2021-015387
オンラインゼーリシ、オンライン
- 審判番号
- 2021-015387
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-046852外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年11月10日
- 審決日
- 2022年09月29日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- T18 .13 -Z (W3536)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
1 手続の経緯
本願は、令和2年4月28日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2 本願商標
本願商標は、「オンライン税理士」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第36類に属する別掲1記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は「オンライン税理士」の文字を標準文字で表してなるところ、本願指定役務を取り扱う業界において、通信回線やインターネット等を利用して税理士が税務代理・税務書類の作成・税務相談を行うサービスが広く提供されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用したときは、取引者、需要者は「パソコンなどが通信回線やLANによって接続されて、情報が転送できる状態で業務を行う税理士が行う役務」であることを理解、把握するにとどまるから、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年6月14日付け審尋により、別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和4年7月14日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べた。
(1)審尋で証拠としている新聞記事及びインターネット情報は、税理士についての業務について説明があるものの、「オンライン税理士」そのものを使用した表示はない。
(2)別掲2の事例中、インターネット情報(1)と(4)では、「オンライン税理士」の定義が全く異なり、当該文字が「オンラインで業務を行う税理士による役務」とのみ解釈されるものではなく、様々な意味合いを導き出すことが可能である。複数の意味が想起される商標は識別性があるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(3)近年の社会のデジタル化、コロナ禍においても「オンライン○○」という商標が登録されている以上、本願商標についても識別力を有するとして登録が認められるべきである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「オンライン税理士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「オンライン」の文字は、「パソコンなどが通信回線やLANによって接続されて、情報が転送できる状態。」の意味を、「税理士」の文字は、「税理士法に従い顧客の依頼により税務代理・税理書類の作成等を行とする者。」(いずれも広辞苑 第7版)の意味を、それぞれ有するものとして、ともに広く親しまれた語であるから、「オンライン」と「税理士」の文字から構成されてなるものと容易に理解できるものである。
そして、近年の社会のデジタル化及びインターネットの普及に伴い、従来は対面等で提供されていたサービスなどが、インターネットを利用して提供されることが一般的になっており、そのようなサービスについては、オンラインストア、オンライン診療などのように、「オンライン○○」と表されている。
また、原審の拒絶理由通知書及び当審における審尋で示した事例(別掲2)のように、本願指定役務を提供する業界においても、対面でなくインターネットを利用した税務相談やインターネットを利用した手続が行われており、そのようなサービスについては「オンライン」及び「税理士」の文字が使用されている実情にある。
以上の実情をふまえると、「オンライン」と「税理士」の文字から構成される「オンライン税理士」の文字は、「オンラインで業務を行う税理士」ほどの意味合いを理解させるものである。
そうすると、「オンライン税理士」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「オンラインで業務を行う税理士による役務」ほどの意味合いを認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、自他役務の識別標識とは認識されないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
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ア 請求人は、本願商標からは、「オンラインで業務を行う税理士」のみでなく複数の意味合いが想起されるから識別力がある旨述べ、判決例や既登録例を挙げている。
しかしながら、請求人が挙げる複数の意味は、結局すべてオンラインで行う税理士業務に包含されるものであって、別掲2のとおり、オンラインで業務を行う税理士を「オンライン税理士」と称している例があることからすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、「オンラインで業務を行う税理士の役務」であると容易に認識するというべきである。
また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、指定商品や指定役務等の取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるべきものであるから、全体構成を異にする商標登録の例に左右されるものではない。
