2021-004575
基地局、通信方法及び集積回路
- 審判番号
- 2021-004575
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-521125外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年04月08日
- 審決日
- 2021年12月15日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 分類
- P18 .121-WY (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)1月6日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年3月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項1ないし3、7ないし11、15ないし17に対して、引用文献1、5、6
・請求項4、12に対して、引用文献1、2、5、6
・請求項5、13に対して、引用文献1ないし3、5、6
・請求項6、14に対して、引用文献1、4ないし6
引用文献等一覧
1.特表2013-515452号公報(以下、「引用文献1」という。)
2.Intel Corporation,Routing restriction and security for aggregation within NR,3GPP TSG-RAN WG2 #95bis R2-166886,2016年10月1日アップロード(以下、「引用文献2」という。)
3.Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,On the number of subcarriers per PRB,3GPP TSG-RAN WG1 #86bis R1-1609657,2016年9月30日アップロード(以下、「引用文献3」という。)
4.特開2011-142598号公報(以下、「引用文献4」という。)
5.LG Electronics,Discussion on Variable Density for NR DMRS,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611814,2016年11月5日アップロード(以下、「引用文献5」という。)
6.CATT,Limited numerology set for NR,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611361,2016年11月5日アップロード(以下、「引用文献6」という。)
第3 本願発明
本願請求項1ないし17に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明17」という。)は、令和2年12月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】第1の帯域、又は、前記第1の帯域を拡張した第2の帯域におけるリソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数を設定する回路と、前記リソースを用いて、前記端末と通信を行う送受信機と、を具備し、続きを表示(全63行)前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、整数倍の関係を有し、前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である、基地局。【請求項2】前記第1の帯域の前記リソースブロック数は、前記第1の帯域の帯域幅に基づいて設定され、前記第2の帯域の前記リソースブロック数は、前記第2の帯域の帯域幅に基づいて設定される、請求項1に記載の基地局。【請求項3】前記第2の帯域の前記リソースブロック数は、前記第1の帯域の帯域幅ではなく、前記第2の帯域の帯域幅に基づいて、設定される、請求項1又は2に記載の基地局。【請求項4】前記第2の帯域におけるリソースブロックを構成する複数のサブキャリアの間隔が、前記第1の帯域におけるリソースブロックを構成する複数のサブキャリアの間隔とは異なる、請求項1に記載の基地局。【請求項5】前記リソースブロックを構成する前記複数のサブキャリアの数は、前記複数のサブキャリアの間隔によらず、12である、請求項4に記載の基地局。【請求項6】前記送受信機は、前記リソースブロックグループを構成するリソースブロック数に関する情報を、前記端末に送信する、請求項1から5のいずれかに記載の基地局。【請求項7】前記送受信機は、前記第1の帯域の帯域幅に関する情報と、前記第2の帯域の帯域幅に関する情報とを、前記端末に送信する、請求項1から6のいずれかに記載の基地局。【請求項8】前記送受信機は、前記第1の帯域において、制御情報を前記端末に送信し、前記第2の帯域において、データを前記端末に送信する、請求項1から7のいずれかに記載の基地局。【請求項9】第1の帯域、又は、前記第1の帯域を拡張した第2の帯域におけるリソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数を設定する工程と、前記リソースを用いて、前記端末と通信を行う工程と、を具備し、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、整数倍の関係を有し、前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である、通信方法。【請求項10】前記第1の帯域の前記リソースブロック数は、前記第1の帯域の帯域幅に基づいて設定され、前記第2の帯域の前記リソースブロック数は、前記第2の帯域の帯域幅に基づいて設定される、請求項9に記載の通信方法。