2021-007339
ジェスチャベースインタラクションのための方法およびシステム
- 審判番号
- 2021-007339
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-511905外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月07日
- 審決日
- 2022年07月26日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人明成国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、2017年(平成29年)9月6日(パリ条約による優先権主張2016年9月29日、中国、2017年9月5日、米国)を国際出願日とする出願であって、令和2年7月17日付けで拒絶理由が通知され、令和2年12月3日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年2月24日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和3年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、その後、令和4年3月23日付けで当審より拒絶理由が通知され(以下、「当審拒絶理由」という。)、令和4年6月20日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年2月24日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-32に係る発明は、以下の引用文献A-Bに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.国際公開第2016/029180号
B.中国特許出願公開第105975158号明細書
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
本願請求項1-2、4-6、8-11、13-15、17-32に係る発明は、以下の引用文献1-2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.4Gamer.net,「ハドソン,Kinect専用タイトル第1弾「DECA SPORTA FREEDOM」を12月16日に発売。この冬は世界中のプレイヤーと10種目の競技で対戦しよう」,[online],インターネット・アーカイブ ウェイバック・マシン(Internet Archive Wayback Machine)の保存日:2010年9月15日,[2022年3月15日検索],インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20100915000000*/https://www.4gamer.net/games/119/G011988/20100908045/>(当審において新たに引用した文献)
2.根津 禎,「Kinectに見るジェスチャー入力の可能性」,日経エレクトロニクス 第1046号、日経BP社,2010年12月27日,第73~85頁(当審において新たに引用した文献)
第4 本願発明
本願請求項1-21に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明21」という。)は、令和4年6月20日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1、9、11は、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】方法であって、ユーザの指関節の状態を認識することを含む、ジェスチャ認識を実行し、異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し、アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定し、前記ジェスチャは、前記ユーザによって実行され、仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出され、前記アプリケーションシナリオの下でジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定することは、続きを表示(全27行)アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得し、前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されており、表示される前記仮想オブジェクトを出力し、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記ジェスチャ内の前記ユーザの指関節の前記状態に応じて、前記仮想オブジェクトの前記異なる位置に、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせることを含む、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせること、を備える、方法。【請求項9】方法であって、ジェスチャを取得するためにジェスチャ認識技術を実行し、前記ジェスチャを取得するためにジェスチャ認識技術を実行することは、ユーザの指関節の状態を認識することを含み、異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトを、前記ジェスチャに関連付けられている動作させ、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトを、前記ジェスチャに関連付けられている動作させることは、前記ジェスチャ内の前記ユーザの指関節の前記状態に応じて、前記仮想オブジェクトの対応する位置に、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせることを含み、アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定し、前記ジェスチャは、前記ユーザによって実行され、仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出され、前記アプリケーションシナリオの下でジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定することは、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得し、前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されており、表示される前記仮想オブジェクトを出力し、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更すること、を備える、方法。