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特許拒絶査定不服審判

2021-011992

グローバ特殊効果の切替方法、装置、端末装置及び記憶媒体

審判番号
2021-011992
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-558509外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年09月09日
審決日
2022年08月05日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G06F) / P18 .575-WZ (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-558509「グローバ特殊効果の切替方法、装置、端末装置及び記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月 2日国際公開、WO2020/000971、令和 3年 5月13日国内公表、特表2021-512436〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2018年(平成30年)12月28日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2018年6月29日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和3年 2月24日付け:拒絶理由通知書
令和3年 4月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 5月 7日付け:拒絶査定(原査定)
令和3年 9月 9日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和4年 3月23日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和4年 6月27日 :意見書、手続補正書の提出

第2 令和4年6月27日に提出された手続補正書による補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年6月27日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「 目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することであって、前記2つのディスプレイモードは、2つのグローバル特殊効果、又は、通常モード及びグローバル特殊効果を含み、前記通常モードは、グローバル特殊効果が用いられないモードである、特定することと、
前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させることと、
前記スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモードをユーザ選択ディスプレイモードとして特定し、前記目標インタフェースの全体領域に前記ユーザ選択ディスプレイモードを表示させることとを含み、
目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは、
グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられる場合に、予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向におけるスライドジェスチャーに従って2つの隣接するグローバル特殊効果を切り替えることを更に含み、前記2つの隣接するグローバル特殊効果は、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果と、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果に隣接して記憶され、前記予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向における前記スライドジェスチャーに従って特定される、グローバル特殊効果と、を含み、
前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたブローバル効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む、
グローバル特殊効果の切替方法。」

なお、上記において、「予め記憶されたブローバル効果」は、この前後の記載から、「予め記憶されたグローバル特殊効果」の誤記と認められる。(以降、請求人の主張の摘記(以下の(6))を除いて、正しい方の表記を用いることとする。)

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和3年9月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「 目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することであって、前記2つのディスプレイモードは、2つのグローバル特殊効果、又は、通常モード及びグローバル特殊効果を含み、前記通常モードは、グローバル特殊効果が用いられないモードである、特定することと、
前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させることと、
前記スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモードをユーザ選択ディスプレイモードとして特定し、前記目標インタフェースの全体領域に前記ユーザ選択ディスプレイモードを表示させることとを含む、
グローバル特殊効果の切替方法であって、
当該方法は、グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられる場合に、予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向におけるスライドジェスチャーに従って2つの隣接するグローバル特殊効果を切り替えることを更に含み、前記2つの隣接するグローバル特殊効果は、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果と、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果に隣接して記憶され、前記予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向における前記スライドジェスチャーに従って特定される、グローバル特殊効果とを含む、
グローバル特殊効果の切替方法。」

2 補正の適否

本件補正は、本件補正前の請求項1に記載される発明を特定するために必要な事項である「グローバル特殊効果の切替方法であって、当該方法は」を下位概念である「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは」に限定するとともに、前記「2つのディスプレイモードを特定すること」が「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたグローバル特殊効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む」ことを限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、請求項1についての本件補正は、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献、引用発明等

ア 引用文献1について

(ア)引用文献1記載事項1

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令和4年3月23日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である国際公開第2013/175784号(2013年(平成25年)11月28日公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項(以下、「引用文献1記載事項1」という。)が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

「[0002]
近年の電子カメラでは、デジタル画像処理によって撮影画像に様々なフィルタ処理を施すことができ、容易に好みの画像に仕上げることができるようになってきた。ところが、一般にモニタに表示されている画像全体に対してフィルタ処理が施されてしまうので、フィルタ効果の有無や異なるフィルタ効果による比較を行うことが難しいという問題があった。また、フィルタ効果の強さを調節する場合でも様々な強さの違いによるフィルタ効果を同じ画面で比較することが難しかった。そこで、複数の特殊効果を1画面内にサムネイル表示して、好みのフィルタ効果を選択し易いようにする技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、1画面内を複数の領域に分割し、領域毎に異なる量子化ステップで処理して表示する技術も検討されている(例えば、特許文献2参照)。」
「[0012]
先ず、本実施形態に係る電子カメラ100の概要について説明する。図1は電子カメラ100の外観を示す図で、図1(a)はカメラボディ部101を表示部203側から見た図、図1(b)は、カメラボディ部101をレンズ部102側から見た図である。カメラボディ部101には、電源ボタン204a、レリーズボタン204bなどの操作ボタンが配置されている。また、表示部203はタッチパネル式の液晶モニタで構成され、画面上にタッチパネル204cが配置されている。
[0013]
本実施形態に係る電子カメラ100は、撮影時に被写体を確認するためのスルー画像や記憶媒体などに記憶された撮影済の画像に対して、様々なフィルタ処理を施すことが可能であり、またそのフィルタ処理を施した画像のフィルタ効果を簡単に確認できる機能を有している。ここで、フィルタ効果とは、スルー画像や撮影済みの画像などに対して視覚効果が変わる画像処理であって、具体例としては、ソフトフォーカス、カラーフィルタ、クロスフィルタ、彩度調整、明度調整、モノクロ、セピア調、エッジ強調、ノイズ除去などがある。また、各フィルタにおいても強弱などの調整が可能である。尚、フィルタ処理を施す画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。」
「[0015]
次に、電子カメラ100の構成および基本動作について説明する。図2は、電子カメラ100の構成例を示すブロック図である。尚、図1と同符号のブロックは同じものを示す。図2において、電子カメラ100は、カメラボディ部101と、レンズ部102と、を有する。ここで、電子カメラ100は、レンズ部102とカメラボディ部101とが一体化されたレンズ一体型カメラでもよいし、レンズ部102をカメラボディ部101から取り外して交換できるレンズ交換式カメラでもよい。
[0016]
図2において、電子カメラ100のカメラボディ部101は、撮像部201と、カメラ制御部202と、表示部203と、操作部204と、記録部205と、を有する。また、電子カメラ100のレンズ部102は、光学系301と、レンズ制御部302と、を有する。
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[0017]
撮像部201は、レンズ部102の光学系301により結像される被写体像を撮像して画像データに変換し、カメラ制御部202に出力する。
[0018]
カメラ制御部202は、電子カメラ100全体の動作を制御するCPU(中央演算装置)を有し、CPU内部のメモリに予め記憶されたプログラムに従って、撮像部201、表示部203、操作部204、記録部205、レンズ部102などを制御する。例えば操作部204の電源ボタン204aが押下されると電子カメラ100を起動し、表示部203に撮像部201からリアルタイムで入力するスルー画像を表示する。そして、レリーズボタン204bが押下されると撮像部201から入力する画像データを記録部205に記録する。また、カメラ制御部202は、撮影時に、レンズ部102のレンズ制御部302に光学系301の絞り制御やフォーカスレンズの位置制御を指令する。尚、カメラ制御部202により実行される処理については後で詳しく説明する。
[0019]
表示部203は、例えば液晶モニタが用いられる。そして、カメラ制御部202により、テキストやグラフィックなどのメニュー画面や画像が表示される。本実施形態に係る電子カメラ100では、図1(b)で説明したように、画像表示エリア211にスルー画像や撮影画像などの画像、フィルタリスト表示エリア212にフィルタ処理の種類(OFFを含む)を選択するためのボタンをそれぞれ表示する。
[0020]
操作部204は、例えば電源ボタン204a、レリーズボタン204b、タッチパネル204cなどの操作部材を有する。また、カーソルボタンや決定ボタンなどのボタンを設けて、タッチパネル204cの代わりにカーソルボタンや決定ボタンを用いて操作するようにしてもよい。さらに、操作部204は、動画像を撮影するための録画ボタン、撮影した動画像を再生するための再生ボタンなどの操作ボタン、撮影モードと再生モードの切り替えなどを行う選択ダイヤルなども備える。」
「[0025]
次に、カメラ制御部202の処理内容について説明する。図1の例では、カメラ制御部202は、操作処理部202aと、撮像処理部202bと、表示処理部202cと、記録処理部202dと、フィルタ処理部202eと、を実行する。
[0026]
操作処理部202aは、操作部204から操作情報を入力し、その操作情報に対応する各処理に引き渡す。例えばレリーズボタン204bの場合、操作処理部202aは、操作部204からレリーズボタン204bが押下されたという操作情報を入力すると、撮像処理部202bに出力する。また、タッチパネル204cの場合、操作処理部202aは、タッチパネル204cを指などでタッチした座標位置を入力する。そして、表示部203の画面の当該座標位置に表示されている情報(図1(a)の場合はフィルタの種類を示すボタン)をフィルタ処理部202eに出力する。
続きを表示(全14行)
[0027]
…(中略)…
[0028]
表示処理部202cは、メニュー画面や画像を表示部203に表示する。例えばフィルタ処理部202eが出力するフィルタの種類を示す情報を表示部203の画面のフィルタリスト表示エリア212に表示し、画像を画像表示エリア211に表示する。
[0029]
…(中略)…
[0030]
フィルタ処理部202eは、操作処理部202aから受け取るフィルタの種類の情報と、フィルタ処理を施す領域の情報と、に応じて指定された種類のフィルタ処理を指定された領域に施す。
[0031]
このように、本実施形態に係る電子カメラ100は、表示部203に表示された画像に対して操作部204の簡単な操作で表示部203の画面に表示されている画像の任意の領域に対してフィルタ処理を施すことができる。」
「[0041]
尚、上記の説明では、フィルタリスト表示エリア212にフィルタの種類を選択するためのボタンを表示してフィルタのOFFを含む二種類のフィルタ効果を比較する例について説明したが、上記のようにフィルタの種類を1つ1つ引き出すような操作方法ではなく、図5に示すように、35mmフィルムのようにフィルタ処理を施す領域を1つのコマとして、複数のコマが連続して繋がった異なる種類のフィルタレイヤーを左右にスクロールして表示部203の画像表示エリア211にあるコマの位置に応じてフィルタ処理を施し、隣接するコマの境界位置でフィルタ効果を比較できるようにしてもよい。この場合は、図1などに示したフィルタリスト表示エリア212は不要であり、表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めることによって、境界位置162の左右にOFFを含む異なるフィルタの種類を施した画像が表示されるので、フィルタレイヤーのコマが隣接する2種類のフィルタ効果を比較することができる。尚、フィルタの種類の順番は、メニュー画面などで任意に設定できるようにしてもよい。」
「[図1]
[図:0001392644000001.jpg]
」
「[図2]
[図:0001392644000002.jpg]
」
「[図5]
[図:0001392644000003.jpg]
」

