2021-004678
遊技機
- 審判番号
- 2021-004678
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-204328外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年04月11日
- 審決日
- 2022年03月29日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ネット株式会社
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成28年10月18日の出願であって、令和2年7月29日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月18日に意見書(受付番号52001678699)及び手続補正書(受付番号52001678701)(以下、「手続補正書1」という)が提出され、同日にさらに意見書(受付番号52001683788)及び手続補正書(受付番号52001683789)(以下、「手続補正書2」という)が提出されたところ、令和3年1月6日付け(謄本送達日:同年同月12日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年4月11日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和3年4月11日提出の手続補正書による補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月11日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
手続補正書1及び手続補正書2は同日に提出されたものであるが、手続補正書1の受付番号(52001678701)及び手続補正書2の受付番号(52001683789)より、手続補正書1が提出された後に手続補正書2が提出されたものといえる。
そして、手続補正書1による補正は特許請求の範囲の補正を含むものであるが、手続補正書2による補正も特許請求の範囲の補正を含み、本件補正も特許請求の範囲の補正を含むものであるから、本件補正による特許請求の範囲の補正は、手続補正書2により補正された特許請求の範囲をさらに補正したものということができる。
そうすると、本件補正により、令和2年8月18日提出の手続補正書2の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】所定範囲内の値の乱数を発生させる乱数発生部と、前記乱数の1つを取得する乱数取得手段と、複数の当選役と置数との関係を定める抽選テーブルと、取得した乱数と前記抽選テーブルを用いて、抽選結果を導出する導出手段と、を具備し、前記抽選テーブルは、複数の識別データで構成される識別情報部及び複数の置数データで構成される置数部を含み、前記識別データは、置数のバイト数を識別する為の識別ビットと、抽選回数情報である複数の抽選回数ビットを含んでおり、前記導出手段は、前記識別ビットが1バイトを示す状態であれば、1バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する一方、前記識別ビットが2バイトを示す状態であれば、2バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出すること、を特徴とする遊技機。」
が、令和3年4月11日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】所定範囲内の値の乱数を発生させる乱数発生部と、前記乱数の1つを取得する乱数取得手段と、複数の当選役と置数との関係を定める抽選テーブルと、取得した乱数と前記抽選テーブルを用いて、抽選結果を導出する導出手段と、を具備し、前記抽選テーブルは、複数の識別データで構成される識別情報部、及び複数の置数データで構成される置数部を含み、前記識別データは、置数のバイト数を識別する為の識別ビットと、抽選回数情報である複数の抽選回数ビットを含んでおり、前記導出手段は、前記識別ビットが1バイトを示す状態であれば、1バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する一方、前記識別ビットが2バイトを示す状態であれば、2バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用し、設定差が無ければ共通の置数を用いる一方、設定差があれば設定別の置数を用いて抽選結果を導出すること、を特徴とする遊技機。」
に補正されたものといえる(下線は、手続補正書2により補正された特許請求の範囲に対する補正箇所を明示するために当審で付した。)。
なお、令和3年4月11日に提出された手続補正書の特許請求の範囲には、上記の下線(手続補正書2により補正された特許請求の範囲に対する補正箇所を明示するために当審で付した下線)と同じ箇所に下線が付されている。そうすると、本件補正による特許請求の範囲の補正が、手続補正書1により補正された特許請求の範囲に対してした補正ではなく、手続補正書2により補正された特許請求の範囲に対して行われた補正であることは、審判請求人も認めていることといえる。
上記補正は、本件補正前の手続補正書2により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「抽選結果」について、「設定差が無ければ共通の置数を用いる一方、設定差があれば設定別の置数を用いて」「導出する」ものに限定するものである。
さらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、上記補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0217】~【0218】等に基づいたものであり、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、令和3年4月11日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明は、上記「1 補正の内容」においても示した次のとおりのものである(A~Hは、当審で分説して付与した。)。
(本願補正発明)
「【請求項1】A 所定範囲内の値の乱数を発生させる乱数発生部と、B 前記乱数の1つを取得する乱数取得手段と、C 複数の当選役と置数との関係を定める抽選テーブルと、続きを表示(全12行)D 取得した乱数と前記抽選テーブルを用いて、抽選結果を導出する導出手段と、を具備し、E 前記抽選テーブルは、複数の識別データで構成される識別情報部、及び複数の置数データで構成される置数部を含み、F 前記識別データは、置数のバイト数を識別する為の識別ビットと、抽選回数情報である複数の抽選回数ビットを含んでおり、G 前記導出手段は、G1前記識別ビットが1バイトを示す状態であれば、1バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する一方、前記識別ビットが2バイトを示す状態であれば、2バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用し、G2設定差が無ければ共通の置数を用いる一方、設定差があれば設定別の置数を用いて抽選結果を導出すること、H を特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-19758号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「遊技機」の発明に関し、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
ア「【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1~図4は、実施例に係るスロットマシンSLを図示したものである。本スロットマシンSLは、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、ヒンジ3を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている(図2)。そして、図1は前面パネル2の正面図、図2はスロットマシンSLの右側面図(a)と平面図(b)、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の内部正面図を示している。
