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特許拒絶査定不服審判

2021-005326

遊技機

審判番号
2021-005326
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-030790外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年04月23日
審決日
2022年02月21日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 30790号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月25日出願公開、特開2020- 96935号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

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本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成29年6月20日に出願した特願2017-120768号の一部を令和2年2月26日に新たな特許出願(特願2020-30790号)としたものであって、同年3月3日に手続補正書が提出され、同年11月30日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年1月26日に意見書及び手続補正書が提出され、同年3月8日付け(謄本送達日:同年同月23日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和3年4月23日に提出された手続補正書による補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和3年4月23日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 補正の内容

(1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年1月26日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、

「可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技機において、
特定遊技状態と、当該特定遊技状態において所定条件が成立した場合に移行可能な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了した場合に移行可能な通常遊技状態と、に制御することが可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態及び前記特別遊技状態において、有利区間に制御可能であり、且つ、前記通常遊技状態において、通常区間に制御可能な区間制御手段と、
前記有利区間において、特別操作に関する情報を報知可能な操作情報報知手段と、
続きを表示(全12行)
前記特別遊技状態が終了した場合、遊技結果を表示可能な表示手段と、
を備え、
前記特別遊技状態は、
所定回数の遊技が実行された場合に終了する遊技状態であり、
前記表示手段は、
第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、
前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である
ことを特徴とする遊技機。」

とあったものを、

「可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技機において、
特定遊技状態と、当該特定遊技状態において所定条件が成立した場合に移行可能な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了した場合に移行可能な通常遊技状態と、に制御することが可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態及び前記特別遊技状態において、有利区間に制御可能であり、且つ、前記通常遊技状態において、通常区間に制御可能な区間制御手段と、
前記有利区間において、特別操作に関する情報を報知可能な操作情報報知手段と、
続きを表示(全12行)
前記特別遊技状態が終了した場合、遊技結果を表示可能な表示手段と、
を備え、
前記特別遊技状態は、
所定回数の遊技が実行された場合に終了する遊技状態であり、
前記表示手段は、
前記特別遊技状態が終了した場合、第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、
前記特別遊技状態が終了した場合、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である
ことを特徴とする遊技機。」

とする補正を含むものである。なお、下線は当審で付した。以下同様。

2 補正の目的及び新規事項について

(1)補正の目的

本件補正は、本件補正前の請求項1において記載されていた「前記表示手段」が、「第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である」ことを、「前記特別遊技状態が終了した場合、第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、前記特別遊技状態が終了した場合、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である」ことに限定するものである。

また、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一である。

したがって、本件補正後の請求項1に係る上記の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項

本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面の【0186】、【図18】、【図19】等の記載に基づくものであり、新たな技術的事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件について

本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、次のとおり分説することができる。以下、分説に係る各発明特定事項を符号に対応させて「発明特定事項A」などという。

「A 可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技機において、
B 特定遊技状態と、当該特定遊技状態において所定条件が成立した場合に移行可能な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了した場合に移行可能な通常遊技状態と、に制御することが可能な遊技状態制御手段と、
C 前記特定遊技状態及び前記特別遊技状態において、有利区間に制御可能であり、且つ、前記通常遊技状態において、通常区間に制御可能な区間制御手段と、
D 前記有利区間において、特別操作に関する情報を報知可能な操作情報報知手段と、
続きを表示(全12行)
E 前記特別遊技状態が終了した場合、遊技結果を表示可能な表示手段と、
を備え、
F 前記特別遊技状態は、
所定回数の遊技が実行された場合に終了する遊技状態であり、
G 前記表示手段は、
前記特別遊技状態が終了した場合、第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、
前記特別遊技状態が終了した場合、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である
H ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献

ア 引用文献1

原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許6112527号公報(平成29年4月12日発行、以下「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