イ 請求人は、「オンライン税理士」そのものを使用した表示はない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の適用においては、需要者又は取引者における一般的な認識を基準とすべきであるところ、原審の拒絶理由通知書及び当審における審尋で示した事例のとおり、税理士に関する業務をオンラインで提供している税理士や税理士事務所が存在している実情をふまえると、本願商標は、これに接する一般の需要者及び取引者をして、「オンラインで業務を行う税理士による役務」であるといった役務の質(内容)を表したものとのみ認識、理解するというべきであり、また、別掲2で事例を提示しているとおり、本願指定役務の分野において、「オンライン税理士」の文字は、使用されているといい得るものである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(4行)
第35類
財務書類の作成又は監査若しくは証明,税務書類の作成,企業経営に関するコンサルティング,事業の管理に関する助言,経営の診断又は経営に関する助言,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング
第36類
税務相談,税務代理,課税額の査定,相続税に関する情報の提供,税務調査での立ち合い,税務相談に関する情報の提供,税務代理に関する情報の提供,金融資産の形成・運用に関する助言及び指導,建物・土地の購入・売却に関する指導・助言,建物・土地の証券化に関する助言および指導,建物の長期修繕計画に関する資金計画の助言,建物及び土地の有効活用に関する企画・指導及び助言,個人の経済的生活設計に係わる資産管理及び運用に関する診断・助言及び指導,個人の資産運用に関する助言,土地・建物担保付資金の貸付けに関する助言,土地又は建物の管理・貸与・売買に関する助言,保険に関する助言,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,有価証券の売買,建物の管理,土地の管理,生命保険契約の締結の媒介
内容を表示(22行)
インターネットを利用して税理士業務を行っている具体例(下線は合議体で付記)
1 新聞記事
(1)2021年7月15日付け 毎日新聞 朝刊7ページ
「ビジネスサロン:明治安田生命保険 永島英器社長」の見出しの下、「(略)5月からは営業職員が顧客の元を訪問した際に税理士がオンラインで参加し、相続の相談を受けるサービスも始めた。「デジタル活用で営業職員のコンサルティングのあり方も変わる」としつつ、「そこから後は人間力だ」と信頼関係を築く重要性は変わらないことを強調した。」との記載がある。
(2)2020年7月9日付け 日本経済新聞 地方経済面 北海道 1ページ
「事業相談、オンラインで、マッチポイント、財務や経営も助言。」の見出しの下、「税理士法人のマッチポイント(札幌市)は完全オンラインで事業者などの相談に応じるサービスを始めた。税理士業界の平均年齢は60代後半で、5~6人の小規模事務所が多い。他の士業と比べオンライン対応が進んでいなかった。税金の相談だけでなく、財務や経営についても助言する。顧客を全国に広げて規模を拡大し、組織内の教育体制を充実させる。(略)」との記載がある。
(3)2020年5月12日付け 日本経済新聞 地方経済面 神奈川 26ページ
「相続相談、オンラインで、横浜市の税理士事務所、無料や報酬額50%割引。」の見出しの下、「横浜市内で税理士事務所がオンラインの相続相談を強化している。ランドマーク税理士法人(横浜市)はビデオ会議サービス「Zoom」を活用した無料相談を始めた。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く一方、相続税の申告には期限がある。顧客から「オンラインで相談できないか」と問い合わせを受け、対応を始めた。(略)岡野雄志税理士事務所(横浜市)は4月下旬、ウェブ相談限定で報酬額を50%割り引くサービスを始めた。契約率は9割超えと通常相談よりも高く、福岡など遠方からの問い合わせもあるという。(略)」との記載がある。
(4)2020年4月30日付け 日刊工業新聞 27ページ
「新型コロナ/堺会議所、「専門相談窓口」でオンライン対応」の見出しの下、「【南大阪】堺商工会議所は中小企業診断士や税理士、弁護士、社会保険労務士といった専門家が相談に応じる「専門相談窓口」のオンライン対応を5月1日から始める。新型コロナウイルス感染症対策の一環。自宅やオフィスにいながら、パソコンやスマートフォンを使い創業、経営、税務、経理、事業承継、法律、労務管理などの相談を受けられる。」との記載がある。
2 インターネット情報
(1) 税理士法人松岡会計事務所のウェブサイト
「オンライン税理士」の見出しの下、「「オンライン税理士」とは、顧問先と税理士の新しい顧問契約のスタイル。(略)コロナ禍による緊急事態宣言の中・・・[1]訪問は一切行わず、お互いがZoomやB-Room等のオンラインサービスで行います![2]資料のやり取りもDropboxやChatwork等で行うのでロスがなく、スピーディ!」との記載がある。(https://matsuoka-kaikei.com/it_tax_accountant.html)
(2)税理士オンラインのウェブサイト
「税理士法人が提供する完全オンラインサービス「税理士オンライン」が公開されました。(略)質の高いスタッフが、高水準のサービスをオンラインで全国に提供します。」との記載がある。(https://zeirishi-online.co.jp/)
(3)オンライン税理士/武本道税理士事務所ウェブサイト
「オンライン対応の税理士をお探しですか?」の見出しの下、「「コロナ禍の中、対面打ち合わせはしたくない・・」「打ち合わせの移動時間がもったいない・・」そのようなお客様を、オンラインでサポートいたします!」との記載がある。(https://taxt.jp/online_zeirishi/)
(4)添田達也税理士事務所のウェブサイト
「オンライン税理士ならではの安心感」の見出しの下、「ビジネス環境の変化が激しい時代だからこその「完全オンライン」。迅速な意思決定を適切にサポートするには、オンラインとの親和性が最適。」との記載がある。
(https://www.soeda-cpta.com/online/)
(5)オンライン・クラウド会計税理士事務所のウェブサイト
「オンライン専門の税理士事務所です。クラウド会計ソフトやオンライン会議ツールを使い、全国のお客様にきめ細かなサービスを提供しています。」との記載がある。(https://online-cloud.jp/)
審決本文(J-PlatPat)
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2021-015387