商標拒絶査定不服審判
2021-014601
ワンプライスリース、ワンプライス
- 審判番号
- 2021-014601
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-010242
- 請求日
- 2021年10月28日
- 審決日
- 2022年06月16日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】P&Tアセットマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】有吉 修一朗
- 【請求人代理人】森田 靖之
- 【請求人代理人】筒井 宣圭
- 【請求人代理人】遠藤 聡子
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W39) / T18 .272-Z (W39)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-10242拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ワンプライスリース」の文字を標準文字で表してなり、第39類「自動車の貸与,カーシェアリング用自動車の貸与,自動二輪車の貸与,インターネットによる自動車及び自動二輪車の貸与に関する情報の提供,通信ネットワークを介して行う自動車及び自動二輪車の貸与の契約の媒介又は取次ぎ,自動車及び自動二輪車の貸与に関する情報の提供,自動車及び自動二輪車の貸与の契約の媒介又は取次ぎ,自動車及び自動二輪車の貸与に関するコンサルティング」を指定役務として、令和2年1月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年1月21日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月5日受付けで意見書が提出されたが、同年7月26日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年10月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ワンプライスリース」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中「ワンプライス」の文字は、「一つの商品に一つの値段がつくこと。」等の意味有し、「リース」の文字は、「(賃貸借契約の意)動産または不動産の比較的長期の賃貸。」等の意味を有する語である。ここで、本願の指定役務を取り扱う業界において、「ワンプライスリース」の文字は、一定の金額で自動車を長期の賃借することに使用されており、ワンプライスによる自動車のリースは広く普及している実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用したときには、これに接する需要者は、一定の金額で自動車を長期の賃借することに関する役務であることを理解するにすぎないものであるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。また、本願商標を前記文字に照応する役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
4 証拠調べに対する意見
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、要旨以下のように述べた。
(1)本願商標の表記が自他役務の識別標識としての機能を有するか否かを判断する上で、当該表記が、本願指定役務を取り扱う業界において、取引上、一般に使用されているか否かという観点を考慮することが必要である。そして、第1事例のウェブサイト(1)~(7)には、「ワンプライスリース」の表記は使用されていないし、そもそも「ワンプライス」の表記すら使用されていない。したがって、本願商標の識別力の有無を判断するにあたって、第1事例のウェブサイト(1)~(7)は考慮すべきではない。
(2)「自動車の貸与」の役務の分野以外の各種役務の分野のウェブサイトである第2事例のウェブサイト(1)~(7)は、本願商標の識別力の有無を判断するにあたって考慮すべきではない。また、第2事例の各ウェブサイトにおいて使用されている「ワンプライス」の語は、互いに同じ意味合いで使用されているものではないから、「ワンプライス」の語は、極めて漠然とした広範な意味を有するといえる。
(3)「ワンプライスリース」の表記が使用されていない、第3事例のウェブサイト(4)、(6)、(7)は、本願商標「ワンプライスリース」の識別力の有無を判断するにあたって考慮すべきではない。それ以外のウェブサイトにおける「ワンプライス」の語は、様々な意味合いで使用されており、極めて漠然とした広範な意味を有するといえる。
(4)第4事例は、現時点では閲覧できない情報であり、審査官が最終閲覧した日付(2020年11月26日)は1年以上前であるから、そもそも考慮すべき情報ではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ワンプライスリース」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ワン」の文字は、「ひとつ」を、「プライス」の文字は、「値段」等(出典:いずれも広辞苑第七版)を意味するものであり、「ワンプライス」とあわせて表記して「一つの商品に一つの値段がつくこと」(出典:デジタル大辞泉)の意味合いで親しまれた語である。また、「リース」の文字は、「動産又は不動産の比較的長期の賃貸」(出典:広辞苑第七版)の意味を有するものであり、本願指定役務の「貸与」そのものを表す語である。
ところで、当審における証拠調べ通知(別掲1)の1.で示したように、本願の指定役務である「自動車の貸与」の役務の分野において、月々のリース料が一定額であるサービスが一般に提供されている事実が認められる。また、証拠調べ通知の2.で示したように、各種役務の分野において、サービス提供料が一定額であることを「ワンプライス○○」のように表している実情が多く見受けられる。さらに、原審で示した事例のほか、「自動車の貸与」の役務において、リース料が一定額であるサービスが「ワンプライスリース」や「ワンプライス」の語を用いて表されている事例が認められる。
そうすると、本願商標を構成する文字から理解される意味合いに加えて、月々のリース料が一定額である自動車のリースが一般に提供されている実情にあって、各種の分野において「ワンプライス」が「一つの商品に一つの値段がつくこと」の意味合いで親しまれていること、また、本願の指定役務の分野においても、リース料が一定額であるサービスが「ワンプライスリース」や「ワンプライス」の語を用いて表されている事例があることを踏まえれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本願商標から「一定の値段での自動車、自動二輪車のリース」であることを認識するというべきである。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用したときは、取引者、需要者は、「一定の値段での自動車、自動二輪車のリース」及びこれに関する役務であると認識するにすぎず、本願商標は、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の表記が自他役務の識別標識としての機能を有するか否かを判断する上で、当該表記が、本願指定役務を取り扱う業界において、取引上、一般に使用されているか否かという観点を考慮することが必要である旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12(行ケ)76 平成12年9月4日 東京高等裁判所)。
イ 請求人は、「ワンプライスリース」の表記が使用されていない証拠調べ通知の1.の事例や、「自動車の貸与」の役務の分野以外の各種役務の分野の証拠調べ通知の2.の事例は、本願商標の識別力の有無を判断するにあたって考慮されるべきではない旨主張する。
しかしながら、証拠調べ通知の1.の事例は、本願の指定役務である「自動車の貸与」の役務の分野において、月々のリース料が一定額であるサービスが一般に提供されている取引実情を示すものであり、証拠調べ通知の2.の事例は、「ワンプライス」の語が我が国において親しまれたものであることを示すものであることは前記(1)のとおりであり、本願商標に接する取引者、需要者が、これをどのように認識するかを推し量る上で考慮されて然るべきである。
ウ 請求人は、証拠調べ通知の2.及び3の事例は、様々な意味合いで使用されており、極めて漠然とした広範な意味を有するといえるから、本願の指定役務との関連において、役務が有する一定の質を表示するものとして、一般需要者・取引者に認識されると解釈することは困難である旨主張する。
しかしながら、請求人が指摘するように、「ワンプライス」の語が、「同一規格におけるサービス提供価格が1つの価格である」、「全プランを通して統一された支払い内容である」などの意味合いで用いられている事例があるとしても、「同一規格(=一つの商品)に」おける「サービス提供価格が1つの価格である(=一つの値段がつくこと)」、「全プラン(=一つの商品)」を通して「統一された支払い内容である(=一つの値段がつくこと)」であるから、いずれも「一つの商品に一つの値段がつくこと」の意味合いであるといえる。そして、本願商標を構成する文字から理解される意味合いに加えて、月々のリース料が一定額である自動車のリースが一般に提供されている実情にあって、各種の分野において「ワンプライス」が「一つの商品に一つの値段がつくこと」の意味合いで親しまれていること、また、本願の指定役務の分野においても、リース料が一定額であるサービスが「ワンプライスリース」や「ワンプライス」の語を用いて表されている事例があることを踏まえれば、本願の指定役務との関係において、本願商標は、「一定の値段での自動車、自動二輪車のリース」との具体的、直接的な意味合いで理解、認識されるものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないことは、前記(1)のとおりであり、役務が有する一定の質を表示するものとして、需要者・取引者に認識されると解釈することは困難であるともいえない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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