続貫通しているので、意匠に落ち付きが与えられ、かつ板(1)と板(1)との上下の継目が目立たなくなる。また板(1)の下実(6)側端縁部上面には横目地代(3’)が設けられているから、板(1)と板(1)とを接続して施工する時、両方の板(1,1)の接続端縁の凸ブロック(4,4)が直接衝突することが回避せしめられ、衝突による凸ブロック(4,4)の欠損が防止され、更に板(1)と板(1)との接続部は横目地代(3’)により横目地溝状となり、継目に違和感が解消される。」

(ウ)図2

「
[図:0001400958000005.jpg]
」

上記図2中の楕円は、当審が付与した。

上記図2の楕円の部位から、以下の点が看取できる。

・略台形状の凸ブロック4と、両側の横方向で隣接する縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック4(以下、「タイプAの凸ブロック」という。)の2つとの間に形成される縦方向に向かって延びる縦目地溝(2B)において、当該略台形状の凸ブロック4側が、全部または半分以上が一直線状に形成されるとともに、2つのタイプAの凸ブロック側が、折れ線状に形成されている(2つのタイプAの凸ブロック側の線が、一直線上にないことから、このように認定)点。

イ 引用文献2に記載された技術事項

上記アを踏まえると、引用文献2には、次の技術事項(以下「引用文献2に記載された技術事項」)が記載されていると認められる。

(引用文献2に記載された技術事項)

「建築物の外壁材として使用される建築板において、略台形状の凸ブロック4と、両側の横方向で隣接する縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック4(以下、「タイプAの凸ブロック」という。)の2つとの間に形成される縦方向に向かって延びる縦目地溝(2B)において、当該略台形状の凸ブロック4側が、全部または半分以上が一直線状に形成されるとともに、2つのタイプAの凸ブロック側が、折れ線状に形成されている点。」

(3)引用文献3について

ア 引用文献3の記載

当審拒絶理由に引用された引用文献3には、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外壁面を構成するサイディング材に関し、とくに、規則的あるいは不規則に並んだ石調、レンガ調等種々の表面柄を有するサイディング材に関する。
・・・
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1~図9は、本発明の第1実施態様に係るサイディング材を示している。図1において、サイディング材1は、図の背面側にある基板部2と、該基板部2上(図の表面側)にある表面柄部3とを一体的に形成したものからなる。
表面柄部3には、レンガ柄、タイル柄、石積み柄等の表面柄4がランダムに形成され、該表面柄4は、たとえばプレス加工によって成形されており、各柄4間は目地部5に形成されている。」

(イ)図1

「
[図:0001400958000006.jpg]
」

上記図1中の楕円は、当審が付与した。

(ウ)図7

「
[図:0001400958000007.jpg]
」

上記図7の表面柄部3の形状を参酌すると、上記図1の楕円の部位から、以下の点が看取できる。

・中央部下方右寄りにおいて、横方向の一方側及び他方側のそれぞれに、縦方向で隣接する2つの横長の凸部と、縦方向の目地を介して隣接する凸部として、横方向の幅よりも縦方向の幅を広く形成されている点。

イ 引用文献3に記載された技術事項

上記アを踏まえると、引用文献3には、次の技術事項(以下「引用文献3に記載された技術事項」)が記載されていると認められる。

(引用文献3に記載された技術事項)

「建築物の外壁面を構成するサイディング材において、横方向の一方側及び他方側のそれぞれに、縦方向で隣接する2つの横長の凸部と、縦方向の目地を介して隣接する凸部が、横方向の幅よりも縦方向の幅を広く形成されている点。」

2 対比・判断について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、

ア 引用発明の「建築板」は、本願発明1の「壁材」に相当する。

引用発明の「縦方向」は、本願発明1の「第1方向」に相当する。

引用発明の「横方向」は、「縦方向」に対して直交していることから、本願発明1の「第1方向と直交する第2方向」に相当する。

引用発明は、「縦横凹溝部(3,4)を介して凸ブロック(5)の複数個を縦横に配し」ていることから、本願発明1の「複数の凸部と、第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第1目地と、前記第2方向に延び、前記第1方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第2目地と、を備え」及び「少なくとも二つの前記第1目地」に相当する構成を有していることは明らかである。