【請求項11】方法であって、アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下でジェスチャに関連付けられている仮想オブジェクトを決定し、前記ジェスチャは、ユーザによって実行され、仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出され、前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトは、2以上の仮想オブジェクトを含み、前記ジェスチャに関連付けられている前記2以上の仮想オブジェクトが存在するとの判定に応じて、前記ユーザの手における異なる位置は個々の仮想オブジェクトに関連し、前記ユーザの手における前記異なる位置は、前記ユーザの手の異なる指、前記ユーザの手の異なる指関節、または、それらの任意の組みあわせを含み、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定することは、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得し、前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されており、表示される前記仮想オブジェクトを出力し、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更し、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更することは、前記ジェスチャ内の前記ユーザの手における位置の状態に応じて、前記対応する仮想オブジェクトが表示される前記方法を変更することを含む、方法。」
なお、本願発明2-8、10、12-21の概要は以下のとおりである。
本願発明2-8は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明10は、本願発明9を減縮した発明である。
本願発明12-14は、本願発明9を減縮した発明である。
本願発明15は、本願発明1に対応する「コンピュータプログラム」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明16は、本願発明9に対応する「コンピュータプログラム」の発明であり、本願発明9とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明17は、本願発明1に対応する「システム」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明18は、本願発明1に対応する「システム」の発明であり、実質的に、本願発明17に、「ディスプレイ」の構成が付加された発明である。
本願発明19は、本願発明9に対応する「システム」の発明であり、本願発明9とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明20は、本願発明11に対応する「システム」の発明であり、本願発明11とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明21は、本願発明11に対応する「コンピュータプログラム」の発明であり、本願発明11とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
(1) 引用文献1
当審拒絶理由に引用した、本願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった事項を示す、引用文献1には、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。
ア 「ハドソン,Kinect専用タイトル第1弾「DECA SPORTA FREEDOM」を12月16日に発売。」(ホームページの記事タイトル欄)
イ 「ハドソンは本日(9月8日),Xbox 360の新入力デバイスKinect専用ソフト第1弾として「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」を全世界に向けて今秋発売すると発表した。日本での発売は12月16日,価格は6090円(税込)となる。本作は,全世界で累計400万本を突破した「DECA SPORTA」シリーズの最新作だ。Kinectの特性を生かして,コントローラを使用せずに,ボールを投げたり,矢を放ったり,ポーズを決めたりと,手や体を動かしてプレイするのが特徴。本作には,テニス,ボクシング,アーチェリー,ビーチバレー,フィギュアスケート,ドッジボール,剣道,モーグル,スノーボードクロス,ペイントボールといった10種目のスポーツが収録されている。」(ホームページの記事第1行~第14行)
ウ 「[図:0001386965000001.jpg][図:0001386965000002.jpg][図:0001386965000003.jpg]」(ホームページ記事第14行と15行の間に挿入されている画像)
上記画像からは、プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなどをとっている様子が見て取れる。
エ 「プレイヤーは,Xbox 360ダッシュボードで自分で作成したアバターをプレイヤーキャラクターとして使用でき,オンラインで世界中のプレイヤーと対戦を楽しむことができる。この冬は,暖かい部屋の中にいながら10種目の競技を使って,対戦で盛り上がってみてはいかがだろうか。」(ホームページ記事第15行~19行)
オ 「[図:0001386965000004.jpg]アーチェリー[図:0001386965000005.jpg]続きを表示(全22行)モーグル[図:0001386965000006.jpg]スノーボードクロス[図:0001386965000007.jpg]テニス[図:0001386965000008.jpg]ドッジボール[図:0001386965000009.jpg]ビーチバレー[図:0001386965000010.jpg]フィギュアスケート[図:0001386965000011.jpg]ペイントボール[図:0001386965000012.jpg]ボクシング[図:0001386965000013.jpg]剣道」(ホームページ記事第19行に続いて挿入されている画像の一部)
上記画像から、例えば、アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技している様子、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技している様子、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技している様子が、画像に表示されることが見て取れる。
(2) 引用発明
