商標拒絶査定不服審判
2021-006567
ナゴヤジセダイスリーディープリンタテン、ナゴヤジセダイスリーデイプリンタテン、ナゴヤジセダイサンデイプリンタテン、ジセダイスリーディープリンタテン、ジセダイスリーデイプリンタテン、ジセダイサンデイプリンタテン、ジセダイスリーディー、ジセダイスリーデイ、ジセダイサンデイ、ジセダイ、スリーディープリンタテン、スリーデイプリンタテン、サンデイプリンタテン、プリンタテン
- 審判番号
- 2021-006567
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-114073
- 請求日
- 2021年05月21日
- 審決日
- 2022年05月19日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】RX Japan株式会社
- 【請求人代理人】高橋 孝仁
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-114073拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は,「名古屋 次世代3Dプリンタ展」の文字を標準文字で表してなり,第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として,令和元年8月26日に登録出願されたものである。
本願は,令和2年8月28日付けで拒絶理由の通知がされ,同年10月15日に意見書が提出されたが,同3年2月15日付けで拒絶査定がされ,これに対して同年5月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『名古屋 次世代3Dプリンタ展』の文字を標準文字で表してなるところ,構成中の『名古屋』の文字は,『愛知県西部の市。県庁所在地。政令指定都市の一つ。』等の意味を有する語,『次世代』の文字は,『次の世代。次の時代。』等の意味を有する語,『3Dプリンタ』の文字は,『三次元キャド(CAD)のデータを元に、対象の断面図を幾重にも積層させて立体物を作る装置。三次元印刷機。』等の意味を有する語,『展』の文字は,『展覧会の略。』等の意味を有する語であり,本願の指定役務等を取り扱う業界においては,展覧する内容を『展』の文字の頭に付けて,例えば,『計測展』,『検査機器展』,『センサ技術展』のように使用している実情がある。そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,名古屋における次世代三次元印刷機の展覧等に関する役務であること,すなわち,単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識する。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「名古屋 次世代3Dプリンタ展」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「名古屋」の文字は,愛知県の県庁所在地である(広辞苑第七版)。また,そのほか本願商標を構成する文字の語義や使用事例について,以下のとおり確認することができる。
(1)「次世代」の文字の語義及び使用事例について
ア 辞書等において,「次世代」の語には以下の意味や用例がある。
(ア)広辞苑第七版:「次の時代。次の段階。『-の有望選手』『-の製品』」
(イ)大辞泉第2版(株式会社小学館発行):「次の時代。また、技術や製品の機能などが格段に進歩した段階。『-型携帯電話』」
(ウ)新明解国語辞典(株式会社三省堂発行):「最尖端の技術をとり入れ、現在よりもさらに高性能のものを目指して、開発を進めているものについて言う。『-新幹線 -路面電車 -インターネット』」
イ 以上よりすれば,「次世代」の語は,各種製品等に対して「格段に進歩したもの,さらに高性能のもの」の意味で用いられる語である。
また,「三次元キャド(CAD)のデータを元に、対象の断面図を幾重にも積層させて立体物を作る装置。三次元印刷機。」を意味する「3D Printer(プリンター)」の語(広辞苑第七版)に対しても,「次世代」の語は「格段に進歩した,さらに高性能の」といった趣旨で使用されていることは,原審で示した証拠(別掲2の2)に加え,以下の事例からも確認することができる。なお,本願商標構成中の「3Dプリンタ」の文字は,一般に,「コンピュータ(ー)」,「フォルダ(ー)」,「ウェハ(ー)」,「ボイラ(ー)」,「ディスペンサ(ー)」等,語尾の長音を省略して表記することがしばしばあることからすれば,「3Dプリンター」の長音を略して表記したものと容易に理解できるものである。
(ア)「JOEL」のウェブサイトにおいて,「もの作りを変える/次世代型3Dプリンターが/新生日本電子の象徴的製品になる」の見出しの下,「一般的に使われている3Dプリンターは、光を使って樹脂を硬化、積層し造形するが、日本電子がいま取り組んでいる3Dプリンターは、電子ビームを使って金属粉末を溶かす積層造形装置だ。レーザービームを用いる装置はあるが、電子ビームは世界でも1社しか競合がいない画期的な製品である。この次世代型の電子ビーム金属3Dプリンターのプロジェクトチームで技術グループのサブリーダーとして活躍しているのが、副主査のT.S.である。」の記載がある(https://www.jeol.co.jp/recruit/professional-interview/08/)。
