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特許拒絶査定不服審判

2021-014930

遊技機

審判番号
2021-014930
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-078491外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月04日
審決日
2022年09月20日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017- 78491「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月15日出願公開、特開2018-175309〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成29年4月11日の出願であって、令和2年12月2日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年1月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年3月3日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月21日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月18日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年7月19日に意見書が提出されたところ、同年8月10日付け(送達日:同月24日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、これに対し、当審において、令和4年5月18日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年7月25日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和4年7月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものである。なお、符号A等は、分説するため当審が付した。

(本願発明1)

「【請求項1】
A 遊技中に抽選契機の発生に応じて所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記抽選実行手段による抽選で当選が得られ、前記図柄表示手段により当選に応じた図柄が停止表示されると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
D 前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態を、前記特別遊技の契機となった前記抽選実行手段による抽選の結果に応じて特殊遊技状態又は非特殊遊技状態のいずれかに設定する遊技状態設定手段と、
E 前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態又は前記非特殊遊技状態のいずれかの遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する図柄演出実行手段と、
F 前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで先に遊技ののめり込みを防止する報知を実行し、当該報知の終了後に、前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する報知後事前開示手段と
を備えた
H ことを特徴とする遊技機。」

(本願発明2)

「【請求項2】
A 遊技中に抽選契機の発生に応じて所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記抽選実行手段による抽選で当選が得られ、前記図柄表示手段により当選に応じた図柄が停止表示されると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
D 前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態を、前記特別遊技の契機となった前記抽選実行手段による抽選の結果に応じて特殊遊技状態又は非特殊遊技状態のいずれかに設定する遊技状態設定手段と、
E 前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態又は前記非特殊遊技状態のいずれかの遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する図柄演出実行手段と、
G 前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで遊技ののめり込みを防止する報知を実行するともに、前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する画像に前記報知を重ねて表示する事前開示同時報知手段と
を備えた
H ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由のうち、引用文献2-5に基づく理由1(進歩性)は、概略、次のとおりのものである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

・請求項1、2

・引用文献2-5

引用文献2.特開2013-244227号公報

引用文献3.特開2016-198223号公報(周知技術を示す文献)

引用文献4.特開2016-154687号公報(周知技術を示す文献)

引用文献5.特開2016-187526号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載、引用発明、周知技術

1 引用文献2の記載、引用発明

(1)記載事項

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当審拒絶理由で引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-244227号公報には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。

