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特許拒絶査定不服審判

2021-007364

オス型ブレードスタビライザを有する電気コネクタ

審判番号
2021-007364
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-180338外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年06月07日
審決日
2022年09月07日
公報発行日
2023年02月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (H01R) / P18 .575-Z (H01R)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-180338号「オス型ブレードスタビライザを有する電気コネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日出願公開、特開2018- 60784号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年9月20日(パリ条約による優先権主張 2016年9月23日(以下、「優先日」という。)、米国)の出願であって、令和2年10月2日付けで拒絶理由が通知され、令和3年1月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年1月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月7日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、令和4年7月8日に上申書が提出されたものである。

第2 令和3年6月7日付けの手続補正についての補正却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕

令和3年6月7日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕

1.本件補正の内容

(1)本件補正後の請求項1の記載

本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

なお、下線部は補正箇所を示す。

「【請求項1】
オス型ハウジング、および該オス型ハウジングに回転可能に結合されたレバーを有し、該オス型ハウジングが、
1つまたは複数のオス型ブレード端子、および
該オス型ハウジングに対する伸長位置から該オス型ハウジングに対する引き込み位置まで動かすことができるオス型ブレードスタビライザ
を含み、該オス型ブレードスタビライザが1つまたは複数の開口を含み、該オス型ブレードスタビライザが該引き込み位置にあるとき該開口を通って該1つまたは複数のオス型ブレード端子それぞれが伸長し、該オス型ブレードスタビライザが該伸長位置にあるとき該オス型ブレードスタビライザが該1つまたは複数のオス型ブレード端子を保護し、該オス型ブレードスタビライザが保持機構を含み、
該レバーが、該レバーに対して弾性的に撓むことができるレバーロックを含み、該レバーロックが、該オス型ブレードスタビライザの該保持機構と選択的に係合して、該オス型ハウジングに対する該オス型ブレードスタビライザの動きを制限するとともに、該オス型ハウジングと選択的に係合し、該レバーの回転を制限する、
オス型コネクタ;ならびに
該オス型コネクタと選択的に係合するように構成され、かつ該オス型コネクタの該オス型ハウジングと相補的なメス型ハウジングを有し、該メス型ハウジングが該オス型ハウジングの中にプリセット位置まで挿入されるとき、該メス型ハウジングが該レバーの該レバーロックを弾性的に撓ませ、オス型ハウジングに対するレバーの回転がメス型ハウジングをプリセット位置からフルセット位置まで駆動し、該メス型ハウジングが該フルセット位置にあるときオス型ブレードスタビライザが引き込み位置にある、
メス型コネクタ
を含む、コネクタアセンブリ。」

(2)本件補正前の請求項1の記載

本件補正前の、令和3年1月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
オス型ハウジング、および該オス型ハウジングに回転可能に結合されたレバーを有し、該オス型ハウジングが、
1つまたは複数のオス型ブレード端子、および
該オス型ハウジングに対する伸長位置から該オス型ハウジングに対する引き込み位置まで動かすことができるオス型ブレードスタビライザ
を含み、該オス型ブレードスタビライザが1つまたは複数の開口を含み、該オス型ブレードスタビライザが該引き込み位置にあるとき該開口を通って該1つまたは複数のオス型ブレード端子それぞれが伸長し、該オス型ブレードスタビライザが該伸長位置にあるとき該オス型ブレードスタビライザが該1つまたは複数のオス型ブレード端子を保護し、該オス型ブレードスタビライザが保持機構を含み、
該レバーが、該レバーに対して弾性的に撓むことができるレバーロックを含み、該レバーロックが、該オス型ブレードスタビライザの該保持機構と選択的に係合して、該オス型ハウジングに対する該オス型ブレードスタビライザの動きを制限するとともに、該オス型ハウジングと選択的に係合し、該レバーの回転を制限する、
オス型コネクタ;ならびに
該オス型コネクタと選択的に係合するように構成され、かつ該オス型コネクタの該オス型ハウジングと相補的なメス型ハウジングを有し、該メス型ハウジングが該オス型ハウジングの中にプリセット位置まで挿入されるとき、該メス型ハウジングが該レバーの該レバーロックを弾性的に撓ませる、
メス型コネクタ
を含む、コネクタアセンブリ。」

