2021-009669
手元から飛ばす撮影システム
- 審判番号
- 2021-009669
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-007104外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月20日
- 審決日
- 2022年07月08日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中松 義郎
- 分類
- P18 .121-Z (G03B) / P18 .57 -Z (G03B) / P18 .575-Z (G03B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第50条の2、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年12月28日に出願された特願2018-248716号(以下、「原出願」という。)の一部を、令和2年1月20日に特願2020-7104号として新たに出願したものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和2年 11月17日付け 拒絶理由通知書
(特許法50条の2の通知を伴う拒絶理由)
令和3年 1月27日提出 意見書、手続補正書
令和3年 4月 7日付け 令和3年1月27日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(以下、「原査定」という。)
令和3年 7月20日提出 審判請求書、手続補正書
第2 令和3年7月20日付けで提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和3年7月20日付けで提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の出願時特許請求の範囲を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲へと補正することを含むものである。(下線は、審判請求人が付したものである。)
(1)本件補正前の特許請求の範囲
【請求項1】
手元から空中にスマホを飛ばして撮影する方法
【請求項2】
スマホを取り付けて手元から飛ばし得ることを特徴とした飛翔体
(2)本件補正後の特許請求の範囲
【請求項1】
帆を有しスマートフォンを取り付けるための取付部とプロペラを設けた凧において、手元から空中に、カメラの画像を表示する表示部を利用者側に向けたスマホを、凧糸を設けず飛ばして撮影する方法。
【請求項2】
帆を有しスマートフォンを取り付けるための取付部とプロペラを設けた凧において、カメラの画像を表示する表示部を利用者側に向けたスマホを取り付けて手元から凧糸を設けず飛ばし得ることを特徴とした飛翔体。
【請求項3】
落下傘にスマホを取り付け得る感圧性素材を有するスマホ取付部を設け、前記取付部に、スマホの裏側の中央の上から1/3付近を取り付けて、前記落下傘付スマホをパチンコのゴムに引っ掛けて空中に上に向けて発射し、手元から空中に飛ばして撮影する方法。
【請求項4】
落下傘にスマホを取り付け得る感圧性素材を有するスマホ取付部を設け、前記取付部に、スマホの裏側の中央の上から1/3付近を取り付けて、前記落下傘付スマホをパチンコのゴムに引っ掛けて空中に上に向けて発射する発射手段を有する、手元から飛ばし得る事を特徴とした飛翔体。
2 本件補正の適否について
(1)補正の目的
本件補正の目的が、特許請求の範囲の減縮(補正前の請求項に記載された発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である発明となるように請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものに限る。)(以下、「特許請求の範囲の限定的減縮」という。)に該当するかについて検討する。
本件補正後の請求項1、3はスマートフォンを飛ばして撮影する方法に関するもので、補正前の請求項1に対応するものである。また、本件補正後の請求項2、4はスマートフォンを飛ばしうる飛翔体に関するもので、補正前の請求項2に対応するものである。とすると、本件補正後の請求項3、4は、いわゆる増項補正にあたるものであるし、いわゆるn項引用形式請求項をnー1以下の請求項に変更するような引用形式を整える補正や、発明特定事項が択一的なものとして記載された一つの請求項について、その択一的な発明特定事項をそれぞれ限定して複数の請求項に変更する補正でもない。したがって、本件補正は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものとは言えない。
また、本件補正後の請求項1、3はスマートフォンを飛ばして撮影する方法に関するもので、補正前の請求項1に対応するものであるが、本件補正後の請求項1には「帆」「スマートフォンを取り付けるための取付部」「プロペラ」といった発明特定事項が直列的に付加されており、本件補正後の請求項3には「落下傘」「スマホを取り付け得る感圧性素材を有するスマホ取付部」「パチンコのゴム」といった発明特定事項が直列的に付加されている。同様に、本件補正後の請求項2、4は飛翔体に関するもので、補正前の請求項2に対応するものであるが、本件補正後の請求項2、4には上述と同様の発明特定事項が直列的に付加されている。そうすると、本件補正は、「請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定」しているとはいえない。したがって、本件補正は、「特許請求の範囲の限定的減縮」を目的とするものではない。
