特許拒絶査定不服審判
2024-004335
増幅器フリッカノイズ及びオフセットを緩和するシステム及び方法
- 審判番号
- 2024-004335
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-520475
- 請求日
- 2024年03月12日
- 審決日
- 2024年09月30日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】シナプティクス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】狩野 芳正
- 審判長/審判官
- 審判長 馬場 慎
- 審判官 千葉 輝久
- 審判官 丸山 高政
- 分類
- P18 .121-WYA(H03F) / P18 .575-WYA(H03F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2020-520475「増幅器フリッカノイズ及びオフセットを緩和するシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日国際公開、WO2019/079650、令和 3年 1月 7日国内公表、特表2021-500784、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)10月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年(平成29年)10月20日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和4年11月2日付けで拒絶理由が通知され、令和5年2月1日に手続補正がされ、令和5年5月15日付けで最後の拒絶理由が通知され、令和5年8月9日に手続補正がされ、令和5年11月9日付けで令和5年8月9日の手続補正が却下され、同日付で拒絶査定がされたものである。
これに対し、令和6年3月12日に本件拒絶査定不服審判の請求がされた。
第2 補正の却下の決定の適否について
〔補正の却下の決定の適否の結論〕
令和5年11月9日付けの補正の却下の決定を取り消す。
〔理由〕
1 補正の却下の決定の理由の概要
令和5年8月9日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、この補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。
記
引用文献1 米国特許出願公開第2016/0294331号明細書
引用文献2 米国特許出願公開第2010/0213983号明細書
引用文献3 特表2006-517765号公報
引用文献4 特表2012-502581号公報
2 請求人の主張
請求人は、審判請求書において、令和5年8月9日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、令和5年11月9日付けの補正の却下の決定は不当なものである旨を主張している。
3 判断
補正の却下の決定の理由を検討しても、令和5年8月9日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、他に、請求項1-15に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるといえる理由を発見しない。
したがって、令和5年11月9日付けの補正の却下の決定には理由がないから、当該決定を取り消す。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和5年11月9日付けの補正の却下の決定は取り消されたので、本願の請求項1-15に係る発明は、令和5年8月9日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に記載された事項により特定される次のとおりの発明である。
「 【請求項1】
入力信号を受け取り、一対の差動出力を生成するように動作可能な増幅回路であって、受信した信号を変調して変調後の信号を得るように構成された第1回路と、前記変調後の信号を増幅して、増幅された変調後の信号を得るように構成された第1増幅器と、前記増幅された変調後の信号を復調して復調後の信号を得るように構成され、前記一対の差動出力が前記復調後の信号に基づいている第2回路とを備える増幅回路と、
前記一対の差動出力を受け取り、前記一対の差動出力の差に基づいて前記一対の差動出力の何れが大きいかを示す比較出力を生成するように構成された比較回路と、前記比較出力に基づいてビットシーケンスを含む符号を生成するように構成された逐次比較レジスタ(SAR)論理回路と、前記符号に基づいて1以上の補償信号を生成し、前記1以上の補償信号を前記増幅回路に印加して前記一対の差動出力の間のオフセットを緩和するように構成された補償信号ジェネレータとを備えるオフセット校正回路と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記補償信号ジェネレータが、前記第1増幅器の出力に前記1以上の補償信号を印加するように動作可能な
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記オフセット校正回路が、前記増幅回路にスイッチ可能に結合された
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記SAR論理回路が、校正プロセスの最後の繰り返しに対応する前記符号を示す情報を格納のために提供するように動作可能であり、
前記システムが、更に、前記校正プロセスの前記最後の繰り返しに対応する前記符号を示す前記情報を格納するメモリを備えており、
前記補償信号ジェネレータが、前記メモリに格納された前記情報に基づいて前記1以上の補償信号を生成し、前記1以上の補償信号を前記増幅回路に印加して前記一対の差動出力におけるオフセットを補償するように構成された
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記SAR論理回路が、校正プロセスにおいて前記符号を反復的に調節するように動作可能であり、
前記校正プロセスの1回の繰り返しにおいて、前記SAR論理回路が、
第1ビットシーケンスを前記符号として前記補償信号ジェネレータに供給することに応じて前記比較出力を受け取り、
前記比較出力が第1極性であるときに前記符号を第2ビットシーケンスに設定し、
前記比較出力が第2極性であるときに前記符号を第3ビットシーケンスに設定するように動作可能であり、
前記第3ビットシーケンスが前記第2ビットシーケンスと相違している
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記補償信号ジェネレータが、前記1以上の補償信号を生成するように動作可能な電流生成器を備えており、前記1以上の補償信号のそれぞれが電流信号を備えている
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記電流生成器が、電流源のアレイを備えている
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1回路と前記第2回路とがチョッパ回路である
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記増幅回路が、更に、前記第2回路に直列に結合された第2増幅器を備えており、
前記第2増幅器が、前記一対の差動出力を生成するように動作可能である
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
入力信号を変調して変調後の信号を得ることと、
増幅回路によって前記変調後の信号を増幅して増幅された信号を得ることと、
前記増幅された信号を復調して復調後の信号を得ることと、
前記復調後の信号から一対の差動出力を生成することと、
前記一対の差動出力を受け取る比較回路により、前記一対の差動出力の間の差に基づいて前記一対の差動出力の何れが大きいかを示す比較出力を生成することと、
逐次比較レジスタ(SAR)論理回路の動作によって、前記比較出力に基づいてビットシーケンスを含む符号を生成することと、
前記符号に基づいて1以上の補償信号を生成して前記一対の差動出力の間のオフセットを補償することと、
前記1以上の補償信号を前記増幅回路に印加して前記一対の差動出力を調節し、これによりアップモジュレートされたオフセットによるリップルを抑制することと
を含む方法。
【請求項11】
更に、
前記SAR論理回路によって、調節後の前記一対の差動出力に基づいて、前記符号を調節することと、
補償信号ジェネレータによって、調節後の前記符号に基づいて前記1以上の補償信号を調節することと、
前記補償信号ジェネレータによって、調節後の前記1以上の補償信号を前記増幅回路に印加して前記一対の差動出力を更に調節することと
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記符号を調節することが、
前記符号を第1ビットシーケンスに設定することに応じて、調節後の前記増幅された出力信号を受け取ることと、
前記比較出力が第1極性であるときに前記符号を第2ビットシーケンスに設定することと、
前記比較出力が第2極性であるときに前記符号を第3ビットシーケンスに設定することと
を含み、
前記第3ビットシーケンスが前記第2ビットシーケンスと相違している
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1以上の補償信号を生成することと前記1以上の補償信号を印加することが、反復的なプロセスを構成しており、前記反復的なプロセスは、最後の繰り返しにおいて、
前記最後の繰り返しの間の前記一対の差動出力に基づいて前記符号を調節することと、
調節後の前記符号を示す情報を格納することと、
格納された前記情報に基づいて前記1以上の補償信号を生成することと、
前記増幅回路に前記1以上の補償信号を印加して前記増幅回路に関連するオフセットを補償することと
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
1以上の補償信号を生成することが、補償信号ジェネレータによって実行される
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記入力信号を変調することが、前記入力信号をチョッパ回路に印加することを含む
請求項10に記載の方法。」
2 判断
上記「第2 補正の却下の決定の適否について」で述べたように、令和5年8月9日に補正された特許請求の範囲の請求項1-15に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、拒絶査定の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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