(イ)引用文献1記載事項2

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引用文献1には、図面とともに、次の事項(以下、「引用文献1記載事項2」という。)が記載されている。

「[0043]
図6(a)において、領域402の画面上で指3によりフィルタAを施した領域402を左方向に予め設定された加速度以上でフリック操作154を行うと、図6(b)のように境界位置161が左側にスライドアウトするように移動してフィルタAを施す領域402が画像表示エリア211全体に広がり、全面にフィルタAが施された時点でレリーズボタン204bが押下された場合と同様に撮影処理が行われる。
[0044]
尚、上記の説明では、フリック操作154を行うようにしたが、左方向へのドラッグ操作を予め設定した加速度以上で行った場合に画像を撮影するようにしてもよい。
[0045]
このように、本実施形態に係る電子カメラ100では、フィルタ効果の比較操作を行っている途中で撮影する場合に、レリーズボタン204bを押下せずに撮影を行うことができる。特に上記のようなタッチパネル204cでフィルタ操作を行う場合は、レリーズボタン204bが押しづらいので、タッチパネル204c上でのレリーズ操作を可能とすることで、電子カメラ100を持ち直す必要がなくなり、手振れ防止や迅速な撮影が可能になる。」
「[図6]
[図:0001392644000004.jpg]
」

(ウ)引用発明

引用文献1記載事項1(前記ア(ア))で摘記した引用文献1の[0013]、[0031]及び[0041]の記載を参酌すれば、引用文献1には、「フィルタ処理を施す方法」が記載されているといえる。

また、引用文献1の[0041]の「フィルタレイヤーを左右にスクロール」することは、引用文献1の[図5]の記載を参酌すれば、“画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる”ことによって行われていると認められる。

また、引用文献1の[図1]中の「フィルタリスト表示エリア212」内にある「A」、「B」、「C」及び「D」並びに[図5]中の「Filter」はいずれも「フィルタ」のことであり、このうち、[図5]中の「Filterなし」は、[0041]に記載の「OFF」のフィルタに相当すると解される。加えて、[図5]から、「Filterなし」、「Filter A」「Filter B」が左から順に並ぶ様子が見て取れ、同様に、[図1]に記載の「C」(Filter C)及び「D」(Filter D)が続くものと推認される。以上より、[0041]に記載の「複数のコマ」は、“左からフィルタなし(OFF)、フィルタA、フィルタB、フィルタC、フィルタDの順に並ぶ”ものと認められる。

また、引用文献1の[0028]の記載「表示処理部202cは、…画像を表示部203に表示する。…画像を画像表示エリア211に表示する。」及び図1を参酌すれば、引用文献1には、“表示処理部202cは、画像を表示部203の画像表示エリア211に表示”することが記載されているといえる。

よって、引用文献1記載事項1より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 フィルタ処理を施す方法であって、
電子カメラ100の表示部203はタッチパネル式の液晶モニタで構成され、画面上にタッチパネル204cが配置され、
電子カメラ100は、撮影時に被写体を確認するためのスルー画像や記憶媒体などに記憶された撮影済の画像に対して、様々なフィルタ処理を施すことが可能であり、またそのフィルタ処理を施した画像のフィルタ効果を簡単に確認できる機能を有し、
ここで、フィルタ効果とは、スルー画像や撮影済みの画像などに対して視覚効果が変わる画像処理であって、具体例としては、ソフトフォーカス、カラーフィルタ、クロスフィルタ、彩度調整、明度調整、モノクロ、セピア調、エッジ強調、ノイズ除去などがあり、
続きを表示(全14行)
電子カメラ100のカメラボディ部101は、撮像部201と、カメラ制御部202と、表示部203と、操作部204と、記録部205と、を有し、
カメラ制御部202は、操作処理部202aと、撮像処理部202bと、表示処理部202cと、記録処理部202dと、フィルタ処理部202eと、を実行し、
カメラ制御部202は、電子カメラ100全体の動作を制御するCPU(中央演算装置)を有し、CPU内部のメモリに予め記憶されたプログラムに従って、撮像部201、表示部203、操作部204、記録部205、レンズ部102などを制御し、
操作部204は、タッチパネル204cを有し、
操作処理部202aは、操作部204から操作情報を入力し、その操作情報に対応する各処理に引き渡し、タッチパネル204cの場合、操作処理部202aは、タッチパネル204cを指などでタッチした座標位置を入力し、表示部203の画面の当該座標位置に表示されている情報をフィルタ処理部202eに出力し、
表示処理部202cは、画像を表示部203の画像表示エリア211に表示し、
フィルタ処理部202eは、操作処理部202aから受け取るフィルタの種類の情報と、フィルタ処理を施す領域の情報と、に応じて指定された種類のフィルタ処理を指定された領域に施し、
35mmフィルムのようにフィルタ処理を施す領域を1つのコマとして、左からフィルタなし(OFF)、フィルタA、フィルタB、フィルタC、フィルタDの順に並ぶ複数のコマが連続して繋がった異なる種類のフィルタレイヤーを、画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させることにより左右にスクロールして表示部203の画像表示エリア211にあるコマの位置に応じてフィルタ処理を施し、
隣接するコマの境界位置でフィルタ効果を比較できるようにし、表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めることによって、境界位置162の左右にOFFを含む異なるフィルタの種類を施した画像が表示されるので、フィルタレイヤーのコマが隣接する2種類のフィルタ効果を比較することができる、
方法。」