・・・
【0025】
上記のメダル払出装置5に隣接して電源基板62が配置され、また、図柄回転ユニット4の上部に主制御基板50が配置され、主制御基板50に隣接して回胴設定基板54が配置されている。なお、図柄回転ユニット4の内部には、回胴LED中継基板58と回胴中継基板57とが設けられ、図柄回転ユニット4に隣接して外部集中端子板56が配置されている。」
イ「【0039】
図6は、主制御基板50の回路構成を図示したものである。図示の通り、主制御基板50は、ワンチップマイコン64と、8bitパラレルデータを入出力するI/Oポート回路65と、ハードウェア的に乱数値を生成するカウンタ回路66と、演出制御基板51などの外部基板とのインタフェイス回路とを中心に構成されている。ここで、ワンチップマイコン64は、Z80相当品のCPUコア64a、ROM、RAMなどの他に、CTC(Counter/Timer Circuit)64bや、割込みコントローラ64cなどを内蔵している。
・・・
【0042】
図7は、カウンタ回路66をより詳細に例示した回路図である。図示のカウンタ回路66は、スタートレバー17のON操作を示す始動スイッチ信号SGを受ける入力部24と、2つのD型フリップフロップ25a,25bによる信号取得部25と、ハードウェア乱数の下位8ビット(LOW)を生成するICカウンタ26Lと、ハードウェア乱数の上位8ビット(HI)を生成するICカウンタ26Hとを中心に構成されている。そして、ICカウンタ26H,26Lの各出力端子(QA~QH)は、データバスを通して、ワンチップマイコン64(CPUコア64a)に接続されている。」
ウ「【0055】
続いて、主制御基板50のワンチップマイコン64(以下、主制御部50という)が実現する制御動作を説明する。図9~図11は、主制御部50が実行する制御プログラムを説明するフローチャートである。主制御部50の制御プログラムは、電源投入時に開始される無限ループ状のメイン処理(図9(a))と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(図9(b))と、電源遮断時に電源基板62からの検出信号RESで起動される電圧降下割込み処理(不図示)とで構成されている。ここで、タイマ割込み、及び電圧降下割込みは、共にマスク可能な割込みであり(maskable interrupt)、タイマ割込みの割込み周期τは、1.5mS程度である。
・・・
【0057】
ステップST2の処理が終われば、次に、メダル投入口12から実際に投入されたメダル、及び、投入ボタン15、16の押下によって擬似的に投入されたメダルについてのメダル投入処理を行う(ST3)。メダル投入処理(ST3)では、遊技者が投入又は擬似投入したメダルを検出して、その投入枚数を判定し、スタートレバー17がON操作されるとサブルーチン処理を終了する。なお、図7に関して説明した通り、スタートレバー17がON操作されると、始動スイッチ信号SGがLレベルに変化し、その瞬間のカウンタ値が、各ICカウンタ26H,26Lに内蔵された出力レジスタに保持記憶される(図7参照)。
【0058】
そこで、メダル投入処理(ST3)に続いて、乱数取得処理(ST4)が実行される。具体的には、ワンチップマイコン64は、チップセレクト信号CS0,CS1をLレベルに変化させて、カウンタ回路66に保持されているカウンタ値を取得し、これを、乱数値RND(数値範囲:0~65535)としてRAMの該当番地に記憶する。
【0059】
<内部抽選処理で使用する抽選値テーブルDATi>
次に、記憶した乱数値RNDに基づいて内部抽選処理を実行する(ST5)。この実施例では、内部抽選処理(ST5)のために、18種類の抽選値テーブルDAT1~DAT18(図14~図16)が用意されており、これらが複雑に組み合わされて特有の多様な内部抽選処理(ST5)が実行される。
【0060】
図14~図16に示す通り、各抽選値テーブルDAT1~DAT18には、先頭1バイト長のデータ識別子に続いて、1バイト長または2バイト長の抽選値WD1~WDnが連続して格納されている。
【0061】
各抽選値WDiは、これに対応する抽選処理において当選状態となるか否かを決定する数値範囲を意味する。具体的に説明すると、n個の抽選値WD1~WDnは、この順番で乱数値RNDと比較され、先ず、WD1>RNDであれば第1番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了する。一方、第1番目の抽選処理がハズレ状態であると、次に、RND-WD1と2番目の抽選値WD2とが対比され、WD2>RND-WD1(つまり、WD1+WD2>RND)であれば、第2番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了する。
【0062】
以下、同様の処理が繰り返されるので、WD1+WD2+・・・・+WDi>RNDであれば、第i番目の抽選処理が当選状態となる。したがって、WD1+WD2+・・・・+WDn≦RNDの場合には、n回全ての抽選処理でハズレ状態となることになる。以上の処理から明らかな通り、各抽選値WDiは、当選数値範囲(当選幅)を意味し、その値が大きいほど、その抽選処理における当選確率が高いことになる。
【0063】
先に説明した通り、各抽選値テーブルDAT1~DAT18の先頭には、1バイト長のデータ識別子が格納されている。ここで、データ識別子の最上位ビット(bit7)は、その抽選値テーブルDATiを使用した抽選処理が、遊技機に設定されている設定値ごとに実行されるか否かを規定している。設定値は、設定1から設定6まで6区分されており、遊技機毎に予め適宜に設定されているが、bit7=1の場合には、その遊技機の設定値に対応した抽選処理が実行される。逆に、bit7=0であれば、その遊技機の設定値の相違に拘らず、共通した抽選処理が実行される。
【0064】
データ識別子のbit6は、その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定している。抽選値WDiが大きいほど、その抽選処理における当選確率が高いので、当選確率が高い場合には抽選値を2バイト長とする必要があり、逆に、ボーナス図柄(BB1~BB3,BG1~BG2)のように当選確率が低い場合には抽選値が1バイト長で足りることになる。例えば、抽選値テーブルDAT12は、ボーナス図柄(BB1~BB3,BG1~BG2)の当否抽選に使用されるが、抽選値は全て1バイト長であり、これに対応してデータ識別子(20H)のbit6は、0となっている。なお、抽選値テーブルDAT12では、全ての抽選値WD1~WD32を加算しても139にしかならないので、何れかのボーナス図柄(BB1~BB3,BG1~BG2)に当選する当選確率は、0.2%程度(139/65536)である。
【0065】
ところで、データ識別子のbit5~Bit0は、データ識別子(1バイト)に続いて各抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値WD(1バイト長または2バイト長)の個数を意味している。抽選値WDは、各抽選処理での当否結果を一意に規定する数値であるので、データ識別子のbit5~Bit0は、その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味することになる。なお、図14~図16の抽選値テーブルDAT1~DAT18の右欄には、2進数表示されたデータ識別子と、その2進数の意味を、参考のために記載している。」
エ「【0074】
ところで、本実施例では、小役図柄として、「チェリー」「ベル」「赤丸」「緑丸」「青丸」が用意されている。なお、「全丸」とは、「赤丸」「緑丸」「青丸」の何れかを意味する。そのため、例えば、抽選値テーブルDAT1に規定された「全丸」に内部当選すると、その後、有効ライン上に「丸図柄」が3つ揃うと、各「丸図柄」の色彩の相違に拘らず、例えば9枚の配当メダルが払出される。したがって、「全丸」に内部当選した場合には、有効ライン上の停止可能な「丸図柄」の組合せは、3×3×3=27通りあることになる。
【0076】