【請求項11】前記第2の帯域の前記リソースブロック数は、前記第1の帯域の帯域幅ではなく、前記第2の帯域の帯域幅に基づいて、設定される、請求項9又は10に記載の通信方法。【請求項12】前記第2の帯域におけるリソースブロックを構成する複数のサブキャリアの間隔が、前記第1の帯域におけるリソースブロックを構成する複数のサブキャリアの間隔とは異なる、請求項9に記載の通信方法。【請求項13】前記リソースブロックを構成する前記複数のサブキャリアの数は、前記複数のサブキャリアの間隔によらず、12である、請求項12に記載の通信方法。【請求項14】前記リソースブロックグループを構成するリソースブロック数に関する情報を、前記端末に送信する、請求項9から13のいずれかに記載の通信方法。【請求項15】前記第1の帯域の帯域幅に関する情報と、前記第2の帯域の帯域幅に関する情報とを、前記端末に送信する、請求項9から14のいずれかに記載の通信方法。【請求項16】前記第1の帯域において、制御情報を前記端末に送信し、前記第2の帯域において、データを前記端末に送信する、請求項9から15のいずれかに記載の通信方法。【請求項17】第1の帯域、又は、前記第1の帯域を拡張した第2の帯域におけるリソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数を設定する処理と、前記リソースを用いて、前記端末と通信を行う処理と、を制御し、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、整数倍の関係を有し、前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である、集積回路。」
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用発明等
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、特表2013-515452号公報(引用文献1)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
ア 「【発明の概要】【0005】キャリアエクステンション(carrier extension)で通信をサポートする技術をここに説明する。キャリアエクステンションのために付加的な帯域幅を提供する一つ以上のセグメント(segments) にベースキャリア(base carrier) が関連付けられる。ベースキャリアと一つ以上のセグメントとの組み合わせを複合キャリアと言うことにする。幾つかのUE(「一般UE」)はベースキャリアのみで作動することができる。他のUE(「先進的UE」)は、複合キャリアで作動することができるので一つ以上のセグメントが提供する付加的な帯域幅から恩恵を被ることができる。UEsと通信をするための様々な作動パラメータは、一般UEと先進的UEとで異なっている可能性のあるシステム帯域幅に基づいて決められることができる。【0006】キャリアエクステンションを用いている先進的UEとの通信をサポートするある設計では先進的UEが通信に利用することのできるベースキャリアおよび少なくとも一つのセグメントが確定される。先進的UEに関する少なくとも一つの作動パラメータがベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとから成る複合帯域幅に基づいて確定される。先進的UEは、少なくとも一つの作動パラメータに基づいて通信をする。この少なくとも一つの作動パラメータには、(i)ダウンリンクのリソース割り当てに用いられるリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ、(ii)ダウンリンクのリソース割り当てに用いられるビットマップ、(iii)周波数ホッピングを伴うダウンリンクのリソース割り当てに用いられるギャップ、(iv)周波数ホッピングを伴うアップリンクのリソース割り当てに用いられる幾つかのホッピングビット、(v)チャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)の報告に用いられるサブバンドサイズ(subband size)、(vi)チャネル品質インジケータ(CQI)の報告に用いられる幾つかの帯域幅要素(bandwidth parts)、(vii)アップリンクでSRS(sounding reference signal)を伝送するためのサウンディングリファレンスシグナル(SRS:sounding reference signal)帯域幅、(viii)SRSを伝送するためのSRSの設定、(ix)その他の作動パラメータの全てまたはいずれかが含まれる。【0007】一般UEおよび先進的UEの通信をサポートするある設計では通信に利用することのできるベースキャリアおよび少なくとも一つのセグメントが確定される。一般UEに関する第一作動パラメータがベースキャリアの基底帯域幅に基づいて確定される。先進的UEに関する第二作動パラメータがベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて確定される。一般UEとの通信は第一作動パラメータに基づいて行われる。第二UEとの通信は第二作動パラメータに基づいて行われる。」
イ 「【0021】LTEでは、直交周波数多重(OFDM)をダウンリンクに使用し、シングルキャリア周波数分割多重(SC-FDM)をアップリンクに使用する。OFDMおよびSC-FDMでは周波数領域が複数(NFFT)の直交サブキャリアに分割される。直交サブキャリアはトーン、ビン、その他と一般に呼ばれる。どのサブキャリアもデータで変調される。一般に変調シンボルは、OFDMでは周波数領域で送られ、SC-FDMでは時間領域で送られる。隣接しているサブキャリア相互の間隔は固定されていて、サブキャリアの総数(NFFT)はシステム帯域幅に依存している。例えば、サブキャリアの間隔は15キロヘルツ(KHz)であり、NFFTは、1.25、2.5、5、10、20メガヘルツ(MHz)の帯域幅のそれぞれに対応して128、256、512、1024、2048に等しい。」