イ 引用文献2について

当審拒絶理由の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2015-519625号公報(平成27年7月9日公表。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「【0036】
この特定の実施例における選択されたフィルタは、白黒フィルタプレビュー545であり、示されるように、その周囲におけるハイライトされたボックスの配置によってハイライトされる。選択されたフィルタは、その背後にカラー背景を配置すること、ある方法において輪郭を描くこと等、他の方法においてハイライトまたは示され得る。選択されたフィルタプレビュー545は、実際は、また、選択エリア540からのそのドラッグハンドル570の欠如によってもハイライトされていることに留意されたい。選択されたフィルタ545に関連付けられたドラッグハンドル570は、ユーザによるドラッグハンドルの制御によって容易に制御可能な様式において、画像530に動的に適用され、それによって、選択されたフィルタ545が適用されるにつれて、ユーザが、画像に対する変化を徐々に確認することを可能にし得る。ユーザによるドラッグハンドル570の使用は、ユーザが、画像530に焦点を当て、かつ本フィルタの適用に応答して、どのように画像が変化するかを記憶する必要なく、白黒フィルタ545の適用の間、どのように徐々に変化するかを確認することを可能にする。
【0037】
この特定の実施例では、ユーザは、画像530の部分575にわたって、ドラッグハンドル570を移動させており、ユーザが、この部分575にわたって、ドラッグハンドル570を移動させるにつれて、選択された白黒フィルタ545が、適用される。選択された白黒フィルタ545は、画像530の一部のみにわたって移動されており、フィルタ処理されていない部分580は、フィルタ処理が適用されていないその元の「未加工」形態において、画像を示す。ドラッグハンドル570は、ユーザがハンドルを「ドラッグ」しているエリアに接続される。したがって、ユーザが、ハンドルをドラッグするが、次いで、ハンドルを解放する場合、ハンドルは、画面上のその場所に留まらない。ハンドルが、解放されたとき、閾値を越える場合、画像全体に適用され、ハンドルが、解放されたとき、閾値を越えない場合、画像への関連付けられたフィルタの適用を伴わずに、ハンドルは、元々位置していたプレビューエリア内にその関連付けられたフィルタとともに「戻される」。表示される画像の部分への選択されたフィルタのこの動的および部分的適用は、ユーザが、選択されたフィルタが適用されるにつれて、画像に対する変化を徐々に確認することを可能にし、また、ユーザが、画像が変化する場合、その画像に焦点を当てることを可能にする。ユーザが、フィルタが適用されたとき、画像が前はどのような感じであったかを思い出そうとする必要性はない。
【0038】
ドラッグハンドル570の方向矢印によって示されるように、選択された白黒フィルタ570は、ユーザにより、右から左への水平動きにおいて、ハンドルをドラッグすることによって、画像530に適用される。ユーザは、ユーザの指によって、あるいはマウス、スタイラス等の使用によって、ドラッグハンドルの移動を制御することができる。ドラッグハンドルはまた、画像を横断する左から右への水平の動き、画像を横断する上から下への垂直の動き、画像を横断する下から上への垂直の動き、またはさらに画像を横断する角から角への対角線の動きにおいて、選択されたフィルタを適用するように構成され得る。当然ながら、デバイス自体の回転は、画像を横断する水平動きから垂直動きに変更させ、その逆も然りであり得ることを理解されたい。ドラッグハンドルのユーザ操作に応答したフィルタの部分的および動的適用は、変更されないままである。
【0039】
ある側面によると、選択されたフィルタは、ドラッグハンドルが、画像の閾値部分を表す、画像内の閾値線を越えて移動させられると、電子デバイスによって表示される画像全体に適用され得る。閾値線および画像の閾値部分が常駐する場所は、画像エディタアプリケーション内で定義され得、その定義は、所望に応じて、ユーザによって変更され得る。画像の閾値部分は、画面上に表示される画像の幅寸法の割合として定義され得、したがって、その割合を越えるドラッグハンドルの移動は、選択されたフィルタを画像全体に適用させるであろう。例えば、閾値部分が、画像の幅の約50%である場合、画像の幅の50%を越えるドラッグハンドルの移動は、選択されたフィルタを画像全体に適用させるであろう。閾値線および画像の閾値部分を過ぎると、画像580の残りへの選択されたフィルタの適用は、画像へのフィルタのスナップ適用において、瞬時に生じ得るか、または選択されたフィルタは、ドラッグハンドルの移動方向に、この場合、右から左に、徐々に適用され得る。閾値部分が、画像の幅の約75%である場合、画像の幅の75%を越えるドラッグハンドルの移動は、選択されたフィルタを画像全体に適用させ、これは、ラッグハンドルの移動方向において、フィルタ処理されていない画像の非閾値部分への選択されたフィルタの適用を意味するであろう。
【0040】
したがって、ドラッグハンドルが画像内の閾値線を越えてドラッグされていると、ハンドルが解放される場合、フィルタは、画像の残りに適用されることが分かる。代替として、閾値部分を通過する前に、タッチスクリーンデバイスを使用しているとき、ユーザがドラッグハンドルから指を除去すること、スタイラスをドラッグハンドルから除去すること、またはマウスをドラッグハンドルから除去すること等によって、ハンドルが、閾値部分または線を通過する前に解放される場合、選択されたフィルタは、適用されない。画像は、次いで、電子デバイスの画面上に、フィルタ処理されていない状態で表示され得るか、または画像は、以前に表示され、フィルタ処理された状態において表示され得る。選択されたフィルタの選択解除はまた、画面の選択エリア内の選択されたエリアのプレビュー上でのタップに応答して生じ得る。ドラッグハンドルのユーザ操作に応答した選択されたフィルタの適用は、したがって、フィルタボタンを取り消す、または適用するための、あるいは画像の別個の「前」および「後」画像を表示するための追加のユーザ入力を要求せずに、フィルタを適用するための単純かつ直感的方法を提供する。」
「【図5】
[図:0001392644000005.jpg]
」

(3)対比

以下、本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 本件補正発明の「ディスプレイモード」について、この用語は、明細書及び図面においてに記載されたものではなく、また、本願の優先日前において必ずしも確立した技術用語でもないので、この用語の意義について先ず検討する。