引用発明の「凹溝部(3)」が「縦方向に向かって延びる」ことは、本願発明1の「前記第1目地は前記第1方向に向かって延び」ることに相当する。

引用発明の「凹溝部(4)」が「横方向に向かって延びる」ことは、本願発明1の「前記第2目地は前記第2方向に向かって延び」ることに相当する。

引用発明の「複数の縦方向に向かって延びる凹溝部(3)は、横方向の一端側または他端側が、縦方向に対して傾斜して」いることは、本願発明1の「少なくとも二つの前記第1目地は、前記第2方向の一端側または他端側が、前記第1方向に対して傾斜し」ていることに相当する。

引用発明の「凹溝部(4)」が「縦方向の一端側及び他端側が、直線状かつ平行に形成されて」いることは、本願発明1の「前記第2目地の前記第1方向における一端側及び他端側は直線状かつ平行に形成され」ていることに相当する。

イ 引用発明の「凸ブロック(5)」のうちの「縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック」である「タイプAの凸ブロック」は、本願発明1の「前記第1方向の幅よりも前記第2方向の幅が広いα型凸部」に相当する。

引用発明の「凸ブロック(5)」のうちの「略台形状の凸部ロックC」と、本願発明1の「前記第2方向の幅よりも前記第1方向の幅が広いβ型凸部」とは、「凸部」である点で共通する。

以降、当該「凸部」は、「凸ブロック(5)」のうちの「α型凸部」(「タイプAの凸ブロック」)とは別である「略台形状の凸部ロックC」との共通点であることから、(α型凸部とは別の)「凸部」ということとする。

そうすると、引用発明において、「凸ブロック(5)」が、「縦方向の幅よりも横方向の幅が広い凸ブロック」である「タイプAの凸ブロック」と、「略台形状の凸部ロックC」とを有していることは、本願発明1において、「凸部」は「前記第1方向の幅よりも前記第2方向の幅が広いα型凸部」と、(α型凸部とは別の)「凸部」と、を有している点で共通する。

ウ 引用発明の「略台形状の凸ブロックC」の縦方向の幅が、その右側または左側に位置する「タイプAの凸ブロック」の縦方向の幅の略2倍であることと、本願発明1の「前記β型凸部の前記第1方向の幅は、前記α型凸部の前記第1方向の幅の略2倍であ」ることとは、「(α型凸部とは別の)前記凸部の前記第1方向の幅は、前記α型凸部の前記第1方向の幅の略2倍であ」る点で共通する。

引用発明において、「略台形状の凸ブロックC」の横幅は、「タイプAの凸ブロック」の横幅よりも狭いことと、本願発明1において、「前記β型凸部の前記第2方向の幅は、前記α型凸部の前記第2方向の幅よりも狭」いこととは、「(α型凸部とは別の)前記凸部の前記第2方向の幅は、前記α型凸部の前記第2方向の幅よりも狭」い点で共通する。

引用発明の「略台形状の凸ブロックC」が、他の「略台形状の凸ブロック」とは、隣接していないことと、本願発明1の「前記β型凸部は、他の前記β型凸部と隣接」していないこととは、「(α型凸部とは別の)前記凸部は、他の(α型凸部とは別の)前記凸部と隣接」していない点で共通する。

エ 引用発明の「略台形状の凸ブロック」が、「当該略台形状の凸ブロックCの左側及び右側のそれぞれにおいて、縦方向で隣接する2つの「タイプAの凸ブロック」と、縦方向に向かって延びる凹溝部(3)を介して隣接して」いることと、本願発明1の「前記β型凸部は、前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記特殊第1目地を介して隣接し」ていることとは、「(α型凸部とは別の)前記凸部は、前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記第1目地を介して隣接し」ている点で共通する。

