特許拒絶査定不服審判
2021-003731
ノイズ決定のための電極組合せ
- 審判番号
- 2021-003731
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-564820
- 請求日
- 2021年03月22日
- 審決日
- 2022年02月24日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】シナプティクス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】狩野 芳正
- 審判長/審判官
- 審判長 稲葉 和生
- 審判官 小田 浩
- 審判官 野崎 大進
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-564820「ノイズ決定のための電極組合せ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月29日国際公開、WO2016/209590、平成30年 8月16日国内公表、特表2018-523214、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)6月2日(パリ条約による優先権主張 2015年6月23日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 5月 7日付け 拒絶理由通知書
令和 2年 8月 3日 意見書、手続補正書の提出
令和 2年11月20日付け 拒絶査定
令和 3年 3月22日 審判請求書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
本願請求項1ないし22に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1 特開2014-21963号公報
2 国際公開第2012/033058号
第3 本願発明
本願の請求項1ないし22に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明22」という。)は、令和3年3月22日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、9及び17は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
容量検出方法であって、
第1の構成において、センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの複数の入力チャネルに結合するステップと、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得するステップと、
第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合するステップと、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得するステップと、を有し、
前記センサ電極パターンは、検出領域と関連付けられ、
前記第2の構成と前記第1の構成とは異なり、
前記第1の構成において、前記センサ電極パターンの前記第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの前記複数の入力チャネルに結合する前記ステップは、
前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合するステップと、
前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの、第2入力チャネルに同時に結合するステップと
を含む、方法。」
「【請求項9】
容量検出入力装置のための処理システムであって、
複数の入力チャネルを含む検出モジュールと、
マージャモジュールと、
決定モジュールと、を備え、
前記検出モジュールは、
前記容量検出入力装置のセンサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を作動させることによって電流測定値を取得してノイズ信号を受信し、
容量検出のためにセンサ電極パターンのセンサ電極を作動させることによって容量結果信号を取得し、
前記マージャモジュールは、
前記電流測定値を取得するための第1の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合し、
前記容量結果信号を取得するための第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合し、
前記決定モジュールは、
前記容量結果信号に基づいて、前記容量検出入力装置の検出領域内の入力オブジェクトに関する位置情報を決定し、
前記第1の構成は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合することと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合することとを含む、処理システム。」
「【請求項17】
検出領域と関連付けられたセンサ電極パターンと、
処理システムと、を備え、
前記処理システムは、
第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの複数の入力チャネルに結合し、
前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合し、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合して前記第1の構成を実現し、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得し、
第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合し、
センサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得し、
前記容量結果信号に基づいて、前記検出領域に対する入力オブジェクトの位置を決定し、
前記第2の構成と前記第1の構成とは異なる、容量検出入力装置。」