ウ 「【0026】システム100は、ダウンリンクおよびアップリンクのそれぞれに関してシングルキャリアまたはマルチキャリアの操作を付随的にサポートしている。キャリアとは、通信に用いられる周波数範囲のことであり、特定の特性に関連付けられている。マルチキャリアの操作はキャリアの集合またはマルチキャリア操作として言及される。UEはeNBと交信をするために、ダウンリンクでは一つ以上のキャリア(すなわち、ダウンリンクキャリア) で作動し、アップリンクでは一つ以上のキャリア(すなわち、アップリンクキャリア)で作動する。UEは、データおよび制御情報を1 個以上のアップリンクキャリアでeNBに送ることができる。」
エ 「【0052】・リソース割り当てタイプ0 - RBGsの整数を割り当てる・リソース割り当てタイプ1 - 選択したRBG部分集合の中のPRBsを割り当てる・リソース割り当てタイプ2 - 局在化または分散化されているVRBsを割り当てるリソース割り当てタイプ0 では、NRBG個のRBGsから任意の一つがUEに割り当てられる。(略)【0057】リソース割り当てタイプ0では、どのRBGsがUEに割り当てられているのかを示すために適切なサイズのビットマップが用いられる。RBGsはRBGサイズに依存している。普通のUEsのRBGサイズはPで表され、例えば表1 に示されているようなDLベースの帯域幅に基づいて決まる。先進的UEsのRBGサイズはPADVで表され、様々な方法で決まる。【0058】第二の設計では、先進的UEsのRBGサイズがDL複合帯域幅に基づいて決まる。PADVを用いてDL複合帯域幅の中のリソースを先進的UEsに割り当てる。PADV/Pが整数値であるならば、先進的UEsのRBGサイズは普通のUEsのRBGサイズの整数倍数である。これにより普通のUEsや先進的UEsへのリソース割り当てが簡略化される。PADV/Pが整数値でないならば、普通のUEsに割り当てられたリソースと先進的UEsに割り当てられたリソースとの間で重複すなわち衝突および断片化の両者または一方が生じている可能性がある。ある設計では、PADVは端数を切り上げて最も近いPの整数倍数の値にして重複および断片化の両者または一方を避けている。」
オ 「【0121】ある構成では、ベースキャリアおよび少なくとも一つのセグメントを通信用に確定する手段、ベースキャリアの基底帯域幅に基づいて第一UE用の第一作動パラメータを確定する手段、ベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて第二UE用の第二作動パラメータを確定する手段、第一作動パラメータに基づいて第一UEと通信をする手段、第二作動パラメータに基づいて第二UEと通信をする手段を基地局110が有している。」
上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
(ア)上記「ア」の段落6に「作動パラメータには、(i)ダウンリンクのリソース割り当てに用いられるリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ・・・が含まれる。」と記載され、及び、段落7に、「一般UEに関する第一作動パラメータがベースキャリアの基底帯域幅に基づいて確定される。先進的UEに関する第二作動パラメータがベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて確定される。一般UEとの通信は第一作動パラメータに基づいて行われる。第二UEとの通信は第二作動パラメータに基づいて行われる。」と記載されていることから、ベースキャリアの基底帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ、又はベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズで通信が行われるといえる。
また、上記「オ」の段落121に「ベースキャリアおよび少なくとも一つのセグメントを通信用に確定する手段、ベースキャリアの基底帯域幅に基づいて第一UE用の第一作動パラメータを確定する手段、ベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて第二UE用の第二作動パラメータを確定する手段、第一作動パラメータに基づいて第一UEと通信をする手段、第二作動パラメータに基づいて第二UEと通信をする手段を基地局110が有している。」と記載されている。そして、上記「ウ」の段落26に「UEはeNBと交信をする」と記載されていることから、基地局はeNBであることは明らかである。したがって、eNBが作動パラメータであるリソースブロックグループサイズを確定している。
よって、eNBは、ベースキャリアの基底帯域幅に基づいてリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズを、又はベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいてリソースブロックグループサイズを確定するといえる。
(イ)上記「ウ」の段落26に「UEはeNBと交信をする」と記載されていることから、eNBはUEと通信を行う。
また、上記「エ」の段落52に「NRBG個のRBGsから任意の一つがUEに割り当てられる。」と記載されていることから、eNBはUEに任意の一つリソースブロックグループを割り当てている。
よって、eNBは、割り当てる任意の一つのリソースブロックグループを用いて、UEと通信を行うといえる。