オ 引用発明の「「略台形状の凸ブロックC」と横方向で隣接する2つのタイプAの凸ブロックとの間に形成される縦方向に向かって延びる凹溝部(3)の、前記「略台形状の凸ブロックC」側が、一直線状に形成されてい」ることと、本願発明1の「前記β型凸部と前記第2方向で隣接する前記2つの前記α型凸部との間に形成される前記特殊第1目地の前記β型凸部側の一端側は一直線状に形成され」ていることとは、「(α型凸部とは別の)前記凸部と前記第2方向で隣接する前記2つの前記α型凸部との間に形成される第1目地のα型凸部とは別の前記凸部側の一端側は一直線状に形成され」ているで共通する。

カ 引用発明の「略台形状の凸ブロックC」の右側において、縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」は、横方向において上方の列が横方向に並列する2つの「タイプAの凸ブロック」で構成され、下方の列が、一つの細長い「タイプAの凸ブロック」で構成されていることと、本願発明1の「前記β型凸部の少なくとも前記第2方向の一方側において、前記第1方向に並列する2列の前記α型凸部は、前記第2方向において一方の列が少なくとも3つの前記α型凸部で構成され、他方の列が1つの細長い前記α型凸部で構成されている」こととは、「(α型凸部とは別の)前記凸部」の「少なくとも前記第2方向の一方側において、前記第1方向に並列する2列の前記α型凸部」は、「前記第2方向において」「他方の列が1つの細長い前記α型凸部で構成されている」点で共通する。

そうすると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

一致点

「複数の凸部と、第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第1目地と、
前記第2方向に延び、前記第1方向で隣接する前記凸部間に位置して前記凸部を区画する複数の第2目地と、を備え、
前記第1目地は前記第1方向に向かって延び、
少なくとも二つの前記第1目地は、前記第2方向の一端側または他端側が、前記第1方向に対して傾斜し、
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前記第2目地は前記第2方向に向かって延び、
前記第2目地の前記第1方向における一端側及び他端側は直線状かつ平行に形成され、
前記凸部は前記第1方向の幅よりも前記第2方向の幅が広いα型凸部と、
(α型凸部とは別の)凸部と、を有し、
(α型凸部とは別の)前記凸部の前記第1方向の幅は、前記α型凸部の前記第1方向の幅の略2倍であり、
(α型凸部とは別の)前記凸部の前記第2方向の幅は、前記α型凸部の前記第2方向の幅よりも狭く、
(α型凸部とは別の)前記凸部は、他の前記凸部と隣接せず、
(α型凸部とは別の)前記凸部は、前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記第1目地を介して隣接し、
(α型凸部とは別の)前記凸部と前記第2方向で隣接する前記2つの前記α型凸部との間に形成される前記第1目地の前記凸部側の一端側は一直線状に形成され、
(α型凸部とは別の)前記凸部の少なくとも前記第2方向の一方側において、前記第1方向に並列する2列の前記α型凸部は、前記第2方向において、他方の列が1つの細長い前記α型凸部で構成されている、
壁材。」

相違点1

第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、第1方向で隣接する2つのα型凸部と第1目地を介して隣接する(α型凸部とは別の)「凸部」について、本願発明1では、「第2方向の幅よりも第1方向の幅が広いβ型凸部」であるのに対して、引用発明1では、略台形状の凸ブロックCであり、そのような構成を有していない点。

相違点2

「第1目地」について、本願発明1では、「前記第2方向の一端側または他端側は、前記第1方向に対して傾斜し、前記第1方向または前記第1方向とは反対の方向に沿って前記第2方向の幅が広がる特殊第1目地」であって、「2つのα型凸部側の他端側は、この前記2つの前記α型凸部間に形成される前記第2目地と前記特殊第1目地との交点において折れることのない直線状、または、前記交点において1回のみ折れる折れ線状に形成されている」のに対して、引用発明では、そのような構成を有していない点。