「【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。」
「【0069】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0070】
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。」
「【0085】
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。」
「【0092】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56、可動体40fを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。」
「【0126】
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図10は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。」
「【0132】
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0133】
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。」
「【0201】
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図10)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図15は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
…
【0207】
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が8ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば4回、8回、又は、16回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で8回あれば、これらを「8ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として8ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の4ラウンド大当りや16ラウンド大当りが設けられている。また8ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。」
「【0209】
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が通常の長さ(例えば、合計記憶数に応じて2秒~12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。」
「【0223】
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
…
【0225】
続きを表示(全11行)
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
…
【0234】
〔図16:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
【0235】
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。」
「【0423】
〔F1:第1通常モード〕
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕第1通常モードから遊技が開始される。「第1通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「非時間短縮状態」である。〔F1〕第1通常モードは、非時間短縮状態であるため、基本的に左始動入賞口26で入賞を発生させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。例えば、遊技者に現在のモードが第1通常モードであることを教示するために、演出画面内には「昼間の屋外にある自然」の風景を表現した背景画像(以下、自然画像)が表示される。
【0424】
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〔F2:4ラウンド確変大当り、8ラウンド確変大当り(第1特別図柄):リミッタ7回に設定〕
〔F1〕第1通常モードにて、左始動入賞口26で入賞を発生させることにより、第1特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F2〕4ラウンド確変大当り又は8ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「4ラウンド確変1(4ラウンド確変図柄1)」、「4ラウンド確変2(4ラウンド確変図柄2)」、「8ラウンド確変1(8ラウンド確変図柄1)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F3〕ナイトモードにモードが移行される。
【0425】
〔F3:ナイトモード〕
〔F3〕ナイトモードは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」である。ここで、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行されるまでの時間短縮回数は、〔F2〕での当選図柄の種類に対応して異なっており(例えば、図38)、具体的には、25回又は50回に設定される。例えば、遊技者に現在のモードがないとモードであることを教示するために、演出画面内には専用の背景画像(例えば、夜景)が表示される。
【0426】
〔F4:時間短縮回数=0に到達〕
〔F3〕ナイトモードにおいて、設定された時間短縮回数だけ特別図柄の変動表示が実行されると、〔F5〕第2通常モード(潜伏状態)にモードが移行される。
【0427】
〔F5:第2通常モード(潜伏状態)〕
〔F4〕時間短縮回数が0回に到達すると、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行される。したがって、「第2通常モード(潜伏状態)」は、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「非時間短縮状態」である。ここで、遊技状態が非時間短縮状態に戻ったことから、現在のモードが第1通常モードと同一の自然画像が液晶画面内に表示される。
【0428】
〔F6:リミッタ到達前:4ラウンド確変大当り、8ラウンド確変大当り〕
〔F5〕第2通常モード(潜伏状態)にて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F6〕4ラウンド確変大当り又は8ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「4ラウンド確変3(4ラウンド確変図柄3)」、「4ラウンド確変4(4ラウンド確変図柄4)」、「8ラウンド確変4(8ラウンド確変図柄4)」、「8ラウンド確変5(8ラウンド確変図柄5)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると再度〔F3〕ナイトモードにモードが移行される。なお、大当り遊技が実行されることに伴い、〔F2〕において設定したリミッタ回数が1減算される。
【0429】
〔F7:リミッタ到達前:8ラウンド確変大当り〕
〔F2〕において設定したリミッタ回数(7回)が1回になる前の状態で、〔F3〕ナイトモードにて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F7〕8ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「8ラウンド確変2(8ラウンド確変図柄2)」、「8ラウンド確変3(8ラウンド確変図柄3)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F8〕お祭りモードにモードが移行される。なお、大当り遊技が実行されることに伴い、〔F2〕において設定したリミッタ回数が1減算される。
【0430】
〔F8:お祭りモード〕
〔F8〕お祭りモードは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」である。ここで、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行されるまでの時間短縮回数は10000回に設定されるため、次回の大当りに当選するまで時間短縮状態が終了することはない、すなわち、次回の大当りに当選するまでこの〔F8〕お祭りモードが終了することはない。したがって、リミッタ回数が残り1回になるまで(リミッタに到達するまで)〔F7〕8ラウンド確変大当りと〔F8〕お祭りモードとが繰り返されることとなる。例えば、遊技者に現在のモードがお祭りモードであることを教示するために、演出画面内には専用の背景画像(例えば、団扇や提灯等)が表示される。
【0431】
〔F9:リミッタ到達時:8ラウンド通常大当り〕
〔F2〕において設定したリミッタ回数(7回)が1回の状態で、〔F3〕ナイトモード又は〔F8〕お祭りモードにて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F9〕8ラウンド通常大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「8ラウンド通常1(8ラウンド通常図柄1)」、「8ラウンド通常2(8ラウンド通常図柄2)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F10〕花火モードにモードが移行される。
【0432】
〔F11:リミッタ到達時:4ラウンド通常大当り、8ラウンド通常大当り〕
また、〔F9〕とは異なり、〔F2〕において設定したリミッタ回数(7回)が1回の状態で、〔F11〕第2通常モード(潜伏状態)にて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F11〕4ラウンド通常大当り、又は、8ラウンド通常大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「4ラウンド通常1(4ラウンド通常図柄1)」、「4ラウンド通常2(4ラウンド通常図柄2)」、「8ラウンド通常3(8ラウンド通常図柄3)」、「8ラウンド通常4(8ラウンド通常図柄4)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F10〕花火モードにモードが移行される。
【0433】
〔F10:花火モード〕
〔F10〕花火モードは、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」である。ここで、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行されるまでの時間短縮回数は、〔F9〕や〔F11〕での当選図柄の種類に対応して異なっており(例えば、図38)、具体的には、25回、50回、又は100回に設定される。例えば、遊技者に現在のモードが花火モードであることを教示するために、演出画面内には専用の背景画像(例えば、花火)が表示される。
【0434】
