2021-004680
遊技機
- 審判番号
- 2021-004680
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-212162外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年04月11日
- 審決日
- 2021年12月07日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ネット株式会社
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成28年10月28日の出願であって、令和2年8月6日付けで拒絶の理由が通知され、同年同月29日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年1月7日付け(謄本送達日:同年同月15日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年4月11日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和3年4月11日提出の手続補正書による補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月11日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正により、令和2年8月29日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、遊技毎に役を内部抽選する役抽選手段と、遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示する図柄表示制御手段と、続きを表示(全12行)前記内部抽選により小役が当選し、該小役が入賞すると払出す遊技媒体を、十の位と一の位で表示する払出数表示手段と、通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段と、前記停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニターと、前記指示モニターの表示を制御する表示制御手段と、を具備し、前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位であり、前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示すること、を特徴とする遊技機。」
は、令和3年4月11日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、遊技毎に役を内部抽選する役抽選手段と、遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示する図柄表示制御手段と、続きを表示(全12行)前記内部抽選により小役が当選し、該小役が入賞すると払出す遊技媒体を、十の位と一の位で表示する払出数表示手段と、通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段と、前記停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニターと、前記指示モニターの表示を制御する表示制御手段と、を具備し、前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位を使用して前記指示情報を0~6の値で表示するものであり、前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示し、前記指示情報が表示なしのときは前記0を表示すること、を特徴とする遊技機。」
に補正がされた(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。)。
上記補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「指示モニター」について、「払出数表示手段の一の位」を使用して「指示情報を0~6の値で表示」するものに限定し、
「指示条件」について、「内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応し」たものに限定し、
「表示制御手段」について、「指示情報が表示なしのときは前記0を表示」するものに限定するものである。
さらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、上記補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0255】、及び同願書に最初に添付した図面の図36等に基づいたものであり、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、令和3年4月11日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明は、上記「1 補正の内容」においても示した次のとおりのものである(A~Jは、当審で分説して付与した。)。
(本願補正発明)
「【請求項1】A 外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、B 遊技毎に役を内部抽選する役抽選手段と、C 遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示する図柄表示制御手段と、続きを表示(全12行)D 前記内部抽選により小役が当選し、該小役が入賞すると払出す遊技媒体を、十の位と一の位で表示する払出数表示手段と、E 通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段と、F 前記停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニターと、G 前記指示モニターの表示を制御する表示制御手段と、を具備し、H 前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位を使用して前記指示情報を0~6の値で表示するものであり、I 前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示し、前記指示情報が表示なしのときは前記0を表示すること、J を特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-171860号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「遊技機」の発明に関し、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
ア 「【0012】[1.第1の実施形態]本発明における第1の実施形態のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。」
イ 「【0031】[3.扉形前面部材]図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。・・・【0043】[4.図柄変動表示装置]図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。」
ウ 「【0120】[8.各リールの図柄、図柄列]各リール301a,301b,301cには、図46に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号0番から20番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。また、図46では、リール帯321aが付されるリール301aを左リール、リール帯321bが付されるリール301bを中リール、リール帯321cが付されるリール301cを右リールとして示しており、以下の説明でも、必要に応じて左リール301a、中リール301b、右リール301cと表記する。」