本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することであって、前記2つのディスプレイモードは、2つのグローバル特殊効果、又は、通常モード及びグローバル特殊効果を含み、前記通常モードは、グローバル特殊効果が用いられないモードである、特定すること」において、「2つのディスプレイモード」は、「スライドジェスチャーのスライド方向」に従って「切り替え」の対象となるものであって、「2つのグローバル特殊効果」又は「通常モード及びグローバル特殊効果」を含むものである。

ここで、「スライドジェスチャー」に基づく「切り替え」に関して、本願明細書の【0015】には、次のように記載されている。

「動画または写真を撮影または編集する際に、スライドジェスチャーに応じてグローバル特殊効果を切り替えるようにしてもよい。スライドジェスチャーを検出すると、スライドジェスチャーのスライド方向を特定し、スライドジェスチャーのスライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであれば、スライドジェスチャーのスライド方向に応じて切り替えられる2種類のグローバル特殊効果を特定することができる。スライドジェスチャーを予め設定してグローバル特殊効果の切り替えを呼び出すようにしてもよい。これによって、現在の目標インタフェースにグローバル特殊効果が使用されていない場合、検出されたスライドジェスチャーが予め設定されたスライドジェスチャーであれば、グローバル特殊効果の切り替えを呼び出すことができる。すなわち、検出されたスライドジェスチャーのスライド方向が予め設定されたスライドジェスチャーのスライド方向と同じであれば、グローバル特殊効果の切り替えを呼び出すことができ、さらに、切り替えられる2種類のグローバル特殊効果を特定することができる。例えば、グローバル特殊効果が使用されていない場合、ノーマルと称し、グローバル特殊効果の一種と見なしてもよく、検出されたスライドジェスチャーが予め設定されたスライドジェスチャーである場合、切り替えられる2種類のグローバル特殊効果をノーマルおよびグローバル特殊効果のうちの第1種類のグローバル特殊効果と特定することができる。現在の目標インターフェイスにグローバル特殊効果が使用されている場合、予め設定されたスライドジェスチャーの方向と同じの方向または逆の方向のスライドジェスチャーで、隣接する2種類のグローバル特殊効果を切り替えることができ、この隣接する2種類のグローバル特殊効果は、スライドジェスチャーが検出される前に表示されるグローバル特殊効果、およびスライドジェスチャーに応じて特定されて前記表示されたグローバル特殊効果に隣接するグローバル特殊効果とを含む。ここで、予め設定されたスライドジェスチャーは、左スライドジェスチャー、右スライドジェスチャー、上スライドジェスチャーまたは下スライドジェスチャーであってもよく、例えば、左スライドジェスチャーと設定されてもよい。」

加えて、「グローバル特殊効果」について、本願明細書の【0018】には、次のように記載されている。

「 グローバル特殊効果がフィルタリングであることを例として説明する。図2aから図2cは、本開示の実施例に係る、縦表示の状態でスライド方向が左右スライドである場合、目標インタフェースの左右両側に2種類のグローバル特殊効果を同時に表示させる模式図である。図2aに示すように、縦表示の状態である場合、スライドジェスチャーのスライド方向は左スライドであることを検出すると、まず、スライドジェスチャーが検出される前のグローバル特殊効果を切り替えられるグローバル特殊効果の第1種類と特定し、当該グローバル特殊効果に隣接するグローバル特殊効果を切り替えられるグローバル特殊効果の第2種類とする。図2a、図2bおよび図2cは、例として、スライドジェスチャーが検出される前の第1種類のグローバル特殊効果をノーマルとし、スライドジェスチャーが検出された後の第2種類のグローバル特殊効果を予め設定されたグローバル特殊効果における特殊効果Aとし、スライドジェスチャーが左スライドを続けるのに伴って、2種類のグローバル特殊効果の表示領域を変更させる。図2bに示すように、図2aに基づいて、第1種類のグローバル特殊効果の表示領域は小さくなり、第2種類のグローバル特殊効果の表示領域は大きくなる。スライドジェスチャーのスライド中に、スライドジェスチャーのスライド方向が変更されると、これに伴って、2種類のグローバル特殊効果の表示領域も変更され、図2cに示すように、すなわち、図2bに基づいて、第1種類のグローバル特殊効果の表示領域が大きくなり、第2種類のグローバル特殊効果の表示領域が小さくなる。」

【0015】の記載によれば、「スライドジェスチャー」に基づく「切り替え」の対象となるものは2種類の「グローバル特殊効果」(グローバル特殊効果が使用されていない「ノーマル」を含む。)であり、「グローバル特殊効果」の例として、【0018】には「フィルタリング」が挙げられている。

なお、【0018】には、「2種類のグローバル特殊効果を同時に表示させる」と記載されているが、「グローバル特殊効果」(「フィルタリング」)そのものを表示することは不可能であるものの、【0015】の記載によれば、「切り替え」は、「動画または写真を撮影または編集する際」になされるため、「グローバル特殊効果」そのものではなく、画像(動画又は写真)に対して「グローバル特殊効果」が適用された画像を表示することにより「グローバル特殊効果」を表示するものと理解することができる。すなわち、本願においては、2種類の「グローバル特殊効果」を「切り替え」ることにより、「切り替え」後の2種類の「グローバル特殊効果」が適用された画像を示するものと認められる。

そして、「ディスプレイモード」を構成する語のうち、「ディスプレイ」は“表示”の意味であり、「モード」は“態様”との意味であるから、「ディスプレイモード」は、語の成り立ちからすると、“表示の態様”との意味であると解される。

以上からすると、本件補正発明における「ディスプレイモード」とは、「グローバル特殊効果」(「ノーマル」を含む。)が適用された画像の表示の態様を総称したものと理解することができる。

イ 一方、引用発明は、

「 35mmフィルムのようにフィルタ処理を施す領域を1つのコマとして、左からフィルタなし(OFF)、フィルタA、フィルタB、フィルタC、フィルタDの順に並ぶ複数のコマが連続して繋がった異なる種類のフィルタレイヤーを、画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させることにより左右にスクロールして表示部203の画像表示エリア211にあるコマの位置に応じてフィルタ処理を施し、
隣接するコマの境界位置でフィルタ効果を比較できるようにし、表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めることによって、境界位置162の左右にOFFを含む異なるフィルタの種類を施した画像が表示されるので、フィルタレイヤーのコマが隣接する2種類のフィルタ効果を比較することができる」

との構成(以下、「構成X」という。)を備えることからすると、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させること」により、「画像表示エリア211」に表示されている「画像」に施す「フィルタ」(コマ)が左右に移動して、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に、2種類の隣接するコマに対応する2種類の「フィルタ」(「フィルタなし(OFF)を含む。)を、切り替えて施すことができるものといえる。