なお、本願発明2ないし8、10ないし16、及び18ないし22は、それぞれ本願発明1、9及び17を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線当審で付した。以下同じ。)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンパネルおよびタッチスクリーンパネルの駆動方法に関する。」
「【0165】
図4A、図4Bは、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネルを示す図である。特に、図4Aでは、ノイズ測定モードにおけるタッチスクリーンパネル400を示し、図4Bでは、タッチ認識モードにおけるタッチスクリーンパネル400を示した。
【0166】
駆動電極Txは、第1方向(例えば、X軸方向)に長く形成され、第1方向と交差する第2方向(例えば、Y軸方向)に沿って複数個が配列できる。
【0167】
一例として、図4Aおよび図4Bでは、4個の駆動電極T1、T2、T3、T4を示したが、その個数は多様に変化可能である。
【0168】
感知電極Rxは、駆動電極Txと交差するように位置することができる。一例として、感知電極Rxは、第2方向に長く形成され、第1方向に沿って複数個が配列できる。
【0169】
一例として、図4Aおよび図4Bでは、4個の感知電極R1、R2、R3、R4を示したが、その個数は多様に変化可能である。
【0170】
駆動電極Txと感知電極Rxは、透明導電性物質で形成されることが好ましい。一例として、前記駆動電極Txと感知電極Rxは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、グラフェン(Graphene)、炭素ナノチューブ(Carbon nanotube)、AgNWs(Silver Nanowires)などで形成できる。
【0171】
また、駆動電極Txと感知電極Rxは、図4Aに示されるように、バー(bar)形状に形成できる。ただし、駆動電極Txと感知電極Rxの形状は多様に変化可能である。
【0172】
駆動電極Txと感知電極Rxは、所定の基板(図示せず)上に位置することができる。
【0173】
この時、基板は、一例として、ガラス、プラスチック、シリコーンまたは合成樹脂のような絶縁性を有する材質からなり得、その他、金属などで形成できる。
【0174】
また、基板は、撓みまたは折り畳みが可能となるように柔軟性を有するフィルムで実現できる。
【0175】
駆動電極Txと感知電極Rxは、互いに異なる層にそれぞれ位置することができる。このために、駆動電極Txと感知電極Rxとの間に絶縁膜(図示せず)が存在することができる。
【0176】
また、駆動電極Txと感知電極Rxとが交差する領域にのみ部分的に絶縁膜が存在することもできる。
【0177】
駆動部10は、タッチ認識モード時、駆動電極Txに駆動信号Dsを供給する役割を果たすことができる。
【0178】
一例として、駆動部10は、タッチ認識モードにおいて、駆動信号Dsを順次に駆動電極Txに供給することができる。
【0179】
タッチ認識モードは、タッチスクリーンパネル400に対する使用者のタッチ入力を検出するモードである。
【0180】
駆動部10は、制御部20によって制御可能であり、制御部20によって検出されたノイズ信号Nsの周波数を回避するように駆動信号Dsの周波数を設定することができる。
【0181】
制御部20は、感知電極Rxから出力される信号を受けることができる。これにより、制御部20は、タッチ認識モードでは使用者のタッチ入力を検出することができ、ノイズ測定モードでは外部から流入するノイズを検出することができる。
【0182】
ノイズ測定モードは、外部環境から流入するノイズ信号を検出するモードである。ノイズ測定モードの間には使用者のタッチ入力がないことが好ましい。
【0183】
ノイズ測定モードは、タッチスクリーンパネル400の最初の駆動時に実行可能であり、また、タッチスクリーンパネル400の作動中にも実行可能である。例えば、外部環境の変化に迅速に対応するために、周期的にノイズ測定モードが実行できる。
【0184】
制御部20は、ノイズ測定モード時、外部ノイズの受信感度を高めるために、上述した第1実施形態と同様に、少なくとも1つの駆動電極Txと駆動部10との間の電気的連結を遮断することができる。
【0185】
このために、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネル400は、それぞれの駆動電極Txと駆動部10との間に位置する第1スイッチS11、S12、S13、S14をさらに含むことができる。
【0186】
第1スイッチS11、S12、S13、S14のオン/オフ動作は、制御部20によって制御できる。
【0187】
したがって、制御部20は、第1スイッチS11、S12、S13、S14のうちの少なくとも1つをターンオフさせることにより、少なくとも1つの駆動電極Txと駆動部10との間の電気的連結を遮断することができる。
【0188】
また、制御部20は、ノイズ測定モード時、外部ノイズの受信感度を高めるために、上述した第2実施形態と同様に、感知電極Rxのうちの一部と制御部20との間の電気的連結を遮断することができる。
【0189】
このために、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネル400は、それぞれの感知電極Rxと制御部20との間に位置する第2スイッチS21、S22、S23、S24をさらに含むことができる。
【0190】
第2スイッチS21、S22、S23、S24のオン/オフ動作は、制御部20によって制御できる。
【0191】
したがって、制御部20は、第2スイッチS21、S22、S23、S24の一部をターンオフさせることにより、感知電極Rxのうちの一部と制御部20との間の電気的連結を遮断することができる。
【0192】
また、制御部20は、ノイズ測定モード時、上述した第3実施形態と同様に、少なくとも1つの駆動電極Txと駆動部10との間の電気的連結を遮断すると同時に、感知電極Rxのうちの一部と制御部20との間の電気的連結を遮断することもできる。
【0193】
このために、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネル400は、第1スイッチS11、S12、S13、S14と、第2スイッチS21、S22、S23、S24とを同時に含むこともできる。
【0194】
図4Aおよび図4Bでは、4個の第1スイッチS11、S12、S13、S14を示したが、第1スイッチS11、S12、S13、S14の個数は、駆動電極Txの個数に応じて多様に変化可能である。