エ 「【0142】[9-3.特別表示LED]特別表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダル(遊技用価値)の払出がある場合に、その払出数を表示することにより、遊技者に遊技用価値の払出枚数を知らせる払出枚数表示の役割を持った表示器であって、2つの横並びの7セグメントLED(左側が特別表示LED612a、右側が特別表示LED612b)によって構成される。具体的には、特別表示LED612a,612bを用いて2桁の数字を表示することができ、ゲーム結果に伴って15枚のメダルが払出される場合には、メダルが1枚ずつ払い出されるタイミングに合わせて「01」、「02」、・・・、「15」というように表示内容を変化させていくことで、遊技用価値(メダル)の払出状況をリアルタイムで遊技者に知らせることができる。【0143】続きを表示(全11行)また、本実施形態のスロットマシン1では、特別表示LED612は、上記の払出枚数表示の役割とは別に、当該ゲームにおける「指示機能」による指示内容を表示する指示機能表示の役割を持つ。「指示機能」の詳細は後で説明するが、概要を示すと、本実施形態のスロットマシン1では、所定条件の成立時に「指示機能」による指示の発生が決定されると、特別表示LED612において、指示機能表示としてリール301a~301cの押下位置や停止順(停止操作におけるリール停止ボタン211a~211cの押し順や押し位置、と読み替えられる)等を示す情報が表示され、当該表示の内容に応じたリール301の停止操作が行われると、遊技者にとって有利なゲーム結果が提供される。【0144】なお、指示機能において、指示の発生に影響を及ぼす性能(具体的には、指示機能に係る抽選及び状態遷移の管理等)は主基板409によって制御され、具体的には、指示機能に係る抽選や状態遷移の制御だけでなく、特別表示LED612における指示機能表示も、メイン基板409によって管理される。一方で、本実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409による決定結果に基づいて、指示機能表示の表示先以外の他の表示手段(例えば画像表示体500)でも、同内容の指示機能の指示を表示させることも可能としているが、このような表示については、メイン基板409以外の周辺基板(例えばサブ基板510)によって制御されてもよい。特別表示LED612、メイン基板409、及びサブ基板510の接続関係は、図48に例示される。・・・【0148】[10.スロットマシンの内部構成]図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。メイン基板409は、遊技の結果(遊技用価値の獲得)に影響を与える機能、具体的には例えば、当選役、ボーナス、AT等の抽選や、それらの抽選結果に基づく遊技状態の制御、指示機能による指示の決定、さらには入賞役に基づく払出等を管理する。」
オ 「【0169】なお、以下に説明する第1の実施形態のスロットマシン1は、遊技機が備える機能の一例として、押し順小役を利用したAT(アシストタイム)機能を備えるとする。押し順小役とは、図49に示す「AT1」~「AT10」の当選役に相当し、これらの当選役の入賞時にはベル図柄揃いが表示され得ることから、まとめて「押し順ベル」とも呼ぶ。AT機能を備えた遊技機では、メイン基板409(主にCPU1110)が行う抽選(AT抽選)によってATの当落が判定され、当該判定の結果ATに当選した場合は、ATゲームが実行される。ATゲームでは、当選役の内部抽選で押し順小役が当選役として選ばれた場合を中心に、最も多いメダルの払出に期待できる適正な押し順を教示又は告知することによって、当該教示に従ったリール停止操作を行った遊技者が多くのメダルを獲得できるようにする。一方、ATゲーム以外の遊技期間(非AT)では、上記の押し順の教示又は告知を行わないことによって、適正な押し順でのメダル獲得を非確実なものにさせることができ、遊技状態ごとにメダルの期待獲得枚数やメダルの消費ペースに差異をもたらすことができる。このようなAT機能は、スロットマシン1が備える指示機能の一例であり、その詳細な処理等は後述する。【0170】また、押し順について補足すると、スロットマシン1では、3本のリール301a~301cを用いていることから、その押し順(リール301の停止順)は、「左-中-右」、「左-右-中」、「中-左-右」、「中-右-左」、「右-左-中」、「右-中-左」の6通りが存在する。以下の説明では、それぞれの押し順を、順に、「順押し」、「挟み押し」、「中順押し」、「中逆押し」、「逆挟み押し」、「逆押し」と呼ぶ。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、「中順押し」又は「中逆押し」の何れの押し順で停止操作が行われても、同じリール停止制御を行うようにすることから、これら2つの押し順を区分せずに、単に「中押し」と呼ぶことがある。この場合、実質的には、5択の押し順が存在することになる。」
・・・
【0184】
図49に示された当選役は、ボーナス役、小役、又はリプレイ役(再遊技役)に大別することができ、前述の何れの役にも当選しない場合に「はずれ」と呼ぶ。ここで、「はずれ」は、厳密には当選役ではない。しかし、当選役に関する内部抽選の結果が図49に示された各当選役であった場合と同様に、当選役に関する内部抽選の結果が「はずれ」であった場合は、当該結果に基づいて(すなわち、「はずれ」という当選役に当選したかのようにして)その後の内部処理が設定されることから、以下では、便宜上、「はずれ」を当選役に含めて説明することがある。
【0185】
それぞれを簡単に説明すれば、「ボーナス役」は、ボーナスゲームの実行契機となる役であって、具体的には「2種BB」がボーナス役に相当する。「リプレイ役(再遊技役)」は、メダルを再投入することなく次回のゲームが実行可能にされる(再遊技)役であって、具体的には「リプレイ」がリプレイ役に相当する。「小役」は、その入賞によって所定枚数のメダルの払出が行われる役であって、具体的には「押し順ベル」、「押し順不問ベル」、「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「弱チャンス目」、「強チャンス目」、及び「最強目」が、小役に相当する。なお、前述したように、図49に示した当選役「AT1」~「AT10」は総称として「押し順ベル」とも呼ぶことがある。図49において押し順ベルの払出数が複数通りで記載されているのは、リール301の停止順や停止位置によって払出枚数が異なる可能性があるためである。一方、当選役「ベル1」,「ベル2」は、押し順に拘わらず常にベル図柄を停止可能なベル役であることから、総称として「押し順不問ベル」と呼ぶことがある。各当選役の詳細は後述する。」
カ 「【0207】[10-1-5-2.押し順ベル]次に、当選時の入賞度合い(入賞率、及び入賞に基づくメダルの払出枚数)がリール301の押し順によって変化し得る押し順ベルについて説明する。【0208】図49に示した当選役「AT1」~「AT10」は、主にATゲームで遊技者に確実に特典を付与し得るために用意される押し順ベルの当選役である。「AT1」~「AT10」には、それぞれ5通りの適正な押し順のうちの何れかが関連付けられている(図50参照)。」