(イ)「近畿大学次世代基盤技術研究所」のウェブサイトにおいて,「3D造形技術研究センター」の見出しの下,「3D造形技術研究センターでは、次世代の“ものづくり”に欠かせない金属系材料を中心とした3D積層造形技術に関する技術開発を行うとともに、新たなマルチマテリアル3D積層造形装置の開発もめざしています。(略)『三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム(次世代型産業用3Dプリンタ等技術開発)』研究開発プロジェクト(経済産業省受託事業)において技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)近畿大学広島分室として、レーザーを利用した三次元積層造形に関する基盤技術研究開発を行っています。」の記載がある(https://kuring.hiro.kindai.ac.jp/center/3D.html)。
(ウ)「TRAFAM」のウェブサイトにおいて,「概要」の見出しの下,「1(審決注:「1」は丸付き数字)次世代型産業用3Dプリンタ技術開発/2015年度までに一次試作機の開発を行い、2018年度までに世界一の造形速度、造形精度を有する次世代型産業用3Dプリンタを完成させ、2019年度末までには装置の販売を開始する。」の記載がある(https://www.trafam.or.jp/about/profile/index.html)。
(2)展示内容を冠した「○○展」の使用について(※審決注:下線は合議体による。)
「多くの人にひろげて見せる。」等を意味する「展」(「新明解国語辞典第八版」株式会社三省堂発行)の語を用い,主たる展示内容(製品や技術等)を冠した「○○展」の文字が,展示会の開催において使用されている実情を,以下のとおり確認することができる。
ア 「TECHNO-FRONTIER 2022/INDUSTRY-FRONTIER 2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「第40回 モータ技術展」の見出しの下,「モータ技術展とは/モータ技術展とはどんな展示会ですか?/“国内唯一”あらゆるアプリケーション向け最新モータ・ドライブ技術が一堂に集結!/精密機器から産業機械まで、あらゆる分野・用途に不可欠な“モータ”に関する最新・最適のソリューションが一堂に会する国内唯一の専門技術展。小型・精密~大型の各種モータをはじめ、制御技術、計測・解析技術、材料・素材など、幅広い製品・技術が集結します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/motor.html)。
(イ)「第37回 電源システム展」の見出しの下,「電源システム展とは/電源システム展とはどんな展示会ですか?/国内唯一の『電源』に関する専門技術展/パワーエレクトロニクス、パワーコンディショナー等による電力変換や、UPS、キャパシタ等による電力安定供給に関する最新技術が一堂に集まる、国内唯一の専門技術展。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/power.html)。
(ウ)「第3回 電子部品材料展」の見出しの下,「電子部品材料展とは/電子部品材料展とはどんな展示会ですか?/未来を創る機能性材料の進化/あらゆる製品・部品は材料無くして成立はせず、材料の特性・性質はその製品・部品の品質・コスト・加工納期に大きく影響します。そのため未来の新機能性材料が開発・発表されると、爆発的に普及する傾向にあります。」の記載があると共に,「出展対象」の欄には,「ナノマテリアル」,「受動部品」,「回路」等の記載がある。(https://www.jma.or.jp/tf/tf/electronic.html)。
(エ)「第24回 熱設計・対策技術展」の見出しの下,「熱設計・対策技術展とは/熱設計・対策技術展とはどんな展示会ですか?/国内唯一の『熱解析』『熱設計』『熱対策』に関する専門技術展/熱解析及び熱設計・技術から熱対策製品・材料等を出展対象とする『熱に関する総合ソリューション』をユーザに提案する専門技術展。電子部品・機器の小型化・高密度化に伴い、熱設計・熱対策はその重要性を増しており、熱に関する総合的なソリューションが提供される本技術展は、国内唯一の専門技術展として、エンジニアから高く評価されています。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/heat.html)。
イ 「SUBSEA/TECH JAPAN/第4回海洋産業技術展 2022」のウェブサイトにおいて,「出展・来場対象」の見出しの下,「出展対象/海洋技術、海洋ビジネスに関する機器、システム、/計測センサの技術、情報が一堂に集結します。」,「来場対象/■ 海洋技術を求めるあらゆる業種の研究開発者・技術者/■ 新たな海洋技術の利活用を検討する異業種の関係者 など」の記載があるほか,ウェブサイト名の右側には「海洋技術、海洋ビジネスに関する専門展示会」の記載がある(http://www.subsea-tech.jp/2022/contents/conduct.php)。