また、BFR1~BFR9は、各々、複数種類の小役に重複して内部当選した状態を意味している。例えば、BFR1に内部当選した場合には、有効ライン上に、「全丸・全丸・全丸」、「青丸・ベル・全丸」、「緑丸・ベル・全丸」、「青丸・全丸・ベル」、「緑丸・全丸・ベル」のいずれかの組合せの図柄が揃うと、9枚の配当メダルが払い出される。」
オ「【0085】
アドレス領域AD2(133FH番地以降)の[2]欄~[11]欄のアドレス値と、アドレス領域AD3(1356H番地以降)の[3]欄~[12]欄のアドレス値とを対比すると明らかな通り、「ボーナス内部当選中」に使用される10個の抽選値テーブルは、「非RT中」に使用する10個の抽選値テーブルと共通している。そのため、本実施例では、抽選値テーブルを簡素化してROM領域の消費を抑制できる利点がある。もっとも、その結果、「ボーナス内部当選中」に、再度、ボーナス図柄(BB1~BB3など)に当選する可能性もあるが、仮に、重複当選しても、そのボーナス図柄を除く小役当選だけが有効とされる。
【0087】
<内部抽選処理(ST5)の内容>
続いて、アドレステーブルADRと抽選値テーブルDAT1~DAT18を使用して実行する内部抽選処理(ST5)について、図10(a)、図10(b)を参照しつつ具体的に説明する。
【0088】
内部抽選処理(ST5)では、CPUは、最初に、その時の遊技状態を特定する(ST31)。具体的には、その遊技機が、その時に、「RB1作動中」、「ボーナス内部当選中」、「非RT中」、「RT1作動中」、「RT2作動中」、又は、「RB2作動中」の何れの遊技状態であるかを特定する。
【0089】
次に、アドレステーブルADRのインデックス領域INDXに格納されている相対アドレス値(1バイト長)に基づいて、現在の遊技状態に対応するアドレス領域ADiの先頭アドレス(2バイト長)を特定する(ST32)。そして、特定されたアドレス領域ADiの先頭1バイトに格納されているテーブル参照回数を、第1ループ回数としてRAMワーク領域の該当番地に記憶する(ST33)。
【0090】
次に、アドレス領域ADiを特定しているアドレス値Xaをインクリメント(+1)して更新する(ST34)。そして、更新後のアドレス値Xaをメモリに格納すると共に、更新後のアドレス値Xaで特定される2バイト長のアドレス値Yaをメモリに格納して(ST35)、図10(b)に示す抽選判定処理(ST36)を実行する。なお、アドレス値Yaは、アドレス領域ADiの記憶値であり、要するに、選択された抽選値テーブルDATiの先頭アドレス値を意味する。
【0091】
このようにして開始される抽選判定処理(ST36)では、最初に、抽選値テーブルDATiの先頭アドレス(Ya)に格納されているデータ識別子を取得する(ST51)。そして、データ識別子のbit0~bit5の数値を、第2ループ処理回数とオフセット値OFFとして、RAMワーク領域の該当番地に各々記憶して、アドレス値Yaをインクリメントする(ST52)。
【0092】
次に、データ識別子のbit7に基づいて、設定値別の抽選処理を実行するか否かを判定して、bit7=0であれば、次の処理をステップST57までスキップする。一方、bit7=1であって、設定値別の抽選処理を実行する場合には、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定する(ST54)。そして、抽選値WDiが2バイト長である場合には、OFF←OFF*2の演算によって、初期状態のオフセット値OFFを2倍の値に更新する(ST55)。この処理によってオフセット値OFFは、抽選回数の2倍の値となる。一方、抽選値WDiが1バイト長であれば、初期設定されたオフセット値OFFが、そのまま使用される。
【0093】
そして、初期状態又は更新後のオフセット値OFFと、その遊技機の設定値Siとに基づいて、アドレス値Yaを更新する(ST56)。設定値Siは、1~6の何れかであるので、具体的には、Ya←Ya+(Si-1)*OFFの演算によってアドレス値Yaを更新する。なお、更新前のアドレス値Yaは、現在選択されている抽選値テーブルDATiの先頭アドレス+1の値であり(ST52参照)、更新後のアドレス値Yaは、設定値毎の抽選値WDiが格納された先頭アドレス値である。
【0094】
次に、選択されている抽選値テーブルDATiから特定される抽選番号NUMを、RAMワーク領域の該当番地に記憶する(ST57)。また、更新後のアドレス値Yaによって特定される抽選値WDiの下位1バイトを取得し、Z80CPUのEレジスタに格納する(ST58)。また、アドレス値Yaをインクリメントする(ST59)。
【0095】
次に、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し、抽選値WDiが1バイト長であれば、次の処理をステップST63までスキップする。一方、抽選値WDiが2バイト長であれば、インクリメント後のアドレス値Yaによって特定される抽選値の上位1バイトを取得し、Z80CPUのDレジスタに格納する(ST61)。また、アドレス値Yaをインクリメントする(ST62)。なお、Dレジスタの値は、ステップST61の処理が実行されない限り、初期値0のままである。
【0096】
次に、ステップST4(図9(a)))の処理で記憶された乱数値RNDを読み出し、Z80CPUのHLレジスタに格納する(ST63)。そして、DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行する(ST64)。なお、この減算処理は、乱数値RNDと抽選値WDiとの大小比較による抽選処理に他ならず、RND<WDiであれば、その抽選処理に当選したことを意味する。
【0097】
抽選処理の当否に拘らず、減算処理(抽選処理)後のHLレジスタの値によって、乱数値RNDに書き換えられるが、もし当選状態であればZ80CPUのキャリフラグCYがCY=1となっている。そこで、キャリフラグCYの値に基づいて、当否結果を判定し(ST65)、当選状態であれば、このサブルーチン処理(ST51~ST65)を完了する。
【0098】
一方、キャリフラグCYがCY=0であってハズレ状態であれば、第1ループ回数をデクリメント(-1)し、デクリメント後の値が0でない限り、ステップST57=ST65の処理を繰り返す。
【0099】
例えば、抽選値テーブルDAT1が選択されている場合であれば、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高13個の抽選値WDi(BA52H・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・028FH・0258H・00C8)との対比処理が、この順番に繰返される。なお、抽選値WDiの総和ΣWDiがFFFDHであることから、何れかの役に当選する確率がほぼ100%(=FFFDH/10000H)であり、この点は先に説明した通りである。
【0100】
また、例えば、抽選値テーブルDAT13が選択されており、その遊技機の設定値Siが4の場合(Si=4)には、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高4個の抽選値WDi(28H・0FH・01H・05H)との対比処理が順番に繰返される。
【0101】
このような抽選判定処理(ST36)によって、特定の抽選値テーブルDATiを使用した一連の抽選処理が実行され、当否結果は、Z80CPUのキャリフラグCYに保存されてサブルーチン処理(ST36)が完了される。なお、当選状態(CY=1)の抽選番号NUMは、RAMワーク領域の該当番地に記憶されている(ST57参照)。」
カ 「【図9】[図:0001384815000001.jpg]【図10】[図:0001384815000002.jpg]」
キ「【図14】
[図:0001384815000003.jpg]
【図15】
[図:0001384815000004.jpg]
【図16】
[図:0001384815000005.jpg]
」
ク 【0085】の
「抽選値テーブルを簡素化してROM領域の消費を抑制できる」との記載から、
「抽選値テーブルはROM領域を消費するものであり」との事項が導かれる。
