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商標拒絶査定不服審判

2024-013823

クロサビクロサビ、クロサビ

審判番号
2024-013823
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-047784
請求日
2024年08月28日
審決日
2025年07月03日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ニチハ株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 深田 彩紀子
分類
T18 .13 -Z (W0619)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 47784拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続経緯 本願は、令和5年5月1日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年11月14日付け:拒絶理由通知書 令和6年 4月15日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 5月 2日付け:拒絶査定 令和6年 8月28日 :審判請求書の提出 令和7年 3月11日付け:審尋 令和7年 5月 9日 :回答書の提出 2 本願商標 本願商標は、「黒錆(くろさび)」の文字を標準文字で表してなり、第6類及び第19類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、別掲1のとおり、補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「黒錆(くろさび)」の文字を標準文字で表してなり、その構成中、「黒錆」の文字は、「鉄さびのうち、黒いもの。」の意味を有する語であり、また、丸括弧内の「くろさび」の文字は、同構成中の「黒錆」の文字の読みを表したものと容易に認識させるものである。そして、本願の補正後の指定商品に関する分野において、「黒色の鉄さびが形成された商品」に「黒錆」の文字が使用されている実情が見受けられることに加えて、「黒錆を表現する塗装をした商品」が取り扱われている実情が見受けられる。そうすると、本願商標を補正後の指定商品中、「黒錆のような表面塗装がされた建築用の金属製サイディング材」等に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「黒色の鉄さびが形成された商品」又は「黒錆を表現する塗装をした商品」であると認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における審尋 当審において、令和7年3月11日付けで通知した審尋により、別掲2ないし別掲4のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 5 審尋に対する請求人の回答 請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年5月9日に回答書を提出し、「本願の補正後の第6類の指定商品を取り扱う業界において、「黒錆塗装や黒錆風の塗装がされた商品」のみを指して単独の「黒錆」の文字(語)が使用されている実情はなく、本願商標を補正後の第6類の指定商品に使用するときに、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「黒錆塗装や黒錆風の塗装がされた商品」であることを認識するにとどまるとはいえない。本願商標「黒錆(くろさび)」は「黒錆」の印象を間接的に表現しているものであって、商品の品質を具体的かつ直接的に表したものではない。」旨、意見を述べた。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について ア 商標法第3条第1項第3号の趣旨について 商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。 そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品に使用された場合に商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。 イ 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「黒錆(くろさび)」の文字を標準文字で表してなるものである。 ところで、本願の指定商品に関する分野において、別掲2によれば、「黒錆(サビ)塗装」及び「黒錆(サビ)風塗装」の文字(語)が、塗装の種類や商品の品質を表すものとして使用されている実情が認められ、また、別掲3によれば、「黒さび塗装仕上げ」及び「黒錆(さび)仕上げ」の文字(語)が使用されている実情も認められる。 さらに、別掲4のとおり、本願の指定商品に関する分野において、「黒錆(さび)」の文字(語)が、「カラーバリエーション」や「柄名」のように、商品の品質を表すものとして、使用されている実情も認められる。 そうすると、本願商標の構成及び上記取引の実情を踏まえれば、「黒錆(くろさび)」の文字からなる本願商標を、その補正後の第6類の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば「黒錆塗装や黒錆風の塗装がされた商品であること」を認識し、当該表示が商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示というべきである。 また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。 したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、「本願の補正後の第6類の指定商品を取り扱う業界において、「黒錆塗装や黒錆風の塗装がされた商品」のみを指して単独の「黒錆」の文字(語)が使用されている実情はなく、本願商標「黒錆(くろさび)」は「黒錆」の印象を間接的に表現しているものであって、商品の品質を具体的かつ直接的に表したものではない。」旨主張する。 しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。 そして、たとえ、請求人が主張するように、「黒錆」の文字(語)が、単独で使用されておらず、他の語を伴って使用されることが一般的であるとしても、上記(1)イのとおり、建築材料について、「黒錆(サビ)塗装」及び「黒錆(サビ)風塗装」の文字(語)が、塗装の種類や商品の品質を表すものとして使用されている実情、「黒さび塗装仕上げ」及び「黒錆(さび)仕上げ」の文字(語)が使用されている実情並びに「黒錆(さび)」の文字(語)が、「カラーバリエーション」や「柄名」のように、商品の品質を表すものとして使用されている実情、さらに、何より、本願の第6類の指定商品が、別掲1のとおり、黒錆のような表面塗装がされた商品に限定されていることからすれば、第6類の指定商品に使用された本願商標に接する取引者、需要者は、当該商品が例えば「黒錆塗装や黒錆風の塗装がされた商品」であるという、商品の品質を表したものと一般に認識するというべきであり、そのため、本願商標は、当該品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるというべきである。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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