2.補正の目的の適否及び新規事項の追加の有無について

本件補正は、補正前の請求項1に係る発明におけるレバーの回転について、「オス型ハウジングに対するレバーの回転がメス型ハウジングをプリセット位置からフルセット位置まで駆動し、該メス型ハウジングが該フルセット位置にあるときオス型ブレードスタビライザが引き込み位置にある」との限定を付加するものであり、補正の前後において発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

また、本件補正により付加された事項は、願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項7及び16並びに明細書の段落【0028】の記載から導かれる事項であり、特許法第17条の2第3項の規定に適合するとともに、同条第4項の規定に違反するところはない。

3.独立特許要件について

上記のとおり、本件補正の請求項1に関する補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるところ、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下検討する。

(1)本願補正発明

本願補正発明は、上記1.(1)に記載したとおりのものと認める。

(2)引用文献に記載された事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-42455号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

なお、下線は当審で付したものである。

ア

「【請求項1】
第1のコネクタ本体と、上記第1のコネクタ本体に連結し、嵌合軸の周囲に配置されたコネクタ筐体空洞を規定する被覆部材とを備える第1のコネクタ筐体であって、上記第1のコネクタ本体は、上記嵌合軸に対して平行に形成されている、上記コネクタ筐体空洞と交差する複数の第1の端子開口部を規定している、第1のコネクタ筐体;
上記第1のコネクタ筐体へ固定して連結されている複数のオス端子であって、各オス端子は上記第1の端子開口部の1つに収容されており、上記コネクタ筐体空洞の中へ延びる部分を有する、複数のオス端子;
上記第1のコネクタ筐体の向かい合った側面に配置されている一組のロックタブであって、各ロックタブは、第1のロック歯、第2のロック歯および第1のロック歯と第2のロック歯との間に配置されたロック凹部を有し、各第1のロック歯は関連するロックタブの1つの遠位端に配置されている、一組のロックタブ;および
続きを表示(全15行)
上記コネクタ筐体空洞でスライド可能に収容されており、上記嵌合軸に沿って移動可能であり、本体、上記本体を貫いて形成されている複数の端子開口部および一組のロック突起を備えているオス端子保護部材であって、上記端子開口部は、上記オス端子に即応して配置されており、上記ロック突起は、上記オス端子保護部材が上記嵌合軸に沿って上記オス端子に向かうように移動させられるときに上記ロックタブを上記第1のコネクタ筐体から外側にそらせるように構成されており、上記ロック突起は、上記オス端子保護部材を保護部材プリセット位置に置くように上記ロック凹部に配置される、オス端子保護部材;を備えており、
上記オス端子保護部材が上記保護部材プリセット位置にある場合、上記コネクタ筐体空洞の中へ延びる上記オス端子の一部は、第1のコネクタ本体と上記オス端子保護部材との間に配置され;
上記オス端子保護部材は、上記嵌合軸に沿って上記第1のコネクタ本体に向かい、上記オス端子の一部が上記オス端子保護部材を通して延びる上記保護部材フルセット位置の中へ移動可能である、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
第2のコネクタ筐体および複数のメス端子をさらに含み、上記第2のコネクタ筐体は複数の第2の端子開口部を規定し、上記各メス端子は対応する上記第2の端子開口部に収容され、上記第2のコネクタ筐体は上記コネクタ筐体空洞に収容され、上記嵌合軸に沿ってコネクタプリセット位置とコネクタフルセット位置との間で上記第1のコネクタ筐体に対して移動可能であり、上記第2のコネクタ筐体は、上記第2のコネクタ筐体が上記コネクタプリセット位置にある場合に上記ロック凹部から上記ロック突起が外れるように上記ロックタブをそらし、上記オス端子は、上記第2のコネクタ筐体が上記コネクタフルセット位置にある場合に上記メス端子の中へ収容されている、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
上記第1のコネクタ筐体および上記第2のコネクタ筐体の一方に旋回可能に連結されているレバーをさらに備えており、上記コネクタプリセット位置から上記コネクタフルセット位置への上記第2のコネクタ筐体14の移動に付随する、上記第1のコネクタ筐体および上記第2のコネクタ筐体の間での相対運動を引き起こすように上記第1のコネクタ筐体および上記第2のコネクタ筐体の他方をはめ込むように上記レバーが構成されている、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
上記レバーが上記第1のコネクタ筐体に旋回可能に連結されている、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
上記ロックタブは上記レバーとともに旋回運動するように上記レバーへ連結されている、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。」