キ 「【0229】[11.ゲーム処理]次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。【0232】続きを表示(全12行)ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、以降のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容されるのである。【0233】次いで、ステップS31では、ATの指示機能(所謂、ATナビ)に関する処理として指示機能処理を行う。指示機能処理では、ATゲームの当選及びその開始等が決定されるだけでなく、ATゲームが開始されるか否かを示唆又は教示する前兆演出について、前兆演出が実行される前兆ゲームへの移行等も決定され、ATゲーム中であれば押し順等を遊技者に教示するATナビが実行される。指示機能処理の詳細については、図57等を参照しながら後述する。・・・【0236】次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。【0237】ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。」
ク 「【0280】[11-3-2.指示機能処理]図54のステップS31で説明したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、メイン基板409が、ステップS3における内部抽選処理によって当選役を選び出した後(抽選テーブルは、図49参照)、メイン基板409によって指示機能処理の中心的な処理が行われ、特別表示LED612で指示の発生が表示される場合には(指示機能表示)、周辺基板(例えばサブ基板510)が同内容の指示機能の指示を他の表示器等で演出表示させることができる(ナビ表示、指示発生演出)。なお、指示機能表示及びナビ表示の表示態様は様々であってよいが、どちらの表示もメイン基板409によって決定された指示機能の指示内容に沿った表示内容であることが求められる。【0281】図57は、指示機能処理の大まかな処理の流れを説明するための図である。図57では、スロットマシン1で行われる指示機能処理に関して、メイン基板409で実行される一連の処理と、メイン基板409からのコマンドを受けてサブ基板510で実行される一連の処理とが併記されている。図58、図59は、図57に示す指示機能処理のうち、メイン基板409によって実行される指示機能発生処理の詳細な処理手順を示すフローチャート(その1,その2)である。また、図60は、サブ基板510によって実行される指示機能関連処理の処理手順を示すフローチャートである。[11-3-2]では、まず、図57を参照しながら、指示機能処理の概要を説明し、[11-3-3]以降では、図58~図60等を参照しながら、指示機能処理に含まれる各処理の詳細を説明する。・・・【0284】まず、図57のステップS61では、メイン基板409が、指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行する。より具体的には、ATの当落を決定したり、ATゲームの開始可否やATゲームの継続数を決定したりする。さらに、ATゲームの前兆演出を実行するか否かについても、指示機能発生処理で決定する。【0285】そして、指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、メイン基板409は、当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行う(ステップS62)。この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示したり、所定の図柄を所定の停止順で揃えるべきことを示したりすることができる。」
ケ 「【0499】第1例の指示機能表示では、指示機能表示に関するルールの一例として、以下の規則を設けるとする。(1)7セグメントLED(7セグ)を2個使って指示機能表示を行う(特別表示LED612a,612b)。特別表示LED612aは押し場所の目安を示す情報を表示し、特別表示LED612bは押し順を示す情報を表示する。(2)指示機能表示が行われる期間について、少なくともリール停止ボタン211a~211cに対する押下操作(リール停止操作)の受付が開始されるまでに、指示機能表示が開始され、回転中の最後のリール301に対応するリール停止操作が行われたリール停止ボタン211から遊技者の手が離れたタイミングで、特別表示LED612における表示は、指示機能表示から払出枚数表示に切り替えられる。すなわち、指示機能表示の期間と払出枚数表示の期間とは重複しない。なお、当該ゲームの結果、遊技用価値(メダル)の払出がなかった場合、すなわち払出枚数が「0」であった場合は、払出枚数表示を行わなくてもよい。補足要件として、指示機能表示が行われ、かつ、払出枚数表示が行われない場合、払出枚数表示が行われる場合と同じタイミングで指示機能表示を解除する(非表示)ものとするが、別例として、払出処理が完了するまで指示機能表示を継続する等してもよい。続きを表示(全13行)(3)特別表示LED612で指示機能表示が行われているゲームにおいて、回転中のリール301a~301cのうちから何れかのリールが第1停止された際に、停止されたリールが指示機能表示(特別表示LED612b)で第1停止すべきリールとして示されたリールではなかった場合(すなわち、指示内容とは異なるリールが第1停止された場合)や、リール停止ボタン211の押下タイミングが指示機能表示(特別表示LED612a)で押し場所の目安として示された位置に対応しないタイミングであった場合(すなわち、指示内容とは異なる位置でリールの停止操作が行われた場合)であっても、全てのリール301に対する停止操作が終了するまで特別表示LED612における表示態様は変更しない。・・・【0507】特別表示LED612bにおける表示「0」は、押し順を限定しない(押し順不問)ときに用いられる。但し、「使用用途」欄に記載されているように、押し順不問の当選役であるときのみ使用されるわけではなく、択一によって入賞し得る当選役であるときに、敢えて押し順を教示しない場合にも使用することができる。押し順不問の当選役には、押し順ベルやリプレイが含まれる他、チャンス目やスイカ、チェリー等の低当選役(レア役)も含まれる。したがって、レア役の当選時に指示機能表示が行われる場合、特別表示LED612bにおける表示は「0」となるが、このとき、ナビ表示において、「チャンス!」等の期待表示やレア役の種別表示を行わせるようにしてもよい。このような表示を行うことで、通常とは異なる期待度の高いゲームであることを遊技者に示唆又は教示することができる。また、択一によって入賞し得る当選役のときに敢えて押し順を教示しない、という後者の場合には、適正な押し順が教示されないことから、ナビ表示例は「?・?・?」となる。【0508】特別表示LED612bにおける表示「1」~「6」は、適正な押し順として、3つのリール301a~301cそれぞれの停止順が定められる場合に用いられるもので、所謂6択の押し順を表示することができる。指示機能表示で6択の押し順が表示されるとき、ナビ表示では、少なくとも、第1に停止すべきリール及び第2に停止すべきリールが教示される。第3に停止すべきリールは、消去法的には明らかとなるが、敢えて明示してもよい。・・・【0510】なお、本実施形態のスロットマシン1では、図48,図49等を参照して説明したように5択の押し順ベルが用意されているが、このような場合、3択の押し順表示では表示パターンが不足するため、6択の押し順表示を利用したり、一部だけ(中押しの押し順ベルの場合だけ)3択の押し順表示を利用したりすればよい。」
