商標取消審判
2021-300999
エンパイア
- 審判番号
- 2021-300999
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-120383
- 登録番号
- 5848647
- 請求日
- 2021年12月14日
- 審決日
- 2023年01月18日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジェイピーエイチ スンディリアン ブルハド
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 【被請求人】株式会社 ユウス
- 【被請求人代理人】酒井 伸司
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T131 .1 -Y (W43) / T131 .11 -Y (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5848647号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5848647号商標(以下「本件商標」という。)は「EMPIRE」の文字を標準文字で表してなり、平成27年12月8日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」を指定役務として、同28年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年12月28日であり、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)12月28日ないし令和3年(2021年)12月27日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、本件商標の指定役務について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標権者(被請求人 乙1)は、平成31年(2019年)3月25日に被請求人と長野県上田市住吉587番地6の株式会社イマジン(乙2)との間で役務「焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」について「商標通常使用権許諾契約」を締結し(乙4)、許諾をされた者(通常使用権者)である株式会社イマジンは、平成25年(2013年)7月19日から長野県上田市中央3-1-13において、本件商標を使用して上記役務を提供する店舗を営んでいる(乙3)。
2 本件商標の使用。
(1)店舗の外観(店舗ロゴ看板 乙3の1)は、平成30年(2018年)3月9日にリフォーム、店舗の内観(壁面、客席、厨房 乙3の2)は、平成30年(2018年)2月23日にリフォームしている。
(2)本件商標は、フリーペーパー「まんぷくブック」の広告掲載において使用されている(乙5)。
(3)本件商標は、信濃毎日新聞の広告掲載において使用されている(乙6)。
(4)通常使用権者である株式会社イマジンは、株式会社ぐるなびが運営するグルメ情報サイト「ぐるなび」に店舗登録して(DINING BAR EMPIRE(長野県上田市中央/レストランバー))おり、乙第7号証は、株式会社ぐるなびから通常使用権者である株式会社イマジン宛のグルメ情報サイトの利用に関する請求書の抜粋である。
また、通常使用権者は、株式会社カカクコムが運営するグルメ情報サイト「食ベログ」に店舗登録している。
3 上記のとおり、本件商標の通常使用権者は、本件商標と社会通念上同一の商標を、要証期間内において役務「焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」について使用している。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者及び株式会社イマジンについて
ア 本件商標権者は、その目的に「食堂・レストランの経営」を含む、長野県上田市に本店を有する法人である(乙1)。
イ 株式会社イマジンは、その目的に「食堂・レストランの経営」を含む法人であるところ、平成31年2月22日に本店を長野県上田市中央3丁目1番13号より同市住吉587番地6に移転しその登記が同年3月7日にされている(乙2)。
ウ 本件商標権者と株式会社イマジンは、平成31年3月25日付けで、本件商標についての商標通常使用権許諾契約を締結した。
当該契約に係る役務は、第43類「焼肉料理・海鮮料理及びその他の飲食物の提供」であり、その期間は、平成31年4月1日ないし同36年(令和6年)3月31日の5年間であるが、本件商標権者と株式会社イマジンからの特段の意思表示がない限り、同一の条件で更新するとされている(乙4)。
(2)「EMPIRE」の文字を使用した広告について
ア 2019年(平成元年)11月8日発行の「まんぷくブック 上田・佐久・小諸etc版」(発行:有限会社フリーブック)には、別掲1の態様からなる「ピッツア&ステーキ/EMPIRE(エンパイア)」(以下「使用商標1」という。)を表示した広告が掲載されているところ、当該広告は「宴会プラン」等の表示より、レストランの広告と認められる。
そして、有限会社フリーブックは、株式会社イマジンが当該広告の掲載を依頼した旨を陳述している。
なお、当該レストランの住所は、株式会社イマジンの移転前の住所と同一である(乙5)。
イ 2020年(令和2年)4月10日付け信濃毎日新聞には、別掲2の態様からなる「ステーキとピッツア/EMPIRE(エンパイア)」(以下「使用商標2」という。これらをまとめて「使用商標」ということがある。)を表示した広告が掲載されているところ、当該広告には、「ダイニング」、「営業時間/ディナー」、「席数」等の表示より、レストランの広告と認められる。