(ア)「【0008】
本明細書において、用語の意味は、以下の通りである。
……
【0022】
続きを表示(全12行)
本実施形態において、「遊技区間」には、「通常区間」、「待機区間」、及び「有利区間」を備える。
……
【0028】
また、「有利区間」とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間であり、具体的には、指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板において指示内容(有利な操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信することができる遊技区間を指す。有利区間中の遊技は、報知可能遊技とも称することがある。逆に、通常区間中の遊技や待機区間中の遊技は、報知不可能遊技と称することがある。
……
【0035】
……
また、有利区間には、上限遊技回数が定められており、上限遊技回数に到達したときは、有利区間の残り遊技回数を有する場合であっても、その時点で常に有利区間を終了し(リミッターの作動)、通常区間に移行する。」
(イ)「【0050】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10に設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備える。
メイン制御基板50は、入力ポート51及び出力ポート52を有し、RWM53、ROM54、メインCPU55等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
……
【0059】
また、図1に示すように、メイン制御基板50には、遊技者が操作する操作スイッチとして、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42、及び精算スイッチ46が電気的に接続されている。
……」
(ウ)「【0120】
遊技を開始するときは、遊技者は、ベットスイッチ40の操作により予め貯留されたメダルを投入するか(貯留ベット)、又はメダル投入口43からメダルを手入れ投入する(手入れベット)。規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による役の抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示される。
【0121】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の役抽選結果に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
【0122】
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。」
(エ)「【0123】
次に、メイン制御基板50の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御基板50のメインCPU55は、以下の役抽選手段61等を備える。本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
……
【0308】
有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間への移行(待機区間を含む)、有利区間を終了するか否かの判断、有利区間中の上乗せ、指示機能の作動制御等を実行する手段である。
まず、有利区間制御手段69は、通常区間かつ非内部中遊技では、有利区間に移行するか否かを決定する。
また、有利区間制御手段69は、有利区間かつ非内部中遊技では、有利区間の遊技回数を上乗せするか否かを決定する。」
(オ)「【0349】
本実施形態では、有利区間に関する遊技回数をカウントするカウンタとして、有利区間カウンタ69a及び上限カウンタ69bを備える(図1参照)。
……
【0360】
また、上限カウンタ69bは、有利区間を開始したときは、常にカウントを開始し(有利区間に移行することが決定されたとき、又は有利区間の開始時に「1500」をセットし)、その後、有利区間を終了するまでは、いかなる場合であってもカウントを中断せず、1遊技ごとに、カウント値を「1」ずつデクリメントする。また、たとえば、1BB作動中であってもカウントを継続する。この点が、有利区間カウンタ69aとは異なる。なお、有利区間カウンタ69aや上限カウンタ69bは、1遊技ごとに「0」からカウント値を「1」ずつインクリメントするものであってもよい。
【0361】
そして、有利区間制御手段69は、上限カウンタ69bの値が「0」となったときは、有利区間カウンタ69aのカウント値が「0」を超える値であっても、今回遊技で有利区間を(強制)終了し(有利区間カウンタ69aのカウント値を「0」に更新する)、有利区間表示LED77を消灯する(デジット2のセグメントデータ中、8ビット目を「0」に更新する)。このように、上限カウンタ69bのカウント値は、有利区間において最優先され、上限カウンタ69bのカウント値が「0」となったときは、仮に1BB作動中であっても有利区間を終了する。」
(カ)「【0799】
<第12実施形態>
第12実施形態は、有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)に、たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)から、エンディング演出を出力することを特徴とする(エンディング演出を出力する点は、図55(第3実施形態)の例3と同様である)。なお、1450遊技目に限られるものではなく、1400遊技目、1470遊技目等、種々設定することができる。
そして、エンディング演出は、1450遊技目から開始し、1500遊技目で終了する。ここで、「エンディング演出」は、たとえば動画像で、ムービー画像とも称され、1遊技毎に区切らないもの(単位遊技毎に画像を切り替えるものではなく、予め時間が定められた動画像)である。
【0800】
ちなみに、エンディング演出の長さは、遊技者が最短で遊技しても、ちょうど50遊技(有利区間が終了する遊技)で最後まで見られるように設定されている。最後までいくと、その後は最初から繰り返すか、又は最後の画像を静止画像として表示する。このように、エンディング演出は、遊技者が最短で遊技しても、有利区間が終了するまでに、最後まで見られるような長さに設定しておくことが好ましい。エンディング演出の最後(1500遊技目の遊技の終了時)には、有利区間で獲得した総メダル枚数、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数や、総遊技回数(1500遊技)を表示する。もちろん、有利区間で獲得した総メダル枚数(総獲得枚数)や、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数(総獲得差枚数)や、総遊技回数(1500遊技)は、エンディング演出の最後としてではなく、その後に出力される別の演出(有利区間の終了時(1500遊技目の遊技の終了時)に実行されるフリーズ中に、出力される演出など)として表示してもよい。」

