商標拒絶査定不服審判
2023-017302
キャッシュロジスティクス、キャッシュ、ロジスティクス
- 審判番号
- 2023-017302
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-050524
- 請求日
- 2023年10月12日
- 審決日
- 2024年11月07日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本通運株式会社
- 【請求人代理人】桐山 大
- 【請求人代理人】野本 陽一
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W3536394245) / T18 .272-Z (W3536394245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 50524拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 4年10月 5日付け:拒絶理由通知
令和 5年 2月15日 :意見書の提出
令和 5年 7月13日付け:拒絶査定
令和 5年10月12日 :審判請求書の提出
令和 6年 7月16日付け:審尋
令和 6年 8月29日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「キャッシュロジスティクス」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、第35類、第36類、第39類、第42類及び第45類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「キャッシュロジスティクス」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、本願商標の構成中、「キャッシュ」の文字は、「現金。」の意味を有する英語「cash」を片仮名で表したもの、「ロジスティクス」の文字は、「物流を効率的に管理するシステム」の意味を有するものである。
そして、本願の指定役務にかかる分野において、「キャッシュロジスティクス」の文字が、「現金の輸送、管理、ATM補充など、現金の物理的な移動と取り扱い」ほどの意味合いで使用されている実情がうかがわれるから、このような実情を考慮すれば、本願商標は、「現金の輸送や管理、ATM補充など、現金の物理的な移動と取り扱い」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば「一般事務の代行,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,両替,暗号資産の管理,暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換,暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換の媒介・取次ぎ又は代理,商品代金の徴収の代行,鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,宅配便の取次ぎ,貨物の積卸し,荷揚げ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,配達物の一時預かり,商品の保管・輸送及び配達からなる物流管理,輸送に関する物流管理,ウェブサイトによる輸送情報の提供,クーリエサービス,物品の配達,貴重品の警備輸送,商品・貨物の輸送に関するコンサルティング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,コンピューターソフトウェアの提供,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機システムに関するコンサルティング,電子計算機システムの遠隔監視,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,通信ネットワークシステムの設計,通信ネットワークシステムに関するコンサルティング,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気ープその他の周辺機器を含む。)及び電子計算機用プログラムの環境設定及び機能の拡張・追加,電子計算機の設計に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する助言,電子計算機システムの設計・作成又は保守に関する助言,電子計算機端末による電子計算機用プログラムの提供,アプリケーションソフトウェアの提供,金庫の貸与,施設の警備,身辺の警備」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「現金の輸送や管理、ATM補充など、現金の物理的な移動と取り扱いに関する役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識し、自他役務の識別力を有しないと考える。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「現金の輸送や管理、ATM補充など、現金の物理的な移動と取り扱いに関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
本願商標「キャッシュロジスティクス」は、審判請求時とかわらず現在においても、本願指定役務を取り扱う業界において、役務の特徴等を表示するものとして、取引上普通に用いられていない。
そのため、取引者又は需要者は、本願商標が特定の役務の特徴等を直接的、かつ、具体的に表示したものとは認識し得ないから、本願商標は、役務の特徴等を表示するものと一般に認識するとはいえない。
6 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「キャッシュロジスティクス」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるところ、その構成中、「キャッシュ」の文字は「現金」を意味する語であり、「ロジスティクス」の文字は「企業が、必要な原材料の調達から生産・在庫・販売まで、物流を効率的に行う管理システム。」を意味する英単語「logistics」を片仮名表記したものの一種と認められる(出典:広辞苑 第七版 なお、当該辞書には「ロジスティックス(logistics)」と掲載されている。)から、本願商標は全体として「現金のロジスティクス」の意味を認識させる。
そして、ロジスティクスは、上述のとおり、物流を効率的に行う管理システムであるところ、別掲2のとおり、現在、様々な事業者によって、ロジスティクスに係るサービス(役務)(以下「ロジスティクスサービス」という。)が提供されており、そのロジスティクスサービスの対象となる商品も多岐にわたっている。
また、原審において列挙された証左(別掲3)によると、「キャッシュロジスティクス」の文字が、「現金の輸送、現金の管理、ATMの現金の補充など、現金の物理的な移動及び取り扱い」ほどの意味合いで使用されている実情もある。
そうすると、本願商標をその指定役務中、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,宅配便の取次ぎ,貨物の積卸し,荷揚げ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,配達物の一時預かり,倉庫の提供,商品の保管・輸送及び配達からなる物流管理,輸送に関する物流管理,ウェブサイトによる輸送情報の提供,クーリエサービス,物品の配達,貴重品の警備輸送,商品・貨物の輸送に関するコンサルティング」に使用した場合には、取引者、需要者は、当該役務が、現金に関するロジスティクスサービス(役務)であることを示したものと理解するというのが相当である。
さらに、本願商標は、「キャッシュロジスティクス」の文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
してみると、本願商標は、その指定役務中、上記の役務に使用したときには、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえ、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,暗号資産の管理,暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換,暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換の媒介・取次ぎ又は代理」及び第39類「引越の代行,水先案内,駐車場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,コンテナの貸与,パレットの貸与,包装用機械器具の貸与,こん包用及び包装用機械器具の貸与,信書の送達,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,文書の配達,廃棄物の収集」に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、日本において、本願商標「キャッシュロジスティクス」の語は殆ど使用されておらず、本願指定役務を取り扱う業界において、本願商標が役務の特徴等を表示するものとして取引上普通に用いられる事実はない旨、また、本願商標の構成自体から生じる観念は複数ある上、それぞれの観念は漠然とした意味合いであることから、本願商商標は、取引者又は需要者によって、役務の特徴等を表示するものと一般に認識されず、一種の造語を表したものと認識される旨主張している。
しかしながら、原審において列挙したように、「キャッシュロジスティクス」の使用例は我が国において少なからず存在する上、上記(1)のとおり、現在、様々な事業者によってロジスティクスサービスが提供されており、そのロジスティクスサービスの対象となる商品も多岐にわたることからすれば、「現金のロジスティクス」の意味を認識させる本願商標を上記(1)に列挙した役務に使用した場合には、取引者、需要者は当該役務が、現金に関するロジスティクスサービス(役務)であることを示したものと理解するというのが相当である。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-017302