例えば、

a 「フィルタなし(OFF)」のみが施されている(すなわち、「フィルタ」が施されていない)画像が表示された状態で、

b 「画像表示エリア211をタッチした指」を左に移動させると、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に「フィルタなし(OFF)」と「フィルタA」が施された画像が表示され、

c さらに、指を左に移動させると、「フィルタA」のみが全体に施された画像が表示され、

d さらに指を左に移動させると、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に「フィルタA」と「フィルタB」が施された画像が表示され、

e この状態から、今度は、指を右に移動させると、「フィルタA」のみが全体に施された画像が表示され、

f さらに指を右に移動させると、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれに「フィルタなし(OFF)」と「フィルタA」が施された画像が表示され、

g さらに指を右に移動させると、「フィルタなし(OFF)」のみが施されている(すなわち、「フィルタ」が施されていない)画像が表示されることになる。

すなわち、引用発明の構成Xにおいて、特に上記b、d、fの状態に着目すれば、「画像表示エリア211をタッチした指」の移動方向に応じて、異なる2種類の「フィルタ」(「フィルタなし(OFF)」を含む。)が施された画像を切り替えて表示するものと認められる。そして、異なる2種類の「フィルタ」の組合せは、「フィルタなし(OFF)」と「フィルタA」の組合わせと、「フィルタなし(OFF)」以外の2種類の隣接するフィルタの組合わせ(「フィルタA」と「フィルタB」、「フィルタB」と「フィルタC」又は「フィルタC」と「フィルタD」)を含むものである。

ウ 引用発明の「タッチパネル式の液晶モニタ」である「表示部203」は、本願発明1の「目標インタフェース」に相当し、引用発明の「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」ことは、本願発明1の「スライドジェスチャー」に相当する。

そして、引用発明において、「表示処理部202cは、画像を表示部203の画像表示エリア211に表示」するものであるから、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」ことは、「表示部203」における操作(スライドジェスチャー)ともいえる。

よって、引用発明の「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」ことは、本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出すること」に相当する。

エ 上記イ及びウを参酌すれば、引用発明の各「フィルタ」(「フィルタA」、「フィルタB」、「フィルタC」、「フィルタD」)は、本件補正発明の「グローバル特殊効果」に相当し、引用発明の「フィルタなし(OFF)」は、本件補正発明の「グローバル特殊効果が用いられないモード」である「通常モード」に相当する。

また、引用発明の各「フィルタ」又は「フィルタなし(OFF)」を施した画像は、上記アを参酌すれば、本件補正発明の「ディスプレイモード」に相当する。

また、上記イで述べたように、引用発明の構成Xにおいては、「画像表示エリア211をタッチした指」の移動方向に応じて、異なる2種類の「フィルタ」が施された画像を切り替えて表示するものと認められ、指の移動方向は、「スライド方向」といい得るものである。また、異なる2種類の「フィルタ」が施された画像を切り替えて表示するためには、その画像を特定する必要があることは明らかである。

以上から、上記アないしウを参酌すれば、引用発明は、本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することであって、前記2つのディスプレイモードは、2つのグローバル特殊効果、又は、通常モード及びグローバル特殊効果を含み、前記通常モードは、グローバル特殊効果が用いられないモードである、特定すること」に相当する構成を備える。

オ 上記アで摘記した本件明細書の【0018】の記載「図2a、図2bおよび図2cは、例として、スライドジェスチャーが検出される前の第1種類のグローバル特殊効果をノーマルとし、スライドジェスチャーが検出された後の第2種類のグローバル特殊効果を予め設定されたグローバル特殊効果における特殊効果Aとし、スライドジェスチャーが左スライドを続けるのに伴って、2種類のグローバル特殊効果の表示領域を変更させる。図2bに示すように、図2aに基づいて、第1種類のグローバル特殊効果の表示領域は小さくなり、第2種類のグローバル特殊効果の表示領域は大きくなる。スライドジェスチャーのスライド中に、スライドジェスチャーのスライド方向が変更されると、これに伴って、2種類のグローバル特殊効果の表示領域も変更され、図2cに示すように、すなわち、図2bに基づいて、第1種類のグローバル特殊効果の表示領域が大きくなり、第2種類のグローバル特殊効果の表示領域が小さくなる。」によれば、本件補正発明の「前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させること」は、「前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させた状態で、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させること」と理解することができる。

カ 引用発明においては、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」場合に、その「移動」の量(スライド変位)に応じた量だけフィルタレイヤーをスクロールして「フィルタ」の境界位置が移動し、境界位置の左右に表示される画像の大きさ(表示領域)が変更され、また、境界位置の左右(2つの側)に異なる「フィルタ」が施された画像が同時に表示されるものといえる。

よって、上記オを参酌すれば、引用発明と、本件補正発明の「前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させること」とは「前記スライドジェスチャーのスライドに応じて、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させること」との共通の構成を備える。

キ 上記イを参酌すれば、引用発明の構成Xにおいては、「コマ」の位置によっては、「フィルタの境界位置162」が「表示部203の画面」(画像表示エリア211)にはなく、例えば、「フィルタB」のみが画像全体に施された状態(以下、「状態Y」という。)を想定することができる。そして、そのような状態Yは、本件補正発明の「グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられる場合」に相当する。

引用発明の構成Xにおいては、状態Yにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を左に移動させると、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に「フィルタB」と当該「フィルタB」の右に隣接する「フィルタC」が施された画像が表示された状態に切り替えることができ、また、状態Yにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を右に移動させると「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に「フィルタB」と当該「フィルタB」の左に隣接する「フィルタA」が施された画像に切り替えることができる。

ここで、状態Yにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を右に移動させることは、本件補正発明の「予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向」「におけるスライドジェスチャー」に相当し、また、「画像表示エリア211をタッチした指」を左に移動させることは、本件補正発明の「予め設定されたスライドジェスチャーと」「逆の方向におけるスライドジェスチャー」に相当する。

そして、引用発明の構成Xにおいては、状態Yにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を右又は左のいずれかに移動させることによって、画像に施すフィルタを、「フィルタB」と当該「フィルタB」の左又は右に隣接する「フィルタA」又は「フィルタC」の2つの隣接するフィルタのいずれかに切り替えているといえる。

したがって、上記エを参酌すれば、引用発明は、本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは、」「グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられる場合に、予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向におけるスライドジェスチャーに従って2つの隣接するグローバル特殊効果を切り替えることを更に含」む、との構成を備える。

ク 引用発明の構成Xにおいて、複数の「フィルタ」は、「35mmフィルムのようにフィルタ処理を施す領域を1つのコマとして、複数のコマが連続して繋がった異なる種類のフィルタレイヤー」を構成しているから、隣接する2つの「フィルタ」は、当該「フィルタレイヤー」内において、隣接して記憶されているといえる。

そして、上記キを参酌すれば、状態Yにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を右又は左のいずれかに移動させることに従って、「フィルタB」の左又は右に隣接する「フィルタA」又は「フィルタC」を特定することは明らかである。

よって、上記キを参酌すれば、引用発明の構成Xは、本願発明1の「前記2つの隣接するグローバル特殊効果は、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果と、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果に隣接して記憶され、前記予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向における前記スライドジェスチャーに従って特定される、グローバル特殊効果と、を含」む、との構成を備える。

ケ 上記イを参酌すれば、引用発明の構成Xにおいては、「コマ」の位置によっては、「フィルタの境界位置162」が「表示部203の画面」(画像表示エリア211)にはなく、例えば、「フィルタなし(OFF)」のみが画像全体に施された状態(すなわち、「フィルタ」が施されていない状態、以下、「状態Z」という。)を想定することができる。そして、そのような状態Zは、本件補正発明の「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合」に相当する。

引用発明の構成Xにおいては、状態Zにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を左に移動させると、「フィルタの境界位置162」の左右のそれぞれの表示領域に「フィルタなし(OFF)」と当該「フィルタなし(OFF)」の右に隣接する「フィルタA」が施された画像が表示された状態に切り替えることができる。