〔F15:時間短縮回数=0に到達〕
〔F10〕花火モードにおいて、設定された時間短縮回数だけ特別図柄の変動表示が実行されると、〔F1〕通常モードにモードが移行される。
【0435】
〔F20:16ラウンド確変大当り:リミッタ3回に設定〕
〔F10〕花火モードにて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F20〕16ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「16ラウンド確変1(16ラウンド確変図柄1)」、「16ラウンド確変2(16ラウンド確変図柄2)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F21〕ハートゾーンにモードが移行される。
【0436】
〔F21:ハートゾーン〕
〔F21〕ハートゾーンは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」である。遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行されるまでの時間短縮回数は10000回に設定されるため、次回の大当りに当選するまで時間短縮状態が終了することはない、すなわち、次回の大当りに当選するまでこの〔F21〕ハートゾーンが終了することはない。例えば、遊技者に現在のモードがハートゾーンであることを教示するために、液晶画面の前面に収納されていた発光部312が右側から中央にスライドし、発光部322が左側から中央にスライドし発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成される。
【0437】
〔F22:リミッタ到達前:16ラウンド確変大当り〕
〔F20〕において設定したリミッタ回数(3回)が1回になる前の状態で、〔F21〕ハートモードにて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F21〕8ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「16ラウンド確変3(16ラウンド確変図柄3)」、「16ラウンド確変4(16ラウンド確変図柄4)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F20〕お祭りモードにモードが継続される。なお、大当り遊技が実行されることに伴い、〔F20〕において設定したリミッタ回数が1減算される。
【0438】
〔F23:リミッタ到達時:16ラウンド通常大当り〕
〔F20〕において設定したリミッタ回数(3回)が1回の状態で、〔F21〕ハートゾーンにて、左始動入賞口26又は右始動入賞口28aで入賞を発生させることにより、特別図柄が変動し、その内部抽選の結果当選すると、〔F23〕16ラウンド通常大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「16ラウンド通常1(16ラウンド通常図柄1)」、「16ラウンド通常2(16ラウンド通常図柄2)」のいずれかが選択されることとなる。そして、いずれかの当選図柄に対応する大当り遊技が終了すると〔F10〕花火モードにモードが移行される。
【0439】
〔F24:16ラウンド確変大当り(第2特別図柄):リミッタ3回に設定〕
〔F10〕花火モードにて、規定の時間短縮回数(25回、50回、又は、100回)が終了し、〔F1〕通常モードにモードが移行される際に、第2特別図柄に関する作動記憶が消費されずに残っていた場合を想定する。そして、その残っていた第2特別図柄に関する作動記憶が消費されて内部抽選を実行した結果当選すると、〔F24〕16ラウンド確変大当りが選択されることとなる。具体的には、上記の「16ラウンド確変2(16ラウンド確変図柄2)」が選択されることとなる。そして、大当り遊技が終了すると〔F21〕ハートゾーンにモードが移行される。」
「【0492】
〔エンディング演出1〕
〔ナイトモード突入演出〕
図46中(E):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行される。この例では、例えば画面内に「ナイトモード突入」という文字情報が表示されている。このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示することができる。
続きを表示(全30行)
【0493】
〔ステージチェンジ演出〕
また、背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化する。これにより、モードが通常モード(背景:公園画像)からナイトモードに変更したことを遊技者に教示することができる。
【0494】
〔エンディング演出2〕
〔時間短縮回数表示演出〕
図46中(F):その後、女性キャラクターが「勝負の50回」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、時間短縮回数が50回であるといったこと、さらに、50回以内に大当りに当選すると有利な状態になるといったことを遊技者に教示することができる。
…
【0496】
〔時間短縮回数表示演出〕
図47中(H):大当り遊技のエンディング演出が終了すると、前回の結果の大当り時の演出図柄の組み合わせ(「7」-「7」-「7」)が停止表示された状態が表示される。そして、画面の左下隅位置には、「のこり50回」といった文字情報が表示される。これにより、特別図柄の変動表示が50回実行されると時間短縮状態が終了し、非時間短縮状態に移行するといったことを遊技者に教示することができる。また、画面の上部には「ナイトモード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示されることとなる。
【0497】
〔次変動開始〕
図47中(I):その後、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計2個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
…
【0503】
〔停止表示演出〕
図48中(K):その後、:第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「1」-「2」-「5」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
…
【0505】
〔次変動開始〕
図49中(M):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第2特別図柄に対応する作動記憶(合計3個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第2特別図柄の変動表示が開始される。
…
【0508】
〔停止表示演出〕
図49中(O):その後、:第2特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第2特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「2」-「2」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z2は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第2特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。」
「【0560】
〔エンディング演出1〕
〔花火モード突入演出〕
図61中(は):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行される。この例では、例えば画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示されている。このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」(低確率状態かつ時間短縮状態(100回))に移行することを遊技者に教示することができる。
続きを表示(全22行)
【0561】
〔ステージチェンジ演出〕
また、背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化する。これにより、モードがお祭りモード(背景:祭り画像)から花火モードに変更したことを遊技者に教示することができる。
【0562】
〔エンディング演出2〕
〔時間短縮回数表示演出〕
図61中(に):その後、女性キャラクターが「大勝負の100回」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、時間短縮回数が100回であるといったこと、さらに、100回以内に大当りに当選すると有利な状態になるといったことを遊技者に教示することができる。
…
【0564】
〔時間短縮回数表示演出〕
図62中(へ):大当り遊技のエンディング演出が終了すると、前回の結果の大当り時の演出図柄の組み合わせ(「7」-「7」-「7」)が停止表示された状態が表示される。そして、画面の左下隅位置には、「のこり100回」といった文字情報が表示される。これにより、特別図柄の変動表示が100回実行されると時間短縮状態が終了し、非時間短縮状態に移行するといったことを遊技者に教示することができる。また、画面の上部には「花火モード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示されることとなる。
【0565】
〔次変動開始〕
図62中(と):その後、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第2特別図柄に対応する作動記憶(合計4個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第2特別図柄の変動表示が開始される。
…
【0570】
〔確定停止表示演出〕
図63中(ぬ):そして、表示画面内では、第2特別図柄の確定停止表示に同期して、演出図柄の確定停止表示が行われる。この場合、演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」といった確定停止表示が行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に図示しない第4図柄Z2は、「16ラウンド確変2」に対応する態様(例えば黄色表示色)で停止表示される。」
「【0583】
〔大当り遊技実行権利表示演出〕
また、画面の中央下位置には、画像B3よりも小さなハート形状の画像B4が3個表示される。これにより、残り3回分の大当り遊技を実行できる権利があることを遊技者に教示することができる。
…
【0587】
〔次変動開始〕
図67中(な):その後、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第2特別図柄に対応する作動記憶(合計4個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第2特別図柄の変動表示が開始される。」
「【図46】
[図:0001391628000001.jpg]
」
「【図47】
[図:0001391628000002.jpg]
」
「【図61】
[図:0001391628000003.jpg]
」
「【図62】
[図:0001391628000004.jpg]
」
「【図67】
[図:0001391628000005.jpg]
」

