2021-002874
商品登録装置、精算システム、表示方法およびプログラム
- 審判番号
- 2021-002874
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-184229外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月04日
- 審決日
- 2021年11月09日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G07G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成28年9月21日の出願であって、令和2年7月29日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月6日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたが、同年12月2日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して、令和3年3月4日に拒絶査定不服審判の請求がされ、当審が令和3年6月3日付けで拒絶理由を通知し、同年7月28日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
この出願の下記の請求項に係る発明は、この出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、この出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1~5
・引用文献 1,2
第3 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明は、令和3年7月28日に提出された手続補正書により補正された請求項1~4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】店員が操作を行い顧客の購入対象の商品を登録し、顧客が自ら操作して精算処理を行う精算装置に精算情報を送信する商品登録装置であって、登録された商品の合計金額の少なくとも一部の金額が前記商品登録装置において精算された場合、前記一部の金額として登録された預かり額と、登録された前記商品の合計金額とを含む前記精算情報を取得する取得手段と、取得された前記精算情報が前記商品登録装置から前記精算装置または可搬媒体に出力されると、前記合計金額および前記預かり額の差額と、該預かり額とを含む画面を表示させるよう制御する表示制御手段と、前記表示制御手段の制御に基づいて、前記画面を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする商品登録装置。」
第4 引用文献の記載事項等
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1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項
引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「技術分野[0001]本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行うPOS(Point Of Sale)レジシステムの技術に関する。」
「発明が解決しようとする課題[0006]上述の運用方法では、レジ端末で従来行われていた処理の一部の精算処理を会計装置(本明細書では精算装置と表記する)に対する顧客の操作に委ねることになる。しかしながら、精算装置に対する顧客の操作のみで精算を完了させることができない場合があり得る。例えば、金券やクーポンの利用等、顧客が精算装置でサポートされていない支払い方法を望む場合や、通信障害等により精算装置が精算情報を取得できない場合が該当する。[0007]本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行う運用方法において、レジの利便性を向上させる技術を提供する。」
「[0016][第一実施形態]〔システム構成〕図1は、第一実施形態におけるPOSレジシステム1のハードウェア構成例を概念的に示す図である。第一実施形態におけるPOSレジシステム1は、商品登録装置10、精算装置20及びサーバ装置30を有する。商品登録装置10は、店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行い、登録された商品の精算情報をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、商品登録装置10から送られた商品情報を精算装置20に送信する。精算装置20は、顧客の操作に伴い、サーバ装置30から受信された精算情報に基づく精算処理を行う。各装置の具体的な処理内容については後述する。[0017]商品登録装置10は、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、通信ユニット4、入出力インタフェース(I/F)5等を有する。・・・[0018]入出力I/F5には、表示装置6、入出力装置7等が接続される。表示装置6は、店員用及び顧客用のディスプレイ、タッチパネルの表示部等の少なくとも一つである。・・・」