イ

「【0010】
図1および2を参照して、本開示の教示に従って構成されたコネクタアセンブリは、部材番号10によって示される。コネクタアセンブリ10は、第1のコネクタ筐体12、第2のコネクタ筐体14、複数のオス端子16、複数のメス端子18、レバー20、一組のロックタブ22、およびオス端子保護部材24を含み得る。
【0011】
図2および3で、第1のコネクタ筐体12は、第1のコネクタ本体30および第1のコネクタ本体30に連結されている被覆部材32を有し得る。被覆部材32は嵌合軸36の周囲に配置されるコネクタ筐体空洞34を規定し得る。第1のコネクタ本体30は、嵌合軸36に対して平行に形成されコネクタ筐体空洞34と交差する、複数の第1の端子開口部38を規定することができる。
続きを表示(全22行)
【0012】
第2のコネクタ筐体14は、複数の第2の端子開口部40を規定し得、コネクタ筐体空洞34の中へ収容される大きさであり、嵌合軸36に沿ってコネクタプリセット位置とコネクタフルセット位置の間で第1のコネクタ筐体12に対してスライド可能である。
【0013】
オス端子16は第1のコネクタ筐体12に固定して連結されている。各オス端子16は第1のオス端子開口部38の一つに収容されており、コネクタ筐体空洞34の中へ延伸する部分44を有する。
【0014】
各メス端子18は、第2のコネクタ筐体14の対応する第2のメス端子開口部40の一つに収容されている。メス端子18は、より詳しく後述されるように、オス端子16をはめ込むように構成されている。
【0015】
レバー20は、第1のコネクタ筐体12および第2のコネクタ筐体14の一方に旋回可能に連結され得、第1のコネクタ筐体12および第2のコネクタ筐体14の他方をはめ込むように構成され得、これにより第1のコネクタ筐体12および第2のコネクタ筐体14の間で相対運動を引き起こし、これは、コネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置への第2のコネクタ筐体14の移動に付随するものである。提供された特定の例において、レバー20は第1のコネクタ筐体12に旋回可能に連結されており、第1のコネクタ本体30へ第2のコネクタ筐体14を引き寄せるように(言い換えれば、コネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置へ)、第2のコネクタ筐体をはめ込むように構成されている。
【0016】
ロックタブ22は、第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に配置され得る。各ロックタブ22は第1のロック歯50、第2のロック歯52、および第1のロック歯50と第2のロック歯52との間に配置されているロック凹部54を有し得る。第1のロック歯50は、第2のロック歯52より大きな度合でコネクタ筐体空洞34の中へ突出し得る。この点について、第1のロック歯50の間の間隔が第2のロック歯52を横切る間隔より比較的大きくなるように、第1のロック歯50は第2のロック歯52より比較的大きくなっていることができる。各第1のロック歯50は、関連するロックタブの一つの遠位端56に配置され得る。各ロックタブ22の近位端58は、他の構造へ弾性的に取り付けられ得る。提供された特定の例において、ロックタブ22はレバー20と一体的に形成されているが、別の手段においてロックタブ22は第1のコネクタ筐体12に直接形成され得ることが十分に理解できるだろう。
【0017】