(2)認定事項

ア 認定事項1

図46(E)(F)、図47(I)及び【0493】、【0496】の記載によれば、大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「ナイトモード突入」という文字情報が表示される画面(図46(E))及び女性キャラクターが「勝負の50回」といったセリフを発する画面(図46(F))と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面(図47(I))のいずれにおいても、夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像が用いられることが認められる(以下「認定事項1」という。)

イ 認定事項2

図61(は)(に)、図62(と)及び【0561】、【0564】の記載によれば、大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「花火モード突入」という文字情報が表示される画面(図61(は))及び女性キャラクターが「大勝負の100回」といったセリフを発する画面(図61(に))と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面(図62(と))のいずれにおいても、花火画像をモチーフとした背景画像が用いられることが認められる(以下「認定事項2」という。)

ウ 認定事項3

引用文献2の図67(な)、【0583】、【0587】によれば、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の特別図柄の変動表示が開始されるときに、画面に、残り3回分の大当り遊技を実行できる権利があることを遊技者に教示するハート形状の画像B4が3個表示されることが認められる(以下「認定事項2」という。)。

(3)引用発明

以上によれば、引用文献2には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ab 遊技の進行を制御する機能を有している主制御装置70に設けられた主制御CPU72(【0069】、【0070】)と、
遊技の進行に伴う演出の制御を行う演出制御装置124に設けられた演出制御CPU126(【0085】)と、
主制御CPU72は、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、それぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定し(【0132】)、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御し(【0133】)、
c 主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断し、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、大当りフラグ(01H)をセットし(【0223】)、大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断し(【0225】)、判定結果が大当りの場合(【0234】)、大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定し(【0235】)、割込管理処理(【0126】)の中で実行される特別図柄遊技処理(【0201】)において、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生し(【0207】)、
続きを表示(全13行)
d 主制御CPU72は、大当り遊技を終了すると、遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させ(【0209】)、ナイトモード、お祭りモード、花火モード、ハートゾーンのいずれかにモードを移行させ(【0424】~(【0439】)、
ナイトモードは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、演出画面内には専用の背景画像(例えば、夜景)が表示され(【0425】)、
お祭りモードは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、演出画面内には専用の背景画像(例えば、団扇や提灯等)が表示され(【0430】)、
花火モードは、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、演出画面内には専用の背景画像(例えば、花火)が表示され(【0433】)、
ハートゾーンは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であり、液晶画面の前面に収納されていた発光部312が右側から中央にスライドし、発光部322が左側から中央にスライドし発光部312及び発光部322が結合されて1つのハート形の形状が液晶画面の前面に形成され(【0436】)、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の特別図柄の変動表示が開始されるときに、画面に、残り3回分の大当り遊技を実行できる権利があることを遊技者に教示するハート形状の画像B4が3個表示され(図67、【0583】、【0587】、認定事項3)、
efg1 演出制御CPU126が実行する演出の制御には、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれ(【0092】)、
efg2 大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行され、画面内に「ナイトモード突入」という文字情報が表示され、このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示することができ(【0492】)、また、背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化することにより、モードが通常モード(背景:公園画像)からナイトモードに変更したことを遊技者に教示することができ(【0493】)、その後、女性キャラクターが「勝負の50回」といったセリフを発する演出が実行されることにより、時間短縮回数が50回であるといったこと、さらに、50回以内に大当りに当選すると有利な状態になるといったことを遊技者に教示することができ(【0494】)、大当り遊技のエンディング演出が終了すると、前回の結果の大当り時の演出図柄の組み合わせ(「7」-「7」-「7」)が停止表示された状態が表示され、画面の左下隅位置には、「のこり50回」といった文字情報が表示されることにより、特別図柄の変動表示が50回実行されると時間短縮状態が終了し、非時間短縮状態に移行するといったことを遊技者に教示することができ、画面の上部には「ナイトモード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示され(【0496】)、その後、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始され(【0497】、【0505】)、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止し(【0503】、【0508】)、大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「ナイトモード突入」という文字情報が表示される画面及び女性キャラクターが「勝負の50回」といったセリフを発する画面と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面のいずれにおいても、夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像が用いられ(図46、図47、【0493】、【0496】及び認定事項1)、
efg3 大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行され、画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示され、このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」(低確率状態かつ時間短縮状態(100回))に移行することを遊技者に教示することができ(【0560】)、背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化することにより、モードがお祭りモード(背景:祭り画像)から花火モードに変更したことを遊技者に教示することができ(【0561】)、その後、女性キャラクターが「大勝負の100回」といったセリフを発する演出が実行されることにより、時間短縮回数が100回であるといったこと、さらに、100回以内に大当りに当選すると有利な状態になるといったことを遊技者に教示することができ(【0562】)、大当り遊技のエンディング演出が終了すると、前回の結果の大当り時の演出図柄の組み合わせ(「7」-「7」-「7」)が停止表示された状態が表示され、画面の左下隅位置には、「のこり100回」といった文字情報が表示されることにより、特別図柄の変動表示が100回実行されると時間短縮状態が終了し、非時間短縮状態に移行するといったことを遊技者に教示することができ、画面の上部には「花火モード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示され(【0564】)、その後、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の特別図柄の変動表示が開始され(【0565】)、表示画面内では、特別図柄の確定停止表示に同期して、演出図柄の確定停止表示が行われ(【0570】)、大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「花火モード突入」という文字情報が表示される画面(図61(は))及び女性キャラクターが「大勝負の100回」といったセリフを発する画面(図61(に))と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面(図62(と))のいずれにおいても、花火画像をモチーフとした背景画像が用いられる(図61、図62、【0561】、【0564】及び認定事項2)
h パチンコ遊技機1(【0024】)。」

(符号ab等は、本願発明1及び本願発明2の分説A等に対応させて当審判合議体が付した。また、引用箇所の段落番号等を併記した。)

2 周知技術

ア 引用文献3の記載

当審拒絶理由で引用文献3として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-198223号公報には以下の事項が記載されている。

「【0150】
「通常大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、ラウンドごとに大入賞口が29秒間にわたって開放され(すなわち、大入賞口の29秒間の開放が16回行われ)、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137~S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
【0151】
「確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、ラウンドごとに大入賞口が29秒間にわたって開放され(すなわち、大入賞口の29秒間の開放が16回行われ)、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
【0152】
「4R特定確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。ただし、「確変大当り」の場合とは異なり、第1ラウンド~第4ラウンドにおいて大入賞口が29秒間にわたって開放された後、第5ラウンド~第16ラウンドにおいて大入賞口が極めて短い期間(本例では、0.1秒間)のみ開放される。従って、「4R特定確変大当り」は、内部制御上は16ラウンドの大当り遊技状態に制御するものの見た目上は恰も4ラウンドの大当り遊技状態に制御するものである。また、後述するように、「4R特定確変大当り」となる場合には、大当り遊技を開始してから大当り遊技終了後の確変状態に制御されている期間にわたって一連の特定演出が実行される。
【0153】
「8R特定確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。ただし、「確変大当り」の場合とは異なり、第1ラウンド~第8ラウンドにおいて大入賞口が29秒間にわたって開放された後、第9ラウンド~第16ラウンドにおいて大入賞口が極めて短い期間(本例では、0.1秒間)のみ開放される。従って、「8R特定確変大当り」は、内部制御上は16ラウンドの大当り遊技状態に制御するものの見た目上は恰も8ラウンドの大当り遊技状態に制御するものである。また、後述するように、「8R特定確変大当り」となる場合には、大当り遊技を開始してから大当り遊技終了後の確変状態に制御されている期間にわたって一連の特定演出が実行される。
【0154】
「16R特定確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、ラウンドごとに大入賞口が29秒間にわたって開放され(すなわち、大入賞口の29秒間の開放が16回行われ)、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。ただし、「16R特定確変大当り」は、大入賞口の制御形態は「確変大当り」と同じであるが、後述するように、大当り遊技を開始してから大当り遊技終了後の確変状態に制御されている期間にわたって一連の特定演出が実行される点で「確変大当り」と異なる。」
「【0510】
その結果、第2特定遊技状態のうち、4R特定確変大当り、8R特定確変大当り、及び16R特定確変大当りの、特定演出(大当り遊技を開始してから大当り遊技終了後の確変状態に制御されている期間にわたって実行される一連の演出)を伴うエンディング演出においては、図40(A3)に示した全体表示用の操作促進報知に代えて、図56(A3)に示すように、「のめり込み注意!」の文字および遊技者が遊技にのめり込んでいる様子を示すイラストレーションから構成される全体表示用の注意報知画像1000が演出表示装置9に表示される。また、第2特定遊技状態のうち、通常大当り及び確変大当りの、特定演出を伴わないエンディング演出においては、図40(B3)に示した縮小表示用の操作促進報知に代えて、図56(B3)に示すように、「のめり込み注意!」の文字のみから構成される縮小表示用の注意報知画像1000aが演出表示装置9に表示される。全体表示用の注意報知画像1000が演出表示装置9の画面中央に大きく表示されるのに対して、縮小表示用の注意報知画像1000aは演出表示装置9の画面上部に小さく(「のめり込み注意!」の文字が全体表示用の文字よりも小さく)表示される。」
「【0533】
そして、通常大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に時短状態に移行され、時短状態では第1始動入賞口よりも第2始動入賞口への入賞が容易であり、遊技者は、第2始動入賞口への入賞を狙って第2領域(例えば遊技者から見て右遊技領域)に遊技球を発射する(所謂右打ちを行う)。該時短状態で実行される所定回数(例えば100回)以内の変動表示で大当りが発生しなければ、通常状態に移行する(左打ちに戻る)ものとする。
【0534】
一方、確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に確変状態に移行され、確変状態では第1始動入賞口よりも第2始動入賞口への入賞が容易であり、遊技者は、第2始動入賞口への入賞を狙って第2領域(例えば遊技者から見て右遊技領域)に遊技球を発射する。該確変状態で実行される所定回数(例えば160回)以内の変動表示で大当りが発生しなければ、通常状態に移行する(左打ちに戻る)ものとする。」
「【図56】
[図:0001391628000006.jpg]
」