さらに、本件補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明に該当しないことは明白である。
よって、本件補正における補正後の請求項1~4に係る補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものでもない。
(2)独立特許要件
上記(1)のとおり、本件補正は特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものでもないが、仮に、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものだったとして、本件補正は特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下検討する。
ア 引用例
(ア)引用例2
令和2年11月17日付け拒絶理由通知書に引用され、原出願の出願前に電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった、
凧(カイト)×スマホで空撮にチャレンジ Part2~遂に飛ぶか!?空撮本番~,YouTube [online] [video],2015年1月11日,インターネット URL:https://www.youtube.com/watch?v=IpRzlevBZ64(以下、「引用例2」という。)には、以下の事項が記録されていると認定することができる。(下線は、当審で付した。)
〈00分39秒〉
[図:0001388903000001.jpg]
表示される画像(以下、「画像」という。)から、帆と凧糸を有する凧が見て取れる。
ここで、「〈00分39秒〉」は、引用例2の再生開始からの経過時間を示すものであり、以下の同様の「分秒」に係る記載も同じである。また、表示される画像は、ある一定時間表示されるものもあるが、この審決の認定において、必ずしも最初に表示された時点での経過時間に対応させて認定しているものではなく、当審で適切であると認定したタイミングに対応させて認定したものである。さらに、認定した事項は、瞬間的な画像の表示内容以外にも、画像の表示内容の変化(時系列を伴うもの)も含まれる。
〈03分30秒〉
[図:0001388903000002.jpg]
「凧(カイト)×スマホで空撮にチャレンジPart2~遂に飛ぶか!?空撮本番~」というタイトルを参照しつつ画像を見るに、帆を有する凧にスマホが取り付けられていること、および、スマホはカメラ画像を表示する表示面と反対側を利用者側に向けていることが、見て取れる。
そして、帆を有する凧にスマホが取り付けられている以上、凧にスマホを取り付けるための取付部が設けられていることは自明である。
〈03分55秒〉
[図:0001388903000003.jpg]
画像から、スマホが取り付けられた凧を手元から空中に飛ばして撮影していることが見て取れる。
上記より、引用例2には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
帆を有しスマホを取り付けるための取付部を設けた凧において、手元から空中に、カメラの画像を表示する表示部を利用者と反対側に向けたスマホを、凧糸を設けて飛ばして撮影する方法。
(イ) 引用例6
原出願の出願前に電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった、スカイスクリューの作り方,たのでん [online],日本,2018年04月23日,https://tanoden.fun/skyscrew_making
(以下、「引用例6」という。)には、以下の事項が記載されている。
「スカイスクリューのセット内容説明書(1枚)プロペラプロペラ部品(青色)続きを表示(全37行)金具A(細く長い方)金具B(棒の先がねじのようになっている方)本体(木の棒)竹ひご(丸い形の細い木の棒)輪ゴム(2つ)帆(1枚予備・説明書から切り取ってお使いください)スカイスクリューの作り方プロペラを組み立てましょう。1. プロペラ部品に金具を通す(中略)2. プロペラ部品に金具を通したものをプロペラに差し込む(中略)3. ペンチで先を曲げる(中略)本体を組み立てましょう。4. プロペラに本体を差し込む(中略)5. 本体の下部に金具を取り付ける[図:0001388903000004.jpg](中略)6. 竹ひごを本体の穴に通す[図:0001388903000005.jpg](中略)7. 帆に絵を描く(中略)8. 帆を貼り付ける[図:0001388903000006.jpg](中略)9. 輪ゴムを取り付ける(中略)!!完成!![図:0001388903000007.jpg]」
以上より、引用例6には、次の発明(以下「引用例6発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用例6発明)