ここで、状態Zにおいて、「画像表示エリア211をタッチした指」を左に移動させることに従って、「フィルタなし(OFF)」の右側に隣接する「フィルタA」が施された画像が表示されるようになるのであるから、予め「フィルタレイヤー」において記憶された「フィルタ」から「フィルタA」を呼び出すことによって、切り替える2種類の「フィルタ」(「フィルタなし(OFF)」と「フィルタA」)を特定しているといえる。

より具体的には、引用発明は、「操作処理部202aは、操作部204から操作情報を入力し、その操作情報に対応する各処理に引き渡し、タッチパネル204cの場合、操作処理部202aは、タッチパネル204cを指などでタッチした座標位置を入力し、表示部203の画面の当該座標位置に表示されている情報をフィルタ処理部202eに出力し」及び「フィルタ処理部202eは、操作処理部202aから受け取るフィルタの種類の情報と、フィルタ処理を施す領域の情報と、に応じて指定された種類のフィルタ処理を指定された領域に施し」との構成を備えることからすると、「操作処理部202a」が「操作情報」(構成Xの「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させること」)に応じて、「表示部203の画面の当該座標位置に表示されている情報」として「フィルタの種類の情報と、フィルタ処理を施す領域の情報」を特定及び指定して、「フィルタ処理部202e」が「指定された種類のフィルタ処理を指定された領域に施」す処理を行うのであるから、「フィルタ処理部202e」は、「操作処理部202a」に指定された種類の「フィルタ」を「フィルタレイヤー」から呼び出して指定された領域に施すものと認められる。

よって、前記エを参酌すれば、引用発明は、本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは、」「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたグローバル特殊効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む」との構成を備える。

コ 引用発明の「フィルタ処理を施す方法」は、上記イ及びエを参酌すれば、後述する相違点を除いて、本件補正発明の「グローバル特殊効果の切替方法」に相当する。

(4)一致点・相違点

以上から、本件補正発明と引用発明とは、以下の点において一致ないし相違する。

・一致点

「 目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することであって、前記2つのディスプレイモードは、2つのグローバル特殊効果、又は、通常モード及びグローバル特殊効果を含み、前記通常モードは、グローバル特殊効果が用いられないモードである、特定することと、
前記スライドジェスチャーのスライドに応じて、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させることとを含み、
目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは、
グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられる場合に、予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向におけるスライドジェスチャーに従って2つの隣接するグローバル特殊効果を切り替えることを更に含み、前記2つの隣接するグローバル特殊効果は、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果と、前記目標インタフェース上で用いられる前記グローバル特殊効果に隣接して記憶され、前記予め設定されたスライドジェスチャーと同じ方向又は逆の方向における前記スライドジェスチャーに従って特定される、グローバル特殊効果と、を含み、
前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたグローバル特殊効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む、
グローバル特殊効果の切替方法。」

・相違点

(相違点1)

本件補正発明は、「スライドジェスチャーのスライド中に、」「2つのディスプレイモードの表示を同時に表示させ、」「2つのディスプレイモードの表示領域を変更させる」のに対し、引用発明は、「表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めること」によって「境界位置162の左右にOFFを含む異なるフィルタの種類を施した画像が表示される」点。

(相違点2)

本件補正発明は、「前記スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモードをユーザ選択ディスプレイモードとして特定し、前記目標インタフェースの全体領域に前記ユーザ選択ディスプレイモードを表示させること」を含むのに対し、引用発明は、当該構成を具体的に特定していない点。

(5)判断

ア 相違点1について

ユーザによる操作中に、当該操作に応じた表示結果をリアルタイムに表示させることは情報処理において一般に行われることであるから、引用発明において、「フィルタの境界位置162を止める」までの、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」(スライドジェスチャー)操作中にも「フィルタ」を施した画像をリアルタイムに表示するよう構成することは、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易になし得ることである。

イ 相違点2について

引用文献1記載事項2にあるように、引用文献1には、「フィルタ」を画像全体に適用するための操作について示唆がある。

引用文献2には、フィルタ545のドラッグハンドル570を左に移動させると、その位置の左側にはフィルタ未適用の画像領域580が表示され、その右側にはフィルタ545を適応した画像領域575が表示され、ドラッグハンドル570が閾値(画像の幅の約50%)を超えた状態で解放すると、当該フィルタ545が画像全体に適用され、一方、ドラッグハンドル570が閾値を超えていない状態で解放されると、画面全体がフィルタ545未適用の画像に戻ることが記載されている。ここで、ドラッグハンドル570が閾値(画像の幅の約50%)を超えた状態には、フィルタ545が適用された画像領域が、フィルタ545未適用の画像領域よりも大きく、逆に、ドラッグハンドル570が閾値を超えていない状態には、フィルタ545未適用の画像領域が、フィルタ545が適用された画像領域より大きいから、引用文献2には、ドラッグハンドル570の解放時に、結果的には大きい画像領域を有する方のフィルタを画像全体に適用するという技術事項が開示されているといえる。

引用発明と、引用文献2に記載された技術事項とは、技術分野が共通し、また、引用文献1には、上述したように、「フィルタ」を画像全体に適用するための操作について示唆があるから、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用し、「前記スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモードをユーザ選択ディスプレイモードとして特定し、前記目標インタフェースの全体領域に前記ユーザ選択ディスプレイモードを表示させること」との構成を付加することは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 作用効果について

上記各相違点に係る構成を引用発明に付加することによる作用効果は当業者が容易に予測し得たものであり、格別顕著なものではない。

(6)請求人の主張について

請求人は、令和4年6月27日に提出した意見書において、次のように主張する。(主張中、下線は、請求人が付したものである。)