上記(ア)~(カ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、符号a1等を本件補正発明の発明特定事項A等に概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

「a1 設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備えるスロットマシン10であって(【0050】)、
メイン制御基板50には、遊技者が操作する操作スイッチとして、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されており(【0059】)、
a2 遊技を開始するときは、遊技者は、ベットスイッチ40の操作により予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを手入れ投入し、規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され、メイン制御基板50は、この信号を受信すると、役抽選手段61による役の抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御し、このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示され(【0120】)、
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31の回転を停止させ、ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され、メイン制御基板50は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の役抽選結果に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行い(【0121】)、
続きを表示(全18行)
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示し、さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われ(【0122】)、
b1,c1,d 遊技区間には、通常区間、待機区間、及び有利区間を備え(【0022】)、
有利区間とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間であり、具体的には、指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板において指示内容(有利な操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信することができる遊技区間を指し(【0028】)、
有利区間には、上限遊技回数が定められており、上限遊技回数に到達したときは、有利区間の残り遊技回数を有する場合であっても、その時点で常に有利区間を終了し(リミッターの作動)、通常区間に移行し(【0035】)、
b2,c2 メイン制御基板50のメインCPU55は、役抽選手段61等を備え(【0123】)、
有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間への移行、有利区間を終了するか否かの判断、有利区間中の上乗せ、指示機能の作動制御等を実行する手段であり、
まず、有利区間制御手段69は、通常区間かつ非内部中遊技では、有利区間に移行するか否かを決定し、
また、有利区間制御手段69は、有利区間かつ非内部中遊技では、有利区間の遊技回数を上乗せするか否かを決定し(【0308】)、
b3,c3 有利区間に関する遊技回数をカウントするカウンタとして、上限カウンタ69bを備え(【0349】)、
上限カウンタ69bは、有利区間を開始したときは、常にカウントを開始し(有利区間に移行することが決定されたとき、又は有利区間の開始時に「1500」をセットし)、その後、有利区間を終了するまでは、いかなる場合であってもカウントを中断せず、1遊技ごとに、カウント値を「1」ずつデクリメントし(【0360】)、
そして、有利区間制御手段69は、上限カウンタ69bの値が「0」となったときは、有利区間カウンタ69aのカウント値が「0」を超える値であっても、今回遊技で有利区間を(強制)終了し(有利区間カウンタ69aのカウント値を「0」に更新する)、このように、上限カウンタ69bのカウント値は、有利区間において最優先され、上限カウンタ69bのカウント値が「0」となったときは、仮に1BB作動中であっても有利区間を終了し(【0361】)、
b4,e,g 有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)に、たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)から、エンディング演出を出力し、エンディング演出は、たとえば動画像で、ムービー画像とも称され(【0799】)、
エンディング演出の最後(1500遊技目の遊技の終了時)には、有利区間で獲得した総メダル枚数、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数や、総遊技回数(1500遊技)を表示する(【0800】)
h スロットマシン10(【0050】)。」

イ 引用文献2

原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-23249号公報(平成29年2月2日出願公開、以下「引用文献2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