ウ 「BtoBプラットフォーム 業界チャネル」のウェブサイトにおいて,「INTERMOLD 2022(第32回金型加工技術展)/金型展2022 大阪」の見出しの下,「東京ビックサイトで開催する、最新の金型加工技術が集まる専門展示会。」の記載がある(https://b2b-ch.infomart.co.jp/expo/detail.page?IMEXPO=3512)。
エ 「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「第1回/交通インフラ設備機器展」の見出しの下,「交通インフラ設備機器展とは/交通インフラ設備機器展の総称のもと、駅と空港の施設・設備・システム・サービスに関する『駅と空港の設備機器ゾーン』、(略)『駐輪・駐車場システム・設備ゾーン』、(略)『バス・トラック運行システムゾーン」を開催し、次世代の安全・安心・快適な交通インフラの構築を目指す展示会です。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/traffic.html)。
(イ)「第8回/建設資材展」の見出しの下,「建設資材展とはどんな展示会ですか?(略)需要量/場所が一定でない全国のどのような場所でも一定の品質の建設資材が必要量に応じて供給される必要がある等の特徴がある。そのような建設資材の啓発、普及を目的に、全国から来場される来場者を対象とした製品、サービスを一堂に会する機会を設けることで建設資材分野の発展に寄与するためにこの展示会を開催いたします。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/construction.html)。
(ウ)「第3回/地盤改良展」の見出しの下,「地盤改良展とはどんな展示会ですか?/地盤改良の施工、道路陥没、基礎杭施工データの改ざんなど地盤に関する諸問題等々、地盤技術はまだ多くの課題と技術開発の余地を残している分野です。また、ここ数年は、豪雨や地震による地盤災害が全国で頻発し、災害防止あるいはその基盤となる基礎工、地盤改良などの技術が重要となり、しかもその技術自体の高度化が強く望まれています。地盤改良展は、数多くある地盤改良工法・基礎工法や、ICTを活用したシステム、地震・豪雨などの自然災害の対策技術を一堂に集め、地盤に関連する新たな商談の機会をご提供します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/ground.html)。
(エ)「第15回/インフラ検査・維持管理展」の見出しの下,「本展示会はインフラの老朽化対策に関する最新の技術・取り組みを紹介し、維持管理・更新に関わる技術(メンテナンス技術)の基盤強化を図り、建設から維持管理・更新に至る一連のサイクルにおいて、将来にわたって安全で強靱なインフラを維持・確保することを目的に開催いたします。」,「どのような製品・サービスが出展しますか?/点検・調査・診断・評価、3次元計測、補修・補強技術、補修・補強材料、維持管理システム、上下水道施設向け設備維持管理システムなどの点検・診断・補修技術に関する製品やサービスが出展します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/infra.html)。
オ 「JETRO」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2023」の見出しの下,「主催者より IoTビジネスを加速するセンシング×ネットワークの最新テクノロジーが一堂に!車載・自動運転、ビッグデータ、AI、ロボット、健康・医療、環境・エネルギーの分野にわたり、次世代センサーに向けた要素技術が集結します。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122868)。
(イ)「テロ対策特殊装備展(SEECAT)′22」の見出しの下,「主催者より テロ対策特殊装備展(SEECAT)は、国内外よりテロ対策に関わる関係者が集結する国内唯一の『テロ対策』に特化したビジネストレードショーです。(略)SEECATは、テロの未然防止・対策に関わる最新機器や情報が一堂に集結する場として多くの関係者から高い期待が寄せられています。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122898)。
(ウ)「コンバーティングテクノロジー総合展2023 -新機能性材料展」の見出しの下,「主催者より “新しい”付加価値を創造する機能性マテリアルの総合展。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/123123)。