コ 「【0605】[11-3-5.指示発生演出処理]本実施形態のスロットマシン1において、メイン基板409は、指示機能発生処理の結果に基づいて特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を指示情報コマンドで送信することによって、周辺基板(例えば、サブ基板510)に指示内容を通知する。なお、図55の説明で前述したように、指示機能が発生する場合にメイン基板409から周辺基板に送信される指示情報コマンドは、当該ゲームで選ばれた当選役が含まれるグループを識別可能な形態(当選役をグループ化したコマンド)で送信される。・・・続きを表示(全11行)【0616】指示情報801は、指示情報コマンドに相当し、指示情報801がONのときは「送信」を意味し、メイン基板409からサブ基板510に指示情報コマンドが送信される。指示情報801がOFFのときは「待機」を意味し、メイン基板409からサブ基板510に対して指示情報コマンドは送信されない。【0617】指示機能802は、メイン基板409によって制御される指示機能に相当し、指示機能802がONのときは「表示」を意味し、特別表示LED612で指示機能表示が行われる。指示機能802がOFFのときは「非表示」を意味し、特別表示LED612で指示機能表示は行われない。・・・【0626】図90において、指示情報801によれば、指示情報コマンドは、始動レバー210の押下操作が行われたときに送信される。また、指示機能802によれば、特別表示LED612における指示機能表示は、リール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるタイミングから、全てのリール301に対する停止操作が終了する(第三停止ボタン押下)まで表示される。また、液晶ナビ805によれば、ナビ表示は、リール301の回転開始時から表示開始され、表示終了のタイミングは指示機能表示と同じになっている。なお、図90の例では、ナビ表示の開始が指示機能表示の開始よりも先になっているが、ナビ表示は指示情報コマンドの内容に基づいて表示され、かつ、指示情報コマンドの内容は指示機能表示における指示内容と同様であることから、指示機能表示と相違ない内容でナビ表示が行われることに変わりはない。但し、必ずしもこのような表示順序に限定するものではない。」
サ 正面視したスロットマシンにおける図柄表示窓付近の拡大図である図47から、スロットマシン1に特別表示LED612が設けられることが看取される。
【図47】
[図:0001381549000001.jpg]
そして、上記記載事項ア~コに記載された事項、及び図面に記載された事項サを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~jは、本願補正発明のA~Jに概ね対応させて当審にて付与した。また、括弧内に示された段落番号及び図面番号は、引用文献1における引用箇所を示す。)。
(引用発明)
「a 複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300を有し(【0012】)、図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な3個のリール301a,301b,301cを有し(【0043】)、各リール301a,301b,301cには、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列が表記されたリール帯(図柄帯)が付され(【0120】)、b 遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有し(【0148】)、続きを表示(全38行)メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理は(【0229】)、始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行し、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容され(【0232】)(ステップS3)、c 図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211cが設けられ(【0031】)、メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理は(【0229】)、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行し(【0236】)(ステップS4)、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行し(【0237】)(ステップS5)、d 特別表示LED612が設けられ(上記サ)、特別表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダル(遊技用価値)の払出がある場合に、その払出数を表示することにより、遊技者に遊技用価値の払出枚数を知らせる払出枚数表示の役割を持った表示器であって、2つの横並びの7セグメントLED(左側が特別表示LED612a、右側が特別表示LED612b)によって構成され、特別表示LED612a,612bを用いて2桁の数字を表示することができ(【0142】)、当選役は、ボーナス役、小役、又はリプレイ役(再遊技役)に大別することができ(【0184】)、「小役」は、その入賞によって所定枚数のメダルの払出が行われる役であり(【0185】)、e メイン基板409が行う抽選(AT抽選)によってATの当落が判定され、当該判定の結果ATに当選した場合は、ATゲームが実行され、ATゲームでは、当選役の内部抽選で押し順小役が当選役として選ばれた場合を中心に、最も多いメダルの払出に期待できる適正な押し順を教示又は告知することによって、当該教示に従ったリール停止操作を行った遊技者が多くのメダルを獲得できるようにし、一方、ATゲーム以外の遊技期間(非AT)では、上記の押し順の教示又は告知を行わないことによって、適正な押し順でのメダル獲得を非確実なものにさせることができ、遊技状態ごとにメダルの期待獲得枚数やメダルの消費ペースに差異をもたらすことができ(【0169】)、f 特別表示LED612は、「指示機能」による指示内容を表示する指示機能表示の役割を持ち、「指示機能」による指示の発生が決定されると、特別表示LED612において、指示機能表示としてリール301a~301cの押下位置や停止操作におけるリール停止ボタン211a~211cの押し順を示す情報が表示され(【0143】)、特別表示LED612bは押し順を示す情報を表示し(【0499】)、g 特別表示LED612における指示機能表示も、メイン基板409によって管理され(【0144】)、h 特別表示LED612bにおける表示「0」は、押し順を限定しない(押し順不問)ときに用いられ(【0507】)、特別表示LED612bにおける表示「1」~「6」は、適正な押し順として、3つのリール301a~301cそれぞれの停止順が定められる場合に用いられるもので、所謂6択の押し順を表示することができ(【0508】)、押し順小役を利用したAT(アシストタイム)機能を備え、押し順小役は「押し順ベル」とも呼び(【0169】)、押し順(リール301の停止順)は、「左-中-右」、「左-右-中」、「中-左-右」、「中-右-左」、「右-左-中」、「右-中-左」の6通りが存在し、「中順押し」又は「中逆押し」の何れの押し順で停止操作が行われても、同じリール停止制御を行うようにすることから、実質的には、5択の押し順が存在し(【0170】)、5択の押し順ベルが用意されている場合、6択の押し順表示を利用し(【0510】)、i メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理は(【0229】)、ATの指示機能(所謂、ATナビ)に関する処理として指示機能処理を行い、指示機能処理では、ATゲームの当選及びその開始等が決定され、ATゲーム中であれば押し順等を遊技者に教示するATナビが実行され(【0233】)(ステップS31)、メイン基板409は、指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行し、ATの当落を決定し(【0284】)、指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、メイン基板409は、当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示し(【0285】)、当選役「AT1」~「AT10」は、ATゲームで遊技者に確実に特典を付与し得るために用意される押し順ベルの当選役であり、「AT1」~「AT10」には、それぞれ5通りの適正な押し順のうちの何れかが関連付けられ(【0208】)、メイン基板409は、指示機能発生処理の結果に基づいて特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を指示情報コマンドで送信することによって、周辺基板(サブ基板510)に指示内容を通知し(【0605】)、指示情報801は、指示情報コマンドに相当し、指示情報801がONのときは、メイン基板409からサブ基板510に指示情報コマンドが送信され(【0616】)、指示機能802は、メイン基板409によって制御される指示機能に相当し、指示機能802がONのときは、特別表示LED612で指示機能表示が行われ(【0617】)、指示情報801によれば、指示情報コマンドは、始動レバー210の押下操作が行われたときに送信され、指示機能802によれば、特別表示LED612における指示機能表示は、リール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるタイミングから、全てのリール301に対する停止操作が終了する(第三停止ボタン押下)まで表示される(【0626】)、j スロットマシン1(【0012】)。」
(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する(対比の見出しとしての(a)~(j)は、引用発明の分説構成と対応させた。)。
(a) 引用発明の構成aの「複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列が表記されたリール帯(図柄帯)が付され」た「各リール301a,301b,301c」は、本願補正発明の構成Aの「外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴」に相当する。
そして、引用発明の構成aにおいて、「図柄変動表示装置300を有し」、「図柄変動表示装置300は」「リール301a,301b,301cを有」することは、本願補正発明の構成Aにおける「複数の回胴と」「を具備」することに相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願補正発明の構成Aに相当する構成を備えるものである。
(b) 引用発明の構成bの「いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理」は、本願補正発明の構成Bの「内部抽選」に相当するとともに、引用発明の構成bの「始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行」することは、本願補正発明の構成Bの「遊技毎に役を内部抽選する」ことに相当する。
また、引用発明の構成bの「内部抽選処理を実行」する「メイン基板409」は、本願補正発明の構成Bの「役抽選手段」に相当する。
そして、引用発明の構成bにおいて、「メイン基板409」(役抽選手段)「を有」することは、本願補正発明の構成Bの「役抽選手段」「を具備」することに相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本願補正発明の構成Bに相当する構成を備えるものである。
(c) 引用発明の構成cの「図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c」は、本願補正発明の構成Cの「各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチ」に相当する。
また、引用発明の構成cの「全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行し、
遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行」することは、本願補正発明の構成Cの「遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ」ることに相当する。
また、引用発明の構成b及びcの「いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行し」、「この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容され」(構成b)、「遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行」する(構成c)ことは、「リール停止処理」の「実行」によって「図柄」が停止して表示されることが明らかであることから、本願補正発明の構成Cの「内部抽選の結果に応じて図柄を表示する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成b、cにおける上記「全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行し、
遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行」すること、及び「いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行し」、「この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容され」ることは、いずれも「メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理」であることから、引用発明の「メイン基板409」は本願補正発明の構成Cの「図柄表示制御手段」に相当する。
そして、引用発明の構成bにおいて、「メイン基板409」(図柄表示制御手段)「を有」することは、本願補正発明の構成Cの「図柄表示制御手段」「を具備」することに相当する。
してみると、引用発明の構成b及びcは、本願補正発明の構成Cに相当する構成を備えるものである。
(d) 引用発明の構成dの「メダル」、「小役」、「特別表示LED612」、「2つの横並びの7セグメントLED」の「左側」の「特別表示LED612a」、「2つの横並びの7セグメントLED」の「右側」の「特別表示LED612b」は、それぞれ本願補正発明の構成Dの「遊技媒体」、「小役」、「払出数表示手段」、「十の位」、「一の位」に相当する。
また、引用発明の構成dの「小役」(小役)は、同構成dによれば、「当選役」であって、当該「当選役」は、同構成bによれば、「内部抽選処理を実行」することで「内部抽選の結果とするか否か」「決定」されるものであるから、本願補正発明の構成Dの「内部抽選により」「当選」する「小役」に相当する。
また、引用発明の構成dの「小役」(小役)は、「その入賞によって所定枚数のメダルの払出が行われる」ものであるから、本願補正発明の構成Dの「入賞すると」「遊技媒体を」「払出す」「小役」に相当する。
そして、引用発明の構成dの「特別表示LED612」(払出数表示手段)「が設けられ」ることは、本願補正発明の構成Dの「払出数表示手段と」「を具備」することに相当する。
してみると、引用発明の構成b及びdは、本願補正発明の構成Dに相当する構成を備えるものである。
(e) 引用発明の構成eの「ATゲーム以外の遊技期間(非AT)」は、本願補正発明の構成Eの「通常遊技」に相当する。
また、引用発明の構成eの「ATゲーム」は、「当選役の内部抽選で押し順小役が当選役として選ばれた場合を中心に、最も多いメダルの払出に期待できる適正な押し順を教示又は告知することによって、当該教示に従ったリール停止操作を行った遊技者が多くのメダルを獲得できるように」するものであるから、「ATゲーム以外の遊技期間(非AT)」(通常遊技)よりも「遊技者が多くのメダルを獲得できる」ものといえ、本願補正発明の構成Eの「該通常遊技より有利な指示遊技」に相当する。