(ア)「【0010】

<第1の実施形態>

以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。

(イ)「【0544】
<エンディング画像の表示内容>
次に、第1特別状態ST23又は第2特別状態ST24が終了した場合に画像表示装置63にて表示されるエンディング画像について説明する。図65は画像表示装置63にて表示されるエンディング画像の内容を説明するための説明図である。
【0545】
続きを表示(全16行)
図65に示すようにエンディング画像が表示される場合、画像表示装置63にはエンディングベース画像141a~141cが表示されるとともに、各種文字画像142,143,144,145が表示される。……
【0546】
……これら第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b及び特別エンディングベース画像141cは、図67(a)~図67(c)に示すように、所定の背景画像の種類が相違しているとともに所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像の種類が相違している。これにより、第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b及び特別エンディングベース画像141cのいずれが表示されているのかを明確に区別することが可能となる。
【0547】
……また、既に説明したとおり主側MPU72の第2特別状態処理(図58(b))におけるエンディングベース画像の抽選処理(ステップS2609)では第3特別移行抽選モードにおいてのみ第2特別状態ST24が終了する場合に表示させるエンディングベース画像として特別エンディングベース画像141cを選択し得る。……
【0548】
既に説明したとおり主側MPU72の第2特別状態処理(図58(b))におけるエンディングベース画像の抽選処理(ステップS2609)では、第3特別移行抽選モードであっても第1エンディングベース画像141a及び第2エンディングベース画像141bが選択し得る。……
……
【0553】
ボーナス中獲得数表示用の画像データ群157に含まれる画像データが使用されることにより、図65に示すように「ボーナス中獲得数100枚」といったボーナス中獲得数文字画像144がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示される。……また、ボーナス中獲得数文字画像144には、第1特別状態ST23であれば第1特別状態処理(図58(a))におけるステップS2506にて主側RAM74の第1合計獲得数カウンタ102から読み出された値に対応する獲得数が表示され、第2特別状態ST24であれば第2特別状態処理(図58(b))におけるステップS2607にて主側RAM74の第1合計獲得数カウンタ102から読み出された値に対応する獲得数が表示される。これにより、今回の第1特別状態ST23又は第2特別状態ST24において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
【0554】
合計獲得数表示用の画像データ群158に含まれる画像データが使用されることにより、図65に示すように「合計獲得数950枚」といった合計獲得数文字画像145がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示される。……また、合計獲得数文字画像145には、第1特別状態ST23であれば第1特別状態処理(図58(a))におけるステップS2507にて主側RAM74の第2合計獲得数カウンタ103から読み出された値に対応する獲得数が表示され、第2特別状態ST24であれば第2特別状態処理(図58(b))におけるステップS2608にて主側RAM74の第2合計獲得数カウンタ103から読み出された値に対応する獲得数が表示される。これにより、今回のART状態ST20において既に遊技者に付与された遊技媒体の合計数を遊技者に明確に認識させることが可能となる。」
(ウ)「【図65】
[図:0001383815000001.jpg]
」
(エ)「【図67】
[図:0001383815000002.jpg]
」

(オ)上記(ア)ないし(エ)からみて、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載の技術事項」という。)が記載されている。

「第2特別状態ST24が終了した場合に画像表示装置63にて表示されるエンディング画像(【0544】)が表示される場合、画像表示装置63にはエンディングベース画像141a~141cが表示されるとともに、各種文字画像144,145が表示され(【0545】)、
第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b及び特別エンディングベース画像141cは、所定の背景画像の種類が相違しているとともに所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像の種類が相違しており(【0546】)、
主側MPU72の第2特別状態処理におけるエンディングベース画像の抽選処理では、第2特別状態ST24が終了する場合に表示させるエンディングベース画像として、第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b又は、特別エンディングベース画像141cを選択し得(【0547】、【0548】)、
ボーナス中獲得数表示用の画像データ群157に含まれる画像データが使用されることにより、「ボーナス中獲得数100枚」といったボーナス中獲得数文字画像144がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示され(【0553】)、
合計獲得数表示用の画像データ群158に含まれる画像データが使用されることにより、「合計獲得数950枚」といった合計獲得数文字画像145がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示される(【0554】)
スロットマシン10(【0010】)。」

(3)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(h)は、本件補正発明のAないしHに概ね対応させている。

(a)引用発明の発明特定事項a1及びa2における「スロットマシン10」、「リール31」、「リール31上の図柄」、「すべてのリール31の停止時における図柄の組合せ」及び、「メダル」は、それぞれ、本件補正発明の「遊技機」、「可変表示手段」、「可変表示手段において変動表示する識別情報」、「当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様」及び、「遊技価値」に相当する。

また、引用発明では、「遊技を開始するときは、」「リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示され」(【0120】)、「そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31の回転を停止させ、」「メイン制御基板50は、」「そのモータ32に係るリール31の停止制御を行い」(【0121】)、「そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示し、さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われ」るから(【0122】)、引用発明は、「可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて遊技価値を付与可能」であるといえる。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Aを有する。