したがって、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「Xbox 360の新入力デバイスKinect専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」は、プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなどをとることで、Kinectの特性を生かして、コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイするのが特徴であり、本作には、テニス、ボクシング、アーチェリー、ビーチバレー、フィギュアスケート、ドッジボール、剣道、モーグル、スノーボードクロス、ペイントボールといった10種目のスポーツが収録され、プレイヤーは、アバターをプレイヤーキャラクターとして使用でき、オンラインで世界中のプレイヤーと対戦を楽しむことができ、アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技し、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技している様子が、画像に表示されるKinect専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」による方法。」
2 引用文献2について
(1) 引用文献2
当審拒絶理由に引用した、本願の優先日前に頒布された刊行物である、引用文献2には、以下の記載がある。
ア 「人間の動き(ジェスチャー)や音声だけでゲームを操作できる米Microsoft Corp.の「Kinect for Xbox 360」。コントローラが一切不要という,消費者に分かりやすい特徴を持つことなどから,2010年11月4日の発売から25日間で250万台を売り上げた。」(第74頁左欄第8行~14行)
イ 「そのジェスチャー入力技術を,コントローラが不要という“究極”にまで進化させたのがKinectである。」(第74頁中央欄下から5行目~3行目)
ウ 「これに対して,Kinectはテレビ側に設置するセンサ装置だけで全身の動きを検出する(図1)。例えばテレビの前で踊るだけでダンス・ゲームを楽しんだり,足を振ってサッカー・ゲームに興じたりできる。」(第74頁右欄第2行~7行)
エ 「Kinectは,Microsoft社が「3D深度センサ」と呼ぶ距離画像センサや可視光カメラ,4個のマイクなどを本体に内蔵する。このうちジェスチャー入力の中核を担うのが,距離画像センサである。同センサを用いることで,距離を含む3次元座標の情報を持った画像データを取得できる。このデータを使って演算処理をし,3次元空間上でのユーザの動きを推定する。距離画像センサが出力するのは,QVGA(320×240画素)で60フレーム/秒のデータとみられる。これを基に,Xbox 360が演算処理を施し,「ジョイント」と呼ぶ人間の腕や足の関節部分,頭やつま先といった部分の動きを追跡する。1ユーザ当たり20カ所のジョイントの動きを検出できる(図2)。このジョイントの動きを基にユーザーの全身の動きを推定して,ゲームキャラクターの操作に応用しているのだ。」(第75頁左欄第13行~第76頁左欄第1行)
オ 「Kinectは,イスラエルのベンチャー企業PrimeSense社が開発した距離画像センサを使っている(前ページの表1)。具体的には,距離画像センサの光源に使う近赤外レーザと近赤外のカメラ,そしてこれらのデバイスを制御し,距離画像データを生成する専用SoC「PS1080」などから成る参照デザインを採用している。」(第76頁左欄下から4行目~同ページ中央欄第5行)
カ 「こうした表示の遅れはユーザーの違和感につながるため,この遅延を隠す工夫がゲーム側でなされている。例えば,ハドソンのスポーツ・ゲーム「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」のビーチバレーでは,ユーザーが操作しなくても,ボールが落ちてくる所に,あらかじめキャラクターを自動的に移動させるようにしている。」(第79頁左欄第8行~17行)
(2) 引用文献2記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
したがって、上記引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2記載事項>
「人間の動き(ジェスチャー)でゲームを操作できる「Kinect for Xbox 360」は、コントローラが一切不要という特徴を持ち、Kinectはテレビ側に設置するセンサ装置だけで全身の動きを検出し、例えばテレビの前で踊るだけでダンス・ゲームを楽しんだり、足を振ってサッカー・ゲームに興じたりでき、Kinectは、距離画像センサや可視光カメラなどを本体に内蔵し、このうちジェスチャー入力の中核を担うのが,距離画像センサであり、同センサを用いることで,距離を含む3次元座標の情報を持った画像データを取得でき、このデータを使って演算処理をし,3次元空間上でのユーザの動きを推定し、ゲームキャラクターの操作に応用しており、具体的には,距離画像センサの光源に使う近赤外レーザと近赤外のカメラ、そしてこれらのデバイスを制御し、距離画像データを生成する専用SoC「PS1080」などから成る参照デザインを採用しているKinect for Xbox 360。」
3 引用文献Aについて
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Aには、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「手袋型インタフェースオブジェクトに関連するシステムであって(段落[0001])、ビデオゲームにおいて、「さまざまな手ポーズ、ジェスチャ、移動」(本願発明の「ジェスチャ」に相当する。以下同様。)を、手袋型インタフェースオブジェクトによって検出して(段落[0150])、例えば、ユーザが手袋型インタフェース・オブジェクトにより「銃」のポーズを作ると、そのようなポーズの検出に応じて、「銃906」(「仮想オブジェクト」)が仮想環境にレンダリングされ(図9A、段落[0151])、ユーザが手袋型インタフェース・オブジェクトにより「V(ピース)」のポーズを作ると、そのようなポーズの検出に応じて、「花914」(「仮想オブジェクト」)が仮想環境に表示され(図9B、段落[0152])、ユーザが手袋型インタフェース・オブジェクトにより「握りこぶし」のポーズを作ると、そのようなポーズの検出に応じて、「剣924」(「仮想オブジェクト」)が仮想環境に表示され(図9C、段落[0153])、ユーザが手袋型インタフェース・オブジェクトにより「親指と小指を伸ばす」ポーズを作ると、そのようなポーズの検出に応じて、「電話934」(「仮想オブジェクト」)が仮想環境に表示されること(図9C、段落[0153])。」
4 引用文献Bについて
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Bには、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「仮想現実インタラクティブ装置であって(段落[0001])、
カメラで取得した画像中の手指の形状を識別して(段落[0024]、[0041])、
手指の形状と仮想ツールとの対応関係を事前に定め、例えば、「はさみ」形状のジェスチャは、仮想ツール「はさみ」に対応し、「ハンマー」形状のジェスチャーは、仮想ツール「ハンマー」に対応すること(段落[0027])
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と、引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