「本体(木の棒)に、竹ひごを本体の穴に通すことにより本体と直交するように取り付け、本体と竹ひごとに帆を取り付け、本体にプロペラを取り付けてなる飛翔体(スカイスクリュー)。」
(ウ)引用例8
原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、特開2005-40407号公報には以下の記載がある。
「【請求項1】バルサ材或いは合成樹脂板のような超軽量な素材で先端アール状の垂直板とこれに続く細板とを備えた胴体板と、前記細板の後端に設けた固定水平尾翼と可動垂直尾翼と、前記垂直板の後方段部に設けたモータとプロペラと、前記垂直板を水平方向へ貫通する複数の開孔部を設け、この開孔部に取外し自在に設けた乾電池と、無線制御器と、尾翼操作部と、下方に支持板を有する中央角材と、この中央角材の先端で折りたたみ可能とした複数の角材とによりA型骨組みを設け、この骨組みを介してたるみをもたせて合成繊維シートを張設したカイト翼と、から成り、前記カイト翼を前記垂直板の上部に立設した薄板に取外し自在に組み立てたことを特徴とする無線操縦の組立式模型凧航空機。」
「【0001】本発明は無線操縦する組立式模型凧航空機に関するもので、より詳しくは全重量約250グラムとし、全長約500mmの超軽量な模型凧航空機であり、胴体、凧、無線操縦機器その他各部分が現場で分解組立することが容易で、手持ち発進ができ手元への帰還又は目的地への到達、低速飛行等も可能とし、安全でホビー用或いは競技用として利用できる凧航空機に関する。」
また、図3、図4は以下のとおりである。
「[図:0001388903000008.jpg][図:0001388903000009.jpg]」
これらの記載から、引用例8には、凧飛翔体において、凧糸を設けずプロペラを有する技術的事項が記載されていると認められる。
(エ)引用例9
原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、特開昭63-302881号公報には以下の記載がある。
「本発明の一実施例を第1図及び第2図によって説明する。1は地上等から無線操縦によって飛翔する、テレビカメラ等搭載の飛行機本体、2は飛行機本体1を推進させるプロペラ、3は飛行機本体1の揚力を受持つため、後述の長い枠骨4.縦骨5、横骨6及び布地7によって構成されたカイト型翼、4はカイト型R3の外形を形成する金属製の枠骨、5は同じくカイト型翼3の中央を前後に補強する金属製の縦骨、6は同じく、カイト型翼3の空力中心近傍を通って左右に補強する金属製の横骨、7は空気を孕むための布地である。」(第2ページ左上欄第11行~右上欄第1行)
第1図は以下のとおりである。
[図:0001388903000010.jpg]
これらの記載から、引用例9には、凧飛翔体において、凧糸を設けずプロペラを有する技術的事項が記載されていると認められる。
イ 対比
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)と、引用発明とを対比すると、一致点、相違点は以下のとおりである。
(一致点)
帆を有しスマートフォンを取り付けるための取付部を設けた凧において、手元から空中にスマホを飛ばして撮影する方法。
(相違点1)
本件補正発明では、凧は凧糸を設けずプロペラを有するのに対し、引用発明では凧糸を設けプロペラがない点。
(相違点2)
本件補正発明では、スマホはカメラの画像を表示する表示部は利用者側に向いているのに対し、引用発明では利用者側と反対側に向いている点。
ウ 判断
(ア)相違点1について検討する。
a 上記アに記載のとおり、引用例6発明は「本体(木の棒)に、竹ひごを本体の穴に通すことにより本体と直交するように取り付け、本体と竹ひごとに帆を取り付け、本体にプロペラを取り付けてなる飛翔体(スカイスクリュー)。」である。ここで、引用発明の凧糸を設けた凧と、引用例6発明の「飛翔体(スカイスクリュー)」とは、いずれも手元から空中に飛翔する飛翔体である点で一致するし、エンジンを使用しない飛翔体分野において、重力による不必要な落下をなるべく避けつつ空中に飛翔させようとすることは周知であって、引用発明と引用例6発明に共通のものである。加えて、引用例6発明の、本体(木の棒)と竹ひごとそれらに取り付けられた帆からなる部分は、実質的に「凧」と評価できるものであるといえる。このため、引用発明のような帆を有する凧において、引用例6発明のような凧糸に代えてプロペラを設ける点を引用発明に採用することは、当業者が適宜なし得たものである。
b また、帆を有する凧である飛翔体において、凧糸を設けずプロペラを有する構成とすることは、周知技術である(必要あれば、上記アの引用例8、引用例9参照。)。ここで、上述のとおり、エンジンを使用しない飛翔体分野において、重力による不必要な落下をなるべく避けつつ空中に飛翔させようとすることは周知であるから、引用発明のような帆を有する凧において、周知技術である凧糸を設けずプロペラを有する点を引用発明に採用することは、当業者が適宜なし得たものである。
(イ)相違点2について検討する。スマートフォンで画像を撮影する場合、カメラの画像を表示する表示部を利用者側に向けて撮影することと、カメラの画像を表示する表示部を利用者側と反対側に向けて撮影することは、いずれも例示するまでもなく周知技術である。このため、引用発明において、カメラの画像を表示する表示部を利用者と反対側に向けることに代えて、カメラの画像を表示する表示部を利用者側に向けるようすることは、当業者が適宜なし得たものである。