(b)引用発明の発明特定事項b1,c1,dによれば、「有利区間とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間であり、具体的には、指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板において指示内容(有利な操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信することができる遊技区間を指」すから(【0028】)、引用発明の「有利区間」における遊技の状態は、本件補正発明の「特定遊技状態」に相当する。

また、引用発明の発明特定事項b2,c2によれば、引用発明は「有利区間かつ非内部中遊技では、有利区間の遊技回数を上乗せするか否かを決定」し(【0308】)、発明特定事項b4,e,gによれば、引用発明は「有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)に、たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)から、エンディング演出を出力」するところ(【0799】)、引用発明の「有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)」における「たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)」から「上限である1500遊技」までの遊技の状態は、本件補正発明の「当該特定遊技状態において所定条件が成立した場合に移行可能な特別遊技状態」に相当する。

また、引用発明の発明特定事項b3,c3によれば、引用発明は、「上限カウンタ69bの値が「0」となったときは、有利区間カウンタ69aのカウント値が「0」を超える値であっても、今回遊技で有利区間を(強制)終了」するところ(【0361】)、発明特定事項b1,c1,dによれば、引用発明は、「有利区間には、上限遊技回数が定められており、上限遊技回数に到達したときは、有利区間の残り遊技回数を有する場合であっても、その時点で常に有利区間を終了し(リミッターの作動)、通常区間に移行」するものであるから(【0035】)、引用発明の「有利区間」を「終了」すると「移行」する「通常区間」における遊技の状態は、本件補正発明の「当該特別遊技状態が終了した場合に移行可能な通常遊技状態」に相当する。

また、引用発明が上記の状態に制御することが可能な手段を備えることは明らかであるところ、引用発明の当該手段は、本件補正発明の「遊技状態制御手段」に相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Bを有する。

(c)引用発明の「有利区間」及び「通常区間」が複数の遊技で継続可能であることは、技術常識より明らかである。したがって、引用発明は、「有利区間」における遊技の状態(「特定遊技状態」に相当する。)の次の遊技で「有利区間」に制御可能であり、「有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)」における「たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)」から「上限である1500遊技」までの遊技の状態(「特別遊技状態」に相当する。)の次の遊技で「有利区間」に制御可能であり、「通常遊技状態」に相当する状態の次の遊技で「通常区間に制御可能」である。そうすると、引用発明は、特定遊技状態及び特別遊技状態において、有利区間に制御可能であり、且つ、通常遊技状態において、通常区間に制御可能であるといえる。

また、引用発明が上記の区間を制御するための手段を備えることは明らかであるところ、引用発明の当該手段は、本件補正発明の「区間制御手段」に相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Cを有すると認められる。

(d)引用発明の発明特定事項b1,c1,dにおける「有利区間」は、「指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間」であり、「指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板において指示内容(有利な操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する」ところ(【0028】)、引用発明の「指示内容(有利な操作態様)」は本件補正発明の「特別操作に関する情報」に相当するから、引用発明は、有利区間において、特別操作に関する情報を報知可能であるといえる。

また、引用発明が上記の情報を報知するための手段を備えることは明らかであるところ、引用発明の当該手段は、本件補正発明の「操作情報報知手段」に相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Dを有する。

(e)引用発明の発明特定事項b4,e,gにおける「エンディング演出の最後(1500遊技目の遊技の終了時)」及び「有利区間で獲得した総メダル枚数、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数や、総遊技回数(1500遊技)」は、それぞれ、本件補正発明の「前記特別遊技状態が終了した場合」及び「遊技結果」に相当する。

また、引用発明が上記の表示を行うための手段を備えることは明らかであるところ、引用発明の当該手段は、本件補正発明の「表示手段」に相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Eを有する。

(f)上記(b)で述べたように、引用発明の「有利区間が上限である1500遊技まで継続するとき(たとえば、小役E1などに当選し、開始した有利区間中に上乗せ等が行われ、継続することが確定しているときや、有利区間中に、1BB遊技などが行われたことにより、継続することが確定しているときなど)」における「たとえば1450遊技目(上限に近づいたとき)」から「上限である1500遊技」までの遊技の状態は、本件補正発明の「特別遊技状態」に相当するところ、上記の状態は、「有利区間」の「上限である1500遊技」が実行された場合に終了するから、「所定回数の遊技が実行された場合に終了する遊技状態」であるといえる。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Fを有する。