(ウ)上記「エ」の段落58に「先進的UEsのRBGサイズは普通のUEsのRBGサイズの整数倍数である。」と記載されている。
そして、上記「ア」の段落7に、「一般UEに関する第一作動パラメータがベースキャリアの基底帯域幅に基づいて確定される。先進的UEに関する第二作動パラメータがベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいて確定される。一般UEとの通信は第一作動パラメータに基づいて行われる。第二UEとの通信は第二作動パラメータに基づいて行われる。」と記載されていることから、先進的UEsのRBGサイズは複合帯域幅に基づいて確定されており、普通のUEsのRBGサイズは基底帯域幅に基づいて確定されている。また、上記「ア」の段落6に「作動パラメータには、(i)ダウンリンクのリソース割り当てに用いられるリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ・・・が含まれる。」と記載されていることから、RBGサイズはリソースブロックグループサイズである。
よって、基底帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズと、複合帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズは整数倍の関係を有するといえる。
(エ)上記「イ」の段落21に「隣接しているサブキャリア相互の間隔は固定されていて、・・・サブキャリアの間隔は15キロヘルツ(KHz)であり」と記載されている。
したがって、以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 ベースキャリアの基底帯域幅に基づいてリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズを、又はベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいてリソースブロックグループサイズを確定し、割り当てる任意の一つのリソースブロックグループを用いて、UEと通信を行い、基底帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズと、複合帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズは整数倍の関係を有し、隣接しているサブキャリア相互の間隔は固定されていて、サブキャリアの間隔は15キロヘルツ(KHz)である、eNB。」
(2)原査定の拒絶の理由に引用された、Intel Corporation,Routing restriction and security for aggregation within NR(当審訳:NRの集約のためのルーティング制限とセキュリティ),3GPP TSG-RAN WG2 #95bis R2-166886,2016年10月1日アップロード(引用文献2)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「2.2 Aggregation of carriers with different numerologiesAs discussed in previous section, aggregation of low and high frequency bands are a typical deployment scenario in NR. If different subcarrier spacings are used in different bands, different subframe durations are used (RAN1 has agreed that Subframe duration in ms for a reference numerology with subcarrier spacing (2m*15)kHz is exactly 1/2m ms).」(2ページ第5行ないし第8行)
(当審訳:
2.2 異なる数のキャリアの集合
前のセクションで説明したように、低周波数帯域と高周波帯域の集約は、NRの一般的な展開シナリオである。異なる帯域で異なるサブキャリア間隔が使用される場合、異なるサブフレーム期間が使用される(RAN1は、サブキャリア間隔(2m * 15)kHzを有する参照数のためのmsのサブフレーム期間が正確に1/2mミリ秒であることに合意した)。)
したがって、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「異なる帯域で異なるサブキャリア間隔が使用される。」
(3)原査定の拒絶の理由に引用された、Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,On the number of subcarriers per PRB(当審訳:PRBあたりのサブキャリアの数について),3GPP TSG-RAN WG1 #86bis R1-1609657,2016年9月30日アップロード(引用文献3)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「We think that it is beneficial to maximize the commonality and compatibility to LTE. This can be made with a PRB definition where the number of subcarriers per PRB is 12 subcarriers.」(2ページ第5行ないし第6行)
(当審訳:
LTEとの共通性と互換性を最大化することは有益であると考える。これは、PRBあたりのサブキャリアの数が12個のサブキャリアであるPRB定義で作ることができる。)