イ 引用文献4の記載

当審拒絶理由で引用文献4として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-154687号公報の【0148】~【0152】、【0508】、【0531】~【0532】及び図56には、それぞれ引用文献3の【0150】~【0154】、【0510】、【0533】~【0534】と図56と同一の事項が記載されている。

ウ 引用文献5の記載

当審拒絶理由で引用文献5として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-187526号公報には、以下の事項が記載されている。

「【0058】
パチンコ遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に制御される場合、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。このため、「通常遊技状態」は、特別図柄判定に関して低確率状態であり、かつ、非時短状態であると言える。
【0059】
また、遊技状態が「確変遊技状態」に制御される場合、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。このため、「確変遊技状態」は、特別図柄判定に関して高確率状態であり、かつ、時短状態であると言える。
【0060】
また、遊技状態が「時短遊技状態」に制御される場合、確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に、時短遊技フラグが「ON」に設定される。このため、「時短遊技状態」は、特別図柄判定に関して低確率状態であり、かつ、時短状態であると言える。」
「【0142】
その後、エンディング期間が終了すると、連チャン用のエンディング演出が終了される。これに伴い、特別図柄の変動表示が開始される。これに応じて装飾図柄511の変動演出が開始され、図11(C)に例示されるように、メイン液晶5及びサブ液晶61,62に変動演出画像が表示される(タイミングE7、図9(B)参照)。なお、初当たりと同様に、連チャンに係る大当たり遊技の終了後には確変遊技状態または時短遊技状態に制御されるため、右打ち画像が引き続きメイン液晶5に表示される。」
「【0392】
また、例えば、初当たりに係るエンディング演出の後半において、図36(C-b)に例示するように、メイン液晶5において複数の警告が報知される。図36(C-b)には、エンディング演出中に、「ご注意ください」、「車内放置」、「のめりこみ・使いすぎ」、「プリペイドカード取り忘れ」、及び「置き引き」の文字がメイン液晶5に表示される様子が例示されている(タイミングE9、図36(A)参照)。本変形例は、図34及び図35を参照しつつ説明した他の変形例と異なり、各警告に関する説明が表示されない。他の実施形態では、エンディング演出中においても、図34及び図35を参照しつつ説明した他の変形例と同様に、メイン液晶5に複数の警告を表示させている間に、メイン液晶5に各警告に関する説明を順番に表示させてもよい。また、他の実施形態では、メイン液晶5を用いたエンディング演出中の警告報知でも、図10(B)及び(C)を参照しつつ説明した上記本実施形態と同様に、警告の内容を切替えることでメイン液晶5に複数の警告を表示させてもよい。」
「【図36】
[図:0001391628000007.jpg]
」

エ 周知技術1

上記ア~ウによれば、遊技機が、特別遊技後に時短状態を伴う確変遊技状態に移行する場合、及び特別遊技後に時短遊技状態に移行する場合において、特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を行うことは周知技術である(以下、「周知技術1」という。)。

オ 周知技術2

上記ア~ウの特に引用文献3及び引用文献4の図56(B3)及び引用文献5の図36(C-b)を参照すると、「のめり込み注意!」の文字及び「ご注意ください」、「のめりこみ・使いすぎ」の文字は、演出画像に重ねて表示されていることから、遊技機が、特別遊技後に時短状態を伴う確変遊技状態に移行する場合、及び特別遊技後に時短遊技状態に移行する場合において、特別遊技のエンディング期間の次変動開始直前の期間に、のめり込みを防止する報知を演出画像に重ねて表示することは周知技術である(以下、「周知技術2」という。)。

第5 対比・判断

1 請求項1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、それぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定し、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御」することは、本願発明1の「遊技中に抽選契機の発生に応じて所定の抽選を実行する」ことに相当する。

引用発明の「左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、それぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定し、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御」する「主制御CPU72」は、本願発明1の「抽選実行手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成abは、本願発明1の構成Aに相当する構成を備える。

(b)引用発明の「第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御」することは、本願発明1の「前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる」ことに相当する。

引用発明の「変動表示や停止表示」を行う「第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35」は、本願発明1の「前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる図柄表示手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成abは、本願発明1の構成Bに相当する構成を備える。

(c)引用発明の「読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、大当りフラグ(01H)をセットし、大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断し、判定結果が大当りの場合、大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定し」、「特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生」することは、本願発明1の「前記抽選実行手段による抽選で当選が得られ、前記図柄表示手段により当選に応じた図柄が停止表示されると特別遊技を実行する」ことに相当する。

引用発明の「読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、大当りフラグ(01H)をセットし、大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断し、判定結果が大当りの場合、大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定し」、「特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生」する「特別図柄遊技処理」を含む「割込管理処理」を実行する「主制御CPU72」は、本願発明1の「特別遊技実行手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成cは、本願発明1の構成Cに相当する構成を備える。

(d)引用発明の「大当り遊技が終了すると」「移行され」る、「特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であ」る「ナイトモード、お祭りモード、ハートゾーン」及び「特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であ」る「花火モード」は、それぞれ本願発明1の「前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態」である「特殊遊技状態」及び「非特殊遊技状態」に相当する。

