商標拒絶査定不服審判
2021-007251
エンパイアステーキハウス、エンパイアステーキ、エンパイア、ステーキハウス
- 審判番号
- 2021-007251
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2018-004441
- 請求日
- 2021年06月02日
- 審決日
- 2022年04月07日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アールジェイジェイ レストラン エルエルシー
- 【請求人代理人】神保 欣正
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W43) / T18 .262-Z (W43) / T18 .263-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2018-4441拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成30年1月16日に登録出願されたものである。
本願は、平成30年9月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月18日に意見書が提出されたが、令和3年3月3日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年6月2日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
また、指定役務については、令和3年8月4日の手続補正書によって、第43類「ステーキ料理の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」と補正された。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5848647号商標(以下「引用商標」という。)は、「EMPIRE」の文字を標準文字で表してなり、平成27年12月8日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」を指定役務として、同28年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、左向きの牛の図形を配し、当該図形の下方に、「EMPIRE STEAK HOUSE」の文字を表してなるものである。
そこで、まず、本願商標全体についてみると、その構成態様から、図形部分、「EMPIRE STEAK HOUSE」の文字部分とは、視覚上、分離して看取され得るものであることに加え、それぞれに強い観念上のつながりなども認められず、それぞれを分離して観察することが不自然というべき特段の事情も見いだせない。
次に、文字部分についてみると、「STEAK HOUSE」の文字は、「ステーキ専門店」の意味を有する語(「ジーニアス英和辞典 第5版」から引用。)であるところ、当該文字は、役務「飲食物の提供」の一業態を表すものとして一般に用いられていることから、需要者は当該文字が役務の質を表したものと理解、認識するとみるのが相当であって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるといえる。
他方、「EMPIRE」の文字は、「帝国」を意味する語として、一般に広く知られており、本願の指定役務との関係においては、自他役務の識別標識として機能を果たし得るものであって、当該文字部分が、看者に強く支配的な印象を与えるものといえることから、当該文字を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中の要部である「EMPIRE」の文字に相応して、「エンパイア」の称呼を生じ、「帝国」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「EMPIRE」の文字を標準文字で表してなるものであり、「エンパイア」の称呼を生じ、「帝国」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、全体の外観においては相違するものの、「エンパイア」の称呼及び「帝国」の観念を同じくするものであるから、これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否
本願の指定役務である第43類「ステーキ料理の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」は、引用商標の指定役務中、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」と同一又は類似するものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、「STEAK HOUSE」の文字がレストランの一業態であるステーキ料理を売り物にしたステーキハウスの意味を有することから、指定役務との関係から当該文字部分を自他役務識別力がない部分として除外し、「EMPIRE」の文字部分を分離観察するという考え方もあるが、そのように分離観察するのは結合商標の結合の度合いが弱い場合であって、本願商標の場合、「STEAK HOUSE」の文字は「EMPIRE」の文字と結合することにより、造語としての店名を構成するものであり、前後の文字の関連性は十二分にあるから、一体不可分に記されている以上、取引者、需要者は、それを造語の成分として直感し、商標全体をもって識別の用に供する旨主張している。
しかしながら、我が国において、「STEAK HOUSE」又は「STEAKHOUSE」(ステーキハウス)の語は、「ステーキ専門店」を表す語として一般に用いられていること、上記語が「ステーキ専門店」の店名の一部に含まれる場合には、上記語を除いて、当該店名が略称される場合があることも普通であることに照らすと、本願商標のうち、「EMPIRE」の文字部分及び「STEAK HOUSE」の文字部分は、「EMPIRE STEAK HOUSE」の全体をもって造語としての店名を構成して識別の用に供されているものと認めることはできない。
イ 請求人は、本件に関連した商標出願「EMPIRE/STEAK HOUSE」に関する不服2018-650052号事件についての令和元年(行ケ)第10104号の知財高裁判決においては「本願商標は,牛の図形部分,「EMPIRE」の文字部分及び「STEAK HOUSE」の文字部分の各構成部分が相互に一定の間隔を空けて,重なり合うことなく配置され,上記各文字部分の間に赤色の二重線が配されていることから,各構成部分は,それぞれが独立したものであるとの印象を与え,視覚上分離して認識されるものと認められる。」点を問題にしていたが、本願商標にはこのような要素がない旨主張する。
しかしながら、上記判決においては、請求人が指摘する点のみならず、我が国における「STEAK HOUSE」等の語の用いられ方、ステーキハウスを含む牛肉などに関連した料理を提供する店舗において、食材である牛の全身又は一部をモチーフにした図形を用いることが、広く一般的に行われていること、「EMPIRE STEAK HOUSE」の全体をもって造語としての店名を構成して識別の用に供されているものと認めることはできないこと、原告の六本木の店舗は、「エンパイア」と略称で表示される例も見受けられることなどが、総合的に勘案して判断されたものである。そして、本願商標については、図形部分と文字部分がそれぞれを分離して観察することが不自然というべき特段の事情も見いだせず、文字部分についてみると、「EMPIRE」の文字を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであることは、前記(1)のとおりである。
ウ よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(6)まとめ
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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