商標拒絶査定不服審判
2025-016839
シャナイスカウト
- 審判番号
- 2025-016839
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-131353
- 請求日
- 2025年10月22日
- 審決日
- 2026年06月08日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ビジョナル株式会社
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 浜岸 愛
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .13 -Z (W093538414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-131353拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年12月6日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 6月 2日付け:拒絶理由通知書
令和7年 7月 9日受付:意見書
令和7年 7月18日付け:拒絶査定
令和7年10月22日 :審判請求書
令和8年 3月17日付け:証拠調べ通知書
令和8年 4月21日受付:意見書
2 本願商標
本願商標は、「社内スカウト」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「社内スカウト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「社内」の文字は、「会社の組織の内部。」を、「スカウト」の文字は、「スポーツ界・芸能界などで、有望な人材を探し出したり引き抜いたりすること。また、その役目の人。」の意味を有する語である。
そして、「社内スカウト」の文字は、「会社の組織の内部から人材を探し出して引き抜くこと」ほどの意味合いを表す語として一般に使用されており、本願の指定商品・指定役務に関連する分野においても、企業が「社内スカウト」を行うためのソフトウェアやサービスが提供されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する需要者は、その商品(役務)が「社内スカウトのための商品・役務」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質(役務の質)等を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記文字に相応する商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品の品質(役務の質)等の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標「社内スカウト」が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 上記通知に対する請求人の意見の要旨
「社内スカウト」の語は、辞書等に採録された既成語ではなく、また、同様の構成の既成語の意味合いに鑑みると、複数の意味合いが生じ得るものであり、また、当該語そのものから一義的な意味合いが生じるとされる証拠として当該語の使用例がいくつか挙げられているが、当該語が指定役務の質等を表すものとして、取引上、一般的に使用されているということまではできないものである。
よって、本願商標に係る指定役務との関係において、本願商標からは、取引者及び需要者において抽象的なイメージが看取されるとしても、役務の内容についての具体的な意味合いが認識されるとは言い難い名称であり、本願商標については、役務の抽象的な意味合いが暗示される「間接表示による商標」と認識し、理解されるとするのが商取引の実情からみて相当である。
また、本願指定役務の分野において、本願商標を構成する「社内スカウト」の語は、取引上、一般に使用されているとはいえず、当該語は、それら商品役務との関係で、その特性を表示記述するものとして取引に際して必要適切なものとはいえないので、独占適応性を有する。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものではないから、商標法第3条第1項第3号の規定には該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「社内スカウト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「社内」の文字は、「会社の内部」の意味を、「スカウト」の文字は、「有望な人材を探し出したり引き抜いたりすること」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第七版」参照)である。
そして、別掲2のとおり、「社内スカウト」の文字は、「会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること」ほどの意味合いを表す語として一般に使用されており、別掲3のとおり、本願の指定商品及び指定役務に関連する分野においても、社内スカウトに関するコンピュータソフトウェア等の商品や社内スカウトに関するコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供、社内スカウトに関するコンサルティング等の役務が提供されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、例えば、社内スカウト(会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること)に用いられるアプリケーションソフトウェア、社内スカウト(会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること)に関するコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供及び社内スカウト(会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること)を活用した人材に関するコンサルティングなど、社内スカウト(会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること)に関する商品又は役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に当該商品又は役務の内容を表示するものと認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、単に商品の品質(内容)又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「社内スカウト」の語は、辞書等に採録された既成語ではなく、複数の意味合いが生じ得るものであり、証拠調べ通知書における使用例は、当該語が指定役務の質等を表すものとして、取引上、一般的に使用されているということまではできないものであるから、本願商標からは、役務の内容についての具体的な意味合いが認識されることはなく、暗示にとどまるものである旨、また、本願指定役務の分野において、「社内スカウト」の語は、取引上、一般に使用されているとはいえず、当該語は、それら商品役務との関係で、その特性を表示記述するものとして取引に際して必要適切なものとはいえないので、独占適応性を有する旨を主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「社内スカウト」の文字は、「会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること」ほどの意味合いを表す語として、以前から新聞等でも普通に使用されている語であることからすれば、請求人が主張する「社内」と「スカウト」の語義とを組み合わせて想起される「会社内で実施する情報収集のための調査や偵察」や「会社内で運営されるボーイスカウト・ガールスカウト」等の他の意味合いは、本願指定役務との関係では、不自然であると言わざるを得ない。
そして、「社内スカウト」に関するコンピュータソフトウェア等の商品や社内スカウトに関するコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供、コンサルティング等の役務が提供されている実情を鑑みれば、本願商標を本願指定商品又は指定役務中、社内スカウト(会社の内部から人材を探し出したり引き抜いたりすること)に関する商品又は役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に当該商品又は役務の内容を表示するものと認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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