「[0025]〔処理構成〕図2は、第一実施形態における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、登録部11、取引格納部12、表示制御部13、出力制御部14、情報取得部15等を有する。登録部11、取引格納部12、表示制御部13、出力制御部14及び情報取得部15は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ3に格納されてもよい。また、商品登録装置10は、図2に示されていない他の処理部を有してもよい。[0026]登録部11は、商品登録処理を行い、取引毎に精算情報をそれぞれ取引格納部12に格納する。精算情報は、精算対象として登録された各商品の情報を含み、精算装置20が精算処理を行う際に利用する情報である。例えば、精算情報は、精算対象に登録された各商品についての、商品コード、売価情報、販売数量、値引き情報等を含む。商品コードとは、各商品を特定するために予め決められた、文字、数字、記号等から形成される識別データである。商品コードには、例えば、PLU(Price Look Up)コード、Non-PLUコード等が利用される。精算対象の商品に商品コードが付されていない場合には、商品コードの代わりに部門コード等の他のコードが利用されてもよい。精算情報の具体的内容は制限されない。・・・[0028]取引格納部12は、取引毎に精算情報を格納する。後述する情報取得部15により部分支払情報が取得される場合には、取引格納部12は、取引毎に精算情報及び部分支払情報を格納する。[0029]表示制御部13は、登録部11により精算対象に登録された商品の情報を表示装置6に表示する。具体的には、表示制御部13は、対象取引(登録処理中の取引)に関し、精算対象に登録される商品の情報を登録部11又は取引格納部12から取得し、この取得された情報を提示する画面を表示する。」
「[0034]図5は、会計画面の例を示す図である。図5の例では、会計画面は、釣銭機現金(自動釣銭機)、手入力現金、金券、クレジット、ポイント、電子マネーの複数の支払い方法に対応している。釣銭機現金は、自動釣銭機に投入された現金を示す。即ち、図5の例では、商品登録装置10は、入出力装置7として自動釣銭機を有する。また、手入力現金は、その自動釣銭機を用いずにキャッシュドロア(入出力装置7)に入れられる現金を意味する。商品登録装置10のユーザである店員は、複数の支払い方法の少なくとも一つの方法での支払いを受け、その支払い方法での受け取った支払い金額をその会計画面に対して設定する。表示制御部13は、金券画面に対するユーザ操作を検出し、各支払い方法に関し設定された支払い金額(お預り金額)を会計画面に反映させる。但し、本実施形態では、会計画面でサポートされる支払い方法種を制限しない。[0035]図5に示されるように、会計画面は、「取引出力」ボタンB6及び「預/現計」ボタンB7を含む。表示制御部13は、会計画面の初期状態では、ボタンB7を操作不可能状態又は非表示状態に設定しておき、会計画面で設定された「お預り金額」が「合計金額」以上となったことを検出することで、ボタンB7を操作可能状態又は表示状態に切り替えることもできる。表示制御部13は、ボタンB7に対するユーザ操作を検出すると、会計画面に設定された支払情報に基づく精算処理を精算処理部(図示せず)に実行させる。精算処理部により実行される精算処理は、お釣りの出力、レシートの発行、領収書の発行等を含む。その精算処理が終了すると、その取引が完了する。表示制御部13は、「取引出力」ボタンB6がユーザにより操作されると、例えば、図4に例示される指定画面を表示する。[0036]情報取得部15は、会計画面に設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する。例えば、情報取得部15は、合計金額の一部が支払われ、その一部の支払い金額が会計画面に設定された状態で、「取引出力」ボタンB3が操作された場合に、その一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する。図4の例では、情報取得部15は、金券及び手入力現金で支払われた1900円(合計金額=1万円)を示す情報を含む部分支払情報を取得する。部分支払情報は、預り金額の合計だけを示してもよいし、支払い方法を示す情報及び支払い方法毎の支払い金額を示してもよいし、それらに加えて預り金額の合計並びに残金を示してもよい。情報取得部15は、取得された部分支払情報を取引格納部12に格納する。」