したがって、引用文献3には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「PRBあたりのサブキャリアの数が12個のサブキャリアである。」
(4)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2011-142598号公報(引用文献4)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「【0027】(略)したがって、LTE端末に対してはRBGサイズとして2を通知するが、LTE-A端末に対してはRBGサイズとして3を通知する必要がある。このように、図4に示すLTE仕様のテーブルを用いてRBGサイズを決めたのでは、スケジューラにおいてリソースブロック割当てが複雑化するか、割り当てないRBが生じてしまい、効率が劣化してしまう。」
上記記載の通知は基地局が行うことは明らかであるから、基地局は端末に対してRBGサイズを通知することが記載されているといえる。
よって、引用文献4には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「基地局は端末に対してRBGサイズを通知する。」
(5)原査定の拒絶の理由に引用された、LG Electronics,Discussion on Variable Density for NR DMRS(当審訳:NR DMRSの可変密度に関する考察),3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611814,2016年11月5日アップロード(引用文献5)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
「■ DMRS design for scalable subcarrier spacingDMRS design for different numerologies could be considered in case of high Doppler frequency and high frequency band [3]. In Figure 1, we illustrate an example of different subcarrier spacing within a given time duration (e.g. 15kHz, 30kHz, 60kHz).」(2ページ第3行ないし第6行)
(当審訳:
■ スケーラブルサブキャリア間隔のためのDMRS設計
高ドップラー周波数と高周波帯域の場合[3]、異なる数のDMRS設計を考慮することができる。図1では、所与の期間内の異なるサブキャリア間隔(例えば15kHz、30kHz、60kHz)の例を示す。)
したがって、引用文献5には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「異なるサブキャリア間隔がある。」
(6)原査定の拒絶の理由に引用された、CATT,Limited numerology set for NR(当審訳:NRのための限定数),3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611361,2016年11月5日アップロード(引用文献6)には、図面と共に以下の事項が記載されている。
「Table 3: Complete set of NR numerologies(略)Subcarrier spacing 15kHz 60kHz 240kHz(略)」(4ページのTable 3)
(当審訳:
(略)
サブキャリア間隔 15kHz 60kHz 240kHz
(略))
したがって、引用文献6には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「異なるサブキャリア間隔がある。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
ア 引用発明の「eNB」、「UE」は、それぞれ本願発明1の「基地局」、「端末」に相当する。
また、引用発明の「ベースキャリア」は本願発明1の「第1の帯域」に含まれる。
そして、引用発明の「ベースキャリアと少なくとも一つのセグメント」とからなる帯域は、「ベースキャリア」より広いベースキャリアを含む帯域であるから、ベースキャリアを拡張した帯域といえる。よって引用発明のベースキャリアと少なくとも一つのセグメント」とからなる帯域は本願発明1の「第1の帯域を拡張した第2の帯域」に含まれる。
そして、引用発明では、UEと通信する際に、任意の一つのリソースグループを割り当てていることから、引用発明の「リソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ」は端末に割り当てる単位といえる。よって、引用発明の「リソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズ」は本願発明1の「リソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数」に相当することは明らかである。
更に、引用発明の「確定」と本願発明1の「設定」は同義であり、引用発明のeNBにおいて確定するためには確定する回路を備えていることは明らかである。
よって、引用発明の「ベースキャリアの基底帯域幅に基づいてリソースブロックグループ(RBG:resource block group)サイズを、又はベースキャリアと少なくとも一つのセグメントとの複合帯域幅に基づいてリソースブロックグループサイズを確定し、」、「割り当てられる任意の一つのリソースグループを用いて、UEと通信を行」うことは、本願発明1の「第1の帯域、又は、前記第1の帯域を拡張した第2の帯域におけるリソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数を設定する回路」を具備することに含まれる。