(ウ)そして、本件補正発明によって奏される効果も、引用発明及び引用例6発明や周知技術から、当業者が予測しうる範囲内のものである。
(エ)小括
本件補正発明は、引用発明及び引用例6発明や周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができない。
3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
仮に本件補正が特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものだったとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「手元から空中にスマホを飛ばして撮影する方法」(以下、「本願発明1」という。)
「スマホを取り付けて手元から飛ばし得ることを特徴とした飛翔体」(以下、「本願発明2」という。)
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1、2に係る発明は、原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である引用例1に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用例2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、また、原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である引用例1に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用例2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。
3 引用例
(1)引用例1
令和2年11月17日付け拒絶理由通知書に引用され、原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である特開2017-175366号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0002】近年、ドローン等の遠隔操縦又は自立式で飛行する無人の航空機が商品化されている。例えば、比較的小型の無人航空機は、有人機では到達しにくい危険地域や、比較的低空での観察が必要な事故現場や災害地域等において、安全且つ効率的に情報を取得できるという利点から活用されるようになっている。このような目的のために、ドローン等においては、カメラを内蔵したものもある。」
「【0124】上記各実施の形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話やスマートフォンなど携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist) 等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。・・・」
以上より、引用例1には以下の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用例1発明)
「カメラを内蔵したドローンであって、カメラとしてスマートフォンに内蔵されるカメラを採用したドローン」
(2)引用例2
引用例2および引用発明は上記「第2」の「[理由]2(2)ア(ア)」で述べたとおりのものである。
4 対比・判断
(1)引用例1
ア 対比
引用例1発明と本願発明2とを対比すると、引用例1発明の「スマートフォン」は本願発明2の「スマホ」に、引用例1発明の「ドローン」は本願発明2の「飛翔体」に、それぞれ相当する。
とすると、引用例1発明と本願発明2は以下の点で一致し、以下の点で一応相違する。
(一致点)
スマホを取り付けて飛ばしうる飛翔体
(相違点)
本願発明2は飛翔体が「手元から」飛ばし得るものであるのに対し、引用例1発明ではそれについて不明である点。
イ 判断
上記相違点について検討する。引用例1発明の飛翔体ドローンは、飛翔開始場所を適宜選べることは周知であり、例えば、人間の手元の高さ程度とした設置場所から飛ばしうることは、当業者にとって自明である。よって、当該点は実質的な相違点ではない。
仮に、実質的な相違点だったとしても、本願発明2は当業者が引用例1発明に基いて容易になし得たものである。
(2)引用例2
引用発明と本願発明1とを対比すると、引用発明は「帆を有しスマートフォンを取り付けるための取付部を設けた凧において、手元から空中に、カメラの画像を表示する表示部を利用者と反対側に向けたスマホを、凧糸を設けて飛ばして撮影する方法。」であって、本願発明1と引用発明との間に相違点はない。よって、本願発明1は引用例2に記載された発明である。
仮に、引用発明と本願発明1の間に相違点があったとしても、本願発明1は当業者が引用発明に基いて容易になし得たものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明1、2は、特許法29条第1項および特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-009669