図2から図5において、オス端子保護部材24はコネクタ筐体空洞34にスライド可能に収容され得、第1のコネクタ本体30と第2のコネクタ筐体14とのあいだに配置され得る。オス端子保護部材24は嵌合軸36に沿って移動可能であり得、本体60、複数の端子開口部62および一組のロック突起64を有し得る。端子開口部62は本体60を貫いて形成され得、オス端子16に即応して配置され得る。ロック突起64は、オス端子保護部材24が嵌合軸36に沿ってオス端子16に向かうように移動させられる場合に、ロックタブ22を第1のコネクタ筐体12から外側にそらせるように構成されている。ロック突起64は、保護部材プリセット位置においてオス端子保護部材24を第1のコネクタ筐体12に対して位置を合わせるように、ロック凹部54へ収容され得る。コネクタ筐体空洞34の中へ延びるオス端子15の部分44は、オス端子保護部材24が保護部材プリセット位置にある場合、第1のコネクタ本体30とオス端子保護部材24の間に配置されている。オス端子保護部材24は嵌合軸に沿って第1のコネクタ本体30に向かい、オス端子16の部分がオス端子保護部材24を通して延びている保護部材フルセット位置の中へ移動し得る。
【0018】
主用途において、オス端子16は関連する第1のワイヤーハーネス72の導線70と連結され得、第1のコネクタ筐体12へ取り付けられ得る。オス端子保護部材24はコネクタ筐体空洞34へ収容され得、ロックタブ22がオス端子保護部材24を保護部材プリセット位置に保持し得るように、ロックタブ22にはめ込まれている。当業者は、ロック突起64と第2のロック歯52の間の接触が嵌合軸36に沿った保護部材フルセット位置へのオス端子保護部材24の移動を抑制し得ることを十分に理解するだろう。当業者は、そのように位置合わせされた場合、オス端子保護部材は、オス端子の端とアセンブリ技術者の指等の他の物体との間の意図されない接触を防げることもまた十分に理解するだろう。メス端子18は同様に第2のワイヤーハーネス76の導線74と連結され得、第2のコネクタ筐体14へ取り付けられ得る。図6に示されるように、第2のコネクタ筐体14はコネクタ筐体空洞34に対して整列され得、第2のコネクタ筐体14をコネクタプリセット位置に位置合わせするように、嵌合軸36に沿って第1のコネクタ筐体12に対してスライドされ得る。コネクタプリセット位置において、メス端子18はオス端子16にはめ込まれておらず、オス端子16と接触していない。
【0019】
図2、6および7に関して、第2のコネクタ筐体14のコネクタプリセット位置の中への移動は、ロックタブ22の遠位端56を外側にそらせることを引き起こす、第2のコネクタ筐体14とロックタブ22との接触を引き起こし得る。これは、第2のロック歯52が保護部材フルセット位置に向かうオス端子保護部材24の移動を妨げないように、ロック突起64が第1のロック歯50および第2のロック歯52から外れるようにしたものである。上述したように、第1のロック歯50は、第2のロック歯52より大きな度合でコネクタ筐体34の中へ突出している。そうであるため、それらが第2のコネクタ筐体14をそれらの間へ収容するために広がって離れる場合、特にメス端子18が最初にオス端子16に接触しているときに、第2のロック歯52は、邪魔されない形でオス端子保護部材24を第1のコネクタ本体30に向かってスライドさせるのに十分な間隔で、本質的に広がって離れている。
【0020】
従って、コネクタアセンブリ10は、第2のコネクタ筐体14を第1のコネクタ筐体へ嵌合させるのに必要な力がオス端子保護部材24の影響を受けないように、オス端子保護部材24が第1のコネクタ筐体12からロック解除され得るように構成されている(第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置に位置合わせされている場合)。レバー20は第2のコネクタ筐体14を第1のコネクタ本体30へ向かい且つコネクタフルセット位置の中へ引くように回転され得る。第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置へ移動される際に、オス端子16がメス端子18にはめ込まれることはよく理解されるだろう。」