ケ 【図14】の記載、【0063】の「データ識別子の最上位ビット(bit7)」との記載、【0065】の「図14~図16の抽選値テーブルDAT1~DAT18の右欄には、2進数表示されたデータ識別子」「を、参考のために記載している。」との記載、【0099】の「例えば、抽選値テーブルDAT1が選択されている場合であれば、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高13個の抽選値WDi(BA52H・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・028FH・0258H・00C8)との対比処理が、この順番に繰返される。」との記載から、
「抽選値テーブルDAT1では、RB1作動中抽選値データとしてデータ識別子のbit7が0であり、全丸に対し 抽選値 BA52BFR1に対し 抽選値 071C続きを表示(全16行)BFR2に対し 抽選値 071CBFR3に対し 抽選値 071CBFR4に対し 抽選値 071CBFR5に対し 抽選値 071CBFR6に対し 抽選値 071CBFR7に対し 抽選値 071CBFR8に対し 抽選値 071CBFR9に対し 抽選値 071Cベルに対し 抽選値 028F全丸&チェリーに対し 抽選値 0258ベル&チェリーに対し 抽選値 00C8が対応し、」との事項が導かれる。なお、【0099】に記載の「13個の抽選値WDi抽選値WDi(BA52H・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・028FH・0258H・00C8)」が、それぞれ図14の「BA52」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「071C」・「028F」・「0258」・「00C8」に対応するものであることは明らかである。
コ 【図18】の記載、【0063】の「データ識別子の最上位ビット(bit7)」との記載、【0065】の「図14~図16の抽選値テーブルDAT1~DAT18の右欄には、2進数表示されたデータ識別子」「を、参考のために記載している。」との記載、【0100】の「例えば、抽選値テーブルDAT13が選択されており、その遊技機の設定値Siが4の場合(Si=4)には、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高4個の抽選値WDi(28H・0FH・01H・05H)との対比処理が順番に繰返される。」との記載から、
「抽選値テーブルDAT13では、BB1重複抽選値データとしてデータ識別子のbit7が1であり、設定1に対し 抽選値 16、07、01、03設定2に対し 抽選値 28、0F、01、06設定3に対し 抽選値 16、07、01、03設定4に対し 抽選値 28、0F、01、05設定5に対し 抽選値 16、07、01、02設定6に対し 抽選値 1F、0B、01、02が対応し、」との事項が導かれる。なお、【0100】に記載の「設定値Siが4の場合」の「4個の抽選値WDi(28H・0FH・01H・05H)」が、それぞれ図18の設定4における「28」・「0F」・「01」・「05」に対応するものであることは明らかである。
そして、上記記載事項ア~オ、及び図面に記載された事項カ~キ、記載事項から認定される事項ク、記載事項及び図面から認定される事項ケ~コを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~hは、本願補正発明のA~Hに概ね対応させて当審にて付与した。また、括弧内に示された段落番号等は、引用文献1における引用箇所を示す。)。
(引用発明)
「ab 主制御基板50が配置され(【0025】)、主制御基板50は、ワンチップマイコン64と、I/Oポート回路65と、ハードウェア的に乱数値RNDを生成するカウンタ回路66と、演出制御基板51などの外部基板とのインタフェイス回路とを中心に構成され(【0039】)、カウンタ回路66は、スタートレバー17のON操作を示す始動スイッチ信号SGを受ける入力部24と、2つのD型フリップフロップ25a,25bによる信号取得部25と、ハードウェア乱数の下位8ビット(LOW)を生成するICカウンタ26Lと、ハードウェア乱数の上位8ビット(HI)を生成するICカウンタ26Hとを中心に構成され(【0042】)、主制御基板50のワンチップマイコン64が実現する制御動作は(【0055】)、続きを表示(全66行)スタートレバー17がON操作されると、その瞬間のカウンタ値が、各ICカウンタ26H,26Lに内蔵された出力レジスタに保持記憶され(【0057】)、乱数取得処理(ST4)が実行され、ワンチップマイコン64は、カウンタ回路66に保持されているカウンタ値を取得し、これを、乱数値RND(数値範囲:0~65535)としてRAMの該当番地に記憶し(【0058】)、c ワンチップマイコン64は、Z80相当品のCPUコア64a、ROM、RAMなどを内蔵し(【0039】)、抽選値テーブルはROM領域を消費するものであり(【0085】(認定事項ク))、18種類の抽選値テーブルDAT1~DAT18が用意されており(【0059】)、各抽選値テーブルDAT1~DAT18には、1バイト長のデータ識別子に続いて、1バイト長または2バイト長の抽選値WD1~WDnが連続して格納され(【0060】)、各抽選値WDiは、これに対応する抽選処理において当選状態となるか否かを決定する数値範囲を意味し(【0061】)、小役図柄として、「チェリー」「ベル」「赤丸」「緑丸」「青丸」が用意され、「全丸」とは、「赤丸」「緑丸」「青丸」の何れかを意味し(【0074】)、また、BFR1~BFR9は、各々、複数種類の小役に重複して内部当選した状態を意味し、例えば、BFR1に内部当選した場合には、有効ライン上に、「全丸・全丸・全丸」、「青丸・ベル・全丸」、「緑丸・ベル・全丸」、「青丸・全丸・ベル」、「緑丸・全丸・ベル」のいずれかの組合せの図柄が揃うと、9枚の配当メダルが払い出され(【0076】)、抽選値テーブルDAT1では、RB1作動中抽選値データとしてデータ識別子のbit7が0であり、全丸に対し 抽選値 BA52BFR1に対し 抽選値 071CBFR2に対し 抽選値 071CBFR3に対し 抽選値 071CBFR4に対し 抽選値 071CBFR5に対し 抽選値 071CBFR6に対し 抽選値 071CBFR7に対し 抽選値 071CBFR8に対し 抽選値 071CBFR9に対し 抽選値 071Cベルに対し 抽選値 028F全丸&チェリーに対し 抽選値 0258ベル&チェリーに対し 抽選値 00C8が対応し(【図14】【0063】【0065】【0099】(認定事項ケ))、抽選値テーブルDAT13では、BB1重複抽選値データとしてデータ識別子のbit7が1であり、設定1に対し 抽選値 16、07、01、03設定2に対し 抽選値 28、0F、01、06設定3に対し 抽選値 16、07、01、03設定4に対し 抽選値 28、0F、01、05設定5に対し 抽選値 16、07、01、02設定6に対し 抽選値 1F、0B、01、02が対応し(【図18】【0063】【0065】【0100】(認定事項コ))、d 主制御基板50のワンチップマイコン64が実現する制御プログラムは(【0055】)、記憶した乱数値RNDに基づいて内部抽選処理を実行し(ST5)、内部抽選処理(ST5)のために、18種類の抽選値テーブルDAT1~DAT18が複雑に組み合わされて特有の多様な内部抽選処理(ST5)が実行され(【0059】)、n個の抽選値WD1~WDnは、この順番で乱数値RNDと比較され、先ず、WD1>RNDであれば第1番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了し(【0061】)、第1番目の抽選処理がハズレ状態であると、次に、RND-WD1と2番目の抽選値WD2とが対比され、WD2>RND-WD1(つまり、WD1+WD2>RND)であれば、第2番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了し(【0061】)、以下、同様の処理が繰り返され、WD1+WD2+・・・・+WDi>RNDであれば、第i番目の抽選処理が当選状態となり、したがって、WD1+WD2+・・・・+WDn≦RNDの場合には、n回全ての抽選処理でハズレ状態となることになり(【0062】)、ef