ア 引用発明の「プレイヤーである現実の人間」が、「コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイ」する「矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなど」は、本願発明1の「ジェスチャ」に相当する。
よって、引用発明の「Xbox 360の新入力デバイスKinect専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」を用いて、「プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなどをとることで、Kinectの特性を生かして、コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイする」ことは、ここで「専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」」が「Xbox 360の新入力デバイスKinect」の入力に基づいて、「矢を放つポーズ」などを「認識」していることは明らかであって、本願発明1の「ユーザの指関節の状態を認識することを含む、ジェスチャ認識を実行し、異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し」ていることと、「ジェスチャ認識を実行し」ている点で共通するといえる。
イ
(ア) 引用発明の「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」は、本願発明1の「アプリケーション」に相当する。
そして、引用発明の「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」に「収録され」た、「テニス、ボクシング、アーチェリー、ビーチバレー、フィギュアスケート、ドッジボール、剣道、モーグル、スノーボードクロス、ペイントボールといった10種目のスポーツ」のそれぞれは、本願発明1の「アプリケーションシナリオ」に相当する。
(イ) 引用発明の「アーチェリーの道具」や、「スキー板とストック」、「テニスラケット」は、現実世界のものではなく、「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」が「収録」する「ソフト」上の、すなわち、仮想世界の「スポーツ」の「競技シーン」で「プレイヤーキャラクターとして使用」する「アバター」が、「身に付けて競技」又は「持って競技」するものであるから、本願発明1の「仮想オブジェクト」に相当する。
よって、引用発明における「アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技し、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技をする」構成は、例えば「アーチェリーの競技シーン」では上記「プレイヤー」が「矢を放つポーズ」をとって「手や体を動かしてプレイ」することに関連して、上記仮想世界の「アバター」が「アーチェリーの道具を身に付け」ることになり、また例えば、「テニスの競技シーン」では上記「プレイヤー」が「テニスで玉を打つポーズ」をとって「手や体を動かしてプレイ」することに関連して、上記仮想世界の「アバター」が「テニスラケットを持」つことになるから、本願発明1における「アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定」する構成に相当する。
(ウ)引用発明の「現実の人間」である「プレイヤー」は、本願発明1の「ユーザ」に相当する。よって、上記(イ)を踏まえると、引用発明における「矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなど」は、「プレイヤーである現実の人間」によって、「コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイ」される構成は、本願発明1における「前記ジェスチャは、前記ユーザによって実行され」る構成に相当する。
(エ)引用発明の「Xbox 360の新入力デバイスKinect専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」」を用いて、「プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなどをとることで、Kinectの特性を生かして、コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイする」ことにより、上記仮想世界の「アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技し、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技をする」ことを行わせる構成は、本願発明1の「仮想現実(VR)システム」に相当する。
引用発明において、「プレイヤー」が「手や体を動かしてプレイ」することで「アバターをプレイヤーキャラクターとして使用」するため、引用文献の上記「Xbox 360の新入力デバイスKinect」は「プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなど」を、「検出」していると言える。
したがって、引用発明において、当該「プレイヤー」の「ポーズ」が、「Xbox 360の新入力デバイスKinect」によって「検出」される構成は、本願発明1の「前記ジェスチャは」、「仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出され」る構成とは、「前記ジェスチャは」、「仮想現実(VR)システムによって検出され」る点で共通している。
ウ
(ア) 引用発明では、例えば、「アーチェリーの競技シーン」では、上記「プレイヤー」の「矢を放つポーズ」と、仮想世界の「アバター」が「身に付け」る「アーチェリーの道具」とは、1つの「競技シーン」を形成するように「対応関係」があり、「テニスの競技シーン」では、上記「プレイヤー」の「テニスで玉を打つポーズ」と、仮想世界の「アバター」が持つ「テニスラケット」とは、1つの「競技シーン」を形成するように「対応関係」があるといえる。
したがって、引用発明の「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」における各種の「スポーツ」において、「プレイヤー」の「ポーズ」と、「アバター」が「身に付け」るものとの「対応関係」により、1つの「競技シーン」を形成する構成は、本願発明1の「アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得」する構成に相当する。
(イ) 引用発明における「アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技し、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技をする」構成は、本願発明1における「前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されて」いることと、「前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含」む点で共通するといえる。