(g)上記(e)で述べたように、引用発明の発明特定事項b4,e,gにおける「エンディング演出の最後(1500遊技目の遊技の終了時)」及び「有利区間で獲得した総メダル枚数、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数や、総遊技回数(1500遊技)」は、それぞれ、本件補正発明の「前記特別遊技状態が終了した場合」及び「遊技結果」に相当する。

また、引用発明は、「前記特別遊技状態が終了した場合、遊技結果を表示可能な表示手段」を備えるといえる。

ここで、引用発明の発明特定事項b4,e,gにおける「エンディング演出」は、「たとえば動画像で、ムービー画像とも称され」るものである。そうすると、引用発明は、「特別遊技状態が終了した場合、画像と共に遊技結果を表示可能である」といえる。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Gと、「前記表示手段」が、「前記特別遊技状態が終了した場合、画像と共に遊技結果を表示可能である」点で、共通する。

(h)引用発明の発明特定事項hにおける「スロットマシン10」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項Hを有する。

上記(a)ないし(h)によれば、本件補正発明と引用発明は、

「A 可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて遊技価値を付与可能な遊技機において、
B 特定遊技状態と、当該特定遊技状態において所定条件が成立した場合に移行可能な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了した場合に移行可能な通常遊技状態と、に制御することが可能な遊技状態制御手段と、
C 前記特定遊技状態及び前記特別遊技状態において、有利区間に制御可能であり、且つ、前記通常遊技状態において、通常区間に制御可能な区間制御手段と、
D 前記有利区間において、特別操作に関する情報を報知可能な操作情報報知手段と、
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E 前記特別遊技状態が終了した場合、遊技結果を表示可能な表示手段と、
を備え、
F 前記特別遊技状態は、
所定回数の遊技が実行された場合に終了する遊技状態であり、
G’ 前記表示手段は、
前記特別遊技状態が終了した場合、画像と共に遊技結果を表示可能である
H 遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点1(発明特定事項G)

「前記特別遊技状態が終了した場合」における「前記表示手段」が、

本件補正発明では、「第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、」かつ、「前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である」ように構成されているのに対し、

引用発明では、「エンディング演出の最後(1500遊技目の遊技の終了時)には、有利区間で獲得した総メダル枚数、獲得した総メダル枚数と投入した総メダル枚数の差数や、総遊技回数(1500遊技)を表示する」ように構成されている点。

(4)判断

ア 相違点1について

相違点1について検討する。

引用文献2記載の技術事項は、「スロットマシン10」(本件補正発明の「遊技機」に相当する。)において、

「第2特別状態ST24が終了した場合に画像表示装置63にて表示されるエンディング画像が表示される場合、画像表示装置63にはエンディングベース画像141a~141cが表示されるとともに、各種文字画像144,145が表示され、
第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b及び特別エンディングベース画像141cは、所定の背景画像の種類が相違しているとともに所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像の種類が相違しており、
主側MPU72の第2特別状態処理におけるエンディングベース画像の抽選処理では、第2特別状態ST24が終了する場合に表示させるエンディングベース画像として、第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b又は、特別エンディングベース画像141cを選択し得、
ボーナス中獲得数表示用の画像データ群157に含まれる画像データが使用されることにより、「ボーナス中獲得数100枚」といったボーナス中獲得数文字画像144がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示され、
合計獲得数表示用の画像データ群158に含まれる画像データが使用されることにより、「合計獲得数950枚」といった合計獲得数文字画像145がエンディングベース画像141a~141cの手前に存在しているように表示される」

というものである。

引用文献2記載の技術事項は、画像表示装置63(本件補正発明の「表示手段」に相当する。)が、第2特別状態ST24が終了した場合(本件補正発明の「前記特別遊技状態が終了した場合」に相当する。)に、所定の背景画像の種類が相違しているとともに所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像の種類が相違している、第1エンディングベース画像141a、第2エンディングベース画像141b又は、特別エンディングベース画像141c(これらのエンディングベース画像のうちいずれか二つが、本件補正発明の「第1画像」及び「前記第1画像とは異なる第2画像」に相当する。)と共に、ボーナス中獲得数文字画像144や合計獲得数文字画像145(どちらも、本件補正発明の「遊技結果」に相当する。)が表示されるものである。したがって、引用文献2記載の技術事項は、「前記表示手段は、前記特別遊技状態が終了した場合、第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、前記特別遊技状態が終了した場合、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である」という本件補正発明の発明特定事項Gを備えるといえる。