そして、株式会社日広は、株式会社イマジンが当該広告の掲載を依頼した旨を陳述している。
なお、当該レストランの住所は、株式会社イマジンの移転前の住所と同一である(乙6の1、2)。
(3)株式会社イマジンと株式会社ぐるなびについて
株式会社ぐるなびは、株式会社イマジン宛てに2020年11月30日ないし2021年10月31日を発行日とする2020年10月1日ないし2021年9月31日のネット予約に係る利用料の請求書を発行した。
当該請求書には店舗名を「DINING BAE EMPIRE」とする店舗に係る請求が含まれる(乙7)。
2 上記1の認定事項に基づき、以下判断する
(1)株式会社イマジンについて
本件商標権者は、株式会社イマジンと、平成31年4月1日を始期とした第43類「焼肉料理・海鮮料理及びその他の飲食物の提供」に係る本件商標についての商標通常使用権許諾契約を締結しており、当該契約は現在も有効である。
したがって、株式会社イマジンは、第43類「焼肉料理・海鮮料理及びその他の飲食物の提供」に係る本件商標の通常使用権者と認められる。
(2)使用役務ついて
使用商標が表示されている広告はレストランの広告であるから、使用商標が使用されている役務は「飲食物の提供」(以下「使用役務」という場合がある。)であり、本件商標の指定役務(請求に係る指定役務)中、第43類「焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」の範ちゅうの役務である。
(3)使用商標の使用者について
使用商標が表示されているレストランの広告は、その掲載を通常使用権者である株式会社イマジンが有限会社フリーブック及び株式会社日広に依頼した旨が陳述されている。また、株式会社ぐるなびが株式会社イマジン宛てに発行した請求書には、本件商標と同じつづりの「EMPIRE」の文字を含む店舗名が掲載されていることに加え、当該広告にかかるレストランの住所は株式会社イマジンの移転前の住所である。
そして、使用役務(飲食物の提供)は、本件商標権者と株式会社イマジンとの商標通常使用権許諾契約に係る役務の範ちゅうの役務である。
以上のことを勘案すると、使用商標の使用者は通常使用権者である株式会社イマジンであると推認できる。
(4)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、上記第1のとおり「EMPIRE」の文字を標準文字で表してなり、他方、使用商標は、別掲のとおり、上段に「ピッツア&ステーキ」又は「ステーキとピッツア」の文字を、下段に「EMPIRE(エンパイア)」の文字を表してなるところ、上段の「ピッツア&ステーキ」又は「ステーキとピッツア」の文字は使用役務に係る商品であって自他役務の識別標識として機能しないか、又は極めて弱いというべきである。
また、下段の「(エンパイア)」の記号及び片仮名は「EMPIRE」の文字の読みを表したものと認められる。
そうすると、使用商標の構成中、自他商品を識別する標識として機能する部分は「ENPIRE」の文字部分にあるというべきであって、当該文字は、本件商標と書体にのみに変更を加えた同一の文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一であり、当該文字にその読みと役務の提供に係る商品を付加した使用商標も本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(5)商標の使用及び使用時期について
使用商標の使用者である、通常使用権者(株式会社イマジン)は、「まんぷくブック 上田・佐久・小諸etc版」及び「信濃毎日新聞」に使用商標を付したレストランの広告の掲載を依頼したと推認できる。
そして、当該レストランの広告を掲載した、当該冊子及び新聞は、2019年(令和元年)11月8日及び2020年(令和2年)4月10日に発行された。
そうすると、通常使用権者は、2019年(令和元年)11月8日及び2020年(令和2年)4月10日に使用商標を付し「飲食物の提供」に係る広告を頒布したものと認められる。
そして、当該日付は、要証期間内の日付であり、かつ本件商標権者と通常使用権者との契約期間内である。
また、「まんぷくブック 上田・佐久・小諸etc版」及び「信濃毎日新聞」の頒布先は日本国内であること明らかである。
(6)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定役務(請求に係る指定役務)中、第43類「焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」の範ちゅうの役務である「飲食物の提供」の広告に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、頒布したものと認められる。
本件商標の通常使用権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する広告に標章を付して頒布」する行為に該当する。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が本件審判の請求に係る指定役務中、第43類「焼肉料理・海鮮料理およびその他の飲食物の提供」の範ちゅうの役務である「飲食物の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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