ウ

【図1】

[図:0001393539000001.jpg]

エ

【図2】

[図:0001393539000002.jpg]

オ

【図3】

[図:0001393539000003.jpg]

カ

【図4】

[図:0001393539000004.jpg]

キ

【図5】

[図:0001393539000005.jpg]

ク

【図6】

[図:0001393539000006.jpg]

ケ

【図7】

[図:0001393539000007.jpg]

【図1】から「レバー20」は第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に位置していることを看取でき、上記段落【0015】の「レバー20は第1のコネクタ筐体12に旋回可能に連結されており」との記載と合わせ見れば、レバー20は「第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に旋回可能に連結されている」と認められる。

以上の記載事項及び認定事項から、引用文献には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

〔引用発明〕

「第1のコネクタ本体30と、上記第1のコネクタ本体30に連結し、嵌合軸36の周囲に配置されたコネクタ筐体空洞34を規定する被覆部材32とを備える第1のコネクタ筐体12、
上記第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に旋回可能に連結されているレバー20、
上記レバー20に弾性的に一体的に形成され、第1のロック歯50、第2のロック歯52、および第1のロック歯50と第2のロック歯52との間に配置されているロック凹部54を有し、第1のロック歯50は、第2のロック歯52より大きな度合でコネクタ筐体空洞34の中へ突出した、一組のロックタブ22、
上記第1のコネクタ筐体12へ固定して連結され、上記コネクタ筐体空洞34の中へ延びる部分を有する、複数のオス端子16、および
続きを表示(全13行)
上記コネクタ筐体空洞34でスライド可能に収容されており、上記嵌合軸36に沿って移動可能であり、本体60、上記本体60を貫いて形成されている複数の端子開口部62および一組のロック突起64を備え、上記端子開口部62は、上記オス端子16に即応して配置されており、上記ロック突起64は、オス端子保護部材24を保護部材プリセット位置に置くように上記ロック凹部54に収容される、オス端子保護部材24、を備えており、
上記オス端子保護部材24が上記保護部材プリセット位置にある場合、上記コネクタ筐体空洞34の中へ延びる上記オス端子16の一部は、第1のコネクタ本体30と上記オス端子保護部材24との間に配置され;
上記オス端子保護部材24は、上記嵌合軸36に沿って上記第1のコネクタ本体30に向かい、上記オス端子16の一部が上記オス端子保護部材24を通して延びる保護部材フルセット位置の中へ移動可能であり、
複数のメス端子18を収容した第2のコネクタ筐体14をさらに含み、
上記第2のコネクタ筐体14は上記コネクタ筐体空洞34に収容され、上記嵌合軸36に沿ってコネクタプリセット位置とコネクタフルセット位置との間で上記第1のコネクタ筐体12に対して移動可能であり、
上記第2のコネクタ筐体14は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタプリセット位置にある場合に上記ロック凹部54から上記ロック突起64が外れるように上記ロックタブ22をそらし、
上記オス端子16は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタフルセット位置にある場合に上記メス端子18の中へ収容され、
上記レバー20は上記第2のコネクタ筐体14を上記第1のコネクタ筐体12内のコネクタフルセット位置へ引くように回転され、第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置へ移動される際に、オス端子16がメス端子18にはめ込まれる、
コネクタアセンブリ。」

(3)対比・判断

ア 対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。

後者の「第1のコネクタ本体30と、上記第1のコネクタ本体30に連結し、嵌合軸36の周囲に配置されたコネクタ筐体空洞34を規定する被覆部材32とを備える第1のコネクタ筐体12」は、「オス端子16」が「上記第1のコネクタ筐体12へ固定して連結され」ているので、前者の「オス型ハウジング」に相当する。

後者の「上記第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に旋回可能に連結されているレバー20」は、前者の「該オス型ハウジングに回転可能に結合されたレバー」に相当する。

後者の「複数のオス端子16」は、前者の「1つまたは複数のオス型ブレード端子」に相当する。

後者の「コネクタ筐体空洞34でスライド可能に収容されており、上記嵌合軸36に沿って移動可能」な「オス端子保護部材24」は、前者の「該オス型ハウジングに対」し「動かすことができるオス型ブレードスタビライザ」に相当する。

後者の「オス端子保護部材24」が「本体60を貫いて形成されている複数の端子開口部62」を備えることは、前者の「オス型ブレードスタビライザが1つまたは複数の開口を含」むことに相当する。

後者のオス端子保護部材24が「保護部材フルセット位置」にあるときには、「上記オス端子16の一部が上記オス端子保護部材24を通して延びる」ものであり、オス端子保護部材24がオス端子16に即応して配置された端子開口部62を備えるものであるので、オス端子16は端子開口部62を通して延びているといえる。対して、前者のオス型ブレードスタビライザが「オス型ハウジングに対する引き込み位置」にあるときには、「該開口を通って該1つまたは複数のオス型ブレード端子それぞれが伸長」するものである。そうすると、後者の「上記オス端子16の一部が上記オス端子保護部材24を通して延びる」ことは、前者の「該開口を通って該1つまたは複数のオス型ブレード端子それぞれが伸長」することに相当し、後者の「保護部材フルセット位置」は、前者の「オス型ハウジングに対する引き込み位置」に相当する。

後者の「上記オス端子保護部材24が上記保護部材プリセット位置にある場合」には、「上記コネクタ筐体空洞34の中へ延びる上記オス端子16の一部は、第1のコネクタ本体30と上記オス端子保護部材24との間に配置され」るものであり、オス端子保護部材24がオス端子16を保護しているといえる。対して、前者のオス型ブレードスタビライザが「オス型ハウジングに対する伸長位置」にあるときには、「該オス型ブレードスタビライザが該1つまたは複数のオス型ブレード端子を保護」するものである。そうすると、後者の「上記コネクタ筐体空洞34の中へ延びる上記オス端子16の一部は、第1のコネクタ本体30と上記オス端子保護部材24との間に配置され」ることは、前者の「該オス型ブレードスタビライザが該1つまたは複数のオス型ブレード端子を保護」することに相当し、後者の「保護部材プリセット位置」は、前者の「オス型ハウジングに対する伸長位置」に相当する。