相違点3

本願発明1は、(α型凸部とは別の)「凸部」が、「前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記特殊第1目地を介して隣接し」ているのに対して、引用発明では、凸部(「略台形状の凸ブロックC」)が、第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と第1目地を介して隣接しているものの、前記第1目地が、特殊第1目地ではない点。

相違点4

(α型凸部とは別の)「凸部」の少なくとも前記第2方向の一方側において、本願発明1は、前記第1方向に並列する2列の前記α型凸部は、前記第2方向において一方の列が少なくとも3つの前記α型凸部で構成されているのに対して、引用発明は、右側の縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」は、横方向において上方の列が横方向に並列する2つの「タイプAの凸ブロック」で構成されている点。

(2)判断

上記相違点について検討する。

ア 相違点1について

壁材において、横方向より縦方向縦方向の幅が広い凸部(β型凸部)を有したものは、引用文献1(上記1(1)ア(ウ)a(c))、及び引用文献3(上記1(3)イ)に記載されているとおり周知である。なお、例示した引用文献3に記載された凸部(β型凸部)は、横方向の一方側及び他方側のそれぞれに、縦方向で隣接する2つの横長の凸部と、縦方向の目地を介して隣接する凸部である。

そして、引用発明の(α型凸部とは別の)凸部(略台形状の凸ブロック)を、上記周知の凸部(β型凸部)とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

イ 相違点2及び3について

相違点2及び相違点3は、本願発明1の「特殊第1目地」に係る相違点であることから、これらを併せて検討する。

引用文献1に記載された技術事項1(上記1(1)イ(イ))の「縦方向に向かって延び、横方向の一端側及び他端側が、縦方向に対して傾斜し、縦方向に沿って幅が広がっている凹溝部(3)」は、本願発明1の「特殊第1目地」に相当し、

引用文献1に記載された技術事項1の上記「凹溝部(3)」の「2つのタイプAの凸ブロック」側が、当該2つのタイプAの凸ブロック間に形成され、横方向に向かって延びる凹溝部(4)との交点において折れることのない直線状に形成されていることは、本願発明1の「前記第1特殊目地の前記2つの前記α型凸部側の他端側は、この前記2つの前記α型凸部間に形成される前記第2目地と前記特殊第1目地との交点において折れることのない直線状」に「形成されている」ことに相当する。

また、壁材において、「特殊第1目地」の2つのα型凸部側の他端側が、この前記2つの前記α型凸部間に形成される前記第2目地と前記特殊第1目地との交点において1回のみ折れる折れ線状に形成されていることは、引用文献1に記載された技術事項2(上記1(1)イ(ウ))や引用文献2に記載された技術事項(1(2)イ)にみられるとおり周知の事項である。

そして、引用発明(楕円Cで囲んだ部位を含む発明)において、縦方向に向かって延びる凹溝部3(第1目地)の端縁部の形状を他の形状に変更することは、引用文献1の図1において様々なタイプのものがあることから見ても、形状の組み合わせで単に意匠を構成するというデザイン上設計可能な範囲の事項にすぎず、また、引用文献1には他の形状に変更することについて構造的・機能的に制限する記載もない。

したがって、引用発明(楕円Cで囲んだ部位の発明)の縦方向の凹溝部(3)の端縁部(2つのα型凸部側の他端側)の形状を、引用文献1に記載された技術事項1の形状、または、周知の形状(交点において折れることのない直線状、または、交点において1回のみ折れる折れ線状)に置き換え、相違点2に係る本願発明1のようにすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

さらに、引用発明の(α型凸部とは別の)凸部(略台形状の凸ブロックC)の横方向に位置する二つの凹溝部(3)のいずれを特殊第1目地とするか、あるいは、両側を特殊第1目地とするかは、デザイン等を考慮して決定すればよいことであるから、引用文献1に記載された技術事項1、または、上記周知の事項を採用するにあたって、相違点3に係る本願発明1の構成のように、「前記第2方向の一方側と他方側のそれぞれにおいて、前記第1方向で隣接する2つの前記α型凸部と前記特殊第1目地を介して隣接」するように構成することは、格別困難なことではない。