データ識別子の最上位ビット(bit7)は、その抽選値テーブルDATiを使用した抽選処理が、遊技機に設定されている設定値ごとに実行されるか否かを規定し、設定値は、設定1から設定6まで6区分されており、bit7=1の場合には、その遊技機の設定値に対応した抽選処理が実行され、bit7=0であれば、その遊技機の設定値の相違に拘らず、共通した抽選処理が実行され(【0063】)、データ識別子のbit6は、その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定し、抽選値WDiが大きいほど、その抽選処理における当選確率が高いので、当選確率が高い場合には抽選値を2バイト長とする必要があり、ボーナス図柄のように当選確率が低い場合には抽選値が1バイト長で足りることになり(【0064】)、データ識別子のbit5~Bit0は、データ識別子(1バイト)に続いて各抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値WD(1バイト長または2バイト長)の個数を意味し、抽選値WDは、各抽選処理での当否結果を一意に規定する数値であるので、データ識別子のbit5~Bit0は、その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味し(【0065】)、g 主制御基板50のワンチップマイコン64が実現する制御動作は(【0055】)、メダル投入口12から実際に投入されたメダル、及び、投入ボタン15、16の押下によって擬似的に投入されたメダルについてのメダル投入処理を行い(ST3)(【0057】)、メダル投入処理(ST3)に続いて、乱数取得処理(ST4)が実行され(【0058】)、次に、記憶した乱数値RNDに基づいて内部抽選処理を実行し(ST5)(【0059】)、内部抽選処理(ST5)では(【0088】)、抽選判定処理(ST36)を実行し、アドレス値Yaは、選択された抽選値テーブルDATiの先頭アドレス値を意味し(【0090】)、抽選判定処理(ST36)では、最初に、抽選値テーブルDATiの先頭アドレス(Ya)に格納されているデータ識別子を取得し(ST51)(【0091】)、そして、データ識別子のbit0~bit5の数値を、オフセット値OFFとして、RAMワーク領域の該当番地に各々記憶して、アドレス値Yaをインクリメントし(ST52)(【0091】)、次に、データ識別子のbit7に基づいて、設定値別の抽選処理を実行するか否かを判定して、bit7=0であれば、次の処理をステップST57までスキップする一方、bit7=1であって、設定値別の抽選処理を実行する場合には、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し(ST54)、抽選値WDiが2バイト長である場合には、OFF←OFF*2の演算によって、初期状態のオフセット値OFFを2倍の値に更新する(ST55)一方、抽選値WDiが1バイト長であれば、初期設定されたオフセット値OFFが、そのまま使用され(【0092】)、そして、初期状態又は更新後のオフセット値OFFと、その遊技機の設定値Siとに基づいて、アドレス値Yaを更新し(ST56)(【0093】)、設定値Siは、1~6の何れかであるので、具体的には、Ya←Ya+(Si-1)*OFFの演算によってアドレス値Yaを更新し、なお、更新前のアドレス値Yaは、現在選択されている抽選値テーブルDATiの先頭アドレス+1の値であり、更新後のアドレス値Yaは、設定値毎の抽選値WDiが格納された先頭アドレス値であり(【0093】)、次に、選択されている抽選値テーブルDATiから特定される抽選番号NUMを、RAMワーク領域の該当番地に記憶し(ST57)、また、更新後のアドレス値Yaによって特定される抽選値WDiの下位1バイトを取得し、Z80CPUのEレジスタに格納し(ST58)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST59)(【0094】)、次に、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し、抽選値WDiが1バイト長であれば、次の処理をステップST63までスキップする一方、抽選値WDiが2バイト長であれば、インクリメント後のアドレス値Yaによって特定される抽選値の上位1バイトを取得し、Z80CPUのDレジスタに格納し(ST61)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST62)、なお、Dレジスタの値は、ステップST61の処理が実行されない限り、初期値0のままであり(【0095】)、次に、記憶された乱数値RNDを読み出し、Z80CPUのHLレジスタに格納し(ST63)、そして、DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行し(ST64)、なお、この減算処理は、乱数値RNDと抽選値WDiとの大小比較による抽選処理に他ならず、RND<WDiであれば、その抽選処理に当選したことを意味し(【0096】)、抽選処理の当否に拘らず、減算処理(抽選処理)後のHLレジスタの値によって、乱数値RNDに書き換えられるが、もし当選状態であればZ80CPUのキャリフラグCYがCY=1となっているので、キャリフラグCYの値に基づいて、当否結果を判定し(ST65)、当選状態であれば、このサブルーチン処理(ST51~ST65)を完了し(【0097】)、一方、キャリフラグCYがCY=0であってハズレ状態であれば、第1ループ回数をデクリメント(-1)し、デクリメント後の値が0でない限り、ステップST57=ST65の処理を繰り返し(【0098】)、例えば、抽選値テーブルDAT1が選択されている場合であれば、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高13個の抽選値WDi(BA52H・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・071CH・028FH・0258H・00C8)との対比処理が、この順番に繰返され(【0099】)、また、例えば、抽選値テーブルDAT13が選択されており、その遊技機の設定値Siが4の場合(Si=4)には、RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高4個の抽選値WDi(28H・0FH・01H・05H)との対比処理が順番に繰返され(【0100】)、このような抽選判定処理(ST36)によって、特定の抽選値テーブルDATiを使用した一連の抽選処理が実行され、当否結果は、Z80CPUのキャリフラグCYに保存されてサブルーチン処理(ST36)が完了される(【0101】)、h スロットマシンSL(【0023】)。」
(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する(対比における下線は当審で付した。)。
ア 引用発明の構成abの「乱数値RND(数値範囲:0~65535)」は、本願補正発明の構成Aの「所定範囲内の値の乱数」に相当するから、引用発明の構成abの「ハードウェア的に乱数値RNDを生成するカウンタ回路66」は、本願補正発明の構成Aの「所定範囲内の値の乱数を発生させる乱数発生部」に相当する。
そして、引用発明の構成cの「カウンタ回路66」(乱数発生部)は、「スロットマシンSL」(遊技機)(同構成h参照)に「配置され」る「主制御基板50」を「構成」するものであるのだから、引用発明の構成cの「カウンタ回路66」(乱数発生部)は、「スロットマシンSL」(遊技機)に「具備」されたものということができる。
してみると、引用発明の構成abは、本願補正発明の構成Aに相当する構成を備えるものである。
イ 引用発明の構成abの「カウンタ回路66に保持されているカウンタ値を取得し、これを、乱数値RND(数値範囲:0~65535)としてRAMの該当番地に記憶する」「ワンチップマイコン64」は、本願補正発明の構成Bの「乱数」「を取得する乱数取得手段」に相当する。