イ 引用発明の「割り当てる任意の一つのリソースブロックグループ」は本願発明1の「リソース」に含まれ、引用発明のeNBが通信を行うために送受信機を具備することは明らかであるから、引用発明の「割り当てる任意の一つのリソースブロックグループを用いて、UEと通信を行」うことは、本願発明1の「前記リソースを用いて、前記端末と通信を行う送受信機」を具備することに相当する。
ウ 上記「ア」で説示したとおり、引用発明の「基底帯域幅」、「複合帯域幅」は、それぞれ本願発明1の「第1の帯域」、「第2の帯域」に含まれ、引用発明の「確定」と本願発明1の「設定」は同義であり、引用発明の「リソースブロックグループサイズ」は本願発明1の「リソースブロック数」に相当する。
引用発明の「基底帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズと、複合帯域幅に基づいて確定されるリソースブロックグループサイズは整数倍の関係を有」することは、本願発明1の「前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、整数倍の関係を有」することに含まれる。
以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。
(一致点)
「 第1の帯域、又は、前記第1の帯域を拡張した第2の帯域におけるリソースを端末に割り当てる単位である、リソースブロックグループを構成するリソースブロック数を設定する回路と、前記リソースを用いて、前記端末と通信を行う送受信機と、を具備し、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、整数倍の関係を有する、基地局。」
(相違点)
本願発明1においては、「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」のに対し、引用発明においては、隣接しているサブキャリア相互の間隔は固定されていて、サブキャリアの間隔は15キロヘルツ(KHz)であるが、当該発明特定事項が特定されていない点。
(2)判断
上記相違点について検討すると、相違点に係る本願発明1の「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」という発明特定事項は、引用文献1には記載も示唆もされていない。また、引用文献2ないし6にも記載されておらず、当該技術分野において周知技術であるともいえない。
よって、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」とすることは、当業者といえども、容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし6に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし8について
本願発明2ないし8は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても容易に発明をすることができたとはいえない。
3 本願発明9ないし16について
本願発明9ないし16は、本願発明1ないし本願発明8に対応する方法の発明であり、本願発明1の上記相違点に係る「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」を含むことから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし6に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明17について
本願発明17は、本願発明1に対応する集積回路の発明であり、本願発明1の上記相違点に係る「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」を含むことから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし6に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定についての判断
令和2年12月18日にされた手続補正により、本願発明1ないし本願発明17はいずれも、少なくとも「前記第1の帯域における複数のサブキャリアの間隔と、前記第2の帯域における複数のサブキャリアの間隔を、それぞれ設定可能であり、前記第1の帯域において設定される前記リソースブロック数と、前記第2の帯域において設定される前記リソースブロック数は、2のべき乗である」という発明特定事項を、備えるものとなっている。してみれば、本願発明1ないし3、7ないし11、15ないし17は、当業者であっても、引用発明及び引用文献5、6に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。また、本願発明4、12は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、5、6に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。そして、本願発明5、13は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、3、5、6に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。更に、本願発明6、14は、当業者であっても、引用発明及び引用文献4ないし6に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-004575