(エ)「産業用カメラ展2022」の見出しの下,「出展対象品目 分光イメージング関連製品、車載カメラ、産業用・FA用カメラ、ロボット用カメラ、IoT・ネットワークカメラ、介護・監視カメラ、研究用・バイオ/医用カメラ、計測カメラ、特殊カメラ、カメラシステム、ビデオカメラ周辺機器/部品/材料 ほか」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122789)。
カ 「人とくるまのテクノロジー展 2022」のウェブサイトにおいて,「ニュース」の見出しの下,「2021.12.08(略)自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2022 出展申込受付中/自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展は、自動車業界の第一線で活躍する技術者・研究者のための自動車技術の専門展として1992年に始まりました。」の記載がある(https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/topics_page/?id=202)。
キ 「MOBAC SHOW 2023」のウェブサイトにおいて,トップページに「名称 2023モバックショウ(第28回国際製パン製菓関連産業展)」の記載と共に,「モバックショウの特長(略)パン・菓子に関する原材料・資材から製造機械、製品の出荷まであらゆるものがトータルに展示され、最高レベルの品質と信頼性でユーザーの課題解決に貢献する専門見本市。」の記載がある(https://www.mobacshow.com/)。
ク 「ifia JAPAN 2022/HFE JAPAN 2022」のウェブサイトにおいて,「開催概要」の見出しの下,「展示会名 ifia JAPAN 2022 [アイフィア・ジャパン] 第27回 国際食品素材/添加物展・会議 HFE JAPAN 2022 [エイチエフイー・ジャパン] 第20回 ヘルスフードエキスポ」の記載と共に,「ifia JAPANは食品素材・添加物の専門展として、来年で27回目の開催を迎えます。今後も、食品業界の最新情報を発信すると共に、日頃の営業活動では手の届きにくい潜在顧客の開拓、新製品発表、既存顧客への効率的な営業活動の場として発展していく所存でございます。」の記載がある(https://www.ifiajapan.com/outline)。
ケ 「九州アグロ・イノベーション2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「農業資材展」の見出しの下,「農業資材展とは/農業資材・設備、機械など/農業生産のための製品・技術の専門展示会」の記載がある(https://jma-agro.com/kyushu/outline/product/)。
(イ)「畜産資材展」の見出しの下,「畜産資材展とは/畜産資材、畜産業の省力化推進のための専門展示会(略)本展では国内主要の畜産生産地帯である九州において畜産資材・機械・ITなど生産に関する製品・技術から昨今注目の高まる畜産輸出支援サービス・ツールまでを一堂に集め生産者の課題解決を実現する場を創出します!」の記載がある(https://jma-agro.com/kyushu/outline/livestock/)。
コ 上記アないしケよりすれば,展示会の開催において,展示内容を冠した「○○展」の文字の使用は,展示会の展示内容を端的に表す手法として,業界において一般に行われているということができる。
(3)「3Dプリンター」を出展する展示会があり,中には「3Dプリンタ(ー)」を冠した展示会があることについて
展示会の開催においては,一定のテーマの下で種々の商品や技術が展示されているところ,「3Dプリンター」についても展示内容とされていることが,以下の事例から確認することができる。また,「3Dプリンター」を主たる展示内容とし,「3Dプリンタ(ー)」の文字を冠した展示会も存在することは,原審で示した証拠(別掲2の1)のとおりである。
ア 「MECT 2021」のウェブサイトにおいて,「MECT2021 開催概要」の見出しの下,「1987年にスタートした2021年国内最大級の工作機械見本市。」の記載があるほか,「出展製品/工作機械、鍛圧・板金加工機、射出成形機、3Dプリンター、(略)」の記載がある(https://mect-japan.com/2021/about/)。
イ 「JETRO」のウェブサイトにおいて,「日本(機械・工業技術)/これから開催される見本市・展示会」の見出しの下,例えば以下の展示会の出展対象品目に「3Dプリンタ(ー)」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/country/asia/jp/macchinery/?dnumber=50&sort=2&_page=1)。
(ア)「フォームネクストフォーラム 東京」:「出展対象品目 積層造形技術全般, 造形機器, 装置, 技術(3Dプリンタ,3Dスキャナー,(略))
(イ)「MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2023」:「出展対象品目 有機材料、電子・磁性・金属・無機材料、(略)、3Dプリンター、(略)」
(ウ)「INTERMOLD 2022(第33回金型加工技術展)/金型展2022」:「出展対象品目 工作機械/機器、(略)、試作/モデリング/3Dプリンター関連、(略)」