後者の「オス端子保護部材24」は「保護部材プリセット位置」から「保護部材フルセット位置」に移動可能であるので、前者のオス型ブレードスタビライザが「オス型ハウジングに対する伸長位置からオス型ハウジングに対する引き込み位置まで動かすことができる」構成を備えている。

後者の「一組のロック突起64」は、前者の「保持機構」に相当し、後者の「オス端子保護部材24」が「一組のロック突起64」を備えることは、前者の「オス型ブレードスタビライザが保持機構を含」むことに相当する。

後者の「上記レバー20に弾性的に一体的に形成され」ている「一組のロックタブ22」は、前者の「該レバーに対して弾性的に撓むことができるレバーロック」に相当し、後者の「レバー20に」「ロックタブ22」が「一体的に形成されている」ことは、前者の「レバーが、」「レバーロックを含」むことに相当する。

後者のオス端子保護部材24の「ロック突起64」がロックタブ22の「ロック凹部54に収容される」ことは、ロックタブ22がロック突起64と係合することといえる。また、後者の「上記第2のコネクタ筐体14は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタプリセット位置にある場合に上記ロック凹部54から上記ロック突起64が外れるように上記ロックタブ22をそら」すことは、ロック突起64とロック凹部54との係合が解除されることといえる。そうすると、後者のロック凹部54を備えた「一組のロックタブ22」とロック突起64を備えた「オス端子保護部材24」とは、係合している状態と係合が解除されている状態とを選択的にとりうるものといえ、前者の「レバーロックが、オス型ブレードスタビライザの保持機構と選択的に係合」する構成を備えているといえる。そして、後者の「上記ロック突起64は、上記オス端子保護部材24を保護部材プリセット位置に置くように上記ロック凹部54に収容される」ことは、「保護部材プリセット位置においてオス端子保護部材24を第1のコネクタ筐体12に対して位置を合わせる」(引用文献の段落【0017】参照。)ことであり、前者の「オス型ハウジングに対するオス型ブレードスタビライザの動きを制限する」ことに相当する。

後者の「第1のコネクタ筐体12」、「レバー20」、「ロックタブ22」、「複数のオス端子16」及び「オス端子保護部材24」は、前者の「オス型コネクタ」を構成しているといえる。

後者の「複数のメス端子18を収容した第2のコネクタ筐体14」は、前者の「メス型ハウジング」に相当する。

後者は「上記第2のコネクタ筐体14は上記コネクタ筐体空洞34に収容され、上記嵌合軸36に沿ってコネクタプリセット位置とコネクタフルセット位置との間で上記第1のコネクタ筐体12に対して移動可能であり」、「上記オス端子16は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタフルセット位置にある場合に上記メス端子18の中へ収容され」、「第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置へ移動される際に、オス端子16がメス端子18にはめ込まれる」ものであるので、オス端子16が固定された第1のコネクタ筐体12とメス端子18を収容した第2のコネクタ筐体14とは、第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置において係合していないものが、コネクタフルセット位置において係合するものといえ、第1のコネクタ筐体12と第2のコネクタ筐体14とは、その端子同士が係合・非係合の状態をとりうるものであるので、選択的に係合するものといえる。また、コネクタ同士が相補的な形状であることは技術常識といえる。そうすると、後者の「上記第2のコネクタ筐体14」が第1のコネクタ筐体12の「上記コネクタ筐体空洞34に収容され、上記嵌合軸36に沿ってコネクタプリセット位置とコネクタフルセット位置との間で上記第1のコネクタ筐体12に対して移動可能であ」ることは、前者の「メス型ハウジング」が「該オス型コネクタと選択的に係合するように構成され、かつ該オス型コネクタの該オス型ハウジングと相補的な」ことに相当する。

後者のコネクタ筐体空洞34の嵌合軸34に沿った「コネクタプリセット位置」は、前者のオス型ハウジングの中の「プリセット位置」に相当し、後者の「上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタプリセット位置にある場合」は、前者の「該メス型ハウジングが該オス型ハウジングの中にプリセット位置まで挿入されるとき」に相当する。そして、後者の第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置にある場合に「上記第2のコネクタ筐体14は、」「上記ロック凹部54から上記ロック突起64が外れるように上記ロックタブ22をそら」すことは、前者の該メス型ハウジングが該オス型ハウジングの中にプリセット位置まで挿入されるとき「該メス型ハウジングが該レバーの該レバーロックを弾性的に撓ませ」ることに相当する。