【0195】
図4Aおよび図4Bでは、4個の第2スイッチS21、S22、S23、S24を示したが、第2スイッチS21、S22、S23、S24の個数は、感知電極Rxの個数に応じて多様に変化可能である。
【0196】
特に、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネル400では、ノイズモード測定時、全ての駆動電極Txと全ての感知電極Rxとを相互電気的に連結することを特徴とすることができる。
【0197】
このために、本発明の第4実施形態にかかるタッチスクリーンパネル400は、共通ラインCLと、第3スイッチS31、S32、S33、S34と、第4スイッチS41、S42、S43、S44とをさらに含む。
【0198】
第3スイッチS31、S32、S33、S34は、駆動電極Txおよび第1スイッチS11、S12、S13、S14の間の共通ノードN11、N12、N13、N14と、共通ラインCLとの間にそれぞれ位置する。
【0199】
第4スイッチS41、S42、S43、S44は、感知電極Rxおよび第2スイッチS21、S22、S23、S24の間の共通ノードN21、N22、N23、N24と、共通ラインCLとの間にそれぞれ位置する。
【0200】
第3スイッチS31、S32、S33、S34と第4スイッチS41、S42、S43、S44のオン/オフ動作は、制御部20によって制御できる。
【0201】
これにより、第3スイッチS31、S32、S33、S34と第4スイッチS41、S42、S43、S44が全てターンオンされる場合、全ての駆動電極Txと感知電極Rxは共通ラインCLを介して電気的に連結できる。
【0202】
そのため、制御部20は、ノイズ測定モードの間、第3スイッチS31、S32、S33、S34と第4スイッチS41、S42、S43、S44を全てターンオンさせることにより、全ての駆動電極Txと全ての感知電極Rxとを相互電気的に連結することができる。
【0203】
この時、制御部20は、ノイズの流入による静電容量の変化に応じて、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Nsを検出することができる。
【0204】
また、制御部20は、ノイズの受信感度を最大限に高めるために、全ての第1スイッチS11、S12、S13、S14をターンオフさせ、いずれか1つの第2スイッチ(例えば、S23)を除いた残りの第2スイッチ(例えば、S21、S22、S24)を全てターンオフさせることができる。
【0205】
図4Cは、図4Aに示されたタッチスクリーンパネルによって測定されたノイズ信号を示す波形図である。この時のノイズ信号Nsは、全ての第1スイッチS11、S12、S13、S14がターンオフされ、第2スイッチS21、S22、S23、S24のうちの1つのスイッチのみを除いて残りのスイッチを全てターンオフし、第3スイッチS31、S32、S33、S34と第4スイッチS41、S42、S43、S44を全てターンオンさせた状態で検出されたものである。
【0206】
図4Cを参照すれば、この時検出されたノイズ信号Nsのピークツーピーク電圧Vpp4は1.502Vと測定された。
【0207】
これは、比較対象である図5Aのタッチスクリーンパネルから検出されたノイズ信号Nsのピークツーピーク電圧Vpp5(0.250V、図5B参照)よりはるかに高い数値である。
【0208】
そのため、全ての駆動電極Txと感知電極Rxとが相互電気的に連結される場合が、そうでない場合よりノイズの受信感度がはるかに高いことが分かる。
【0209】
これは、駆動電極Txと感知電極Rxとを相互電気的に連結させることにより、駆動電極Txと感知電極Rxをまるで1つの導電性板のように作ることができ、これにより、全ての駆動電極Txと感知電極Rxに流入するノイズを特定の感知電極に集中させて検出できるからである。
【0210】
図4Bを参照すれば、制御部20は、タッチ認識モードの間、第1スイッチS11、S12、S13、S14と第2スイッチS21、S22、S23、S24を全てターンオンさせることができる。
【0211】
また、制御部20は、タッチ認識モードの間、第3スイッチS31、S32、S33、S34と第4スイッチS41、S42、S43、S44を全てターンオフさせることができる。
【0212】
駆動部10は、タッチ認識モードの間、駆動信号Dsを駆動電極Txに伝達することができる。
【0213】
これにより、制御部20は、タッチ認識モードの間、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出することができる。
【0214】
なお、全ての駆動電極Txと全ての感知電極Rxとをノイズ測定モード時に相互電気的に連結する構成は、第1~第3の実施形態にも同様に適用可能である。」
【図4A】
[図:0001382982000001.jpg]
【図4B】
[図:0001382982000002.jpg]
【図4C】
[図:0001382982000003.jpg]
上記図4A及びBには、制御部20は、複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備えていることが記載されている。
そして、上記図4Aには、ノイズ測定モードでは、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力がターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されていることが記載されている。
加えて、上記図4Bには、タッチ認識モードでは、制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されていることが記載されている。
上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「タッチスクリーンパネルであって、
駆動電極Txは、第1方向に長く形成され、第1方向と交差する第2方向に沿って複数個が配列され、
感知電極Rxは、第2方向に長く形成され、第1方向に沿って複数個が配列され、
駆動部10は、タッチ認識モード時、駆動電極Txに駆動信号Dsを供給する役割を果たし、
制御部20は、複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備え、感知電極Rxから出力される信号を受けることができ、
それぞれの駆動電極Txと駆動部10との間に位置する複数の第1スイッチを含み、第1スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