(エ)「TCT Japan 2023-3Dプリンティング & AM技術の総合展」:「出展対象品目 3Dプリンターをはじめとした、材料や計測機器、加工技術などアディティブマニュファクチャリング関連製品や技術」
ウ 「設計製造・AI・IoT・DXバーチャルオンライン展示会」のウェブサイトにおいて,「ABOUT EVENT」の見出しの下,「設計製造・AI・IoT・DX バーチャルオンライン展示会は、バーチャル3D空間を実際の展示会と同様に自由に歩いて情報収集ができるオンライン展示会です。」の記載のほか,「出展物 CAD/CAM/CAE・工作機械・3Dプリンター・3Dスキャナー・(略)など」の記載がある(https://jpn-expo.com/search/%7Bsearch_term_string%7D/)。
(4)展示会における地名の使用状況について
展示会の開催において,特定の地域における展示会であることを表すものとして,地名が用いられていることが,例えば以下のインターネット情報から確認することができる。
ア 「北陸技術交流 テクノフェア/TECHNO FAIR 2021」のウェブサイトにおいて,「開催概要」の見出しの下,「|会場|福井県産業会館」,「本フェアは業種・分野・地域を超え、様々な企業・大学・研究機関等が一堂に会する場として、今年32回目の開催を迎える。出展者と北陸企業が活発な意見・情報交換を行うことで、技術提携・技術移転等のきっかけとなり、多くの新しい技術が誕生することを目指しています。」の記載がある(https://www.technofair.jp/about/)。
イ 「KANSAI LOGIX 2023/第4回 関西物流展」のウェブサイトにおいて,「関西物流展は/新規顧客の開拓ができる展示会です。」の小見出しの下,「特徴2/関東圏の展示会ではリーチすることが難しい西日本の物流関係者に売り込めます!」,「会場 インテックス大阪」の記載がある(https://kansai-logix.com/kansai-logix-2023/)。
ウ 「九州ホーム&ビルディングショー/2022」のウェブサイトにおいて,「本展の特長」の見出しの下,「来場者の約95%が九州地域から!」,「九州地域での販路拡大・新規顧客開拓の場として有効的!!」,「会場 マリンメッセ福岡」の記載がある(https://www.jma.or.jp/khs/exhibit/advantage/index.php)。
エ 「SAPPORO PACK 2019/2019札幌パック」のウェブサイトにおいて,「開催概要」の見出しの下,「目的 ◆北海道産業界のニーズに対応した新しい情報・技術・システムを一堂に集約、多くの関係者に展示公開することにより、北海道の包装技術及び包装産業、食品産業の発展に寄与することを目的とする。」,「会場 ◆アクセスサッポロ(札幌流通総合会館)札幌市白石区流通センター4-3-55」の記載がある(https://www.nippo.co.jp/pack019/sap019b.htm)。
オ 「CareTEX仙台’22」のウェブサイトにおいて,「出展をご検討の方へ」の見出しの下,「2 東北エリアを拠点とする介護業界のプロが集まり、真剣な商談を行うための展示会です」の記載がある(http://sendai.caretex.jp/info/aboutcaretex)と共に,トップページには,「会場:夢メッセみやぎ」の記載のほか,「ブティックス(株)が主催するケアテックスシリーズ」として,「CareTEX札幌’22」,「CareTEX福岡’22」,「CareTEX大阪’22」,「CareTEX名古屋’23」等の記載がある(http://sendai.caretex.jp/)。
カ 上記アないしオよりすれば,展示会の開催において,特定の地域における展示会であることを表すものとして,出展者や参加者等の対象(ターゲット)地域又は展示会の開催地の名称(地名)が,展示会の名称に付すなどして,使用されている実情が見られる。
(5)小括
上記(1)のとおり,本願商標構成中の「次世代」の文字は,各種製品等に対して「格段に進歩したもの,さらに高性能のもの」の意味合いで用いられる語であり,「3Dプリンター」にも実際に使用されている。
また,上記(2)のとおり,展示会の開催において,「多くの人にひろげて見せる」等を意味する「展」の文字に展示内容(展示される製品や技術等)を冠し,「○○展」と称して,展示会の展示内容を端的に表したものが,業界において一般に使用されている実情が見られる。
さらに,上記(3)のとおり,展示会において「3Dプリンター」が出展されている実情があり,中には「3Dプリンタ(ー)」の文字を冠した展示会も存在する。
以上を総合して考慮すれば,本願商標構成中の「次世代3Dプリンタ展」の文字部分は,「格段に進歩した3Dプリンター,さらに高性能の3Dプリンター」ほどの意味合いを認識させる「次世代3Dプリンタ」を主たる展示内容とし,当該展示内容を冠した展示会であると認識させるものであるから,「次世代の3Dプリンターを内容とする展示会」ほどの意味合いを認識させるというべきである。