「(1)(1)補正後の請求項1に係る発明の構成は以下の通りです(下線は補正箇所を示しています)。
【請求項1】…(中略)…
(2)審判官殿も認めておられるように、引用文献1は、第1に、「前記スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモードをユーザ選択ディスプレイモードとして特定し、前記目標インタフェースの全体領域に前記ユーザ選択ディスプレイモードを表示させることとを含み」という請求項1に係る発明の特徴的な構成(相違点1)を何ら開示も示唆もしていません。
(3)更に、引用文献1は、「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたブローバル効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む」
続きを表示(全13行)
という請求項1に係る発明の更なる特徴的な構成(相違点2)も何ら開示も示唆もしていません。
(4)上記相違点2に関して、引用文献1の段落0041の記載によれば、複数のコマで構成される異なる種類のフィルタレイヤーが、35mmフィルムのように表示部203上で左右方向にスクロールされ、表示部203の画面上の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めることによって、OFFを含む異なる種類のフィルタが適用される画像が、境界位置162の左右で表示されます。すなわち、引用文献1において、異なる種類のフィルタレイヤーは、スライド方向が予め設定されたスライドジェスチャーのスライド方向と同じであるスライドジェスチャーによって呼び出されるのではなく、表示部203上に常に表されます。
(5)対照的に、請求項1に係る発明では、「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたブローバル効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し」ます。
(6)加えて、引用文献1において、異なる種類のフィルタレイヤーは、左右にスクロールするようユーザの指がドラグして、表示部203上で静的に表示されることがあり、或いは、異なる種類のフィルタレイヤーは、それらを止めるようユーザの指がドラッグするまで、表示部203上でスクロールして表示されることがあります。異なる種類のフィルタが表示部203上に静的に表示されるか、或いは表示部203上でスクロールして表示されるかにかかわらず、フィルタレイヤーは、表示部203上に表示される必要があります。しかしながら、実際的な用途のシナリオにおいて、ユーザは、フィルタ効果を常に必要とせず、このとき、表示部203上にフィルタレイヤーを表示することは、ユーザが電子カメラを見るのを妨げ、ユーザの操作に従ってではなく初期設定でフィルタレイヤーを表示することは、電子カメラについてのユーザの多様な動作要件を限定します。
(7)対照的に、請求項1に係る発明では、グローバル効果が目標インタフェース上に表示されない場合に、予め記憶されたグローバル効果における第1のグローバル特殊効果が、予め設定されたスライドジェスチャーと同じスライド方向のスライドジェスチャーを検出することによって呼び出されます。このようにして、ユーザが異なるディスプレイモードを比較する必要がないときに、グローバル効果は表示される必要がなく、ユーザが異なるディスプレイモードを比較する必要があるときに、グローバル効果は、端末についてのユーザの多様な動作要件に影響を及ぼすことなく、単純なスライドジェスチャーを通じて直接的に呼び出されることができ、同時に、第1のグロー馬効果を呼び出す動作は、より便利です。
(8)引用文献2は、引用文献1の上記欠陥、すなわち、上記相違点1及び2を治癒し得ません。この点について敷衍すれば、以下の通りです。
(9)上記相違点1に関して、審判官殿は、引用文献1には、「フィルタ」を画像全体に適用するための操作についての示唆があると認定しておられます。更に、審判官殿は、上記相違点1が、上記示唆と引用文献2の段落0036-0040の記載との組み合わせから当業者に容易想到であると認定しておられます。
(10)しかしながら、第1に、引用文献2において、選択されたフィルタ545は、閾値を超えてドラッグハンドルを移動させることによって、画像530全体に施されています。すなわち、引用文献2において、選択されたフィルタを画像全体に施すかどうかは、ドラッグハンドを閾値と比較することによって行われます。
(11)対照的に、請求項1に係る発明では、スライドジェスチャーの解除動作を検出することに応答して、どのディスプレイモードがユーザ選択ディスプレイモードであるか並びに2つのディスプレイモードにそれぞれ対応する表示領域のサイズに従って目標インタフェースの全体領域に表示されるべきか」が特定されます。すなわち、請求項1に係る発明において、どのディスプレイモードがユーザ選択ディスプレイモードであるか、並びに目標インタフェースの全体領域に表示されるべきかは、2つのディスプレイモードにそれぞれ対応する表示領域のサイズを比較することによって特定されます。更に、2つのディスプレイモードからのより大きい表示領域を有するディスプレイモードは、ユーザ選択ディスプレイモードとして特定されます。従って、引用文献2において選択されたフィルタを画像全体に施すかどうかを特定する解決策は、どのディスプレイモードがユーザ選択ディスプレイモードであるか並びに目標インタフェースの全体領域に表示されるべきかを特定する解決策と異なります。従って、引用文献2は、上記相違点1を治癒し得ません。

(12)引用文献1における「表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止めることによって、境界位置162の左右にOFFを含む異なるフィルタの種類を施した画像が表示される」(下線は強調)という記載(段落0041)、ならびに「図6(a)において、領域402の画面上で指3によりフィルタAを施した領域402を左方向に予め設定された加速度以上でフリック操作154を行うと、図6(b)のように境界位置161が左側にスライドアウトするように移動してフィルタAを施す領域402が画像表示エリア211全体に広がり、全面にフィルタAが施された時点でレリーズボタン204bが押下された場合と同様に撮影処理が行われる。尚、上記の説明では、フリック操作154を行うようにしたが、左方向へのドラッグ操作を予め設定した加速度以上で行った場合に画像を撮影するようにしてもよい。」(下線は強調)という記載(段落0043-0044)によれば、引用文献1は、フィルタAが左方向に施される領域402の画面上でフリック操作154を行うか或いは予め設定した加速度以上で左方向へのドラッグ操作を行うことによって、フィルタAを施す領域402が画像表示エリア211全体に広がることを記載しているにすぎず、引用文献1は、より大きい領域が画像表示エリア全体に広がることを何ら教示していません。

(13)加えて、引用文献2において、選択されたフィルタは、ドラッグハンドルを移動することによって画像530に動的に施されるので、ドラッグハンドルの移動が、画像幅の50%を超えて要求されるならば、ユーザは、ドラッグハンドルを画像幅の50%よりも多く移動させることが要求されます。

(14)対照的に、請求項1に係る発明において、目標インタフェースの2つの側の2つのディスプレイモードは、スライドジェスチャーをスライドさせることによって決定されます。請求項1に係る発明によれば、(目標インタフェースの最も左側のような)目標インタフェースの1つの側方エッジから反対側(右側)に画像幅の50%よりも多くスライドさせることなく、非常に小さい距離でスライドするだけでよい場合があり、左ディスプレイ領域が右ディスプレイ領域よりも大きい限り、左側のディスプレイモードがユーザ選択ディスプレイモードであるように決定されることができ、それによって、ユーザの操作をより容易にすることができます。従って、引用文献2は、上記相違点1に係る構成を何ら開示も示唆もしていません。

(15)上記相違点2に関して、引用文献2は、段落0036-0037の記載によれば、画像530上でフィルタが使用されないときに、ユーザがフィルタに施される画像の部分と如何なるフィルタにも施されない画像の部分とを比較することを欲するならば、先ず、フィルタが選択されなければならず、次に、選択されるハンドルのドラッグハンドルがドラッグされなければならず、それはユーザが操作するのに不便です。

(16)対照的に、請求項1に係る発明において、グローバル特殊効果が目標インタフェース上で使用されない場合には、予め記憶されたグローバル効果中の第1のグローバル特殊効果が、そのスライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであるスライドジェスチャーを使用することによって呼び出され、それはユーザが操作するのに便利です。従って、引用文献2は、上記相違点2に係る構成も何ら開示も示唆もしていません。

(17)上記相違点1及び2に係る構成は、当該技術分野における一般的な技術知識でもありません。

(18)よって、請求項1に係る発明は、引用文献1-2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明し得たものでありません。

(19)請求項2-5及び11-12に係る発明も、少なくとも請求項1に直接的又は間接的に従属するという事実の故に、引用文献1-2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明し得たものでありません。」

なお、上記主張(1)、(3)、(5)における「ブローバル効果」は「グローバル特殊効果」の、また、主張(7)、(16)における「グローバル効果」は、「グローバル特殊効果」の誤記と認められる。

また、上記主張(7)における「グロー馬効果」は、その前後の記載からすると、「グローバル特殊効果」の誤記と認められる。

また、上記主張(10)における「ドラッグハンド」は「ドラッグハンドル」の誤記と認められる。

以下、上記各主張について検討する。

ア 主張(1)及び(2)について

主張(1)及び(2)は採用する。

なお、請求人が主張2において挙げる「相違点1」は、上記2(4)で当審が挙げた「相違点2」に相当する。また、請求人が主張する上記「相違点1」については、以降、「請求人主張相違点1」という場合がある。