エ 引用発明において、例えば、「アーチェリーの競技シーン」で「アーチェリーの道具」が「画像に表示」される構成や、「テニスの競技シーン」で「テニスラケット」が「画像に表示」される構成は、本願発明1の「表示される前記仮想オブジェクトを出力させること」する構成に相当する。
オ 引用発明の「プレイヤーである現実の人間が、矢を放つポーズ、テニスで玉を打つポーズ、フィギュアスケートをしているポーズなどをとることで、Kinectの特性を生かして、コントローラを使用せずに、ボールを投げたり、矢を放ったり、ポーズを決めたりと、手や体を動かしてプレイする」ことにより、上記仮想世界の「アバターは、アーチェリーの競技シーンではアーチェリーの道具を身に付けて競技し、また、モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し、また、テニスの競技シーンではテニスラケットを持って競技をする」構成は、本願発明1の「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記ジェスチャ内の前記ユーザの指関節の前記状態に応じて、前記仮想オブジェクトの前記異なる位置に、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせることを含む、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせること」と、「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせること」である点で共通するといえる。
カ 引用発明の「Kinect専用ソフト「DECA SPORTA FREEDOM(デカスポルタ フリーダム)」による方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「方法」に相当する。
キ 一致点、相違点
よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。
[一致点]
「方法であって、ジェスチャ認識を実行し、アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定し、前記ジェスチャは、前記ユーザによって実行され、仮想現実(VR)システムによって検出され、前記アプリケーションシナリオの下でジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定することは、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得し、前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、表示される前記仮想オブジェクトを出力し、前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせること、を備える、方法。」
[相違点1]
ユーザと仮想オブジェクトとの対応について、本願発明1では、「ユーザの指関節の状態を認識することを含む、ジェスチャ認識を実行し、異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し」ているのに対し、引用発明には、「ユーザの指関節の状態」を認識すること、「異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し」ていることが、特定されていない点。
[相違点2]
ジェスチャは、本願発明1では、「仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出される」のに対し、引用発明には、「Xbox 360の新入力デバイスKinect」が「備えるカメラ」によって検出されることについて、明確な特定がされていない点。
[相違点3]
アプリケーションシナリオの下でのジェスチャと仮想オブジェクトの間の対応関係について、本願発明1では、「前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されて」いるのに対し、引用発明では、明確な特定がされていない点。
[相違点4]
ユーザの状態と仮想オブジェクトの動作との対応について、本願発明1では、「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記ジェスチャ内の前記ユーザの指関節の前記状態に応じて、前記仮想オブジェクトの前記異なる位置に、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせることを含む、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせる」のに対し、引用発明には、「ユーザの指関節の前記状態に応じて」、「仮想オブジェクトの前記異なる位置に」動作をさせることが、特定されていない点。
(2) 当審の判断
事案に鑑みて、「ユーザ」と「仮想オブジェクト」との対応関係について互いに関連する、上記[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]について、まとめて先に検討すると、[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]に係る、本願発明1の「予め規定されているか、または、予め設定され」ている、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャとの対応関係に基づいて決定された「仮想オブジェクト」について、「ユーザの指関節の状態を認識することを含む、ジェスチャ認識を実行し、異なる指関節は、仮想オブジェクト上の異なる位置に対応し」、「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている動作をさせることであって、前記ジェスチャ内の前記ユーザの指関節の前記状態に応じて、前記仮想オブジェクトの前記異なる位置に、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせることを含む、前記仮想オブジェクトに、前記ジェスチャに関連付けられている前記動作をさせる」という構成は、上記引用文献1ないし2には記載されておらず、周知技術であるともいえない。
なお、上記引用文献2には(上記「第5」、「2」を参照。)、「Kinect for Xbox 360」において、「カメラ」によってジェスチャを検出する周知技術は記載されているが、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]に係る構成は記載されていない。
したがって、本願発明1は、[相違点2]を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 請求項2-8、15、17-18について
本願発明2-8、15、17-18も、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 請求項9-10、12-14、16、19について