そして、引用発明の構成bによれば、「メイン基板409」は「遊技の進行を統括的に制御する」ものであって、さらに、引用発明の構成b及びcによれば、
「メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理は、始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行し、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止することが許容され、」
「全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行し、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行」するものであるから、引用発明の「メイン基板409」は「ATゲーム以外の遊技期間(非AT)」(通常遊技)か「ATゲーム」(指示遊技)かに関わらず「遊技の進行を」「制御」(本願補正発明の構成Eの「遊技を」「実行」することに相当。)しているものといえる。
そうすると、引用発明の構成b及びcにおける「メイン基板409」は、本願補正発明の構成Eの「通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成b、c及びeは、本願補正発明の構成Eに相当する構成を備えるものである。
(f) 引用発明の構成fの「押し順を示す情報」、「特別表示LED612b」は、それぞれ本願補正発明の構成Fの「指示情報」、「指示モニター」に相当する。
また、同構成fの「停止操作におけるリール停止ボタン211a~211cの押し順を示す情報」は、本願補正発明の構成Fの「停止スイッチの操作の指示内容」に相当する。
そして、引用発明の構成fの「特別表示LED612b」(指示モニター)で「表示」する「押し順を示す情報」(指示情報)は、「停止操作におけるリール停止ボタン211a~211cの押し順を示す情報」(停止スイッチの操作の指示内容)であるといえるから、引用発明の構成fの「押し順を示す情報を表示」する「特別表示LED612b」は、本願補正発明の構成Fの「停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニター」に相当するものである。
してみると、引用発明の構成fは、本願補正発明の構成Fに相当する構成を備えるものである。
(g) 引用発明の構成gの「メイン基板409」は、「特別表示LED612における指示機能表示」を「管理」するのだから、「特別表示LED612」の「右側」の「7セグメントLED」(同構成d参照)である「特別表示LED612b」(指示モニター)での「押し順を示す情報」の「管理」もしているものといえる。そして、「特別表示LED612b」(指示モニター)(上記(f)参照)での「押し順を示す情報」の「管理」をすることは、本願補正発明の構成Gの「指示モニターの表示を制御する」ことに相当する。
そうすると、引用発明の「メイン基板409」は、本願補正発明の構成Gの「指示モニターの表示を制御する表示制御手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成f及びgは、本願補正発明の構成Gに相当する構成を備えるものである。
(h) 引用発明の「特別表示LED612b」(指示モニター)が「特別表示LED612」(払出数表示手段)の「一の位」に相当するものであることは、上記(d)にて説示のとおりである。
また、引用発明の構成hの「特別表示LED612bにおける表示「0」」を「押し順を限定しない(押し順不問)ときに用い」、「特別表示LED612bにおける表示「1」~「6」」を「適正な押し順として、3つのリール301a~301cそれぞれの停止順が定められる場合に用い」ることは、本願補正発明の構成Hの「指示モニター」が「0~6の値で表示する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成hでは、
「押し順小役を利用したAT(アシストタイム)機能を備え、押し順小役は「押し順ベル」とも呼び、押し順(リール301の停止順)は、「左-中-右」、「左-右-中」、「中-左-右」、「中-右-左」、「右-左-中」、「右-中-左」の6通りが存在し、「中順押し」又は「中逆押し」の何れの押し順で停止操作が行われても、同じリール停止制御を行うようにすることから、実質的には、5択の押し順が存在し、5択の押し順ベルが用意されている場合、6択の押し順表示を利用」するのだから、引用発明の構成hの「表示「0」」及び「表示「1」~「6」」(「0~6の値」での「表示」)で示す「押し順」は、「押し順ベル」の「押し順を示す情報」(指示情報)(上記(f)参照)であるといえる。
してみると、引用発明の構成f及びhは、本願補正発明の構成Hに相当する構成を備えるものである。
(i) 引用発明の「メイン基板409」が本願補正発明の「役抽選手段」に相当することは、上記(b)にて説示のとおりであるから、引用発明の構成bで「メイン基板409にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する、ゲーム処理」が「ステップS3で」「いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行」することは、本願補正発明の構成Iの「役抽選手段が内部抽選を行」うことに相当する。
また、引用発明の構成iでは「ATゲーム中であれば押し順等を遊技者に教示するATナビが実行され」ることから、引用発明の構成iの「AT」は本願補正発明の「ナビモード」に相当するとともに、引用発明の構成iの「当該ゲームの当選役」は本願補正発明の「内部当せん情報」に相当することから、引用発明の構成iの「指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行し、ATの当落を決定し」「指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、」「当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示」すことは、本願補正発明の構成Iの「内部当せん情報」「及びナビモード情報に対応して」「指示情報を」「払出数表示手段」「を用いて表示」することに相当する。
そして、引用発明の構成iでは、「ATゲーム中であれば」「押し順」(押し順情報)「等を遊技者に教示するATナビが実行され」、「指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行し」「AT」(ナビモード)「の当落を決定し」「指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、」「当該ゲームの当選役」(内部当選情報)「に基づいた指示機能表示」(指示)「を特別表示LED612に表示させる処理を行」うのだから、「指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行」う際には、「AT」(ナビモード)、「当該ゲームの当選役」(内部当せん情報)及び「押し順」(押し順情報)に「対応し」た「指示条件」が成立していることは明らかである。
さらに、引用発明の「メイン基板409」が本願補正発明の「表示制御手段」に相当することは、(g)にて説示のとおりであることから、引用発明の構成iの「メイン基板409は、」「指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行し、ATの当落を決定し」「指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、」「当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示」すことは、本願補正発明の構成Iの「表示制御手段」が、「内部当せん情報」「及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると」「指示情報を」「払出数表示手段」「を用いて表示」することに相当する。