「[0044]〔動作例〕以下、第一実施形態におけるPOSレジシステム1の動作例について図6を用いて説明する。図6は、第一実施形態における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。図6では、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合の動作例が示され、図3、図4及び図5に例示される画面が用いられている。図示される各工程は、例えば、商品登録装置10の各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。・・・続きを表示(全15行)[0050]次に、特殊な運用でのPOSレジシステム1の動作例を説明する。POSレジシステム1では、商品登録装置10側で店員が一部又は全部の支払いを受け取ることもできる。例えば、金券やポイントの利用、電子マネーの利用等、顧客が精算装置20でサポートされていない支払い方法を望む場合や、顧客単独では精算装置20で精算をすることができないと判断される場合等に、その特殊な運用が行われる。[0051]この場合、店員は、全ての商品を登録し終えると、図3の「小計」ボタンB2を押下する。商品登録装置10は、「小計」ボタンB2に対するユーザ操作を検出すると(S62;YES)、会計画面を表示装置6に表示する(S63)。会計画面は、図5に例示されるように、複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な画面である。店員は、複数の支払い方法の少なくとも一つの方法での支払いを受け、その支払い方法での受け取った支払い金額をその会計画面に対して設定する。商品登録装置10は、金券画面に対するユーザ操作を検出し、各支払い方法に関し設定された支払い金額(お預り金額)を会計画面に反映させ、かつ、会計画面に設定された一部支払い情報を対象の精算情報と関連付けて取引格納部12に格納する。・・・[0053]また、店員は、金券やポイントの利用により合計金額の一部の支払いを受け取ることもできる。この場合、店員は、受け取った一部の支払い金額の情報を会計画面に設定し、会計画面の「取引出力」ボタンB6を押下する。商品登録装置10は、ボタンB6に対するユーザ操作を検出すると(S64;NO)(S65;YES)、上述のように指定画面を表示する(S66)。続いて、商品登録装置10は、指定画面の「送信」ボタンB3に対するユーザ操作を検出すると(S67;YES)、上述のように部分支払情報が取引格納部12に格納されているか否かを判定する(S68)。[0054]このとき会計画面に対する一部支払いの設定が行われているため(S68;YES)、商品登録装置10は、取引格納部12からその部分支払情報を取得する(S71)。商品登録装置10は、操作されたボタンB3に対応する精算装置20の識別情報と共に対象取引の精算情報及び部分支払情報をサーバ装置30に送信する(S72)。[0055]サーバ装置30は、商品登録装置10から送信された精算装置20の識別情報、精算情報及び部分支払情報を受信し、その識別情報で特定される精算装置20にその精算情報及び部分支払情報を送信する。但し、商品登録装置10は、ボタンB3に対応する精算装置20に精算情報及び部分支払情報を直接送信してもよい。これにより、その精算情報及び部分支払情報を取得した精算装置20は、商品登録装置10側で部分的に支払われた金額を除いた残金分の精算処理を実行することができる。この場合、顧客は、商品登録装置10側で一部の支払いを済ました後、指定された精算装置20の前に移動し、その精算装置20を操作することで、残金分の支払いを行い、精算を完了させることができる。」
図1
[図:0001381513000001.jpg]
図2
[図:0001381513000002.jpg]
図5
[図:0001381513000003.jpg]
(2)引用文献1の記載から認められること
ア [0016]及び[0055]の記載によれば、商品登録装置10は、店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行い、精算装置20に精算情報及び部分支払情報を送信することが認められ、精算装置20は、顧客が操作をすることで精算を完了することが認められる。
イ [0025]の記載によれば、商品登録装置10は、登録部11、取引格納部12、表示制御部13、情報取得部15を有することが認められる。
ウ [0036]の記載によれば、情報取得部15は、設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得して取引格納部12に格納することが認められ、[0050]及び[0051]の記載も参照すると、一部の支払い金額を含む部分支払情報を取引格納部12に格納するのは、商品登録装置10側で店員が一部の支払いを受け取る場合であると認められる。また、[0026]の記載によれば、登録部11は、登録された各商品の情報を含み、精算装置20が精算処理を行う際に利用する精算情報を取引格納部12に格納することが認められる。