引用発明の「ナイトモード、お祭りモード、ハートゾーン」は、「特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であ」り、引用発明の「花火モード」は、「特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「時間短縮状態」であ」るから、「大当り遊技が終了すると、ナイトモード、お祭りモード、花火モード、ハートゾーンのいずれかにモード」を移行させるのは、「遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させ」る「主制御CPU72」であると認められる。そうすると、引用発明の「主制御CPU72」は、本願発明1の「前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態を、前記特別遊技の契機となった前記抽選実行手段による抽選の結果に応じて特殊遊技状態又は非特殊遊技状態のいずれかに設定する遊技状態設定手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成dは、本願発明1の構成Dに相当する構成を備える。

(e)引用発明の構成dの「ナイトモード、お祭りモード、花火モード、ハートゾーン」において、演出画面内に、それぞれ、専用の背景画像(例えば、夜景)、専用の背景画像(例えば、団扇や提灯等)、専用の背景画像(例えば、花火)、ハート形状の画像B4が表示されることは、本願発明1の「前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態又は前記非特殊遊技状態のいずれかの遊技状態に応じた態様で」「図柄演出を実行する」ことに相当する。

引用発明の構成efg2の「大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において」「背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」し、「大当り遊技のエンディング演出が終了すると」、「画面の上部には「ナイトモード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示され」、「第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始され、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止」することは、本願発明1の「前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態」「の遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する」ことに相当する。

引用発明の構成efg3の「大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において」「背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化」し、「大当り遊技のエンディング演出が終了すると」、「画面の上部には「花火モード」といった文字情報が常時(リーチ演出を除く)表示され」、「第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となり、次の特別図柄の変動表示が開始され、表示画面内では、特別図柄の確定停止表示に同期して、演出図柄の確定停止表示が行われる」ことは、本願発明1の「前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された」「前記非特殊遊技状態」「の遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する」ことに相当する。

引用発明の構成efg1によれば、「演出制御CPU126は、演出の制御を実行し、演出の制御には、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれ」ることから、引用発明の「演出制御CPU126」は、「専用の背景画像(例えば、夜景)」、「専用の背景画像(例えば、団扇や提灯等)」、「専用の背景画像(例えば、花火)」、「ハート形状の画像B4」の表示、及び「演出図柄」の表示を行うものであると認められ、本願発明1の「図柄演出実行手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成d、構成eは、本願発明1の構成Eに相当する構成を備える。

(f)引用発明の構成efg2の演出の「大当り遊技終了後の特典として」「移行すること」が「遊技者に教示」される「「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))」、及び「50回」は、それぞれ本願発明1の「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態」、及び「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数」に相当する。

同様に、引用発明の構成efg3の演出の「大当り遊技終了後の特典として」「移行すること」が「遊技者に教示」される「「花火モード」(高確率状態かつ時間短縮状態(100回))」、及び「100回」は、それぞれ本願発明1の「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態」、及び「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数」に相当する。

引用発明の構成efg2の演出は、「大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「ナイトモード突入」という文字情報が表示される画面及び女性キャラクターが「勝負の50回」といったセリフを発する画面と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面のいずれにおいても、夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像が用いられる」ことから、「大当り遊技のエンディング演出が終了する前に」、「ナイトモード」の残り回数である「50回」と「次の変動表示が開始された演出」の態様を事前に開示するものであり、このことは、本願発明1の「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」ことに相当する。

同様に、引用発明の構成efg3の演出は、「大当り遊技のエンディング演出が終了する前に、「花火モード突入」という文字情報が表示される画面及び女性キャラクターが「大勝負の100回」といったセリフを発する画面と、大当り遊技のエンディング演出が終了して、次の変動表示が開始された演出において表示される画面のいずれにおいても、花火画像をモチーフとした背景画像が用いられる」ことから、「大当り遊技のエンディング演出が終了する前に」、「花火モード」の残り回数である「100回」と「次の変動表示が開始された演出」の態様を事前に開示するものであり、このことは、本願発明1の「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」ことに相当する。

そして、引用発明の構成efg1によれば、「演出制御CPU126は、演出の制御を実行し、演出の制御には、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれ」ることから、引用発明の「演出制御CPU126」は、引用発明の構成efg2の演出及び構成efg3の演出を行うものであると認められ、本願発明1の「報知後事前開示手段」とは、「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する画像」「を表示する」「事前開示手段」である点で共通する。

(h)引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願発明1の「遊技機」に相当する。

以上によれば、本願発明1と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1で相違する。

(一致点)

「【請求項1】
A 遊技中に抽選契機の発生に応じて所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記抽選実行手段による抽選で当選が得られ、前記図柄表示手段により当選に応じた図柄が停止表示されると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
D 前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態を、前記特別遊技の契機となった前記抽選実行手段による抽選の結果に応じて特殊遊技状態又は非特殊遊技状態のいずれかに設定する遊技状態設定手段と、
E 前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態又は前記非特殊遊技状態のいずれかの遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する図柄演出実行手段と、
F’ 前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで、前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する画像を表示する事前開示手段と
を備えた
H 遊技機。」

(相違点1)[構成Fについて]

「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」、本願発明1の「報知後事前開示手段」は、「先に遊技ののめり込みを防止する報知を実行し、当該報知の終了後に前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」のに対して、引用発明の「演出制御CPU126」は、「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」ものの、「先に遊技ののめり込みを防止する報知を実行」しない点。

(2)判断

相違点1について検討する。遊技者が、過度に遊技に没頭すること、すなわち、遊技にのめり込むことを防止すべきことは、引用発明のパチンコ遊技機を含む遊技機に内在する課題である。そして、引用発明と周知技術1は、特別遊技後に時短状態を伴う確変遊技状態に移行する場合、及び特別遊技後に時短遊技状態に移行する場合がある点で共通している。引用発明において、のめり込みを防止するために、特別遊技後に時短状態を伴う確変遊技状態(ナイトモード)に移行する場合、及び特別遊技後に時短遊技状態(花火モード)に移行する場合において、特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を行うことは周知技術の適用にすぎない(上記(2)(エ)の「周知技術1」を参照。)。