本願発明9-10、12-14、16、19も、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]に係る構成と実質的に同じ構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
4 請求項11について
(1) 対比
本願発明11と、引用発明とを対比する。
ここで、引用発明において、「モーグルの競技シーンではスキー板とストックを身に付けて競技し」ていることは、本願発明11において、「前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトは、2以上の仮想オブジェクトを含」むことに相当することから、本願発明11と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。
[一致点]
「方法であって、アプリケーションシナリオに基づいて、前記アプリケーションシナリオの下でジェスチャに関連付けられている仮想オブジェクトを決定し、前記ジェスチャは、ユーザによって実行され、仮想現実(VR)システムによって検出され、前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトは、2以上の仮想オブジェクトを含み、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定することは、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係を取得し、前記対応関係に基づいて、前記アプリケーションシナリオの下で前記ジェスチャに関連付けられている前記仮想オブジェクトを決定すること、を含み、表示される前記仮想オブジェクトを出力する、ことを含む、方法。」
[相違点1’]
ユーザと仮想オブジェクトとの対応について、本願発明11では、「前記ジェスチャに関連付けられている前記2以上の仮想オブジェクトが存在するとの判定に応じて、前記ユーザの手における異なる位置は個々の仮想オブジェクトに関連し、前記ユーザの手における前記異なる位置は、前記ユーザの手の異なる指、前記ユーザの手の異なる指関節、または、それらの任意の組みあわせを含」むのに対し、引用発明には、ユーザの手の「異なる指」、「異なる指関節」、「それらの任意の組みあわせ」を含む「前記ユーザの手における異なる位置」が、「個々の仮想オブジェクトに関連し」ていることが、特定されていない点。
[相違点2’]
ジェスチャは、本願発明11では、「仮想現実(VR)システムが備えるカメラによって検出される」のに対し、引用発明には、「Xbox 360の新入力デバイスKinect」が「備えるカメラ」によって検出されることについて、明確な特定がされていない点。
[相違点3’]
アプリケーションシナリオの下でのジェスチャおよび前記仮想オブジェクトの間の対応関係について、本願発明11では、「前記対応関係は、予め規定されているか、または、予め設定されて」いるのに対し、引用発明では、明確な特定がされていない点。
[相違点4’]
ユーザの状態と仮想オブジェクトの動作との対応について、本願発明11では、「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更し、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更することは、前記ジェスチャ内の前記ユーザの手における位置の状態に応じて、前記対応する仮想オブジェクトが表示される前記方法を変更する」のに対し、引用発明には、「ユーザの手における位置」の状態に応じて、「前記対応する仮想オブジェクトが表示される前記方法を変更する」ことが、特定されていない点。
(2) 当審の判断
事案に鑑みて、「ユーザ」と「仮想オブジェクト」との対応関係について互いに関連する、上記[相違点1’]、[相違点3’]及び[相違点4’]について、まとめて先に検討すると、[相違点1’]、[相違点3’]及び[相違点4’]に係る、本願発明11の「予め規定されているか、または、予め設定され」ている、アプリケーションシナリオの下でのジェスチャとの対応関係に基づいて決定された「仮想オブジェクト」について、「前記ジェスチャに関連付けられている前記2以上の仮想オブジェクトが存在するとの判定に応じて、前記ユーザの手における異なる位置は個々の仮想オブジェクトに関連し、前記ユーザの手における前記異なる位置は、前記ユーザの手の異なる指、前記ユーザの手の異なる指関節、または、それらの任意の組みあわせを含み」、「前記ジェスチャに応じて、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更し、前記仮想オブジェクトが表示される方法を変更することは、前記ジェスチャ内の前記ユーザの手における位置の状態に応じて、前記対応する仮想オブジェクトが表示される前記方法を変更する」という構成は、上記引用文献1ないし2には記載されておらず、周知技術であるともいえない。
なお、上記引用文献2には(上記「第5」、「2」を参照。)、「Kinect for Xbox 360」において、「カメラ」によってジェスチャを検出する周知技術は記載されているが、本願発明11の上記[相違点1’]及び[相違点4’]に係る構成は記載されていない。
したがって、本願発明11は、[相違点2’]を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
5 請求項20-21について
本願発明20-21も、本願発明11の上記[相違点1’]、[相違点3’]及び[相違点4’]に係る構成と実質的に同じ構成を備えるものであるから、本願発明11と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
6 当審拒絶理由についてのまとめ
以上のとおりであるから、当審拒絶理由によっては、もはや、本願を拒絶することはできない。
第7 原査定についての判断
令和4年6月20日付けの手続補正により、補正後の請求項1-21は、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点3]及び[相違点4]に係る技術的事項、または、上記[相違点1’]、[相違点3’]及び[相違点4’]に係る技術的事項を有するものとなった。
当該技術的事項は、原査定における引用文献A-Bには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-21は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Bに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
なお、引用文献A、Bには、それぞれ、ゲーム等の仮想現実空間において、「銃」や「はさみ」などのユーザの様々な手指のポーズに対して、仮想空間の「銃」や「はさみ」などの様々な仮想オブジェクトを予め対応させることが開示されているが(上記第5、3-4を参照。)、上記[相違点3]、[相違点3’]のように、「アプリケーションシナリオ」の下でジェスチャと仮想オブジェクトとを予め対応させることは開示されていない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-007339