エ [0017]及び[0018]の記載によれば、商品登録装置10は、表示装置6が接続されることが認められ、[0029]によれば、表示制御部13は、表示の制御をするものであり、その制御の対象は表示装置6であるから、表示装置6は、表示制御部13の制御に基づいて表示することが認められる。
オ [0034]~[0036]及び図5の記載並びに上記エによれば、[0034]に記載の「支払い金額」は、[0036]に記載の「一部支払い金額」及び図5に記載の「お預かり」と同じであり、[0036]に記載の「合計金額」は、図5に記載の「合計」と同じであり、図5に記載の「残り」は、上記合計金額と上記一部の支払い金額の差であることは明らかであるから、表示制御部13は、合計金額と一部の支払い金額の差である残りと、一部の支払い金額を含む指定画面を表示させるよう制御すること、及び、表示装置6は、表示制御部13の制御に基づいて指定画面を表示することが認められる
カ 上記ア及びウによれば、商品登録装置10は、取引格納部12に格納された精算情報及び部分支払情報を精算装置20に送信することが認められる。
(3)引用発明
上記(2)ア~カを総合すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行い、顧客が操作することで精算を完了する精算装置20に精算情報及び部分支払情報を送信する商品登録装置10であって、取引格納部12と、商品登録装置10側で店員が一部の支払いを受け取る場合、設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得して取引格納部12に格納する情報取得部15と、登録された各商品の情報を含み、精算装置20が精算処理を行う際に利用する精算情報を取引格納部12に格納する登録部11と、合計金額と一部の支払い金額の差である残りと、一部の支払い金額を含む指定画面を表示させるよう制御する表示制御部13と、を有し、表示制御部13の制御に基づいて指定画面を表示する表示装置6が接続され、取引格納部12に格納された精算情報及び部分支払情報を精算装置20に送信する商品登録装置10。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載事項
引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明の実施形態は、商品データ登録装置およびプログラムに関する。【背景技術】続きを表示(全14行)【0002】従来、読み取り入力した商品コードに基づいて単価等を読み出して取引データを生成する商品データ登録装置と、商品データ登録装置が生成した取引データに基づいて買物客である顧客自身が決済処理を実行する会計装置と、を備えたチェックアウトシステムが提案されている。このようなチェックアウトシステムは、会計業務をオペレータ(店員)が行う業務から省くことができる。【0003】このようなチェックアウトシステムによれば、顧客は、商品データ登録装置において一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字された保留レシートを受け取る。そして、顧客は、会計装置において、保留レシートに印字された識別データを会計装置において読み取り入力させることで、保留されている取引データを呼び出し、決済処理を行う。【0004】ところで、種々の決済方法から商品券等の金券での決済が選択された場合、商品データ登録装置において、金券額を入力する。この場合、入力された金券額が商品の合計金額より多いオーバーテンド状態の場合は、商品データ登録装置において決済処理を実行して、かつ釣銭の払い出し、レシートの印字と発行を行っていた。このため、商品データ登録装置側にも、釣銭機およびレシートの印字装置を備える必要があった。【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】本発明が解決しようとする課題は、オーバーテンド状態であっても、釣銭の払い出し、レシートの印字を行わない商品データ登録装置およびプログラムを提供することである。」
「【0009】図1は、実施形態にかかるチェックアウトシステム101の全体を示す模式図である。図1に示すように、チェックアウトシステム101は、チェッカ(店員)であるオペレータOが操作する商品データ登録装置102と、顧客Cが操作する会計装置103と、を備えている。商品データ登録装置102は、横長テーブル状の作業台104の上に設置されている。各商品データ登録装置102と各会計装置103とは、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで互いに電気的に接続されている。」