引用発明は、構成efg2において、「大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行され、画面内に「ナイトモード突入」という文字情報が表示され、このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示することができ、また、背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化することにより、モードが通常モード(背景:公園画像)からナイトモードに変更したことを遊技者に教示することができ」るものであり、構成efg3において、「大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容のエンディング演出(大役終了演出)が実行され、画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示され、このようなエンディング演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」(低確率状態かつ時間短縮状態(100回))に移行することを遊技者に教示することができ(【0560】)、背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化することにより、モードがお祭りモード(背景:祭り画像)から花火モードに変更したことを遊技者に教示することができ」るものであるところ、「モードが通常モード(背景:公園画像)からナイトモードに変更したこと」及び「モードがお祭りモード(背景:祭り画像)から花火モードに変更したこと」を確実に「遊技者に教示する」ためには、「夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」した背景を、「ナイトモード」に移行するまで表示し続け、「花火画像をモチーフとした背景画像に変化」した背景を、「花火モード」に移行するまで表示し続けることが望ましいことは自明である。

上記のように、引用発明において、特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を行うに際して、「夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」した背景を、「ナイトモード」に移行するまで表示し続け、「花火画像をモチーフとした背景画像に変化」した背景を、「花火モード」に移行するまで表示し続けるように、先に「のめり込みを防止する報知」を実行し、その終了後に「背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」又は「背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化」することとして、相違点1に係る本願発明1の構成Fとすることは、当業者が容易に想到できたことである。

また、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術1が奏する作用効果や、遊技機の分野における周知の知見から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

2 請求項2について

(1)対比

本願発明2と引用発明とを対比する。

(a~e、h)本願発明2の構成A~E、Hは、それぞれ本願発明1の構成A~E、Hはと同一であるから、上記の1(1)(a)~(e)、(h)での検討と同じく、引用発明は、本願発明2の構成A~E、Hに相当する構成を有する。

(g)上記の1(1)(f)で検討したように、引用発明の構成efg2の演出の「大当り遊技終了後の特典として」「移行すること」が「遊技者に教示」される「「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))」、及び「50回」は、それぞれ本願発明2の「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態」及び「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数」に相当し、同様に、引用発明の構成efg3の演出の「大当り遊技終了後の特典として」「移行すること」が「遊技者に教示」される「「花火モード」(高確率状態かつ時間短縮状態(100回))」、及び「100回」は、それぞれ本願発明1の「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態」、及び「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数」に相当する。

また、上記の1(1)(f)で検討したように、引用発明の構成efg2及び構成efg3の演出は、「大当り遊技のエンディング演出が終了する前に」、「ナイトモード」の残り回数である「50回」又は「花火モード」の残り回数である「100回」と「次の変動表示が開始された演出」の態様を事前に開示するものであり、このことは、本願発明2の「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」ことに相当する。

引用発明の構成efg1によれば、「演出制御CPU126は、演出の制御を実行し、演出の制御には、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれ」ることから、「演出制御CPU126」は、引用発明の構成efg2の演出及び構成efg3の演出を行うものであると認められ、本願発明2の「事前開示同時報知手段」とは、「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」「前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する」「事前開示手段」である点で共通する。

以上によれば、本願発明2と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点2で相違する。

(一致点)

「A 遊技中に抽選契機の発生に応じて所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 前記抽選実行手段により抽選が行われると、図柄を変動表示させた後に図柄を停止表示させる図柄表示手段と、
C 前記抽選実行手段による抽選で当選が得られ、前記図柄表示手段により当選に応じた図柄が停止表示されると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
D 前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了した後の遊技状態を、前記特別遊技の契機となった前記抽選実行手段による抽選の結果に応じて特殊遊技状態又は非特殊遊技状態のいずれかに設定する遊技状態設定手段と、
E 前記特別遊技の終了後、前記遊技状態設定手段により設定された前記特殊遊技状態又は前記非特殊遊技状態のいずれかの遊技状態に応じた態様で前記図柄表示手段による図柄の変動表示及び停止表示に応じて図柄演出を実行する図柄演出実行手段と、
G’ 前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで、前記遊技状態設定手段により設定される予定の遊技状態における図柄の変動表示が可能な残り変動回数及び前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する事前開示同時報知手段と
を備えた
H 遊技機。」

(相違点2)[構成Gについて]

「前記遊技状態設定手段により遊技状態が未だ設定されていない前記特別遊技の終了前のタイミングで」、本願発明2の「事前開示同時報知手段」は、「遊技ののめり込みを防止する報知を実行するともに、前記図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する画像に前記報知を重ねて表示する」のに対して、引用発明の「演出制御CPU126」は、「図柄演出実行手段による図柄演出の態様を事前に開示する画像」を表示するものの、当該画像に「遊技ののめり込みを防止する報知」を「重ねて表示」しない点。

イ 判断

相違点2について検討する。のめり込みを防止すべきことは、引用発明のパチンコ遊技機を含む遊技機に内在する課題である。引用発明において、のめり込みを防止するために、特別遊技後に確変遊技状態(ナイトモード)に移行する場合、及び特別遊技後に時短遊技状態(花火モード)に移行する場合において、特別遊技のエンディング期間の次変動開始直前の期間に、のめり込みを防止する報知を演出画像に重ねて表示することは周知技術の適用にすぎない(上記2オの「周知技術2」を参照。)。

引用発明において、特別遊技のエンディング期間の次変動開始直前の期間に、のめり込みを防止する報知を演出画像に重ねて表示するに際して、当該報知を、エンディング演出中に表示される画面のいずれに重ねて表示するかは、当業者が適宜選択しうる設計的事項であって、当該報知を「背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」した画面又は「背景が花火画像をモチーフとした背景画像に変化」した画面に重ねて表示することとし、相違点2に係る本願発明2の構成Gとすることに何の困難もない。

また、本願発明2の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術2が奏する作用効果や、遊技機の分野における周知の知見から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

第6 請求人の主張について

請求人は、令和4年7月25日付けの意見書において、引用文献2-5に基づく理由1(進歩性)について、以下の旨を主張する。

(主張1)