それぞれの感知電極Rxと制御部20との間に位置する複数の第2スイッチを含み、第2スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
共通ラインCLと、複数の第3スイッチと、複数の第4スイッチとを含み、第3スイッチと第4スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
複数の第3スイッチは、駆動電極Txおよび第1スイッチの間の共通ノードと、共通ラインCLとの間に位置し、
複数の第4スイッチは、感知電極Rxおよび第2スイッチの間の共通ノードと、共通ラインCLとの間にそれぞれ位置する、
タッチパネルにおける検出方法であって、
検出方法は、タッチ認識モードとノイズ測定モードを備え、
タッチ認識モードは、タッチスクリーンパネル400に対する使用者のタッチ入力を検出するモードであり、
ノイズ測定モードは、外部環境から流入するノイズ信号を検出するモードであり、
タッチ認識モードの間、
制御部20は、第1スイッチと第2スイッチを全てターンオンするとともに、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオフさせ、
駆動部10は、駆動信号Dsを順次に駆動電極Txに伝達し、
制御部20は、制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されることにより、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出し、
ノイズ測定モードの間、
制御部20は、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオンさせ、
制御部20は、全ての第1スイッチをターンオフさせ、いずれか1つの第2スイッチを除いた残りの第2スイッチを全てターンオフさせ、
制御部20は、タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する、
タッチパネルの検出方法。」
また、上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「タッチスクリーンパネルであって、
駆動電極Txは、第1方向に長く形成され、第1方向と交差する第2方向に沿って複数個が配列され、
感知電極Rxは、第2方向に長く形成され、第1方向に沿って複数個が配列され、
駆動部10は、タッチ認識モード時、駆動電極Txに駆動信号Dsを供給する役割を果たし、
制御部20は、複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備え、感知電極Rxから出力される信号を受けることができ、
それぞれの駆動電極Txと駆動部10との間に位置する複数の第1スイッチを含み、第1スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
それぞれの感知電極Rxと制御部20との間に位置する複数の第2スイッチを含み、第2スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
共通ラインCLと、複数の第3スイッチと、複数の第4スイッチとを含み、第3スイッチと第4スイッチのオン/オフ動作は、制御部20によって制御でき、
複数の第3スイッチは、駆動電極Txおよび第1スイッチの間の共通ノードと、共通ラインCLとの間に位置し、
複数の第4スイッチは、感知電極Rxおよび第2スイッチの間の共通ノードと、共通ラインCLとの間にそれぞれ位置し、
タッチ認識モードとノイズ測定モードを備え、
タッチ認識モードは、タッチスクリーンパネル400に対する使用者のタッチ入力を検出するモードであり、
ノイズ測定モードは、外部環境から流入するノイズ信号を検出するモードであり、
タッチ認識モードの間、
制御部20は、第1スイッチと第2スイッチを全てターンオンするとともに、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオフさせ、
駆動部10は、駆動信号Dsを順次に駆動電極Txに伝達し、
制御部20は、制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されることにより、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出し、
ノイズ測定モードの間、
制御部20は、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオンさせ、
制御部20は、全ての第1スイッチをターンオフさせ、いずれか1つの第2スイッチを除いた残りの第2スイッチを全てターンオフさせ、
制御部20は、タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する、
タッチパネルの検出方法。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0001] 本発明は、画像を表示することと、人の指やペンなどの物体が画像表示面に接触または接近した位置を検出することとに同一の電極部を共用する情報表示装置に関する。」
「[0049] ステップS140において、情報表示装置10は、画像表示面110s側(上側)に位置するロウ側電極150を順次選択し、選択したロウ側電極150の状態を検出電圧/電流発生器210及び検出器220によって検出させる。」
図3
[図:0001382982000004.jpg]
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明1を対比する。
ア 引用発明1の複数の「感知電極Rx」は、「第2方向に長く形成され、第1方向に沿って複数個が配列され」ているから、電極のパターンを備えているといえる。そうすると、引用発明1の複数の「感知電極Rx」は、本願発明1の「センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極」に相当する。
加えて、引用発明1の「制御部20」は、「感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出」する処理を行い、また「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する」という処理を行っているから、本願発明1の「処理システム」に相当する。