引用発明と引用文献2記載の技術事項とは、当然、特別遊技状態に制御可能な遊技機である点で共通し、この点を前提として、特別遊技状態が終了した場合、画像と共に遊技結果を表示可能である遊技機である点でも共通するものである。したがって、引用発明が有する「前記表示手段は、前記特別遊技状態が終了した場合、画像と共に遊技結果を表示可能である」に相当する構成と、「前記表示手段は、前記特別遊技状態が終了した場合、第1画像と共に遊技結果を表示可能であり、前記特別遊技状態が終了した場合、前記第1画像とは異なる第2画像と共に遊技結果を表示可能である」という引用文献2記載の技術事項を転換することは、当業者が容易に想到できたことである。

したがって、引用発明において、相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項Gをなすことは、当業者が引用文献2記載の技術事項に基づいて容易になし得たことである。

イ 本件補正発明の奏する効果について

本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用文献2記載の技術事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

(5)請求人の主張

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請求人は、審判請求書の【請求の理由】の「(5-2)本願新請求項1の発明と引用文献1~3の発明との対比」において、

「このため、従来の遊技機は、エンディング終了時のリザルト画面が表示された状態で放置されやすく、また、この状態では来店客から敬遠されやすく、稼働率の低下につながっていたという問題があります。
新請求項1の発明は、このような問題を解決することができます。
すなわち、新請求項1の発明は、特別遊技状態終了時のリザルト画面におけるバリエーションを増やすことにより、例えば、表示されやすいリザルト画面、表示されにくいリザルト画面等の種別を設定できます(段落0190~0195等)。特別遊技状態終了時において、表示されにくいリザルト画面等が表示された場合には、「いつもとは異なるリザルト画面が表示されたので、遊技が新たな状態やモードに発展するのではないか、特定遊技状態(AT等)に直ぐに当選するのではないか」等といった期待を、遊技者に持たせることができます。
これにより、有利区間終了時(即ち、特別遊技状態終了時に遊技結果を表示するリザルト画面が表示された状態)で、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止することができます。
このように、新請求項1の発明は、稼働率の低下を防止する遊技機を提供することができます。」

等と主張する。なお、下線は請求人が付したものである。

しかしながら、「遊技が新たな状態やモードに発展するのではないか、特定遊技状態(AT等)に直ぐに当選するのではないか」等といった期待を遊技者に持たせることができるようにするためには、特別遊技状態終了時のリザルト画面におけるバリエーションを増やして、いつもとは異なるリザルト画面が表示されるようにするだけではなく、いつもとは異なるリザルト画面が表示されることに応じて新たな状態やモードに発展することや、いつもとは異なるリザルト画面が表示されることに応じて特定遊技状態(AT等)に直ぐに当選することといった、リザルト画面と遊技状態との関係が不可欠である。しかしながら、本件補正発明は、リザルト画面と遊技状態との関係を特定するものではないから、請求人の主張は本件補正発明の構成に基づくものではない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(6)まとめ

以上のように、本件補正発明は、当業者が、引用発明及び引用文献2記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものである。

したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 補正却下の決定についてのむすび

したがって、本件補正は、特許法第17条の2において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願に係る発明は、令和3年1月26日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたものであるところ、その請求項1に係る発明は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要

原査定の拒絶の理由は、この出願の令和3年1月26日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

<引用文献等一覧>

1.特許6112527号公報

2.特開2017-23249号公報

3 引用文献

引用文献1及び引用文献2は、上記第2[理由]3(2)ア及びイに記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明(上記第2[理由]1)は、本件補正発明(上記第2[理由]3(1))から、発明特定事項の一部を上位概念化したものである。

そうすると、本願発明と引用発明とは、事実上、相違点1でのみ相違するから、本願発明も、上記第2[理由]3(4)で示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、容易に発明をすることができたものである。

5 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-005326

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