また、引用発明の構成iによれば、「当選役「AT1」~「AT10」は、ATゲームで遊技者に確実に特典を付与し得るために用意される押し順ベルの当選役であり、「AT1」~「AT10」には、それぞれ5通りの適正な押し順のうちの何れかが関連付けられ」ているのだから、引用発明の構成iにおいて「ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示」すこと(「指示情報を」「払出数表示手段」「を用いて表示」すること)が、「当選役「AT1」~「AT10」」の「それぞれ5通りの適正な押し順」(押し順情報)に対応したものであることは明らかである。
そして、引用発明の「特別表示LED612b」(指示モニター)が「特別表示LED612」(払出数表示手段)の「一の位」に相当するものであることは、上記(d)にて説示のとおりであり、また、引用発明の構成hによれば、「特別表示LED612bにおける表示「0」」を「押し順を限定しない(押し順不問)ときに用い」、「特別表示LED612bにおける表示「1」~「6」」を「適正な押し順として、3つのリール301a~301cそれぞれの停止順が定められる場合に用い」るのだから、引用発明の構成iにおける「当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示」すことが、
「指示内容を数値化した指示情報を設定し」、「特別表示LED612」(払出数表示手段)の「一の位」を用いて表示し、「指示情報が表示なしのときは前記0を表示する」ものであることは明らかである。
ここで、引用発明の構成iによれば、「メイン基板409は、指示機能発生処理の結果に基づいて特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を指示情報コマンドで送信」し、「指示情報コマンドは、始動レバー210の押下操作が行われたときに送信され」るのだから、「指示情報コマンド」の「情報」でもある「特別表示LED612で」「行う」「指示機能表示における表示内容(指示内容)」(本願補正発明の「指示情報」に相当)は、「始動レバー210の押下操作が行われたとき」には設定されているものということができる。
一方、始動レバーの押下操作が行われ、その後に複数の回胴が回転することとなるのは技術常識であることからすると、引用発明の構成iの「メイン基板409は、指示機能発生処理の結果に基づいて特別表示LED612で指示機能表示を行う一方で、指示機能表示における表示内容(指示内容)と同様の情報を指示情報コマンドで送信することによって、周辺基板(サブ基板510)に指示内容を通知し、」「指示情報コマンドは、始動レバー210の押下操作が行われたときに送信され」ることから、引用発明の構成iが本願補正発明の構成Iの「指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転」する構成を有することは明らかである。
また、引用発明の構成iの「特別表示LED612における指示機能表示は、リール停止ボタン211の押下操作が受付可能になるタイミングから、全てのリール301に対する停止操作が終了する(第三停止ボタン押下)まで表示される」ことは、本願補正発明の構成Iの、「停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、」「設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段」「を用いて表示」することに相当する。
以上を総合すると、引用発明の構成b、h及びiは、本願補正発明の構成Iと、
「前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示し、前記指示情報が表示なしのときは前記0を表示する」点で共通する。
(j) 引用発明の構成jの「スロットマシン1」は本願補正発明の構成Jの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成jは、本願補正発明の構成Jに相当する構成を備えるものである。
そうすると、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
(一致点)
「A 外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、B 遊技毎に役を内部抽選する役抽選手段と、C 遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示する図柄表示制御手段と、D 前記内部抽選により小役が当選し、該小役が入賞すると払出す遊技媒体を、十の位と一の位で表示する払出数表示手段と、続きを表示(全11行)E 通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段と、F 前記停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニターと、G 前記指示モニターの表示を制御する表示制御手段と、を具備し、H 前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位を使用して前記指示情報を0~6の値で表示するものであり、I′前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示し、前記指示情報が表示なしのときは前記0を表示する、J 遊技機。」
(相違点)(構成I)
本願補正発明は「表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立する」ものであるのに対し、引用発明では「リプレイタイム情報」「に対応して指示条件が成立する」ものではない点。
(4) 相違点の検討
上記相違点について検討する。
そもそも、本願補正発明における「リプレイタイム情報」がいかなる状況を示すものなのか、発明の詳細な説明を参照してみても必ずしも定かなものといえないが、スロットマシンにおいて、リプレイタイムに対応して指示条件が成立するようにすることが、例えば
特開2016-144504号公報
(特に、「【0080】
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において中ベル1~4または右ベル1~4のうち何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
・・・
【0084】
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1~6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11~13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。・・・
【0085】
RT2では、左ベル1~4、中ベル1~4、および右ベル1~4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。」
「【0182】また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。」
との記載を参照(下線は当審で付した。「(4) 相違点の検討」中の下線については、以下同じ。)。)
特開2016-144719号公報
(特に、「【0150】
図11~図13は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図14は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図である。
【0151】