「〔2〕理由1(進歩性)について
(1)論理付けの欠如
拒絶理由通知書における容易想到性の判断においては、引用発明1及び引用発明2のいずれを主引用発明とする場合についても、すべからく周知技術を適用することが当然の前提であるかのように検討が進められているが、これは、周知技術であるという理由だけでとにかく主引用発明への適用を可とするものであり、進歩性判断の手法として適切でないと思量する。
…
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同様に、本願発明1と引用発明2との相違点1bの検討においても、「引用発明2において、特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を行うに際して、」として、やはり周知技術という理由だけで「のめり込みを防止する報知」を主引用発明に適用することを前提とした判断がなされている。
…
同様に、本願発明2と引用発明2との相違点2bの検討においても、「特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を演出画像に重ねて表示するに際して、」のように、やはりやはり周知技術という理由だけで「のめり込みを防止する報知」を主引用発明に適用することを前提とした判断がなされている。
しかしながら、適用に阻害要因がないかの検討を先に行わず、周知技術であるという理由だけで主引用発明への適用を先に済ませ、その後から論理付けの材料を見つけ出すことができるというのであれば、あらゆる主引用発明への周知技術の適用が可能となってしまい、もはや論理付けにおける阻害要因の検討は有名無実となってしまうため、かかる論理付けの手法は審査基準に照らして適切でないと思量する。
…
また、引用発明2は、大当り遊技が終了するタイミングで「ナイトモード突入」等の文字情報を表示し、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示するものであり、終了処理中の短い期間で「ナイトモード」という限られた機会(50回)に向けての期待感の維持を図ろうとするものであるから、たとえ「大当りエンディング中におけるのめり込み防止の報知」という周知技術が存在していたとしても、期待感の維持に反するような周知技術の適用をあえて排除すべきものである。
したがって、拒絶理由通知書に示される容易想到性の判断は、阻害要因がないかの検討がなされないまま、周知技術という理由だけで主引用発明への適用を可とした瑕疵があるから、論理付けを欠いていると思量する。」

(主張2)

「(2)阻害要因の検討
引用文献3-5から何らかの周知技術が示されることがあるとしても、主引用発明を出発点として論付けを検討してみた場合、引用発明1、及び、引用発明2には、いずれも「のめり込み防止」のように、遊技者に思い止まらせるような報知を採用することについて明らかな阻害要因があると思量する。
…
また、引用発明2についても、その「エンディング演出1」や「エンディング演出2」、「エンディング演出3」といったものは、いずれも「モードの移行」や「有利な状態」、「大当りに続いて右打ち仕様のまま」といった、遊技の期待感を高める方向性を指向した技術である(段落0492~0496、図46)。このような引用発明2が示す技術の方向性からは、「期待感を高めなくするような表示は行うべきでない」ことが当業者に動機付けられることになるばかりか、かえって本願請求項1,2の発明のような「敢えて遊技者に思い止まらせるような報知」を実行することに対する阻害要因があると当業者には普通に理解される。
したがって、「のめり込み防止」を報知することが周知技術ではあっても、これらを周知技術であるという理由だけで引用発明1、又は、引用発明2に適用することはできず、引用発明1,2には、その適用を阻害する事情があるため、論理付けを妨げるものである。」

請求人の主張1及び主張2について検討する。引用文献2には、「大当り遊技が終了するタイミングで「ナイトモード突入」等の文字情報を表示し、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示する」ことは、【0492】に記載されているが、当該演出が「終了処理中の短い期間で「ナイトモード」という限られた機会(50回)に向けての期待感の維持を図ろうとするものである」ことは、引用文献2に記載されていない。

第5の1(2)で検討したように、引用発明において、特別遊技のエンディング期間に、のめり込みを防止する報知を行うに際して、「夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」した背景を、「ナイトモード」に移行するまで表示し続けるように、先に「のめり込みを防止する報知」を実行し、その終了後に「背景が夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像に変化」することとした場合においても、「大当り遊技が終了するタイミングで「ナイトモード突入」等の文字情報を表示し、大当り遊技終了後の特典として「ナイトモード」(高確率状態かつ時間短縮状態(50回))に移行することを遊技者に教示する」ことができることから、阻害要因があるとはいえない。

さらに、周知技術1及び周知技術2を示す引用文献3の【0510】及び引用文献4の【0508】には、4R特定確変大当り、8R特定確変大当り、及び16R特定確変大当り、確変大当り及び通常大当りのエンディング演出において、「のめり込み注意!」の文字が表示されること、引用文献3の【0150】~【0154】、引用文献4の【0148】~【0152】には、通常大当りは、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りであり、確変大当り、4R特定確変大当り、8R特定確変大当り及び及び16R特定確変大当りは、その大当り遊技状態終了後に確変状態に移行させる大当たりであることが記載され、引用文献3の【0533】~【0534】、引用文献4の【0531】~【0532】には、時短状態又は確変状態では第1始動入賞口よりも第2始動入賞口への入賞が容易であり、遊技者は、第2始動入賞口への入賞を狙って第2領域(例えば遊技者から見て右遊技領域)に遊技球を発射する(所謂右打ちを行う)ことが記載されており、同じく周知技術1及び周知技術2を示す引用文献5の【0392】には、初当たりに係るエンディング演出において、「ご注意ください」、「のめりこみ・使いすぎ」の文字が表示されることが記載されており、【0131】、【0142】の記載から、初当たりの大当たり遊技の終了後には確変遊技状態または時短遊技状態に制御され、右打ち画像が大当たり遊技中に引き続き表示されることが理解される。したがって、周知技術1及び周知技術2を示す引用文献3~5は、いずれも、「モードの移行」や「有利な状態」、「大当りに続いて右打ち仕様のまま」といった、遊技の期待感を高める方向性を指向した演出において、のめり込みに対する注意を促す表示を行うものである。そうすると、周知技術1及び周知技術2は、主張1のような期待感の維持に反するものではなく、仮に、引用発明の構成efg2の演出及び構成efg3の演出が、主張2のように、「モードの移行」や「有利な状態」、「大当りに続いて右打ち仕様のまま」といった、遊技の期待感を高める方向性を指向した演出であったとしても、周知技術1及び周知技術2は、同様の演出において用いられるものであるから、引用発明の構成efg2の演出及び構成efg3の演出への適用が阻害されるものではない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明1及び本願発明2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

したがって、本願は拒絶すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-014930

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