「【0030】図4に示すように、商品データ登録装置102は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部150を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器114に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。」
「【0075】この転送先選択画面P2において、制御部150は、クーポンを使用したこと等により小計値引キーB2または小計割引キーB3が操作されたか否かを判断する(ステップS24)。操作されたと判断した場合は(ステップS24のYes)、制御部150は、ステップS22で計算された合計金額から小計値引や小計割引を実行する(ステップS25)。【0076】そして制御部150は、支払方法選択キーB1の操作によって表示される、商品券等の金券で決済するための金券キー1153が操作されたか否かを判断する(ステップS26)。操作されていないと判断した場合(すなわち現金での決済が選択された場合)は(ステップS26のNo)、制御部150(選択手段157)は、転送先キーB4または転送先キーB5を含むいずれかの転送先キーが操作されたか否かを判断する(ステップS27)。【0077】操作されたと判断した場合は(ステップS27のYes)、制御部150(送信手段156)は、操作によって指定された会計装置103に、取引データを転送する(ステップS28)。このとき、商品データ登録装置102のプリンタ116から、取引データを特定する情報が印字された保留レシートは発行されない。そして制御部150(表示制御手段158)は、表示器114に図11に示す報知画面P5を表示する(ステップS29)。この報知画面P5を見たオペレータは、顧客に対して、表示された番号の会計装置103へ行って精算をすることを口頭で告げる。【0078】図11において、商品データ登録装置102の制御部150は、取引データを所望の会計装置103に対して転送した旨を表示した報知画面P5を表示器114に表示する。なお、この報知画面P5には、合計金額及び合計商品点数が表示される。また、小計割引や小計値引が実行された場合には、小計割引や小計値引の実行後の残額も表示される。この報知画面P5は、閉じるキーB8を操作することで閉じる。」
図1
[図:0001381513000004.jpg]
図11
[図:0001381513000005.jpg]
(2)引用文献2の記載から認められること
【0078】の記載によれば、取引データが商品データ登録装置102から会計装置103に転送されると、商品データ登録装置102の制御部150は、報知画面P5を表示器114に表示するよう制御すること、及び、報知画面P5は合計金額と小計値引の実行後の残額を含むことが認められる。
(3)引用文献2に記載の技術
上記(2)を総合すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されていると認められる。
「取引データが商品データ登録装置102から会計装置103に転送されると、商品データ登録装置102の制御部150は、合計金額と小計値引の実行後の残額を含む報知画面P5を表示器114に表示するよう制御する技術。」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比すると、後者の「精算対象」は、前者の「購入対象」に相当し、以下同様に、「登録する処理を行」うことは「登録」することに、「精算を完了する」ことは「精算処理を行う」ことに、「精算装置20」は「精算装置」に、「精算情報」及び「部分支払情報」は「精算情報」に、「商品登録装置10」は「商品登録装置」に、「一部の支払い金額」は「預かり額」に、「取得して取引格納部12に格納する」ことは「取得する」ことに、「情報取得部15」及び「登録部11」は「取得手段」に、「取引格納部12に格納する」ことは「取得する」ことに、「合計金額」は「合計金額」に、「指定画面」は「画面」に、「表示制御部13」は「表示制御手段」に、「有」することは「備える」ことに、「表示装置6」は「表示手段」に、それぞれ相当する。
後者の「店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行」うことは、前者の「店員が操作を行い顧客の購入対象の商品を登録」することに相当し、後者の「顧客が操作することで精算を完了する」ことは、前者の「顧客が自ら操作して精算処理を行う」ことに相当し、後者の「精算情報及び部分支払情報を送信する商品登録装置10」は、前者の「精算装置に精算情報を送信する商品登録装置」に相当する。