本実施の形態におけるスロットマシンは、図14に示すように、遊技状態として、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御される。また、RTとは、リプレイとなる確率が高められたリプレイタイムのことであり、通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0~4のいずれかの種類のRT(リプレイタイム)に制御される。」
「【0247】以上のように遊技状態及びRTの移行状況が設定されているが、ナビ演出は、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに実行する。ナビ対象役は、通常・RT1であるときにはリプレイGR1~6、通常・RT0であるときにはリプレイGR11~16、リプレイGR21~25であり、通常・RT2であるときにはリプレイGR31~36が設定されている。また、通常・RT0~3では、左ベル1~4、中ベル1~4、右ベル1~4もナビ対象役に設定されている。リプレイGR1~36に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイや特殊リプレイ、SPリプレイを入賞させるための押し順が報知される。以下、RT0~3においてナビ対象役となる左ベル1~4、中ベル1~4、右ベル1~4を「押し順ベル」と称し、リプレイGR1~36のうちRT0~2においてナビ対象役となったリプレイGRを「押し順リプレイ」と称することがある。」との記載を参照。)
にみられるように従来より周知の事項である。そうすると、引用発明の構成iの「指示機能を発生させるか否かに関する処理(指示機能発生処理)を実行し、ATの当落を決定し」「指示機能発生処理の結果、指示機能を発生させると決定された場合は、」「当該ゲームの当選役に基づいた指示機能表示を特別表示LED612に表示させる処理を行い、この指示機能表示によって、AT中に成立した押し順小役の適正な停止順を示」すこと(本願補正発明の構成Iの「内部当せん情報」「及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると」「指示情報を」「払出数表示手段」「を用いて表示」することに相当)を実行するにあたり、「リプレイタイム情報」にも対応して指示条件が成立するものとすることは、当業者が容易に想到することというべきである。
そして、本願補正発明の作用効果は、引用発明及び周知の技術から当業者が予測できるものである。
そうすると、本願補正発明は引用発明及び周知の技術から当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5) 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の「d.請求項1に係る発明と引用例との対比」において、
「d.請求項1に係る発明と引用例との対比請求項1に係る発明は、上記の通りで御座いますが、特に「前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位を使用して前記指示情報を0~6の値で表示するものであり、前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応して指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示し、前記指示情報が表示なしのときは前記0を表示すること、」に特徴付けられるもので御座います。ところで、本願発明と引用文献1等とは一見すると類似しているとは思いますが、上記特徴的構成について具体的に記載乃至示唆しておらず、当業者と雖も容易に創作できるものでは御座いません。従いまして、本願発明の進歩性は肯定されるべきものと思料致します。」
と主張する(上記主張中の下線は審判請求人が付したものである。)。
しかし、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は上記「(3) 対比」にて説示のとおりであり、また、スロットマシンにおいて、リプレイタイムに対応して指示条件が成立するようにすることが、従来より周知の事項であることを考慮すれば、本願補正発明は引用発明及び周知の技術から当業者が容易に発明をすることができたものである。
(6) まとめ
以上のように、本願補正発明は引用発明及び周知の技術から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 補正の却下の決定についてのむすび
上記「2 独立特許要件について」より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年8月29日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Jは本願発明を分説するため当審で付した)。
(本願発明)
「【請求項1】A 外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、B 遊技毎に役を内部抽選する役抽選手段と、C 遊技毎に複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示する図柄表示制御手段と、続きを表示(全12行)D 前記内部抽選により小役が当選し、該小役が入賞すると払出す遊技媒体を、十の位と一の位で表示する払出数表示手段と、E 通常遊技と、該通常遊技より有利な指示遊技を、少なくとも実行可能な遊技実行手段と、F 前記停止スイッチの操作の指示内容を、指示情報で表示する指示モニターと、G 前記指示モニターの表示を制御する表示制御手段と、を具備し、H′前記指示モニターは、前記払出数表示手段の一の位であり、I′前記表示制御手段は、前記役抽選手段が内部抽選を行って、指示条件が成立すると、指示内容を数値化した指示情報を設定し、その後に前記複数の回胴が回転して、前記停止スイッチの操作が受付け可能になった状態において、設定された指示情報を前記指示モニターである前記払出数表示手段の一の位を用いて表示すること、J を特徴とする遊技機。」
2 拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、
1.この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
2.この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
3.この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
特開2016-171860号公報
(上記「2 独立特許要件について」「(2) 引用文献に記載された事項」にて示した引用文献1と同じ。)
というものである。
3 引用文献1に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1の記載事項及び引用発明については、上記第2 「2 独立特許要件について」「(2) 引用文献に記載された事項」に示したとおりである。
4 対比
本願発明は、本願補正発明の「払出数表示手段の一の位」の表示の「指示情報を0~6の値で表示」するとの限定を外し、
「指示条件」について、「内部当せん情報、リプレイタイム情報、押し順情報及びナビモード情報に対応」したとの限定を外し、
「表示制御手段」について、「指示情報が表示なしのときは前記0を表示」するとの限定を外したものである。
そうすると、本願発明は、本願補正発明から上記相違点に係る構成である「リプレイタイム情報」に係る構成が外されているのだから、本願発明は引用発明である。また本願発明は当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は引用発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願発明は当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-004680