後者の「上記レバー20は上記第2のコネクタ筐体14を上記第1のコネクタ筐体12内のコネクタフルセット位置へ引くように回転され」ることは、レバー20が第1のコネクタ筐体に対して旋回するので、前者の「オス型ハウジングに対するレバーの回転がメス型ハウジングをプリセット位置からフルセット位置まで駆動」することに相当する。

後者は「第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置からコネクタフルセット位置へ移動される際に、オス端子16がメス端子18にはめ込まれる」ものであり、「上記オス端子16は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタフルセット位置にある場合に上記メス端子18の中へ収容され」るので、第2のコネクタ筐体14がコネクタフルセット位置にあるときには、オス端子保護部材24はオス端子16の一部を通して延びる「保護部材フルセット位置」にあるといえる。そうすると、後者の「上記オス端子16は、上記第2のコネクタ筐体14が上記コネクタフルセット位置にある場合に上記メス端子18の中へ収容され」るときには、オス端子保護部材24は保護部材フルセット位置にあり、前者の「該メス型ハウジングが該フルセット位置にあるときオス型ブレードスタビライザが引き込み位置にある」構成を備えているといえる。

後者の「第2のコネクタ筐体14」は、複数のメス端子18を収容しているので、前者の「メス型コネクタ」を構成しているといえる。

後者の「コネクタアセンブリ」は、前者の「コネクタアセンブリ」に相当する。

そうすると、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

〔一致点〕

「オス型ハウジング、および該オス型ハウジングに回転可能に結合されたレバーを有し、該オス型ハウジングが、
1つまたは複数のオス型ブレード端子、および
該オス型ハウジングに対する伸長位置から該オス型ハウジングに対する引き込み位置まで動かすことができるオス型ブレードスタビライザ
を含み、該オス型ブレードスタビライザが1つまたは複数の開口を含み、該オス型ブレードスタビライザが該引き込み位置にあるとき該開口を通って該1つまたは複数のオス型ブレード端子それぞれが伸長し、該オス型ブレードスタビライザが該伸長位置にあるとき該オス型ブレードスタビライザが該1つまたは複数のオス型ブレード端子を保護し、該オス型ブレードスタビライザが保持機構を含み、
該レバーが、該レバーに対して弾性的に撓むことができるレバーロックを含み、該レバーロックが、該オス型ブレードスタビライザの該保持機構と選択的に係合して、該オス型ハウジングに対する該オス型ブレードスタビライザの動きを制限する、
オス型コネクタ;ならびに
該オス型コネクタと選択的に係合するように構成され、かつ該オス型コネクタの該オス型ハウジングと相補的なメス型ハウジングを有し、該メス型ハウジングが該オス型ハウジングの中にプリセット位置まで挿入されるとき、該メス型ハウジングが該レバーの該レバーロックを弾性的に撓ませ、オス型ハウジングに対するレバーの回転がメス型ハウジングをプリセット位置からフルセット位置まで駆動し、該メス型ハウジングが該フルセット位置にあるときオス型ブレードスタビライザが引き込み位置にある、
メス型コネクタ
を含む、コネクタアセンブリ。」

〔相違点〕

本願補正発明は、レバーロックが「該オス型ハウジングと選択的に係合し、該レバーの回転を制限する」ものであるのに対して、引用発明は、ロックタブ22が第1のコネクタ筐体12と係合するとは特定されていない点。

イ 判断

上記相違点について以下検討する。

(ア)引用発明の構造上、当然に、レバー20の回転は制限されること

引用発明は、「上記第1のコネクタ筐体12の向かい合った側面に旋回可能に連結されているレバー20」と、「上記レバー20に弾性的に一体的に形成され、第1のロック歯50、第2のロック歯52、および第1のロック歯50と第2のロック歯52との間に配置されているロック凹部54を有し、第1のロック歯50は、第2のロック歯52より大きな度合でコネクタ筐体空洞34の中へ突出した、一組のロックタブ22」とを備えるものである。

また、引用発明は、「オス端子保護部材24」の「ロック突起64」が「オス端子保護部材24を保護部材プリセット位置に置くように上記ロック凹部54に収容される」ものである。