ウ 相違点4について

引用発明は、(α型凸部とは別の)「凸部」の右側において、縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」のうち、上方の列が2つの「タイプAの凸ブロック」で構成されているので、本願発明1とは、一方の列が複数の「タイプAの凸ブロック」で構成されている点で共通している。そうすると、引用発明は、程度において若干の差はあるとしても、本願発明1と同様の性質の作用効果を奏するといえる。

そして、引用発明において、縦方向に並列する2列の「タイプAの凸ブロック」のうち、上方の列が横方向に並列する2つの「タイプAの凸ブロック」で構成されているところ、一つの列において構成する「タイプAの凸ブロック」(α型凸部)を2つから「少なくとも3つの前記α型凸部」とすることは、少なくとも1つの「タイプAの凸ブロック」を追加する程度のことにすぎず、当業者であれば適宜設計し得る程度のことである。

エ また、本願発明1が奏する作用効果は、引用発明、引用文献1に記載された技術事項1及び周知の事項から予測しうる範囲内のものである。

オ 小括

よって、本願発明1は、引用発明、引用文献1に記載された事項1及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3 請求人の主張について

(1)主張の概要

令和5年3月16日に提出した意見書の「(6)本願発明の特徴について」において、請求人は次のような主張をしている。

「本願発明の特徴は、
(特徴A)第2方向に並列する最も近いβ型凸部(5Y)同士の間において、第1方向に並列する2列のα型凸部(3X)は、第2方向において、一方の列が少なくとも3つのα型凸部(3X)で構成され、他方の列が1つのα型凸部(3X)で構成されています。 」

「(特徴A)により、第2方向において、β型凸部(3Y)間に形成されるα型凸部(3X)は、他方の列の1つの細長いα型凸部(3X)により、壁材は第2方向に延びるストライプ状の柄のように見えます。また、一方の列の3つ以上のα型凸部(3X)と、両端のβ型凸部(3Y)により、他方の列の細長いα型凸部(3X)が第2方向に間延びして見えることもありません。更に、細長いα型凸部(3X)により、α型凸部(3X)およびβ型凸部(3Y)が不規則に配置されているにもかかわらず、調和の取れた外観を呈することができます。また、他方の列の細長いα型凸部(3X)による陰影が第2方向に長いα型凸部に沿って直線的に形成されるので、壁板を第1方向に施工した際の壁板同士の繋ぎ目を目立ち難くすることができます。」

(2)検討

上記(1)の主張について検討する。

本願発明1は、「(特徴A)」である、「第2方向に並列する最も近いβ型凸部(5Y)同士の間において、第1方向に並列する2列のα型凸部(3X)は、第2方向において、一方の列が少なくとも3つのα型凸部(3X)で構成され、他方の列が1つのα型凸部(3X)」という構成を有していない。(「第2方向に並列する最も近いβ型凸部(5Y)同士の間において」という前提事項は、請求項1には記載されていない。)

また、請求人が主張する作用効果について、本願の明細書には記載されておらず、自明の効果ともいえない。

したがって、上記主張は、本願発明1の構成に基づく主張ではなく、本願の明細書には記載されてない作用効果を主張するものである。また、仮にそのような効果が有するものとしても、人の審美的主観によるものにすぎず、特段の効果を奏するものとはいえない。

なお、請求人が主張する本願発明1の(特徴A)のうち、「第1方向に並列する2列のα型凸部は、第2方向において、一方の列が少なくとも3つのα型凸部で構成された」点が、引用発明に基づいて、容易想到のものであることは、上記2(2)ウで説明したとおりである。

以上のとおりであるから、請求人の上記主張は上記の判断を左右するものではなく、採用することはできない。

第5 むすび

以上検討のとおりであるから、本願発明1は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-016058

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