また、引用発明1の「制御部20」は、「複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備え」ており、この入力は「制御部20」への入力チャネルということもできるから、引用発明1の「ノイズ測定モード」において、「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されること」と、本願発明1の「センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの複数の入力チャネルに結合するステップ」とは、「センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの入力チャネルに結合するステップ」である点で共通する。
そして、この「センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの入力チャネルに結合する」構成を、「第1の構成」と呼ぶことは、適宜行われることである。
イ 引用発明1の「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する」ことと、本願発明1の「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得するステップ」は、「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して測定値を取得するステップ」である点で共通する。
ウ 引用発明1の「タッチ認識モード」において、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続される」ことと、本願発明1の「前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合するステップ」とは、「前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合するステップ」である点で共通する。
そして、この「前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合する」構成を、「第2の構成」と呼ぶことは、適宜行われることである。
エ 引用発明1の「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続される」構成により、検出される「タッチ信号Cs」は、使用者と「感知電極Rx」との間の電気的容量の変化を検出していることは明らかであるから、引用発明1の「感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出」することは、本願発明1の「前記第1の複数のセンサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得するステップ」に相当する。
オ 引用発明1の「タッチスクリーンパネル」は、その「タッチ認識モード」において、「感知電極Rx」の存在する領域を感知領域とすることは明らかであるから、引用発明1は、本願発明1の「前記センサ電極パターンは、検出領域と関連付けられ」ることと同様の、関係を有していると認められる。
カ 引用発明1の「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続」する構成と、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続」する構成とは、異なる構成であるから、引用発明1のこれらの構成も、本願発明1の「前記第2の構成と前記第1の構成とは異なり」と同じ関係を有している。
キ そして、引用発明1の「タッチパネルの検出方法」は、本願発明1の「容量検出方法」に対応する。
ク 以上のことから、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次の通りである。
[一致点]
「容量検出方法であって、
第1の構成において、センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの入力チャネルに結合するステップと、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して測定値を取得するステップと、
第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合するステップと、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得するステップと、を有し、
前記センサ電極パターンは、検出領域と関連付けられ、
前記第2の構成と前記第1の構成とは異なる、
方法。」
[相違点1]
本願発明1は、「第1の構成において、センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの複数の入力チャネルに結合するステップ」を有しているのに対して、引用発明1は「ノイズ測定モード」において、「感知電極Rx」の出力は、「制御部20の複数の入力のうち1つ」に接続されている点。
また、そのため、本願発明1の「前記第1の構成において、前記センサ電極パターンの前記第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの前記複数の入力チャネルに結合する前記ステップは、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合するステップと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの、第2入力チャネルに同時に結合するステップとを含む」ことに対応する特定が、引用発明1にはない点。
[相違点2]
本願発明1は、「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得するステップ」を有しているのに対して、引用発明1は、電流測定値を取得していない点。
[相違点3]
本願発明1は、「第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合するステップ」を有しているのに対して、引用発明1は、「タッチ認識モード」において、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続され」ており、「感知電極Rx」のサブセットの出力を「制御部20の複数の入力」に入力していない点。