加えて,上記(4)のとおり,特定の地域における展示会であることを表すものとして,地名が使用されている実情が見られることからすれば,本願商標「名古屋 次世代3Dプリンタ展」は,全体として,「名古屋における次世代の3Dプリンターを内容とする展示会」ほどの意味合いを認識させるというべきである。
そうすると,本願商標を,その指定役務中,第35類「商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,商業又は広告のための展示会の企画・運営」及び第41類「展示会・展覧会・セミナー・会議・ビジネス会議及び協議会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供及び助言」について使用をしても,これに接する取引者,需要者は,「名古屋における次世代の3Dプリンターを内容とする展示会」を表したもの,すなわち役務の質(内容)を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,展示会の分野においては,本願商標を構成する各文字はあくまで造語要素であり,これらを組み合わせて成る「名古屋 次世代3Dプリンタ展」及び「次世代3Dプリンタ展」は,辞書等に掲載なく,新規かつ特徴ある造語と認識されるものである,また,展示対象物に関係する文字を冠した「○○展」の文字が,展示会の「商標」として採択・使用され,現実に,自他役務識別標識として機能している事実がある旨主張する。
しかしながら,上記1のとおり,展示内容を冠した「○○展」の文字が,展示会を実施する業界において,展示会における展示内容を表す手法として使用されていることからすれば,本願商標構成中の「次世代3Dプリンタ展」の文字部分についても,提供する役務の内容を表したものと理解させるものである。また,請求人が主張するように,「○○展」が展示会の名称として実際に使用されている実情があるとしても,展示会の開催において集客や出展者募集等のために主たる展示内容(テーマ)を端的に表すことは,同業界において必要不可欠といえるものである。
そうすると,「次世代3Dプリンタ展」の文字部分は,主たる展示内容を端的に表したものであり,本願商標全体としても,名古屋における展示会の内容を表したものと認識させるにすぎないものであって,将来を含め,役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるといえるから,特定人による独占使用を認めることは公益上適当でないと共に,自他役務の識別力を欠くものというべきである。したがって,請求人が主張するように,これを新規の造語と認識することはないというべきである。
なお,上記1(2)で示す事例において,例えば「TECHNO-FRONTIER 2022」と「第40回 モータ技術展」,「第37回 電源システム展」等(1(2)ア),「SUBSEA/TECH JAPAN/第4回海洋産業技術展 2022」(同イ),「INTERMOLD 2022(第32回金型加工技術展)/金型展2022 大阪」(同ウ)などのように,ウェブサイト(イベント)の名称として「○○展」の文字より大きく表して,又は括弧書きの使用や二段書き等により,「○○展」とは異なる名称を別途使用している事例が見られることからすれば,「○○展」の文字以外の文字を使用することにより,差別化を図っている様子がうかがえる。
(2)請求人は,本願商標構成中の「次世代3Dプリンタ展」の文字部分からは,例えば,「3Dプリンタに関する,次世代の展示等」,「プリンタに関する,次世代の3D技術による展示等」,「次世代3Dプリンタを利用した展示等」,「3Dプリンタを用いた次世代の展示等」「次世代3Dプリンタによって製造された造形物の展示」,「次世代3Dプリンタの技術の展示」などの複数の意味が看取できるものである旨主張する。
しかしながら,「次世代」の語が,製品等に関連して使用されるものであり,また,展示内容を冠した「○○展」の使用例が多く見られることからすれば,当該文字部分からは,「次世代の3Dプリンターを内容とする展示会」ほどの意味合いが自然に生じるというべきであって,むしろ「次世代の展示」,「次世代3Dプリンタを利用した展示」といった意味合いが自然に生じることはないというべきである。なお,請求人が主張するように,例えば「次世代3Dプリンタの技術の展示」の意味合いが生じるとしても,展示会の内容を表したものであることに変わりはない。
(3)請求人は,過去の登録例や審決例を挙げて,本願商標も登録すべき旨主張する。
しかしながら,出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は,査定(審決)の時点において,事案に即して個別具体的に判断されるべきものであり,過去に登録された事例に拘束されるべきでない。そして,本願商標は,その構成する文字の意味,前後の文字との関係や使用方法,使用例などを考慮すれば,上記1のとおり役務の質(内容)を認識させるものである。
(4)したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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2021-006567