また、「カウンタ回路66は」「ハードウェア乱数の下位8ビット(LOW)を生成するICカウンタ26Lと、ハードウェア乱数の上位8ビット(HI)を生成するICカウンタ26Hとを中心に構成され」、「スタートレバー17がON操作されると」「その瞬間のカウンタ値が、各ICカウンタ26H,26Lに内蔵された出力レジスタに保持記憶される」のだから、「各ICカウンタ26H,26Lに内蔵された出力レジスタに保持記憶される」「カウンタ値」は、「スタートレバー17がON操作される」「その瞬間のカウンタ値」1つであり、「ワンチップマイコン64」(乱数取得手段)は「カウンタ回路66に保持されているカウンタ値を取得し、これを、乱数値RND」「としてRAMの該当番地に記憶する」のだから、「乱数値RND」(「取得する」「乱数」)も「1つ」であるといえる。
そして、引用発明の構成cの「ワンチップマイコン64」(乱数取得手段)は、「スロットマシンSL」(遊技機)(同構成h参照)に「配置され」る「主制御基板50」を「構成」するものであるのだから、引用発明の構成cの「ワンチップマイコン64」(乱数取得手段)は、「スロットマシンSL」(遊技機)に「具備」されたものということができる。
してみると、引用発明の構成abは、本願補正発明の構成Bに相当する構成を備えるものである。
ウ
(ア) 本願補正発明の構成Cの「置数」について、発明の詳細な説明を参照すると、以下のとおり記載されている。
「【0121】図18は、一般的な抽選テーブルの概念図である。【0122】抽選テーブルは、ROM101の所定のエリアに格納されており、当選役と乱数抽選に使用する置数との関係を規定している。【0123】本発明の回胴式遊技機の場合、主制御部100が乱数値を発生させる。この乱数値は周期的に0~65535(m7)の全ての値を一周期(約6.5ms)に必ず一度だけランダムに発生するようになっている。図18(A)は、ハズレ確率が高い通常状態(初期状態又は非RT状態)で用いる抽選テーブルであり、スタートレバー9が操作されたタイミングに合わせて、主制御部100が内部抽選をしたときに、乱数値が0~m1の範囲であればビッグボーナス(BB)が当選となる。即ち、この内部抽選とは、スタート操作時に乱数値を1つだけピックアップ(抽出)し、抽選テーブルと比較して、当選役を決定することである。【0124】同様に、乱数値がm1+1~m2の範囲でレギュラーボーナス(RB)、乱数値がm2+1~m3の範囲でチェリー、乱数値がm3+1~m4の範囲でスイカ、乱数値がm4+1~m5の範囲でベル及び乱数値がm5+1~m6の範囲でリプレイが当選となる一方、乱数値がm6+1~m7の範囲でハズレとなる。【0125】通常、これらのm1~m7の数値は、法規制(風営法)やゲーム性を考慮して適宜設定されるのであるが、BB当選確率は「1/400」程度、RB当選確率は「1/300」程度、チェリー及びスイカの当選確率は「1/50」程度、ベルの当選確率は「1/6」程度及びリプレイの当選確率は1/7.3となっている。なお、BBやRBは、単独で当選するが、レア役と同時に当選することもある。」
「【図18】[図:0001384815000006.jpg]」
図18(A)には、「抽選テーブル(ノーマル状態:非RT)」として、
を見て取ることができる。
また、図18(B)には、「抽選テーブル(高確率再遊技状態:RT)」として、
を見て取ることができる。
そうすると、本願補正発明における「置数」とは、役に当選する際の数値範囲を意味するものと解するのが相当である。
(イ) 上記(ア)に示した置数に係る理解に基づいて、本願補正発明と引用発明を対比すると、引用発明の構成cの「抽選値WDi」は、「これに対応する抽選処理において当選状態となるか否かを決定する数値範囲を意味」するものであることから、本願補正発明の構成Cの「置数」に相当する。
また、引用発明の構成cの「抽選値テーブル」は本願補正発明の構成Cの「抽選テーブル」に相当する。
また、引用発明の構成cでは、「抽選値テーブルDAT1」(抽選テーブル)において、「小役図柄」である「「チェリー」「ベル」」、「小役図柄」である「「赤丸」「緑丸」「青丸」の何れかを意味」する「全丸」について、
「全丸に対し 抽選値 BA52」
「ベルに対し 抽選値 028F全丸&チェリーに対し 抽選値 0258ベル&チェリーに対し 抽選値 00C8」
が対応し、「複数種類の小役に重複して内部当選した状態を意味」する「BFR1~BFR9」について、
「BFR1に対し 抽選値 071CBFR2に対し 抽選値 071CBFR3に対し 抽選値 071CBFR4に対し 抽選値 071CBFR5に対し 抽選値 071CBFR6に対し 抽選値 071CBFR7に対し 抽選値 071CBFR8に対し 抽選値 071CBFR9に対し 抽選値 071C」
が対応することから、引用発明の構成cの「抽選値テーブル」(抽選テーブル)は、「小役図柄」である「「チェリー」「ベル」」、「小役図柄」である「「赤丸」「緑丸」「青丸」の何れかを意味」する「全丸」及び「複数種類の小役に重複して内部当選した状態を意味」する「BFR1~BFR9」(これらは本願補正発明の構成Cの「複数の当選役」に相当する。)と抽選値(置数)の関係を定めたものということができる。
そして、引用発明の構成cの「抽選値テーブル」(抽選テーブル)は、「スロットマシンSL」(遊技機)(同構成h参照)に「配置され」る「主制御基板50」を「構成」する「ワンチップマイコン64」(引用発明の構成ab参照)が「内蔵」する「ROM」の「ROM領域を消費するものであ」るのだから、引用発明の構成cの「抽選値テーブル」(抽選テーブル)は、「スロットマシンSL」(遊技機)に「具備」されたものということができる。
してみると、引用発明の構成ab及び構成cは、本願補正発明の構成Cに相当する構成を備えるものである。
エ 引用発明の構成cによれば、「抽選値WD1~WDn」は「各抽選値テーブルDAT1~DAT18」に「格納され」ているのだから、引用発明の構成dの「内部抽選処理(ST5)」において
「n個の抽選値WD1~WDnは、この順番で乱数値RNDと比較され、先ず、WD1>RNDであれば第1番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了し、第1番目の抽選処理がハズレ状態であると、次に、RND-WD1と2番目の抽選値WD2とが対比され、WD2>RND-WD1(つまり、WD1+WD2>RND)であれば、第2番目の抽選処理が当選状態となり、この段階で内部抽選処理(ST5)が完了し、以下、同様の処理が繰り返され、WD1+WD2+・・・・+WDi>RNDであれば、第i番目の抽選処理が当選状態とな」ることは、乱数値RND(取得した乱数)と「抽選値WD1~WDn」を「格納」した「各抽選値テーブルDAT1~DAT18」(抽選テーブル)を用いて、抽選結果を導出しているものということができ、本願補正発明の構成Dの「取得した乱数と前記抽選テーブルを用いて、抽選結果を導出する」ことに相当する。
また、引用発明の構成dにおいて、「記憶した乱数値RNDに基づいて内部抽選処理を実行」(ST5)する「ワンチップマイコン64」は、本願補正発明の構成Dの「導出手段」に相当する。
そして、引用発明の構成dの「ワンチップマイコン64」(導出手段)は、「スロットマシンSL」(遊技機)(同構成h参照)に「配置され」る「主制御基板50」を「構成」する(引用発明の構成ab参照)ものであることから、引用発明の構成dの「ワンチップマイコン64」(導出手段)は、「スロットマシンSL」(遊技機)が「具備」するものといえる。
してみると、引用発明の構成ab、構成c及び構成dは、本願補正発明の構成Dに相当する構成を備えるものである。
オ 引用発明の構成cの「データ識別子」は本願補正発明の構成Eの「識別情報部」に相当する。
また、引用発明の「抽選値」が「置数」に相当することは上記ウ(イ)にて説示のとおりであり、引用発明の構成cの「抽選値WD1~WDn」は本願補正発明の構成Eの「複数の置数データで構成される置数部」に相当するということができるから、引用発明の構成cの「各抽選値テーブルDAT1~DAT18には、先頭1バイト長のデータ識別子に続いて、1バイト長または2バイト長の抽選値WD1~WDnが連続して格納され」ることは本願補正発明の構成Eの「抽選テーブルは、」「識別情報部、及び複数の置数データで構成される置数部を含」むことに相当する。
また、引用発明の構成efの
「その抽選値テーブルDATiを使用した抽選処理が、遊技機に設定されている設定値ごとに実行されるか否かを規定」する「最上位ビット(bit7)」、
「その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定」する「bit6」、