(2)判断
相違点1について検討すると、相違点1に係る本願発明1の「第1の構成において、センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を処理システムの複数の入力チャネルに結合するステップ」は、引用文献2に記載されておらず、また、このステップが、本願の優先権主張日前において周知技術であったともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1、拒絶査定において引用された引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2ないし8について
本願発明2ないし8は、本願発明1の相違点1に係る上記ステップを備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1、拒絶査定において引用された引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明9について
(1)本願発明9と引用発明2とを対比する。
ア 引用発明2の「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続される」構成により、検出される「タッチ信号Cs」は、使用者と「感知電極Rx」との間の電気的容量の変化を検出していることは明らかであるから、引用発明2の「タッチスクリーンパネル」は、本願発明9の「容量検出入力装置」に相当する。
イ 引用発明2の「感知電極Rx」は、「第2方向に長く形成され、第1方向に沿って複数個が配列され」ているから、電極のパターンを備えているといえる。そうすると、引用発明2の複数の「感知電極Rx」は、本願発明9の「センサ電極パターン」に相当する。
そして、引用発明2の「制御部20」は、「感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出」し、また「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出」しており、さらに、「複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備え」ており、この入力は「制御部20」への入力チャネルということもできるから、引用発明2の「制御部20」は、本願発明9の「複数の入力チャネルを含む検出モジュール」に相当する。
加えて、引用発明2の「制御部20」は、「ノイズ測定モード」において、「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出」しており、この検出と、本願発明9の「前記容量検出入力装置のセンサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を作動させることによって電流測定値を取得してノイズ信号を受信」することとは、「前記容量検出入力装置のセンサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を作動させることによって測定値を取得してノイズ信号を受信」する点で共通する。
また、引用発明2の「制御部20」は、「タッチ認識モード」において、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されることにより、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出し」ているから、このことは、本願発明9の「容量検出のためにセンサ電極パターンのセンサ電極を作動させることによって容量結果信号を取得」することに相当する。
ウ 引用発明2は、「ノイズ測定モード」において、「第3スイッチと第4スイッチを全てターンオンさせ」、「全ての第1スイッチをターンオフさせ、いずれか1つの第2スイッチを除いた残りの第2スイッチを全てターンオフさせ」、「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続され」ており、このことと、本願発明9の「前記電流測定値を取得するための第1の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合」することとは、「前記測定値を取得するための第1の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記入力チャネルに結合」する点で共通する。
また、引用発明2は、「タッチ認識モード」において、「第1スイッチと第2スイッチを全てターンオンするとともに、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオフさせ」、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続」ており、このことと、本願発明9の「前記容量結果信号を取得するための第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合」することとは、「前記容量結果信号を取得するための第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合」する点で共通する。
そうすると、引用発明2の「第1のスイッチ」、「第2のスイッチ」、「第3のスイッチ」、「第4のスイッチ」からなる構成は、本願発明9の「マージャモジュール」に対応する。
エ 引用発明2の「制御部20」は、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されることにより、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出」しており、このことは、本願発明9「前記容量結果信号に基づいて、前記容量検出入力装置の検出領域内の入力オブジェクトに関する位置情報を決定」することに相当するから、引用発明2の「制御部20」は、本願発明9の「前記決定モジュール」が、「前記容量結果信号に基づいて、前記容量検出入力装置の検出領域内の入力オブジェクトに関する位置情報を決定」することと、同様の構成を備えている。
オ そして、引用発明2の「タッチスクリーンパネル」の「制御部20」による制御を行うシステムは、本願発明9の「容量検出入力装置のための処理システム」に対応する。
