商標拒絶査定不服審判
2021-003168
サナ、シャナ
- 審判番号
- 2021-003168
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-017847
- 請求日
- 2021年03月09日
- 審決日
- 2021年10月12日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
- 【請求人代理人】西浦 ▲嗣▼晴
- 【請求人代理人】▲高▼見 良貴
- 【請求人代理人】出山 匡
- 【請求人代理人】山田 朋彦
- 【請求人代理人】土橋 編
- 【請求人代理人】小崎 万里子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03) / T18 .264-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-17847拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「紗奈」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年2月19日に登録出願されたものである。
原審では、令和2年7月8日付けで拒絶理由の通知、同年8月18日付けで意見書の提出、同年12月7日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同3年3月9日付けで本件拒絶査定不服審判が請求され、同日付けで手続補正書が提出されている。
本願商標の指定商品は、当審における上記手続補正書により、第3類「スキンケア用化粧品,保湿用化粧品,肌荒れ防止用化粧品」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の引用商標1から引用商標4をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1783808号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SANA」の欧文字を横書きしたもので、昭和57年2月18日登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同60年6月25日に設定登録されたものであり、平成17年6月1日に指定商品の書換登録がされた結果、その指定商品は第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」となった。
(2)登録第2110379号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和61年7月2日登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録されたものであり、同20年11月19日に指定商品の書換登録がされた結果、その指定商品は第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」となった。
(3)登録第3352593号商標(以下「引用商標3」という。)は、「サナ」の片仮名を横書きしたもので、平成7年7月10日登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第5775506号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成27年2月23日登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、同年7月3日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類似
ア 本願商標について
本願商標は、「紗奈」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「紗」の漢字は「サ」又は「シャ」と発音し、「薄い絹織物。」の語義を有するもので、「奈」の漢字は「ナ」と発音し、「いかん。」の語義を有する(「大辞泉 第2版」小学館)ところ、両文字を結合して特定の意味を有する成語や慣用語となるものではなく、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そして、本願商標の構成文字(「紗」、「奈」)はいずれも人名に用いられる漢字(「赤ちゃんの【幸せ】名づけ事典」(株式会社ナツメ社発行)、「世界一の幸せを贈る 赤ちゃんの名前」(株式会社永岡書店発行)、請求人提出の参考資料1の1、2)であるから、構成文字全体をして何らかの人名を表してなる可能性を示唆するもので、両文字を結合した発音としては「サナ」が自然である。
そのため、本願商標は、その構成文字に相応して、「サナ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、「SANA」の欧文字を横書きしてなるところ、これは特定の意味を有する成語や慣用語ではなく、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「サナ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2は、別掲1のとおり、「SANA」(2文字目及び4文字目の「A」の欧文字の横棒は省略されている。)の欧文字を表してなるところ、これは特定の意味を有する成語や慣用語ではなく、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「サナ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)引用商標3は、「サナ」の片仮名を横書きしてなるところ、これは特定の意味を有する成語や慣用語ではなく、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標3は、その構成文字に相応して、「サナ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(エ)引用商標4は、別掲2のとおり、上部に4つの花びらを組み合わせた図形を、その下部に「SANA」(2文字目及び4文字目の「A」の欧文字の横棒は省略されている。)の欧文字を表してなるところ、当該文字部分は特定の意味を有する成語や慣用語ではなく、その図形部分を含めて、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標4は、その構成文字に相応して、「サナ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標を比較すると、外観については構成文字の文字種(漢字と欧文字、片仮名)や図形部分の有無に差異があるものの、称呼については共通する称呼(サナ)が生じるもので、また、観念についてはいずれも特定の観念が生じないから比較できないものの、それぞれの構成文字(「紗奈」と「SANA」及び「サナ」)は、漢字とローマ字及び片仮名の文字表示を相互に変更するにすぎず、これらを総合して記憶される印象は近似したものになる。
そうすると、本願商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念が与える印象、記憶等を総合して全体的に考察すると、これを同一又は類似の商品について使用するときは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、類似する商標というべきである。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標「紗奈」は、人名(特に女性の名前)を想起させるもので、それを「すずな」や「しゃな」と読む人物が存在するから、「サナ」の称呼だけでなく、「スズナ」及び「シャナ」の称呼も自然に生じる旨を主張する。
しかしながら、人名の読み方には当て字を含めた多様な読み方があり得るとしても、本願商標のような構成文字で、特段の振り仮名がない状態では、上記(1)アのとおり、「サナ」の称呼が生じるというのが自然である。
なお、「明治安田生命」のウェブサイトの「名前ランキング 読み方ベスト50」によれば、女の子の15位に「サナ」の読み方が掲載されているが、「スズナ」及び「シャナ」の読み方の掲載はない(https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/read_best50/girl.html)ことに鑑みても、本願商標から自然に生じる称呼は、「サナ」というのが妥当であって、「スズナ」及び「シャナ」の称呼も自然に生じるとの請求人主張は直ちに受け入れ難い。
イ 請求人は、本願商標の指定商品の需要者は、化粧品の効果や成分などを注意深く調べて慎重に確認した上で商品購入する傾向があり、また、連続して同一の商品を使用する傾向もあるから、商品の出所の識別に当たって称呼のみで判断するというよりも外観等の印象も重視して類否を判断する実情があるというべきで、そのような取引の実情を考慮すれば、本願商標から生じる称呼の一つが引用商標と共通する場合があったとしても、外観の相違から生じる印象を凌駕しない旨を主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標は、上記(1)ウのとおり、外観において文字種の差異があるとしても、称呼を共通にするもので、観念は比較できないとしても、それぞれの構成文字は漢字とローマ字及び片仮名の文字表示を相互に変更するにすぎず、これらを総合して記憶される印象は近似したものになるから、全体的に考察すると、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、互いに類似するというべきである。
なお、当審における顕著な事実として、会社名やブランド名について、漢字とローマ字及び片仮名の文字表記を相互に変更することも一般的に行われている実情(例えば「資生堂」と「SHISEIDO」、「花王」と「Kao」など)があることを踏まえても、請求人主張の取引の実情の有無に関わらず、本願商標と引用商標は類似するということに支障はない。
ウ 請求人は、過去の審決例や商標登録例を掲げて、本願商標と引用商標とは、外観において顕著な相違があるから、非類似というべきである旨を主張する。
しかしながら、過去の審決例や登録例は、本願商標の登録適格性の判断に直接影響を与えるものではなく、また、請求人の援用する審決例や商標登録例は、本願商標とは異なる商標に係るものであるから、本願商標と引用商標の類似に係る上記結論に影響しない。
(3)本願商標と引用商標の指定商品の類似
本願商標の指定商品「スキンケア用化粧品,保湿用化粧品,肌荒れ防止用化粧品」は、引用商標の指定商品中「化粧品」に含まれる。
したがって、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「化粧品」と、同一又は類似する商品である。
(4)結論
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは類似する商標であって、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するもので、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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