イ 主張(3)ないし(7)、(15)及び(16)について

請求人は、本件補正発明の「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたグローバル効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む」との構成は、引用文献1には記載されていない特徴的な構成(相違点2)であると主張する。(なお、請求人が主張する「相違点2」を以降では、「請求人主張相違点2」という場合がある。)

しかしながら、上記(3)ケで述べたように、請求人主張相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明に含まれる構成であり、この点において相違するものとは認められない。

なお、請求人は、主張(4)において、「引用文献1において、異なる種類のフィルタレイヤーは、スライド方向が予め設定されたスライドジェスチャーのスライド方向と同じであるスライドジェスチャーによって呼び出されるのではなく、表示部203上に常に表されます。」と主張するが、引用発明において、「表示部203」上に表示される画像に施される「フィルタ」は、当該「表示部203」の「画像表示エリア211」上にある「フィルタの境界位置162」の左右に位置する2つの「フィルタ」のみであり、「フィルタレイヤー」の各「コマ」に相当する各「フィルタ」が常に画像に施されているわけではなく、むしろ、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させること」に従って「画像表示エリア211」上に移動した「フィルタの境界位置162」の左右にある「フィルタ」が呼び出されて「画像表示エリア211」に表示される画像に施されると理解される。

加えて、本件補正発明の「前記スライドジェスチャーのスライド中に、前記目標インタフェースの2つの側に前記2つのディスプレイモードを同時に表示させ、前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させる」との構成からすると、少なくとも「2つのディスプレイモード」が「目標インターフェース」の2つの側に常に表示されている場合を含むから、「スライドジェスチャー」のたびにその都度「グローバル特殊効果」を呼び出しているとは認められない。

また、請求人は、主張(7)において、「請求項1に係る発明では、…(中略)…ユーザが異なるディスプレイモードを比較する必要がないときに、グローバル効果は表示される必要がなく、ユーザが異なるディスプレイモードを比較する必要があるときに、グローバル効果は、端末についてのユーザの多様な動作要件に影響を及ぼすことなく、単純なスライドジェスチャーを通じて直接的に呼び出されることができ、同時に、第1のグロー馬効果を呼び出す動作は、より便利です。」と主張するが、本件補正発明においては、「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合」に、「前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じ」ではない操作がなされた場合にどのような挙動を示すのかについて具体的に特定していないから、請求人が主張する「端末についてのユーザの多様な動作要件」を想起することができない。また、上記(3)ケで述べたように、引用発明は、「コマ」の位置によっては、「フィルタの境界位置162」が「表示部203の画面」(画像表示エリア211)にはなく、例えば、「フィルタなし(OFF)」のみが画像全体に施された状態(すなわち、「フィルタ」が施されていない状態)を想定することができ、当該状態は、本件補正発明の「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合」に相当するから、請求人が主張する「ユーザが異なるディスプレイモードを比較する必要がないときに、グローバル効果は表示される必要がなく」との効果を引用発明も備えているといえる。

よって、請求人主張相違点2に関する主張(3)ないし(7)は、採用することができない。

さらに、請求人は、主張(15)及び(16)において、請求人主張相違点2に係る構成は、引用文献2には開示も示唆もない旨主張するが、上述したように、請求人主張相違点2に係る構成は、引用発明に含まれているから相違点とはならないため、引用文献2に記載された技術事項を適用する必要もない。

よって、請求人主張相違点2に関する主張(15)及び(16)も、採用することができない。

ウ 主張(8)ないし(14)について

主張(8)ないし(14)は、請求人主張相違点1(上記(4)の相違点2)についての主張である。

上記(5)イで述べたように、引用文献2に記載された事項においては、ドラッグハンドル570が閾値(画像の幅の約50%)を超えた状態には、フィルタ545が適用された画像領域が、フィルタ545未適用の画像領域よりも大きく、逆に、ドラッグハンドル570が閾値を超えていない状態には、フィルタ545未適用の画像領域が、フィルタ545が適用された画像領域より大きいことになるから、ドラッグハンドル570が閾値を超えているかいないかを判断することは、ドラッグハンドル570の左側のフィルタ545未適用の画像領域と、ドラッグハンドル570の右側のフィルタ545が適用された画像領域のいずれが大きいかを判断していることに等しい。

また、引用発明は、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」際に、「画像表示エリア211」のどこをタッチすべきかを具体的に特定しておらず、かつ、「画像表示エリア211をタッチした指を左右に移動させる」ことによって、「表示部203の画面の任意の位置でフィルタの境界位置162を止める」ことができるよう構成されているのであるから、「フィルタの境界位置162」の位置を移動させるための構成として、引用文献2に記載された「ドラッグハンドル」に係る構成をも含めて適用すべきとはいえない。

仮に、「ドラッグハンドル」に係る構成を含めて適用すべきであるとしても、本件補正発明の「スライドジェスチャー」は、「ドラッグハンドル」を操作することを排除していないから、いずれにしても、引用文献2に記載された事項が「ドラッグハンドル」を操作するものであることによって、当業者が請求人主張相違点1に係る構成を克服する際の阻害要因とはならない。

また、請求人は、主張(14)において、「請求項1に係る発明によれば、(目標インタフェースの最も左側のような)目標インタフェースの1つの側方エッジから反対側(右側)に画像幅の50%よりも多くスライドさせることなく、非常に小さい距離でスライドするだけでよい場合があり、」と主張するが、本件補正発明の「前記スライドジェスチャーのスライド変位に従って前記2つのディスプレイモードの表示領域を変更させる」との構成において、「スライド変位」と「表示領域」の変更の度合いとの関係は何ら具体的に特定されておらず、一の「ディスプレイモード」を「前記2つのディスプレイモードからのより大きな表示領域を有するディスプレイモード」とするために、画面幅の50%よりも多くスライドさせる必要がある場合を含むから、当該主張も、本件補正発明の構成に基づくものではないから採用することができない。

よって、請求人主張相違点1に関する主張(8)ないし(14)は、採用することができない。

エ 主張(17)ないし(19)について

前記ウ及びエより、請求人の主張(17)ないし(19)も採用することができない。

以上より、主張(1)及び(2)を除いて、請求人の主張はいずれも採用することができず、また、主張(1)及び(2)は、本審決の結論に影響を与えるものではない。

(7)小結

以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

3 本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する

第3 本願発明について

1 本願発明

令和4年6月27日に提出された手続補正書による補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年9月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 当審拒絶理由における拒絶の理由

令和4年3月23日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の拒絶の理由は、本願の請求項1ないし12に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:国際公開第2013/175784号
引用文献2:特表2015-519625号公報

3 引用文献、引用発明等

当審拒絶理由の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2の記載事項及び引用文献1に記載された発明(引用発明)は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の「目標インタフェースにおいてスライドジェスチャーを検出することに応答して、前記スライドジェスチャーのスライド方向に従って切り替えられる2つのディスプレイモードを特定することは」を「グローバル特殊効果の切替方法であって、当該方法は」に上位概念化するとともに、前記「2つのディスプレイモードを特定すること」に係る限定事項である「前記グローバル特殊効果が前記目標インタフェース上で用いられない場合に、前記スライドジェスチャーの前記スライド方向が予め設定されたスライド方向と同じであると特定することに応答して、予め記憶されたグローバル特殊効果における第1のグローバル特殊効果を呼び出し、前記切り替えられる前記2つのディスプレイモードが前記通常モード及び前記第1のグローバル特殊効果を含むと特定することを含む」を削除したものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)ないし(5)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-011992

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