後者の「商品登録装置10側で店員が一部の支払いを受け取る場合」は、前者の「登録された商品の合計金額の少なくとも一部の金額が前記商品登録装置において精算された場合」に相当し、後者の「設定された一部の支払い金額」は、前者の「前記一部の金額として登録された預かり額」に相当する。後者の「精算情報」は、部分支払情報とともに精算装置20に送信され、顧客が精算装置20で精算する際に利用されるものであり、精算装置20では、商品登録装置10でした一部の支払いを除いた残りの支払いを行うことを勘案すると、後者の「精算情報」は、登録された商品の合計金額を含むのは明らかである。また、上記で示したように、後者の「精算情報」及び「部分支払情報」は、前者の「精算情報」に相当し、後者の「情報取得部15」及び「登録部11」は、前者の「取得手段」に相当する。以上によれば、後者の「商品登録装置10側で店員が一部の支払いを受け取る場合、設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得して取引格納部12に格納する情報取得部15と、登録された各商品の情報を含み、精算装置20が精算処理を行う際に利用する精算情報を取引格納部12に格納する登録部11」は、前者の「登録された商品の合計金額の少なくとも一部の金額が前記商品登録装置において精算された場合、前記一部の金額として登録された預かり額と、登録された前記商品の合計金額とを含む前記精算情報を取得する取得手段」に相当する。
後者の「取引格納部12に格納された精算情報及び部分支払情報を精算装置20に送信する」ことは、前者の「取得された前記精算情報が前記商品登録装置から前記精算装置または可搬媒体に出力され」ることに相当する。
後者の「合計金額と一部の支払い金額の差である残り」は、前者の「前記合計金額および前記預かり額の差額」に相当するから、後者の「合計金額と一部の支払い金額の差である残りと、一部の支払い金額を含む指定画面を表示させるよう制御する表示制御部13」は、前者の「前記合計金額および前記預かり額の差額と、該預かり額とを含む画面を表示させるよう制御する表示制御手段」に相当し、そして、後者の「商品登録装置10」に「表示制御部13の制御に基づいて指定画面を表示する表示装置6が接続され」ることは、前者の「商品登録装置」が「前記表示制御手段の制御に基づいて、前記画面を表示する表示手段」「を備える」ことに相当する。
そうすると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。
<一致点>
「店員が操作を行い顧客の購入対象の商品を登録し、顧客が自ら操作して精算処理を行う精算装置に精算情報を送信する商品登録装置であって、登録された商品の合計金額の少なくとも一部の金額が前記商品登録装置において精算された場合、前記一部の金額として登録された預かり額と、登録された前記商品の合計金額とを含む前記精算情報を取得する取得手段と、前記合計金額および前記預かり額の差額と、該預かり額とを含む画面を表示させるよう制御する表示制御手段と、前記表示制御手段の制御に基づいて、前記画面を表示する表示手段と、を備える、商品登録装置。」
<相違点>
本願発明では、「取得された前記精算情報が前記商品登録装置から前記精算装置または可搬媒体に出力されると、」表示制御手段が、前記合計金額および前記預かり額の差額と、該預かり額とを含む画面を表示させるよう制御するのに対し、引用発明では、表示制御部13が、合計金額と一部の支払い金額の差である残りと、一部の支払い金額を含む指定画面を表示させるよう制御するものの、それ以上の特定はなされていない点。
2 相違点についての判断
本願発明と引用文献2に記載の技術とを対比すると、後者の「取引データ」は、前者の「精算情報」に相当し、以下同様に、「商品データ登録装置102」は「商品登録装置」に、「会計装置103」は「精算装置」に、「転送される」ことは「出力される」ことに、「制御部150」は「表示制御手段」に、「合計金額」は「合計金額」に、「小計値引の実行後の残額」は「合計金額および預かり額の差額」に、「報知画面P5」は「画面」に、「表示器114」は「表示手段」に、それぞれ相当する。
そうすると、引用文献2に記載の技術を本願発明の用語で表現すると、以下のとおりとなる(以下「引用文献2技術」という。)。
「精算情報が商品登録装置から精算装置に出力されると、商品登録装置の表示制御手段は、合計金額と合計金額および預かり額差額を含む画面を表示手段に表示するよう制御する技術。」
引用発明と引用文献2技術は、商品登録装置という同一の技術分野に属するものであり、精算情報を精算装置に出力するという機能も共通するから、引用発明に引用文献2技術を適用することの動機付けは十分にあるといえる。
よって、引用発明において、引用文献2技術を適用することで、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本願発明の効果は、引用文献1,2に接した当業者であれば、予測し得る程度ものであり、格別のものであるとは認められない。
以上によれば、本願発明は、引用発明及び引用文献2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第6 むすび
上記第5で述べたとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-002874