引用発明において、オス端子保護部材24が保護部材プリセット位置にあるとき、オス端子保護部材24のロック突起64がロックタブ22のロック凹部54に収容される。このときロック凹部54を間に形成する第1のロック歯50と第2のロック歯52とは、「第1のロック歯50は、第2のロック歯52より大きな度合でコネクタ筐体空洞34の中へ突出した」ものであり、引用文献の【図2】、【図5】から、ロック突起64がロック凹部54に収容された状態においては、第1のロック歯50及び第2のロック歯52が第1のコネクタ筐体12のコネクタ筐体空洞34内に突出し、第1のロック歯50及び第2のロック歯52の下方が第1のコネクタ筐体12の側面に掛かっていることを看取でき、当該状態においては、レバー20の下方への回転は制限されているといえる。

また、引用発明においては、第2のコネクタ筐体14がコネクタプリセット位置にある場合にロック凹部54からロック突起64が外れるようにロックタブ22をそらすものであり、引用文献の【図6】、【図7】から、第2のコネクタ筐体14がロックタブ22をそらした状態においては、第1のロック歯50及び第2のロック歯52が第1のコネクタ筐体12の側面に掛かっている状態を脱していることを看取できる。

そうすると、引用発明のロックタブ22は、第1のコネクタ筐体12に掛かっている状態をそうでない状態とを選択的にとりうるものであり、掛かっている状態おいては、レバー20の回転が制限されているものといえることから、引用発明は、相違点に係る本願補正発明の構成を備えているといえる。

(イ)レバー20の回転が第2のコネクタ筐体14をコネクタフルセット位置へ引くものであることを考慮しても、制限されること

引用文献の【図1】から、図面における右側のレバー20に形成されている溝内に、第2のコネクタ筐体14の側面から突出する突起が入り込んでいることを看取でき、また、【図3】から、レバー20の溝は上方に湾曲していることを看取できる。

引用発明は、「上記レバー20は上記第2のコネクタ筐体14を上記第1のコネクタ筐体12内のコネクタフルセット位置へ引くように回転され」るものであるが、引用文献にはその機序が詳細に記載されていない。

ここで、一方のコネクタに設けたレバーの溝に、他方のコネクタに設けたピンを案内し、レバーの回転操作により、一方のコネクタに他方のコネクタを引き込む構造が、本願の優先日前に技術常識といえることに照らせば(例えば、特開平8-180925号公報の段落【0009】、【0019】、【図1】、【図5】、【図6】に記載の「レバー13」、「引き込み溝13a1」「突起11e」、特開平6-231830号公報の段落【0010】、【0011】、【図4】、【図5】に記載の「レバーB」、「駆動カム溝6」、「被駆動ピン8」を参照。)、上述の引用文献の【図1】、【図3】に記載の構造においては、レバー20の回転に伴い、レバー20の溝内に入り込んだ第2のコネクタ筐体14の突起が案内され、第1のコネクタ筐体12内に第2のコネクタ筐体14に引き込むものと理解でき、レバー20の溝の向きから見て、レバー20は【図1】において手前側が下方に回転するものといえる。

そして、上記(ア)で述べたとおり、引用発明においては、オス端子保護部材24が保護部材プリセット位置にあり、オス端子保護部材24のロック突起64がロックタブ22のロック凹部54に収容されるとき、第1のロック歯50及び第2のロック歯52の下方が第1のコネクタ筐体12の側面に掛かっていることから、上述のレバー20の回転方向に鑑みれば、第1のコネクタ筐体12に突出したロックタブ22は、レバー20の手前側の下方への回転を制限しているものと認められる。

そうすると、引用発明のレバー20の回転方向を検討しても、引用発明は、相違点に係る本願補正発明の構成を備えているといえる。

以上のとおりであるので、本願補正発明は、引用文献に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~20に係る発明は、令和3年1月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1.(2)に記載されたとおりのものである。

2.原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、概略以下のとおりである。

理由1:この出願の請求項1~20に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2:この出願の請求項1~20に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献:特開2016-42455号公報

3.引用文献に記載された事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献に記載された事項及び引用発明は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。

4.対比・判断

本願発明は、前記第2の2.で検討した本願補正発明から、「オス型ハウジングに対するレバーの回転がメス型ハウジングをプリセット位置からフルセット位置まで駆動し、該メス型ハウジングが該フルセット位置にあるときオス型ブレードスタビライザが引き込み位置にある」との限定を省いたものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2の3.(3)に記載したとおり、引用文献に記載された発明であるから、本願補正発明から上述の他の事項を省いた本願発明も、引用文献に記載された発明であるといえる。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-007364

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