商標拒絶査定不服審判
2023-012412
インダストリアルドローンインダストリアルドローン、インダストリアルドローン、インダストリアル
- 審判番号
- 2023-012412
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-118659
- 請求日
- 2023年07月24日
- 審決日
- 2025年08月12日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中松 義郎
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 深田 彩紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W12) / T18 .272-Z (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-118659拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続経緯
本願は、令和4年10月17日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年2月14日付け:拒絶理由通知書
令和5年3月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年4月10日付け:拒絶査定
令和5年7月24日 :審判請求書の提出
令和7年5月 1日付け:審尋
令和7年6月25日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「INDUSTRIALDRONE インダストリアルドローン」の文字を標準文字で表してなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第12類「船舶,航空機,鉄道車両,自動車,二輪自動車・自転車,荷車,カメラを搭載したドローン,産業用ドローン,業務用ドローン,民間用ドローン,無人飛行機,航空機並びにその部品及び附属品」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標構成中の「INDUSTRIAL」及び「インダストリアル」の文字は、「産業の。工業の。」の意味を表す語であり、「DRONE」及び「ドローン」の文字は、「人が搭乗せず、遠隔操作または自動操縦によって航行する飛行機。」等の意味を表す語であるから、本願商標全体としては、「産業用のドローン(無人飛行機)」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。そして、指定商品を取扱う業界において、産業の業務・用途に適したドローンが開発され、用いられている実情も認められる。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、「航空機,カメラを搭載したドローン,産業用ドローン,業務用ドローン,民間用ドローン,無人飛行機,航空機並びにその部品及び附属品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「産業用のドローン(無人飛行機)」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和7年5月1日付けで通知した審尋により、別掲1及び別掲2のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年6月25日に回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
(1)審尋の別掲2における証拠は全て、「インダストリアル」と「ドローン」の間にスペースを有する表記、すなわち別々の単語と認識される表記であるのに対し、本願商標「INDUSTRIALDRONE インダストリアルドローン」は意図的にスペースを削除し統合することにより新しい意味を含む商標であり、産業用のドローンの意味合いを直接的に持つものではない。
(2)本願商標の文字は、以下の言葉を含むものであり、「INDUSTRIAL」と「DRONE」を接合したことにより全く新しい意味を含む言葉ができ、これは別掲2の証拠にはない意味である。
・「ALD」:原子レベルでの積層(堆積)であり、結合された技術を意味する言葉。
・「INSLALONE」:独立にお金が借りられることを意味する。
・「INSTALONE」:直ちにお金が借りられることを意味する。
・「INSTADONE」:直ちに行うことを意味する。
・「LDRONE」:長距離を飛ぶドローンであることを意味する。
・「DUSTER」:農薬散布器を意味する。
・「TRIAL DRONE」:試験的ドローンを意味する。
(3)本願商標は、特許第6731604号、特許第7104427号、特許第7104427号、特許第7699768号、特許第7699769号、特許第7699766号等の独自の翼とプロペラを持つ長距離で効率的な飛行が可能なドローン、さらには、特願2024-178471、特願2023-214082、特願2024-033960(効率的に浮遊する農薬散布用の移動体、浮遊する自動車、浮遊する災害時の水供給用移動体)にも付す商標であり、上記の接合したことにより生まれる新しい意味を含むものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 商標法第3条第1項第3号の趣旨について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。
そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品に使用された場合に商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。
イ 本願商標の語義及び取引の事情について
本願商標は、「INDUSTRIALDRONE インダストリアルドローン」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1のとおり、「INDUSTRIAL」(インダストリアル)の文字(語)は、他の外来語の上に付いて「産業の、工業の」の意味で複合語をつくるものであり、また、「DRONE」(ドローン)の文字(語)は「遠隔操作や自律制御によって航行する無人の飛行物体および船舶」ほどの意味を有し、いずれも我が国で広く使用されているものである。
そして、別掲2のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「INDUSTRIAL DRONE」(Industrial DRONE、Industrial Drone)と称する産業(用)ドローンが販売又は紹介されている実情が認められる。
そうすると、「INDUSTRIALDRONE インダストリアルドローン」の文字からなる本願商標を、その補正後の指定商品中、「カメラを搭載したドローン,産業用ドローン,業務用ドローン,民間用ドローン,無人飛行機」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「産業(用)ドローン」であると理解、認識するものといえ、本願商標は、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
加えて、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは、明らかである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、「INDUSTRIAL」と「DRONE」を接合したことにより全く新しい意味を含む言葉ができる」など、上記5のとおり主張する。
しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。
そして、たとえ、請求人の意図した意味合いがあったとしても、上記(1)イのとおり、本願商標の構成、及び本願の指定商品に関連する分野において、「INDUSTRIAL DRONE」(Industrial DRONE、Industrial Drone)と称する産業(用)ドローンが販売又は紹介されている実情からすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「産業(用)ドローン」といった商品の品質又は用途を表したものと一般に認識するというべきであり、そのため、本願商標は、当該品質又は用途を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-012412