ク 以上のことから、本願発明9と引用発明2との一致点及び相違点は、次の通りである。
[一致点]
「容量検出入力装置のための処理システムであって、
複数の入力チャネルを含む検出モジュールと、
マージャモジュールと、
決定モジュールと、を備え、
前記検出モジュールは、
前記容量検出入力装置のセンサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を作動させることによって測定値を取得してノイズ信号を受信し、
容量検出のためにセンサ電極パターンのセンサ電極を作動させることによって容量結果信号を取得し、
前記マージャモジュールは、
前記測定値を取得するための第1の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記入力チャネルに結合し、
前記容量結果信号を取得するための第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合し、
前記決定モジュールは、
前記容量結果信号に基づいて、前記容量検出入力装置の検出領域内の入力オブジェクトに関する位置情報を決定する、処理システム。」
[相違点4]
本願発明9の「検出モジュール」は、「前記容量検出入力装置のセンサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を作動させることによって電流測定値を取得してノイズ信号を受信し」ているのに対して、引用発明2は電流測定値を取得していない点。
[相違点5]
本願発明9の「マージャモジュール」は、「前記電流測定値を取得するための第1の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合し」ているのに対して、引用発明2は電流測定値を取得しておらず、また、複数の入力チャネルに結合していない点。
[相違点6]
本願発明9の「検出モジュール」は、「前記容量結果信号を取得するための第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合し」ているのに対して、引用発明2は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合するとの特定はされていない点。
[相違点7]
本願発明9は、「前記第1の構成は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合することと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合することとを含む」のに対して、引用発明2は、対応する特定がない点。
(2)判断
事案に鑑み、先に相違点7について検討すると、相違点7に係る本願発明9の「前記第1の構成は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合することと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合すること」は、引用文献2に記載されておらず、また、この結合が、本願の優先権主張日前において周知技術であったともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明9は、当業者であっても、引用発明2、拒絶査定において引用された引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明10ないし16について
本願発明10ないし16は、本願発明9の相違点7に係る上記結合を備えているから、本願発明9と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2、拒絶査定において引用された引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
5 本願発明17について
(1)本願発明17と引用発明2を対比する。
ア 引用発明2の「タッチスクリーンパネル」は、その「タッチ認識モード」において、「感知電極Rx」の存在する領域を感知領域とすることは明らかであるから、引用発明2の「感知電極Rx」は、本願発明17の「検出領域と関連付けられたセンサ電極パターン」と同様の、関係を有していると認められる。
イ 引用発明2の「制御部20」は、「複数の感知電極Rxに対応する複数の入力を備え」ており、この入力は「制御部20」への入力チャネルということもできる。
そして、引用発明2の「制御部20」は、「感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出」する処理を行い、また「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する」処理を行っているから、本願発明17の「処理システム」に相当する。
また、引用発明2は、「ノイズ測定モード」において、「制御部20」により「第3スイッチと第4スイッチを全てターンオンさせ」、「全ての第1スイッチをターンオフさせ、いずれか1つの第2スイッチを除いた残りの第2スイッチを全てターンオフさせ」、「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続され」ており、このことと、本願発明17の「第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの複数の入力チャネルに結合」することとは、「第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの入力チャネルに結合」する点で共通する。
ウ 引用発明2の、「ノイズ測定モード」において、「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続されることにより、検出する」ことと、本願発明17の「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得」することとは、「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して測定値を取得」する点で共通する。