「その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味する」「bit5~Bit0」は、それぞれ本願補正発明の構成Eの「識別データ」に相当することから、引用発明の構成efの
「最上位ビット(bit7)は、その抽選値テーブルDATiを使用した抽選処理が、遊技機に設定されている設定値ごとに実行されるか否かを規定し」、
「bit6は、その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定し」、
「bit5~Bit0は、その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味する」、「1バイト長の」「データ識別子」(識別情報部)は、本願補正発明の構成Eの「複数の識別データで構成される識別情報部」に相当するものといえる。
してみると、引用発明の構成c及び構成efは、本願補正発明の構成Eに相当する構成を備えるものである。
カ 引用発明の構成efの「最上位ビット(bit7)」、「bit6」、「bit5~Bit0」がそれぞれ本願補正発明の「識別データ」に相当することは上記オにて説示のとおりである。
また、引用発明の構成efの
「その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定」する「bit6」は本願補正発明の構成Fの「置数のバイト数を識別する為の識別ビット」に相当し、引用発明の構成efの
「その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味する」「bit5~Bit0」は、本願補正発明の構成Fの「抽選回数情報である複数の抽選回数ビット」に相当する。
そうすると、引用発明の構成efにおいて、「最上位ビット(bit7)」、「bit6」、「bit5~Bit0」のうち、「データ識別子のbit6は、その抽選値テーブルDATiに格納されている抽選値が1バイト長か2バイト長かを規定し」、「bit5~Bit0は、その抽選値テーブルDATiを使用する場合における抽選回数を意味する」ことは、本願補正発明の構成Fの「識別データは、置数のバイト数を識別する為の識別ビットと、抽選回数情報である複数の抽選回数ビットを含」むことに相当する。
してみると、引用発明の構成efは、本願補正発明の構成Fに相当する構成を備えるものである。
キ 引用発明の構成gの「データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し、抽選値WDiが1バイト長であ」ることは、本願補正発明の構成G1の、「前記識別ビットが1バイトを示す状態であ」ることに相当する。
また、引用発明の構成gの「更新後のアドレス値Yaによって特定される抽選値WDiの下位1バイトを取得し、Z80CPUのEレジスタに格納し(ST58)」、
「抽選値WDiが1バイト長であれば、次の処理をステップST63までスキップ」し、「Dレジスタの値は」「初期値0のままであ」り、
「次に、記憶された乱数値RNDを読み出し、Z80CPUのHLレジスタに格納し(ST63)、そして、DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行」することは、「この減算処理は、乱数値RNDと抽選値WDiとの大小比較による抽選処理に他なら」ないことからすると、本願補正発明の構成G1の「1バイトの置数データ」「を使用して抽選結果を導出する」ことに相当する。
また、引用発明の構成gの「データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し、」「抽選値WDiが2バイト長であ」ることは、本願補正発明の構成G1の、「前記識別ビットが2バイトを示す状態であ」ることに相当する。
また、引用発明の構成gの
「更新後のアドレス値Yaによって特定される抽選値WDiの下位1バイトを取得し、Z80CPUのEレジスタに格納し(ST58)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST59)」、
「インクリメント後のアドレス値Yaによって特定される抽選値の上位1バイトを取得し、Z80CPUのDレジスタに格納し(ST61)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST62)」、
「次に、記憶された乱数値RNDを読み出し、Z80CPUのHLレジスタに格納し(ST63)、そして、DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行」することは、本願補正発明の構成G1の「2バイトの置数データ」「を使用し」て「抽選結果を導出する」ことに相当する。
また、引用発明の「bit5~Bit0」が本願補正発明の「抽選回数情報である複数の抽選回数ビット」に相当することは上記カにて説示のとおりであるから、引用発明の構成gの「データ識別子のbit0~bit5の数値」は本願補正発明の構成G1の「抽選回数情報」に相当する。
そして、「データ識別子のbit0~bit5の数値を、オフセット値OFFとして、」「bit7=1であって、設定値別の抽選処理を実行する場合には、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し(ST54)、抽選値WDiが2バイト長である場合には、OFF←OFF*2の演算によって、初期状態のオフセット値OFFを2倍の値に更新する(ST55)一方、抽選値WDiが1バイト長であれば、初期設定されたオフセット値OFFが、そのまま使用され、」
「そして、初期状態又は更新後のオフセット値OFFと、その遊技機の設定値Siとに基づいて、アドレス値Yaを更新し(ST56)、」
「また、更新後のアドレス値Yaによって特定される抽選値WDiの下位1バイトを取得し、Z80CPUのEレジスタに格納し(ST58)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST59)、次に、データ識別子のbit6に基づいて、抽選値WDiが1バイト長か2バイト長かを判定し、抽選値WDiが1バイト長であれば、次の処理をステップST63までスキップする一方、抽選値WDiが2バイト長であれば、インクリメント後のアドレス値Yaによって特定される抽選値の上位1バイトを取得し、Z80CPUのDレジスタに格納し(ST61)、また、アドレス値Yaをインクリメントし(ST62)、なお、Dレジスタの値は、ステップST61の処理が実行されない限り、初期値0のままであり、次に、記憶された乱数値RNDを読み出し、Z80CPUのHLレジスタに格納し(ST63)、そして、DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行」することは、「データ識別子のbit0~bit5の数値」(抽選回数情報)を、「オフセット値OFF」として使用して「DレジスタとEレジスタとを組み合わせたDEレジスタとの関係で、HL←HL-DEの演算処理を実行」(抽選結果を導出)していることから、本願補正発明の構成G1の「抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する」ことに相当する。
してみると、引用発明の構成gは、本願補正発明の構成G、G1に相当する構成を備えるものである。
ク 引用発明の構成efによれば、
「データ識別子の最上位ビット(bit7)は、その抽選値テーブルDATiを使用した抽選処理が、遊技機に設定されている設定値ごとに実行されるか否かを規定し、」「bit7=1の場合には、その遊技機の設定値に対応した抽選処理が実行され、bit7=0であれば、その遊技機の設定値の相違に拘らず、共通した抽選処理が実行され」ることから、引用発明の構成gの「bit7=0であ」る場合、「bit7=1であ」る場合は、それぞれ本願補正発明の構成G2の「設定差が無」い場合、「設定差があ」る場合に相当する。
また、引用発明の構成cの、
「抽選値テーブルDAT1では、」「データ識別子のbit7が0」(設定差がない場合)「であり、」
「全丸に対し 抽選値 BA52BFR1に対し 抽選値 071CBFR2に対し 抽選値 071CBFR3に対し 抽選値 071C続きを表示(全14行)BFR4に対し 抽選値 071CBFR5に対し 抽選値 071CBFR6に対し 抽選値 071CBFR7に対し 抽選値 071CBFR8に対し 抽選値 071CBFR9に対し 抽選値 071Cベルに対し 抽選値 028F全丸&チェリーに対し 抽選値 0258ベル&チェリーに対し 抽選値 00C8が対応」することにおける13個の抽選値(BA52・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・028F・0258・00C8)は、いずれも設定値ごとに設定された抽選値(置数)ではないのだから、いずれも本願補正発明の構成G2の「共通の置数」に相当する。
そうすると、引用発明の構成gの「抽選値テーブルDAT1が選択されている場合」の「RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高13個の抽選値WDi(BA52・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・071C・028F・0258・00C8)との対比処理が、この順番に繰返され」ることは、本願補正発明の構成G2の「設定差が無ければ共通の置数を用い」「て抽選結果を導出すること」に相当する。
また、引用発明の構成cの、
「抽選値テーブルDAT13では、」「データ識別子のbit7が1」(設定差がある場合)「であり、」
「設定1に対し 抽選値 16、07、01、03設定2に対し 抽選値 28、0F、01、06設定3に対し 抽選値 16、07、01、03設定4に対し 抽選値 28、0F、01、05設定5に対し 抽選値 16、07、01、02設定6に対し 抽選値 1F、0B、01、02が対応」することにおける、
設定1に対する4個の抽選値(16、07、01、03)、
設定2に対する4個の抽選値(28、0F、01、06)、
設定3に対する4個の抽選値(16、07、01、03)、
設定4に対する4個の抽選値(28、0F、01、05)、
設定5に対する4個の抽選値(16、07、01、02)、及び
設定6に対する4個の抽選値(1F、0B、01、02)は、いずれも設定1~6に対応した抽選値(置数)であるから、いずれも本願補正発明の構成G2の「設定別の置数」に相当する。
そうすると、引用発明の構成gの「例えば抽選値テーブルDAT13が選択されており、その遊技機の設定値Siが4の場合(Si=4)」の「RND←RND-WDiの演算を実行しつつ、最高4個の抽選値WDi(28H・0FH・01H・05H)との対比処理が順番に繰返され」ることは、本願補正発明の構成G2の「設定差があれば設定別の置数を用いて抽選結果を導出すること」に相当する。
してみると、引用発明の構成c、構成ef及び構成gは、本願補正発明の構成G、G2に相当する構成を備えるものである。
ケ 引用発明の構成hの「スロットマシンSL」は本願補正発明の構成Hの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成hは、本願補正発明の構成Hに相当する構成を備えるものである。
そうすると、本願補正発明と引用発明とに相違点は存在せず、本願補正発明は、引用発明である。
仮に本願補正発明と引用発明に相違点があるとしても、本願補正発明は、引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして、本願補正発明の作用効果は、引用発明から当業者が予測できるものである。
(4) 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の「【本願発明が特許されるべき理由】」の「c.引用例の説明」及び「d.請求項1に係る発明と引用例との対比」において、
「c.引用例の説明原査定において、ご認定の通りであることについて、審判請求人も異論はありません。」
「d.請求項1に係る発明と引用例との対比請求項1に係る発明は、上記の通りで御座いますが、特に「前記導出手段は、前記識別ビットが1バイトを示す状態であれば、1バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する一方、前記識別ビットが2バイトを示す状態であれば、2バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用し、設定差が無ければ共通の置数を用いる一方、設定差があれば設定別の置数を用いて抽選結果を導出すること、」に特徴付けられるもので御座います。ところで、本願発明と先願とは一見すると同一のようですが、上記特徴的構成について全く相違しており、容易では御座いません。従いまして、本願発明の新規性、進歩性は否定されるべきものと思料致します。」と主張している(上記主張中の下線は審判請求人が付したものである。)。
しかし、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は上記「(3) 対比」にて説示のとおりであり、本願補正発明は引用発明である。仮に本願補正発明と引用発明に相違点があるとしても、本願補正発明は、引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5) まとめ
以上のように、本願補正発明は引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
また本願補正発明は引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 補正の却下の決定についてのむすび
上記「2 独立特許要件について」より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年8月18日提出の手続補正書2(受付番号52001683789)の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Hは本願発明を分説するため当審で付した)。
(本願発明)
「【請求項1】A 所定範囲内の値の乱数を発生させる乱数発生部と、B 前記乱数の1つを取得する乱数取得手段と、C 複数の当選役と置数との関係を定める抽選テーブルと、続きを表示(全11行)D 取得した乱数と前記抽選テーブルを用いて、抽選結果を導出する導出手段と、を具備し、E 前記抽選テーブルは、複数の識別データで構成される識別情報部及び複数の置数データで構成される置数部を含み、F 前記識別データは、置数のバイト数を識別する為の識別ビットと、抽選回数情報である複数の抽選回数ビットを含んでおり、G 前記導出手段は、G1′前記識別ビットが1バイトを示す状態であれば、1バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出する一方、前記識別ビットが2バイトを示す状態であれば、2バイトの置数データ及び前記抽選回数情報を使用して抽選結果を導出すること、H を特徴とする遊技機。」
2 拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、
1.(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
特開2011-019758号公報
(上記第2 「2 独立特許要件について」「(2) 引用文献に記載された事項」にて示した引用文献1と同じ。)
というものである。
3 引用文献1に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1の記載事項及び引用発明については、上記第2 「2 独立特許要件について」「(2) 引用文献に記載された事項」に示したとおりである。
4 対比
本願発明の構成A~G、Hは、本願補正発明の構成A~G、Hと一致している。
また、本願発明の構成G1′は、本願補正発明の構成G1及び構成G2から「設定差が無ければ共通の置数を用いる一方、設定差があれば設定別の置数を用いて抽選結果を導出する」との限定を外したものといえる。
そうすると、本願発明は、本願補正発明から一部の限定を外したものであるから、本願発明は引用発明である。また本願発明は当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は引用発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願発明は当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-004678