エ 引用発明2は、「タッチ認識モード」において、「制御部20は、第1スイッチと第2スイッチを全てターンオンするとともに、第3スイッチと第4スイッチを全てターンオフさせ」、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続されることにより、感知電極Rxから検出されるタッチ信号Csを分析して使用者のタッチ入力を検出し」ており、このことと、本願発明17の「第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合し、センサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得し、前記容量結果信号に基づいて、前記検出領域に対する入力オブジェクトの位置を決定」することとは、「第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合し、センサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得し、前記容量結果信号に基づいて、前記検出領域に対する入力オブジェクトの位置を決定」する点で共通する。
エ 引用発明2の「タッチスクリーンパネルによって測定された、感知電極Rxから出力されるノイズ信号Ns(電圧)を、制御部20の複数の入力のうち1つの入力と感知電極Rxの出力が、ターンオンされた1つの第2スイッチを介して接続」する構成と、「制御部20の複数の入力のそれぞれに、感知電極Rxの出力が、ターンオンされた第2スイッチを介して接続」する構成とは、異なる構成であるから、引用発明2のこれらの構成も、本願発明17の「前記第2の構成と前記第1の構成とは異なる」と同じ関係を有している。
オ そして、引用発明2の「タッチスクリーンパネル」は、本願発明17の「容量検出入力装置」に対応する。
カ 以上のことから、本願発明17と引用発明2との一致点及び相違点は、次の通りである。
[一致点]
「検出領域と関連付けられたセンサ電極パターンと、
処理システムと、を備え、
前記処理システムは、
第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの入力チャネルに結合し、
前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して測定値を取得し、
第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極を前記複数の入力チャネルに結合し、
センサ電極の前記第2の構成を利用して容量結果信号を取得し、
前記容量結果信号に基づいて、前記検出領域に対する入力オブジェクトの位置を決定し、
前記第2の構成と前記第1の構成とは異なる、容量検出入力装置。」
[相違点8]
本願発明17は、「第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの複数の入力チャネルに結合し、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合し、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合して前記第1の構成を実現し」ているのに対して、引用発明2は、対応する特定がない点。
[相違点9]
本願発明17は、「前記第1の複数のセンサ電極の前記第1の構成を利用して電流測定値を取得し」ているのに対して、引用発明2は電流測定値を取得していない点。
[相違点10]
本願発明17は、「第2の構成において、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合し」ているのに対して、引用発明2は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも1つのサブセットを前記複数の入力チャネルに結合するとの特定はされていない点。
(2)判断
相違点8について検討すると、相違点8に係る本願発明17の「第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの複数の入力チャネルに結合し、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合し、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合」することは、引用文献2に記載されておらず、また、この結合が、本願の優先権主張日前において周知技術であったともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明17は、当業者であっても、引用発明2、拒絶査定において引用された引用文献2記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
6 本願発明18ないし22について
本願発明18ないし22は、本願発明17の相違点8に係る上記結合を備えているから、本願発明17と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2、拒絶査定において引用された引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1ないし8は、「前記第1の構成において、前記センサ電極パターンの前記第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの前記複数の入力チャネルに結合する前記ステップは、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合するステップと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの、第2入力チャネルに同時に結合するステップとを含む」ことを備え、本願発明9ないし16は、「前記第1の構成は、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合することと、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合することとを含む」ことを備え、本願発明17ないし22は、「第1の構成において、前記センサ電極パターンの第1の複数のセンサ電極を前記処理システムの複数の入力チャネルに結合し、前記第1の複数のセンサ電極の少なくとも2つのセンサ電極を前記複数の入力チャネルの第1入力チャネルに同時に結合し、前記第1の複数のセンサ電極の、少なくとも2つの他のセンサ電極を、前記複数の入力チャネルの第2入力チャネルに同時に結合して前記第1の構成を実現」することを備えるものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-003731